会社名 | 伊藤忠商事株式会社 |
業種 | 卸売業 |
従業員数 | 連115089名 単4114名 |
従業員平均年齢 | 42.2歳 |
従業員平均勤続年数 | 18年 |
平均年収 | 18045578円 |
1株当たりの純資産 | 1233.02円 |
1株当たりの純利益(連結) | 615.65円 |
決算時期 | 3月 |
配当金 | 200円 |
配当性向 | 64.1% |
株価収益率(PER) | 22.13倍 |
自己資本利益率(ROE)(単体) | 25.47% |
営業活動によるCF | 9972億円 |
投資活動によるCF | ▲5162億円 |
財務活動によるCF | ▲5249億円 |
研究開発費※1 | -円 |
設備投資額※1 | -円 |
販売費および一般管理費※1 | 793.98億円 |
株主資本比率※2 | 33.1% |
有利子負債残高(連結)※3※4 | 0円 |
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 来期の世界経済を展望しますと、日本経済は、米国の輸入関税引上げによる輸出の停滞が予想されるものの、賃金上昇ペースの加速やインフレ率の低下により個人消費の再拡大が見込まれる他、人手不足に対応した設備投資の拡大も期待できることから、景気は底堅く推移する見込みです。米国では、輸入関税の引上げに伴う物価上昇圧力の強まりや、消費者向けローン金利の上昇等を背景に個人消費が減速し、住宅投資も長期金利の高止まりから低迷が続く見通しです。欧州では、米国の輸入関税引上げによって輸出が低迷し、景気回復の遅れが懸念されます。中国でも、政府の積極的な財政政策や金融緩和の継続によって景気の大幅な落込みは回避する見込みですが、不動産市場の低迷が続くことに加え、米国の中国に対する追加関税によって輸出が伸悩むとみられることから、景気の減速が続くと予想されます。ドル・円相場は、日本の長期金利の緩やかな上昇が続くもとで、140円台で推移する見通しです。原油価格(WTIベース/1バレルあたり)は、中東情勢の緊迫化に伴う供給不安はあるものの、世界景気の減速により需要も力強さを欠き、概ね60ドル台で推移すると予想されます。 ・経営方針「The Brand-new Deal ~利は川下にあり~」 当社は、従来の中期経営計画に代えて、長期にわたって羅針盤とすべき経営方針「The Brand-new Deal」を定めました。そのうえで、目の前の1年間しっかりと自信を持って約束できる利益計画・財務関連指標や株主還元を公表しております。全社員が「利は川下にあり」の考えに基づいてマーケティング力を磨き、世の中のニーズの変化を先取りするとともに、祖業である川下分野から川上・川中まで幅広い分野で培った資産・ノウハウを活用し、成長投資を加速させることで事業領域を拡大してまいります。投資を通じた着実な収益成長に加え、企業ブランド価値の向上、株主還元拡大の3本柱で、企業価値の持続的な向上を目指します。 <投資なくして成長なし>「業績の向上」に向け、安定した事業基盤を活用した川下起点の投資を加速、事業領域の拡大及び事業基盤の強化・拡充により更なる成長を目指します。以下を実現することで、より消費者に近い川下ビジネスを開拓・進化させていきます。・ディビジョンカンパニー間の横連携によるシナジー極大化・事業の掛け合わせによるビジネス変革・創出 <企業ブランド価値の向上>積重ねてきた先進的な取組により、外部からの高い評価を通じて「企業ブランド」を築き上げ、財務面の成長との相乗効果を生み、企業価値を向上。「マーケットインの発想」のもと、市場・社会・生活者の声に耳を傾け地道な定性面の磨きを継続し、以下の主要施策を通じて、ブランド価値の更なる向上を目指します。・人的資本の強化・ステークホルダーとの対話強化・SDGsへの貢献・取組強化 |
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要、これらに関する経営者の視点による認識及び分析・検討結果は、次のとおりです。 (1)経済環境 当連結会計年度における世界経済は、年末にかけて回復基調で推移したものの、年明け以降は回復が足踏み状態となりました。日本では、再び物価上昇圧力が強まったことで個人消費の回復ペースが鈍化し、設備投資の回復にも陰りが見られました。米国では、輸入関税強化への懸念から企業活動が混乱し、景気拡大を牽引してきた個人消費も減速しました。欧州でも、生産活動は下げ止まったものの、個人消費が伸悩みました。一方、中国では不動産市場の低迷が続きましたが、政府の経済対策によって景気悪化に歯止めがかかりました。 ドル・円相場は、期初の151円台から7月にかけて161円台まで円安が進んだ後、財務省・日銀の為替介入や、日本及び米国における金融政策の変更に伴う金利差縮小から円高に転じ、9月には一時139円台となりました。その後、米国におけるインフレ懸念の強まりから米国長期金利が上昇し、年末に158円台となりましたが、年明け以降は日銀の早期利上げ観測を背景に日本の長期金利が上昇したことから円高が進み、期末に149円台となりました。日経平均株価は、日本での利上げに伴う円高進行や米国株価の下落を反映して、期初の40,000円台から8月上旬には一時31,000円台まで下落しました。その後は米国での利下げ等を背景とした米国株価の上昇に伴い、年末には39,000円台まで回復しましたが、年明け以降は円高進行や世界景気の減速懸念から、期末には35,000円台まで下落しました。10年物国債利回りは、期初の0.74%から7月にかけて1.1%台まで上昇した後、8月には日経平均株価の下落等もあり一時0.7%台まで低下したものの、9月以降は米国長期金利の上昇や日銀の早期利上げ観測を背景に再び上昇し、期末は1.49%となりました。原油価格(WTIベース/1バレルあたり)は総じて軟調に推移し、主要産油国の増産計画や、中国の景気低迷に伴う原油需要の減少等を背景に、期初の83ドル台から期末には71ドル台まで下落しました。 (2)定性的成果 当社グループは、長期にわたって羅針盤としている経営方針「The Brand-new Deal ?利は川下にあり?」のもとで、業績の向上、企業ブランド価値の向上、株主還元を3つの柱として定め、企業価値の持続的向上を目指しています。2024年度の具体的成果は、次のとおりです。 ① 繊維カンパニー(株)デサントの企業価値最大化 当社は、2024年10月より(株)デサントに対する公開買付を実施し、2025年1月に完全子会社化しました。 前回、2019年の公開買付後、徹底した低重心化、返品や値引きの抑制とブランド価値の再構築、合弁パートナーである安踏体育用品有限公司との提携による中国市場の開拓等の大胆な経営改革により、公開買付直前の2018年度は連結純利益39億円であったものが、2020年度から5年連続の増益を実現、直近2024年度では史上最高益となる130億円を達成し、3倍を超える躍進を成し遂げました。今回の完全子会社化により、経営への関与を更に高め、当社の持つブランド経営ノウハウを余すことなく活用し、シナジーを最大化する体制を整えました。 今後は、直営事業の強化、魅力的な商品開発、日本・韓国・中国での最適なマーケティング活動等により、(株)デサントの企業価値最大化を実現するとともに、カンパニーの重点分野であるスポーツ関連ビジネスを更に拡大していきます。 「レスポートサック」事業の日本市場におけるビジネス拡大 当社は、20?30代女性を中心に絶大な支持を集めるブランド・ショップを多数運営する(株)マッシュホールディングスと共同で、米国ライフスタイルブランド「レスポートサック(LeSportsac)」の日本市場における販売を担う(株)レスポートサックジャパンの株式を2024年9月に取得しました。 マッシュグループと当社の共同経営体制となることで、安定した経営基盤のもと、同社の強みである商品企画力や強固な顧客基盤、集客力の高い駅ビル・ファッションビル等の豊富な販路を活用することができ、更に、当社が長年にわたりブランドビジネスにおいて培ってきた経験・ノウハウとの相乗効果により、「レスポートサック」事業の更なる成長を実現します。 ② 機械カンパニーカワサキモータース(株)に出資 成長戦略実現を支援 当社は、2024年11月に川崎重工業(株)の子会社であるカワサキモータース(株)と資本業務提携契約を締結し、2025年4月に第三者割当増資にて同社株式の20%を取得するとともに、米国にてユーザー向けファイナンス事業を目的とした合弁会社を設立しました。 カワサキモータース(株)の成長戦略の実現に向けて、世界最大のパワースポーツ(※)市場である米国市場において自らファイナンスを提供することで、高い市場シェアを持つ二輪車のみならず、オフロード四輪車やジェットスキー等の拡販を支援していきます。 更に、当社の自動車ビジネスで培ってきた深い知見や海外拠点の活用等を通じ、グローバル市場においても広範な業務提携を推進します。 ※ 二輪車やオフロード四輪車、ジェットスキー等のアウトドアアクティビティ用のエンジン・モーターが 搭載された車両 セルビア、ドバイでの廃棄物処理発電 商業運転開始 当社がセルビア共和国、ドバイ首長国で推進する大型廃棄物処理発電プロジェクトが、それぞれ2024年7月、8月に建設を完了し、商業運転を開始しました。 セルビア、ドバイともに同国初となる廃棄物処理・発電設備を導入することで、セルビアはベオグラード市の約7割に相当する年間34万トンの廃棄物、ドバイは首長国の約半分に相当する年間190万トンの廃棄物を処理しながら、焼却時の熱を用いたクリーン電力の供給も開始しています。 今後も、各国の環境・社会問題の解決に向けて、事業を通じて貢献していきます。 ③ 金属カンパニー脱炭素化に貢献するブラジル鉄鉱石事業へ追加投資 当社は、ブラジル鉄鋼大手Companhia Siderurgica Nacionalとともに参画している、操業中のブラジル鉄鉱石生産・販売大手CSN Mineracao S.A.(以下、「CM社」という。)の権益を追加で取得しました。 CM社の鉄鉱石事業では、世界でも有数の大規模鉄鉱山を礎に、鉄道・港湾・選鉱設備等の重要インフラをすべて備えた一貫操業体制を構築しており、高効率かつコスト競争力の高い生産が可能なうえ、鉄鋼業界の脱炭素化に貢献する高品位鉄鉱石を大規模に生産できるという特徴を持つ希少な鉄鉱山を運営しています。 当社は、CM社との協業関係を深化し、安定した高品位鉄鉱石の供給体制を強化することで、UAEの鉄鋼最大手EMSTEEL Building Materials PJSCとともに推進中の低炭素還元鉄サプライチェーン構築の一翼を担います。今後も、優良な鉄鉱石資源を確保し、安定供給体制を強化するとともに、パートナー企業と連携して鉄鋼業の脱炭素化に貢献していきます。 ④ エネルギー・化学品カンパニータキロンシーアイ(株)を100%子会社化 経営資源を積極投入 当社は、2024年8月よりタキロンシーアイ(株)に対する公開買付を実施し、2024年10月に完全子会社化しました。 同社は創立から106年目を迎える総合樹脂加工のリーディングカンパニーであり、農業用フィルムに加え、半導体設備装置向けプレートや集合住宅の改修に使用される防滑性床材でも高いシェアを誇る等、優れた技術力で付加価値の高い製品を提供しています。 この度の完全子会社化により、これまで以上に当社グループの経営資源を積極的に投入できる体制を構築できたことから、日々変化するマーケットのニーズに機敏に反応し、同社製品の海外展開強化や流通・販売改革の推進、M&Aによる業界再編、原料調達先の多様化等の成長戦略を着実に実行し、タキロンシーアイ(株)の更なる収益力の向上と当社グループの収益の最大化を図っていきます。 医薬品原薬や健康食品に強みを持つ米国メイプロ社への出資 当社は、当社子会社の伊藤忠ケミカルフロンティア(株)を通じて、Maypro Group LLC(以下、「メイプロ社」という。)に25%出資しました。メイプロ社は1977年に米国で設立され、科学的裏付けのある健康食品素材の供給と最終製品の製造販売事業を米国・日本・中国等で展開しており、長年の経験により培われた素材の選定能力と、消費者ニーズを的確に捉えた商品企画力等を強みとしています。 当社及び伊藤忠ケミカルフロンティア(株)は、医薬品原薬の供給や健康食品・同原料の販売をはじめとするライフサイエンス分野に注力しており、メイプロ社が米国市場で培ったノウハウと当社グループが持つ世界各国のネットワークを組合わせることで、同分野における更なる事業拡大を進めていきます。 ⑤ 食料カンパニーエチオピアのコーヒー生産地における次世代育成支援 当社は、特徴的な香りを有し「モカ」の愛称で根強い人気のあるコーヒー生産地・エチオピアに対して、(株)ファミリーマートとともに「FAMIMA CAFE」の「モカブレンド」「アイスモカブレンド」の販売数に応じて、エチオピアの教育環境改善に役立てられる寄付を実施しました。在エチオピア日本大使館と協力し、現地の中・高等学校へのトイレ建設やコーヒーの歴史・文化を継承していくための教材等の購入に充当されました。 コーヒー生産地では、気候変動や病害・虫害等による生産量の低下、経済的苦境による生産者減少等を背景としたコーヒー2050年問題(※)を抱えています。当社は、コーヒー豆の調達において、SDGsへの貢献・取組強化を掲げており、本取組を通じて、エチオピアの教育及び衛生環境の向上に貢献するとともに、コーヒー2050年問題への対応を強化し、持続可能なコーヒー豆の調達・供給を目指します。 ※ コーヒーの2大品種の一つであるアラビカ種コーヒー豆の生産が現在の50%にまで減少するのに対し、 需要は堅調に増加し供給不足に陥る懸念 wellbeans「ノンバターホワイト」で「新しいおいしさ」を追求 wellbeansは、「マーケットインの発想」をもとに、2022年に立上げたプラントベース食品ブランドで、動物性原材料を使用せず、環境負荷の低い豆類の植物性素材を主原料としています。 2024年末に販売を開始した「ノンバターホワイト」は、不二製油(株)が保有する世界初の特許製法である「USS製法」から生まれた豆乳をベースに、消費者の健康志向と環境への配慮に応える商品として開発された、コクと旨味を併せ持つ低コレステロールの新しい植物性バターです。 ブランドメッセージ「好きなものこそ、wellbeans」「Change Foods, Change Future.」のもと、「おいしさ」「素材」「健康」「環境」の4つに徹底的にこだわった製品によりサステナブルな選択肢を提供しつつ、消費者の生活により密接に関わる川下ビジネスをグループ会社である不二製油(株)とともに進化させていきます。 今後も、地球や消費者の健康に優しい「新しいおいしさ」を追求し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 ⑥ 住生活カンパニー(株)WECARS発足 業界リーダーを目指す取組 当社は、2024年5月に(株)WECARSを発足し、旧(株)ビッグモーターの中古車売買・整備事業を承継しました。(株)WECARSでは「お客様第一」のコンセプトのもと、お客様と社会に誠実に向き合い、お客様から信頼され、魅力的に思っていただける会社となることを目標に掲げています。経営層から現場に至るまで人材を投入し、コンプライアンスを最重視した強固なガバナンス体制を構築し、業界の信頼回復、お客様への安心感の提供といった社会課題の解決に取組んでいます。 約250店舗のネットワーク、業界最高水準の整備工場、板金塗装工場に加えて、当社グループの総合力を活用し、中古車業界をリードしていく企業となることを目指します。 京都アリーナ(仮称)整備・運営等事業への参画 当社は、2025年3月に京都府と京都アリーナ(仮称)整備・運営等事業に係る事業契約書を締結、スポーツ・文化いずれのイベントにも対応し、災害時には避難所として機能するアリーナの整備事業に参画しました。本件は、宮城県柴田町における総合体育館整備事業(2022年)、三重県桑名市におけるプール整備事業(2024年)に次ぐ、3件目の官民連携事業となります。 昨今、社会課題となっている公共施設の老朽化や災害問題に焦点を当て、「公共施設で地域を守る」をコンセプトとして掲げ、今後も、地方創生や地域活性化、防災力向上に向け、公共施設整備事業をより一層推進していきます。 ⑦ 情報・金融カンパニー「おぱんちゅうさぎ」のアジア展開 当社は、人気キャラクター「おぱんちゅうさぎ」の日本と韓国を除くアジア地域での独占的な商品化に関する権利を取得しました。アジア太平洋地域では、アニメやキャラクターのライセンス市場が急成長しており、特にSNS発のキャラクターが若者に熱狂的に支持されています。「おぱんちゅうさぎ」は可愛らしいデザインとユニークなキャラクター設定が特徴で、2024年の10代女子の人気キャラクターランキングで1位を獲得しています。 当社は、2021年にRights & Brands Asia Ltd.を香港に設立し、アジア市場でのライセンス事業を推進してきました。今後、当社のグローバルネットワークを活かして、ライセンシー企業を通じた商品企画拡充、大手小売での展開拡大等により、「おぱんちゅうさぎ」のブランド力を更に高め、アニメ・キャラクターの世界展開を推進していきます。 測量最大手(株)パスコへ出資 社会課題の解決に向けた取組 当社とセコム(株)は、共同TOBにより測量最大手(株)パスコを非公開化しました。(株)パスコが提供する地理空間情報は深刻化する災害や環境問題への対策において活用の重要性が増しています。同社が公共事業で長年培った高度な測量技術と地理空間情報を用いた独自ソリューションを、当社の広範なネットワークを介して、インフラ・小売・不動産・物流等の民間企業へ展開し、社会課題をともに解決していきます。更に、伊藤忠テクノソリューションズ(株)をはじめとする当社グループ企業が、データ分析・AI活用・システム構築等のIT・デジタル機能を提供することで、同社のビジネス基盤を強化していきます。 当社は、同社とともに、最新のIT・デジタル技術活用や異業種間でのデータ利活用を推進し、社会課題の解決に取組んでいきます。 ⑧ 第8カンパニー大谷翔平氏を起用した(株)ファミリーマートのおむすびキャンペーンの展開 (株)ファミリーマートでは、2025年3月から大谷翔平氏を「おむすびアンバサダー」に迎え、一層のおいしさを追求したおむすびの魅力をアピールいただいています。このような話題性のあるキャンペーン等の展開によって、「ファミリーマートに行く理由」を作るマーケティングを強化しています。「もっと美味しく」「たのしいオトク」等、5つのキーワードを掲げ、継続した商品力強化とともに、2024年度は「スイーツのファミマ」を打出し、「ファミマがチョコだらけ!」や「ファミリ?にゃ?ト大作戦!」といったキャンペーンを展開しました。2025年3月末まで既存店日商(1店舗・1日あたりの売上高)は43ヵ月連続前年越えと、お客様より強力なご支持をいただいています。 