会社名 | 東京エレクトロン株式会社 |
業種 | 電気機器 |
従業員数 | 連19573名 単2224名 |
従業員平均年齢 | 43.5歳 |
従業員平均勤続年数 | 14.9年 |
平均年収 | 13543475円 |
1株当たりの純資産 | 4016.34円 |
1株当たりの純利益(連結) | 1182.4円 |
決算時期 | 3月 |
配当金 | 592円 |
配当性向 | 64.1% |
株価収益率(PER) | 17.01倍 |
自己資本利益率(ROE)(連結) | 30.3% |
営業活動によるCF | 5821億円 |
投資活動によるCF | ▲1696億円 |
財務活動によるCF | ▲3888億円 |
研究開発費※1 | 2500.17億円 |
設備投資額※1 | 1621億円 |
販売費および一般管理費※1 | 22033円 |
株主資本比率※2 | 60.3% |
有利子負債残高(連結)※3※4 | 0円 |
経営方針
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループは、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念のもと、半導体製造装置のリーディングカンパニーとしてビジネスを展開しております。 ① 経営方針 当社グループは、技術専門商社からスタートし、開発製造機能をもつメーカーへの移行、グローバルな販売・サポート体制の構築など、事業環境の変化をいち早く捉え、その変化に素早く対応しながら、時代をリードする独創的な技術を創出し、世界の市場に付加価値の高い製品・サービスを提供し成長してまいりました。 また、当社の事業領域は、継続的な技術革新と成長が見込まれる半導体製造装置市場を対象としております。 当社グループの原動力は、業界のリーディングカンパニーとして育んだ豊かな技術力と、確かな技術サービスに対するお客さまからの信頼、そして環境変化に柔軟かつ迅速に対応できる社員と、そのチャレンジ精神です。 今後も、当社グループのもつ専門性と最新技術を生かして事業を推進し、世の中の持続的な発展に不可欠な半導体の技術革新に貢献するとともに、ワールドクラスの高収益企業を目指してまいります。 ② ビジョン 当社グループのビジョンは「半導体の技術革新に貢献する夢と活力のある会社」です。 当社グループは、TSV(TEL’s Shared Value)(注)1の考え方に基づき、半導体製造装置メーカーとしての専門性を生かし、付加価値の高い最先端の装置と技術サービスを継続的に創出することで、世の中の持続的な発展に必要な、デジタル化と地球環境保全に向けた脱炭素化を支える半導体の技術革新に貢献します。また、利益は製品とサービスの価値の大きさを示す尺度と考え、利益を追求します。その利益を次なる成長投資につなげることで、中長期的な利益の拡大と継続的な企業価値の向上を目指していきます。そして、「企業の成長は人、社員は価値創出の源泉」と位置づけ、ステークホルダーとのエンゲージメントを通じて、このビジョンの実現に向けて活動してまいります。 (注)1 当社版CSV(Creating Shared Value:企業の専門性を活用して社会課題を解決することで、社会的価値と経済的価値を創出し、企業価値の向上と持続的な成長を実現するという考え方) ③ 事業環境 近年の生成AIの登場に伴うAI利活用の一層の拡大に見られるように、デジタル技術と、私たちの暮らしやあらゆる産業との関係は、これまでにないほど密接になっています。これに伴い、半導体の役割とその技術革新の重要性がますます高まっています。半導体デバイス市場は、2024年に約6,300億ドル(注)2になりましたが、2030年頃には1兆ドル(注)3を超える市場規模に達すると見込まれております。半導体デバイス市場の成長を支える技術革新には、付加価値の高い新装置と技術サービスが不可欠であり、当社グループが参入する半導体製造装置事業は今後も大きく成長していくものと予想しております。 (注)2 世界半導体市場統計(WSTS) (注)3 当社による試算 ④ 中長期的な成長を見据えた取り組み 当社グループは、中期経営計画として、2027年3月期までに、売上高3兆円以上、営業利益率35%以上、ROE 30%以上を目指す財務目標を設定しております。業界最大の出荷実績(累計96,000台以上)及び業界最大の特許保有数(23,000件以上)に基づく幅広い製品ラインアップを軸に、半導体のスケーリング(微細化)と先端パッケージングの両領域へ付加価値の高い新製品と技術サービスを提供することで、中期経営計画の達成を目指します。 また上記に加え、当社グループの強みをさらに磨き、将来の成長機会を最大限に取り込むべく、2025年3月期からの5年間の成長投資計画を以下のとおり設定し、取り組みを進めております。・研究開発投資:1.5兆円以上(5年累計)・設備投資:7,000億円以上(5年累計)・人材採用:グローバルで10,000人(5年累計) ■ 人材に関する取り組み 当社グループでは、社員がそれぞれの能力を最大限発揮できるよう、社員の意欲と会社へのエンゲージメントを高めるため、次の5つのポイントからなる「やる気重視経営」に取り組んでいます。 