株式会社リコーの基本情報

会社名株式会社リコー
業種電気機器
従業員数連79544名 単7282名
従業員平均年齢45.7歳
従業員平均勤続年数20.5年
平均年収8600095円
1株当たりの純資産746.53円
1株当たりの純利益89.02円
決算時期3月
配当金36円
配当性向40.4%
株価収益率(PER)15.18倍
自己資本利益率(ROE)12.37%
営業活動によるCF1256億円
投資活動によるCF▲978億円
財務活動によるCF▲829億円
研究開発費※138.79億円
設備投資額※139.8億円
販売費および一般管理費※11947.08億円
株主資本比率※243.7%
有利子負債残高(連結)※3※40円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1)変わることと変わらないこと当社グループが変わらずに大切にしているものがあります。それは創業の精神である「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」からなる「三愛精神」です。三愛精神を根底とし、お客様の“はたらく”に寄り添い、“はたらく”を歓びに変えるお手伝いをする会社になるという姿勢をより明確にするため、2023年4月1日に企業理念であるリコーウェイを改定しました。「“はたらく”に歓びを」を「使命と目指す姿」と定め、“はたらく”に寄り添い変革を起こし続けることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくることを目指しています。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。 (2) リコーの中期展望当社グループは、2023年3月に、同年4月からスタートする第21次中期経営戦略(以下、21次中経)を発表しました。当社グループの使命と目指す姿である「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、中長期目標として「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指しています。当社グループが注力している領域は、働く人を単純作業から解放するビジネスプロセスオートメーション、創造性を高めるコミュニケーションサービス、ワークプレイスの基盤となる環境を構築するITサービスの3つです。この注力領域において、グローバルの顧客基盤や、顧客の課題把握力・提案力に優れた販売・サービス体制、そして魅力的な自社IP*といった強みを活かしながら、変容するワークプレイスにおいて一貫したサービスをグローバルに提供する「ワークプレイスサービスプロバイダー」を目指します。*自社IP(Intellectual Property):企業が自らの努力で生み出した知的財産で、ライセンス使用料など収益の源泉となるなどの経済価値を有するもの ◆将来財務(ESG)の視点ESGの取り組みは、将来の財務を生み出すために不可欠なものと位置づけ、「ESGグローバルトップ企業」を目指し、お客様や株主・投資家の皆様からの高まるESG要求に応えるべくバリューチェーン全体を俯瞰した活動を進めます。21次中経では、事業を通じた4つの社会課題解決と、それを支える3つの経営基盤強化を合わせた7つのマテリアリティ(重要社会課題)に取り組んでいます。また、これら7つのマテリアリティに対する評価指標として16のESG目標(将来財務目標)を設定しています。マテリアリティとESG目標は、グローバルなESGの潮流への対応と経営戦略の実行力向上の観点で設定しており、16のESG目標は各ビジネスユニット、機能別組織にブレークダウンして展開しています。「事業を通じた社会課題解決」では、お客様の“はたらく”を変革するデジタルサービスを提供し生産性向上と価値創造を支援しています。また、脱炭素社会、循環型社会の実現にも引き続き注力し、当社グループの強みである技術力と顧客接点力を活かし、地域・社会システムの維持発展、効率化に貢献しています。「経営基盤の強化」では、人権問題への対応の強化、デジタルサービスの会社への変革に向けたデジタル人材の量・質の確保、デジタルサービス関連特許の強化などに取り組んでいます。 また、社会課題解決に貢献する事業とその貢献金額を明確化し、2025年度までの売上高目標を設定しました。今後もESGと事業成長の同軸化の取り組みを加速させていきます。 ◆21次中経基本方針中長期目標を達成するために掲げた「①地域戦略の強化とグループ経営の進化」「②現場・社会の領域における収益の柱を構築」「③グローバル人材の活躍」という3つの基本方針は継続して取り組んでいます。 ●21次中期経営戦略 基本方針 ① 地域戦略の強化とグループ経営の進化 ② 現場・社会の領域における収益の柱を構築 ③ グローバル人材の活躍 基本方針① 地域戦略の強化とグループ経営の進化オフィスプリンティング以外の収益を積み上げ高収益な体質に変革していくために、顧客接点における価値創造能力の向上、当社グループ内でのシナジー発揮、継続した収益改善のために環境変化への対応力をつけていくことを重視し取り組みを進めました。この収益構造の変革に向けて、特に注力すべき価値提供領域を「ビジネスプロセスオートメーション」「コミュニケーションサービス」「ITサービス」と定めました。地域ごとの特性を重視しながらリソースを集中的に投下し、サービス分野のストック契約・売上を積み上げる戦略を実行しています。 