引続き「あなたと、コンビに、ファミリーマート」を追求し、「また来たい」と思っていただけるお店づくりに尽力していきます。 (3)業績の状況 当連結会計年度の業績の状況は次のとおりです。(+):増益、(△):減益〔単位:億円〕前連結会計年度当連結会計年度増減額主な増減理由収益140,299147,242+ 6,943(+)食料、住生活、情報・金融、繊維売上総利益22,32423,765+ 1,441(+)住生活、繊維、情報・金融、食料販売費及び一般管理費△ 15,217△ 16,784△ 1,566(△)当第3四半期連結会計期間における(株)デサント及び前第3四半期連結会計期間における大建工業(株)の子会社化(△)人件費の増加及び円安に伴う経費の増加貸倒損失△ 77△ 142△ 64(△)一般債権に対する貸倒引当金の増加有価証券損益348832+ 484(+)(株)デサントの子会社化に伴う再評価益(+)海外事業の一部売却に伴う利益(△)前連結会計年度のリチウムイオン電池事業の再評価に係る利益の反動固定資産に係る損益△ 61△ 148△ 87(△)北米合成樹脂関連事業での減損損失その他の損益132285+ 154(+)為替損益の増加等金利収支(受取・支払利息合計)△ 465△ 535△ 70(△)金利上昇及び借入金の増加に伴う支払利息の増加受取配当金811784△ 26(△)投資先からの配当金の減少持分法による投資損益3,1633,493+ 330(+)第8、その他及び修正消去(△)金属、機械税引前利益10,95711,551+ 594 法人所得税費用△ 2,438△ 2,220+ 217税引前利益が以下の要因にて増加(+)(株)デサントの子会社化に伴う再評価益(+)持分法による投資損益当期純利益8,5199,330+ 811 当社株主に帰属する当期純利益8,0188,803+ 785 (参考)営業利益7,0296,839△ 190(△)金属、その他及び修正消去(+)情報・金融、食料 (4)セグメント別業績 当連結会計年度の、事業セグメント別の「当社株主に帰属する当期純利益」は次のとおりです。当社は8つのディビジョンカンパニーにより以下の区分にて、事業セグメント別業績を記載しております。 (+):増益、(△):減益〔単位:億円〕前連結会計年度当連結会計年度増減額主な増減理由繊維270738+ 468(+)(株)デサントの子会社化に伴う再評価益(+)アパレル関連事業:海外スポーツ分野を中心に堅調(△)(株)ドームに係る減損損失機械1,3161,365+ 49(+)航空関連事業:販売堅調(+)船舶関連事業:売船隻数増加(+)豪州インフラ事業の一部売却に伴う利益(+)I-ENVIRONMENT INVESTMENTS LIMITEDでの廃棄物処理発電事業売却に伴う利益(+)北米建機関連事業での固定資産売却に伴う利益(△)北米電力関連事業:前連結会計年度の猛暑による電力価格高騰の反動に伴う持分法投資損益の減少(△)北米建機関連事業:販売数量減少金属2,2611,784△ 477(△)鉄鉱石・石炭価格下落(△)原料炭関連事業:操業不調(△)伊藤忠丸紅鉄鋼(株):鋼材・鋼管市況下落(+)CSN Mineracao S.A.:持分法適用開始エネルギー・化学品917786△ 131(△)前連結会計年度におけるリチウムイオン電池事業の再評価に係る利益等の反動(△)エネルギー取引・ITOCHU Oil Exploration (Azerbaijan) Inc.・電力取引:採算悪化(△)前連結会計年度における伊藤忠エネクス(株)での固定資産売却に伴う利益の反動(+)化学品関連事業:タキロンシーアイ(株)の採算改善及び伊藤忠ケミカルフロンティア(株)の取引増加等(+)伊藤忠エネクス(株):LPG・電力事業の採算改善等食料663851+ 188(+)HYLIFE GROUP HOLDINGS LTD.:販売好調及び採算改善に伴う好転(+)海外事業の一部売却に伴う利益(+)(株)日本アクセス・伊藤忠食品(株):取扱数量増加による取引拡大(+)食糧関連取引:取扱数量増加及び採算改善(+)前連結会計年度における一過性損益の反動(△)Dole:パイン生産数量減少(△)北米穀物関連事業:前連結会計年度好調の反動住生活662697+ 35(+)海外事業の一部売却に伴う利益(+)インドネシア天然ゴム加工事業:販売数量増加及び販売価格上昇(+)European Tyre Enterprise Limited 〔+〕販売価格上昇及び店舗資産保有形態変更に伴う利益 〔△〕インフレに伴う経費増加等(+)大建工業(株) 〔+〕前第3四半期連結会計期間における子会社化 〔△〕固定資産に係る減損損失(+)伊藤忠都市開発(株):賃貸住宅開発案件の売却増加等(△)北米建材関連:エクステリア建材事業の採算悪化情報・金融678832+ 155(+)伊藤忠テクノソリューションズ(株):取引好調及び取込比率上昇(+)前連結会計年度における(株)オリエントコーポレーションに係る減損損失等一過性損益の反動(△)携帯関連事業:利益率悪化に伴う取込利益減少(△)海外リテール金融関連事業:貸倒関連費用の増加第8358651+ 293(+)(株)ファミリーマート 〔+〕商品力・販促強化による日商増加、広告・メディア事業の取引拡大 〔+〕中国事業再編に伴う利益 〔△〕外部環境変化・今後の事業基盤強化に向けたデジタル施策実行に伴う各種コスト増加 〔△〕前連結会計年度における国内事業の連結除外の反動その他及び修正消去8941,099+ 205(+)C.P. Pokphand Co. Ltd.:豚肉市況の回復、飼料コスト減少による採算改善(+)CITIC Limited 〔+〕総合金融分野:堅調 〔+〕円安影響 〔+〕Orchid Alliance Holdings Limitedでの支払利息の減少 〔△〕鉄鉱石事業・鉄鋼関連事業:不調 (5)主な子会社及び持分法適用会社の業績 ① 黒字・赤字会社損益及び黒字会社比率 黒字・赤字会社損益 (単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度増減 黒字会社赤字会社合計黒字会社赤字会社合計黒字会社赤字会社合計事業会社損益(海外現地法人含む)7,715△3147,4018,119△2017,918404113518 黒字会社比率 前連結会計年度当連結会計年度増減 黒字会社赤字会社合計黒字会社赤字会社合計黒字会社赤字会社合計連結子会社会社数1771319016916185△83△5比率(%)93.26.8100.091.48.6100.0△1.81.8 持分法適用会社会社数65873726787△25比率(%)89.011.0100.092.37.7100.03.3△3.3 合計会社数2422126324122263△110比率(%)92.08.0100.091.68.4100.0△0.40.4 (注)会社数には、親会社の一部と考えられる投資会社(197社)及び当社もしくは当社の海外現地法人が直接投資している会社を除くその他の会社(504社)を含めておりません。 