1.自分の会社や仕事が産業や社会の発展に貢献しているという実感を持てること⇒TSV(TEL’s Shared Value):デジタル化と地球環境保全に向けた脱炭素化を支える半導体の技術革新に貢献 2.会社の将来に対する夢と期待が持てること⇒中期経営計画に基づくワールドクラスの利益率の達成を当社グループ全体で追求 3.チャレンジできる機会があること⇒ワールドクラスの利益に基づく積極的な研究開発投資をはじめとした成長投資の実施 4.成果に対する公正な評価とグローバルに競争力のある報酬⇒ワールドクラスの営業利益に基づく業績連動報酬制度の採用 5.風通しの良い職場であること⇒社員集会や座談会をはじめとした社員と経営トップとのコミュニケーションの定期的な実施 また、人材多様性が重要であるという認識のもと、Global、Gender、Generationの3Gの観点を意識しながら、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを推進しております。そして、様々なキャリアパスを示した上で教育プログラムの充実化も図り、社員の成長を支えております。 加えて、次世代の経営執行を担う人材を育成するため、TELサクセッションプランに基づき後継候補者の育成をおこなっております。指名委員会は育成状況を分析、精査し取締役会へ報告をおこない、取締役会は後継候補者育成プランの進捗を適切に監督しております。 さらに、学生や研究者など、将来の半導体産業を担う人材育成にも積極的に取り組んでおります。日米の大学によって構成される「半導体の人材育成と研究開発に関する未来に向けた日米大学間パートナーシップ(UPWARDS(注)4)」に参画するなど、様々な産学連携プログラムの支援を通じ、次世代の半導体人材の育成に寄与することで、半導体産業の発展に貢献してまいります。 (注)4 U.S.-Japan University Partnership for Workforce Advancement and Research & Development in Semiconductors ■ 環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する取り組み 当社グループは、サステナビリティに関する取り組みを推進し、事業を遂行する上で直面し得るリスクの低減や排除に努めるとともに、TSV(TEL’s Shared Value)の考え方に基づき、持続可能な社会の実現に貢献することで、企業価値の向上を図ります。 当社グループの活動は、「Dow Jones Sustainability? Asia/Pacific Index」をはじめとした世界の代表的なESG投資インデックスの投資銘柄に継続して選定されるなど、高い評価を受けております。 ◇ 環境に関する取り組み 社会において地球環境保全の重要性がより一層高まる中、当社グループでは、持続可能な社会の実現に貢献すべく、あらゆる事業活動を通じて環境負荷低減、とりわけ脱炭素化に取り組んでいます。当社グループは、2040年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする「ネットゼロ」目標を設定しております。その活動の一環として、国内全事業所における再生可能エネルギー使用比率100%(グローバル90%)を2024年3月期に達成しました。 また、当社グループ内のみならず、お客さまやパートナー企業さまと連携しながら、製品のライフサイクル(注)5全体について環境負荷低減を進めております。その一環として、環境にフォーカスしたイニシアチブ「E-COMPASS(注)6」を推進しており、サプライチェーン全体で半導体の技術革新と環境負荷低減の実現を目指しております。 また、気候変動が事業に及ぼすリスクと機会について、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき対応策を講じ、透明性の高い情報開示をおこないながら、責任あるグローバル企業として対応を進めてまいります。 (注)5 製品のライフサイクル:製品の企画・開発・設計から、調達、製造、物流、お客さまにおける使用時、メンテナンス・サービス、廃棄のバリューチェーン (注)6 Environmental Co-Creation by Material, Process and Subcomponent Solutions ◇ ガバナンスに関する取り組み 当社グループは、実効性の高い取締役会と攻めの経営執行体制により、機関投資家などからの意見も踏まえた課題に継続的に取り組むことで、強固なコーポレートガバナンス体制を実現してまいります。 このような体制で、「“攻め”と“攻め”のガバナンス」を基本姿勢として経営をおこなっております。1つ目の「攻め」は、既述のとおり、短中長期の利益を同時に志向しながら常にワールドクラスの利益率を追求していく「攻め」の事業活動です。2つ目の「攻め」は、すべての企業活動の基本である安全・品質・法令遵守や社員をはじめとするステークホルダーとのエンゲージメントやセキュリティの強化・向上を追求する「攻め」の経営基盤構築です。