基本方針② 現場・社会の領域における収益の柱を構築デジタルサービスの領域を拡げ、より幅広いお客様に価値を提供していくため、「現場・社会」領域での収益の柱の構築を21次中経の基本方針として掲げています。商用印刷事業を中心に進捗しており、リコーグラフィックコミュニケーションズの当連結会計年度の業績は前年度比で増収増益となっています。引き続き「現場・社会」領域での収益の柱の構築に取り組みます。同時に、事業ポートフォリオマネジメントを通じて注力する事業領域を見極め、出口プロセスへの移行を判断した事業については、適切な出口戦略を探索していきます。 基本方針③ グローバル人材の活躍事業構造を変化させ、グローバルでの提供価値を拡大させるためには、社員の活躍が不可欠です。当社グループでは社員の能力やスキルを資本と捉え、人に対して積極的に投資をしていく人的資本戦略を策定しました。 ◆企業価値向上プロジェクト目指す姿の実現に向けて2023年4月から企業価値向上プロジェクトに取り組んでいます。株主・投資家・アナリストの皆様との対話や資本市場目線での分析など、様々な角度から企業価値向上に向けて当社グループが取り組むべき課題について検討を進めました。PBRが低い最大の要因は収益性の低さにあり、デジタルサービスの会社として成長を実現するためには、各事業のビジネスモデルに適合した収益構造の実現が必要であることから、抜本的な収益構造変革を推し進めています。具体的には、① 本社改革、② 事業の「選択と集中」の加速、③ オフィスプリンティング事業の構造改革、④ オフィスサービス利益成長の加速 の4つの領域で収益構造の変革に取り組んでいます。 ① 本社改革R&D投資はデジタルサービスの会社と親和性の高いワークプレイス領域によりフォーカスしていきます。また、顧客接点でより多くの価値を創造するデジタルサービス型へリコーグループの経営体制をシフトしていきます。 ② 事業の「選択と集中」の加速デジタルサービスの会社への変革・資源配分の最適化に向けて、従前より進めていた事業ポートフォリオマネジメントの取り組みをさらに加速します。当社グループの強みが生きる「ワークプレイス」を注力領域として、リソースを戦略的に配分するとともに、事業ポートフォリオマネジメントで出口プロセスへの移行を判断した事業については出口戦略の検討を進めます。 ③ オフィスプリンティング事業の構造改革オフィスプリンティング市場は縮小するという認識のもと、売上高が減少したとしても収益を確保するための体質強化を進めます。東芝テック株式会社との合弁会社の組成やSCMの最適化など、バリューチェーン全体を俯瞰した取り組みを実施します。 ④ オフィスサービス利益成長の加速デジタルサービスのコアであるオフィスサービスについては、お客様におけるオフィスサービスの導入率・ストック売上成長率の向上による利益成長のメカニズムを意識しながら、継続的な収益性向上に取り組みます。 また、提供価値最大化のため、販売・サービスや支援業務についてはインサイドセールスなども活用しながら、顧客との関係性を重視した、デジタルサービスの会社として相応しい体制へと見直します。前述のとおり、当社グループが中長期的に目指す姿はグローバルのワークプレイスサービスプロバイダーであり、収益構造変革の活動はその目指す姿への到達に向けた重要な取り組みです。2024年度はこの収益構造変革に最優先で取り組みます。デジタルサービスの会社としての利益成長を着実に進めるための継続的な収益改善とあわせ、中長期の視点を見据えた成長施策にも取り組むことで、継続的な企業価値向上を実現します。 ◆成長を支える資本政策当社グループは、ステークホルダーの皆様の期待に応えながら、株主価値・企業価値を最大化することを目指しています。専門家の意見も取り入れながら様々な手法・複数の視点で当社グループの資本コストを把握し、株主の皆様からお預かりした資本に対して、資本コストを上回るリターンの創出を目指します。 企業価値最大化の実現に向けて、グループ本部による厳正な事業ポートフォリオマネジメントのもとで、各ビジネスユニットを投下資本利益率(以下、ROIC)や市場性などで評価した上で、合理的な判断・意思決定を行い、経営資源配分の最適化に取り組んでいます。事業ポートフォリオマネジメントでは、収益性と市場性という従来型のポートフォリオの切り口に加えて、「デジタルサービス親和性」という観点からも評価を行っています。この3つの観点において、各ビジネスユニット・事業を客観的に評価し、成長加速、収益最大化、戦略転換、事業再生の4つに分類し、デジタルサービスの会社として必要な経営基盤の強化に努めています。また、中長期的に目指す株主資本利益率(以下、ROE)10%超を継続できる資本収益性の実現に向け、資本コストを上回る収益性を追求するため、各ビジネスユニット・部門にてROICツリーを用いた施策管理を実施しています。さらに、それらの主要施策を全社のROICツリーに採用し、単純に財務数値化できないグループ本部の施策についてはKPIとして目指す内容を言語化した上で、「リコー版ROICツリー」として定期的にモニタリングし、財務目標と施策の関連、KGI*2とKPIマネジメントを実施しています。なお、当連結会計年度のROIC*3は、3.3%となりました。*2 KGI(Key Goal Indicator):重要目標達成指標*3 ROIC(投下資本利益率) = (営業利益-法人所得税費用+持分法による投資損益) / (親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債) 「リコー版ROICツリー」の概略損益計算書(P/L)に加えて、貸借対照表(B/S)も意識したKPIを設定し、個々の組織と全社の両視点でKPIマネジメントを実施。 