東日本旅客鉄道株式会社の基本情報

会社名東日本旅客鉄道株式会社
業種陸運業
従業員数連69559名 単39660名
従業員平均年齢39.2歳
従業員平均勤続年数16.6年
平均年収7670057円
1株当たりの純資産2527.69円
1株当たりの純利益(連結)198.29円
決算時期3月
配当金60円
配当性向44.6%
株価収益率(PER)14.9倍
自己資本利益率(ROE)(連結)8%
営業活動によるCF7322億円
投資活動によるCF▲7834億円
財務活動によるCF36億円
研究開発費※1193億円
設備投資額※1557億円
販売費および一般管理費※1611.1億円
株主資本比率※222.2%
有利子負債残高(連結)※344411億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものです。 (1)経営の基本方針(グループ理念)○私たちは「究極の安全」を第一に行動し、グループ一体でお客さまの信頼に応えます。○技術と情報を中心にネットワークの力を高め、すべての人の心豊かな生活を実現します。 (2)今後の経営環境の変化国内では生産年齢人口の減少や少子高齢化、首都圏への一極集中や地方の過疎化が進んでいます。人々の価値観は多様化し、コロナ禍によりライフスタイルやマーケットは大きく変容しました。金利のある世界が到来したほか、資本コストや株価を意識した経営への要請も高まっています。また、生成AIやロボット、自動運転技術など、テクノロジーの進化も加速しています。さらに、脱炭素社会に向けた取組みは地球規模の課題になっています。 (3)中期的な会社の経営戦略グループ経営ビジョン「変革 2027」においては、世の中の大きな変容を、これまで事業全般にわたって取り組んできた構造改革をさらに加速させる好機と捉え、将来の環境変化を先取りした経営を進めてきました。「安全」を経営のトッププライオリティと位置づけ、「ヒト起点」の発想で輸送サービス、生活サービス、IT・Suicaサービスの融合と連携による新たな価値創造に取り組み、鉄道を中心としたモビリティと、お客さまと地域の皆さまとの幅広い接点を持つ生活ソリューションの二軸で経営を支える基盤を構築しました。ポストコロナの日本経済が本格的に始動し、経営環境がさらに急激に変化する今こそ、当社グループが「当たり前」を超え、かつてない高みをめざして勇ましく翔びたつときです。「変革 2027」のもと磨いてきた「ヒト起点」の発想をさらに進化させ、モビリティと生活ソリューションの二軸によりこれまでにない発想と戦略で新たなマーケットを創造していきます。当社グループは「すべての人の心豊かな生活の実現」に向け、事業活動を通じて地域の社会課題にしっかりと向き合い、利益成長をしていきます。そして、創出した利益をステークホルダーの皆さまに還元しつつ、当社グループの未来の成長・発展にも振り向ける「四方良しの経営」をさらに推進し、社会の進運を支える「志の高い企業グループ」への進化をめざします。現在、新しいグループ経営ビジョンを構想しており、2025年7月1日に発表する予定です。新ビジョンの実現に向けて、会社発足以来維持してきた国鉄時代に由来する事業運営体制と人事・賃金制度について抜本的に見直します。これまでの2本部・10支社から、それぞれの地域のマーケットやお客さまのご利用状況などを踏まえ、第一線の職場と本部・支社を融合した36の事業本部での事業運営体制に改正します。今まで以上に地域の実情やニーズに密着したスピード感のある事業運営をめざし、安全レベルのさらなる向上とお客さまや地域の皆さまのご期待にお応えした品質の高いサービスの創造を実現していきます。あわせて、社員一人ひとりの業務への取組みと成長を賃金に反映し、社員の果敢なチャレンジ意欲を強く後押ししていく人事・賃金制度の抜本的な見直しを実施します。 (4)目標とする経営数値 グループ経営ビジョン「変革 2027」において、第39期(2025年度)をターゲットとした数値目標を設定していましたが、コロナ禍で急激に変化した経営環境のその後の推移などを踏まえ、2023年4月に第41期(2027年度)を新たなターゲットとした数値目標を以下のとおり設定しました。今後も目標達成に向けてグループ一体となって取り組んでいきます。 第41期(2027年度)数値目標第38期(2024年度)4月計画第38期(2024年度)実績第38期(2024年度)計画対比連結営業収益3兆2,760億円2兆8,520億円2兆8,875億円101.2% モビリティ運輸事業2兆190億円1兆9,350億円1兆9,457億円100.6%生活ソリューション流通・サービス事業6,540億円3,870億円3,937億円101.8%不動産・ホテル事業5,070億円4,290億円4,454億円103.8%その他960億円1,010億円1,025億円101.5%連結営業利益4,100億円3,700億円3,767億円101.8% モビリティ運輸事業1,780億円1,880億円1,760億円93.7%生活ソリューション流通・サービス事業800億円610億円605億円99.2%不動産・ホテル事業1,240億円1,010億円1,203億円119.2%その他300億円220億円229億円104.3%調整額△20億円△20億円△31億円―連結営業キャッシュ・フロー(5年間の総額 ※1)3兆8,000億円―7,322億円(進捗率)37.4%連結ROA4.0%程度―3.8%―ネット有利子負債/EBITDA (※2)中期的に5倍程度長期的に3.5倍程度―6.0倍―※1 第37期(2023年度)から第41期(2027年度)までの総額を記載※2 ネット有利子負債=連結有利子負債残高-連結現金及び現金同等物残高   EBITDA=連結営業利益+連結減価償却費 (5)経営方針と事業の経過及び対処すべき課題 当社では2024年4月1日に喜?