東京海上ホールディングス株式会社の基本情報

会社名東京海上ホールディングス株式会社
業種保険業
従業員数連51436名 単1232名
従業員平均年齢41.7歳
従業員平均勤続年数16.2年
平均年収15356700円
1株当たりの純資産2640.27円
1株当たりの純利益(連結)542.16円
決算時期3月
配当金172円
配当性向47.96%
株価収益率(PER)10.58倍
自己資本利益率(ROE)(連結)20.58%
営業活動によるCF13450億円
投資活動によるCF1646億円
財務活動によるCF▲11884億円
研究開発費※1-円
設備投資額※11335.26億円
販売費および一般管理費※1611.1億円
株主資本比率※299.9%
有利子負債残高(連結)※32272.46億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針①経営理念 当社は、東京海上グループの全役職員が共有する経営理念を策定しており、その内容は次のとおりです。<東京海上グループ経営理念> 東京海上グループは、お客様の信頼をあらゆる活動の原点におき、企業価値を永続的に高めていきます。 ○お客様に最高品質の商品・サービスを提供し、安心と安全をひろげます。 ○株主の負託に応え、収益性・成長性・健全性を備えた事業をグローバルに展開します。 ○社員一人ひとりが創造性を発揮できる自由闊達な企業風土を築きます。 ○良き企業市民として公正な経営を貫き、広く社会の発展に貢献します。②東京海上グループ中期経営計画2026 ~次の一歩の力になる。~ 東京海上グループは、お客様や社会のいざをお守りすることをパーパスとし、2035年にめざす姿として、お客様や社会の課題およびリスクに対して「イノベーティブなソリューションを届け続けるパートナー」を掲げています。 この実現に向けて、中期経営計画(2024年度~2026年度)においては、グローバルなリスク分散およびグループ一体経営をグループの基本戦略とし、成長の3本柱(①価値提供領域の飛躍的な拡大、②ディストリビューションの多様化・複線化および③生産性の徹底的な向上)ならびに規律の2本柱(①内部統制およびガバナンスの強化および向上ならびに②事業ポートフォリオおよび資本管理の高度化)をグループの重点戦略として取り組んでいます。 ③目標とする経営指標等 東京海上グループは、企業価値を的確に把握しその拡大に努める観点から、グループ全体の業績を示す経営指標として修正純利益および修正ROEを掲げており、中期経営計画(2024年度~2026年度)においては、修正純利益の持続的な成長および規律ある資本政策を通じて、修正EPSの年平均成長率(CAGR)+8%以上(含む政策株式売却益では+16%以上)、修正ROE14%以上(含む政策株式売却益では20%以上)をめざしています。 2024年度の修正純利益および修正ROEは、当事業年度の半期報告書提出日時点においては、それぞれ10,400億円、19.5%を見込んでいましたが、政策株式売却益の増加等により、その実績はそれぞれ12,150億円、22.7%となりました。 2025年度の修正純利益および修正ROEは、米国の商業用不動産担保付貸付金にかかる予想信用損失の減少や国内の自動車保険の収益改善を見込む一方、政策株式売却益の減少を見込むこと等により、本有価証券報告書提出日現在においては、それぞれ11,000億円、20.7%を見込んでいます。 なお、修正純利益および修正ROEは、次の方法で算出します。・修正純利益*1 修正純利益=連結当期純利益*2+異常危険準備金繰入額*3+危険準備金繰入額*3+価格変動準備金繰入額*3+自然災害責任準備金*4繰入額*3+初年度収支残*5の影響額*6-ALM*7債券・金利スワップ取引に関する売却・評価損益-事業投資に係る株式・固定資産に関する売却損益・評価損+のれん・その他無形固定資産償却額-その他特別損益・評価性引当等・修正EPS 修正EPS=修正純利益÷発行済株式総数・修正純資産*1,8 修正純資産=連結純資産+異常危険準備金+危険準備金+価格変動準備金+自然災害責任準備金*4+初年度収支残-のれん・その他無形固定資産・修正ROE 修正ROE=修正純利益÷修正純資産*1 各調整額は税引後です。*2 連結財務諸表上の「親会社株主に帰属する当期純利益」です。*3 戻入の場合はマイナスとなります。*4 大規模自然災害リスクに対応した火災保険の未経過保険料です。*5 保険料から発生保険金の一部と事業費を控除した残高を、翌期以降の保険事故に備えて繰り越すものです。*6 普通責任準備金積増額のうち、未経過保険料の積増額を控除したものです。*7 ALMとは、資産・負債の総合管理をいいます。*8 平均残高ベースで算出しています。 (2)経営環境及び対処すべき課題 2025年度も気候変動による災害の激甚化、不透明感を増す各国の政治・社会情勢および地政学リスク等の状況は変わらず、世界経済も米国の通商政策の影響を受け大きく減速すると想定されるなど、今後も先行きが見通しがたい環境が続くものと見込まれます。 こうした状況のなかにあっても、東京海上グループは、長期ビジョン「世界のお客様にあんしんをお届けし、成長し続けるグローバル保険グループ」の実現に向け、健全性を維持しつつ積極果敢に挑戦してまいります。2025年度は、「東京海上グループ中期経営計画2026?次の一歩の力になる。?」の2年度目となります。引き続き、「お客様や社会の課題・リスクに対してイノベーティブなソリューションを届け続けるパートナー」になることをめざし、保険に留まらない価値提供領域の飛躍的な拡大、ダイレクトチャネルの拡充等の販売チャネルの多様化・複線化およびAI・データ等を活用した生産性の徹底的な向上と同時に、内部統制・ガバナンスの強化および規律ある資本管理にも徹底して取り組んでまいります。 国内損害保険事業では、東京海上日動は、同社の中期経営計画のキーコンセプトである「Re-New」のもと、引き続き、適正な競争を阻害してきた業界慣行をはじめ、あらゆる業務プロセスをお客様起点で見直し、「本当に信頼されるお客様起点の会社」となることをめざします。業界慣行等に起因して発生した保険料調整事案およびその再発防止の取組みのなかで自浄作用を発揮して発見した同根同軸の不適切事案である情報漏えい事案については、確実に再発防止策を実行するとともに、社員のリスク感度の向上にも努めてまいります。また、保険の提供に留まらず、事前・事後の領域を含め、「リスクソリューション(保険+α)で次代を支える会社」になることをめざし取り組んでまいります。政策株式については、2029年度末までには政策株式(非上場株式および資本業務提携による出資等を除く)の残高をゼロにすべく売却を進めてまいります。 国内生命保険事業では、あんしん生命は、お客様をお守りする領域を拡大すべく、未病・早期発見・重症化予防等の領域で新たな保障やサービス開発等に引き続き取り組みます。加えて、お客様の健康状態に応じた保障と一体型のヘルスケアサービス提供等にも引き続き取り組みます。また、デジタル技術の進化に対応することで、お客様への直接アプローチを拡大しながら、生産性を向上させ、持続的な成長の実現をめざします。 