会社名 | 三井物産株式会社 |
業種 | 卸売業 |
従業員数 | 連53602名 単5419名 |
従業員平均年齢 | 42.3歳 |
従業員平均勤続年数 | 17.9年 |
平均年収 | 18999000円 |
1株当たりの純資産 | 1627.58円 |
1株当たりの純利益 | 355.12円 |
決算時期 | 3月 |
配当金 | 170円 |
配当性向 | 47.9% |
株価収益率(PER) | 20.01倍 |
自己資本利益率(ROE) | 21.72% |
営業活動によるCF | 8644億円 |
投資活動によるCF | ▲4275億円 |
財務活動によるCF | ▲10130億円 |
研究開発費※1 | -円 |
設備投資額※1 | 629億円 |
販売費および一般管理費※1 | 2802.37億円 |
株主資本比率※2 | 32.2% |
有利子負債残高(連結)※3※4 | 0円 |
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 この経営方針、経営環境、対処すべき課題等には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。3「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社の実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。 (1)中期経営計画の進捗状況 2023年5月に公表した中期経営計画2026「Creating Sustainable Futures」の初年度となった2024年3月期においては、依然として先行き不透明なビジネス環境下でもリスク管理を徹底しました。同計画で掲げているグローバル・産業横断的取組み、ポートフォリオ経営の深化、基礎収益力向上に向けた取組み、サステナビリティ経営の更なる深化、グループ経営力の強化が着実に進捗しました。主な進捗は以下のとおりです。 1)グローバル・産業横断的取組み 中期経営計画で定めた3つの攻め筋に沿って、厳選した成長投資を着実に実行しました。 (a)Industrial Business Solutions FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)の順調な立上げや稼働に加え、デジタルインフラの領域に進捗がありました。りらいあコミュニケーションズの公開買付け及びKDDIエボルバとの経営統合により、アルティウスリンクが発足しました。同社は、国内最大規模のコンタクトセンター事業者となり、生成系AIの活用等デジタル化によるサービスの高度化を進め、デジタル業務アウトソーシング(デジタルBPO)のリーディングカンパニーを目指します。また、当社が知見を有する領域とその周辺領域における事業群の形成・強化を推進しました。モビリティ分野では、ペルーの鉱山機械販売・サービス会社への出資を実行、建機・鉱山ソリューション事業群を形成しました。北米では、展開する自動車事業との相乗効果が見込める米国トラックオークション会社への出資を通じ、北米モビリティ・バリューチェーンの強化と事業群の形成に取り組んでいます。 (b)Global Energy Transition タイのガス火力発電の順調な立上げや、台湾洋上風力発電、ベトナムBlock B天然ガス田開発における最終投資決断の実行等、将来の安定収益基盤拡充に向けた取組みを進めました。また、デンマークにおける、再生可能エネルギー電力等を活用するe-メタノール製造販売事業、ポルトガルにおける再生可能ディーゼル及び持続可能な航空燃料(SAF)の製造事業、米国における再生可能天然ガスの製造事業等に参画しました。引き続き、脱炭素社会の実現に向け、さまざまな分野でパートナー各社と協働し、先進国・新興国のバランスを兼ね備えた事業ポートフォリオの構築を進めていきます。 (c)Wellness Ecosystem Creation タンパク質・ニュートリション・ウェルネス領域で積極的な成長投資を実行しました。タンパク質領域では、市場成長を背景に継続的な需要増が見込まれ、飼料効率が良いこと、育成期間が短く市況耐性を有していること、比較的安価に提供できることから、鶏とエビに注力し事業群形成を推進していきます。当連結会計年度においては、世界最大のエビ養殖事業者であるエクアドルIndustrial Pesquera Santa Priscila、飼料原料調達からブロイラーの生産・加工・販売まで一貫して展開するエジプトWadi Poultryに参画しました。また、米国Celaneseとの長年のパートナーシップに基づき、機能性食品素材を製造販売するNutrinovaに参画しました。さらに、ウェルネス領域では、国内大手給食事業者エームサービスを完全子会社化し、フードサービス事業の強化に取り組みました。 2)ポートフォリオ経営の深化 欧州機関車リース事業会社Mitsui Rail Capital Europe、豪州電力事業会社International Power(Australia) Holdings、米国Kaikias油田等、資産リサイクルを推進しました。他方で、全社ポートフォリオマネジメントの視点から投資案件を厳選し、3つの攻め筋に沿った成長投資を実行しました。 3)基礎収益力向上への取組み 既存事業の収益力強化や効率化、ターンアラウンドの推進及び新規事業の収益貢献により、中期経営計画では1,700億円の基礎収益力向上を目指しています。2024年3月期時点では、既存事業強化により200億円、ターンアラウンドと赤字事業からの撤退により250億円、新規事業の収益貢献により100億円、合計で550億円まで基礎収益力拡大が進捗しています。4)サステナビリティ経営の更なる深化 脱炭素社会の実現に向けた事業ポートフォリオ変革を進める中、当連結会計年度は発電事業ポートフォリオにおいて、再生可能エネルギー事業の最終投資決断や、石炭火力発電事業の売却に進捗がありました。また、自然資本の分野において、社会の関心が高まる中、自然への依存・影響の把握と分析を進め、10事業を重要な領域と特定し、当社ポートフォリオの良質化につなげるべくリスク審査機能強化や、自然資本を機会とする案件の推進につなげています。同時に、事業活動における人権尊重の取組みを強化すべく、取引実施にあたっての人権に関連する詳細調査の実行主体をコーポレートスタッフ部門から事業現場に一部移管するなど、実効性向上に向けた取組みを進めることで、将来リスクの低減につなげています。 5)グループ経営力の強化 デジタルや知的資本等の三井物産グループアセットの活用を促し、1人当たりの生産性向上を加速させています。現場での主体的なDX推進を加速させるため、全役職員のデジタルスキルを向上させ、ビジネスモデルの変革を担うDX人材を育成しました。全社での更なる生産性向上に向け、既存業務の棚卸等、定型業務の効率化を加速させています。また、当社がさまざまな国や産業における事業を通じて培ったビジネスナレッジ・ノウハウ等を知的資本と位置づけ、その活用を促進しています。 6)グローバルでの多様な個の活躍推進 社員一人ひとりがより自分らしく活躍するために、幅広いフィールドの中で自身のキャリアを自律的に形成できる仕組みづくりを目指し、2024年7月1日より新たな人事制度を導入します。新人事制度では、旧来の「担当職」と「業務職」を廃止し、「総合職」として統合した上で、自身のキャリア・ライフプランに応じて勤務地限定の有無を定期的に選択できるようにします。また、グローバルでの適材配置を支えるタレントマネジメントシステム「Bloom」の全世界での展開に向け、海外拠点にて先行導入しています。人は、三井物産にとって最大の資産であり、さまざまなバックグラウンドと強みを持つ多様な「個」が協働し、経営資源を最大限活用しながら、自らビジネスを創り、育て、展(ひろ)げ、新たな価値を世界中で生み出しています。 7)進化を続けるガバナンス体制 2024年3月期は、ガバナンス委員会、経営会議、取締役会等において当社の執行体制及び機関設計に関する議論を実施し、監査役会設置会社の機関設計を維持しつつ、社外取締役比率を上げ、社内外取締役人数を同数とするなど、ガバナンス体制を変更することを決定しました。 また、取締役会では、経営課題への対応の進捗状況を検証するため、個別案件のみならず、全社的な課題に関する付議・報告を行っています。2024年3月期は、コンプライアンス体制、サステナビリティ経営、労働安全衛生管理体制及びウェルビーイング経営、資産ポートフォリオ、リスクエクスポージャーとコントロール、サイバーセキュリティ対応等の全社的な課題について付議・報告が行われました。個別案件審議においては事前説明をより一層丁寧に行うなど、取締役会の審議の更なる充実化と効率化に進展がありました。 (2)経営環境1)全般 注:本項目は、2024年5月の決算公表時点の経営環境認識を掲載したものであり、当社の現在の経営環境認識と異なる記載が含まれている場合があります。 当連結会計年度の世界経済は、米国が堅調に推移しましたが、欧州は停滞が続き、中国の回復も低調であったことから全体として減速局面が続きました。 米国経済は、良好な雇用環境のもとで底堅い個人消費に支えられ、堅調に推移しました。先行きはインフレがさらに落ち着いていく中で、FRBによる利下げも見込まれることから、景気拡大が続くものとみられます。欧州では、金融引き締めの影響や輸出の不振などから景気の停滞が続きました。先行きは物価の上昇が落ち着く中で個人消費の回復が期待され、ECBによる利下げも見込まれることから、緩やかに回復に向かうものとみられます。日本では、企業収益が好調であることに加え、インバウンド需要も回復しましたが、物価高の影響などにより個人消費が低調だったことや年初に一部自動車メーカーの出荷停止などがあったことから景気回復の勢いは弱まりました。先行きは昨年を上回る賃上げや所得税減税により個人消費の持ち直しが期待されることから景気は回復基調に戻るとみられます。中国は、輸出は昨年の不振から脱しつつありますが、不動産市場の低迷が長引く中で、消費が伸びず、経済成長は減速しました。先行きは政府の政策対応によって持ち直していくことが期待されます。ブラジルは、昨年、農産物の輸出が伸び、消費も底堅く推移しましたが、今後は昨年夏からの利下げが景気を支えることが期待されます。ロシアは、国際社会から課された経済制裁による経済活動への下押しが続く一方で、軍需品の生産が伸びており、プラス成長は維持するとみられます。 世界経済の先行きは、米欧先進国のインフレの落ち着きに加え、米欧の利下げなど金融引き締め局面からの転換が期待されることから、2024年後半以降、減速局面を脱する道筋に移行していくものとみられます。ただし、中東情勢の不安定化など地政学的リスクは懸念されます。 2)事業セグメント上記経営環境を踏まえた各事業セグメントにおける環境認識並びにリスクと機会は、以下のとおりです。 (a) 金属資源セグメント環境認識・人口増加・世界経済の成長に伴う素材・資源需要の継続的増加・EV化・電動化をはじめとする脱炭素社会に向けたEnergy Transitionと、地域偏在性ある重要鉱物の必要性・鉱山操業やサプライチェーンにおける気候変動・自然資本・人権関連対応の拡大リスク機会・中国経済減速による資源需要への影響・インフレ・高金利による事業コスト影響・技術革新による商品の需給や価格への影響・リサイクルを含むグリーン鉄源・素材の需要増加・金属資源需要地としてのインド・東南アジアの継続的成長、資源供給地としてのアフリカの将来的可能性 (b) エネルギーセグメント環境認識・ 人口増加・世界経済の成長に伴い、エネルギー需要は増加する見込み・ エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立に対する社会ニーズの高まりリスク機会・世界的な地政学的リスクの高まりや、主要国の選挙結果を受けた政策変更等に起因するエネルギー価格の大幅な変動・流動的なEnergy Transition進捗の時間軸・エネルギー安全保障・安定供給ニーズに伴う底堅い化石燃料需要、及び現実解としての天然ガス・LNG需要の増加・脱炭素化の進展による、クリーンエネルギーや次世代エネルギー需要の増加、またそれに伴うエネルギーソリューション事業機会の拡大 (c) 機械・インフラセグメント環境認識・脱炭素社会に向けたEnergy Transitionニーズの高まり、デジタル化に伴う電力需要増、国・地域ごとの電源多様化・半導体不足による自動車供給不足は今後正常化の見込み・環境負荷の低いモビリティへのシフトが進む見込み・ばら積み船需要は安定的に推移、またタンカー需要増は継続見込みリスク機会・世界的なインフレ傾向と金融マーケットの変化・社会ニーズの変化を受けた新規資源開発の減少など産業構造の変化・DX活用の進展、デジタルインフラ需要増加・気候変動対応に伴う再エネ電源や、次世代燃料・電動化など輸送インフラのサービス需要拡大・多様化 (d) 化学品セグメント環境認識・気候変動対応に伴う環境配慮型事業に対する社会からの要請の高まり・人口増加や経済成長に伴う食料やエネルギー由来の化学品需要の増大・健康意識の高まりによる食の高付加価値化ニーズの増大リスク機会・気候変動対応に伴う石油化学産業の構造変化の加速・地政学的リスクの高まりによるサプライチェーンの再編と地産地消化・エネルギー価格高騰、金利高や人手不足によるコスト上昇や商品需要の低迷・サプライチェーンの変化による安定供給ニーズの増大・次世代燃料・リサイクル素材をはじめとする環境配慮型素材・製品・事業の需要増加・健康・ウェルネス、Quality of Life向上への関心の高まり (e) 鉄鋼製品セグメント環境認識・脱炭素社会に向けた技術革新による段階的なグリーン化の進展・地政学的リスクの顕在化継続による地産地消の重要性増加・中期的な世界鉄鋼需要はインド・東南アジアを牽引役として増加見込みリスク機会・国内粗鋼生産減少を背景とした流通構造の変化・地政学的リスクの高まりによるサプライチェーンの影響・人件費高騰・労働力不足・脱炭素化、地産地消ニーズに伴う新たなサプライチェーン構築需要の拡大・循環型経済の加速によるインフラ長寿命化・メンテナンス需要の高まり (f) 生活産業セグメント環境認識・先進国でのライフスタイル多様化と健康志向、サステナビリティなど社会価値への関心の高まり・新興国での人口増・経済成長・所得増・高齢化によるヘルスケアニーズの高まり・原材料費・労務費等の上昇が継続する見通しリスク機会・気候変動による伝統的産地の移動・地政学的リスクによる貿易構造の変化・医療規制動向及び人手不足、GAFA等異業種参入に伴う医療業界パラダイムシフト・価値観の多様化・細分化、及び消費行動の多様化・未病・予防、健康への行動様式や価値観の変化・アジア等新興国における医療需給ギャップ拡大、先進国における未病・予防市場の拡大 (g) 次世代・機能推進セグメント環境認識・生成AIを用いたサービスや、サイバーセキュリティ対応に関するニーズの高まり・環境意識の高まりなどの市場環境・ニーズの変化を捉えた投資判断の重要性増大リスク機会・株価変動などの市場価格変動リスク・金利上昇、インフレに伴う景況感、企業業績の悪化・技術進化に伴うICTソリューションニーズの高まり・ライフスタイルの多様化に伴うデジタルサービスの普及・気候変動対応に伴う金融商品組成機会、ボラティリティ上昇によるヘッジニーズ増加 (3)2025年3月期事業計画 2025年3月期は、「Creating Sustainable Futures」をテーマとする中期経営計画の2年目となります。「挑戦と創造」の精神で、当社の強みを活かし、グループ全体でグローバル・産業横断的なビジネスを展開し、価値を提供することで、基礎営業キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから運転資本の増減に係るキャッシュ・フローを除き、リース負債の返済による支出額を減算したもの)1兆円、当期利益9,000億円を計画します。また、コア事業の強化、赤字事業の削減、厳選した成長投資及び戦略的リサイクルの加速からなる重点施策を実行し、一層の企業価値向上に取り組みます。 1)5つのCorporate Strategy 中期経営計画2026の実現に向けて着実にCorporate Strategyを推進します。 2)ポートフォリオ経営の深化 当社の強みである、先進国と新興国の双方においてバランスよく分散されたグローバルなポートフォリオを継続的に見直し、組み替えます。厳選した成長投資や事業群戦略を踏まえたボルトオン投資を実行し、早期収益貢献と長期収益基盤の構築を両立させることで、当社の収益基盤をより強固なものとしていきます。同時に、世界中の各業界を代表するパートナーとの関係性を深化させ、それぞれの機能を組み合わせたプロジェクトを実行していきます。さらに、資本効率を意識することで資産の入替えを加速し、戦略的リサイクルと以下の3つの攻め筋に沿った成長投資(中期経営計画2026の3年累計で1兆8,000億円を予定)を推進します。 (a)Industrial Business Solutions(中期経営計画2026の3年累計で8,000億円の成長投資を予定) グローバルかつ産業横断的なプレゼンスや事業ポートフォリオを通じ、資源開発、機械・モビリティ、インフラ・デジタルインフラ等のコア領域でさまざまな産業における課題解決に向けた取組みを強化します。資源開発事業においては、優良資源の積増しを通じ、長期収益基盤を盤石なものとします。また、機械・モビリティ領域においては、船舶事業のバリューチェーン強化、モビリティ事業群の形成・強化を実行します。デジタルインフラにおいては、デジタルBPOの提供を通じ、持続可能な社会の実現に貢献します。 (b)Global Energy Transition(中期経営計画2026の3年累計で6,000億円の成長投資を予定) 天然ガス及びLNGをコア事業として安定収益基盤を拡充し、エネルギー安定供給と気候変動対応の双方の観点から、事業を通じて社会課題であるエネルギートランジションの実現に貢献します。また、長年培った知見やパートナーシップを通じ、厳選した良質な案件を獲得し、多様な低炭素メタノールの製造・販売、クリーンアンモニア等の次世代燃料安定供給への取組み、再生可能エネルギー事業の着実な立上げ、低炭素鉄源事業の推進等、脱炭素社会の実現に向けた取組みを進めます。 (c)Wellness Ecosystem Creation(中期経営計画2026の3年累計で4,000億円の成長投資を予定) コア事業の競争力強化、市場成長・ニーズを捉えた事業群戦略を推進します。食・ニュートリション領域においては、新たな事業獲得による鶏・エビを核とするタンパク質事業群の形成及びバリューチェーンの高度化、事業間シナジーの実現を推進していきます。また、ウェルネス領域では、未病・予防ソリューションの強化のほか、IHH Healthcareを中核とするヘルスケア事業を通じたアジア市場の成長の取込み、完全子会社化したエームサービスの収益力強化を目指します。 3)キャッシュ・フロー・アロケーションの最新見通し(中期経営計画3年累計) 2024年3月期の実績と今後の見通しを踏まえて、昨年5月に公表した中期経営計画3年累計のキャッシュ・フロー・アロケーションをアップデートしました。基礎営業キャッシュ・フロー及び資産リサイクルの増加を反映しキャッシュ・インの増加を見込みます。これに伴い、マネジメント・アロケーションは中期経営計画2026の3年累計で1兆1,300億円から1兆7,500億円までの拡大を見込み、厳選した成長投資及び株主還元へのバランスの取れた配分を予定しています。引き続き、投資機会と事業環境を総合的に勘案し、成長投資と株主還元へ柔軟で戦略的な資金配分を実行します。 (4)利益配分に関する基本方針 株主還元策については第 4 提出会社の状況 3 配当政策をご参照ください。 (5)2025年3月期連結業績予想①2025年3月期連結業績予想 [業績予想の前提条件]25年3月期予想24年3月期実績期中平均米ドル為替レート145.00145.31原油価格(JCC)81ドル86ドル期ずれを考慮した当社連結決算に反映される原油価格86ドル91ドル 単位:億円2025年3月期業績予想2024年3月期実績増減増減要因売上総利益13,20013,197+3 販売費及び一般管理費△8,300△7,943△357退職給付制度改定有価証券・固定資産関係損益等1,5001,785△285資産リサイクル利息収支△1,100△1,038△62 受取配当金1,5002,107△607エネルギー、金属資源持分法による投資損益4,7004,916△216商品価格下落法人所得税前利益11,50013,024△1,524 法人所得税△2,200△2,219+19 非支配持分△300△168△132 当期利益(親会社の所有者に帰属)9,00010,637△1,637 減価償却費・無形資産等償却費2,9002,936△36 基礎営業キャッシュ・フロー10,0009,958+42 ・為替レートは2024年3月期の145.31円/米ドル及び95.32円/豪ドルに対し、2025年3月期はそれぞれ145.00円/米ドル及び95.00円/豪ドルを想定します。また、2025年3月期の原油価格(JCC)を81米ドル/バレルと仮定し、期ずれを考慮した当社の連結決算に適用される原油価格の平均を86米ドル/バレル(2024年3月期比5米ドル/バレル下落)と想定します。 オペレーティング・セグメント別での業績予想(当期利益(親会社の所有者に帰属))は以下のとおりです。 (単位:億円)2025年3月期業績予想2024年3月期実績増減増減要因金属資源2,9003,351△451鉄鉱石価格エネルギー1,4002,817△1,417前期一過性利益反動、LNG物流機械・インフラ2,3002,487△187自動車・船舶事業化学品700392+308関係会社業績改善トレーディング鉄鋼製品250112+138関係会社業績改善生活産業750941△191前期一過性利益反動次世代・機能推進650538+112FVTPL益、国内中核関係会社伸長その他/調整・消去50△1+51 連結合計9,00010,637△1,637 オペレーティング・セグメント別での基礎営業キャッシュ・フロー予想は以下のとおりです。 (単位:億円)2025年3月期業績予想2024年3月期実績増減増減要因金属資源3,6004,091△491鉄鉱石価格、関連会社配当エネルギー2,9002,478+422LNG配当入金(24/3期からの期ずれ)機械・インフラ1,5001,769△269子会社の関連会社化関連会社配当化学品800634+166関係会社業績改善トレーディング鉄鋼製品15085+65関連会社配当関係会社業績改善生活産業500402+98トレーディング関係会社業績改善次世代・機能推進500454+46 その他/調整・消去5045+5 連結合計10,0009,958+42 ② 2025年3月期連結業績予想における前提条件 2025年3月期連結業績予想における商品市況及び為替の前提と価格及び為替変動による当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は以下のとおりです。