KDDI株式会社の基本情報

会社名KDDI株式会社
業種情報・通信業
従業員数連64636名 単9483名
従業員平均年齢42歳
従業員平均勤続年数16.4年
平均年収10183458円
1株当たりの純資産968.95円
1株当たりの純利益(連結)169.33円
決算時期3月
配当金145円
配当性向56%
株価収益率(PER)18.21倍
自己資本利益率(ROE)(連結)15.3%
営業活動によるCF12490億円
投資活動によるCF▲11801億円
財務活動によるCF▲335億円
研究開発費※1373.33億円
設備投資額※16789.07億円
販売費および一般管理費※122033円
株主資本比率※252.5%
有利子負債残高(連結)※3※40円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループは、企業理念を以下のとおり定めています。また、企業理念に謳われた使命を果たし、持続的な成長を遂げるために、社員一人ひとりが持つべき考え方、価値観、行動規範をKDDIフィロソフィとして定め、心をひとつにしてこれらを共有し実践していくことに努めております。 ■企業理念 KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します。 (1)中長期的な会社の経営戦略 現代社会において、通信はあらゆるものに溶け込んでおり、通信の社会的役割がより一層重要になる中、AI技術の進化により、生活や産業など社会全般において新たな価値創造の時代が到来しつつあります。また、日本国内では、生産性向上や脱炭素化など、サステナブルな社会の実現に向け、産業構造の変革が期待されています。  当社は、データ及び生成AIによるデジタル社会インフラの進展など、社会全体を取り巻く急速な環境変化に対応するため、昨年5月に事業戦略「サテライトグロース戦略」をアップデートしました。アップデートした事業戦略の下、2022年5月に策定した「KDDI VISION 2030:『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」の実現に向けて、今後も「『命』『暮らし』『心』をつなぐ」を使命に、社会的に重要な役割を果たすとともに、お客さまの期待を超える感動をお届けすることで、引き続き社会の持続的成長と企業価値の向上を目指していきます。 <中期経営戦略(2022-25年度)>■企業理念KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します。■ブランドメッセージ Tomorrow, Together KDDI / おもしろいほうの未来へ。au■目指す姿 ①お客さまに一番身近に感じてもらえる会社 ②ワクワクを提案し続ける会社 ③社会の持続的な成長に貢献する会社■KDDI VISION 2030「つなぐチカラ」を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。■財務目標持続的な成長に向け、成長投資・株主還元を引き続き強化します。EPS※については、2018年度対比1.5倍を引き続き目指します。株主還元については、安定的な配当を継続し、配当性向40%超、成長投資の状況などを鑑み、機動的な自己株式取得を実施します。※ 「Earnings Per Share」の略で、1株当たり当期利益。 (2)対処すべき課題(中期経営戦略 ―サステナビリティ経営―)「中期経営戦略(2022-25年度)」では、パートナーの皆さまとともに社会の持続的成長と企業価値の向上を目指す-サステナビリティ経営-を根幹にしています。高品質・高信頼の「5G通信」をベースとし、「データドリブン」の実践と「生成AI」の社会実装を進めるコア事業を中心に、パートナーの皆さまと共に新たな価値が生まれる時代を目指すとともに、それを支える経営基盤を強化します。 <事業戦略 ~ サテライトグロース戦略 ~>コア事業に加え、それらと連携し当社の成長を牽引する事業領域(Orbit1)、新たな成長に挑戦する事業領域(Orbit2)を推進し、KDDIグループの企業価値の最大化を図ります。 ■Orbit1(1)DX(デジタルトランスフォーメーション)・ 法人事業ブランド「KDDI BUSINESS」のもと、昨年5月にAI時代の新たなビジネスプラットフォーム「WAKONX(ワコンクロス)」を始動しました。さまざまなパートナー企業との共創により業界別のプラットフォームを構築し、サービス化することで法人のお客さまの事業成長と社会課題解決に貢献します。(2)金融・ 金融クロスユースの拡大を推進し、通信と金融によるエンゲージメント向上へ寄与します。また、金融各機能のさらなるスケール化を推進し、KDDIグループの金融各社の成長を実現します。(3)エネルギー・ 電力小売事業を引き続き強化するとともに、脱炭素関連事業の拡大を図り、カーボンニュートラルへ貢献します。 ■Orbit2(1)LX(モビリティ/宇宙/ヘルスケア/スポーツ・エンタメ/Web3・メタバース)・ 新たな成長の柱として、当社の強みである通信や新技術を活用するとともにパートナリングによってお客さまのライフスタイルの変革に挑戦し、さらなる事業拡大を目指します。 当社はサテライトグロース戦略の推進とあわせて、「To Global」「With Life」「For Future」をテーマに未来への取り組みも進めることで、「お客さまに一番身近に感じてもらえる会社」、「誰もが思いを実現できる社会をつくる」ことを目指します。 