デジタルサービスの会社への変革に向けて、リスク評価に基づき適切な資本構成を目指し、投資の原資に借入れを積極的に活用しながら、負債と資本をバランスよく事業に投資していきます。オフィスプリンティング事業などの成熟し安定した収益を生む事業には負債を積極的に活用し、リスクの比較的高い成長事業には資本を中心に配分する考えです。なお、2025年度に向けては、経営環境の不確実性が残る想定のもと、格付や資金調達リスクを鑑みた資本構成で、成長のための資本を確保します。2025年度以降は、成長投資領域の安定事業化とあわせ、新たな成長投資戦略に伴う事業構造変化を考慮し、柔軟に最適資本構成を調整していく考えです。事業投資によって創出した営業キャッシュ・フローは、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的に活用していきます。デジタルサービスの会社への変革に向けた成長投資については、20次中期経営計画発表時に掲げた5年間(2021~2025年度)の成長投資枠5,000億円から変更はありません。当連結会計年度はITサービス強化に向けたアイルランドのPFH Technology Group(以下、PFH)の買収や、オフィスサービス事業成長のための欧米におけるコミュニケーションサービスやアプリケーションサービス領域でのM&A投資など、事業成長のための投資を着実に進めています。翌連結会計年度においても財務規律を考慮しつつ企業価値最大化に向けた成長投資を継続します。投資原資は、営業キャッシュ・フローを中心に有利子負債も活用しながら戦略的に実施します。 株主還元方針については、引き続き総還元性向50%の方針を堅持していきます。総還元性向50%を目安とした上で、配当利回りを意識し毎年利益拡大に沿った継続的な増配を目指します。さらに、自己株式取得などの追加還元策は、経営環境や成長投資の進捗を踏まえながら、最適資本構成の考え方に基づき、機動的かつ適切なタイミングで実施し、TSR*の向上を実現していきます。この株主還元方針を踏まえ、2024年2月に300億円の自己株式取得を決定し、2024年2月7日から2024年3月31日の期間に75億円の自己株式取得を実施しました。また、翌連結会計年度の配当見通しについては、当連結会計年度から1株当たり 2円増配し年間 38円を予定しています。* TSR(Total Shareholder Return):株主総利回りは、キャピタルゲインと配当をあわせた、株主にとっての総合投資利回り (3)翌連結会計年度の見通し当連結会計年度は、国際情勢の緊迫化の継続、資源価格の高騰やインフレ、円安の進行などにより、グローバルビジネスにおける景気低迷が続き、先行きは依然として不透明な状況となっています。翌連結会計年度においてもこのような厳しい外部環境が続くと想定されますが、企業価値向上プロジェクトの活動を確実に実行し、デジタルサービスの会社として相応しい収益構造へと変革を進めます。翌連結会計年度の業績見通しについては、連結売上高25,000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は480億円としました。当社グループが成長事業としているオフィスサービス領域において引き続き堅実な成長を見込んでいることに加え、オフィスプリンティング領域の在庫過多の解消、リコーグラフィックコミュニケーションズの成長などを見込んでいます。2024年7月には東芝テック株式会社と開発・生産機能を統合する合弁会社を組成予定であり、両社の統合を確実かつ迅速に実行することなどにより、オフィスプリンティング領域の構造改革を推進していきます。
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 重要性がある会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、株式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により国際会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」に記載しております。 (2) 経営成績経営を取り巻く経済環境当連結会計年度の世界経済は、欧米の高金利・高インフレの継続、中国の景気減速に加え、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の深刻化等もあり停滞感が強まりました。日本経済は、コロナ禍を乗り越え、企業業績が回復局面にある一方で、物価上昇に伴い消費や投資に力強さを欠く状況も見られます。また、日本を含む先進国においては人口の高齢化に伴って労働力の確保が課題となっており、賃金水準の上昇と価格転嫁による物価上昇が引き続き発生しています。このような経済情勢の中で、当社グループのメイン市場であるワークプレイスにおいても、リモートワークをはじめとする新しい働き方は定着してきており、ITの進化に伴って業務プロセスも変化し続けています。それによる顧客課題・ニーズも時代とともに変化しており、デジタルサービスの需要はより高まっています。