会社名 | マツダ株式会社 |
業種 | 輸送用機器 |
従業員数 | 連48685名 単23124名 |
従業員平均年齢 | 42.4歳 |
従業員平均勤続年数 | 17.6年 |
平均年収 | 6894000円 |
1株当たりの純資産 | 2757.74円 |
1株当たりの純利益 | 329.65円 |
決算時期 | 年3 |
配当金 | 60円 |
配当性向 | 27.4% |
株価収益率(PER) | 5.3倍 |
自己資本利益率(ROE) | 13.1% |
営業活動によるCF | 4188億円 |
投資活動によるCF | ▲1798億円 |
財務活動によるCF | ▲847億円 |
研究開発費※1 | 8億円 |
設備投資額※1 | 22億円 |
販売費および一般管理費※1 | 7881.81億円 |
株主資本比率※2 | 42.4% |
有利子負債残高(連結)※3 | 4615.51億円 |
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社は、企業理念として、『PURPOSE』『PROMISE』『VALUES』を定めております。また、当社は、未来に向かってステークホルダーの皆さまと共に価値創造を進めていくべく、2030年時点の当社のありたい姿を「2030 VISION」として定めております。 企業理念PURPOSE:前向きに今日を生きる人の輪を広げるPROMISE:いきいきとする体験をお届けする人の頭、身体、心を活性化するコミュニティと共にVALUES :ひと中心 / 飽くなき挑戦 / おもてなしの心 2030 VISION「走る歓び」で移動体験の感動を量産するクルマ好きの会社になる。1. マルチソリューションで温暖化抑制に取り組み、持続可能な地球の未来に貢献する。2. 心と身体を見守る技術で、誰もが安全・安心・自由に移動できる社会に貢献する。3. 日常に動くことへの感動や心のときめきを創造し、一人ひとりの「生きる歓び」に貢献する。 (2) 経営環境及び対処すべき課題① 中期経営計画(2020年3月期~2026年3月期)当社は、企業として存在し続け、持続的な成長を遂げるために「人と共に創るマツダの独自性」を基本方針として中期経営計画を策定し、それに基づいた施策を着実に進めております。 中期経営計画 主要施策■ブランド価値向上への投資 -独自の商品・技術・生産・顧客体験への投資-・効率化と平準化による継続・段階的な新商品/派生車の導入・継続的な商品改良の実行■ブランド価値を低下させる支出の抑制■固定費/原価低減を加速し損益分岐点台数を低減■遅れている領域への投資、新たな領域への投資開始■協業強化(CASE対応(*1)、新たな仲間作り) これまでに築いてきた資産を活用して本格成長を図り、時代の大きな変化に耐えうる強靭な経営体質の実現に向けて取り組みを加速してまいります。また、グローバルでの環境規制の強化・加速などによる経営環境の変化やCASE時代の新しい価値創造競争を踏まえ、技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」の実現に向けて2030年を見据えた事業構造の転換に取り組んでおります。 中期経営計画 財務指標中期経営計画の最終年度となる2026年3月期の財務指標は以下のとおりです。売上・約4.5兆円収益性・売上高営業利益率(ROS)5%以上 ・自己資本利益率(ROE)10%以上将来投資・設備投資+開発投資:売上高比7-8%以下 ・電動化・IT・カーボンニュートラル実現に向けた対応財務基盤・ネットキャッシュ維持(*2)株主還元・安定的に配当性向30%以上損益分岐点台数・約100万台(出荷台数) (*1)コネクティビティ技術(connected)/自動運転技術(autonomous)/シェアード・サービス(shared)/電動化技術(electric)といった新技術の総称。(*2)現金及び現金同等物から有利子負債を差し引いた金額がプラスの状態を維持すること。 ② 2030年に向けた経営方針現在、当社は2026年3月期までの財務目標達成に向けて中期経営計画の取り組みを推進しておりますが、各国の環境規制動向、社会インフラ整備をはじめ、電源構成の変化、そして消費者の価値観の多様化など、経営を取り巻く環境の不確実性が高まっていることを受け、視点を2030年まで延ばし、世界の潮流を想定した経営方針と主要な取り組みを以下のとおり定めております。 