これに加え、ガバナンスの実効性を高めるために、以下の取り組みの実施とオペレーティングリズムに基づいた業務執行をおこなっております。 《ガバナンスの実効性を強化する取り組み》・監査役会設置会社:取締役会及び監査役会から構成される監査役会設置会社とし、監査役会による経営の監督・取締役会オフサイトミーティングの実施:取締役、監査役及びコーポレートオフィサーによる中長期的な戦略や課題などの議論(年2回)・CEO報告:取締役会でCEO自ら重要な業務執行状況を報告(毎取締役会)・代表取締役評価クローズドセッション:代表取締役を除く取締役、監査役及びコーポレートオフィサーによるセッション(年1回) 《業務執行を支えるオペレーティングリズム》・COM(コーポレートオフィサーズ・ミーティング):執行側の最高意思決定機関(月1回)・CSS(Corporate Senior Staff)ミーティング:全業務執行のグローバル横串の連携(年4回)・DOM(ディビジョンオフィサーズ・ミーティング):企業の変革と進化、イノベーション創出機会についての議論(月1回)・四半期レビュー会議:中期経営計画の進捗をモニタリング(年4回) ⑤ 資本市場との対話 当社グループでは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、経営層が率先してIR(Investor Relations)、SR(Shareholder Relations)活動に取り組んでおります。IR活動においては、四半期ごとの決算説明会や中期経営計画説明会にCEO及び各担当役員が登壇し、事業戦略や成長のストーリーを共有しています。また、経営戦略本部の中にIR専門部署を設置しており、2023年11月には、ニューヨークにIR分室を設けました。これにより北米地域における投資家の皆さまとの対面での対話の機会が増加し、当社グループをはじめ、日本の半導体製造装置業界の認知が広がりました。 ⑥ 資本政策 当社グループの資本政策は、成長投資に必要な資金を確保し、積極的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めることを基本としております。具体的には、営業利益率、資産効率をさらに高め、キャッシュ・フローの拡大に努めることで、持続的な成長を目指し、ROE向上など高い資本効率を追求します。 当社の配当政策につきましては、業績連動型を基本とし、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向50%を目処とします。この方針に基づき、2025年3月期においては、年間配当は過去最高となる592円といたしました。また、自己株式の取得については、現状のキャッシュポジションや中長期的な成長投資資金、株価水準、総還元額の状況などに鑑み、機動的に実施を検討することとしており、2025年3月期については1,499億円の自己株式取得を実施いたしました。 当社グループは、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念のもと、以上のような取り組みを通じて、持続的な成長とさらなる企業価値の向上を目指してまいります。 なお、文中の将来に関する記述は、本有価証券報告書の提出日現在において入手可能な情報をもとに、当社グループが合理的であると判断した一定の前提に基づいており、当社グループとしてその実現を約束する趣旨のものではありません。 |
経営者による財政状態の説明
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績及び財政状態の状況 当連結会計年度の世界経済につきましては、依然として地政学的リスクの高まりによる影響が懸念されましたが、欧米諸国においては、物価上昇率2%程度の水準が維持されており、景気拡大が継続している米国を中心に全体としては底堅く推移しました。 当社グループが参画しておりますエレクトロニクス産業におきましては、PCやスマートフォン等の最終製品の需要は軟調に推移する一方、生成AIの普及に伴うデータセンター向けAIサーバーの需要は拡大し、半導体市場全体の成長を牽引しました。 このような状況のもと、当連結会計年度における半導体製造装置市場は、生成AI用途のメモリやアドバンストパッケージ向け設備投資が顕著に伸長するとともに、中国における成熟世代向け設備投資も継続しました。また、先端世代向けロジック/ファウンドリの設備投資も前連結会計年度を上回りました。 情報通信技術の進展に伴うデータ社会への移行、生産性向上や新たな価値の創出に向けたAIの進化、そして脱炭素社会の実現に向けた取り組みを背景に、半導体の役割とその技術革新の重要性が高まるとともに、半導体製造装置市場も中長期的にさらなる成長が期待されております。 当連結会計年度の経営成績の状況は以下のとおりとなりました。 当連結会計年度の売上高は2兆4,315億6千8百万円(前連結会計年度比32.8%増)となりました。