また当社は、サテライトグロース戦略をリアルな消費生活シーンにおいて強力に推進するため、昨年2月に株式会社ローソン(以下「ローソン」)及び三菱商事株式会社 (以下「三菱商事」)と資本業務提携契約を締結し、昨年8月にはローソン株式取得のクロージングを経て、ローソンは、三菱商事と当社がそれぞれ50%ずつの出資比率となる共同経営体制となりました。3社は、ローソンの「未来のコンビニ」への変革に向けて、三菱商事と当社が有する事業基盤やAI・DX技術を活用することで、「Real×Tech Convenience」の拡大を推進するとともに、自治体と連携してお店と地域が抱える社会的課題を解決し「マチのほっとステーション」としての役割をさらに深化させていくことを目指します。なお、当社が本社を移転する「TAKANAWA GATEWAYCITY」には、「未来のコンビニ」への変革に向けたさまざまなリテールテックにおける実験ラボの位置づけとなるローソン店舗を開店します。そして、今後は高輪での実証結果をもとに「Real×Tech Convenience」の仕組みを構築することで、他店舗への拡大を目指すとともに、データを活用したマーケティング高度化やPonta経済圏の拡大・活性化を推進し、ローソンの「未来のコンビニ」に向けた変革に協働で取り組んでいきます。 <経営基盤強化>KDDIグループは、社会と企業の持続的な成長に貢献するため、特に以下の3つの経営基盤を強化します。(1)カーボンニュートラルの実現・ 2040年度までにScope3を含むサプライチェーン全体からのCO2排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」を目指します。そして、この達成に向けて、当社グループ全体で2030年度のCO2排出量実質ゼロの実現を目指し、基地局・通信設備などでの省電力化や再生可能エネルギーへのシフトを推し進めます。(2)人財ファースト企業への変革・ 「新人事制度の浸透」「KDDI版ジョブ型人事制度によるプロ人財育成」「社員エンゲージメント向上」の三位一体改革に取り組んでおり、社員が幸せで、活力ある企業であり続けるために、社員の「健康」を重要な経営課題と捉え、社員一人ひとりの健康を組織で支える健康経営を推進し、豊かな未来に向けて挑戦し続けていきます。(3)グループ一体経営の推進とガバナンスの強化・ 経営層と従業員の共通の考え方・行動規範として掲げる「KDDIフィロソフィ」を礎に、人権を尊重し、透明性・公平性を担保したコーポレート・ガバナンス体制との相乗効果により、リスクマネジメント・情報セキュリティ体制の強化を進め、グループ一体経営の推進に努めていきます。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a.経営成績の状況■業界動向と当社の状況現代社会において、通信はあらゆるものに溶け込んでおり、通信の社会的役割がより一層重要になる中、AI技術の進化により、生活や産業など社会全般において、新たな価値創造の時代が到来しつつあります。また、日本国内では、生産性向上や脱炭素化など、サステナブルな社会の実現に向け、産業構造の変革が期待されています。当社は、データ及び生成AIによるデジタル社会インフラの進展など、社会全体を取り巻く急速な環境変化に対応するため、昨年5月に事業戦略「サテライトグロース戦略」をアップデートしました。アップデートした事業戦略の下、2022年5月に策定した「KDDI VISION 2030:『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」の実現に向けて、今後も「『命』『暮らし』『心』をつなぐ」を使命に、社会的に重要な役割を果たすとともに、お客さまの期待を超える感動をお届けすることで、引き続き社会の持続的成長と企業価値の向上を目指していきます。サテライトグロース戦略では、高品質・高信頼の「5G通信」をベースとし、「データドリブン」の実践と「生成AI」の社会実装を進めるコア事業を中心に、パートナーの皆さまとともに新たな価値を創造し、「つなぐチカラ」の進化を加速しています。生成AIの社会実装については、国内トップクラスのLLM(大規模言語モデル)の研究開発力を有するスタートアップ企業との提携や、当社グループの計算基盤及びネットワーク資源を活用し、付加価値の創出に取り組んでいます。 また、コア事業と連携し、当社の成長を牽引する事業領域(Orbit1)として、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「金融」「エネルギー」の3領域に注力し、パートナーの皆さまとの連携や通信事業とのシナジー最大化などに取り組み、引き続き成長を加速していきます。特に「DX」においては、昨年5月に、AIが溶け込む時代の新たなビジネスプラットフォームとして「WAKONX(ワコンクロス)」を始動しました。WAKONXでは、社会のDX加速に不可欠な、AI・データ基盤・ネットワーク・運用保守をワンストップで提供することで、社会課題・業界課題の解決や日本企業の事業成長を加速していきます。 加えて、新たな成長に挑戦する事業領域(Orbit2)には、「モビリティ」「宇宙」「ヘルスケア」「Web3・メタバース」「スポーツ・エンタメ」の5領域を設定しています。当社の強みである通信や新技術を活用するとともに、パートナリングによってお客さまのライフスタイルの変革に挑戦し、さらなる事業拡大を目指します。 