会社名 | 東京電力ホールディングス株式会社 |
業種 | 電気・ガス業 |
従業員数 | 連38074名 単7200名 |
従業員平均年齢 | 45歳 |
従業員平均勤続年数 | 21.9年 |
平均年収 | 8595666円 |
1株当たりの純資産 | 1722.28円 |
1株当たりの純利益(連結) | 100.67円 |
決算時期 | 3月 |
配当金 | 0円 |
配当性向 | 0% |
株価収益率(PER) | 4.27倍 |
自己資本利益率(ROE)(連結) | 4.4% |
営業活動によるCF | 3612億円 |
投資活動によるCF | ▲8592億円 |
財務活動によるCF | 1941億円 |
研究開発費※1 | 7.26億円 |
設備投資額※1 | 369.76億円 |
販売費および一般管理費※1 | -円 |
株主資本比率※2 | 22.8% |
有利子負債残高(連結)※3 | 61682.69億円 |
経営方針
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営環境及び経営方針等当社グループを取り巻く経営環境は、カーボンニュートラルの実現を目指す世界的な潮流、激甚化・広域化する自然災害に対応したレジリエンス強化の要請、国際情勢を受けた全世界的な燃料価格の高騰など、大きく変化している。このような事業環境の変化に対応していくため、第四次総合特別事業計画(以下、「四次総特」という。)のもと、原子力事業における一連の不適切事案等により毀損した地域や社会の皆さまからの信頼回復に最優先で取り組むほか、多核種除去設備等処理水(以下、「ALPS処理水」という。)の海洋放出については、2021年4月に国から示された基本方針を踏まえ、安全性の確保と風評影響を最大限抑制するための取り組みを主体的に行っていく。加えて、カーボンニュートラルや防災を軸とした新たな価値を提供するビジネスモデルへと転換を図り、更なる収益力拡大と企業価値向上を実現していく。(https://www.tepco.co.jp/about/corporateinfo/business_plan/overall_special_plan.html) [東京電力ホールディングスグループ経営理念] (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等四次総特のとおり、賠償・廃炉に関して、当社グループ全体で年間約5,000億円程度の資金を確保する。加えて、年間約4,500億円規模の利益創出も可能な収益基盤を目指す。 (3) 経営環境及び対処すべき課題等小売事業の競争激化や原子力発電所の長期停止、ESG・SDGsに代表される社会的課題に対する意識の高まり、自然災害の激甚化・広域化に伴う防災・電力レジリエンスの強化に向けた社会的要請に加え、新型コロナウイルス感染症の流行がもたらした経済・社会活動の変容など、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化している。このような事業環境変化のなかでも、多様化する社会的な要請にお応えするため、当社グループは安定供給の継続に最大限尽力しながら、「カーボンニュートラル」と「防災」を軸とした、新たな価値を提供するビジネスモデルへと事業構造の変革を図り、収益力向上につなげていく。また、当社グループは一丸となって、福島第一原子力発電所の事故を決して風化させることなく、福島への責任を全うするため、「復興と廃炉の両立」を推進していくとともに、引き続き、2021年4月に国から示された「東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の処分に関する基本方針」を踏まえ、安全を最優先として海洋放出を進めるとともに、関係者の皆さまの理解醸成に向けた丁寧な説明を積み重ねていく。柏崎刈羽原子力発電所では、7号機において、燃料装荷後に実施する健全性確認を一通り実施し、原子炉の起動に必要な設備の機能が十分に発揮できることを確認した。6号機においては、設計及び工事計画の認可と保安規定変更の認可を取得するとともに、必要な安全対策工事および対象となる使用前事業者検査を実施した後、原子炉への燃料装荷を開始した。引き続き、コミュニケーションブースや発電所の視察などを通じて、原子力の必要性や、発電所の状況をお伝えし、皆さまのご疑問やご懸念にお答えすることで、より一層、ご理解を深めていただけるよう取り組んでいく。電力供給の面では、2024年度冬季は、皆さまの省エネ・節電への継続的なご協力により、安定供給を確保することができた。2025年度夏季の、7月の東京エリアを含む広域ブロックの厳気象H1需要に対する予備率は、最低限必要な3%を確保しているものの、電源の計画外停止や燃料調達リスク等に備え、引き続き最大限対応していく。また、昨今、電力業界では、公正な競争や事業者への信頼を揺るがす事案が発生している。このような状況を踏まえ、当社グループとしては、社内体制の強化や社員教育などを通じて、関係法令の遵守を徹底するとともに、不適切な行為の防止に努めていく。