陽一が代表取締役社長に就任しました。新体制のもと、「変革 2027」の実現に向け「安全」を経営のトッププライオリティと位置づけ、「収益力向上(成長・イノベーション戦略の再構築)」、「経営体質の抜本的強化(構造改革)」、「成長の基盤となる戦略の推進」及び「ESG経営の実践」に引き続きグループを挙げて取り組んでいきます。 ○ 「安全」がトッププライオリティ 経営のトッププライオリティであり、当社グループの不変の使命である「究極の安全」を追求し、不断に安全レベルを向上させていきます。 当連結会計年度においては、東北新幹線の走行中に連結部が外れ停車した事象を二度発生させたことに加え、輪軸組立作業における圧入力値の不適切な取扱いが判明するなど、お客さまや関係の皆さまに大変なご迷惑とご心配をおかけしました。 東北新幹線の走行中に連結部が外れ停車した事象については、関係する全車両に対して緊急総点検を実施するとともに、当面の対策として、何らかの電気的な異常が発生した場合でも連結器の分割動作が行われないよう、機械的に動作機器を固定する器具を取り付け、安全性を確保したうえで、連結走行を再開しました。今後は、恒久対策として、連結器を分割させる回路が走行中に動作しない仕組みに見直していきます。 輪軸の事象については改善措置として、当社においては規定値を下回っていた輪軸の取替、社内規程の見直し、鉄道車両における定期検査の業務実態把握を踏まえた作業の標準化を実施しました。グループ会社においては、規程類の整備、教育体制の改善、作業記録の書き換えの防止、安全管理体制の点検と見直しを実施しました。また、グループ全社員に対しコンプライアンス教育を実施するとともに、グループ全社員に対するコンプライアンス意識調査で得られた結果を品質管理に活かしていきます。あわせて、現場第一線を支援する企画部門が改善策のモニタリングを行うとともに、ルール・仕組みが正しく機能しているか確認し、必要により見直しを実施していきます。内部監査部門による監査を通じて、現場第一線、企画部門の業務の統制状況を確認していきます。さらに、本件を輸送サービスだけの事象と狭く捉えるのではなく、グループ全体がお客さまに提供しているサービス全体の品質管理の問題であるとともに、ガバナンスへの教訓と捉え、グループ全体のガバナンス向上につなげていきます。 すべての基盤であるお客さまや地域の皆さまからの「信頼」を高めていくために、社員一人ひとりが「究極の安全」に真摯に向き合い、具体的な行動を継続していきます。 ○ 収益力向上(成長・イノベーション戦略の再構築) 当社グループを取り巻く環境が大きく変容する中、変化をチャンスと捉え、「変革 2027」で進めてきた構造改革をさらに加速し、グループの持つポテンシャルを最大限に引き出します。マーケットインでスピード感と構想力をもって商品やサービスをバリューアップし、連結キャッシュ・フローの最大化に努めていきます。 移動需要やライフスタイルの変化に対応した新しい商品・サービスを展開していきます。当社グループの強みはリアル×デジタルの顧客接点を組み合わせ、多くのお客さまに多様な商品・サービスを提供できる点にあります。お客さまの移動の目的(地)づくりを推進するとともに、Suicaを中心とした各種データやデジタルでのお客さま等との接点を活かし、お客さま一人ひとりのニーズにあったサービスを提供していきます。 2024年12月には「Suicaの当たり前を超えます~Suica Renaissance~」を公表しました。Suicaは今後10年以内に機能を順次グレードアップし、「移動と決済のデバイス」という今までの当たり前を超え、交通、決済だけでなく地域のお客さまの様々な生活シーンにてご利用いただける「生活のデバイス」に生まれ変わります。 2025年3月には「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちびらきを迎えました。モビリティと生活ソリューションの融合と連携により、より良い未来のための社会課題に取り組むまちをつくり、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置づけました。引き続き、当社グループの資産を有効活用したまちづくりを進めていくとともに、不動産回転型ビジネスによる攻めの戦略を加速していきます。広域品川圏の駅を中心としたまちづくりでは1,000億円の収益規模をめざしていきます。 ○ 経営体質の抜本的強化(構造改革) 当社グループをはじめ、国内の鉄道事業者は生産年齢人口の減少という課題に直面しています。この課題に対処するため、鉄道のメンテナンス分野における他社との包括的連携や車両装置及び部品の共通化などを推進し、さらなる安全・安定輸送のレベルアップとサステナブルな運営に取り組みます。 