さらに、当社はサテライトグロース戦略の推進と併せて、「To Global」「With Life」「For Future」をテーマに未来への取組みも進めることで、「お客さまに一番身近に感じてもらえる会社」として、誰もが思いを実現できる社会をつくることを目指します。 また当社は、サテライトグロース戦略をリアルな消費生活シーンにおいて強力に推進するため、昨年2月に株式会社ローソン(以下「ローソン」)及び三菱商事株式会社 (以下「三菱商事」)と資本業務提携契約を締結し、昨年8月にはローソン株式取得のクロージングを経て、ローソンは、三菱商事と当社がそれぞれ50%ずつの出資比率となる共同経営体制となりました。3社は、ローソンの「未来のコンビニ」への変革に向けて、三菱商事と当社が有する事業基盤やAI・DX技術を活用することで、「Real×Tech Convenience」の拡大を推進するとともに、自治体と連携してお店と地域が抱える社会的課題を解決し「マチのほっとステーション」としての役割をさらに深化させていくことを目指します。なお、当社が本社を移転する「TAKANAWA GATEWAY CITY」には、「未来のコンビニ」への変革に向けたさまざまなリテールテックにおける実験ラボの位置づけとなるローソン店舗を開店します。そして、今後は高輪での実証結果をもとに「Real×Tech Convenience」の仕組みを構築することで、他店舗への拡大を目指すとともに、データを活用したマーケティング高度化やPonta経済圏の拡大・活性化を推進し、ローソンの「未来のコンビニ」に向けた変革に協働で取り組んでいきます。 さらに、地球規模で大きな課題となっている、カーボンニュートラルを始めとするサステナビリティ課題についても積極的に取り組んでいます。当社が重要課題(マテリアリティ)の一つとして掲げる「カーボンニュートラルの実現」については、昨年5月に新たな目標を策定し、2040年度までにScope3を含むサプライチェーン全体からのCO2排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」を目指します。そして、この達成に向けて、当社グループ全体で2030年度のCO2排出量実質ゼロの実現を目指し、基地局・通信設備等の省電力化や再生可能エネルギーへのシフトを強力に推し進めます。 変化の激しい事業環境の中で持続的成長を実現するには、「イノベーションの推進」及び社員や組織の高度な自律性と成長を促す「人財ファースト企業」への変革が不可欠です。「イノベーションの推進」においては、Beyond 5G/6Gを見据えた先端技術の研究開発に挑み続けるとともに、産学官連携によるオープンイノベーションや外部パートナーとのコラボレーションを推進しています。また、日本国土強靭化や国際競争力向上を目指し、ソフトバンク株式会社とのインフラシェアリング等、競合他社との協調にも引き続き積極的に取り組んでいきます。「人財ファースト企業」への変革については、従前より取り組んできた「新人事制度の浸透」「KDDI版ジョブ型人事制度によるプロ人財育成」「社員エンゲージメント向上」の三位一体改革を進化させ、社員のキャリア自律と成長のさらなる支援の取組みと、ワークスタイルの変革を促進しています。引き続き当社は、経営層と従業員の共通の考え方・行動規範として掲げる「KDDIフィロソフィ」と、人権を尊重し、透明性・公正性を担保したコーポレート・ガバナンス体制との相乗効果により、リスクマネジメント・情報セキュリティ体制の強化を進め、グループ一体経営の推進に努めていきます。 ■連結業績 (単位:百万円) 2024年3月期自 2023年4月1日至 2024年3月31日2025年3月期自 2024年4月1日至 2025年3月31日比較増減 増減率(%) 売上高 5,754,0475,917,953163,9062.8 売上原価 3,323,5143,409,57786,0632.6 売上総利益 2,430,5332,508,37677,8433.2 販売費及び一般管理費 1,503,6801,426,974△76,707△5.1 その他の損益(△損失) 24,7869,770△15,016△60.6 持分法による投資損益(△損失) 9,94527,50117,556176.5 営業利益 961,5841,118,674157,09016.3 金融損益(△損失) 11,652△19,513△31,165- その他の営業外損益(△損失) 19,4905,464△14,026△72.0 税引前当期利益 992,7251,104,625111,89911.3 法人所得税費用 336,621338,5171,8960.6 当期利益 656,104766,107110,00316.8 親会社の所有者 637,874685,67747,8037.5 非支配持分 18,23080,43062,200341.2当期より、組織変更に伴い当社事業、連結子会社及び関連会社の一部所管セグメントを見直しております。これに伴い、前期のセグメント情報については、変更後のセグメント区分に基づき作成したものを開示しております。当期の売上高は、前期と比較し、子会社の一部取引において商流変更を行い、総額計上から純額計上となった影響等によるエネルギー事業収入の減少等があったものの、端末販売収入や金融事業収入、IoT関連サービス・データセンター・デジタルBPO等で構成されるグロース領域の成長による収入の増加等により、5,917,953百万円(2.8%増)となりました。