さらには、ワークライフバランスの実現と幸福度の向上を目的に、社員一人ひとりが快適に働くことができる環境づくりや、人と組織が最大限のパフォーマンスを発揮できる働き方の実現を目指して、“TEPCO Work Innovation”を推進していく。 ① 当年度の施策[ホールディングス]<福島事業>イ.福島復興に向けた取り組み当社は、これまでの賠償に加え、中間指針第五次追補等を踏まえた追加賠償などをすすめ、当年度末までに累計11兆5,442億円をお支払いしてきた。追加賠償については、請求されていない方々へのご請求の呼びかけを継続し、対象者の約9割の方々へのお支払いが完了した。また、新型コロナウイルス感染症対策として、福島県外で働く社員の復興推進活動への派遣を一時中断していたが、昨年5月から派遣を再開し、全社員一丸となってご帰還に向けた環境整備に取り組んでいる。 ロ.福島第一・第二原子力発電所の廃炉福島第一原子力発電所については、敷地舗装や陸側遮水壁等による地下水流入量の低減を継続するなど、汚染水発生量の低減を図ってきたほか、燃料デブリの取り出しについては、2号機において、昨年9月に試験的取り出しに着手し、昨年11月にはテレスコ式装置を用いて燃料デブリの採取に成功した。この取り出し着手により、廃炉作業は中長期ロードマップにおける新たな段階に移行した。また、ALPS処理水の海洋放出については、国際原子力機関(以下、「IAEA」という。)から国際的な安全基準に合致し、人及び環境に与える放射線の影響は無視できる程度との評価をいただき、2023年8月に政府による放出開始の判断が示されたことを受けて、放出を開始した。放出開始後も、引き続きIAEAによるレビューを受け、海域モニタリングを強化するなど、客観性・透明性の確保に取り組むとともに、ホームページや国内外のメディアなどの様々な媒体を通じて、正確でわかりやすい情報発信に努めてきた。さらに、ALPS処理水の海洋放出の進捗により、使用しなくなったタンクの解体にも着手し、燃料デブリの取り出し関連施設を設置する敷地を確保している。一部の国・地域による輸入停止措置の影響を受ける国産水産品については、販売イベントの開催等に加え、食品卸売事業者と流通促進に向けた包括連携協定を締結するなど、消費の拡大や国内外の販路開拓等にも取り組んできた。また、ALPS処理水の海洋放出に伴う被害については、適切な賠償に努めてきた。福島第二原子力発電所については、廃止措置計画に定めた廃止措置工程に基づき、第1段階となる解体工事準備期間の主要な作業プロセスである、使用済燃料乾式貯蔵施設の設置に向けた準備を進めている。 <経済事業>ハ.原子力発電事業の取り組み柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に向け、7号機については、燃料装荷後の健全性の確認をすすめ、原子炉の起動に必要な設備の機能が十分に発揮できることを確認した。6号機については、新規制基準適合性審査に真摯に対応し、設計及び工事計画の認可と保安規定変更の認可を取得するとともに、必要な安全対策工事および対象となる使用前事業者検査を実施した後、原子炉への燃料装荷を開始した。柏崎刈羽原子力発電所における使用済燃料に関する取り組みでは、プールの貯蔵率が9割を超えている7号機から、貯蔵量に余裕がある3号機への使用済燃料380体の号機間輸送を実施した。リサイクル燃料貯蔵株式会社のリサイクル燃料備蓄センターでは、新規制基準に基づく安全対策工事等を完了し、柏崎刈羽原子力発電所からの使用済燃料集合体69体を収納する一基目のキャスクの輸送を行った。原子力災害時の避難に関するご懸念の声に対しては、自治体が策定する避難計画の実効性を高めるため、新潟県との原子力防災に関する協力協定に基づき、自治体をはじめ関係機関と連携しながら、原子力防災訓練を積み重ねてきた。また、日本のエネルギー事情や発電所の安全対策、原子力災害に対する備えについて、地域のみなさまにご理解いただけるよう、コミュニケーションブースや大規模な説明会などを開催し、対面での理解活動に取り組んできた。あわせて、発電所の視察の受け入れを拡大するとともに、SNSなども含めた様々な手段による情報発信も幅広く実施してきた。 ニ.持続的な成長の実現に向けた取り組み省エネルギーが進展する一方で、データセンターの新増設や電化の推進などにより国内の電力需要は増加に転じることが見込まれている。こうした事業環境の変化を的確に捉えるため、安定供給とカーボンニュートラルの両立を軸に原子力事業や送配電事業等において必要な投資を進めてきた。一方で投資の増加に加えて、昨今の物価や金利上昇なども重なり足元のフリーキャッシュフローはマイナスとなっている。こうした厳しい財務状況のなか、グループの総力を挙げて効率的なコスト削減に取り組むとともに、経営資源の効率的かつ機動的な配分を行うため、個別事業ごとの優先順位付けによる投資の厳選を進めるなど、事業の選択と集中に取り組んできた。 [フュエル&パワー]・供給力確保とクリーンエネルギー供給基盤の構築燃料調達の不確実性が世界的に増大し、安定供給の重要性が高まるなか、燃料の価格高騰・調達リスクを踏まえた供給力の確保や、カーボンニュートラル達成に向けた再生可能エネルギーと低炭素火力を組み合わせたクリーンエネルギー供給基盤の構築を株式会社JERAに求めるとともに、その課題解決に向けて、同社を支援・監督してきた。