経営基本方針1. 地域特性と環境ニーズに適した電動化戦略で、地球温暖化抑制という社会的課題の解決に貢献すること2. 人を深く知り、人とクルマの関係性を解き明かす研究を進め、安全・安心なクルマ社会の実現に貢献すること3. ブランド価値経営を貫き、マツダらしい独自価値をご提供し、お客様に支持され続けること 未来を拓く主な取り組み1. カーボンニュートラルに向けた取り組み当社が目標とする2050年のカーボンニュートラル(*3)(以下、「CN」)実現に向けては、まず自社のCO2排出について、「2035年にグローバル自社工場のCN実現」と中間目標を定め、省エネ、再エネ、CN燃料活用の3本柱で取り組みを進めてまいります。加えて、サプライチェーン(*4)への対応も必要であり、輸送会社様や購買お取引先様と共にCO2排出量を削減する活動を段階的に進めてまいります。国内においては、サプライチェーンの構造改革に取り組むほか、CN燃料の活用拡大を進めてまいります。 2. 各フェーズにおける電動化の取り組みEV時代への移行期間には、地域の電源事情に応じて、適材適所で内燃機関、電動化技術、代替燃料など様々な組み合わせとソリューションを提供していく「マルチソリューション」のアプローチが有効と考えております。当社は各国の電動化政策や規制強化の動向を踏まえ、2030年のグローバルでのバッテリーEV比率の想定を25?40%としており、パートナー企業と共に段階的に電動化を進めてまいります。 ■ 第1フェーズ(2022?2024年):蓄積した資産を活用したビジネス基盤強化既存の技術資産であるマルチ電動化技術をフル活用して魅力的な商品を投入し、市場の規制に対応してまいります。ラージ商品群を投入し、プラグインハイブリッド車やディーゼルのマイルドハイブリッド車など、環境と走りを両立する商品で収益力を向上させつつ、バッテリーEV専用車の技術開発を本格化させます。 ■ 第2フェーズ(2025?2027年):電動化へのトランジション電動化への移行期間における燃費向上によるCO2削減を目指し、新しいハイブリッドシステムを導入するなど、これまで培ってきたマルチ電動化技術をさらに磨きます。電動化が先行する中国市場においてバッテリーEV専用車を導入するほか、グローバルにバッテリーEVの導入を開始します。内燃機関における再生可能燃料の利用可能性を踏まえ、熱効率の更なる改善技術の適用等により、内燃機関の性能についても極限まで進化させてまいります。 ■ 第3フェーズ(2028?2030年):バッテリーEV本格導入バッテリーEV専用車の本格導入を進めるとともに、外部環境の変化や財務基盤強化の進捗を踏まえ、電池生産への投資なども視野に入れた本格的電動化に軸足を移してまいります。 3. 人とITの共創による価値創造への取り組み自動車技術の改良を進め、クルマを取り巻く様々な人々や社会の声に耳を傾けつつ、人の幸せを第一に、事故のない安全・安心な社会づくりに貢献していくことは私たちの重要な責務です。安全技術開発に加え、地域や社会と連携し「死亡事故ゼロ」を目指し取り組んでまいります。安全技術開発については、独自の安全思想「MAZDA PROACTIVE SAFETY」のもと、これまで大事にしていた「ひと」を中心としたものづくりに、デジタル技術を掛け合わせた高度運転支援技術の開発を継続し、運転者も同乗者も周囲の人も安全・安心なクルマづくりを進め、2040年を目途に自動車技術で対策が可能なものについては、自社の新車が原因となる死亡事故ゼロを目指します。 (*3)地球上の炭素(カーボン)の総量に変動をきたさない、二酸化炭素(CO2)の排出と吸収がプラスマイナスゼロになるようなエネルギー利用のあり方やシステム。(*4)商品が消費者の手元に届くまでの、調達、製造、在庫管理、配送、販売、消費といった一連の流れ。 4.原価低減とサプライチェーンの強靭化原価低減は、従来の商品原価や、製造原価だけにとどまらず、その範囲を拡大し、サプライチェーンとバリューチェーン(*5)全体を鳥瞰し、商品ラインナップの見直し等による投資効率・在庫回転率の向上を図るなどムリ・ムラ・ムダを徹底的に取り除く取り組みを通じて原価の作りこみを行うよう変えてまいります。