海外保険事業では、引き続き、高度な保険引受能力や専門性を活かした保険料収入の拡大、保険料率の見直し等を通じて、保険引受利益を持続的かつ安定的に拡大してまいります。加えて、競争力ある商品のグローバル展開や資産運用の高度化等、海外保険事業全体におけるシナジーの拡大に取り組むとともに、デジタル活用および業務のアウトソーシング等による生産性の向上およびオペレーションの高度化を進めます。また、戦略的なM&Aの実行に向けた市場動向調査にも継続的に取り組み、優良な投資機会を着実に捉えてまいります。 資産運用では、国内外のグループ会社と連携しながら、資産と負債の総合管理(ALM)を軸としたグローバルな運用態勢の強化に引き続き努めてまいります。北米を中心とした市場での不動産投資ローン等については、足下の市況を踏まえ、管理体制を強化してまいります。また、米国の政策、日本銀行の金融政策等の動向により国内外のマクロ経済および金融市場の変動が見込まれますが、今後も情勢を注視しつつ、資産ポートフォリオの多様化とリスク分散を進めることによって、長期安定的な運用収益の確保と健全な財務基盤の維持に取り組んでまいります。 ソリューション事業では、東京海上グループの収益の柱とすることをめざし、今後、ID&Eホールディングス社および東京海上日動等の共創による防災・減災領域のソリューションを提供することでの収益拡大に加え、モビリティ、ヘルスケア(予防・未病)や脱炭素社会への移行支援といった複数の領域での事業化を加速してまいります。 これらの各事業を支えるのは人です。東京海上グループは、人材を資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる「人的資本経営」に注力しています。「People’s Business」(人とその信用・信頼からなる事業)である保険事業を営む東京海上グループの競争力の源泉は、昔も今もこれからも人です。社員一人ひとりが適材適所で情熱と意欲をもって活躍できるよう支援し、多様な人材が持てる力を遺憾なく発揮できる公正な環境を整えます。将来に向けた人材投資も行い、100年後もお客様や社会のいざをお守りする存在であり続けるための人的資本および人材基盤の強化にグループを挙げて取り組んでまいります。 株主還元については、配当を基本とする方針としています。事業を通じた利益成長と配当の拡大は整合的であるべきとの考えに基づき、力強い利益成長を通じ、継続的な増配を実現できるよう努めてまいります。 東京海上グループは、「お客様の信頼をあらゆる活動の原点におく」という経営理念を掲げ、健全性と透明性の高いガバナンス体制を基盤に、収益性と成長性を兼ね備えた企業グループとしてさらに発展していくため、グループを挙げて業務に邁進してまいります。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりです。① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の世界経済は、米国では労働市場や個人消費は徐々に減速したものの全体としては堅調さを維持し、中国では政策効果もあり持ち直しましたが、欧州では弱い動きが続きました。わが国経済は、引き続き物価上昇等を背景にした内需の弱さがみられ、回復のペースは緩やかなものに留まりました。また、気候変動による災害の激甚化、不透明感を増す各国の政治・社会情勢および地政学リスク等、東京海上グループを取り巻く環境は一層複雑化しています。 このような情勢のもと損害保険・生命保険を中心に国内外で事業展開を行った結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は、以下のとおりとなりました。 連結総資産は、前連結会計年度末に比べて6,424億円増加し、31兆2,373億円となりました。 保険引受収益6兆2,755億円、資産運用収益1兆9,886億円等を合計した経常収益は、前連結会計年度に比べて1兆154億円増加し、8兆4,401億円となりました。一方、保険引受費用4兆9,933億円、資産運用費用5,446億円、営業費及び一般管理費1兆4,013億円等を合計した経常費用は、前連結会計年度に比べて3,980億円増加し、6兆9,801億円となりました。 この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べて6,174億円増加し、1兆4,600億円となりました。 経常利益に特別利益、特別損失、法人税等合計などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて3,594億円増加し、1兆552億円となりました。 また、親会社株主に帰属する当期純利益から保険事業特有の各種準備金の影響や資産の売却・評価損益等の当該年度の特殊要因を控除した修正純利益(グループ全体の業績を示す管理会計上の経営指標)は、前連結会計年度に比べて5,034億円増加し、1兆2,150億円となりました。  報告セグメント別の状況は、以下のとおりです。 [国内損害保険事業] 国内損害保険事業においては、経常収益は、前連結会計年度に比べて6,197億円増加し、3兆8,865億円となりました。経常利益は、前連結会計年度に比べて5,698億円増加し、8,933億円となりました。国内損害保険事業における保険引受および資産運用の状況は、以下のとおりです。 a)保険引受業務イ)元受正味保険料(含む収入積立保険料)区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険537,26418.721.19586,75319.539.21海上保険93,8483.27△1.6196,4073.212.73傷害保険248,5228.66△0.26255,1158.492.65自動車保険1,253,17243.671.581,295,78243.133.40自動車損害賠償責任保険197,4916.88△11.60198,5896.610.56その他539,35218.804.88571,38319.025.94合計2,869,651100.000.803,004,031100.004.68(うち収入積立保険料)(42,515)(1.48)(△15.78)(44,183)(1.47)(3.92)(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金および元受その他返戻金を控除したものです(積立型保険の積立保険料を含みます。)。