会社名 | HOYA株式会社 |
業種 | 精密機器 |
従業員数 | 連35702名 単3042名 |
従業員平均年齢 | 47.8歳 |
従業員平均勤続年数 | 19.7年 |
平均年収 | 8210453円 |
1株当たりの純資産 | 705.53円 |
1株当たりの純利益 | 135.7円 |
決算時期 | 3月 |
配当金 | 110円 |
配当性向 | 81.1% |
株価収益率(PER) | 138.1倍 |
自己資本利益率(ROE) | 17.6% |
営業活動によるCF | 2228億円 |
投資活動によるCF | ▲358億円 |
財務活動によるCF | ▲1108億円 |
研究開発費※1 | 97.05億円 |
設備投資額※1 | 198.01億円 |
販売費および一般管理費※1 | 3282.23億円 |
株主資本比率※2 | 67.3% |
有利子負債残高(連結)※3※4 | 0円 |
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、持続的成長と企業価値の最大化に向けて、ビジネスモデルや景気感応度、営業地域等が異なる複数の事業を展開することでリスクを分散し、グループ全体の収益性・安定性・成長性を確保していくポートフォリオ経営を行っております。それぞれの事業が現状どのライフサイクルにあるかを見極め、成長性の高い領域へ経営資源を配分し、また、市場が衰退期にある事業から撤退することで競争力の高い事業ポートフォリオの維持に努めており、現在は、ライフケアと情報・通信という2つの大きな事業分野を柱に据えています。 (2)経営環境 世界的な高齢化の進展や新興国の経済発展による中間所得者の増加等で市場成長が見込まれるライフケア事業と、情報化社会の進展により市場成長が見込まれる情報・通信事業の半導体・HDD関連製品を成長ドライバーと捉えています。また、次の10年、20年の成長を担う新たな成長事業の開発・獲得を重要な経営課題と認識しています。 (3)目標とする経営指標 当社グループは、資本に対するコストを上回る利益を生んだとき、企業価値が増大し、すべてのステークホルダーにご満足いただけるものと考えております。その実現のための経営指標としてSVA( Shareholders Value Added )を導入し、効率的な経営に努めております。 (4)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題中長期的な会社の経営戦略 当社は継続的な企業価値の増大と最大化を経営方針としており、その実現のため、以下の5つの項目に注力してまいります。 ① 市場の変化への迅速かつ柔軟な対応と経営資源の効率的な活用 当社グループの事業領域は多岐にわたっておりますが、事業部門に大幅に権限を委譲することで意思決定のスピードを早め、競合に先んじて顧客のニーズに沿った戦略を立案してまいります。また、当社グループの経営資源を適切に配分し、設備投資、事業提携、M&A、事業の撤退・縮小といった判断をタイムリーに行ってまいります。 ② 新たな事業、技術の創出 当社グループは、収益を確保し成長し続けるために、従来とは異なる成長分野において、内部開発やМ&Aなどにより新たな事業や技術を獲得していくことが重要な課題と認識しております。今後も世界に通用する技術や競争優位性の高い事業の内部開発やМ&Aによる獲得、それらを担う人材の採用・育成にさらに力を注いでまいります。 ③ 成長市場での事業拡大 デジタルデバイスの長時間使用などによる若年層の視力低下や世界的な高齢化により視力矯正を必要とする人口が増え続けています。医療の現場では医師・患者双方の要求として身体への負担軽減・治療の短時間化が望まれるようになり、低侵襲医療が加速度的に普及しています。また、情報化社会の進展により高性能で省電力な半導体の開発やデータセンターへの投資が進められています。以上のような背景から、当社グループは人々の視力や健康、情報化社会の進展をサポートする製品を成長分野と位置づけ、経営資源を積極的に投入し事業の拡大を目指してまいります。 ④ サイバーセキュリティへの対応 生成AⅠをはじめとするⅠT技術の進展や各種ⅠTツールの普及に伴い、企業にとってサイバーセキュリティへの対応は重大さを増しています。同時に、サイバーセキュリティに対する脅威は絶えず進化しています。そのような環境に対応すべく、当社グループではサイバーセキュリティ強化に継続的に取り組んでおります。 ⑤ サステナビリティ(ESG)への対応 当社グループは、サステナビリティ/ESGへの対応を重要経営課題の一つと設定しCEOから委任を受けた CSOが中心となってグループ全体のサステナビリティ/ESGに関する活動を推進しています。基本方針や重要施策はグループ本社のESG推進室において起案し、CSOから取締役会へ定期的に報告を行っています。取締役会は、経営に対する監督機能と客観性を担保するため、当連結会計年度では取締役7名中5名を独立社外取締役とし、経営者としての十分な経験や国際感覚に加え、サステナビリティ/ESGの観点からも「人材育成/ダイバーシティー」のバックグラウンドを持ち、そして、気候変動に関してもマネジメントとして重要な意思決定を行った経験を有する人物を配しています。取締役会はサステナビリティ/ESGに関する方針や目標、予算を含む重要事項や定期報告に対して多角的な観点から助言・監督を行っています。 当年度では、執行役の中長期インセンティブ(Performance Share Unit)の指標の一つであるESG目標*1の配分を10%から25%に引き上げ、会社一丸となってESGの取り組みを前進させることへのコミットメントの姿勢を示しています。また、事業部ごとに気候変動への対応や各事業部固有のESG関連目標を設定し、KPIを事業部長の報酬に組み入れることで実効性を高めています。*1 外部機関による評価および気候変動・人的資本などESGテーマへの取り組み状況により目標を設定 〈中長期 再エネ比率・CO2削減目標〉 2023年2月にRE100*2へ加盟し、2040年までに事業活動で使用する電力の100%を再生可能エネルギー(再エネ)由来にすること、そして2021年度比でCO2を100%削減することを目標に定めました。これまでの省エネ活動をより一層推進させるとともに生産拠点での太陽光発電の導入やグリーン電力プランへの切り替え等により再エネ導入を進めることでCO2削減に取り組んでいきます。*2 企業が自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指す国際的なイニシアティブ |