株式会社JERAは、具体的な取り組みとして、JERA Global Markets社を通じたLNG調達の最適化等により燃料を安定的かつ機動的に確保したほか、最新鋭の五井火力発電所1~3号機の営業運転を開始するなど、供給力の確保に努めてきた。また、2035年度までに2013年度比でCO2排出量60%以上の削減を目指す「JERA環境コミット2035」を踏まえ、水素・アンモニアへの燃料転換に取り組むとともに、bp社との間で、両社の洋上風力発電事業を統合するJERA Nex bp社を設立する旨の合意をするなど再生可能エネルギー事業も推進してきた。 [パワーグリッド]・送配電ネットワークの強靭化と事業領域の拡大電力供給の信頼度を確保しながら、効率的でサステナブルな事業運営に取り組んできた。具体的には、レベニューキャップ制度のもとでの高経年化設備の着実な更新をすすめるとともに、データセンターの新増設等により増加する電力需要に対応するため、千葉県印西市に超高圧変電所や地中送電線を新設し、昨年6月に運用を開始するなど、健全な送配電ネットワークの維持と強靭性の向上に取り組んだ。また、物流等における社会課題に着目し、他の送配電事業者と柱上変圧器の共同輸送に関する実証実験を行うなど、調達改革にも取り組んだほか、DXの推進等を通じ、業務の効率化によるコスト低減をはかるなど、生産性の向上に努めてきた。加えて、他社と共同で設立した事業体が世界で初めてドローン航路を整備し、送電設備の巡視・点検を行うためのドローンやシステム等の提供サービスを開始したほか、ベトナムにおいてエネルギーマネジメントに関する実証に取り組むなど、国内外で送配電ネットワークの新たな価値創造や事業領域の拡大に向けた取り組みを加速してきた。 [エナジーパートナー]・社会情勢の変化に応じた新たな価値の提供自然災害の激甚化やカーボンニュートラルの潮流を受け、エネルギーの地産地消に取り組んできた。具体的には、再開発事業において、AIを活用し効率的に電気と熱エネルギーの地産地消を可能とする仕組みを導入するとともに、街区全体の防災力を向上させる取り組みに着手した。ご家庭のお客さまに対しては、テレビCM・キャンペーンや多様なチャネルを用いた営業活動を通じて、太陽光発電設備やおひさまエコキュート、蓄電池を活用した新しい生活スタイルをご提案し、多くのお客さまにご採用いただいた。また、余剰となった再生可能エネルギーの活用や電力の需給バランスを確保するための調整力の創出に向けて、法人のお客さまに太陽光発電と蓄熱槽を組み合わせたデマンドレスポンスサービスの提供を開始したほか、蓄電池メーカー等と家庭用蓄電池の遠隔制御の実証を行った。加えて、現在の費用構造を踏まえ、2025年4月からの料金について適正化をはかり、収支の安定化に取り組んできた。 [リニューアブルパワー]・国内外における再エネ発電事業の推進国内水力発電事業において、当年度は5箇所の既設水力発電所のリパワリングを完了させ、発電電力量のさらなる増加と設備信頼度の向上に取り組んだほか、ドローンの自律飛行によるダム点検作業を実証するなどDXを活用した保安業務の高度化を推進し、事業基盤の強化に取り組んできた。洋上風力発電事業においては、住友商事株式会社と設立したみらいえのしま合同会社が長崎県西海市に事務所を開設し、同市江島沖の海底地盤調査を実施するなど着床式洋上風力発電の事業開始に向けた準備を着実に進めてきた。また、他事業者と共同で設立した浮体式洋上風力技術研究組合を通じて、浮体式洋上風力発電事業におけるコストとリスクを低減させる共通基盤技術の開発を行い、商用化に取り組んできた。さらに、海外子会社であるFlotation Energy社が手掛ける浮体式洋上風力プロジェクトがイギリスにおける再エネ支援スキームのオークションにおいて落札を果たすなど、国外においても洋上風力発電事業を推進してきた。 ② 優先的に対処すべき課題[ホールディングス]<福島事業>イ.「3つの誓い」に基づく賠償と復興に向けた取り組み当社は、引き続き、中間指針第五次追補等を踏まえた追加賠償の請求をされていない方々への呼びかけを実施するなど、「3つの誓い」として掲げた「最後の一人まで賠償貫徹」、「迅速かつきめ細やかな賠償の徹底」、「和解仲介案の尊重」に基づき、迅速かつ適切な賠償を進めていく。あわせて、特定帰還居住区域の環境整備など、ご帰還に向けた取り組みを行うとともに、地域の皆さまとのコミュニケーションを大切にしながら、引き続き環境再生・復興推進活動を継続していく。また、廃炉関連製品の製造工場の建設等による就労機会の創出や産業基盤の整備等に向けた取り組みを他社とともにすすめるなど、福島の復興に貢献していく。 ロ.地域と共生した福島第一原子力発電所の廃炉の貫徹長期にわたる廃炉の貫徹に向け「廃炉中長期実行プラン」のもと、現場・現物を踏まえたプロジェクト管理と安全・品質管理の機能の強化を図り、安全・着実かつ計画的に廃炉作業を進めていく。燃料デブリの取り出しについては、2号機の段階的な取り出し規模の拡大に向け、研究開発の成果を廃炉作業に適用するためのエンジニアリングを進めるとともに、取り出し規模のさらなる拡大に向けて、まず3号機において、燃料デブリ取り出し工法評価小委員会の提言等を踏まえて、取り出し方法を決定する。