2024年6月には新たなビジネス成長戦略「Beyond the Border」を策定しました。当社グループのビジネス圏を飛躍的に拡大し、「すべての人の心豊かな生活」を実現していきます。 また、鉄道に求められる社会的な役割や多様化するお客さまのニーズにお応えし、今後も鉄道事業をサステナブルに運営していくため、2024年12月に鉄道旅客運賃の上限変更認可申請を実施しました。引き続き、シンプルかつ柔軟な運賃料金制度の実現に向けて、国に要望していきます。 さらに、地方ローカル線については、沿線自治体などと持続可能な交通体系の構築に向けた協議を進めます。津軽線(蟹田・三厩間)においては、2024年5月に沿線自治体と自動車系交通への転換について合意し、新たな地域交通の運行に向け関係者との調整を行っています。久留里線(久留里・上総亀山間)においては、2024年10月に「JR久留里線(久留里・上総亀山間)沿線地域交通検討会議」が取りまとめた報告書を受け、翌11月に当社としてはバス等を中心とした新たな交通体系へ転換することが必要と考えている旨を公表しました。 急速なスピードで変化する経営環境に柔軟に対応し、一人ひとりの社員の働きがいの向上と生産性向上による経営体質の強化を図るため、組織改正を引き続き進めます。地域の状況に即した社会課題解決への貢献、感動の創造、「究極の安全」の追求やサービス品質の向上をスピーディーに実現するとともに、社員の活躍フィールドの拡大を通じた働きがい及び働きやすさを高め、社員とグループの成長の好循環をめざします。 ○ 成長の基盤となる戦略の推進 「変革 2027」の実現に向け、その基盤となる人材、DX・知的財産、財務・投資などの戦略を明確にし、グループ一体で取り組みます。 人材戦略については、「多様性」「革新性」「柔軟性」の観点から、多様な人材が多様な価値を創造できるフィールドを充実させ、従来の働き方にとらわれない柔軟な発想で業務改革を進め、社員がボーダーを超えて挑戦できる環境を整備していきます。 DX・知的財産戦略については、デジタル技術の最新トレンドを積極的に取り入れるとともに、オープンイノベーションによる社内外の技術・知見を活用した技術開発及びDXの推進により、ビジネス創出と仕事の仕組みの変革を進めていきます。 財務・投資戦略については、連結キャッシュ・フロー及びグループ価値を最大化するためにビジネスごとの戦略の策定・実行を推進します。また、モビリティと生活ソリューションの二軸経営にふさわしいキャッシュ・アロケーションや有利子負債の考え方を導入するとともに、資金調達の多様化を進め、成長の加速と信用力の維持を両立していきます。 ○ ESG経営の実践 事業を通じて社会課題の解決に取り組むことで、企業価値の向上と「すべての人の心豊かな生活」を実現していきます。 環境については、2020年度に公表した環境長期目標「ゼロカーボン・チャレンジ2050」において掲げる2050年度のCO2排出量「実質ゼロ」の達成に向けた挑戦を続け、持続可能な社会の実現をめざして新たな価値を提供していきます。また、グループ事業全体のサプライチェーンにおいて排出される温室効果ガス削減にも貢献していきます。さらに、水素ハイブリッド電車「HYBARI」の実用化検討を進め、2030年度の営業運転開始をめざします。 社会については、地方中核駅を中心としたまちづくりや6次産業化による地域経済の活性化など、地方創生に取り組みます。また、共生社会の実現に向けた知識やスキル、マインドを身に付けた社員の育成に取り組むとともに、パラスポーツへの支援等を通して、お客さまや地域の皆さまとともに「心のバリアフリー」を推進します。 企業統治については、機関設計として監査等委員会設置会社を選択し、意思決定や業務執行の迅速化及び取締役会のモニタリング機能の充実などに取り組んでいます。今後もコーポレート・ガバナンスを一層充実させ、さらなる企業価値向上をめざします。  これらの戦略を着実に推進するとともに、グループ全体の「融合と連携」の深化、そして新領域への絶えざる挑戦により、グループを挙げて新たな価値を創造します。 「すべての人の心豊かな生活」に向け、事業活動を通じて地域の社会課題にしっかりと向き合い、お客さまや地域の皆さまからの「信頼」を基盤としたサステナブルな企業グループをめざします。  当社グループにおいて、中央省庁等向けの委託事業及び補助金事業に関する不正な人件費請求をはじめ、輪軸組立作業における圧入力値の不適切事象、独占禁止法に抵触するおそれのある行為に対する公正取引委員会からの警告など、ステークホルダーの皆さまの信頼を損なう事象を連続して発生させたことにつきまして、深くお詫び申し上げます。 経営の信頼を取り戻すべく、当社内に外部有識者を招いた委員会を速やかに設置し、客観的な検証により課題を抽出します。その結果を今後の対策に反映し、グループ全体のガバナンスの改善と強化を図ってまいります。
経営者による財政状態の説明