価格変動の2025年3月期当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額2025年3月期前提 2024年3月期実績市況商品原油/JCC-81 86連結油価*124億円(US$1/バレル)86 91米国ガス*213億円(US$0.1/mmBtu)2.46 2.66*3鉄鉱石*427億円(US$1/トン)*5 119*6原料炭3億円(US$1/トン)*5 294*7銅*87億円(US$100/トン)8,700 8,483*9為替*10米ドル34億円(1円変動あたり)145.00 145.31豪ドル25億円(1円変動あたり)95.00 95.32*1 原油価格は期ずれで当社連結業績に反映されるため、それを考慮した連結業績に反映される原油価格を連結油価として推計している。2025年3月期には約35%が4~6カ月遅れ、約30%が1~3カ月遅れ、約30%が1年超遅れ、約5%が遅れ無しで反映されると想定される。上記感応度は、連結油価に対する年間インパクト。*2 当社が米国で取り扱う天然ガスはその多くがHenry Hub(HH)に連動しない為、上記感応度はHH価格の変動に対するものではなく、加重平均ガス販売価格に対するインパクト。*3 米国ガスの2024年3月期実績には、2023年1月~12月のNYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの直近限月終値のdaily平均値を記載。*4 Valeからの受取配当金に対する影響は含まない。*5 鉄鉱石・原料炭の前提価格は非開示。*6 鉄鉱石の2024年3月期実績欄には、2023年4月~2024年3月の複数業界紙によるスポット価格指標Fe 62% CFR North Chinaのdaily平均値(参考値)を記載。*7 原料炭の2024年3月期実績欄には、対日代表銘柄石炭価格(US$/MT)の四半期価格の平均値を記載。*8 銅価格の価格感応度は、2024年1月~12月のLME cash settlement price平均価格がUS$100/トン変動した場合に対するインパクト。*9 銅の2024年3月期実績欄には、2023年1~12月のLME cash settlement priceのmonthly averageの平均値を記載。*10 上記感応度は、各国所在の関係会社が報告する機能通貨建て当期利益に対するインパクト及び一部海外出資先からの受取配当金の影響。円安は機能通貨建て当期利益の円貨換算を通じて増益要因となる。関係会社における販売契約上の通貨である米ドルと機能通貨の豪ドルの為替変動、及び為替ヘッジによる影響を含まない。 注) 経営成績に対する外国為替相場の影響について 2023年3月期及び2024年3月期の海外の連結子会社及び持分法適用会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)の合計はそれぞれ8,946億円及び7,429億円です。これらの海外所在の連結子会社及び持分法適用会社の機能通貨は、主として米ドル及び豪ドルです。2025年3月期連結業績予想の当期利益(親会社の所有者に帰属)に対する為替変動の影響について、当社は簡便的な推定を行っています。(a)具体的には、業績予想策定の過程で、海外関係会社の予想当期利益(親会社の所有者に帰属)を各社の機能通貨別に集計し、まず米ドル及び豪ドル建ての予想当期利益(親会社の所有者に帰属)の合計額を算出しました。これら2つの通貨別に表示された海外関係会社の予想当期利益(親会社の所有者に帰属)に一部の海外出資先からの通貨別の配当金を合計した金額に対して為替変動の影響を評価しました。これによれば米ドルに対する円高/円安は、1円あたり34億円程度、豪ドルに対する円高/円安の影響は、1円あたり25億円程度、当期利益(親会社の所有者に帰属)の減少/増加をもたらすと試算されます。(b)なお、豪ドルを機能通貨とする資源・エネルギー関連生産会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)は、両通貨と契約上の建値通貨である米ドルとの間での為替変動の影響を大きく受けます。この影響額は、(a)に述べた3つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。(c)ただし、資源・エネルギー関連生産会社などでは、一部において、販売契約の契約通貨である米ドルと機能通貨の為替ヘッジを行っているほか、外貨建の当期利益(親会社の所有者に帰属)の円貨相当評価に係る為替ヘッジを行っている場合があります。これらの影響額についても、(a)に述べた2つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。 |
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 この財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、将来のリスク、不確実性及び仮定を伴う予測情報を含んでいます。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、3「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要因により、当社及び連結子会社の実際の業績は、これらの予測情報から予測された内容とは大幅に異なる可能性があります。 なお、経営上の目標の達成状況については、第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等「(1)中期経営計画の進捗状況」をご参照ください。 (1)業績等の概要①業績「(4)経営成績に係る検討と分析 ②オペレーティング・セグメント情報」をご参照ください。②キャッシュ・フロー「(5)流動性と資金調達の源泉 ⑥キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 (2)仕入、成約及び売上の状況①仕入の状況各オペレーティング・セグメントにおいて、仕入高と売上高との差額は売上高に比べ僅少であるため、記載は省略しています。②成約の状況各オペレーティング・セグメントの成約高と売上高との差額は僅少であるため、記載は省略しています。③売上の状況「(4)経営成績に係る検討と分析」及び連結財務諸表注記事項7.「セグメント情報」をご参照ください。(注)当社グループは、総合商社である当社を中心とした事業活動を展開しており、受注生産形態をとらない事業が多いことから、生産、受注及び販売の状況に替え、仕入、成約及び売上の状況としています。 (3)経営者の検討における重要な指標について 当社及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローは、3「事業等のリスク」に述べる各項目の影響を受けますが、当連結会計年度末において当社の経営者は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討する上で、以下の指標が有用であると考えます。①売上総利益、持分法による投資損益及び当期利益(親会社の所有者に帰属) 当社及び連結子会社はさまざまな商品と地域にわたる幅広い事業活動を展開し、そのリスク・リターンの形態も仲介取引から金属資源・エネルギーの権益事業まで多岐にわたります。当社及び連結子会社の経営成績及び事業の進捗を把握する上で、オペレーティング・セグメント別の売上総利益、持分法による投資損益及び当期利益(親会社の所有者に帰属)の変動要因に係る分析を重視しています。②金属資源・エネルギーの価格及び需給の動向 当社及び連結子会社の経営成績に占める金属資源・エネルギー関連事業の重要性が高いことから、金属資源・エネルギーの市況及び持分生産量は、経営成績の重要な変動要因になります。金属資源・エネルギーの価格及び需給の動向に関する詳細は、以下のとおりです。 (a)金属資源 鉄鋼や非鉄金属は産業の基幹素材であり、世界経済の成長に伴いその原料に対する需要は堅調に推移することが見込まれます。中長期的に、粗鋼生産量は中国で横ばいから減少となるも、インド等アジア地域で増加もあり、世界全体では引続き高水準を維持することが見込まれています。また、非鉄金属は産業・社会の脱炭素化に向けた電動化や電気自動車・再生可能エネルギーの普及等を背景に、需要が堅調に拡大していくことが見込まれます。供給側では、鉱山操業での資機材・人件費を始めとした開発・生産コストの上昇や、既存鉱山の鉱石の品位低下や埋蔵量の減少が進む一方で、優良未開発案件には限りがあるため、需給は逼迫していく見込みであり、引き続き原料の安定供給が求められます。 また、社会の持続可能性追求に向け、気候変動対応や人権、生物多様性、サーキュラーエコノミー、水資源や地域社会との共生といった観点を踏まえて、例えば高品位資源やリサイクル原料、低炭素/グリーン素材、バリューチェーン全体でのGHG排出量の削減に寄与する原料へのニーズの高まりなど、原料に対する価値観が変化することにより、金属資源の需給・相場へ影響を及ぼすことが予想されます。 (b)エネルギー 世界的な人口増加・経済成長に伴い、中長期的なエネルギー需要は堅調に推移する見通しです。アジアを中心に従来型エネルギーは当面不可欠との見立ては不変であり、またロシア・ウクライナ情勢に端を発して地政学的リスクが再認識される中、エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立への社会ニーズが強まっています。 このような状況下、天然ガス・LNGは、経済合理的なクリーンエネルギーの安定供給に資する現実解として今後益々重要な役割を担っていくと考えられています。原油についても新興国における底堅い需要が見込まれる一方で、電気自動車の普及、環境規制の強化等による需要減退シナリオも考えられ、今後の市場変化を注視していく必要があります。供給側では、資機材・人件費をはじめとした開発・生産コストの上昇、ロシア・ウクライナ情勢に伴う生産量の減少が継続する見通しであることに加え、グローバルでの地政学的リスクの高まり、主要国の選挙結果を受けた政策変更、気象等が需給双方に影響を及ぼす可能性があり、エネルギー価格のボラティリティには依然として注意が必要です。 脱炭素化に向けたエネルギートランジションの方向性は不可逆的と言えますが、制度設計や市場形成において国・地域毎に進捗の濃淡があり、時間軸は依然流動的と見られています。今後、再生可能エネルギーのさらなる普及、よりクリーンな燃料への転換、モビリティの電動化や水素燃料電池自動車の普及等に伴い、総合エネルギーサービス、次世代燃料など、エネルギーソリューション分野における取組ニーズが拡大する見通しで、こうした取組みの進捗が将来的なエネルギー構成に及ぼす影響を見極めていく必要があります。 ③キャッシュ・フロー水準、資本効率及び財務レバレッジ 中期経営計画2026(2023年5月公表)において、基礎営業キャッシュ・フローを、キャッシュ創出力を測定し資金再配分の原資を示す重要な経営指標としています。 