使用済燃料プールからの燃料取り出しについては、1号機への大型カバーの設置完了と2号機における燃料取り出しの開始に向けて、安全かつ着実に取り組んでいく。また、「復興と廃炉の両立」の方針のもと、地元企業の参画拡大や域外企業の誘致を通じて、浜通り地域における廃炉関連産業の形成を推進し、地域の雇用創出や人財育成、産業・経済基盤の創造に貢献していく。ALPS処理水の海洋放出にあたっては、実施計画に基づく安全・品質の確保や科学的根拠に基づく情報の国内外への発信、海域モニタリングの強化など、政府の基本方針を踏まえた取り組みを着実に進めていく。また、IAEAによるレビューを通じた客観性・透明性の確保に努めていく。さらに、ALPS処理水の放出に伴う風評影響を最大限抑制すべく、国内外の理解醸成に向けた科学的根拠に基づく情報発信に加えて、一部の国・地域による国産水産品の輸入停止措置に対しては、国内外の販売イベント等を通じた消費拡大や代替販路の確保など、引き続き流通促進活動に取り組んでいく。また、ALPS処理水の海洋放出に伴う被害に対しては、適切に賠償していく。 <経済事業>ハ.原子力発電事業の取り組み電力供給のレジリエンス強化やカーボンニュートラル社会の実現などの観点から、柏崎刈羽原子力発電所は必要不可欠な電源である。技術的準備が完了した7号機に続き、6号機についても再稼働に向けた準備を着実にすすめることで、7号機の特定重大事故等対処施設の設置期限を迎える本年10月以降も、発電所としての稼働を継続できる状態とし、日本の電力供給の安定化と電源の脱炭素化に貢献していく。緊急時の対応については、関係機関との連携を密にしながら、原子力防災訓練を積み重ねていくことで、対応力の向上をはかっていく。また、自治体が作成する避難計画の実効性を高めるため、関係する自治体のご意見を踏まえ、事業者として可能な限り最大限の支援を行っていく。あわせて、自然災害への備えとして、当社施設の活用など、住民の方々への支援についても検討を進めていく。地域のみなさまの信頼やご理解が得られるよう、これまで以上に理解活動に取り組み、地域のみなさまの声を事業運営に活かしていく。 ニ.当社グループの事業戦略と収益力向上への取り組みDXやGXの進展に伴い、国内の電力需要の増加が見込まれるなど、当社グループをとりまく事業環境は大きく変化している。こうした環境変化を大きなビジネスチャンスと捉え、国内の電気事業において必要な投資を引き続き進めるとともに、発電事業、送配電事業、小売事業における施策を有機的に連携させ、当社グループの収益基盤を強化していく。また、足元の設備投資が大幅な増加に加え、物価や金利上昇なども相まって厳しい財務状況が続いている中でも福島への責任を貫徹するため、不断の経営改革や投資の厳選をはじめとした最大限の経営合理化を進めるとともに、原子力損害賠償・廃炉等支援機構と協議のうえ第五次総合特別事業計画を策定し、安定供給・カーボンニュートラルの両立と企業価値の向上に向けて取り組んでいく。 [フュエル&パワー]カーボンニュートラルの実現が求められるなか、国際情勢の悪化を受けてエネルギー安全保障の重要性が一段と高まるなど、株式会社JERAを取り巻くグローバルな事業環境は変化し続けている。こうした事業環境のもと、同社は供給力の確保及び「JERAゼロエミッション2050」に向けた再生可能エネルギーの開発・導入や水素・アンモニア等を組み合わせたゼロエミッション火力発電の実現に向けた取り組みを行っている。東京電力フュエル&パワー株式会社は、株式会社JERAにおけるこのような課題への対策が、同社の施策に随時、柔軟に反映されるよう、事業計画の策定への関与とその進捗に対するモニタリング等による質の高いコミュニケーションを通じて、支援・監督していく。こうしたなか、株式会社JERAが余剰電力の一部をスポット市場に供出しておらず昨年11月に電力・ガス取引監視等委員会から業務改善勧告を受けたことについては、大変重く受け止めており、同社が策定した再発防止策の着実な実行状況を引き続き注視していく。 [パワーグリッド]今後も省エネルギー化がすすむ一方で、生成AIの普及に代表されるDXの進展や、GX推進に伴う電化の促進等による電力需要の増加が見込まれている。こうした状況下において、地域のレジリエンス強化などの送配電ネットワークに対する新たな要請や、労務費・資材市況の上昇、施工力の確保といった課題も踏まえつつ、関係機関や事業者と連携し、適地における先行的・計画的な系統整備を図るなど、効率的かつ確実な設備保全・拡充の取り組みを進めていく。加えて、他業種も含めた国内外の事業者との協業・連携等を通じて事業領域の拡大にも取り組んでいく。また、情報管理に関する体制整備の不備等に対する業務改善計画に基づく取り組みを確実にすすめ、引き続き内部統制システムの一層の強化をはかり、一般送配電事業の中立性・信頼性を確保していく。 [エナジーパートナー]お客さまから選ばれ続けるパートナーとなるために、事業の選択と集中をすすめ、エネルギーコストの削減・安定化とカーボンニュートラルの実現といったお客さまのニーズにあわせたご提案を行っていく。