営業利益は、前期と比較し、ミャンマー通信事業リース債権引当が前期にあったことや、通信ARPU収入の増加、エネルギー事業利益やローソンの取得による持分法投資利益の増加、グロース領域の成長による収入の増加等により、1,118,674百万円(16.3%増)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、685,677百万円(7.5%増)となりました。 b.セグメント別の状況パーソナルセグメントパーソナルセグメントでは、個人のお客さま向けにサービスを提供しています。日本国内においては、「au」「UQ mobile」「povo」のマルチブランドで提供する5G通信サービスを中心に、金融、エネルギー、LX(ライフトランスフォーメーション)等の各種サービスを連携し拡充することで、新たな付加価値・体験価値の提供を目指していることに加え、地域のパートナーの皆さまとともに、デジタルデバイド解消とサステナブルな地域共創の実現を目指しています。海外においては、国内で培った事業ノウハウを生かし、モンゴルとミャンマーのお客さま向けに、通信サービス、金融サービス及び映像等のエンターテインメントサービスの提供にも取り組んでいます。また、日本から海外へ渡航されるお客さま、海外から日本に来られるお客さま向けの通信サービスについても利便性の向上に努めています。 <当期のトピックス> ●お客さま一人ひとりのニーズに合った料金を自由にお選びいただけるよう、3つのブランドを提供しています。auでは、昨年12月に「スマホスタート応援割」の提供を開始しました。同時に提供を開始した「auマネ活プラン+(またはauマネ活プラン)」にご家族がご加入していれば、22歳以下のお客さまは30GBが最大半年間0円となり、ご家族でおトクにご利用いただけます。お客さまサポートでは、昨年3月にauで提供する一部チャットボットによるお問合せ対応において、国内主要企業で初めて(※1)生成AIの活用を開始しました。また、本年3月には生成AIとデジタルヒューマン(※2)を組み合わせたオンラインサポート「auサポート AIアドバイザー」を導入しました。今後もAIを活用し、お客さまがストレスなく迅速にお問合せ内容を解決できることと併せて、業務・運用コストの効率化へつながる取組みを進めていきます。UQ mobileでは、市場における中容量帯へのニーズにお応えし、昨年11月から既存の「コミコミプラン」のご利用料金を据え置いたまま、データ容量を20GBから30GB(さらに「データ10%増量特典」(※3)により毎月33GB)へ増量した「コミコミプラン+」と、同プランを対象とした18歳以下のお客さまとそのご家族でのご利用がさらにおトクになる「UQ親子応援割」の提供を開始しました。さらに本年2月には、文字が見やすくて操作もわかりやすい5G対応スマートフォン「らくらくスマートフォン Lite」も発売しました。今後も幅広いお客さまのニーズにお応えできるように、より一層の競争力向上を図っていきます。povoでは、お客さまのご利用形態に合わせたサービスを展開しており、本年2月にはローソンでデータeSIM「ギガチャージカード」を販売開始し、モバイルとコンビニの連携の第一歩として、多くのお客さまにご利用いただいています。さらに、各サービス事業者がpovoの通信サービスを自社サービスに組み込むことが可能な「povo SDK」を活用したパートナーとの協業も進めており、昨年12月には、株式会社AbemaTVや合同会社DMM.comとの協業も開始しました。今後もさまざまなパートナーと連携し、パートナーのサービスにデータをエンベデッドしていくビジネスモデルの展開を推進することで、お客さまの体験価値向上に努めていきます。 ●通信品質向上の取組みについては、本年2月にグローバル分析会社Opensignalが発表した「グローバル・モバイル・ネットワーク・エクスペリエンス・アワード2025」Large land areaグループにおいて、通信体感分析6部門中3部門で世界1位を獲得しました。ネットワークへの接続性を総合的に評価する「信頼性エクスペリエンス」、モバイル・ボイス・アプリ/モバイル・ゲームでのユーザー体感を測定する「音声アプリ・エクスペリエンス」、「ゲーム・エクスペリエンス」の各部門で世界1位を受賞、さらに画質や読み込み時間など動画のユーザー体感を評価する「ビデオ・エクスペリエンス」の部門で世界5位を受賞し、世界的にも高い評価を獲得しました。(※4)当社では、お客さまの日常をつなぐため、鉄道路線や商業地域など、生活動線に沿ったエリア整備を積極的に行っています。また、お客さまの非日常をつなぐため、光回線を敷設しづらい山間部や野外イベントにおいて、車載型基地局やStarlinkを活用した通信対策の実施に加え、本年4月にはauスマートフォンが直接通信用Starlink衛星とつながり、空が見える状況であれば圏外エリアでもテキストメッセージ送受信が可能になる「au Starlink Direct」の提供を開始しました。これらの取組みを通じて、引き続きお客さまが安心してご利用いただける通信品質の向上に努めていきます。 ●昨年10月にリニューアルを行ったPontaパスでは、従来のauスマートパスプレミアムの特典に加え、ローソンで毎月総額600円以上おトクになる無料・割引クーポンを提供する「ウィークリーLAWSON」、及びローソンでのau PAYを利用したお支払い時にPontaポイント還元率が通常(0.5%)の最大4倍(2%)となる「Pontaパスブースト」の2つのサービスを提供しています。