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況  当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復しました。  このような状況の中、当社グループは、「安全」を経営のトッププライオリティに位置づけ、「収益力向上」、「経営体質の抜本的強化」、「成長の基盤となる戦略の推進」及び「ESG経営の実践」に取り組み、グループ経営ビジョン「変革 2027」の実現に向けた歩みを加速しました。  「究極の安全」の追求に向けて、「グループ安全計画2028」のもと、「本質をふまえ、想定外も想像して安全を先取る」をテーマに掲げ、「お客さまの死傷事故ゼロ、社員の死亡事故ゼロ」を実現するため、グループ一体で安全の基盤を強固にし、安全を先取る取組みを進めました。安全対策では、高架橋柱や電化柱の耐震補強及び新幹線車両の逸脱防止対策などの大規模地震対策に取り組んだほか、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用したホームドアなどの整備を進めました。  「収益力向上(成長・イノベーション戦略の再構築)」では、モビリティ分野において、北陸新幹線・敦賀延伸を契機に利便性が高まった北陸エリアや、新型車両E8系を投入した山形新幹線沿線をはじめ東北エリアを中心に、首都圏と地方の双方向の観光流動の創造を推進しました。また、中央線快速・青梅線でのグリーン車サービスを開始するなど、当社エリアにおけるお客さまの流動促進と収益の拡大に取り組みました。生活ソリューション分野においては、新たなビジネス戦略により利益拡大をめざす「Beyond the Border」を策定し、不動産回転型ビジネスの加速を目的としたJR東日本不動産㈱の設立や「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちびらきを実施しました。また、「JRE BANK」による金融サービスを開始したほか、2024年12月に公表した「Suicaの当たり前を超えます~Suica Renaissance~」に基づき、訪日外国人向けアプリ「Welcome Suica Mobile」のリリースや長野県内の23駅でのSuica利用駅の拡大を行いました。  「経営体質の抜本的強化(構造改革)」では、常磐線(各駅停車)や南武線においてワンマン運転を実施したほか、新幹線モニタリング車やドローンを活用するなど、スマートメンテナンスの取組みを推進しました。また、より多くのお客さまにご利用いただけるよう、2024年10月1日発売分より「オフピーク定期券」を通常の通勤定期券より約15%割安な価格に値下げしました。一方で、今後も鉄道事業をサステナブルに運営していくため、会社発足以来初めてとなる運賃改定を申請しました。さらに、地域の状況に即した社会課題の解決への貢献、感動の創造、究極の安全の追求やサービス品質の向上、より柔軟な働き方を実現するため、駅と乗務員職場が一体となった統括センターの設置を進め、系統間や第一線の職場と企画部門における融合と連携を推進しました。  「成長の基盤となる戦略の推進」では、人材戦略において、新卒初任給の引上げや仕事と育児・介護の両立支援の拡充など、社員の意欲と多様な働き方に応える柔軟な制度・環境の整備を進めました。DX・知的財産戦略においては、戦略的な知的財産の取得・活用等を推進するとともに、Well-being実現に向けたWaaS共創コンソーシアムの取組みなど、オープンイノベーションによる社外との連携を進めました。財務・投資戦略においては、連結キャッシュ・フロー経営の実現に向けて、当社グループが展開する幅広い事業を14のビジネスに区分し、ビジネスごとの戦略の策定・実行を推進しました。  「ESG経営の実践」では、引き続き「ゼロカーボン・チャレンジ2050」の達成に向けて、「脱炭素社会」への貢献と環境優位性のさらなる向上に取り組みました。環境については、資源循環事業コンセプト「UPCYCLING CIRCULAR」を策定し、グループから発生した廃棄物の再資源化に取り組みました。また、社会については、共生社会の実現に向け、社員のサービス介助士資格取得の推進やパラスポーツ(ボッチャ)への支援を継続したほか、株式会社ヘラルボニーと連携し、福祉・アートとまちづくりを組み合わせた新たな価値創出に取り組みました。企業統治については、「JR東日本グループカスタマーハラスメントに対する方針」の策定と公表を通じて、グループ社員が安心して働くことができる環境の整備に努めました。また、企業の社会的責任の一つである納税を適切に行っていくとともに、税務リスクを適切に管理し、企業価値の向上をめざすため、「税の透明性に関するグループ方針」を策定・公表しました。  今後も、グループ経営ビジョン「変革 2027」の実現に向けてグループ一体で取り組みます。 当連結会計年度の決算については、鉄道の利用増やエキナカ店舗の売上増に伴い、すべてのセグメントで増収となったことなどにより、営業収益は前期比5.8%増の2兆8,875億円となりました。また、これに伴って営業利益は前期比9.2%増の3,767億円、経常利益は前期比8.4%増の3,215億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比14.2%増の2,242億円となりました。  セグメントの業績は次のとおりであります。 従来、セグメント別の状況の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替額を含めた金額を用いていましたが、当連結会計年度より外部顧客への売上高の金額に変更しています。なお、営業利益への影響はありません。 