具体的には、エネルギーコストの安定化に対するお客さまのニーズに応じた料金プランの充実をはかるとともに、卸電力市場を通じた市場調達と相対取引による電源調達を組み合わせた最適な調達ポートフォリオの構築に努めていく。また、太陽光発電設備と蓄電池等を活用したエネルギーの地産地消を推進し、カーボンニュートラルに資する設備サービス事業をより一層強化していく。加えて、データセンターや半導体工場の新増設に伴う電力需要の増加が見込まれるため、これを好機と捉え、一層の需要獲得と収益拡大に取り組んでいく。 [リニューアブルパワー]水力発電所のリパワリングやダムの運用高度化による発電電力量のさらなる増加に取り組むとともに、IoT技術の活用による設備保全業務の効率化を推進し、国内水力発電事業の収益性を向上させていく。また、これまで培った技術力やノウハウを最大限活用した技術支援により、海外における水力発電所のバリューアップにも取り組んでいく。洋上風力発電事業については、長崎県西海市江島沖での運転開始に向けた開発を着実にすすめるほか、国内外における案件を積み上げ、事業拡大に向けた競争力強化に取り組んでいく。さらに、浮体式洋上風力発電の技術開発をすすめ、国内における広域かつ大規模な商用化の早期実現をめざしていく。こうした取り組みを通じて、再生可能エネルギーの長期安定電源化を推進し、主力電源化を実現していく。 (注)本項においては、将来に関する事項が含まれているが、当該事項は提出日現在において判断したものである。 |
経営者による財政状態の説明
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。 ① 財政状態及び経営成績の状況イ.財政状態[資産・負債・純資産]当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ3,915億円増加し、14兆9,869億円となった。これは、関係会社長期投資が増加したことなどによるものである。当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ1,434億円増加し、11兆2,008億円となった。これは、有利子負債が増加したことなどによるものである。当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2,481億円増加し、3兆7,861億円となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどによるものである。この結果、自己資本比率は25.1%と前連結会計年度末に比べ1.0ポイント上昇した。ロ.経営成績[概要]当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比1.6%減の6兆8,103億円、経常利益は同40.2%減の2,544億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同39.8%減の1,612億円となった。[売上高]当連結会計年度における各セグメントの売上高(セグメント間取引消去前)は、ホールディングスが7,962億円(前連結会計年度比12.4%増)、フュエル&パワーが37億円(前連結会計年度比2.8%減)、パワーグリッドが2兆3,452億円(前連結会計年度比6.4%増)、エナジーパートナーが5兆5,598億円(前連結会計年度比3.2%減)、リニューアブルパワーが2,121億円(前連結会計年度比34.2%増)となった。総販売電力量は、前連結会計年度比0.1%減の2,286億kWhとなった。[経常損益]当連結会計年度における各セグメントの経常損益(セグメント間取引消去前)は、ホールディングスが△507億円(前連結会計年度△1,271億円)、フュエル&パワーが577億円(前連結会計年度比67.0%減)、パワーグリッドが549億円(前連結会計年度比65.0%減)、エナジーパートナーが2,879億円(前連結会計年度比11.7%減)、リニューアブルパワーが536億円(前連結会計年度比18.8%増)となった。[親会社株主に帰属する当期純利益]当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、特別利益に原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの資金交付金873億円を計上した一方、特別損失に原子力損害賠償費803億円、災害特別損失626億円を計上したことなどから、1,987億円となった。ここに、法人税、住民税及び事業税358億円、法人税等調整額10億円、非支配株主に帰属する当期純利益5億円を計上し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、1,612億円となった。なお、1株当たり当期純利益は100円67銭となった。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,086億円(25.0%)減少し、9,264億円となった。