当連結会計年度の事業会社損益は、前連結会計年度比518億円増加の7,918億円の利益となりました。黒字会社損益は、鉄鉱石価格及び石炭価格の下落によるITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltdの減益はあったものの、日商増加や中国事業再編に伴う利益等による(株)ファミリーマートの増益、総合金融分野の堅調な推移や円安の影響等によるCITIC Limitedの取込損益増加及び支払利息の減少によるOrchid Alliance Holdings Limitedの増益に加え、取引好調及び取込比率上昇による伊藤忠テクノソリューションズ(株)の増益等により、前連結会計年度比404億円増加の8,119億円の利益となりました。また、赤字会社損益は、前連結会計年度の(株)オリエントコーポレーションに係る減損損失の反動等により、前連結会計年度比113億円改善の201億円の損失となりました。黒字会社比率(連結対象会社数に占める黒字会社数の比率)については、前連結会計年度の92.0%から0.4ポイント低下の91.6%となりました。 ② 主な関係会社損益 (単位:億円) 取込比率(%)取込損益(注)1 前連結会計年度当連結会計年度繊維㈱ジョイックスコーポレーション100.0813㈱レリアン100.093㈱デサント (注)2100.05370㈱ドーム69.74△34㈱エドウイン100.064㈱三景100.01216ITOCHU Textile Prominent (ASIA) Ltd.100.0919伊藤忠繊維貿易(中国)有限公司100.02119機械東京センチュリー㈱30.0234231I-ENVIRONMENT INVESTMENTS LIMITED100.02340伊藤忠プランテック㈱100.01717㈱ジャムコ (注)333.4612日本エアロスペース㈱100.02333㈱ヤナセ90.5128131シトラスインベストメント合同会社 (注)4100.09886伊藤忠マシンテクノス㈱100.01720金属ITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltd100.01,6691,273CSN Mineracao S.A. (注)518.184169伊藤忠丸紅鉄鋼㈱50.0401257伊藤忠メタルズ㈱100.02631エネルギー・化学品ITOCHU Oil Exploration (Azerbaijan) Inc.100.07251ITOCHU PETROLEUM CO., (SINGAPORE) PTE. LTD.100.0414伊藤忠エネクス㈱55.67494日本南サハ石油㈱33.3717タキロンシーアイ㈱100.02541伊藤忠ケミカルフロンティア㈱100.08291伊藤忠プラスチックス㈱100.05551食料不二製油グループ本社㈱ (注)643.97△19ウェルネオシュガー㈱37.42121伊藤忠飼料㈱100.01618Dole International Holdings㈱100.015△14プリマハム㈱48.73122HYLIFE GROUP HOLDINGS LTD.49.9△3930㈱日本アクセス100.0210238伊藤忠食品㈱52.53443 (単位:億円) 取込比率(%)取込損益(注)1 前連結会計年度当連結会計年度住生活European Tyre Enterprise Limited100.05570ITOCHU FIBRE LIMITED100.0△31△15伊藤忠ロジスティクス㈱100.06156伊藤忠紙パルプ㈱100.02330伊藤忠セラテック㈱100.086伊藤忠都市開発㈱100.04657大建工業㈱100.05266伊藤忠建材㈱100.04038伊藤忠アーバンコミュニティ㈱100.01617情報・金融伊藤忠テクノソリューションズ㈱ (注)7100.0376505㈱ベルシステム24ホールディングス40.72020伊藤忠・フジ・パートナーズ㈱63.02627エイツーヘルスケア㈱100.02017ほけんの窓口グループ㈱92.04649ポケットカード㈱ (注)878.24542㈱外為どっとコム40.21215First Response Finance Ltd.100.02724ITOCHU FINANCE (ASIA) LTD.100.03125GCT MANAGEMENT (THAILAND) LTD.100.04743第8㈱ファミリーマート (注)994.7418698その他及び修正消去Orchid Alliance Holdings Limited (注)10100.09831,141C.P. Pokphand Co. Ltd. (注)1123.8△2950Chia Tai Enterprises International Limited23.814 (参考)海外現地法人(注)12伊藤忠インターナショナル会社100.0321192伊藤忠欧州会社100.04248伊藤忠(中国)集団有限公司100.06456伊藤忠香港会社100.05547伊藤忠シンガポール会社100.06169(注)1 取込損益には、IFRS修正後の数値を記載しておりますので、各社が公表している数値とは異なる場合があります。2 当第3四半期連結会計期間より、㈱デサントは当社の子会社となりました。3 当社は、㈱ジャムコの普通株式の公開買付に応募する旨の契約を2025年1月14日に締結し、本公開買付は 2025年4月21日より実施され、2025年5月21日をもって終了しております。本公開買付の結果、同日付で ㈱ジャムコは当社の関連会社ではなくなっております。