併せて、昨年10月及び本年1月には、Pontaパスの特典を上乗せするキャンペーン「あげすぎチャレンジ」を開催するなど、引き続き、ローソンを始めとする様々なお店でのご利用がより楽しくおトクになるサービスへの進化と、さらなるPonta経済圏の拡大・活性化に努めていきます。また、本年3月にTELASAのリニューアルを行い、テレビ朝日ドラマ・バラエティのオリジナルコンテンツの大幅強化に加えて、全国(一部除く)のローソン・ユナイテッドシネマ/ユナイテッド・シネマ/シネプレックスでご利用いただける劇場特典を新たに追加しました。さらに、同月にJCOM株式会社ともパートナーシップを締結し、動画配信サービス「J:COM STREAM」で「TELASA」を追加料金無しでご視聴いただくことが可能となりました。今後もお客さまへ新しく充実した映像視聴体験をお届けできるよう努めていきます。 ●金融事業では、本年3月に、auじぶん銀行株式会社(以下「auじぶん銀行」)の預金口座数が670万口座に、au PAYカードの会員数が1,020万人に到達するなど、業容は順調に拡大しています。昨年11月には、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループとの間で、より柔軟な戦略遂行や迅速な意思決定を行うことを目的として、協業の重点領域やあり方を新たなステージへ発展させることに合意しました。この一環として、本年1月に、auフィナンシャルホールディングス株式会社がauじぶん銀行を完全子会社化するとともに、同社が保有するauカブコム証券株式会社(現三菱UFJ eスマート証券株式会社)の全株式を株式会社三菱UFJ銀行に譲渡しております。また、本年3月には、auじぶん銀行のアプリをアップデートし、マイナンバーカードの利用で最短“当日”に口座開設できるようにするなど、お客さまの利便性のさらなる向上に取り組んでいます。auフィナンシャルサービス株式会社においては、本年2月に最短5分のスピード審査でご利用いただける「au PAY あと払い」の提供を開始しました。また、auペイメント株式会社においては、本年1月に生命保険代理業を、3月には損害保険代理業、金融商品仲介業、銀行代理業をそれぞれ開始するとともに、賃金のデジタル払い(資金移動業者の口座への資金移動による賃金支払)を行う資金移動業者の指定を受けました。今後も通信と金融サービスの連携によりお客さまの生活に楽しい変化を生み出し、お客さまに寄り添いながら、全ての人にとって金融をもっと身近なものにする「つながる金融。」を実現していきます。 ●エネルギー事業では、昨年7月より東京都(離島を除く)にお住まいのお客さまを対象に、初期費用・月額定額料無料で太陽光パネルと蓄電池をご自宅に導入し、発電した電気を割引価格でお使いいただける「じたく発電所サービス」の提供を開始しました。また、昨年5月に埼玉県川島町及び京セラコミュニケーションシステム株式会社と「再生可能エネルギー導入拡大及び持続可能な地域の実現に関する包括連携協定」を締結したほか、昨年11月には群馬県と「県有財産への太陽光発電設備等導入事業に関する基本協定」を締結しました。さらに、auリニューアブルエナジー株式会社を事業主体とする蓄電池事業の開始を目指し、本年1月からKDDI小山ネットワークセンター内に大型蓄電設備の建設を開始しました。引き続き、再生可能エネルギーの導入促進、持続可能な社会づくりと、環境保全及び地域課題の解決の取組みを推進していきます。 ●モンゴルでは、連結子会社であるMobicom Corporation LLCが、モンゴル国内シェアNo.1(※5)を維持しており、事業は順調に推移しています。今年度は、昨年度に開始したSmart Usage(スマホ教室)の取組みを同国内全域へ拡大し、小中高生の安心・安全なインターネット利用を支援しています。また、2021年から継続しているSmart Educationプロジェクトの第4弾では、首都ウランバートルと地方の合計6校へのネット環境や電子黒板等のデジタル教室整備を通じ、子供たちへの平等な教育機会の提供を推進しています。ミャンマーにおいては、KDDI Summit Global Myanmar Co., Ltd.が、ミャンマー国営郵便・電気通信事業体(MPT)の通信事業運営のサポートを行っています。 本年3月に同国で発生した地震により被災・避難された皆さまに、心よりお見舞い申し上げますとともに、引き続き、関係者の安全確保を念頭に、同国の国民生活に不可欠な通信サービスの維持に努めています。 ※1 昨年2月29日時点。商品やサービスの使用方法や手続などに関するお客さまからのお問合せに回答するカスタマーサポート領域における活用として初めて。日経225対象企業のお客さま向けチャットボット提供有無及び生成AI搭載の有無をKDDIにて調査。※2 人間のような特徴や外見を持つ3Dモデルを作成または使用する技術の総称です。コミュニケーションや感情表現などを自動で行う最新技術を活用することで、さまざまなユースケースで「人間らしさ」を提供することができます。※3 受付期間:昨年11月12日~終了日未定。終了する場合は別途ご案内します。※4 本年2月27日Opensignal社発表「グローバル・モバイル・ネットワーク・エクスペリエンス・アワード2025」では、通信事業者は、Large land areaグループとSmall land areaグループに分類され評価されています。Large land areaグループは、土地面積あたり200,000?以上の国・地域における通信事業者で構成。