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の収入は、前連結会計年度比46.3%減の3,612億円となった。これは、未払費用が減少したことなどによるものである。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の支出は、前連結会計年度比23.0%増の8,592億円となった。これは、固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものである。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の収入は、前連結会計年度比64.1%減の1,941億円となった。これは、短期借入れによる収入が減少したことなどによるものである。 ③ 生産及び販売の実績当社グループは、原子力発電等を行う「ホールディングス」、火力発電等を行う「フュエル&パワー」、送電・変電・配電による電力の供給等を行う「パワーグリッド」、電気の販売等を行う「エナジーパートナー」及び再生可能エネルギー発電等を行う「リニューアブルパワー」の5つのセグメントがコスト意識を高めるとともに自発的に収益拡大に取り組みつつ、一体となって電気事業を運営している。加えて、電気事業が連結会社の事業の大半を占めており、また、電気事業以外の製品・サービスは多種多様であり、受注生産形態をとらない製品も少なくないため、生産及び販売の実績については、電気事業のみを記載している。 イ.発電実績 種別2024年度(百万kWh)前年同期比(%)発電電力量水力発電電力量10,70696.9火力発電電力量159102.5原子力発電電力量--新エネルギー等発電電力量73128.9発電電力量合計10,93897.1 (注) 1.上記発電実績には、連結子会社の一部を含んでいる。2.2019年4月1日付けで㈱JERAが承継会社となり、東京電力フュエル&パワー㈱の燃料受入・貯蔵・送ガス事業及び既存火力発電事業等を吸収分割により承継させた。これにより、火力発電電力量は東京電力パワーグリッド㈱の離島における発電電力量である。 ロ.販売実績(a) 総販売電力量 種別2024年度(百万kWh)前年同期比(%) 小売販売電力量187,18395.4卸販売電力量41,439127.4総販売電力量228,62199.9 (注) 連結子会社の一部を含んでいる。 (b) 電気料収入 種別2024年度(百万円)前年同期比(%)電気料収入4,314,73897.1 (注) 1.連結子会社の一部を含んでいる。2.電気料収入は小売販売電力量に相当する。3.「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づき実施される「電気・ガス価格激変緩和対策事業」「酷暑乗り切り緊急支援」、及び「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」に基づき実施される「電気・ガス料金負担軽減支援事業」により、国が定める値引き単価による電気料金の値引きを行っており、その原資として補助金(以下、「当該補助金」という。) 176,379百万円を受領している。内訳は「パワーグリッド」が751百万円、「エナジーパートナー」が175,628百万円である。電気料収入には当該補助金収入を含んでいない。 (c) 託送収入 種別2024年度(百万円)前年同期比(%)託送収益1,597,429101.7 (注) セグメント間取引消去前。 ④ 託送供給料金東京電力パワーグリッド株式会社は、2023年12月1日、電気事業法第18条第1項に規定された「託送供給等約款」の変更に係る認可申請(発電側課金制度の導入に伴う供給条件の設定及び電気事業法第17条の2第4項の規定により2023年11月24日に経済産業大臣から承認された「託送供給等に係る収入の見通し」の変更に基づく新たな料金を設定)を経済産業大臣に行い、2024年1月17日に経済産業大臣の認可を受け、2024年4月1日から実施している。主要託送供給料金は下記のとおりである。 託送供給料金表(消費税等相当額を含む料金単価) 単位料金単価(円)接続送電サービス低圧電灯定額接続送電サービス電灯料金10Wまで1灯 1か月につき35.5410W超過 20Wまで〃71.0920W 〃 40W 〃〃142.1940W 〃 60W 〃〃213.2860W 〃 100W 〃〃355.47100W 〃 100Wまでごとに〃355.47小型機器料金50VAまで1機器 1か月につき106.1750VA超過 100VAまで〃212.34100VA 〃 100VAまでごとに〃212.34電灯標準接続送電サービス基本料金実量契約1kW 1か月につき230.67SB・主開閉器契約1kVA 1か月につき152.24SB契約;5Aの場合1契約 1か月につき76.12SB契約;15Aの場合〃228.36電力量料金1kWhにつき6.97電灯時間帯別接続送電サービス基本料金実量契約1kW 1か月につき230.67SB・主開閉器契約1kVA 1か月につき152.24SB契約;5Aの場合1契約 