ロ)正味収入保険料区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険444,53817.141.36478,97117.707.75海上保険85,1273.280.1390,7613.356.62傷害保険200,4237.734.07205,1767.582.37自動車保険1,247,81648.121.531,290,26647.683.40自動車損害賠償責任保険209,0408.06△7.20200,4417.41△4.11その他406,21415.664.26440,74216.298.50合計2,593,160100.001.292,706,360100.004.37(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 ハ)正味支払保険金区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険262,39817.29△4.14235,23815.15△10.35海上保険49,1173.2424.7153,1033.428.12傷害保険98,6046.50△3.63105,1216.776.61自動車保険726,07847.839.20773,33349.806.51自動車損害賠償責任保険162,91810.733.22162,50010.47△0.26その他218,78514.412.09223,45014.392.13合計1,517,902100.004.501,552,748100.002.30(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 b)資産運用業務イ)運用資産区分前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)預貯金402,5514.60425,4895.58買現先勘定9990.01299,8123.93買入金銭債権2,7220.03121,6971.59金銭の信託70.0070.00有価証券6,459,52773.774,937,78764.71貸付金549,7236.28545,9127.15土地・建物199,7632.28197,1582.58運用資産計7,615,29586.976,527,86485.55総資産8,756,578100.007,630,349100.00(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。ロ)有価証券区分前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)国債1,094,09216.941,016,75620.59地方債48,3440.7526,2870.53社債513,9307.96466,4649.45株式3,567,46355.232,163,81843.82外国証券1,214,27518.801,234,36425.00その他の証券21,4200.3330,0960.61合計6,459,527100.004,937,787100.00(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 ハ)利回りⅰ)運用資産利回り(インカム利回り)区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)預貯金327388,3770.08350440,3090.08コールローン-80.007516,3600.46買現先勘定09990.013412,5390.28買入金銭債権1632,6110.05986223,6480.44金銭の信託-6750.00070.07有価証券153,1423,232,2504.74156,1703,041,5665.13貸付金27,664481,4715.7529,082538,5535.40土地・建物5,267201,8372.615,405197,9922.73小計186,4194,338,2314.30192,1054,470,9774.30その他4,542--4,727--合計190,961--196,833--(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。2.収入金額は、連結損益計算書における「利息及び配当金収入」に、「金銭の信託運用益」のうち利息及び配当金収入相当額を含めた金額です。3.平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。ただし、コールローン、買現先勘定および買入金銭債権については、日々の残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。 ⅱ)資産運用利回り(実現利回り)区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)預貯金13,243388,3773.413,080440,3090.70コールローン-80.007516,3600.46買現先勘定09990.013412,5390.28買入金銭債権1632,6110.05978223,6480.44金銭の信託06750.02070.13有価証券339,9283,232,25010.52933,8043,041,56630.70貸付金46,342481,4719.6315,929538,5532.96土地・建物5,267201,8372.615,405197,9922.73金融派生商品△128,363--△72,974--その他7,686--1,728--合計284,1234,338,2316.55888,0634,470,97719.86(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。2.資産運用損益(実現ベース)は、連結損益計算書における「資産運用収益」および「積立保険料等運用益」の合計額から「資産運用費用」を控除した金額です。3.平均運用額(取得原価ベース)は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。ただし、コールローン、買現先勘定および買入金銭債権については、日々の残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。[国内生命保険事業]国内生命保険事業においては、経常収益は、前連結会計年度に比べて16億円減少し、6,393億円となりました。経常利益は、前連結会計年度に比べて130億円増加し、701億円となりました。国内生命保険事業における保険引受および資産運用の状況は、以下のとおりです。 a)保険引受業務イ)保有契約高区分前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)金額(百万円)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)対前年増減(△)率(%)個人保険27,858,055△1.8627,225,275△2.27個人年金保険1,796,195△4.401,699,456△5.39団体保険1,664,237△12.981,617,708△2.80団体年金保険2,712△2.042,650△2.27(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。2.個人年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金を合計したものです。3.団体年金保険については、責任準備金の金額です。 