三菱商事株式会社の基本情報

会社名三菱商事株式会社
業種卸売業
従業員数連80037名 単4400名
従業員平均年齢42.7歳
従業員平均勤続年数18年
平均年収20909825円
1株当たりの純資産966.85円
1株当たりの純利益206.22円
決算時期3月
配当金70円
配当性向33.9%
株価収益率(PER)16.91倍
自己資本利益率(ROE)22.3%
営業活動によるCF13473億円
投資活動によるCF▲2057億円
財務活動によるCF▲10862億円
研究開発費※1-円
設備投資額※1-円
販売費および一般管理費※12493.64億円
株主資本比率※244.7%
有利子負債残高(連結)※3※40円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】1. 「中期経営戦略2024 MC Shared Value(共創価値)の創出」三菱商事は、2022年5月に、2022年度から始まる3ヵ年の新しい経営の指針として、「中期経営戦略2024 MC Shared Value(共創価値)の創出」を策定・公表しました。当社を取り巻く経営環境は、地政学リスクの高まりにより不確実性が高まっています。また、グローバルサプライチェーンの再構築、デジタル化、脱炭素という多様化・複雑化する社会・産業のニーズに対し、先見性をもった対応が求められています。このような経営環境において、あらゆる産業知見とグローバルネットワークを駆使したインテリジェンスを有機的に「つなげ」・「つながる」ことで、当社ならではの総合力を強化していく経営方針を、今回の「中期経営戦略2024」として纏めました。 (1)中期経営戦略2024で目指すこと三菱商事グループの総合力強化による社会課題の解決を通じて、スケールのあるMC Shared Value(共創価値)を継続的に創出することを目指します。 (2)定量目標と株主還元■定量目標収益基盤の維持・拡大とともに、Energy Transformation(EX)関連やDigital Transformation(DX)関連・成長分野への投資などを通じて、着実に成長し2024年度に8,000億円の当期純利益(当社の所有者に帰属)とROE二桁水準の維持・向上を目指します。 ■株主還元持続的な利益成長に応じて増配を行う累進配当を基本とし、財務規律の下で機動的に自己株式取得を実施する方針とします。総還元性向は30~40%を目処(2024年度は40%程度を目処)とし、財務健全性、配当の安定成長、株主還元に対する市場期待の3つのバランスがとれた還元政策を実施します。 ■キャッシュフロー・資本配分企業価値向上に向けて、財務規律を維持しつつ、キャッシュフローを投資と株主還元に適切に配分します。併せて、開示の拡充や対話を通じて、ステークホルダーからの当社事業に対する信頼性を一層高めることで、資本コストの低減を図ります。 ■投資計画・事業ポートフォリオ「中期経営戦略2024」期間で、3兆円規模の投資を計画し、EX関連分野への投資を加速します。同時に、収益基盤の維持・拡大とDX・成長分野への投資も着実に促進します。 (3)「つなげ」・「つながる」ことによる三菱商事グループの総合力を最大化■成長戦略 [トランスフォーメーションを主導し、成長につなげる]・EX戦略:EXバリューチェーン全体を俯瞰し、パートナーと共に、カーボンニュートラル社会への移行・産業競争力向上に貢献していきます。・DX戦略:DX機能を全社横断的に展開し、産業・企業・コミュニティをつなぐことで、社会全体の生産性向上と持続可能な価値創造に貢献していきます。・未来創造:再エネなどの地域エネルギー資源の積極的な開発を通じて自給率を少しでも高めていくとともに、カーボンニュートラル新産業の創出、地域課題の解決を通じた魅力ある街づくりをテーマとして、パートナーや自治体の皆様と共に、未来創造の実現に貢献していきます。 ■経営管理 [規律ある成長で未来へつなぐ]自律的なグループ経営の強化を促す経営管理メカニズムを構築し、事業環境の変化に対応した循環型成長モデルへの取組みを加速することで、資本効率の維持・向上を図り、財務健全性を維持します。 ■推進メカニズム [多様なインテリジェンスをつなぐ]外部環境への対応力を更に強化すべく「グローバルインテリジェンス委員会(GI委員会)」を新設しました。産業横断的な全社戦略を討議・立案するMC Shared Value会議(MCSV会議)に、GI委員会の分析を反映することで、営業グループの推進力と業界を超えた連携を強化していきます。 ■人事施策 [多彩・多才なヒトをつなぎ、活気に満ちた組織へ]多様性を活かす企業風土づくりやダイナミックな人材シフト・登用などを通じて、「イキイキ・ワクワク、活気あふれる人材と組織」を実現し、人的資本の価値最大化を目指します。 ■サステナビリティ施策 [多様なステークホルダーとつながり、社会から信頼され続ける存在へ]当社が事業活動を通じて取り組む重要な社会課題を「マテリアリティ」として再定義し、取組みの指針とします。温室効果ガス(GHG)削減目標の達成に向け、各事業を気候変動の移行リスク・機会に応じて分類の上モニタリングするなど、様々な施策を通じて事業の低・脱炭素化を推進します。サステナビリティ施策に関しては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」もご参照ください。 2. 循環型成長モデルを通じた企業価値向上に向けた取組当連結会計年度も「中期経営戦略2024」で掲げる循環型成長モデルを通じた企業価値向上に取り組みました。利益水準の更なる拡大を見据え、投資決定済み案件の着実な収益化に取り組む他、成長戦略に基づく投資、MCSV戦略投資の推進に取り組んでいます。 また、戦略的事業ポートフォリオの入替及び資本効率向上の取り組みを推進しました。これに加えて、柔軟な資本政策による成長戦略も加速させています。翌連結会計年度についても、企業価値向上に向けた取り組みを継続してまいります。 3. 当連結会計年度のセグメント別の事業環境① 天然ガスグループ主要商材であるLNGの世界需要は前年比同水準となり、2023年は約4.0億トンとなりました。なお、アジアのLNGスポット価格は、北半球の冬季にかけて百万Btu(英国熱量単位)当たり20米ドルに近づく場面もありましたが、その後、主要LNG市場である欧州・アジアでの追加需要が限定的であったことも影響し、当連結会計年度末時点では9米ドル台半ばまで落ち着きました。原油価格(Brent)は、ロシア・ウクライナ情勢による影響は落ち着きつつあるものの、中東での地政学リスクの高まりによって、当連結会計年度末時点では80米ドル台後半/バレルまで上昇しています。 ② 総合素材グループ北米地域では金利上昇に伴う景況感の悪化が懸念されたものの、建設・インフラ分野向けなどを中心に需要は底堅く推移しました。一方、アジア圏を中心とした素材領域では、中国の景気減速に伴う需給環境悪化と市況低迷の影響を大きく受けました。 ③ 化学ソリューショングループ粗原料価格は高止まりを続けたものの、各種化学製品の主要市場である中国における過剰生産及び景気減退、それに伴う中国からの輸出量増加により、国際製品市況は低迷基調となりました。加えて、地域情勢の悪化や渇水によるスエズ・パナマ運河迂回による物流費の高騰が見られました。 ④ 金属資源グループ主力事業の一つである原料炭については、需要に大きな影響を与えるインド等の新興国経済は好調を維持しましたが、先進国での経済回復は緩慢であり、中国経済も不動産セクターの不調が長期化しました。一方、原料炭の主要生産地である豪州・カナダでの供給不安が緩和された結果、前連結会計年度比で市況は弱含みで推移しました。もう一つの主力事業である銅については、ロシア・ウクライナ情勢や、ゼロコロナ政策解除後の緩慢な経済回復による欧米及び中国経済の需要停滞に対し、供給制約が拮抗した状態となり、現物需給は引き続きタイトなマーケット構造を維持しました。 ⑤ 産業インフラグループウクライナや中東をはじめとした不透明な世界情勢によるサプライチェーンの混乱や、インフレによるコストアップ等の影響を受けた事業もありましたが、産業機械分野での底堅い設備投資需要や円安の影響等を受けて、対面業界における事業環境は前連結会計年度に比べて総じて好転しました。また、このような事業環境の中、キャピタルゲインを得る形で一部事業・資産の売却を実行しました。 ⑥ 自動車・モビリティグループ自動車市場は、世界的に金利高が進む中、特にアセアンにおいて実体経済の軟化、ファイナンス(自動車ローン)審査厳格化により需要が低迷、競合各社が購買力のある顧客を巡り値引き攻勢を強める等、厳しい事業環境にありました。その中で、強固な顧客基盤を持つアセアン地域を中心に、デジタルマーケティングなどのオンライン施策と従来のオフライン施策とを組み合わせ、車両販売の拡大に努めました。 ⑦ 食品産業グループ飼料価格及び原燃料費の高止まりや、円安に伴うコスト上昇が国内の食品加工・製造事業の収益を圧迫するとともに、Cermaq社では鮭鱒養殖を行うチリにて病害が発生するなど、厳しい状況にありました。