1か月につき76.12SB契約;15Aの場合〃228.36電力量料金昼間時間1kWhにつき7.36夜間時間〃6.64電灯従量接続送電サービス〃10.76動力標準接続送電サービス基本料金実量契約1kW 1か月につき731.97主開閉器契約〃461.14電力量料金1kWhにつき4.54 単位料金単価(円)接続送電サービス低圧動力時間帯別接続送電サービス基本料金実量契約1kW 1か月につき731.97主開閉器契約〃461.14電力量料金昼間時間1kWhにつき4.79夜間時間〃4.35動力従量接続送電サービス〃16.54高圧高圧標準接続送電サービス基本料金1kW 1か月につき653.87電力量料金1kWhにつき1.84高圧時間帯別接続送電サービス基本料金1kW 1か月につき653.87電力量料金昼間時間1kWhにつき1.93夜間時間〃1.75高圧従量接続送電サービス〃12.55ピークシフト割引1kW 1か月につき555.80特別高圧特別高圧標準接続送電サービス基本料金〃423.39電力量料金1kWhにつき0.91特別高圧時間帯別接続送電サービス基本料金1kW 1か月につき423.39電力量料金昼間時間1kWhにつき0.94夜間時間〃0.89特別高圧従量接続送電サービス〃7.85ピークシフト割引1kW 1か月につき359.89予備送電サービス高圧予備送電サービスA〃87.62予備送電サービスB〃109.20特別高圧予備送電サービスA〃71.13予備送電サービスB〃86.37系統連系受電サービス基本料金1kW 1か月につき87.01基本料金(離島のお客さま)〃79.85電力量料金1kWhにつき0.28系統設備効率化割引割引AA-11kW 1か月につき30.86A-2(受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合)〃5.72A-2(受電電圧が標準電圧140,000V以下の場合)〃11.44A-3(受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合)〃2.86A-3(受電電圧が標準電圧140,000V以下の場合)〃5.72割引BB-11kW 1か月につき48.99B-2〃17.80 (注) 1.上記契約種別のほか、臨時接続送電サービス、発電量調整受電計画差対応電力、接続対象計画差対応電力、需要抑制量調整受電計画差対応電力、給電指令時補給電力がある。2.SBとは、電流制限器又はその他適当な電流を制限する装置。3.時間帯別接続送電サービスにおける「昼間時間」とは、毎日午前8時から午後10時までの時間をいい、「夜間時間」とは、「昼間時間」以外の時間をいう。ただし、日曜日、祝日(「国民の祝日に関する法律」に規定する休日)及び1月2日・3日、4月30日、5月1日・2日、12月30日・31日は、全日「夜間時間」扱いとする。4.系統設備効率化割引とは、需要地近郊や既に送配電設備が手厚く整備されている地域など、送配電設備の追加増強コストが小さい地域に接続する電源に対して、発電側課金の負担額を軽減するものである。5.従来適用してきた近接性評価割引は、新たに導入する割引制度と趣旨や割引の考え方が重複している面もあることから廃止する。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものである。 ① 経営成績等当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、引き続き燃料価格や卸電力市場価格の低下がみられたものの、労務費・資材価格の高騰などにより、依然として厳しい状況が続いた。こうした状況のもと、当社グループは、デジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)の進展に伴う電力需要の増加に対応するうえで必要な設備投資を適切に実施してきた。これに伴い、フリーキャッシュフローのマイナスが続いているが、グループの総力を挙げて徹底的なコスト削減や事業の選択と集中をはじめとする不断の経営合理化を進めてきた。当社グループの当連結会計年度の小売販売電力量は、主に特別高圧・高圧の分野において、厳しい競争環境が続いたことなどから、前連結会計年度に比べ4.6%減の1,872億kWhとなった。このため、卸販売電力量が増加したものの、総販売電力量は、前連結会計年度に比べ0.1%減の2,286億kWhとなった。当連結会計年度の連結収支については、売上高(営業収益)は、燃料価格の低下等により燃料費等調整額が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ1.6%減の6兆8,103億円となった。経常損益は、主に燃料費等調整制度の期ずれの影響が悪化したことなどから、前年度に比べ40.2%減の2,544億円となった。また、原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの資金交付金873億円を特別利益として計上した一方、原子力損害賠償費と災害特別損失を合わせ1,430億円を特別損失として計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は1,612億円の利益となった。