ロ)新契約高区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)新契約+転換による純増加(百万円)新契約(百万円)転換による純増加(百万円)新契約+転換による純増加(百万円)新契約(百万円)転換による純増加(百万円)個人保険1,935,5171,935,517-1,746,0531,746,053-個人年金保険------団体保険8,9708,970-61,63461,634-団体年金保険------(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。2.新契約の個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資の額です。3.新契約の団体年金保険の金額は、第1回収入保険料です。 b)資産運用業務イ)運用資産区分前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)預貯金70,5670.80234,1472.96買入金銭債権--5,3310.07有価証券8,345,14094.217,170,87790.77貸付金253,4182.86248,4713.15土地・建物1,5140.021,5790.02運用資産計8,670,64097.887,660,40796.97総資産8,858,300100.007,900,008100.00(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 ロ)有価証券区分前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)国債7,061,54084.625,838,08281.41地方債5,6100.075,6090.08社債533,0326.39526,0987.34株式1940.001300.00外国証券448,0145.37462,6566.45その他の証券297,1783.56338,3004.72合計8,345,140100.007,170,877100.00(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 ハ)利回りⅰ)運用資産利回り(インカム利回り)区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)預貯金064,2900.0014139,0470.01債券貸借取引支払保証金---516,3490.03買入金銭債権---683,9261.74有価証券106,9457,948,5641.35103,9347,403,3561.40貸付金18,639254,8747.3117,778250,7397.09土地・建物-1,4110.002831,87715.11小計125,5848,269,1411.52122,0857,815,2961.56その他------合計125,584--122,085--(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。なお、保険業法第118条に規定する特別勘定に係る収入金額および平均運用額については、除外しています。2.収入金額は、連結損益計算書における「利息及び配当金収入」です。3.平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。ただし、債券貸借取引支払保証金および買入金銭債権については、日々の残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。 ⅱ)資産運用利回り(実現利回り)区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)預貯金12464,2900.190139,0470.00債券貸借取引支払保証金---516,3490.03買入金銭債権---1123,9262.87有価証券115,6177,948,5641.45△103,5527,403,356△1.40貸付金14,034254,8745.517,869250,7393.14土地・建物-1,4110.002831,87715.11金融派生商品△39,725--△19,928--その他------合計90,0508,269,1411.09△115,2087,815,296△1.47(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。なお、保険業法第118条に規定する特別勘定に係る資産運用損益および平均運用額については、除外しています。2.資産運用損益(実現ベース)は、連結損益計算書における「資産運用収益」から「資産運用費用」を控除した金額です。3.平均運用額(取得原価ベース)は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。ただし、債券貸借取引支払保証金および買入金銭債権については、日々の残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。[海外保険事業]海外保険事業においては、経常収益は、前連結会計年度に比べて6,590億円増加し、4兆3,098億円となりました。経常利益は、前連結会計年度に比べて356億円増加し、4,884億円となりました。海外保険事業における保険引受および資産運用の状況は、以下のとおりです。 a)保険引受業務イ)正味収入保険料区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険488,14021.8728.72639,24224.6030.95海上保険106,9184.7919.77123,6374.7615.64傷害保険38,7201.739.5440,7651.575.28自動車保険521,91023.3819.33567,62621.848.76その他1,076,19148.2211.091,227,59847.2414.07合計2,231,880100.0016.852,598,869100.0016.44(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 ロ)正味支払保険金区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険232,70121.9351.61237,48419.572.06海上保険43,6574.1127.7146,3433.826.15傷害保険21,5202.0346.2619,7981.63△8.00自動車保険279,59926.3525.16322,90726.6115.49その他483,54845.5716.44586,98048.3721.39合計1,061,026100.0026.151,213,514100.0014.37(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 