当社は、資本効率と資金調達に係わる安定性の観点から、株主資本*の水準及び、親会社所有者帰属持分利益率(ROE)並びに負債・資本構成の方針を定期的に策定し、その履行状況を検証しています。同時に、個々の事業における環境の悪化に起因する想定損失の最大額に対するリスクバッファーの観点から株主資本の規模を検証しているほか、既存の有利子負債の再調達に加え、債務格付けの維持向上と資金調達上の安定性確保の観点から、財務レバレッジに留意しています。当社の資本管理については連結財務諸表注記事項9.「金融商品及び関連する開示(6)リスク関連」を、財務戦略については「(5)流動性と資金調達の源泉」をご参照ください。*連結財政状態計算書の親会社の所有者に帰属する持分合計を指します。 (4)経営成績に係る検討と分析① 連結損益計算書項目(単位:億円)当期前期増減収益133,249143,064△9,815売上総利益13,19713,962△765販売費及び一般管理費△7,943△7,028△915その他の収益・費用有価証券損益1,981595+1,386固定資産評価損益△670△300△370固定資産処分損益162194△32雑損益31392+221金融収益・費用受取利息643478+165受取配当金2,1071,549+558支払利息△1,681△1,146△535持分法による投資損益4,9165,555△639法人所得税△2,219△2,407+188当期利益10,80511,546△741当期利益(親会社の所有者に帰属)10,63711,306△669(注)四捨五入差異により縦計・横計が合わないことがあります(以下同様)。 収益・収益は13兆3,249億円となり前期の14兆3,064億円から9,815億円の減少となりました。 売上総利益・主にエネルギーセグメントで減益となった一方、生活産業セグメントで増益となりました。 販売費及び一般管理費・主に生活産業セグメント、機械・インフラセグメントで負担増加となりました。費目別に見ると以下のとおりです。(単位:億円) 費目別内訳 当期 前期 増減額*人件費 △4,371 △3,840 △531福利厚生費 △159 △134 △25旅費交通費 △320 △252 △68交際費会議費 △75 △64 △11通信情報費 △620 △553 △67借地借家料 △139 △117 △22減価償却費 △505 △412 △93租税公課 △159 △173 +14損失評価引当金繰入額 △90 △189 +99諸雑費 △1,505 △1,294 △211合計 △7,943 △7,028 △915* △は負担増 ・変動の内訳をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。 (単位:億円) オペレーティング・セグメント 当期 前期 増減額*金属資源 △359 △334 △25エネルギー △586 △579 △7機械・インフラ △1,818 △1,636 △182化学品 △1,547 △1,374 △173鉄鋼製品 △321 △276 △45生活産業 △1,731 △1,420 △311次世代・機能推進 △890 △827 △63その他/調整・消去 △691 △582 △109合計 △7,943 △7,028 △915* △は負担増 その他の収益・費用有価証券損益:・当期は、主に機械・インフラセグメント、生活産業セグメント、エネルギーセグメント、次世代・機能推進セグメントで有価証券に関連する損益を計上しました。・前期は、主に金属資源セグメント、次世代・機能推進セグメントにおいて有価証券売却益を計上しました。一方、機械・インフラセグメントにおいて、減損損失を計上しました。固定資産評価損益:・当期及び前期において、主にエネルギーセグメント、機械・インフラセグメントで固定資産評価損を計上しました。固定資産処分損益:・当期及び前期において、主に次世代・機能推進セグメントで固定資産売却益を計上しました。雑損益:・当期は、主にエネルギーセグメントで引当金取崩益や事業売却益を計上しました。一方、生活産業セグメントでオプション評価損を計上しました。・前期は、主にエネルギーセグメントで引当金計上に伴う損失を計上しました。 金融収益・費用受取配当金:・主にエネルギーセグメント、金属資源セグメントで増益となりました。 持分法による投資損益・主に金属資源セグメント、エネルギーセグメントで減益となった一方、機械・インフラセグメントで増益となりました。 法人所得税・法人所得税は2,219億円の負担となり、前期の2,407億円の負担から188億円の負担減となりました。また、当期の実効税率は17.0%となり、前期の17.2%から0.2ポイント低下しました。 当期利益(親会社の所有者に帰属)・上記の結果、前期から669億円減益の1兆637億円となりました。 ② オペレーティング・セグメント情報オペレーティング・セグメント別の経営成績に係る変動要因の分析は以下のとおりです。なお、「その他」には、法人所得税が含まれますが、法人所得税前利益の各勘定科目の主な増減要因の説明には、法人所得税の影響は原則として含まれていません。 金属資源(単位:億円)当期前期増減主な増減要因当期利益(親会社の所有者に帰属)3,3514,388△1,037 売上総利益3,4213,558△137・Mitsui Resources△437(原料炭価格下落)・豪州鉄鉱石事業+333(鉄鉱石価格上昇) 持分法による投資損益7501,276△526・Stanmore SMC売却に伴う減益・Oriente Copper Netherlands*1△241(減損損失*2△122、チリ新鉱業税成立△63他)・オルドス電力冶金△95(合金鉄・化学品価格下落)・豪州鉄鉱石事業+70 受取配当金912743+169・Vale配当金増+174(当期596、前期422) 販売費及び一般管理費△359△334△25 その他△1,373△855△518・前期Stanmore SMC有価証券売却益反動△367・Oriente Copper Netherlands*1支払利息増△58・豪州鉄鉱石事業利息収支増益+86*1 チリ銅鉱山事業会社Anglo American Surを保有するInversiones Mineras Becruxへの投資会社*2 Anglo American Surにおける鉱石性状変化並びに生産計画に関わる見積りの変更に伴い、持分法損失を122億円計上 鉄鉱石の価格変動による影響及び当社持分生産量2025年3月期において、鉄鉱石価格の変動が、当社鉄鉱石事業の販売収入の変化を経由して連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)に及ぼす影響度は、鉄鉱石US$1/トンあたりの価格変動により27億円と概算しています。当連結会計年度の1年間における当社鉄鉱石関連の権益見合い生産量は61.1百万トン(一般社外のVale権益見合い生産量21.2百万トン含む)です。上記の影響額は、当連結会計年度末時点で、当社が保有する権益見合いに対して、2025年3月期の出荷量の増減を織り込み、一定の米ドル及びその他関連通貨の為替相場などを前提条件とした上で算出したものです。なお、一般的に、豪ドルなどの資源産出国の通貨は、輸出商品の市況に連動する傾向があり、この変動により当社連結子会社及び持分法適用会社の現地通貨建ての売上総利益は影響を受けることがあります。 エネルギー(単位:億円)当期前期増減主な増減要因当期利益(親会社の所有者に帰属)2,8173,094△277 売上総利益1,9583,164△1,206・Mitsui E&P USA△477(ガス価格下落)・Mitsui E&P Australia△405(コスト増・数量減)・LNG物流減益・MEP Texas Holdings△78(原油・ガス価格下落)・MOEX North America△76(当期権益売却に伴う減益、原油価格下落)・Mitsui E&P Italia B*1△61(コスト増・原油価格下落)・Mitsui E&P Middle East△34(原油価格下落)・燃料供給取引関連損益+76(前期損失反動) 持分法による投資損益6811,085△404・Japan Australia LNG(MIMI)減益(原油・ガス価格下落、数量減)・三井石油開発△34(前期出資先リース会計処理変更の反動等)・前期Mitsui E&P Mozambique Area 1 引当金反動+35 受取配当金927587+340・LNGプロジェクト4案件*2+353(当期920、前期567) 販売費及び一般管理費△586△579△7 その他△163△1,163+1,000・資産除去債務取崩益+456(複数連結子会社)・Mitsui LNG Nederland*3+373(外貨換算調整勘定実現)・Kaikias油田事業の売却益+118・Arctic LNG 2プロジェクト関連・MOEX North America+43(デリバティブ関連損益)・前期バイオマス発電事業減損反動+33・Mitsui E&P Italia B減損*4△236・複数の本店事業部における支払利息増△210・Mitsui E&P South Texas減損*5△123・燃料供給取引為替ヘッジ損益等△32*1 前期第3四半期にMitsui E&P Italia Bが吸収合併したMitsui E&P Italia Aの業績も合算した増減額*2 サハリンⅡ、アブダビ、オマーン及びカタール*3 2022年3月期に事業終結したカタールガス1LNG事業投資のための特別目的会社*4 Mitsui E&P Italia Bが保有するテンパロッサ油田事業において、可採埋蔵量の減少に起因し固定資産評価損236億円を計上*5 Mitsui E&P South Texasが保有するサウステキサスバケーロ・シェールガス事業においてガス価格の下落に起因し固定資産評価損123億円を計上 原油・ガスの価格変動による影響及び当社持分生産量2025年3月期において、原油価格の変動が当社石油・ガス開発事業の販売収入の変化を経由して連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)に及ぼす影響度はUS$1/バレルあたり24億円と推定しています。金属資源と同様に、実際の経営成績は、各石油・ガス開発事業における実際の生産量及び生産費用、為替相場の変動などにより影響を受けます。また、当社の石油・ガスの持分生産量は、2024年3月期において日量213千バレル(ガスはバレル換算、換算係数は原油1バレル=天然ガス5,800立方フィート、当社連結子会社・持分法適用会社・非連結先の当社権益保有見合い)となりました。 