4 傘下の日立建機㈱からの取込損益を含んでおりますが、当社の融資に対するパートナーからの受取利息等は含んでおりません。5 当社は、CSN Mineracao S.A.(以下、「CM社」という。)を当該会社の投資・管理会社であり当社子会社の JAPAO BRASIL MINERIO DE FERRO PARTICIPACOES LTDA.(以下、「JBMF」という。)を通じて、「その他の 投資」として保有しておりましたが、当社が2024年11月12日にCM社へ追加投資を行った結果、当第3四半期 連結会計期間よりCM社が当社の関連会社となったため、主な関係会社の記載をJBMFからCM社に変更しており ます。CM社の前連結会計年度の取込損益にはJBMFの取込損益を、当連結会計年度の取込損益には両社の取込 損益を合算して表示しております。6 不二製油グループ本社㈱は、2025年4月1日に傘下完全子会社の不二製油㈱を吸収合併し、不二製油㈱に社名 を変更しております。7 伊藤忠テクノソリューションズ㈱の取込比率は99.95%ですが、小数点第一位未満を四捨五入して表示しております。8 ポケットカード㈱の取込損益には、㈱ファミリーマート経由の取込損益を含んでおります。9 ㈱ファミリーマートの取込損益には、ポケットカード㈱の取込損益を含んでおります。10 Orchid Alliance Holdings Limitedの取込損益には、付随する税効果等を含めて表示しております。11 当社は、2025年4月21日に当社が保有するC.P. Pokphand Co. Ltd.株式のすべてを譲渡する旨の契約を締結し、2025年4月30日に当該契約に基づき譲渡を完了しております。譲渡の結果、同日付でC.P. PokphandCo. Ltd.は当社の関連会社ではなくなっております。12 各セグメントに含まれている海外現地法人の損益を合算して表示しております。 (6)仕入、成約及び販売の状況① 仕入の状況 仕入と販売との差異は僅少なため、仕入高の記載は省略しております。 ② 成約の状況 成約と販売との差異は僅少なため、成約高の記載は省略しております。 ③ 販売の状況 「(4)セグメント別業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照ください。(7)流動性と資金の源泉① 資金調達の方針 当社の資金調達は、金融情勢の変化に対応した機動性の確保と資金コストの低減を目指すとともに、調達の安定性を高めるために長期性の資金調達に努める等、調達構成のバランスを取りながら、調達先の分散や調達方法・手段の多様化を図っております。また、国内子会社の資金調達については原則として親会社及び国内グループ金融統括会社からのグループファイナンスに一元化するとともに、海外子会社の資金調達についてもシンガポール、英国及び米国の海外グループ金融統括会社を拠点にグループファイナンスを行っております。資金調達を集中することにより、連結ベースでの資金の効率化や資金調達構造の改善に努めております。この結果、当連結会計年度末時点では、連結有利子負債のうち約77%が親会社、国内及び海外グループ金融統括会社による調達となっております。 資金調達手段としては、銀行借入等の間接金融と社債等の直接金融を機動的に活用しております。間接金融については、様々な金融機関と幅広く良好な関係を維持し、必要な資金を安定的に確保しております。直接金融については、国内では、社債発行登録制度に基づき2023年8月から2025年8月までの2年間で3,000億円の新規社債発行枠の登録を行っております。また、資金効率の向上並びに資金コストの低減を目的に、コマーシャル・ペーパーによる資金調達も実施しております。海外では、5,000百万米ドルのユーロ・ミディアムタームノート(Euro MTN)プログラムを保有しております。また、2021年3月にSDGs債フレームワーク(サステナビリティボンド・フレームワーク)を策定し、これに基づきSDGs債を発行しております。 当連結会計年度末時点での当社の長期及び短期の信用格付けは次のとおりです。今後も一層の格付け向上を目指し収益力の強化、財務体質の改善、及びリスクマネジメントの徹底に努めます。 長期短期日本格付研究所(JCR)AA+/安定的J-1+格付投資情報センター(R&I)AA/安定的a-1+ムーディーズ・インベスターズ・サービス(Moody’s)A2/安定的P-1S&Pグローバル・レーティング(S&P)A/安定的A-1 ② 有利子負債 前連結会計年度末及び当連結会計年度末の有利子負債の内訳は、次のとおりです。(+):増加、(△):減少〔単位:億円〕前連結会計年度末当連結会計年度末増減社債及び借入金(短期): 銀行借入金等6,7807,037+258コマーシャル・ペーパー350410+60社債150824+674短期計7,2808,271+992社債及び借入金(長期): 銀行借入金等22,35523,519+1,164社債3,9423,718△224長期計26,29627,236+940有利子負債計33,57635,508+1,932現金及び現金同等物、定期預金6,1605,895△265ネット有利子負債(現預金控除後)27,41629,613+2,197 NET DER(ネット有利子負債対株主資本倍率)0.51倍0.51倍横ばい長期有利子負債比率78%77%2pt低下 ③ 財政状態 前連結会計年度末及び当連結会計年度末の財政状態の内訳は、次のとおりです。(+):増加、(△):減少 〔単位:億円〕前連結会計年度末当連結会計年度末増減主な増減理由総資産144,897151,343+ 6,446(+)(株)デサントの子会社化(+)持分法で会計処理されている投資の増加(CSN Mineracao S.A.への追加投資等)(+)取引増加による棚卸資産の増加(△)期末円高に伴う為替影響株主資本54,27057,551+ 3,281(+)当社株主に帰属する当期純利益の積上げ(△)配当金の支払及び自己株式の取得(△)期末円高に伴う為替影響非支配持分5,6525,356△ 295 資本合計59,92162,907+ 2,986 株主資本比率37.5%38.0%0.6pt上昇 ④ 流動性準備 当社グループは、調達環境の悪化等、不測の事態にも対応しうる流動性準備の確保に努めております。 