プリンティング需要はフラットな状態を維持しているものの、サービス・ソリューションの提供に不可欠となる人件費の上昇や、局所的な地政学リスクの高まりによる輸送費・部品費の高騰の継続など、事業環境は依然として不透明な状況にあります。主要通貨の平均為替レートは、対米ドルが 144.53円(前連結会計年度に比べ 9.04円の円安)、対ユーロが 156.74円(同 15.83円の円安)となりました。 当連結会計年度の業績当社グループは、当連結会計年度より21次中経をスタートしました。当社グループの使命と目指す姿である「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、中長期目標として「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指しています。また、当連結会計年度は、目指す姿の実現に向けて企業価値向上プロジェクトを開始しました。収益構造の変革を最重要課題とし、当社の強みである顧客基盤及び顧客接点を活かすことができるワークプレイス領域への戦略的な経営資源配分を進めます。 当連結会計年度の連結売上高は、前連結会計年度に比べ 10.1%増加し、23,489億円となりました。(為替影響を除くと 5.0%の増加)。前連結会計年度に影響を受けた商材の供給制約の解消に加え、日本でのスクラムシリーズの好調や欧米での買収効果等によりオフィスサービス事業を中心に売上が増加しました。また、2022年9月に実施した株式会社PFU(以下、PFU)の買収効果や円安の影響等もあり、増加しました。地域別では、国内は、バックオフィス系DX等顧客課題に合わせたソリューション提供を行うスクラムシリーズが、法改正対応やセキュリティ関連の需要好調を背景に引き続き二桁成長し、オフィスサービス事業の売上が大きく増加しました。また、オフィスプリンティング事業のエッジデバイスの売上も増加しました。加えて、PFUの買収効果等もあり、前連結会計年度に比べ 7.7%の増加となりました。海外では、米州において、A4複合機を中心とした供給不足の解消に伴いオフィスプリンティング事業のエッジデバイスの販売が増加しました。オフィスサービス事業でも、2022年9月に買収したCenero,LLC.(以下、Cenero)の貢献によるコミュニケーションサービス領域の成長やドキュメント関連業務のアウトソーシングサービスの堅調な伸長により売上が拡大しました。また、プロダクションプリンターの上位機種の市場稼働台数増加に伴う印刷量増加等により、ノンハードを中心に売上が増加しました。加えて、PFUの買収効果や円安の影響もあり、前連結会計年度比 9.8%の増加となりました(為替影響を除くと 3.2%の増加)。欧州・中東・アフリカにおいては買収企業を中心にアプリケーションサービスやITサービスが順調に成長しました。また2023年6月に実施したPFHの買収効果もあり、オフィスサービス事業を中心に売上が増加しました。加えて、円安の影響もあり、前連結会計年度に比べ 14.1%の増加となりました(為替影響を除くと 2.9%の増加)。その他の地域においては、中国でのインクジェットヘッドの販売増加等により売上が増加しました。円安の影響もあり前連結会計年度比 9.2%の増加となりました(為替影響を除くと 5.4%の増加)。以上の結果、海外売上高全体では前連結会計年度に比べ 11.5%の増加となりました。なお、為替変動による影響を除いた試算では、海外売上高は前連結会計年度に比べ 3.4%の増加となります。 売上総利益は、前連結会計年度に比べ 10.0%増加し 8,200億円となりました。オフィスプリンティング事業の生産調整や複合機の製品ミックスの変動等による影響はあったものの、オフィスサービス事業の成長や継続した体質強化の効果に加えて、PFUの買収効果や円安の影響等により前連結会計年度に比べ利益が増加しました。 販売費及び一般管理費は、PFU等の買収、事業成長やインフレに伴う人件費等の経費の増加、拠点再編に伴う構造改革費用に加え、円安の影響等により前連結会計年度に比べ 11.9%増加し 7,698億円となりました。 その他の収益は、前連結会計年度に日本の土地売却益等の収益を計上しており、前連結会計年度に比べ 91億円減少しました。 営業利益は、売上総利益の増加に対しその他の収益の減少や販売費及び一般管理費の増加が上回り、前連結会計年度に比べて 167億円減少し 620億円となりました。 金融収益及び金融費用は、為替差益の増加等により、前連結会計年度に比べ金融収支が改善しました。持分法による投資損益は、持分法適用会社の利益減少により前連結会計年度に比べ減少しました。 税引前利益は 682億円となり、前連結会計年度に比べて 131億円減少しました。 法人所得税費用は税引前利益が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて 17億円減少しました。 以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は 441億円となり、前連結会計年度に比べて 101億円減少しました。 当期包括利益は、在外営業活動体の換算差額の増加等により、1,371億円となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。                  (単位:百万円) 前連結会計年度自 2022年4月1日至 2023年3月31日当連結会計年度自 2023年4月1日至 2024年3月31日増減金額(%)金額(%)金額(%)デジタルサービス売上高計1,684,356100.01,852,847100.0168,49110.0 外部顧客向け1,684,356 1,852,847 168,49110.0営業損益31,2881.940,8022.29,51430.4デジタルプロダクツ売上高計493,440100.0484,430100.0△9,010△1.8 外部顧客向け79,648 95,943 16,29520.5営業損益34,6047.017,3763.6△17,228△49.8グラフィックコミュニケーションズ売上高計234,843100.0262,127100.027,28411.6 外部顧客向け234,843 262,127 27,28411.6営業損益14,5786.215,4895.99116.2インダストリアルソリューションズ売上高計116,335100.0113,587100.0△2,748△2.4 外部顧客向け113,572 111,743 △1,829△1.6営業損益3,1502.7△322△0.3△3,472-その他売上高計40,592100.045,616100.05,02412.4 外部顧客向け21,761 26,327 4,56621.0営業損益△9,248△22.8△10,522△23.1△1,274- a. デジタルサービス当連結会計年度は、国内において、インボイス制度や2024年度に予定される法改正への対応をサポートするソリューションの販売増加等、中小企業を中心にスクラムパッケージが引き続き好調に推移しました。主に中堅企業向けにソリューション提案を行うスクラムアセットも、システム導入後の運用代行サービスやセキュリティ関連の需要好調により、高い伸び率で伸長しました。また、サイボウズ株式会社と共同開発のクラウド型の業務改善プラットフォーム「RICOH kintone plus」の契約数も順調に伸長しました。米州においては、2022年9月に買収したCeneroによる当社グループ既存顧客へのソリューション導入が進み、ストック収益につながるマネージドAVサービス*の契約数の増加等、コミュニケーションサービスが順調に拡大しています。加えて、ドキュメント関連業務のアウトソーシングサービスも引き続き堅調に推移しています。欧州・中東・アフリカにおいては、景気弱含みの影響により一部地域でICT商材投資を控える動きがみられるものの、アプリケーションサービスやITサービスが順調に成長を続けています。買収によるオフィスサービス事業の強化を継続しており、2023年6月にはアイルランドのITインフラ、クラウド、マネージドワークプレイスサービスのリーディングプロバイダーであるPFHの買収を完了しました。 デジタルサービスの売上高は、前連結会計年度に比べ 10.0%増加し 18,528億円となりました(為替影響を除くと 4.8%の増加)。オフィスプリンティング事業では、主にA4複合機の供給不足の解消により、A3複合機を含めた一括商談の納入が進みました。コスト上昇に対する継続的な価格転嫁や付加価値販売等のプライシングコントロールを実施してきた効果もあり、エッジデバイスの売上高が前連結会計年度に比べ増加しました。オフィスサービス事業では、地域に応じた施策の展開により各地で増収となりました。事業成長やインフレ等に伴う経費の増加を吸収し、デジタルサービス全体の営業利益は前連結会計年度から 95億円増加し、408億円となりました。* マネージドAVサービス: 企業や学校等において、マイク、スピーカー、プロジェクター、ビデオ会議システム等のオーディオ・ビジュアル(AV)機器と運営システムの提供・管理・運用を行うサービス b. デジタルプロダクツ 当連結会計年度は、複合機の販売台数が計画を下回って推移したことで、上期を中心に当初計画以上の生産調整の影響を受けました。年度末に向けて需要変動に応じた生産・販売体制の連携を立て直し、下期には収益を回復しました。同時に、デジタルサービスを支えるエッジデバイスの製品群を強化しました。複合機・プリンターでは、高生産性かつサステナビリティに貢献する製品を発売しました。本製品は本体樹脂総重量の約50%に再生プラスチックを使用し、省エネ性能に優れております。特に2024年1月に発売したA3フルカラー複合機「RICOH IM C7010」は、多彩なDX機能、また高速機種でありながら普及クラスに匹敵する省スペース性を兼ね備えた戦略機種となります。デジタルプロダクツの売上高は、前連結会計年度に比べ 20.5%増加し 959億円となりました。またセグメント間売上高を含む売上高では 1.8%減少の 4,844億円となりました。PFUの買収効果はあったものの、A3複合機の販売在庫の適正化に向けた生産調整等により減収となりました。生産・開発の体質強化の継続による利益改善を進めているものの、前連結会計年度からのA4複合機の生産量回復による製品ミックスの変動や、A3複合機の生産調整により利益率が低下したこと等により、デジタルプロダクツ全体の営業利益は前連結会計年度に比べ 172億円減少し 173億円となりました。 c. グラフィックコミュニケーションズ商用印刷市場においては、印刷物のデジタル化・ペーパーレス化による小ロットでの発注の増加や、より多様化する印刷物に対し複雑化する作業工程への対応が求められています。また、印刷現場における人手不足から、オペレーションの効率化に対する意識が高まっています。当連結会計年度は、このような多様化するニーズに対応するため、製品ラインアップを一新しました。