一方、地政学リスクが顕在化する中、穀物の一大生産地であるブラジルにおいて食の安定調達に寄与する穀物集荷事業を伸長させたほか、資産入替を実行し、食品素材事業の製造能力増強による事業規模拡大を着実に推進するなど、循環型成長モデルの追求による事業基盤の強化に取り組みました。 ⑧ コンシューマー産業グループ原材料価格の高騰、インフレ、賃金上昇等のコスト圧力に対する影響等はあったものの、国内小売・流通業に関しては、人流回復による需要増加の取り込みに加え、従来から取り組んできたDXによるオペレーション効率化やコスト合理化により、中核事業の収益力を強化しました。また、近年の消費者市場において、業界各社が単一事業に留まらず、業界横断的な事業やサービスを展開し、各々の経済圏を構築しつつある中、今後も加速する事業環境の変化に対応すべく、KDDI株式会社及び株式会社ローソンと資本業務提携契約を締結しました。 ⑨ 電力ソリューショングループ前連結会計年度から引き続き、先進国を中心とした再生可能エネルギー(以下「再エネ」)推進施策の取組により、脱炭素に向けた再エネ容量は着実に拡大しました。このような事業環境の中、黎明期から参画した米国の太陽光発電事業において、更なる事業拡大への成長資金確保に向けた資本政策として新たな株主を招聘しました。一方、世界的なインフレや金利上昇により欧米の洋上風力プロジェクト開発に一部減速感が見られるなど、再エネ持分容量拡大に向けては選別的な取組が求められています。 ⑩ 複合都市開発グループ米国の利上げに端を発した金利コストの上昇や金融市場の不安定化により、主力事業の一つである米国不動産関連では、市場全体の取引量が歴史的高水準であった2022年から減少しました。一方、国内においては、不動産市場は主力アセットである物流施設を筆頭に引き続き堅調であり、また、データセンターについてもクラウドの普及や生成AI需要に伴い、持続的な市場拡大が見込まれています。金融事業では、リース事業においてコロナ禍で減少していた取引が回復し、好調に推移しました。 4. 翌連結会計年度以降のセグメント別の事業環境の見通し事業戦略・テーマに沿って最適な推進体制を再構築し、よりスケールのあるMCSVを創出することを狙いとして、当連結会計年度までの「営業10グループ+2部門(産業DX部門・次世代エネルギー部門)」体制を、翌連結会計年度から「営業8グループ」体制へと改編します。既存4グループ(金属資源、モビリティ(自動車・モビリティから改称)、食品産業、電力ソリューション)と、新設4グループ(地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、社会インフラ、S.L.C.)が連携しながらMCSV創出に邁進します。 ① 地球環境エネルギーグループ脱炭素社会への移行には進展が見られるものの、地域や商材によってペースが異なります。次世代エネルギーは、商材によっては一部需要の後倒しが見られる一方、SAF(Sustainable Aviation Fuel)やクリーンアンモニア等、社会実装に向けて進展している商材も見られます。また、天然ガス/LNGは相対的に環境負荷が低い点等を背景に、アジアを中心に中長期的な需要増が見込まれています。 ② マテリアルソリューショングループ低・脱炭素化の進展や技術革新の加速化により、素材産業を取り巻く事業環境は今後も変化を続けていくことが想定されます。また、人口増を支える住宅・インフラ素材、軽量化・電化を支える素材、デジタル社会の発展を支える素材等のニーズは今後も着実に伸張することが見込まれます。 ③ 金属資源グループ原料炭においては、インド等の新興国による需要の牽引、中国不動産セクター及び建設業の回復状況、天候等に起因する原料炭の供給制約といった海上貿易市場へ影響を与え得る事象を注視しています。銅においては、引き続き堅調な需要と生産障害の顕在化によりタイトな需給環境となる見込みです。中長期的には、新興国を中心とする世界経済の成長や、脱炭素・電化を背景とした再エネ・EVの進展により、金属資源・非鉄製品の需要は底堅く推移することが見込まれます。 ④ 社会インフラグループ米国についてはインフレ・金利動向に影響を受ける状況に変化はないものの、米国経済のファンダメンタルズは底堅く、インフレ沈静化・利下げ局面を迎え、不動産市況も徐々に回復に向かう見通しです。国内においては、ゼロ金利政策の解除以降も安定した不動産市況と、堅調な設備投資需要が継続する見込みであり、データセンターについても大手クラウド企業が日本への大型投資を相次ぎ表明するなど市場の更なる成長が期待されます。 ⑤ モビリティグループ既存のタイ・インドネシア事業を含むアセアン・新興市場を軸に、自動車バリューチェーン事業の更なる機能強化と拡張、及び長年培ってきた強固なビジネス・顧客基盤や地域密着型の強みを活かしたモビリティサービス事業を推進する中、自動車市場は、厳格なファイナンス審査の緩和の兆しは見えず、競合各社との競争激化、また電動化の進展あるいは揺り戻し等、引き続き不透明な環境が予想されます。 ⑥ 食品産業グループ今後も飼料価格や原燃料費など不確実性の高い事業環境が続くものと予想されます。一方、世界的な健康志向やサステナビリティへの関心の高まりなどを背景として、鮭鱒養殖事業においては、先進国での堅調な消費に加え、旺盛な消費マインドをもった中流層が増加している新興国での新規需要により、需要が供給を上回る構図が続く見通しです。また、食料安保ニーズの高まりや食に対する嗜好の多様化などの環境変化が、世界的に浸透していくと考えています。 ⑦ S.L.C.グループ中長期的には国内の人口減少・高齢化に伴う消費市場縮小の流れ、短期的には原材料価格の更なる高騰や金利上昇の影響が想定されますが、当面は安定した消費動向やインバウンド需要の回復等により、対面市場は底堅く推移していく見通しです。また、海外でも、米国や東南アジア等を中心に、人口増加や経済成長に伴う対面市場の伸長や様々な事業機会が見込まれます。 ⑧ 電力ソリューショングループ生成AI普及によるデータセンター等の電力需要急増が想定される中、安定的な再エネ供給に対するニーズの一層の高まりが見込まれます。また、再エネの普及拡大に伴い、その間歇性を補うための需給調整機能も益々重要となることが予想されます。今後も脱炭素社会への移行が見込まれており、再エネ由来の電力を活用したグリーン水素をはじめとする次世代エネルギーの市場拡大も期待されています。 5. 個別重要案件当連結会計年度における重要な個別案件については、「3 事業等のリスク 2.主要なリスクの概要 ⑤事業投資リスク」内の(重要な投資案件)をご参照ください。
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 重要性のある会計方針及び見積り財務諸表の作成にあたり、経営者は、決算日における資産及び負債の報告金額、偶発資産及び負債の開示、報告期間における収益及び費用の報告金額に影響を与える様な見積りを行う必要があります。見積りは、過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき行っており、他の情報源からは得られない資産及び負債の帳簿価額について当社及び連結子会社の判断の基礎となっています。経営者は見積りが必要となる項目に関する評価は合理的であると判断しています。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、前提条件や事業環境などに変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なることもあります。当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目の詳細は、第5 経理の状況 連結財務諸表注記2「(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。 (2) 当連結会計年度の業績の概況当連結会計年度においては、インフレが継続する中でも、世界経済は底堅い成長を維持しました。日本経済に関しては、インフレの下で個人消費が弱含みつつも底堅く推移するとともに、堅調な企業収益を背景に設備投資には持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復基調を維持しました。 このような環境下、当連結会計年度の業績の概況は、以下のとおりとなりました。経営戦略の進捗状況、当連結会計年度以降における主な取り組み、及び経営環境に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。(単位:億円)前連結会計年度当連結会計年度増減主な増減要因収益215,720195,676△20,044市況下落売上総利益25,60023,597△2,003豪州原料炭事業の市況下落販売費及び一般管理費△16,075△16,923△848円安に伴う為替換算の影響及び人件費増加有価証券損益1,9702,330+360海外発電事業における売却益及び評価益固定資産除・売却損益△3372+375投資不動産及び有形固定資産の売却益固定資産減損損失△316△296+21海外食品事業における固定資産の減損その他の損益-純額△254△1,041△788鮭鱒養殖事業関連損失金融収益2,0363,054+1,017受取配当金の増加及び米ドル金利上昇による金利収入増加金融費用△1,154△1,911△758米ドル金利上昇持分法による投資損益5,0024,444△558天然ガス及び原油価格の下落税引前利益16,80613,626△3,180-法人所得税△4,091△3,377+714豪州原料炭事業における利益減少当期純利益12,71510,249△2,466-当期純利益(当社の所有者に帰属)(%はROE)11,807 15.8%9,64011.3%△2,167△4.5%- ※四捨五入差異により縦計・横計が合わないことがあります(以下同様)。 (3) 当連結会計年度のセグメント別業績概況事業セグメント別の「当社の所有者に帰属する当期純利益」は下表のとおりです。セグメント別の事業内容及び業績の詳細は、第5 経理の状況 連結財務諸表注記6をご参照ください。(単位:億円)前連結会計年度当連結会計年度増減主な増減要因天然ガス1,7062,195+489LNG関連事業における持分利益の減少の一方、LNG販売事業における前年度に計上した取引損失の反動や取引利益の増加に加え、LNG関連事業における受取配当金の増加総合素材620644+24-化学ソリューション29595△200化学品製造事業における減損損失や前年度に計上した繰延税金負債の取崩しの反動金属資源4,3932,955△1,438豪州原料炭事業における市況下落による影響産業インフラ319427+108海外事業投資先の持分売却益や一般商船事業における持分利益の増加自動車・モビリティ1,3161,414+98アセアン自動車事業における持分利益の減少の一方、前年度に計上した中国事業投資先の販売不調に伴う損失の反動や海外事業売却関連損益の計上食品産業634149△485関連会社株式の売却益の一方、鮭鱒養殖事業における持分利益の減少や海外食品事業における減損損失コンシューマー産業189493+304CVS事業における持分利益の増加や過年度に計上したローソン宛て投資に関する無形資産の減損の戻入益電力ソリューション619920+301海外発電事業における資産売却益の増加複合都市開発1,233415△818前年度に計上した不動産運用会社の売却益の反動 (4) 販売、仕入及び受注の状況① 販売の状況「(2) 当連結会計年度の業績の概況」及び第5 経理の状況 連結財務諸表注記24をご参照ください。 ② 仕入の状況仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しています。 ③ 受注の状況販売までの期間が1年以内の受注は販売と概ね連動しているため、記載は省略しています。販売までの期間が1年超の受注については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記24をご参照ください。 (5) 流動性と資金の源泉① 資金調達方針と流動性マネジメント当社では事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金が確保できることを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、コマーシャル・ペーパーや社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融とを機動的に選択・活用しており、その時々でのマーケット状況での有利手段を追求しています。当社は資本市場でのレピュテーションも高く、加えて間接金融についても、メガバンク以外に外銀・生保・地銀等の金融機関とも幅広く好関係を維持しており、調達コストは競争力のあるものとなっています。今後とも長期資金を中心とした資金調達を継続するとともに、十分な流動性の確保を行っていく方針です。当連結会計年度の資金調達活動としては、前連結会計年度に引き続き、財務健全性の向上に努めつつ調達を行いました。これらの資金調達活動の結果は以下のとおりです。 前連結会計年度末(億円)当連結会計年度末(億円)グロス有利子負債(リース負債除く)48,89951,280ネット有利子負債(同上)32,37637,823長期資金(グロス有利子負債うち長期分)38,92938,550長期資金比率(%)80%75%流動比率(%)136%144% 1. グロス有利子負債のうち、4,860億円はハイブリッドファイナンスであり、格付機関は残高の50%である2,430億円を資本と同等に扱っています。2. ネット有利子負債はグロス有利子負債より現金及び現金同等物、並びに定期預金を控除したものです。翌連結会計年度は、引き続き資金調達ソースの多様化等を通じて、中長期的に安定した調達基盤を維持する方針です。