Small land areaグループは、土地面積あたり200,000?未満の国・地域における通信事業者で構成されています。KDDIのグローバル・アワード受賞結果はLarge land areaグループに基づいたものです。※5 昨年12月31日時点。出典元:GSMA Intelligence パーソナルセグメントにおける、当期の業績概要等は以下のとおりです。 ■業 績 (単位:百万円) 2024年3月期自 2023年4月1日至 2024年3月31日2025年3月期自 2024年4月1日至 2025年3月31日比較増減 増減率(%)売上高4,747,0344,795,61848,5841.0営業利益737,260877,144139,88519.0 当期の売上高は、前期と比較し、子会社の一部取引において商流変更を行い、総額計上から純額計上となった影響等によるエネルギー事業収入の減少等があったものの、端末販売収入や金融事業収入の増加等により、4,795,618百万円(1.0%増)となりました。営業利益は、前期と比較し、ミャンマー通信事業リース債権引当が前期にあったことや、通信ARPU収入の増加、エネルギー事業利益やローソンの取得による持分法投資利益の増加等により、877,144百万円(19.0%増)となりました。 ビジネスセグメントビジネスセグメントでは、日本国内及び海外において、幅広い法人のお客さま向けに、スマートフォン等のデバイス、ネットワーク、クラウド等の多様なソリューションや、「Telehouse」ブランドでのデータセンターサービス等を提供しています。またこれに加えて、AI時代の新たなビジネスプラットフォーム「WAKONX」を立ち上げ、法人のお客さまが抱える業界特有の課題解消に取り組み、お客さまの事業成長と社会課題解決に貢献していきます。引き続き、5G通信を中心にIoTやDX、生成AIなどを活用したソリューションを、パートナー企業との連携によってグローバルにワンストップで提供し、お客さまのビジネスの発展・拡大をサポートしていきます。 <当期のトピックス> ●昨年5月、法人事業ブランド「KDDI BUSINESS」のもと、AI時代の新たなビジネスプラットフォーム「WAKONX」を始動しました。WAKONXは、KDDI VISION 2030「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる」の実現に向け、日本のデジタル化をスピードアップするというコンセプトから生まれたブランドです。パートナー企業との共創により、業界別のプラットフォームを構築し、サービス化して提供します。昨年8月には「WAKONX Retail」として、リテール業界向けに店舗開発ソリューション「KDDI Retail Data Consulting」を提供開始、同じく昨年8月には物流業界向けに「WAKONX Logistics」のアセットとして、株式会社椿本チエインと当社との合弁会社である株式会社Nexa Wareが、物流倉庫向けデータ分析サービス「Nexa Warehouse-Optimizer」を提供開始、さらに本年3月には街データとauデータを活用してスマートシティを実現する「WAKONX SmartCity」を提供開始し、本年3月に開業したTAKANAWA GATEWAY CITYで採用されています。今後もWAKONXを通じて、法人のお客さまの事業成長と社会課題解決に貢献していきます。 ●本年1月、当社はサイバーセキュリティのリーディングカンパニーである株式会社ラック(以下「ラック」)の普通株式公開買付けを完了し、同社を連結子会社化しました。近年、生成AIやIoT、クラウドの浸透や、テレワークの急速な普及など、サイバーセキュリティの重要性が時代の変化とともに高まっています。当社は、ラックのサイバーセキュリティに関する豊富な知見と、当社のネットワークサービスなどの経営資源を集約することで、お客さまにより最適なソリューションを提供できる体制を構築していきます。また、サイバーセキュリティサービスの高度化をさらに推進し、日本のサイバーセキュリティ全体の強化、発展にも貢献していきます。 ●本年1月、製品やサービスにIoT通信を組み込み、一体化して提供する「ConnectIN(コネクティン)」を開始しました。本サービスは、メーカー企業の製品に一定期間の通信料を内包して販売し、製品を購入されるお客さまに対しては、KDDIから通信料金を請求しないビジネスモデルであり、メーカー企業が製品に通信機能を内蔵させる際に必要となる、通信回線の手配・管理・運用、データベース構築、システム開発を当社が提供し、販売台数に応じたレベニューシェアとすることで、メーカー企業の初期投資が不要となります。また、製品を購入されるお客さまは、製品に通信機能が内蔵されているため、コンテンツが自動アップデートされるなど、新たな付加価値を体験いただけます。当社は今後もIoTを通じて、さまざまなメーカーへコネクティッドサービスを提供し、法人のお客さまのDXを支援していきます。 当社は、お客さまのビジネスの発展・拡大に一層貢献し、お客さまから真の事業パートナーとしてお選びいただくことを目指し、事業の拡大に取り組んでまいります。 ビジネスセグメントにおける、当期の業績概要等は以下のとおりです。 ■業 績 (単位:百万円) 2024年3月期自 2023年4月1日至 2024年3月31日2025年3月期自 2024年4月1日至 2025年3月31日比較増減 増減率(%)売上高1,289,5521,399,787110,2358.5営業利益216,952233,04816,0967.4当期の売上高は、前期と比較し、IoT関連サービス・データセンター・デジタルBPO等で構成されるグロース領域の成長による収入の増加等により、1,399,787百万円(8.5%増)となりました。営業利益は、前期と比較し、売上高の増加等により、233,048百万円(7.4%増)となりました。 c. 財政状態の状況 2024年3月期2025年3月期比較増減資産合計(百万円)14,146,06016,876,2192,730,159負債合計(百万円)8,348,83311,225,6482,876,814資本合計(百万円)5,797,2265,650,572△146,655親会社の所有者に帰属する持分(百万円)5,253,3625,128,072△125,290親会社所有者帰属持分比率(%)37.130.4△6.81株当たり親会社所有者帰属持分(円)1,261.461,288.9627.50有利子負債残高(百万円)2,394,4034,437,5622,043,159(注)当社は2025年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っており、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり親会社所有者帰属持分を算定しております。 (資産)資産は、使用権資産等が減少したものの、金融事業の貸出金、持分法で会計処理されている投資等が増加したことにより、前連結会計年度末と比較し、2,730,159百万円増加し、16,876,219百万円となりました。 (負債)負債は、コールマネー等が減少したものの、借入金及び社債、金融事業の預金等が増加したことにより、前連結会計年度末と比較し、2,876,814百万円増加し、11,225,648百万円となりました。 (資本)資本は、親会社の所有者に帰属する持分の減少等により、5,650,572百万円となりました。以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の37.1%から30.4%となりました。 (※)auフィナンシャルホールディングス株式会社(連結)を除く、当社連結における親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度が58.2%、当連結会計年度が51.1%、親会社所有者帰属持分当期利益率は、前連結会計年度が12.6%、当連結会計年度が13.4%となっております。 ② キャッシュ・フローの状況 (単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期比較増減営業活動によるキャッシュ・フロー1,706,4981,249,042△457,456投資活動によるキャッシュ・フロー△832,433△1,180,103△347,670フリー・キャッシュ・フロー ※874,06568,939△805,126財務活動によるキャッシュ・フロー△476,477△33,555442,922現金及び現金同等物に係る換算差額9,367△1,415△10,783現金及び現金同等物の増減額(△は減少)406,95533,969△372,986現金及び現金同等物の期首残高480,252887,207406,955現金及び現金同等物の期末残高887,207921,17533,969※ フリー・キャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計であります。 営業活動によるキャッシュ・フロー(収入)は、前期と比較し、金融事業の借入金の増加幅が大きくなったこと等による収入が増加したものの、金融事業の預金の増加幅が小さくなったこと等による収入の減少により、457,456百万円減少し、1,249,042百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フロー(支出)は、前期と比較し、ローソン等の関連会社株式の取得による支出の増加等により、347,670百万円増加し、1,180,103百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フロー(支出)は、前期と比較し、社債発行及び長期借入による収入の増加等により、442,922百万円減少し、33,555百万円の支出となりました。また、上記キャッシュ・フローに加えて、現金及び現金同等物に係る換算差額により1,415百万円減少した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較し、33,969百万円増加し、921,175百万円となりました。 ③ 営業実績 当連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)パーソナル4,795,6181.0ビジネス1,399,7878.5その他123,3804.3セグメント間の内部売上高△400,832- 合計5,917,9532.8(注)金額は外部顧客に対する売上高とセグメント間の内部売上高の合計であります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定により、国際財務報告基準(IFRS)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)見積り及び判断の利用」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績の分析(売上高) 前期と比較し、子会社の一部取引において商流変更を行い、総額計上から純額計上となった影響等によるエネルギー事業収入の減少等があったものの、端末販売収入や金融事業収入、IoT関連サービス・データセンター・デジタルBPO等で構成されるグロース領域の成長による収入の増加等により、5,917,953百万円(2.8%増)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 25.