2023年8月、カラープロダクションプリンターの新製品として「RICOH Pro C9500」を発売しました。本製品は高画質と安定性に加え、用紙対応力と自動化・効率化機能を強化したフラッグシップモデルです。また、新たに開発した本体の制御システム「RICOH GC OS」により、様々な用紙の設定や調整、機器の利用状況やメンテナンスの管理に特別なスキルが不要となることで、作業工程の効率化・可視化を実現し、印刷オペレーターの負荷軽減や省人化に貢献します。グラフィックコミュニケーションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 11.6%増加し 2,621億円となりました(為替影響を除くと 4.9%の増加)。商用印刷事業では、米州を中心にプロダクションプリンターの販売が引き続き伸長しました。ノンハードの売上も、上位機種の市場稼働台数増加が印刷量増加に貢献し、伸長しました。産業印刷事業では、サイングラフィック向け等の需要が高まり、インクジェットヘッドの販売が好調で伸長しました。新製品発売による開発資産償却費等の増加に加え、拠点再編に伴う一過性の支出もあり費用が増加しましたが、円安効果もありグラフィックコミュニケーションズ全体の営業利益は前連結会計年度に比べ 9億円増加し 154億円となりました。 d. インダストリアルソリューションズ当連結会計年度は、サーマル事業では、環境負荷を低減するラベルレスサーマルの事業拡大に向け、当社と中本パックス株式会社(以下、中本パックス)にて機能性包材の企画・開発・販売を行う合弁会社「RNスマートパッケージング株式会社」を2023年4月に設立しました。当社の強みであるサーマル技術と、中本パックスの強みである包材設計・機能性コーティング技術及び顧客基盤を組み合わせ、機能性包材市場に新しいパッケージソリューションを展開します。産業プロダクツ事業では、2023年12月に、車両塗装外観検査装置「RICOH Visual Inspection System 5000」シリーズを発売しました。高い検査精度と生産性の向上により、自動車業界におけるお客様の現場のDXに貢献します。インダストリアルソリューションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 1.6%減少し 1,117億円となりました(為替影響を除くと 5.3%の減少)。サーマル事業では欧米での顧客の在庫調整や需要の低迷等により売上高が減少しました。産業プロダクツ事業では中国におけるプロジェクターの需要減等により産業用光学部品の売上高が減少しました。プライシングコントロールやコストダウン等で利益確保に努めましたが、インダストリアルソリューションズ全体の営業損益は、前連結会計年度に比べ 34億円減少し 3億円(損失)となりました。なお、産業プロダクツ事業においては、2023年10月に車載ステレオカメラやプロジェクター用光学レンズモジュール等の開発・製造・販売を行うオプティカル事業を譲渡する株式譲渡契約を締結しております。 e. その他その他の売上高は、前連結会計年度に比べ 21.0%増加し 263億円となりました(為替影響を除くと 17.2%の増加)。カメラ事業が好調で、増収増益となりました。一方で、新規事業創出のための先行投資により、その他全体の営業損益は 105億円(損失)となりました(前連結会計年度 営業損益 92億円(損失)) (注1)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。 (注2)当連結会計年度より、その他に含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及びデジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。 生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりです。① 生産実績前連結会計年度及び当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。事業の種類別セグメントの名称前連結会計年度(自2022年4月1日 至2023年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)(百万円)前連結会計年度比(%)デジタルサービス---デジタルプロダクツ473,934429,701△9.3グラフィックコミュニケーションズ163,193176,3158.0インダストリアルソリューションズ114,530103,780△9.4その他30,45337,98424.7合計782,110747,780△4.4 (注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。また、サービスに係る生産実績は含まれておらず、製造に係る生産実績としております。2 当連結会計年度より、その他に含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及びデジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。 ② 受注実績当社グループは見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。 ③ 販売実績前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。