機械・インフラ(単位:億円)当期前期増減主な増減要因当期利益(親会社の所有者に帰属)2,4871,719+768 売上総利益2,2111,999+212・中南米産機・建機関連事業会社+118(損益取込期間調整*1、販売好調)・船舶取扱い増・Hino Mexico+33(販売好調)・Aptella*2連結化+31・BAF*3関連会社化△62・Mitsui Rail Capital Europe売却に伴う減益△45・ブラジル旅客鉄道事業前期利益の反動 持分法による投資損益2,3041,973+331・International Power(Australia)Holdings+110(電力デリバティブ契約等に関わる評価益、前期損失の反動)・MPIC*4株式取得に伴う一過性評価益等+100・VLI+100(前期天候不良等による不調反動、固定資産減損損失等減少*5+40)・北米自動車関連会社(販売台数増、販売促進費減)・FPSO+81(MV34他操業開始に伴う取込益増)・前期中国賀州事業減損反動+65*6・タイ発電事業+60(順次完工他)・カナダOntario火力発電事業前期損失反動+33・East Anglia*7+33(投資簿価毀損解消に伴う連結取込再開)・アジア自動車関連会社(販売好調)・MBK USA Commercial Vehicles△192(支払利息増、中古車売却益減少)・Mainstream△169(固定資産減損損失*8△151、ファイナンスリストラ関連)・Paiton減益 受取配当金7142+29 販売費及び一般管理費△1,818△1,636△182・中南米産機・建機関連事業会社△33(損益取込期間調整*1) その他△281△659+378・Mitsui Rail Capital Europe有価証券売却益+644・前期ブラジル旅客鉄道事業固定資産減損損失反動*9+151・International Power (Australia) Holdings有価証券売却益+87・Paiton配当+84・カナダOntario火力発電事業売却益+46・航空機リース事業会社+42(機体売却益、前期評価損反動)・BAF*3 有価証券関連損益+41・IPM UK連結外化に伴う外貨換算調整勘定実現+34・前期MT Falcon減損反動*10+31・ブラジル旅客鉄道事業△305*11(固定資産減損損失△195、繰延税金資産取崩△126他)・Mainstream暖簾減損*12△129・前期Lucid Group株式売却に係る法人税負担減反動*13△72・豪州Hazelwood発電事業引当*14△57*1 決算報告の期ずれ解消に伴い、一時的に損益取込期間を調整するもの(前期12か月、当期15か月)*2 2024年1月にPosition Partnersから名称変更*3 Bussan Auto Finance*4 フィリピン総合インフラ会社Metro Pacific Investments Corporation*5 ブラジル貨物鉄道事業における一部資産の回収可能価額見直しに伴い、前期において固定資産減損損失67億円及び繰延税金資産取崩19億円を計上。また、当期において固定資産減損損失46億円を計上*6 前期に中国賀州石炭火力発電事業における回収可能額見直しに伴い、持分法損失を65億円計上*7 英国における旅客輸送事業会社*8 Mainstream事業において、主にチリ事業における固定資産の減損として、持分法損失を151億円計上*9 前期にブラジル旅客鉄道事業における運賃収入の減少及び割引率上昇を踏まえた最新の見積りに基づく固定資産評価損を計上*10 前期にMT Falcon Holdingsの株式売買契約の改定に伴い、減損損失31億円を計上*11 ブラジル旅客鉄道事業において最新の見積りに基づき固定資産評価損195億円、繰延税金資産の取崩損126億円を計上*12 Mainstream事業において、暖簾の減損に伴い有価証券評価損を129億円計上*13 前期にFVTOCIの金融資産であるLucid Group株式の売却により、その他包括利益として認識される税金費用に関連する法人所得税の負担減少を認識*14 炭鉱閉鎖費用見直しに伴う引当追加計上 化学品(単位:億円)当期前期増減主な増減要因当期利益(親会社の所有者に帰属)392709△317 売上総利益2,0832,093△10・Mitsui Agro Business減益(価格下落)・肥料関連トレーディング減益(価格下落・数量減)・Intercontinental Terminals Company+43(操業好調)・Ceva他公正価値評価益+32 持分法による投資損益212274△62・日本アラビアメタノール△30(当期定修実施、価格下落)・Hexagon Composites+42(同社子会社の関連会社化に伴う公正価値評価益等) 受取配当金4638+8 販売費及び一般管理費△1,547△1,374△173・海外化学品事業における引当金計上△37 その他△402△322△80・Thorne HealthTech売却益+115 鉄鋼製品(単位:億円)当期前期増減主な増減要因当期利益(親会社の所有者に帰属)112225△113 売上総利益435407+28・STATS連結化+32 持分法による投資損益172247△75・Gestamp減損損失△41 受取配当金3630+6 販売費及び一般管理費△321△276△45 その他△210△183△27 生活産業(単位:億円)当期前期増減主な増減要因当期利益(親会社の所有者に帰属)941548+393 売上総利益1,8531,537+316・エームサービス子会社化+206・AUSJ*1子会社化+83・創薬支援ファンド前期公正価値評価損の反動+38・国内流通関連事業会社+34(採算改善)・食材輸出入事業為替影響△69・MBK HUMAN CAPITAL△37(需要・単価減少)・United Grain Corporation△31(前期好調反動) 持分法による投資損益595507+88・WILSEY FOODS+120(加工油脂食品製造Ventura Foods一部事業売却及び好調) 受取配当金7262+10 販売費及び一般管理費△1,731△1,420△311・エームサービス子会社化△164・AUSJ*1子会社化△72 その他152△138+290・エームサービス公正価値評価益*2+434・RGF Staffing Delaware売却益+113・コーヒートレーディング為替ヘッジ損益+76・食材輸出入事業為替差損益+65・R-Pharmプットオプション*3△194(当期△129、前期65)・前期FVTOCI金融資産売却に係る法人税負担減の反動*4△122・前期Multigrain関連税金還付反動△50*1 アラマークユニフォームサービスジャパン*2 エームサービスの持分法適用会社から連結子会社への区分変更に伴い生じた既存持分の再評価益*3 R-Pharmに係るプットオプションの公正価値評価損益*4 前期にFVTOCIの金融資産の売却により、その他包括利益として認識される税金費用に関連する法人所得税の負担減少を認識 次世代・機能推進(単位:億円)当期前期増減主な増減要因当期利益(親会社の所有者に帰属)538667△129 売上総利益1,1841,126+58・三井物産都市開発+34(物流施設の売却益)・本店事業部トレーディング減益(商品価格要因)・Mitsui Bussan Commodities△41(ボラティリティ低下) 持分法による投資損益197189+8・JA三井リース+32(保有資産拡充) 受取配当金3238△6 販売費及び一般管理費△890△827△63 その他15141△126・前期シンガポール不動産事業売却益反動*1・米国不動産事業物件売却益△53(当期63、前期116)・前期有価証券売却益反動△40・日比谷フォートタワー一部売却益△2(当期57、前期59)・当期アルティウスリンク公正価値評価益*2+89・本店事業部トレーディング増益(為替要因)*1 シンガポールにおけるオフィス開発物件保有会社Southernwood Propertyの売却益*2 KDDIエボルバとりらいあコミュニケーションズの経営統合に伴い発生した、旧りらいあコミュニケーションズ当社持分に関わる公正価値評価益 (5)流動性と資金調達の源泉会計基準に基づかない財務指標について現預金差引後の有利子負債比率(ネットDER) この流動性と資金調達の源泉の項目を含めて、本報告書では現預金差引後の有利子負債比率(ネットDER)に言及しています。当社は「ネット有利子負債」を株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)で除した比率を「ネットDER」と呼んでいます。当社は「ネット有利子負債」を以下のとおり定義して、下表のとおり算出しています。? 短期債務及び長期債務の合計よりリース負債を除外し、有利子負債を算出。? 有利子負債から現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除した金額を「ネット有利子負債」とする。 当社の経営者は、債務返済能力と株主資本利益率(ROE)向上のために有利子負債と株主資本の関係を検討する目的から、ネットDERを投資家にとって有益な指標と考えており、下表のとおり「ネット有利子負債」及び「ネットDER」を算出しています。 (単位:億円)当期末前期末短期債務2,4404,322長期債務45,32146,083長短債務合計47,76150,405(控除)リース負債△4,753△4,310有利子負債合計43,00846,095(控除)現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)△9,027△13,968ネット有利子負債33,98132,127株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)75,41863,678ネットDER(倍)0.450.50 株主還元後のキャッシュ・フロー 当社の経営者は、財務基盤の維持・向上において、株主還元後のキャッシュ・フローを有用な指標と考えています。株主還元後のキャッシュ・フローに関しては、④「投融資と財務政策」をご参照ください。 ①資金調達の基本方針 当社の経営者は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主として本邦生保、銀行等からの長期借入金や社債の発行等により10年程度の長期資金を中心とした資金調達を行っています。同時に、長期資金の年度別償還額の集中を避けることで借り換えリスクの低減を図っています。さらに、プロジェクト案件等では政府系金融機関からの借入やプロジェクトファイナンスも活用しています。100%子会社については原則として銀行などの外部からの資金調達を行わず、金融子会社、現地法人などの資金調達拠点を通じたキャッシュ・マネジメント・サービスの活用により、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っています。結果として当連結会計年度末において有利子負債の5分の4程度が当社並びに資金調達拠点による調達となっています。 また、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応と、当社の有利子負債返済における金融情勢悪化の影響を最小限に抑えるためにも、十分な現金及び現金同等物を保有しています。現金及び現金同等物の保有額については厳密な目標水準を定めていませんが、金融情勢などを勘案しつつ、安全性並びに流動性の高い短期金融商品で運用しています。 ②資金調達手段 当社は、上記の当社資金調達の基本方針に則り、直接金融または間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境も考慮したうえで当社にとって有利な手段を機動的に選択し、資金調達を行っています。 当社は、内外金融機関との間で長期間にわたって築き上げてきた幅広く良好な関係に基づき、長期借入を中心に必要資金を調達しています。また、国際協力銀行などの政府系金融機関からも資金調達を行っており、プロジェクト案件ではプロジェクトファイナンス等も活用して必要資金を調達しています。 