また、連結経営の深化を見据え、連結ベースでの資金効率の向上に向けた取組みも継続します。金融市場の環境は、地政学的リスクや主要国の金融政策の変化など、引き続き予断を許さない状況のため、細心の注意を払って対処すべく、現預金等及び銀行融資枠(コミットメントライン)を十分に確保し、流動性を維持してまいります。連結ベースでの資金管理体制については、当社に加え、国内外の金融子会社及び特定の海外現地法人(以下、財務拠点)において集中して資金調達を行い、子会社へ資金供給するというグループファイナンス方針を原則とし、資金調達の一元化による資金効率の向上、流動性の確保を図っています。結果として、当連結会計年度末では、連結有利子負債のうち87%が当社及び財務拠点による調達となっています。当連結会計年度末時点の当社及び財務拠点でコマーシャル・ペーパー及び1年以内に償還を予定している社債を合わせた短期の市場性資金が9,483億円あるのに対して、現預金、コミットメントライン、一年以内に満期の到来する公社債が合計で2兆1,274億円あり、カバー超過額は1兆1,791億円と十分な水準にあると考えています。なお、当社のコミットメントラインについては、協調融資枠として円貨で5,100億円を国内主要銀行より、外貨で主要通貨10億米ドル、ソフトカレンシー1.5億米ドル相当を欧米を中心とした国内外の主要銀行より取得しています。当社ではグローバルな資金調達とビジネスを円滑に行うため、格付投資情報センター(R&I)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ムーディーズ)、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の3社から格付けを取得しています。当連結会計年度末の当社に対する格付けは以下のとおりです。 R&IムーディーズS&P長期AA(見通し安定的)A2(見通し安定的)A(見通し安定的)短期a-1+P-1A-1 ② 資産及び負債・資本当連結会計年度末の資産及び負債・資本の概況は下表のとおりです。(単位:億円)前連結会計年度末当連結会計年度末増減主な増減要因総資産221,475234,596+13,121- 流動資産91,093116,765+25,672ローソン保有非流動資産の振替による売却目的保有資産の増加非流動資産130,382117,831△12,551円安の影響による持分法で会計処理される投資の増加を、ローソン保有資産を売却目的保有へ振り替えたことによる減少が上回ったもの負債130,285133,647+3,362- 流動負債66,94781,321+14,374ローソン保有非流動負債の売却目的保有への振替及びコマーシャル・ペーパーの新規発行による増加非流動負債63,33852,327△11,011ローソン保有負債を売却目的保有へ振り替えたことによる減少資本91,190100,948+9,758- 当社の所有者に帰属する持分80,65690,439+9,783当期純利益の積み上がりによる利益剰余金の増加及び円安の影響による在外営業活動体の換算差額の増加非支配持分10,53410,510△24- ネット有利子負債(リース負債除く)32,37637,823+5,447- また、セグメントごとの前連結会計年度及び当連結会計年度における情報は以下のとおりです。 (前連結会計年度) (単位:億円) 天然ガス総合素材化学ソリューション金属資源産業インフラ自動車・モビリティ持分法で会計処理される投資7,1481,7621,2125,4992,4054,445その他の投資2,3559088034,1334641,221有形固定資産及び投資不動産 3,1391,079779,9511,347487無形資産及びのれん19117304496470資産合計20,43014,6176,91540,98113,29220,219 (単位:億円) 食品産業コンシューマー産業電力ソリューション複合都市開発その他、調整・消去連結金額持分法で会計処理される投資3,5831,0094,5257,22040739,215その他の投資1,8992,9743421,1431,92718,169有形固定資産及び投資不動産 3,1673,6616,532741,22630,740無形資産及びのれん1,8435,2863,374132612,074資産合計21,03038,82127,16211,6466,362221,475 (当連結会計年度) (単位:億円) 