事業の種類別セグメントの名称前連結会計年度(自2022年4月1日 至2023年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)(百万円)前連結会計年度比(%)デジタルサービス1,684,3561,852,84710.0デジタルプロダクツ79,64895,94320.5グラフィックコミュニケーションズ234,843262,12711.6インダストリアルソリューションズ113,572111,743△1.6その他21,76126,32721.0合計2,134,1802,348,98710.1 (注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。2 相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%以上の主要な相手先はありませんので、記載を省略しております。3 当連結会計年度より、その他に含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及びデジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。 (3) 財政状態資産合計は、前連結会計年度末に比べ 1,362億円増加し 22,861億円となりました。前連結会計年度末と比較して為替レートが円安となったことから海外資産の換算差額が発生し、資産が増加しました。為替影響を除いた試算では 60億円の減少となります。当連結会計年度の主要通貨の期末日レートは、対米ドルが 151.41円(前連結会計年度に比べ 17.88円の円安)、対ユーロが 163.24円(同 17.52円の円安)となりました。資産の部では、前連結会計年度末に比べ、現金及び現金同等物が 448億円減少しました。また、生産調整等による在庫適正化により、棚卸資産が 137億円減少しました。一方で、当連結会計年度末にかけての売上高の増加や円安等により、営業債権及びその他の債権が 616億円増加しました。加えて、欧州での買収や円安等により、のれん及び無形資産が 460億円増加しました。なお、2023年10月にオプティカル事業を譲渡する株式譲渡契約を締結したことに伴い、対象事業の資産及び負債を、売却目的で保有する資産及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債に組替えています。負債合計は、前連結会計年度末に比べ 291億円増加し 12,210億円となりました。負債の部では、社債及び借入金が 133億円減少しました。一方で、買収や円安等によりその他の流動負債が 389億円増加しました。資本合計は、前連結会計年度末から 1,070億円増加し、10,651億円となりました。資本の部では、当期利益の増加等により利益剰余金が 304億円増加し、また円安により在外営業活動体の換算差額が 836億円増加しました。他方で株主還元策として自己株式取得を行い、これにより 75億円資本が減少しました。親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末に比べ 1,071億円増加し 10,387億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は 45.4%となり、引き続き安全な水準を維持しています。 (4) キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 589億円増加し 1,256億円の収入となりました。在庫適正化による棚卸資産の減少等により現金収入が増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 361億円減少し 978億円の支出となりました。前連結会計年度においては、PFUの買収等により現金支出が増加しておりました。以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計となるフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 950億円増加し 277億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 1,183億円増加し 829億円の支出となりました。前連結会計年度においては借入債務の増加等により現金収入が増加しておりましたが、当連結会計年度においては借入債務の返済等により現金支出が増加しました。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、株主還元策としてそれぞれ 300億円及び 75億円の自己株式の取得を実施しております。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ 412億円減少し 1,696億円となりました。 当社グループでは、事業投資によって創出した営業キャッシュ・フローは、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的に活用していきます。資本政策の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) リコーの中期展望 ◆成長を支える資本政策」をご覧ください。