a 運輸事業 運輸事業では、安全・安定輸送及びサービス品質の確保にグループの総力を挙げて取り組みました。 この結果、鉄道の利用増に伴い、鉄道運輸収入が増加したことなどにより、売上高は前期比5.1%増の1兆9,457億円となり、営業利益は前期比8.8%増の1,760億円となりました。 b 流通・サービス事業 流通・サービス事業では、駅を交通の拠点からヒト・モノ・コトがつながる暮らしのプラットフォームへと転換する「Beyond Stations 構想」などを推進しました。 この結果、お客さまのご利用増に伴い、エキナカ店舗の売上が増加したことなどにより、売上高は前期比6.6%増の3,937億円となり、営業利益は前期比15.0%増の605億円となりました。 c 不動産・ホテル事業 不動産・ホテル事業では、大規模ターミナル駅開発や沿線開発など「くらしづくり(まちづくり)」を推進し、地域とともに街の魅力を高めました。 この結果、お客さまのご利用増に伴い、ショッピングセンターやホテルの売上が増加したことなどにより、売上高は前期比6.5%増の4,454億円となり、営業利益は前期比9.0%増の1,203億円となりました。 d その他 その他の事業では、Suicaの利用シーンのさらなる拡大と、シームレスでストレスフリーな移動を実現することに加え、「生活のデバイス」への進化を通じた新たな体験価値の創造に向けて「Suicaの当たり前を超えます~Suica Renaissance~」を推進しました。 この結果、システム受託開発の売上が増加したことなどにより、売上高は前期比12.6%増の1,025億円となり、営業利益は前期比4.7%増の229億円となりました。 (注) 当社は、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成22年6月30日)及び「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号 平成20年3月21日)におけるセグメント利益について、各セグメントの営業利益としています。 (参考)当社の鉄道事業の営業実績 当社の鉄道事業の最近の営業実績は次のとおりであります。 輸送実績区分単位第37期(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)第38期(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)営業日数日366365営業キロ新幹線キロ1,194.21,194.2在来線〃6,108.06,108.0計〃7,302.27,302.2客車走行キロ新幹線千キロ532,998545,760在来線〃1,714,9711,705,753計〃2,247,9692,251,514輸送人員定期千人3,331,6503,404,254定期外〃2,365,7932,463,348計〃5,697,4445,867,603輸送人キロ新幹線定期千人キロ1,670,5161,758,319定期外〃19,560,25220,920,938計〃21,230,76822,679,257在来線関東圏定期〃57,474,48158,757,374定期外〃35,912,81437,532,865計〃93,387,29696,290,240その他定期〃2,763,3842,768,415定期外〃2,319,6612,570,338計〃5,083,0465,338,753計定期〃60,237,86561,525,789定期外〃38,232,47640,103,203計〃98,470,342101,628,993合計定期〃61,908,38263,284,109定期外〃57,792,72861,024,142計〃119,701,111124,308,251乗車効率新幹線%57.760.4在来線〃40.942.6計〃43.245.0(注)1 乗車効率は次の方法により算出しています。乗車効率=輸送人キロ×100客車走行キロ×客車平均定員2 「関東圏」とは、当社首都圏本部、横浜支社、八王子支社、大宮支社、高崎支社、水戸支社及び千葉支社管内の範囲であります。 収入実績区分単位第37期(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)第38期(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)旅客運輸収入新幹線定期百万円22,55123,683定期外〃514,875559,637計〃537,427583,320在来線関東圏定期〃378,800388,126定期外〃698,784732,136計〃1,077,5841,120,263その他定期〃16,51316,612定期外〃45,05448,639計〃61,56865,252計定期〃395,314404,739定期外〃743,838780,776計〃1,139,1531,185,515合計定期〃417,865428,422定期外〃1,258,7141,340,413計〃1,676,5801,768,836荷物収入〃20合計〃1,676,5821,768,836鉄道線路使用料収入〃5,3895,639運輸雑収〃155,026157,821収入合計〃1,836,9981,932,296(注) 当社は、モビリティと生活ソリューションの二軸の経営体制をめざす中で、高架下空間利活用を不動産事業として再定義し、従来「鉄道事業」に区分していた高架下貸付業を「関連事業」として位置づけることに変更いたしました。