b)資産運用業務イ)運用資産区分前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)預貯金385,9332.90369,6232.35買入金銭債権2,323,60117.442,924,89818.56有価証券5,873,40044.087,144,08045.33貸付金2,276,80517.092,605,58116.53土地・建物131,1520.98214,7181.36運用資産計10,990,89482.4913,258,90384.14総資産13,324,604100.0015,758,495100.00(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 ロ)利回りⅰ)運用資産利回り(インカム利回り)区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)預貯金8,770346,4872.5313,632377,7793.61買入金銭債権150,3292,196,6026.84184,2032,708,7006.80有価証券198,1225,586,8023.55248,1956,680,4763.72貸付金213,3852,137,6139.98238,4592,444,9829.75土地・建物14,378126,47411.377,257172,9354.20小計584,98610,393,9805.63691,74812,384,8745.59その他2,088--2,234--合計587,074--693,983--(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。なお、連結貸借対照表における有価証券には持分法適用会社に対する株式が含まれていますが、平均運用額および年利回りの算定上は同株式を除外しています。2.収入金額は、連結損益計算書における「利息及び配当金収入」です。3.平均運用額は、期首・期末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。 ⅱ)資産運用利回り(実現利回り)区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)預貯金10,215346,4872.9511,388377,7793.01買現先勘定211--659--買入金銭債権148,8092,196,6026.77182,2032,708,7006.73有価証券274,2985,586,8024.91385,7056,680,4765.77貸付金162,1112,137,6137.58111,9122,444,9824.58土地・建物14,378126,47411.377,257172,9354.20金融派生商品17,512--5,709--その他1,082--2,030--合計628,62110,393,9806.05706,86512,384,8745.71(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。なお、連結貸借対照表における有価証券には持分法適用会社に対する株式が含まれていますが、平均運用額および年利回りの算定上は同株式を除外しています。2.資産運用損益(実現ベース)は、連結損益計算書における「資産運用収益」から「資産運用費用」を控除した金額です。3.平均運用額(取得原価ベース)は、期首・期末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。 (参考)全事業の状況 a)元受正味保険料(含む収入積立保険料)区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険1,269,42722.8815.651,466,01424.2115.49海上保険228,0334.114.45248,9414.119.17傷害保険292,6035.271.34302,6345.003.43自動車保険1,778,54332.066.771,879,01331.035.65自動車損害賠償責任保険197,4913.56△11.60198,5893.280.56その他1,781,26932.118.761,959,68132.3710.02合計5,547,369100.008.106,054,874100.009.15(うち収入積立保険料)(42,515)(0.77)(△15.78)(44,183)(0.73)(3.92)(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺後の金額です。2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金および元受その他返戻金を控除したものです(積立型保険の積立保険料を含みます。)。 b)正味収入保険料区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険932,67819.3314.051,118,21321.0819.89海上保険192,0463.9810.19214,3994.0411.64傷害保険239,1364.964.92245,9414.642.85自動車保険1,769,72536.686.201,857,89335.024.98自動車損害賠償責任保険209,0404.33△7.20200,4413.78△4.11その他1,482,35830.729.131,668,29231.4512.54合計4,824,986100.007.945,305,182100.009.95(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺後の金額です。 c)正味支払保険金区分  前連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)  当連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険495,09919.2015.89472,72317.09△4.52海上保険92,6933.5926.1499,3613.597.19傷害保険120,1234.662.84124,5614.503.69自動車保険1,005,28938.9913.171,096,24039.649.05自動車損害賠償責任保険162,9186.323.22162,5005.88△0.26その他702,33127.2411.56810,43029.3015.39合計2,578,456100.0012.442,765,817100.007.27(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺後の金額です。② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。 