国内売上高が1,899億7千9百万円(前連結会計年度比2.7%増)、海外売上高が2兆2,415億8千8百万円(前連結会計年度比36.2%増)となり、連結売上高に占める海外売上高の比率につきましては92.2%となりました。 売上原価は1兆2,852億8千万円(前連結会計年度比28.5%増)、売上総利益は1兆1,462億8千7百万円(前連結会計年度比38.1%増)となり、売上総利益率は47.1%(前連結会計年度比1.7ポイント増)となりました。 販売費及び一般管理費は4,489億6千7百万円(前連結会計年度比20.0%増)となり、連結売上高に対する比率は18.4%(前連結会計年度比2.1ポイント減)となりました。 これらの結果、営業利益は6,973億1千9百万円(前連結会計年度比52.8%増)となり、営業利益率は28.7%(前連結会計年度比3.8ポイント増)となりました。経常利益は、営業外収益126億2千7百万円、営業外費用22億1千9百万円を加減し7,077億2千7百万円(前連結会計年度比52.8%増)となりました。 税金等調整前当期純利益は7,061億1千4百万円(前連結会計年度比49.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,441億3千3百万円(前連結会計年度比49.5%増)となりました。 この結果、1株当たり当期純利益は1,182円40銭(前連結会計年度の1株当たり当期純利益は783円75銭)となりました。 なお、当社グループは「半導体製造装置」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 また、当連結会計年度末の財政状態の状況は以下のとおりとなりました。 当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,003億4百万円増加し、1兆8,007億5千6百万円となりました。主な内容は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加942億3百万円、有価証券の増加698億3千3百万円、現金及び預金の減少461億4千2百万円によるものであります。 有形固定資産は、前連結会計年度末から1,043億3千9百万円増加し、4,417億6百万円となりました。 無形固定資産は、前連結会計年度末から34億6千6百万円増加し、358億5千万円となりました。 投資その他の資産は、前連結会計年度末から385億9千2百万円減少し、3,476億6千8百万円となりました。 これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から1,695億1千8百万円増加し、2兆6,259億8千1百万円となりました。 流動負債は、前連結会計年度末に比べ660億2千5百万円増加し、6,779億2千5百万円となりました。主として、未払法人税等の増加294億3千6百万円、未払消費税等の増加270億9千9百万円、支払手形及び買掛金の増加156億7千6百万円、前受金の減少335億1千2百万円によるものであります。 固定負債は、前連結会計年度末に比べ84億6千3百万円増加し、928億4千6百万円となりました。 純資産は、前連結会計年度末に比べ950億2千8百万円増加し、1兆8,552億9百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益5,441億3千3百万円を計上したことによる増加、前期の期末配当及び当期の中間配当2,362億7千6百万円の実施による減少、自己株式取得による減少1,500億8百万円、その他有価証券評価差額金の減少553億5千9百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は70.1%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ234億6千3百万円増加し、4,850億7千2百万円となりました。なお、現金及び現金同等物に含まれていない満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資111億6千6百万円を加えた残高は、前連結会計年度末に比べ236億9千万円増加し、4,962億3千8百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。 営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度に比べ1,474億5千3百万円増加の5,821億7千4百万円の収入となりました。主な要因につきましては、税金等調整前当期純利益7,061億1千4百万円、減価償却費621億4千8百万円がそれぞれキャッシュ・フローの収入となり、法人税等の支払額1,428億1千4百万円、売上債権及び契約資産の増加975億1千9百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。 