これに伴い、第37期において「運輸雑収」に含めて表示していた高架下貸付業の収益11,116百万円を鉄道事業の収入実績より減額して表示しています。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益の増加などにより、流入額は前連結会計年度に比べ441億円増の7,322億円となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローについては、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、流出額は前連結会計年度に比べ927億円増の7,834億円となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローについては、流入額は前連結会計年度に比べ624億円減の36億円となりました。 なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ473億円減の2,334億円となりました。 また、当連結会計年度末のネット有利子負債残高は4兆7,218億円となりました。なお、「ネット有利子負債」とは、連結有利子負債残高から連結現金及び現金同等物の期末残高を差し引いた数値であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 当社及び当社の連結子会社の大多数は、受注生産形態をとらない業態です。 なお、販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの業績に関連づけて示しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a 経営成績○ 営業収益 当連結会計年度の営業収益は、鉄道の利用増やエキナカ店舗、ショッピングセンター、ホテルの売上増に伴い、すべてのセグメントで増収となったことなどにより、前期比5.8%増の2兆8,875億円(対4月業績予想355億円増)となりました。  運輸事業の外部顧客への売上高は、前期比5.1%増の1兆9,457億円(対4月業績予想107億円増)となりました。 これは、鉄道の利用増に伴い、鉄道運輸収入が増加したことなどによるものであります。 新幹線に関しては、鉄道の利用増に伴い、輸送人キロは前期比6.8%増の226億人キロとなりました。定期収入は前期比5.0%増の236億円、定期外収入は前期比8.7%増の5,596億円となり、全体では前期比8.5%増の5,833億円となりました。 関東圏の在来線に関しては、鉄道の利用増に伴い、輸送人キロは前期比3.1%増の962億人キロとなりました。定期収入は前期比2.5%増の3,881億円、定期外収入は前期比4.8%増の7,321億円となり、全体では前期比4.0%増の1兆1,202億円となりました。 関東圏以外の在来線に関しては、鉄道の利用増に伴い、輸送人キロは前期比5.0%増の53億人キロとなりました。定期収入は前期比0.6%増の166億円、定期外収入は前期8.0%増の486億円となり、全体では前期比6.0%増の652億円となりました。  運輸事業以外の事業の外部顧客への売上高については、以下のとおりであります。 流通・サービス事業では、お客さまのご利用増に伴い、エキナカ店舗の売上が増加したことなどにより、前期比6.6%増の3,937億円(対4月業績予想67億円増)となりました。 不動産・ホテル事業では、お客さまのご利用増に伴い、ショッピングセンターやホテルの売上が増加したことなどにより、前期比6.5%増の4,454億円(対4月業績予想164億円増)となりました。 その他の事業では、システム受託開発の売上が増加したことなどにより、前期比12.6%増の1,025億円(対4月業績予想15億円増)となりました。 ○ 営業費用 営業費用は、前期比5.3%増の2兆5,107億円となりました。営業収益に対する営業費用の比率は、前連結会計年度の87.4%に対し、当連結会計年度は87.0%となりました。 運輸業等営業費及び売上原価は、前期比5.2%増の1兆8,555億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。 販売費及び一般管理費は、前期比5.4%増の6,552億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。 ○ 営業利益 営業利益は、前期比9.2%増の3,767億円(対4月業績予想67億円増)となりました。営業収益に対する営業利益の比率は、前連結会計年度の12.6%に対し、当連結会計年度は13.0%となりました。 ○ 営業外損益 営業外収益は、前期比4.1%減の279億円となりました。これは、持分法による投資利益が減少したことなどによるものであります。 営業外費用は、前期比7.0%増の832億円となりました。これは、支払利息が増加したことなどによるものであります。 ○ 経常利益 経常利益は、前期比8.4%増の3,215億円(対4月業績予想65億円増)となりました。