当連結会計年度における各セグメントの業績(セグメント間取引消去前)は次のとおりである。[ホールディングス]販売電力料収入が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度に比べ12.4%増の7,962億円となった。一方、当連結会計年度の特別負担金が前連結会計年度よりも減少したことなどから、経常損益は前連結会計年度比764億円増の507億円の損失となった。[フュエル&パワー]持分法適用関連会社である株式会社JERAにおいて、燃料費調整制度の期ずれ影響が悪化したことなどから、経常利益は前連結会計年度比67.0%減の577億円となった。[パワーグリッド]託送収入が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比6.4%増の2兆3,452億円となった。一方、需給調整に係る費用や修繕費が増加したことなどから、経常利益は前連結会計年度比65.0%減の549億円となった。[エナジーパートナー]燃料価格の低下等により燃料費等調整額が減少したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比3.2%減の5兆5,598億円となった。加えて、燃料費等調整制度の期ずれ影響が悪化したことなどから、経常利益は前連結会計年度比11.7%減の2,879億円となった。[リニューアブルパワー]販売電力料収入が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比34.2%増の2,121億円となった。これに伴い、経常利益は前連結会計年度比18.8%増の536億円となった。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況イ.キャッシュ・フロー等(a) キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。 (b) 有利子負債2025年3月31日現在の社債、長期借入金、短期借入金、コマーシャル・ペーパーについては、以下のとおりである。 当連結会計年度(2025年3月31日) 1年以内(百万円)1年超2年以内(百万円)2年超3年以内(百万円)3年超4年以内(百万円)4年超5年以内(百万円)5年超(百万円)社債304,000220,000359,000376,000315,0001,961,000長期借入金12,4534,38816,92728,36210219,617短期借入金2,867,871-----コマーシャル・ペーパー25,000-----合計3,209,324224,388375,927404,362315,1021,980,617 上記については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(金融商品関係)2.金融商品の時価等に関する事項(注2)社債、長期借入金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額」にも記載。 ロ.財務政策当社グループとして、総合特別事業計画(2012年5月に主務大臣より認定。)において機構から1兆円の出資を受けるとともに、取引金融機関に対し追加与信及び借換え等による与信を維持することなどをお願いしており、ご協力をいただいている。これらの機構や金融機関の支援・協力のもとで、自己資本比率の改善、公募社債市場への復帰を2017年3月に実現しており、2024年度はパワーグリッドにおいて4,300億円の公募社債を発行し、リニューアブルパワーにおいて400億円のグリーンボンドを発行した。引き続き社債の発行を継続するなど、当社グループの自律的な資金調達力の回復もはかっていく。金融機関からの借入金や社債の発行により調達した資金は、電気事業等に必要な設備資金、借入金返済及び社債償還等に充当している。設備投資計画については、「第3 設備の状況」のとおりであり、借入金返済及び社債償還の予定については、「② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況 イ.キャッシュ・フロー等 (b) 有利子負債」のとおりである。また、当社グループでは、グループ全体でより効率的な資金の運用を図る観点からグループ金融制度を採用している。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。 ④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等四次総特のとおり、賠償・廃炉に関して、当社グループ全体で年間約5,000億円程度の資金を確保する。加えて、年間約4,500億円規模の利益創出も可能な収益基盤を目指す。当連結会計年度における経常利益は2,544億円となった。 |
※本記事は「東京電力ホールディングス株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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