これに加えて、当社では2,000億円の社債発行登録枠、コマーシャルペーパー発行枠、並びにユーロ・ミディアム・ターム・ノート発行プログラムという直接金融の調達手段も保有しており、市場環境に応じて有利な条件での資金調達を行っています。当連結会計年度末における(短期社債除く)国内社債及びユーロ・ミディアム・ターム・ノートと海外社債の発行残高は、それぞれ2,300億円及び1,840億円となっています。また海外での短期の資金調達手段として、米国三井物産による米国コマーシャルペーパープログラムとMitsui & Co. Financial Services(Europe)によるユーロコマーシャルペーパープログラムを保有しており、それぞれ時機をみて活用しています。なお、当社は長期かつ安定的な資金調達を一義としており、コマーシャルペーパーや短期借入金等に資金調達を依存していません。その結果として、当連結会計年度末における一年以内に返済予定の有利子負債が有利子負債全体に占める比率は、20.6%となりました。 当社及び一部の連結子会社は、流動性の確保・維持のため、金融機関に対してコミットメント・フィーを支払い、信用枠(コミットメントライン)を設定しています。当社は、国内外の主要銀行と59億米ドル相当のコミットメントラインを締結しています。 有利子負債の大半は円建て並びに米ドル建てでの調達によるものです。また、資産側の金利・通貨属性を考慮した上で、負債の金利条件や通貨を変換するために適宜、金利スワップや通貨スワップ、為替予約を締結しています。金利スワップ考慮後の有利子負債における固定金利比率は、現在の当社の資産と負債の状況に見合った水準と認識しています。 これらのデリバティブ取引に関しては、連結財務諸表注記事項9.「金融商品及び関連する開示」をご参照ください。また、デリバティブ関連の流動性分析については、連結財務諸表注記事項16.「金融債務及び営業債務等に関する開示」をご参照ください。 格付け 当社は、円滑な資金調達を行うため株式会社格付投資情報センター(R&I)、ムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody’s)、S&P グローバル・レーティング・ジャパン株式会社(S&P)の3社から格付けを取得しています。2024年5月31日現在の格付けは下記のとおりです。 R&IMoody’sS&P長期(見通し)AA(安定的)A3(安定的)A(安定的)短期a-1+P-2A-1 当社としては引き続き健全な財務基盤を維持し、格付けの維持・向上に尽力していく方針です。なお、格付けは当社からの情報あるいは格付会社が信頼できるとする情報に基づく各格付会社自身の判断による信用リスクの分析です。格付けは売買・保有の推奨ではなく、また格付会社によりいつでも変更・取り消しされる可能性があります。また格付け基準も格付会社毎に異なります。 ③流動性の状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、8,982億円となりました。この現金及び現金同等物の半分程度は円建てであり、当連結会計年度末の1年以内に返済予定の有利子負債(8,876億円)の返済に十分な水準であることに加え、当社は機動的な資金の引き出しが可能なコミットメントラインを確保しています。 当連結会計年度の世界経済は、米国が堅調に推移しましたが、欧州は停滞が続き、中国の回復も低調であったことから全体として減速局面が続きました。このような状況下、当社は資金調達の基本方針に則り、金融機関との長期にわたる良好な関係や公的金融機関による各種施策、社債発行登録枠等を活用して必要資金の調達を着実に実行しました。 上述資金調達実行の結果、当連結会計年度末における有利子負債は4兆3,008億円(前連結会計年度末比3,088億円減)となりました。このうち、4,200億円は劣後特約付シンジケートローンで、格付会社は、残高の50%である2,100億円を資本と同等に扱っています。また、当連結会計年度末の有利子負債の返済年限別内訳は次のとおりです。当連結会計年度末の短期債務及び長期債務の内訳と債務残高の利率については、連結財務諸表注記事項16.「金融債務及び営業債務等に関する開示」をご参照ください。 返済年限1年以内1年超2年以内2年超3年以内3年超4年以内4年超5年以内5年超合計金額(億円)8,8765,4222,6053,8804,47917,74643,008 当連結会計年度末の株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)は7兆5,418億円となり前連結会計年度末比で1兆1,740億円増加しました。ネット有利子負債は3兆3,981億円となり同1,854億円増加、ネットDERは前連結会計年度末の0.50倍から0.45倍へ0.05ポイント低下しました。 また流動比率は、前連結会計年度末の150.7%に対し当連結会計年度末は148.2%となっています。以上のような数値、及び資金調達環境から判断すると、当社の財務の健全性は引き続き確保されており、中期経営計画に沿った投融資を含む当社の円滑な事業活動を行う上で、現時点で大きな支障はないと認識しています。当社及び連結子会社は、主として第三者及び関連当事者のために、各種の支払保証を行っていますが、これらの保証において当社及び連結子会社の流動性に実質的な影響を及ぼすものはありません。将来の契約履行義務並びに保証等については連結財務諸表注記事項27.「偶発債務」をご参照ください。 当社及び連結子会社は、個別プロジェクト案件等に対するノンリコースファイナンスなどを除き、金融機関との重要な金融取引において、期限の利益喪失となり得る財務比率制限、担保提供制限、追加債務負担制限、利益処分の制限等の財務制限条項を含む契約を締結しないことを基本方針としていることもあり、これらの財務制限条項において重要なものはありません。 連結子会社や持分法適用会社からの配当受取に関しては、その配当の有無が当社の流動性に大きな影響を与えるという状況にはないと認識しています。また、当該連結子会社及び持分法適用会社に適用される現地法制に照らして適切な純資産や配当可能利益がある限り、配当等による資金の受領を制限する契約または法制上の制限として重要なものはありません(一般的な源泉課税並びに現地税法に基づくその他の税金を除く)。 なお、当社及び連結子会社は、翌連結会計年度において、確定給付型年金制度に58億円拠出する見込みです。 ④投融資と財務政策 当連結会計年度の基礎営業キャッシュ・フローは約9,960億円の獲得となり、これに資産リサイクルにより獲得した約5,370億円と併せて約1兆5,330億円のキャッシュ・インとなりました。一方、機能性食品素材を販売するNutrinova、次世代・機能推進セグメントにおけるアルティウスリンク、エビ養殖事業者であるエクアドルのIPSP等、投融資*1は約9,680億円となり、総額約3,770億円の株主還元を加味すると、株主還元後キャッシュ・フロー*2は約1,880億円の黒字となりました。前中期経営計画期間で強化したバランスシートの厚みも念頭に、引き続き、成長投資と株主還元、双方の向上を両立させます。なお、当連結会計年度のキャッシュ・フロー詳細については、後述の「⑥キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。*1 定期預金の増減を除外した投資キャッシュ・フローに一部非支配持分からの取得に伴う財務キャッシュ・フローを足したもの*2 運転資本及び定期預金の増減の影響を除外したフリー・キャッシュ・フロー 既存の債務からの再調達については、前述の「①資金調達の基本方針」、及び「②資金調達手段」をご参照ください。 ⑤資産及び負債並びに資本 (単位:億円)2024年3月末2023年3月末増減総資産168,995153,809+15,186 流動資産57,68156,748+933 非流動資産111,31497,061+14,253流動負債38,91537,666+1,249非流動負債52,38050,491+1,889親会社の所有者に帰属する持分合計75,41863,678+11,740 資産流動資産:(単位:億円)2024年3月末2023年3月末増減主な増減要因流動資産57,68156,748+933 現金及び現金同等物8,98213,901△4,919 営業債権及びその他の債権22,16721,912+255・売掛金+570(エネルギー、化学品、生活産業)取扱数量増加・貸付金△347、うちBAF*1△700その他の金融資産11,4017,730+3,671・(エネルギー、化学品)未収入金増加・(機械・インフラ、エネルギー、次世代・機能推進)デリバティブ債権増加・(コーポレート、エネルギー)差入証拠金増加棚卸資産9,6579,405+252・(生活産業、機械・インフラ、エネルギー) 棚卸資産増加・Komatsu Mining Corp. Peru子会社化+143前渡金3,6812,267+1,414・(機械・インフラ)取扱数量増加未収法人所得税494384110 その他の流動資産1,2981,149+149 *1 Bussan Auto Finance関連会社化 非流動資産:(単位:億円)2024年3月末2023年3月末増減主な増減要因非流動資産111,31497,061+14,253 持分法適用会社に対する投資48,70039,296+9,404・持分法による投資損益見合い+4,916・為替変動+4,535・Nutrinova+749・台湾洋上風力+701(YECL*1 子会社化等)・Industrial Pesquera Santa Priscila+542・アルティウスリンク*2 +466(投資実行+607と資金回収△141の純額)・Mit-Pacific InfrastructureHoldings*3 +324・RNG事業+288・海外不動産事業+239・FPSO事業(MV32)+232・FPSO事業(MV33)+198・Mitsui E&P Mozambique+185・Euricom+171・BAF*4 +143・Kasso MidCo+121・FPSO事業(MV34)+107・持分法適用会社からの受取配当△3,939・International Power(Australia)Holdings売却△173その他の投資23,19921,341+1,858・FVTOCI公正価値評価+872・為替変動+485・Alvotech転換社債取得+105営業債権及びその他の債権2,8663,200△334・BAF*4 △533その他の金融資産2,1082,080+28 有形固定資産24,01523,006+1,009・豪州鉄鉱石事業+461(うち、為替変動+412)・South Texas Vaquero+393(うち、為替変動+33)・石油・ガス生産事業+311(うち、為替変動+675)・Intercontinental Terminals Company+202・Mitsui Resources+145(うち、為替変動+103)・Mitta+104・Mitsui Rail Capital Europe△818・M&T Aviation保有航空機売却△269・LNG船減価償却△158投資不動産2,8232,825△2 無形資産4,5822,773+1,809・エームサービス子会社化+1,239・Komatsu Mining Corp. Peru子会社化+151繰延税金資産1,0811,052+29 その他の非流動資産1,9401,488+452・年金資産増加*1 Yushan Energy Co., Ltd.