営業収益に対する経常利益の比率は、前連結会計年度の10.9%に対し、当連結会計年度は11.1%となりました。 ○ 特別損益 特別利益は、前期比11.1%増の451億円となりました。これは、投資有価証券売却益が増加したことなどによるものであります。 特別損失は、前期比9.9%増の693億円となりました。これは、工事負担金等圧縮額が増加したことなどによるものであります。 ○ 税金等調整前当期純利益 税金等調整前当期純利益は、前期比8.5%増の2,972億円となりました。営業収益に対する税金等調整前当期純利益の比率は、前連結会計年度の10.0%に対し、当連結会計年度は10.3%となりました。 ○ 親会社株主に帰属する当期純利益 親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の増加などにより、前期比14.2%増の2,242億円(対4月業績予想142億円増)となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の173.82円に対し、当連結会計年度は198.29円となりました。また、営業収益に対する親会社株主に帰属する当期純利益の比率は、前連結会計年度の7.2%に対し、当連結会計年度は7.8%となりました。 b 財政状態 当連結会計年度末の資産残高は前連結会計年度末に比べ4,027億円増の10兆1,742億円、負債残高は前連結会計年度末に比べ2,697億円増の7兆3,020億円、純資産残高は前連結会計年度末に比べ1,329億円増の2兆8,722億円となりました。 運輸事業においては、大規模地震対策やホームドア整備、車両新造、中央線快速グリーン車の導入に伴う工事などに4,302億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は7兆3,095億円となりました。 流通・サービス事業においては、新規店舗の展開や既存店舗の改良などに295億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は4,026億円となりました。 不動産・ホテル事業においては、「TAKANAWA GATEWAY CITY」や「OIMACHI TRACKS」、「渋谷スクランブルスクエア」建設工事など、ショッピングセンターやオフィスビル、ホテルの建設などに3,293億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は2兆2,979億円となりました。 その他の事業においては、システム開発などに367億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は1兆2,685億円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a キャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ441億円の資金の増加となり、7,322億円の流入となりました。これは、税金等調整前当期純利益の増加などによるものであります。 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ927億円の資金の減少となり、7,834億円の流出となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものであります。 なお、設備投資の概要は以下のとおりです。 運輸事業に関しては、大規模地震対策やホームドア整備、車両新造、中央線快速グリーン車の導入などの設備投資を実施しました。流通・サービス事業に関しては、新規店舗の展開や既存店舗の改良などを行いました。不動産・ホテル事業に関しては、「TAKANAWA GATEWAY CITY」や「OIMACHI TRACKS」、「渋谷スクランブルスクエア」建設工事など、ショッピングセンターやオフィスビル、ホテルの建設等の設備投資を実施しました。その他の事業においては、システム開発などの設備投資を実施しました。 また、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ486億円の資金の減少となり、511億円の流出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ624億円の資金の減少となり、36億円の流入となりました。 なお、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の2,808億円から473億円減少し、2,334億円となりました。 b 財務政策 グループ経営ビジョン「変革 2027」の早期実現に向けて、設備投資に関して、成長投資においては、収益力向上や生産性向上に資する投資を積極的に実施します。維持更新投資においては、大規模地震対策やホームドア整備など安全のレベルアップに資する投資を引き続き着実に進めるとともに、安全の確保を大前提とした投資の選択と集中を徹底します。さらに、「脱炭素社会」実現などの社会的課題の解決、地域社会など多様なステークホルダーへの貢献、長期的視点での生産性向上や業務変革をめざし、地方創生やDXなどの設備投資を厳選して実施します。