天然ガス総合素材化学ソリューション金属資源産業インフラ自動車・モビリティ持分法で会計処理される投資7,7622,4429985,8942,4145,127その他の投資2,6971,0017543,2734941,537有形固定資産及び投資不動産 3,7241,145879,6331,460527無形資産及びのれん19129315194665資産合計22,56014,2806,75643,79214,55119,760 (単位:億円) 食品産業コンシューマー産業電力ソリューション複合都市開発その他、調整・消去連結金額持分法で会計処理される投資3,6561,0116,7188,50648145,009その他の投資2,2072,0844011,1372,56318,148有形固定資産及び投資不動産 2,7596675,960631,18627,211無形資産及びのれん2,0763013,52012907,429資産合計22,06140,36227,54512,22010,709234,596 ③ キャッシュ・フロー当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ3,054億円減少し、1兆2,516億円となりました。キャッシュ・フローの内訳は下表のとおりです。(単位:億円)前連結会計年度当連結会計年度増減当連結会計年度の内訳及び主な増減要因営業活動によるキャッシュ・フロー19,30113,474△5,827(当連結会計年度の内訳)法人所得税の支払いの一方、営業収入や配当収入により資金が増加 (主な増減要因)営業収入の減少や運転資金等の負担増加投資活動によるキャッシュ・フロー△1,775△2,058△283(当連結会計年度の内訳)関連会社宛て投資の売却や融資の回収による収入の一方、設備投資や関連会社宛て投資による支出により資金が減少 (主な増減要因)当年度の融資の回収による収入の一方、前年度の不動産運用会社宛て投資の売却による収入の反動減フリーキャッシュ・フロー17,52611,416△6,110-財務活動によるキャッシュ・フロー△17,666△10,862+6,804(当連結会計年度の内訳)自己株式の取得やリース負債の返済、配当金の支払いにより資金が減少 (主な増減要因)自己株式の取得増加の一方、運転資金等の需要増に伴う短期借入債務の調達増加現金及び現金同等物に係る為替相場変動の影響額154479+325-売却目的保有資産に含まれる現金及び現金同等物の増減額-△4,088△4,088ローソン保有現金及び現金同等物を売却目的保有へ振り替えたことにより資金が減少現金及び現金同等物の増減14△3,054△3,068- 営業収益キャッシュ・フロー(リース負債支払後)12,84711,785△1,062(当連結会計年度の内訳)リース負債の支払いの一方、当期純利益や配当収入により資金が増加 (主な増減要因)主に当期純利益の減少調整後フリーキャッシュ・フロー11,0729,727△1,345- 財務会計上の営業キャッシュ・フローとは別に、将来の新規投資や株主還元などの原資を適切に表すべく、運転資金の増減影響を控除した営業キャッシュ・フローに、事業活動における必要資金であるリース負債支払額を反映した「営業収益キャッシュ・フロー(リース負債支払後)」と、更に投資活動によるキャッシュ・フローを加えた「調整後フリーキャッシュ・フロー」を定義しています。 投資キャッシュ・フローの主な内容は下表のとおりです。新規・更新投資売却及び回収・欧州総合エネルギー事業(電力ソリューション)・豪州原料炭事業(金属資源)・北米不動産事業(複合都市開発) ・海外電力事業(電力ソリューション)・CVS事業(コンシューマー産業)・ベトナム不動産事業(複合都市開発)・LNG関連事業(天然ガス)・北米シェールガス事業(天然ガス)・鮭鱒養殖事業(食品産業)・欧州自動車販売金融事業(自動車・モビリティ)・国内投資不動産事業(複合都市開発)・関連会社宛て投資(食品産業)・北米シェールガス事業(天然ガス)・銅事業(金属資源)・国内データセンター事業(複合都市開発) 配当は持続的な利益成長に合わせて増配していく「累進配当」を行う方針としています。自己株式の取得は、総還元性向の水準及び資本構成の適正化のために実施したものです。負債による資金調達は、流動性と財務健全性の観点で適切な水準を維持する方針としています。

※本記事は「三菱商事株式会社」の令和6年3月期 有価証券報告書を参考に作成しています。

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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