*2 りらいあコミュニケーションズ株式を追加取得後にKDDIエボルバと経営統合し、アルティウスリンクとして発足*3 Mit-Pacific Infrastructure Holdings経由でMetro Pacific Investments Corporationへ出資*4 Bussan Auto Finance関連会社化 2024年3月末及び2023年3月末における持分法適用会社に対する投資をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。(単位:億円)2024年3月末2023年3月末増減金属資源5,1384,674+464エネルギー6,5075,214+1,293機械・インフラ17,77114,059+3,712化学品3,2952,467+828鉄鋼製品3,5643,126+438生活産業8,8837,215+1,668次世代・機能推進3,5502,559+991その他/調整・消去△8△18+10連結合計48,70039,296+9,404 2024年3月末及び2023年3月末における有形固定資産をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。(単位:億円)2024年3月末2023年3月末増減金属資源5,7455,139+606エネルギー7,7877,175+612機械・インフラ1,8072,732△925化学品2,9562,558+398鉄鋼製品20099+101生活産業2,2902,126+164次世代・機能推進1,3501,332+18その他/調整・消去1,8801,845+35連結合計24,01523,006+1,009 2024年3月末及び2023年3月末におけるオペレーティング・リースに供されている有形固定資産の内訳については、連結財務諸表注記事項10.「リース」をご参照ください。 負債(単位:億円)2024年3月末2023年3月末増減主な増減要因流動負債38,91537,666+1,249 短期債務2,4404,322△1,882・借入及び返済の他にBAF*1 △2161年以内に返済予定の長期債務7,2318,110△879・1年超からの振替及び返済の他にBAF*1 △284営業債務及びその他の債務16,47015,104+1,366・買掛金の増加(主に売掛金の増加に対応)その他の金融負債7,3756,220+1,155・デリバティブ債務、未払金の増加未払法人所得税422493△71 前受金3,1882,349+839・前渡金の増加に対応引当金1,238590+648・石油・ガス生産事業+279その他の流動負債552478+74 非流動負債52,38050,491+1,889 長期債務(1年以内返済予定分を除く)38,09037,973+117・1年以内への振替及び借入の他にBAF*1 △438その他の金融負債3,4192,234+1,185・デリバティブ債務の増加退職給付に係る負債439370+69 引当金2,6163,105△489・石油・ガス生産事業△840繰延税金負債7,4586,483+975 その他の非流動負債357326+31 *1 Bussan Auto Finance関連会社化 資本(単位:億円)2024年3月末2023年3月末増減主な増減要因資本金3,4313,426+5 資本剰余金3,9193,819+100 利益剰余金55,51748,405+7,112 その他の資本の構成要素13,2388,690+4,548 (内訳) FVTOCIの金融資産2,6562,156+500 外貨換算調整勘定10,9046,385+4,519・米ドル+2,190(24/3 151.41←23/3 133.53円/USD)・豪ドル+1,096(24/3 98.61←23/3 89.69円/AUD)キャッシュ・フロー・ヘッジ△321149△470 自己株式△686△662△24・自己株式取得△1,393・自己株式消却+1,359親会社の所有者に帰属する持分合計75,41863,678+11,740 非支配持分2,2811,974+307 ⑥キャッシュ・フローの状況(単位:億円)当期前期増減営業活動によるキャッシュ・フロー8,64410,475△1,831投資活動によるキャッシュ・フロー△4,275△1,783△2,492フリー・キャッシュ・フロー4,3698,692△4,323財務活動によるキャッシュ・フロー△10,131△6,347△3,784現金及び現金同等物の為替相場変動の影響額843278+565現金及び現金同等物の増減△4,9192,623△7,542 営業活動によるキャッシュ・フロー(単位:億円)当期前期増減営業活動によるキャッシュ・フローa8,64410,475△1,831営業活動に係る資産・負債の増減b△2,054△2,235+181リース負債の返済による支出c△740△655△85基礎営業キャッシュ・フローa-b+c9,95812,055△2,097・営業活動に係る資産・負債(Working Capital)の増減によるキャッシュ・フローは2,054億円の資金支出、リース負債の返済は740億円の資金支出となり、これらを除いた基礎営業キャッシュ・フローは、9,958億円となりました。- 持分法適用会社からの配当金を含む配当金の受取額は5,508億円となり、前期の5,742億円から234億円減少- 減価償却費及び無形資産等償却費は2,936億円となり、前期の2,727億円から209億円増加 基礎営業キャッシュ・フローのオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。(単位:億円)当期前期増減金属資源4,0914,367△276エネルギー2,4784,196△1,718機械・インフラ1,7691,829△60化学品634895△261鉄鋼製品85180△95生活産業402311+91次世代・機能推進454466△12その他/調整・消去45△189+234連結合計9,95812,055△2,097 減価償却費及び無形資産等償却費のオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。(単位:億円)当期前期増減金属資源661587+74エネルギー926882+44機械・インフラ340348△8化学品329316+13鉄鋼製品2615+11生活産業301232+69次世代・機能推進175188△13その他/調整・消去178159+19連結合計2,9362,727+209 投資活動によるキャッシュ・フロー(単位:億円)当期前期当期の内訳投資活動によるキャッシュ・フロー△4,275△1,783 持分法適用会社に対する投資△3,061△1,034 取得△4,498△2,386・Nutrinova△749・アルティウスリンク*1 △604・Industrial Pesquera Santa Priscila △542・Mit-Pacific InfrastructureHoldings*2 △324・RNG事業△289・海外不動産事業△239・FPSO事業(MV32)△232・FPSO事業(MV33)△198・発電事業△192・Mitsui E&P Mozambique△185・Euricom△171・Kasso MidCo△121・FPSO事業(MV34)△107売却・回収1,4371,352・International Power (Australia)Holdings+259・Thorne HealthTech+240・RGF Staffing Delaware+190・アルティウスリンク投資一部回収+141その他の投資202339 取得△924△1,004・Komatsu Mining Corp. Peru・Alvotech転換社債取得△105売却・償還1,1261,343・Mitsui Rail Capital Europe・MyPower+249・Kaikias油田事業+174・海外不動産事業+114有形固定資産等△2,443△1,900 取得△2,948△2,280・石油・ガス生産事業△751・豪州鉄鉱石事業△438・Mitsui Resources△252・MyPower△213売却505380・M&T Aviation保有航空機+308投資不動産291484 取得△85△123 売却376607・米国不動産事業物件+166・Xingu Agri農地+109・日比谷フォートタワー一部売却貸付金の増加及び回収240△42・Gestamp North America貸付金回収+166定期預金の増減-純額30370 子会社またはその他の事業の取得△1,063-・エームサービス子会社化△588(取得対価△688、現預金+100)・South Texas Vaquero△368・物産アニマルヘルス*3 △107子会社またはその他の事業の売却1,529- *1 りらいあコミュニケーションズ株式を追加取得後にKDDIエボルバと経営統合し、アルティウスリンクとして発足*2 Mit-Pacific Infrastructure Holdings経由でMetro Pacific Investments Corporationへ出資*3 住友ファーマアニマルヘルスを取得後、2023年6月に名称を変更 当期及び前期における上述の投資活動によるキャッシュ・フローをオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。(単位:億円)当期前期金属資源△731△176エネルギー△1,674△1,104機械・インフラ1,068△899化学品△933△703鉄鋼製品△20△12生活産業△1,396379次世代・機能推進△523400その他/調整・消去△66332連結合計△4,275△1,783 財務活動によるキャッシュ・フロー(単位:億円)当期前期当期の内訳財務活動によるキャッシュ・フロー△10,131△6,347 短期債務の増減-純額△2,0321,687 長期債務の増加及び返済△3,438△2,176 (長期債務の増加)8,60810,412 (長期債務の返済)△12,046△12,588 リース負債の返済による支出△740△655 自己株式の取得及び売却△1,393△2,702・従業員向け株式報酬△192含む配当金支払による支出△2,424△1,981 非支配持分株主との取引△105△520 当期の資金調達状況については、前述の「②資金調達手段」をご参照ください。 (6)重要な判断を要する会計方針及び見積り 重要な判断を要する会計方針及び見積りとは、会社の財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす会計方針及び会計上の見積りであり、かつ本質的に不確実な事柄に関する経営者の重要な、或いは主観的な判断を反映させることを要するものです。重要性がある会計方針は、注記2.「連結財務諸表の作成基準並びに重要性がある会計方針の要約(5)重要性がある会計方針の要約」をご参照ください。 IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要となる場合がありますが、この前提条件の置き方などにより、連結財政状態計算書上の資産及び負債、連結損益計算書上の収益及び費用、または開示対象となる偶発債務などに重要な影響を及ぼすことがあります。 なお、ロシア・ウクライナ情勢及びそれに伴うロシアに対する制裁措置等による影響はグローバルに及び、当社が行うさまざまな事業分野に影響を及ぼす可能性がありますが、商品や事業内容、所在地域によってその影響範囲は異なるため、見積りにおいては個々の状況を鑑み判断しています。 