営業活動によるキャッシュ・フローは、利息及び配当金の受取額の増加等により、前連結会計年度に比べて2,729億円収入が増加し、1兆3,450億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還による収入の増加等により、前連結会計年度に比べて7,922億円収入が増加し、1,646億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、資金調達目的の債券貸借取引受入担保金の純増減額の減少等により、前連結会計年度に比べて7,822億円支出が増加し、1兆1,884億円の支出となりました。 これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より3,828億円増加し、1兆4,697億円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 保険持株会社としての業務の特性から、該当する情報がないので記載していません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。 なお、本項に含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りを必要としますが、実際には見積りと異なる結果となることもあります。 当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針および見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。a)金融商品の時価の算定方法 有価証券、デリバティブ取引等について、時価の算定は原則として市場価格に基づいていますが、一部の市場価格のない有価証券、デリバティブ取引等については、将来キャッシュ・フローの現在価値や契約期間等の構成要素に基づく合理的な見積りによって算出された価額等を時価としています。b)有価証券の減損処理 売買目的有価証券以外の有価証券について、時価または実質価額が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められるものを除き、減損処理を行っています。なお、その他有価証券(市場価格のない株式等を除く。)については、原則として、連結会計年度末の時価が取得原価に比べて30%以上下落した場合に減損処理を行っています。c)固定資産の減損処理 収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、帳簿価額を減額する会計処理を行っています。資産または資産グループの回収可能価額は、正味売却価額(資産または資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される価額)と使用価値(資産または資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い方の金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定および予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しています。従って、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合およびのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。d)繰延税金資産 繰延税金資産の回収可能性の判断に際して、将来の課税所得を合理的に見積っています。将来の課税所得は過去の業績等に基づいて見積っているため、将来において当社グループを取り巻く環境に大きな変化があった場合、税制改正によって法定実効税率が変更された場合等においては、繰延税金資産の回収可能額が変動する可能性があります。e)貸倒引当金 債権の貸倒れによる損失に備えて、回収不能見積額を貸倒引当金として計上していますが、貸付先の財務状況が変化した場合には、貸倒損失や貸倒引当金の計上額が、当初の見積額から変動する可能性があります。f)支払備金 保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、支払備金として積み立てています。このうち既発生未報告の支払備金については、主に統計的見積法により算出しています。各事象の将来における状況変化、為替変動の影響等により、支払備金の計上額が、当初の見積額から変動する可能性があります。g)責任準備金等 保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金等を積み立てています。当初想定した環境や条件等が大きく変化し、責任準備金等を上回る支払が発生する可能性があります。h)退職給付債務等 退職給付費用および退職給付債務は、連結会計年度末時点の制度を前提とし、割引率や長期期待運用収益率、将来の退職率および死亡率等、一定の前提条件に基づいて計算しています。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、また前提条件を変更する必要が生じた場合には、将来の退職給付費用および退職給付債務は変動する可能性があります。② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、以下のとおりです。なお、当社グループの課題認識および経営成績に重要な影響を与えるリスクについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境及び対処すべき課題」および「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 a)経営成績の分析 当連結会計年度の状況については、以下のとおりです。連結主要指標 (単位:百万円)    前連結会計年度 (自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)   当連結会計年度 (自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)増減増減率経常収益7,424,6678,440,1141,015,44613.7%正味収入保険料4,824,9865,305,182480,19610.0%生命保険料1,049,852586,772△463,080△44.1%経常利益842,5761,460,007617,43073.3%親会社株主に帰属する当期純利益695,8081,055,276359,46851.7%修正純利益711,6341,215,063503,42870.7%  経常収益は、前連結会計年度に比べて1兆154億円増加し、8兆4,401億円となりました。 経常利益は、国内損害保険事業において、政策株式売却益が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて6,174億円増加し、1兆4,600億円となりました。 経常利益に特別利益、特別損失、法人税等合計などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて3,594億円増加し、1兆552億円となりました。 