売上高」をご参照ください。 (売上原価、販売費及び一般管理費)前期と比較し、ミャンマー通信事業リース債権引当の計上が前期にあったものの、端末販売コストの増加等により、4,836,550百万円(0.2%増)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 26.費用の性質別内訳」をご参照ください。 (その他の収益及びその他の費用) 前期と比較し、補助金収入の減少等により9,770百万円の利益(60.6%減)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 27.その他の収益及びその他の費用」をご参照ください。 (持分法による投資損益) 持分法適用共同支配企業の株式会社ローソンの取得等により、27,501百万円(176.5%増)となりました。 (営業利益) 以上の結果、営業利益は1,118,674百万円(16.3%増)となりました。なお、営業利益率は、18.9%(2.2ポイント増)となりました。 (金融収益及び金融費用) 受取配当金4,575百万円、支払利息17,573百万円、為替差損9,200百万円の計上等により、19,513百万円の損失(前期は11,652百万円の利益)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 28.金融収益及び金融費用」をご参照ください。 (その他の営業外損益) 段階取得に係る差損益4,567百万円の計上等により、5,464百万円の利益(72.0%減)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 29.その他の営業外損益」をご参照ください。 (法人所得税費用) 税率の変更による影響等により338,517百万円(0.6%増)となりました。なお、2025年3月期の法人税等負担率は30.6%となりました。法人所得税費用に関する詳細については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 16.繰延税金及び法人所得税」をご参照ください。 (非支配持分に帰属する当期利益) 主にミャンマー通信事業リース債権引当の計上によるKDDI Summit Global Myanmar Co., Ltd.の利益減少が前期にあったこと等の影響により、80,430百万円(341.2%増)となりました。 (親会社の所有者に帰属する当期利益) 上記の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は685,677百万円(7.5%増)となりました。  なお、報告セグメントの売上と営業利益の概況については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。 b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。当社グループは、運転資金及び設備投資については、自己資金及び借入金等により資金調達することとしております。このうち、借入金等による資金調達に関しては、通常の運転資金については短期借入金で、設備投資などの長期資金は固定金利の長期借入金及び社債で調達することを基本としております。また金融事業については、資金調達やリスクアセットの削減を目標として、債権流動化を行っております。なお、当連結会計年度末における借入金等を含む有利子負債の残高は4,437,562百万円、現金及び現金同等物の残高は921,175百万円となっております。流動性リスクとその管理方法につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記32.金融商品」に記載しております。 c.経営上の財務目標の達成状況について当社は、データ及び生成AIによるデジタル社会インフラの進展など、社会全体を取り巻く急速な環境変化に対応するため、2024年5月に事業戦略「サテライトグロース戦略」をアップデートしました。財務目標において、営業利益については、持続的な成長を目指し、EPSについては、2025年度1.5倍(2018年度比)の実現、株主還元については、安定的な配当を継続し、連結配当性向は40%超を掲げております。当連結会計年度においては、通信ARPU収入はじめ、注力領域が順調に成長し、過去最高益を更新するとともに、配当性向40%超を達成いたしました。当社グループは、引き続きサステナビリティ経営を根幹に、サテライトグロース戦略を推進し、社会の持続的な成長と企業価値の向上を目指していきます。

※本記事は「KDDI株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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