投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として有形固定資産の取得による支出1,583億7千4百万円により、前連結会計年度の1,251億4千8百万円の支出に対し1,696億9百万円の支出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に配当金の支払2,362億7千6百万円、自己株式の取得による支出1,500億8百万円により、前連結会計年度の3,250億1千2百万円の支出に対し3,888億3千6百万円の支出となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 当社グループは、市場の変化に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産の実績は販売の実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。受注の実績については、短期の受注動向が顧客の投資動向により大きく変動する傾向にあり、中長期の会社業績を予測するための指標として必ずしも適切ではないため、記載しておりません。また、販売の実績については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。 なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)相手先販売高(百万円)割合(%)Samsung Electronics Co., Ltd.237,44113.0 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)相手先販売高(百万円)割合(%)Samsung Electronics Co., Ltd.286,80011.8Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd.280,61811.5(注) 販売高には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売高を含めております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものであります。 ① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の経営成績については、売上高は2兆4,315億6千8百万円(前連結会計年度比32.8%増)、営業利益は6,973億1千9百万円(前連結会計年度比52.8%増)と、前年度から増収増益となりました。半導体製造装置市場においては、AIサーバーの需要拡大に伴う広帯域幅メモリ向けの設備投資や、高性能のPCやスマートフォンの需要を見据えた先端世代向けロジック/ファウンドリの設備投資などが市場成長をけん引し、当社の付加価値の高い製品の販売が好調に推移しました。また、中国における半導体の自給率向上に向けた成熟世代向けの設備投資も継続し、増収増益に寄与しました。 このような状況のもと、売上総利益率は過去最高の47.1%(前連結会計年度比1.7ポイント増)となりました。また、営業利益率は、将来の成長に向けた積極的な研究開発投資を進める一方で、高水準の売上総利益率を達成し、28.7%(前連結会計年度比3.8ポイント増)となりました。なお、研究開発費の総額は、前連結会計年度から471億4千3百万円増加(前連結会計年度比23.2%増)し、2,500億1千7百万円となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は5,441億3千3百万円(前連結会計年度比49.5%増)となり、売上高に対する比率は、前連結会計年度から2.5ポイント増加し、22.4%となりました。この結果、1株当たり当期純利益は、1,182円40銭となりました。 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループでは売上高、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を中期経営計画上の財務モデルにおける指標として使用しております。 具体的には、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ④ 中長期的な成長を見据えた取り組み」に記載のとおりであります。 ② 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容、並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 財政状態については、当連結会計年度末における総資産が2兆6,259億8千1百万円となり、前連結会計年度末から1,695億1千8百万円増加しました。これは主に、売上債権や有形固定資産の増加によるものです。なお、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末から234億6千3百万円増加し、4,850億7千2百万円となりました。 