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。(1)財政状態及び経営成績の状況a. 財政状態 (単位:百万円) 前連結会計年度(2023年3月31日)当連結会計年度(2024年3月31日)増減非流動資産合計318,171346,98828,817流動資産合計710,155856,635146,479資産合計1,028,3261,203,623175,296資本合計814,604962,264147,660親会社の所有者に帰属する持分818,321967,758149,437負債合計213,722241,35927,637親会社所有者帰属持分比率(%)79.680.40.8pt (資産) 非流動資産では、主として有形固定資産-純額やのれんが増加しました。流動資産は、棚卸資産、売上債権及びその他の債権や現金及び現金同等物が増加しました。資産合計では、前連結会計年度末に比べて、増加しました。 (資本) 主として、剰余金の配当や自己株式の取得により減少した一方、当期利益、その他の包括利益によって増加したため、前連結会計年度末に比べて、増加しました。 (負債) 主として、長期有利子負債、その他の長期金融負債、仕入債務及びその他の債務やその他の流動負債が増加したため、前連結会計年度末に比べて、増加しました。 b. 経営成績 当社グループの当連結会計年度の経営成績は以下のとおりです。 ハードディスク用ガラスサブストレート売上の急減速がありましたが、ライフケア事業において業績が堅調であったことや為替換算の影響により、売上収益・利益ともに増加しました。 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)増減率(%)売上収益723,582762,6105.4税引前当期利益215,832236,5649.6当期利益168,788182,5668.2税引前当期利益率 (%)29.831.01.2pt資産合計親会社所有者帰属持分当期利益率(ROA)(%)16.716.4△0.3pt親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)(%)20.820.3△0.5pt なお、IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載しております。 報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。(各セグメントの売上収益は、外部顧客に対するものであります。) ① ライフケア事業 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)増減率(%)売上収益474,628530,02411.7セグメント利益94,319120,97128.3 <ヘルスケア関連製品> メガネレンズは小児向け近視抑制レンズ(MiYOSMART)をはじめとする高付加価値製品の販売増加、米国でのチェーン店向け販売の増加により、大幅な増収となりました。 コンタクトレンズはプライベートブランド品(hoyaONE)や、オンラインサービスが好調に推移したことにより増収となりました。 <メディカル関連製品> 医療用内視鏡は、中国で反腐敗運動等の影響を一部受けたものの、社内構造改革の進展がみられたことや為替換算影響により増収となりました。 白内障用眼内レンズは、世界的に白内障手術の件数が回復したことや新製品のローンチにより、大幅増収となりました。 メディカル関連製品のその他の製品群においては、製薬等に使用されるクロマトグラフィー用担体や金属インプラントなど主要製品が好調であったため、大幅増収となりました。 ② 情報・通信事業 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)増減率(%)売上収益244,338228,328△6.6セグメント利益119,667107,906△9.8 <エレクトロニクス関連製品> 半導体用マスクブランクスは在庫調整の影響によりわずかに減収となりました。 FPD用フォトマスクは装置の入れ替えなどに伴う自社の生産キャパシティが減少したことなどにより、売上収益は微減となりました。 ハードディスク用ガラスサブストレートは、主に3.5インチ製品において最終顧客であるデータセンターによる投資抑制やサプライチェーンにおける在庫調整により減収となりました。 <映像関連製品> 映像関連製品は増収となりました。旅行需要の回復やミラーレスカメラの新機種発売を背景に、特に交換レンズの売上が好調でした。 ③ その他 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)増減率(%)売上収益4,6154,259△7.7セグメント利益9383,896315.5 その他事業は主に、情報システムサービス事業の譲渡によりセグメント利益が大幅増益となりました。 (2)キャッシュ・フローの状況 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)増減額営業活動によるキャッシュ・フロー201,829222,80220,973投資活動によるキャッシュ・フロー△47,496△35,80811,687財務活動によるキャッシュ・フロー△194,593△110,89283,701現金及び現金同等物に係る為替変動の影響額26,74343,17216,430現金及び現金同等物の期末残高405,888525,162119,274 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税引前当期利益や運転資本の増減等により、前連結会計年度より収入が増加しました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、主として定期預金の預入による支出の減少により、前連結会計年度より支出が減少しました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、主として自己株式の取得による支出の減少により、前連結会計年度より支出が減少しました。 (3) 生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績 当連結会計年度の生産実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。報告セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)ライフケア374,123113.8情報・通信210,25188.2合計584,374103.0(注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。b. 受注実績 当社グループは、主として需要と現有設備を勘案した見込生産のため、記載を省略しております。 c. 販売実績 当連結会計年度の販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、セグメント間の取引については相殺消去しております。報告セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)ライフケア530,024111.7情報・通信228,32893.4その他4,25992.3合計762,610105.4 (4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループでは、「事業ポートフォリオ経営」、「小さな池の大きな魚」の考え方に基づき、光学製品で培った技術を軸として、「ライフケア」及び「情報・通信」の二つのセグメントを中心に競争力の高い事業をグローバルに展開しています。 当社グループは、世界的な高齢化の進展、新興国での経済成長による生活水準の向上により、長期的な市場の拡大が見込まれているライフケア事業や、情報化社会の進展により中期的な市場成長が見込まれる情報・通信事業の半導体・HDD関連製品などの成長分野に効率的に経営資源を投入しています。 当連結会計年度における業績は、情報・通信事業において、顧客の在庫調整の影響等により売上が低迷していましたが、ライフケア事業において業績が好調であったことや為替換算の影響により、グループ全体では売上収益・利益ともに増加しました。 ライフケア事業においては、高付加価値品の販売が好調であったことにより、大幅な増収となりました。 情報・通信事業においては、半導体製造用マスクブランクスが在庫調整の影響によりわずかに減収となりました。HDD用ガラスサブストレートが在庫調整により減収となりました。 今後も事業環境を考慮しながら成長のための投資と株主還元を積極的に行う資本効率重視の経営を行っていきます。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 当社グループの資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。 当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債残高は292億40百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,251億62百万円となっております。 将来の成長のための内部留保については、成長分野における、シェア拡大、未開拓市場への参入、新技術の育成・獲得のための投資に資源を優先的に充当してまいります。既存事業の成長に加え、事業ポートフォリオのさらなる充実のためのM&Aも積極的に可能性を追求してまいります。 当連結会計年度における設備投資については、ライフケア事業では、メガネレンズ増産のための投資等を行いました。情報・通信事業においては、主に半導体用マスクブランクス、FPD用フォトマスクの増産を目的とした投資を行いました。この結果、当連結会計年度における有形固定資産の取得による支出は410億74百万円となりました。 これらの投資のための所要資金は、主に自己資金にて賄っております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性のある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針の要約 4.重要な判断及び不確実性の見積りの主要な源泉」に記載しております。 |
※本記事は「HOYA株式会社」の令和6年3月期 有価証券報告書を参考に作成しています。
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
コメント