また、親会社株主に帰属する当期純利益から保険事業特有の各種準備金の影響や資産の売却・評価損益等の当該年度の特殊要因を控除した修正純利益(グループ全体の業績を示す管理会計上の経営指標)は、前連結会計年度に比べて5,034億円増加し、1兆2,150億円となりました。  報告セグメント別の状況は、以下のとおりです。[国内損害保険事業] 国内損害保険事業において、東京海上日動火災保険株式会社は、「本当に信頼されるお客様起点の会社」になるために、「Re-New(新しい会社につくりかえる)」に取り組みました。具体的には、組織風土の改革、適正な競争を阻害する業界慣行等の解消、ガバナンス態勢の強化、お客様起点での業務プロセスの抜本的見直し等に取り組みました。また、「リスクソリューション(保険+α)で次代を支える会社」になることをめざし、事前・事後の領域を含め、保険以外の商品・サービスの提供にも取り組みました。政策株式については、2029年度末までには政策株式(非上場株式および資本業務提携による出資等を除く)の残高をゼロにすべく、2024年度は計画を上回る9,224億円分を売却しました。 多様化・複雑化する社会課題に対し、グリーントランスフォーメーション(化石燃料をクリーンエネルギーに転換して活用していくための変革)、ヘルスケア、中小企業、サイバーリスクおよびレジリエンス(自然災害等の被害の極小化および早期復旧)を重点分野として定め、社会課題解決に貢献することを通じた新たなマーケット創造をめざし取組みを推進しました。例えば、ヘルスケア分野では、主に大企業向けに、「健康アシスト保険」の販売を開始しました。この保険は、健康診断で生活習慣病およびがんのリスクが高いと判定された従業員に対する二次検査の受診勧奨を、企業に代わり東京海上日動が直接サービス提供(給付)するものです。これにより企業における人的資本経営や健康経営の推進を支援していきます。 レジリエンス分野では、2025年2月に岩手県大船渡市で発生した林野火災に対し、夜間や火災の煙が多い状態でも観測可能な特殊なレーダーを搭載する人工衛星を活用し、火災によって延焼した住宅の被害状況を早期に把握して保険金を迅速にお支払いしました。また、自治体に提供した解析画像結果は被害の状況把握等に活用されています。  上記のとおり事業に取り組んだ結果、正味収入保険料は、自動車保険や火災保険における商品・料率改定による増収効果等により、前連結会計年度に比べて1,131億円増加し、2兆7,063億円となりました。経常利益は、政策株式売却益が増加したことを主因として、前連結会計年度に比べて5,698億円増加し、8,933億円となりました。 (単位:百万円)    前連結会計年度 (自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)   当連結会計年度 (自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)増減増減率正味収入保険料2,593,1602,706,360113,1994.4%経常利益323,498893,316569,818176.1% [国内生命保険事業] 国内生命保険事業において、東京海上日動あんしん生命保険株式会社は、強みである生損一体のビジネスモデルを活かしつつ、長寿社会の新たな課題の解決に向け、中堅・中小企業、シニア層および若年層それぞれのニーズに対応した商品・サービスを開発し、お客様をお守りする領域の拡大に取り組んでいます。 長い老後に備えた資産形成ニーズが高まるなか、保障ニーズおよび計画的な資産形成ニーズの双方にお応えする変額保険「マーケットリンク」がご好評をいただいています。2024年度には、お客様をお守りする領域の拡大に向け、主に中堅・中小企業向けに、「スマート総合福祉団体定期」を発売しました。従業員の健康維持・重症化予防サービスの提供等により、中堅・中小企業の福利厚生の充実等を実現し、優秀な人材の確保等を図りたいというニーズにお応えする商品です。また、主に持病をお持ちのお客様向けに引受基準緩和型の死亡保険「あんしん定期エール」および「あんしん終身エール」を発売しました。 各国における金融政策転換等によって、市場・経済環境の不確実性が増しているなか、資産と負債の総合管理(ALM)を基本とした資産運用に継続的に取り組み、既に引き受けている生命保険契約の長期負債の一部を再保険会社に出再するなど、金利リスクコントロールの多様化および高度化に努めました。 上記のとおり事業に取り組んだ結果、生命保険料は、リスク管理手法の多様化を目的として保有契約の一部を再保険に出したこと等により、前連結会計年度に比べて5,971億円減少し、△1,683億円となりました。経常利益は、前連結会計年度に比べて130億円増加し、701億円となりました。 (単位:百万円)    前連結会計年度 (自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)   当連結会計年度 (自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)増減増減率生命保険料428,831△168,313△597,145△139.2%経常利益57,15670,15913,00322.8% [海外保険事業] 海外保険事業においては、グループ全体のグローバルな成長と分散の効いたポートフォリオの構築を実現すべく、持続的な内部成長と戦略的なM&Aを取組みの両輪としています。また、グループ各社の優れたノウハウを相互に活用し、保険料収入の拡大、資産運用の高度化、業務効率の向上等のシナジー実現にも幅広く取り組みました。 世界中の各拠点が事業の成長実現をめざし、新たな保険商品の拡充、高度な保険引受能力や専門性の活用、市場環境を踏まえた保険料率の見直しおよび販売チャネルの拡充による保険引受利益の拡大に取り組みました。M&Aについては、これまで市場環境を見据えながら実行してきており、現在も常に規律をもって優良な投資機会をうかがっています。また、規律をもった事業売却にも継続的に取り組み、事業ポートフォリオの最適化を追求しています。加えて、デジタル活用および業務のアウトソーシング等による生産性の向上およびオペレーションの高度化に取り組みました。 グループの資産運用の中核会社であるDelphi Financial Group, Inc.においては、米国で商業用不動産担保付貸付金にかかる予想信用損失が発生しましたが、利子、配当等のインカム収益は計画を上回り、トータルでは市場平均を上回るリターンを安定的に確保しています。 2024年度は、北米のHCC Insurance Holdings, Inc.およびPrivilege Underwriters, Inc.が4年連続で過去最高益を達成しました。 上記のとおり事業に取り組んだ結果、正味収入保険料は、北米、欧州およびブラジルの子会社における市場環境を踏まえた保険料率の見直しや引受拡大等に伴う増収ならびに円安等により、前連結会計年度に比べて3,669億円増加し、2兆5,988億円となりました。生命保険料は、北米の子会社における引受拡大等に伴う増収ならびに円安等により、前連結会計年度に比べて1,340億円増加し、7,550億円となりました。