以下の各項目は、その認識及び測定にあたり、経営者の重要な判断及び会計上の見積りを必要とするものです。 非金融資産及び持分法適用会社に対する投資の減損損失及び減損損失の戻入・前連結会計年度及び当連結会計年度における、有形固定資産、投資不動産、暖簾及び耐用年数を確定できない無形資産を除く無形資産の減損損失計上額は271億円及び665億円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額に重要性はありません。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における減価償却累計額及び減損損失累計額控除後の帳簿価額は2兆7,571億円及び2兆9,319億円です。・前連結会計年度及び当連結会計年度における、持分法適用会社に対する投資の減損損失計上額は43億円及び139億円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額は発生していません。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における持分法適用会社に対する投資の帳簿価額は3兆9,296億円及び4兆8,700億円です。・非金融資産の減損損失及び減損損失の戻入(持分法適用会社に対する投資を含む)は、当社の連結損益計算書上の当期利益に対し重要な影響を及ぼすことがあります。・減損損失は主に連結子会社における事業環境の悪化に伴う収益性の低下、事業内容見直し、及び持分法適用会社に対する投資の市場価格の下落などによるものです。・非金融資産の減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候があると判断された場合には、資産または資金生成単位の回収可能価額を算定し、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に、差額を減損損失として認識しています。・回収可能価額は処分費用控除後の公正価値と使用価値のうち、いずれか高い金額としています。・公正価値は市場性のある持分法適用会社に対する投資の場合は市場価格を、それ以外の場合は独立の第三者による評価結果を使用するなど、市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積り算定しています。・使用価値の算定に使用される将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された経営計画や、それが入手できない場合は直近の非金融資産の状況を反映した操業計画に基づいて見積っています。この将来キャッシュ・フローの見積り方法として、以下の例があげられます。- 不動産について、直近の近隣不動産売却価額や賃料が合理的な期間継続するという前提を置く。- 工場設備にて製造している製品の将来にわたる一定期間の販売価格を、過去における同期間の平均値やアナリストの分析資料等を勘案して見積る。- 石炭・原油等の資源事業に関わる開発設備及び鉱業権について、直近の確認埋蔵量等に基づく生産計画に沿って当該資産を使用して生産され、減損判定時点における先物価格を基にした価格、第三者による予想価格、もしくは長期販売契約上の販売価格で売却される前提を置く。- 顧客関係について、将来の一定期間の収益につき、過去における収益への貢献度、解約率、及びアナリストの市況予想等を勘案して見積る。・使用価値の計算においては、割引率は、資金生成単位の固有のリスクを反映した市場平均と考えられる収益率を合理的に反映する率を使用しています。・非金融資産は、その性質や、所在地、所有者、操業者、収益性等の操業環境が異なるため、将来キャッシュ・フローの想定や、割引率の算定において考慮すべき各種の要因は、個別の非金融資産ごとに異なります。・過年度に認識した減損損失が、もはや存在しない又は減少している可能性を示す兆候の有無に関して、期末日に判定を行っています。こうした兆候が存在する場合、当社及び連結子会社は資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、最後に減損損失が認識されて以降、資産の回収可能価額の決定に用いた仮定に変更がある場合にのみ、過去に認識した減損損失を連結損益計算書上の利益として戻入れています。 暖簾の減損・前連結会計年度及び当連結会計年度における暖簾減損損失計上額は4億円及び10億円です。また、対応する前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は875億円及び1,887億円です。・暖簾は、企業結合のシナジーから便益を享受できると期待される資金生成単位または資金生成単位グループに配分し、年一回及び減損の兆候を示す事象が発生した時点で、減損テストを実施しています。・減損テストでは、暖簾及び暖簾を配分した資金生成単位または資金生成単位グループの帳簿価額合計を回収可能価額と比較し、帳簿価額合計が回収可能価額を上回る場合に、その差額を減損損失として認識します。回収可能価額の見積りは、非金融資産の減損と同様の見積り方法を用いています。 公正価値で測定する市場性ない資本性金融資産・公正価値で測定する市場性ない資本性金融資産については、主に評価差額をその他の包括利益に認識することを選択しています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、市場性ないFVTOCIの金融資産の公正価値はそれぞれ6,343億円及び7,111億円です。・市場性ないFVTOCIの金融資産については、主に割引キャッシュ・フロー法、類似企業比較法またはその他の適切な評価方法を用いて評価しており、経営者が金額的重要性が高いと判断する場合には、外部の評価専門家の評価を利用しています。・重要な観察不能なインプットである原油価格の見積りについては、注記26.「公正価値測定(3)定期的に公正価値で測定される資産及び負債に係る開示」をご参照ください。・また、割引キャッシュ・フロー法に使用される将来キャッシュ・フローは、非金融資産及び持分法に対する投資の減損と同様に、経営者により承認された経営計画などに基づいて見積っています。これらの見積りや仮定は、当社の連結包括利益計算書上のその他の包括利益に重要な影響を及ぼすことがあります。 繰延税金資産の回収可能性・繰延税金資産の回収可能性の判断の変更に伴う繰延税金資産の減額は、当社の連結損益計算書上の当期利益及び連結包括利益計算書上のその他の包括利益に重要性がある影響を及ぼすことがあります。・経営者は、有税償却に関する無税化の実現可能性や当社及び子会社の課税所得の予想など、現状入手可能な全ての将来情報を用いて、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。当社は、回収可能と見込めないと判断した部分を除いて繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積りの変更や、法定税率の変更などにより、回収可能額が変動する可能性があります。 石油・ガス産出活動及び鉱物採掘活動における埋蔵量の見積り・埋蔵量は、当社及び連結子会社が保有している権益に対応した経済的かつ法的に採掘可能な生産物として見積られた量です。埋蔵量を算出するための見積り及び前提は以下の地質学的、技術的、経済的要因によって左右されます。- 地質学的要因:鉱物の分量、品位等- 技術的要因:生産技術、回収率、生産費用、輸送費用等- 経済的要因:生産物の需要、価格、為替レート等・埋蔵量の見積りに使用される経済的な前提は毎期変動し、かつ一連の生産活動の中で地質データの更新が行われることにより埋蔵量の見積り額は毎期変動することになります。報告された埋蔵量の変動は、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に対して各種の影響を及ぼします。具体的には、- 埋蔵量の変更に伴う将来キャッシュ・フローの見積りの変動により保有資産が減損する可能性があります。- 生産高比例法の分母の変動または経済的耐用年数の変動に伴い、連結損益計算書上の当該事業に係る減価償却費が変動する可能性があります。- 埋蔵量の見積りの変更が生産設備の廃棄や、原状回復義務、環境関係の資産除去債務の引当金の発生時期及び債務金額の増減に影響を与える可能性があります。 確定給付費用及び確定給付制度債務・従業員の確定給付費用及び確定給付制度債務は、割引率などの年金数理計算上の基礎率に基づき見積られています。IFRSでは、実績と見積りとの差はその他の包括利益として認識後、即時に利益剰余金に振替えられるため、包括利益及び利益剰余金に影響を及ぼします。経営者は、この数理計算上の仮定を適切であると考えていますが、実績との差異や仮定の変動は将来の確定給付費用及び確定給付制度債務に影響します。・当社及び連結子会社の割引率は、各年度の測定日における高格付けの固定利付社債の利回りに基づき決定しています。各測定日に決定した割引率は、測定日現在の確定給付制度債務及び翌年度の純期間費用を計算するために使用されます。・確定給付費用及び確定給付制度債務に関する見積りや前提条件については連結財務諸表注記事項19.「従業員給付」をご参照ください。 気候変動による影響・当社及び連結子会社において、気候変動の影響を受け、関連する資産・負債に金額的重要性があるのはエネルギーセグメントの事業であり、将来の状況が重要性のある影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度末における会計上の重要性がある見積り及び判断については以下のとおりです。・エネルギーセグメントは、主に石油・ガス開発事業及びLNG事業から構成され、これらの事業は今後、低・脱炭素化の世界的潮流が強まる中で、将来的な制約・規制強化により石油・ガス及びLNGの需要が低下する場合は、既存案件から有形固定資産の減損、持分法適用会社に対する投資の減額、及びその他の投資の公正価値の低下等が生じる可能性があります。これらの評価は主に油価の影響を受け、同前提は、市況水準や複数の第三者機関の公表する中長期見通しを考慮して策定しています。第三者機関のうち、IEAの公表するシナリオについては、STEPS(Stated Policies Scenario)に重点を置いていますが、その他のシナリオも参考にしています。・当連結会計年度末の連結財政状態計算書に計上したエネルギーセグメントにおける主要な資産及び負債の金額は以下のとおりです。有形固定資産778,685百万円持分法適用会社に対する投資650,685百万円その他の投資272,963百万円引当金(非流動)142,032百万円 ・なお、連結財務諸表における会計上の見積りは、各事業における固有の状況等を総合的に勘案して行っており、気候変動に関連するシナリオ分析のみによって資産及び負債の測定が決定されるものではありません。 |
※本記事は「三井物産株式会社」の令和6年3月期 有価証券報告書を参考に作成しています。
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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