2023年度から2027年度まで総額3兆8,900億円の投資を計画しています。また、株主還元については、中長期的に総還元性向40%を目標とし、配当性向は30%をめざすこととしています。このために必要な資金については、営業キャッシュ・フローによるほか、社債の発行や金融機関からの借入等による資金調達を行っており、連結有利子負債残高は、連結営業収益、利益に応じた水準とすることを中長期的な考え方としています。具体的には、ネット有利子負債/EBITDAを中期的に5倍程度、長期的に3.5倍程度とすることをめざしています。 「ネット有利子負債」とは、連結有利子負債残高から連結現金及び現金同等物の期末残高を差し引いた数値であり、当連結会計年度末のネット有利子負債残高は4兆7,218億円となりました(なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は4兆9,553億円であります)。また、「EBITDA」とは、連結営業利益に連結減価償却費を加えた数値であり、当連結会計年度のEBITDAは7,829億円となりました。 当社グループはキャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、CMS参加各社の余裕資金の運用と資金調達の管理を一括して行い、連結ベースでの資金効率の向上に努めています。また、グループ間決済の相殺やグループ内の支払業務を集約する支払代行制度などの資金管理手法を採用しています。 当社は、健全な財務体質の維持・向上及び十分な手元流動性の確保を基本方針に置き、社債の発行や金融機関からの借入等により資金調達を行っています。また、金利上昇リスクの抑制を目的とし、支払金利の固定化や、調達年限の長期化による支払金利の長期固定化を行っています。さらに、年度ごとの債務償還額の抑制及び平準化に資する年限選択を行うことで、将来の借換リスク抑制を図っています。 当社は、当連結会計年度に国内において償還期限を2034年から2045年の間とする4本の無担保普通社債を総額490億円発行しました。これらの社債については、株式会社格付投資情報センターよりAA+の格付けを取得しています。また、海外において償還期限を2036年及び2054年とする2本の無担保普通社債を総額7億ユーロ(1,127億円)及び6億ポンド(1,146億円)発行しました。これらの社債は、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社よりA+、ムーディーズ・ジャパン株式会社よりA1の長期債格付けを取得しています。その他、金融機関から1,386億円の長期資金を借り入れました。 新幹線鉄道施設に関連する鉄道施設購入長期未払金は、元利均等半年賦支払であり、年利6.55%の固定利率により2051年9月30日までに支払われる3,065億円であります。 このほか、当連結会計年度末現在、東京モノレール㈱が1億円の鉄道施設購入長期未払金を有しています。  短期資金の需要に対応するため、当連結会計年度末現在、主要な銀行に総額3,600億円の当座借越枠を設定しています。また、コマーシャル・ペーパーについては、当連結会計年度末現在、株式会社格付投資情報センターよりa-1+、株式会社日本格付研究所よりJ-1+の短期債(CP)格付けを取得しています。なお、当連結会計年度末における当座借越残高及びコマーシャル・ペーパーの発行残高はありません。さらに、当連結会計年度末現在、銀行からのコミットメント・ライン(一定の条件のもと契約内での借入れが自由にできる融資枠)を600億円設定していますが、当連結会計年度末におけるコミットメント・ラインの使用残高はありません。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成に当たっては、連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っています。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた見積りや仮定のうち、財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性がある項目は以下のとおりです。 a 繰延税金資産の回収可能性 繰延税金資産の回収可能性に関する仮定に関しては、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。 b 固定資産の減損 固定資産の減損に関する仮定に関しては、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。 c 退職給付債務の見積り 従業員の退職給付債務は、割引率、昇給率、退職率、死亡率等の数理計算上の前提条件を用いて見積りを行っています。数理計算上の前提条件と実績が異なる場合又は前提条件の変更があった場合は、翌連結会計年度の退職給付債務の見積りに影響を与える可能性があります。

※本記事は「東日本旅客鉄道株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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