流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,003億4百万円増加し、1兆8,007億5千6百万円となりました。主に、顧客の設備投資の回復に伴う売上高の増加により、受取手形、売掛金及び契約資産が942億3百万円増加したことによるものです。棚卸資産は、在庫水準の適正化に努め、前連結会計年度末から138億3千1百万円減少し、7,491億2千6百万円となりました。 固定資産は、前連結会計年度末に比べ692億1千3百万円増加し、8,252億2千5百万円となりました。有形固定資産については、主に、熊本県合志市の開発棟や宮城県大和町の開発棟など各事業所の建設案件の推進や、最先端技術の研究開発に必要となる機械装置の取得に伴い、前連結会計年度末から1,043億3千9百万円増加し、4,417億6百万円となりました。投資その他の資産は、投資有価証券の時価評価額の減少等により、前連結会計年度末から385億9千2百万円減少し、3,476億6千8百万円となりました。 流動負債は、前連結会計年度末に比べ660億2千5百万円増加し、6,779億2千5百万円となりました。これは主に、未払法人税等の増加294億3千6百万円、未払消費税等の増加270億9千9百万円によるものです。 固定負債は、前連結会計年度末に比べ84億6千3百万円増加し、928億4千6百万円となりました。 純資産は、前連結会計年度末に比べ950億2千8百万円増加し、1兆8,552億9百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益5,441億3千3百万円を計上したことによる増加、前期の期末配当及び当期の中間配当2,362億7千6百万円の実施による減少、自己株式の取得による減少1,500億8百万円に加え、その他有価証券評価差額金の減少553億5千9百万円に起因しております。この結果、自己資本比率は70.1%となりました。 キャッシュ・フローについては、現金及び現金同等物に、満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資を加えた残高が、前連結会計年度末から236億9千万円増加し、4,962億3千8百万円となりました。 営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度に比べ1,474億5千3百万円増加の5,821億7千4百万円の収入となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益7,061億1千4百万円、減価償却費621億4千8百万円がそれぞれキャッシュ・フローの収入となり、法人税等の支払額1,428億1千4百万円、売上債権及び契約資産の増加975億1千9百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものです。 投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、有形固定資産の取得による支出1,583億7千4百万円などにより、前連結会計年度の1,251億4千8百万円の支出に対し1,696億9百万円の支出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、配当金の支払2,362億7千6百万円、自己株式の取得による支出1,500億8百万円などにより、前連結会計年度の3,250億1千2百万円の支出に対し、3,888億3千6百万円の支出となりました。 当連結会計年度においては、営業活動を通じて高水準のキャッシュを創出する一方で、将来の成長を見据え、競合との差別化を図ることができる革新的で付加価値の高い技術の創出のための研究開発投資や設備投資を継続しました。また、当社グループの株主還元政策である配当性向50%に基づく配当金の支払いと当連結会計年度に2度実施した自己株式の取得によって、3,862億7千4百万円を株主に還元しました。これらは、事業運営を通じて獲得した手元資金によって賄っております。引き続き、高利益率によって作り上げた強固な財務基盤を維持しながら、将来への成長投資と積極的な株主還元に取り組んでまいります。 なお、総資産回転日数(注)が前連結会計年度の475日から381日へ減少したことに加え、利益率の改善も実現したことから、当社グループの経営指標の一つであるROE(自己資本利益率)については30.3%となり、中期経営計画の目標としている30%を超える水準となりました。 (注) 総資産回転日数=当連結会計年度期首・期末の総資産の平均÷当連結会計年度の売上高×365 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りの仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 |
※本記事は「東京エレクトロン株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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