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期親会社所有者帰属持分比率32.1 %48.7 %48.7 %43.3 %45.4 %時価ベースの親会社所有者帰属持分比率20.1 %42.8 %36.5 %28.1 %35.7 %債務償還年数9.1 年1.8 年2.9 年5.4 年2.8 年インタレスト・カバレッジ・レシオ25.5 倍47.1 倍26.9 倍13.2 倍32.3 倍 親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/資産合計時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計債務償還年数:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/支払利息 ※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。 ※キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。 有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち社債及び借入金を対象としております。 当社グループの流動性と資金源泉は次のとおりです。現金及び資産負債総合管理 事業発展に充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することが当社グループの方針です。この方針に従って、当社グループはここ数年、連結子会社が保有する流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。その方策のひとつとして実施しているのが、各地域及びグローバルにおけるキャッシュマネジメントシステムの推進です。各地域にキャッシュマネジメントの要として設置している金融子会社を中心に地域内外のグループ企業間で手元流動性を有効活用するグループ内の資金融通の制度を構築、推進しております。この一環として、グローバルキャッシュプーリングシステムを導入し、グローバルベースでの更なる資金効率向上を実現しました。また、当社グループは資産並びに負債の管理においてデリバティブを締結しております。為替変動が外貨建て資産と負債に与える潜在的な悪影響をヘッジするため、為替予約等を設定しております。当社グループはリスクの低減を目的として、定められた方針に従ってデリバティブを利用しております。自己売買、あるいは投機目的でデリバティブを利用しておらず、またレバレッジを効かせたデリバティブ取引も行っておりません。 資金源泉 当社グループは主に手元資金及び現金同等物、様々な信用枠及び社債の発行を組み合わせて資金を調達しております。流動性と資金源泉の必要額を判断する際、連結キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の残高、並びに営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。当連結会計年度末において、現金及び現金同等物の残高は 1,696億円、信用枠は 3,878億円であり、そのうち未使用残高は 3,510億円でありました。当社は 1,500億円(信用枠 3,878億円の一部)のコミットメント・ラインを金融機関との間に設定しております。これらは信用枠の範囲内で、各国市場の金利で金融機関から借入が可能です。当社及び一部の連結子会社は、銀行借入及び社債の発行により資金を調達しております。また、当社グループはグローバルでキャッシュマネジメントシステムを活用してグループ資金を効率的に管理しております。当社は大手格付機関(スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービス(以下「S&P」)、及び格付投資情報センター(以下「R&I」))から格付を取得しております。2024年6月21日現在、当社の格付はS&Pが長期BBB及び短期A-2、R&Iが長期A+及び短期a-1となっております。 必要資金及び契約債務 当社グループは現金及び現金同等物、営業活動により創出が見込まれる資金、並びに借入金・社債等の調達資金で少なくとも翌連結会計年度の必要資金を充分賄えると予想しております。お客様の需要が変動し、営業キャッシュ・フローが減少した場合でも、現在の手元資金、及び当社グループが満足できる信用格付けを持つ金融機関に設定している信用枠で少なくとも翌連結会計年度中は事業用資金を充分賄えると考えております。さらに、足元の業務にとって必要な資金、及び事業拡大並びに新規プロジェクトの開発に関連する投資に対し、充分な資金を金融市場又は資本市場から調達できると考えております。各国の経済動向等による金利の変動は、当社グループの流動性に悪影響を及ぼす可能性がありますが、手元の現金及び現金同等物は充分であり、営業活動からも持続的にキャッシュ・フローが創出されキャッシュマネジメントシステムを活用していることから、こうした影響はあまり大きくないと考えております。

※本記事は「株式会社リコー」の令和6年3月期 有価証券報告書を参考に作成しています。

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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