当連結会計年度末では、短期有利子負債と偶発負債の合計額1兆2,292億円に対し、現金及び現金同等物、定期預金(合計5,895億円)、コミットメントライン契約の未使用枠(円貨6,550億円、外貨937百万米ドル)を合計した流動性準備の合計額は1兆3,846億円となっており、十分な流動性準備を確保していると考えております。また、これに加えて、売却可能有価証券等短期間での現金化が可能な資産等を8,747億円保有しております。 (流動性準備額)(単位:億円) 当連結会計年度末現金及び現金同等物、定期預金5,895コミットメントライン7,951合計13,846 (短期有利子負債と偶発負債)(単位:億円) 当連結会計年度末社債及び借入金(短期)8,271社債及び借入金(長期)(注)3,051偶発負債(関連会社及びジョイント・ベンチャー、一般取引先に対する金融保証実保証額)970合計12,292 (注)1年以内に期限の到来する社債及び借入金のうち、コミットメントラインに係るものを、連結財政状態計算書上で「社債及び借入金(長期)」として表示しております。 ⑤ 資金の源泉当社グループの主な資金需要には、営業活動上の運転資金に加え、投資及び有形固定資産の取得等があります。当社グループの資金の源泉に対する基本的な考え方は、新規投資の資金を、営業取引収入、資産の売却・回収、及び財務健全性を維持しながら借入金や社債等により調達することで賄うというものです。なお、当社グループは、経営方針「The Brand-new Deal ~利は川下にあり~」において、成長投資・株主還元・有利子負債コントロールの3つのバランスに基づいた財務基盤の堅持を財務方針としております。 前連結会計年度及び当連結会計年度のキャッシュ・フローの要約は次のとおりです。(+):入金、(△):支払 〔単位:億円〕前連結会計年度当連結会計年度当連結会計年度における主な要因営業活動によるキャッシュ・フロー9,7819,973(+)第8、エネルギー・化学品及び食料での堅調な営業取引収入の推移(+)金属及び機械での持分法投資からの配当金の受取投資活動によるキャッシュ・フロー△ 2,060△ 5,163(△)CSN Mineracao S.A.への追加投資(△)(株)デサントの子会社化による支払(△)第8、住生活及び食料での固定資産の取得(フリー・キャッシュ・フロー)(7,721)(4,810) 財務活動によるキャッシュ・フロー△ 8,012△ 5,250(△)配当金の支払及び自己株式の取得(△)リース負債の返済(△)タキロンシーアイ(株)の追加取得(+)社債及び借入金による調達現金及び現金同等物の増減額△ 291△ 440 現金及び現金同等物の期首残高6,0606,004 為替相場の変動による現金及び現金同等物への影響額235△ 69 現金及び現金同等物の期末残高6,0045,496 (8)重要性のある会計方針 当社の連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、各連結会計年度末日の資産、負債、偶発資産、偶発負債の報告金額及び報告期間の収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、仮定及び判断を使用することが必要となります。当社の経営陣は、連結財務諸表作成の基礎となる見積り、仮定及び判断を、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。但し、これらの見積り、仮定及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。この差異は、当社の連結財務諸表及び当社のすべての事業セグメントの業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、米国の輸入関税引上げにより、経済環境の先行きを見通すことが困難な極めて不透明な状況となっており、翌期において、会計上の見積りの見直しが必要となる可能性があります。また、ロシア・ウクライナ情勢による影響について、当社及び子会社ではロシアでの資源関連投資等を行っておりますが、当連結会計年度末の総資産に占める割合は1%未満です。引続き、当社の保有するロシア・ウクライナ関連資産については直近の情勢を踏まえた適切な会計処理を行っていることから、財政状態及び経営成績への重要な影響は見込まれておりません。 当社の経営陣が、将来にわたり、重要な修正を生じさせるリスクを有すると考えている見積り及び仮定は、主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の当連結会計年度末の残高については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」の各項目の注記内容をご参照ください。 ・非上場の公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値測定 公正価値で測定される資本性金融資産のうち、非上場の銘柄については、投資先と同じ業界に属する上場銘柄の公表情報を参照したマルチプル法、あるいは投資先からの受取配当に係る将来キャッシュ・フロー見積額を現在価値に割引くことにより公正価値を算定する配当キャッシュ・フロー還元法等により公正価値を測定しております。マルチプル法を適用する場合のマルチプル倍率、あるいは配当キャッシュ・フロー還元法を適用する場合の将来受取キャッシュ・フローの見積り及び割引率は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、非上場の公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。 ・償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る予想信用損失の見積り 償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る予想信用損失は、当該資産に係る契約上のキャッシュ・フローと回収可能なキャッシュ・フロー見込額の差額をもとに見積っております。当該資産に係る回収可能なキャッシュ・フロー見込額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、当該資産に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。 ・有形固定資産、投資不動産、のれん及び無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る 減損テストにおいて測定される回収可能価額 有形固定資産、投資不動産、のれん及び無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損テストにおいて、資金生成単位を判別したうえで、当該資金生成単位の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高いほうを回収可能価額として測定しております。回収可能価額は、原則として、独立鑑定人の支援を受けて算定した使用価値に基づいております。使用価値は、取締役会が承認した事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を割引くことにより計算しております。事業計画は原則として5年を限度としており、過去の実績を反映させ、外部情報とも整合性を取ったうえで策定しております。事業計画の対象期間を超える将来キャッシュ・フローの成長率は、資金生成単位が属する市場もしくは国の平均成長率を勘案して決定しております。割引率は、各資金生成単位の加重平均資本コスト等を基礎に算定しております。当該売却費用控除後の公正価値算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資金生成単位の使用期間中及び使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フロー、割引率等の仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、有形固定資産、投資不動産、のれん及び無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。 ・確定給付型退職後給付制度の確定給付制度債務及び制度資産の公正価値測定 確定給付型退職後給付制度については、確定給付制度債務と制度資産の公正価値の純額を負債または資産として認識しております。確定給付制度債務は、年金数理計算により算定しており、年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等の見積りが含まれております。これら前提条件は、金利変動の市場動向等、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断して決定しております。これら年金数理計算の前提条件には将来の不確実な経済環境あるいは社会情勢の変動等によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、確定給付制度債務及び制度資産の公正価値の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。 ・引当金の測定 引当金は、将来において債務の決済に要すると見込まれる支出の期末日での最善の見積りに基づいて測定しております。将来において債務の決済に要すると見込まれる支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しております。これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、引当金の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。 ・法人所得税の見積り 法人所得税の算定に際しては、税法規定の解釈や過去の税務調査の経緯等、様々な要因について見積り及び判断が必要となります。そのため、各期末において見積った法人所得税と、実際に納付する法人所得税の金額とが異なる可能性があり、その場合、翌年度以降の法人所得税の計上額に重要な影響を与える可能性があります。また、繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりますが、当該回収可能性の判断は、当社及び子会社の事業計画に基づいて決定した各将来事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来事業年度の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。 当社の経営陣が、会計方針適用にあたっての判断が、資産、負債、収益及び費用の計上金額に重要な影響を与えると考えている項目は、主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の当連結会計年度末の残高については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」の各項目の注記内容をご参照ください。 ・子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの範囲 ・デリバティブを除く金融資産の、償却原価で測定される金融資産、FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産 への分類 ・貸手リース契約に係る重要なリスクと経済価値の移転に関する判断 ・償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る信用リスクが著しく増大しているかの判断 ・有形固定資産、投資不動産、のれん及び無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る 減損テスト実施にあたっての資金生成単位の判別、減損(あるいは減損戻入)の兆候の有無の評価 ・引当金の認識に係る過去の事象から発生した現在の義務の有無及び当該義務を決済するための資源流出の 可能性に関する評価 |
※本記事は「伊藤忠商事株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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