経常利益は、米国で商業用不動産担保付貸付金にかかる予想信用損失が発生した一方、北米でのインカム収益の増加や円安等により、前連結会計年度に比べて356億円増加し、4,884億円となりました。 (単位:百万円)    前連結会計年度 (自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)   当連結会計年度 (自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)増減増減率正味収入保険料2,231,8802,598,869366,98916.4%生命保険料621,028755,092134,06421.6%経常利益452,838488,49735,6587.9% b)財政状態の分析イ)連結ソルベンシー・マージン比率  当社は、保険業法施行規則第210条の11の3および第210条の11の4ならびに平成23年金融庁告示第23号の規定に基づき、連結ソルベンシー・マージン比率を算出しています。  当社グループの子会社では、損害保険事業、生命保険事業や少額短期保険業を営んでいます。保険会社グループは、保険金の支払等に備えて準備金を積み立てていますが、巨大災害の発生や資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。こうした「通常の予測を超える危険」を示す「連結リスクの合計額」(下表の(B))に対する「保険会社グループが保有している資本金・準備金等の支払余力」(すなわち連結ソルベンシー・マージン総額:下表の(A))の割合を示すために計算された指標が、「連結ソルベンシー・マージン比率」(下表の(C))です。  連結ソルベンシー・マージン比率の計算対象となる範囲は、連結財務諸表の取扱いと同一ですが、保険業法上の子会社(議決権が50%超の子会社)については、計算対象に含めています。  連結ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社グループを監督する際に活用する客観的な判断指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。  当連結会計年度末の連結ソルベンシー・マージン比率は、前連結会計年度末と比べて61.9ポイント低下して590.8%となりました。これは、その他有価証券評価差額金の減少による連結ソルベンシー・マージン総額の減少が主因です。 (単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)(A)連結ソルベンシー・マージン総額6,485,7055,829,765(B)連結リスクの合計額1,986,9011,973,232(C)連結ソルベンシー・マージン比率  [(A)/{(B)×1/2}]×100652.8%590.8% ロ)国内保険会社の単体ソルベンシー・マージン比率  国内保険会社は、保険業法施行規則第86条および第87条ならびに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づき、単体ソルベンシー・マージン比率を算出しています。  保険会社は、保険金の支払等に備えて準備金を積み立てていますが、巨大災害の発生や資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。こうした「通常の予測を超える危険」を示す「単体リスクの合計額」(下表の(B))に対する「保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(すなわち単体ソルベンシー・マージン総額:下表の(A))の割合を示すために計算された指標が、「単体ソルベンシー・マージン比率」(下表の(C))です。  単体ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に活用する客観的な判断指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。  当事業年度末の国内保険会社の単体ソルベンシー・マージン比率は、以下のとおりとなっています。東京海上日動火災保険株式会社については、前事業年度末と比べて56.5ポイント上昇して920.2%となりました。これは、価格変動等リスク相当額の減少が主因です。 ⅰ)東京海上日動火災保険株式会社 (単位:百万円) 前事業年度(2024年3月31日)当事業年度(2025年3月31日)(A)単体ソルベンシー・マージン総額6,454,6595,649,397(B)単体リスクの合計額1,494,5461,227,811(C)単体ソルベンシー・マージン比率  [(A)/{(B)×1/2}]×100863.7%920.2% ⅱ)日新火災海上保険株式会社 (単位:百万円) 前事業年度(2024年3月31日)当事業年度(2025年3月31日)(A)単体ソルベンシー・マージン総額121,134112,455(B)単体リスクの合計額22,86523,130(C)単体ソルベンシー・マージン比率  [(A)/{(B)×1/2}]×1001,059.5%972.3% ⅲ)イーデザイン損害保険株式会社 (単位:百万円) 前事業年度(2024年3月31日)当事業年度(2025年3月31日)(A)単体ソルベンシー・マージン総額14,5489,689(B)単体リスクの合計額4,2594,184(C)単体ソルベンシー・マージン比率  [(A)/{(B)×1/2}]×100683.1%463.0% ⅳ)東京海上日動あんしん生命保険株式会社 (単位:百万円) 前事業年度(2024年3月31日)当事業年度(2025年3月31日)(A)単体ソルベンシー・マージン総額531,822559,668(B)単体リスクの合計額111,583133,545(C)単体ソルベンシー・マージン比率  [(A)/{(B)×1/2}]×100953.2%838.1% c)資金の流動性に係る情報 当社グループの短期的な資金需要として、主に日々の保険金の支払等がありますが、強固なリスク管理態勢の下で保険事業を運営し、安定的にプラスの営業キャッシュ・フローを確保することにより、十分な流動性を保持しています。また、大規模自然災害による大口の支払や市場の混乱等により資金繰りが悪化する局面に備え、流動性の高い債券を保有すること等により、適切な流動性管理を行っています。 事業投資等の中長期的な資金需要に対しては、グループ内の自己資金を活用するほか、外部からの資金調達を行う等、資金需要の性質に応じて適切な資金源を確保しています。 d)目標とする経営指標の分析 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針 ③目標とする経営指標等」に記載のとおりです。

※本記事は「東京海上ホールディングス株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

スポンサーリンク

連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

コメント