サプライチェーンについては、材料調達からお客様へのデリバリーに至るまでの全ての工程における個々の改善にとどまらず、モノがよどみなく流れ、しかもそのスピードが最大化される「全体最適の工程」を実現するよう取り組みます。また、材料・部品調達の階層を浅くし、種類を産む場所を近場に寄せていくなどの調達構造の変革や、汎用性の高い材料や半導体の活用拡大に取り組み、地政学的リスク、地震といった大規模災害などの外部環境の変化に対する影響も最小限にとどめてまいります。 ③ 主な進捗状況カーボンニュートラルへの準備■ 2035年にグローバル自社工場でのCNを実現するため、昨年12月にグローバルでのCO2排出量の約75%を占める国内の自社工場と事業所(*6)における中間目標及びロードマップを策定いたしました。また、中間目標として、2030年度にCO2排出量を2013年度比で69%削減を目指します。■ CN社会の実現に向けて、三井物産株式会社との間で、日本政府が認証するクレジット制度に従い、適切な森林管理により創出されたJ-クレジット(*7)の売買契約を締結いたしました。 電動化の加速■ 市場が急拡大するバッテリーEV並びに車載用電池への需要に対応するため、昨年6月よりパナソニック エナジー株式会社と中長期的パートナーシップの構築に向けて協議を開始し、本年3月に車載用円筒形リチウムイオン電池の供給に向けた合意書を締結いたしました。■ 新技術、新価値、新事業といった複合的な挑戦すべき課題のある電動化事業及び関連の商品開発を、一括して推進する体制を構築するため、昨年11月に電動化事業本部(略称:e-MAZDA)を新設いたしました。■ 新しい時代に適合したロータリーエンジン(以下、「RE」)の研究開発を加速するため、パワートレイン開発本部パワートレイン技術開発部に「RE開発グループ」を復活させ、REを発電機用として継続的に進化させ、主要市場での規制対応やCN燃料対応などの研究開発に取り組んでまいります。 ■ 本年4月、北京モーターショー2024において、新型電動車「MAZDA EZ-6」を公開いたしました。EZ-6は、当社と合弁事業のパートナーである重慶長安汽車股?有限公司との共同開発による新型電動車の第一弾であり、本年中に中国で販売を開始いたします。■ 上記の取り組み等により、今後、収益性を維持しつつ、電動化に向けた成長投資を行い、第2フェーズの電動化へのトランジションを加速させてまいります。 ブランド体験の拡大■ お客様にマツダブランドを体験いただく機会をグローバルに創出・拡充し、「2030 VISION」で掲げる「走る歓び」に共感いただきブランド価値向上につなげるべく、ブランド体験推進本部を新設いたしました。■ スーパー耐久シリーズを頂点とした参加型「モータースポーツ」、お客様の安全・安心な運転技術の習得を目的とした「マツダドライビングアカデミー」、年齢や免許の有無に関係なく、お客様がクルマやモータースポーツに触れる機会を創出するeSPORTSの「MAZDA SPIRIT RACING GT CUP」、様々な体験コンテンツを通じてお客様にクルマの楽しさに触れていただくファンイベント「MAZDA FAN FESTA」などの計画を策定し、順次実施しております。 人とITの共創による価値創造■ 2030年までに間接社員全員がITやAIに係る一定以上の能力を持てるよう、株式会社アイデミーのプログラムを活用し、「デジタル人材」の全社的育成を推進しております。また、お客様体験の向上と従業員一人ひとりの活躍を目指した、組織風土改革の取り組み「BLUEPRINT」の全社的な展開を開始いたしました。 (*5)商品の付加価値を創出するための、商品企画、デザイン、開発、生産技術、製造、販売、サービスといった一連の事業活動の流れ。(*6)本社・本社工場(広島県安芸郡及び広島市)、防府工場(山口県防府市)、三次事業所(広島県三次市)を含む全17拠点。(*7)三井物産株式会社と公益社団法人おかやまの森整備公社の共同プロジェクトとして、おかやまの森整備公社のJ-クレジット対象の森林において、三井物産株式会社の国内社有林である「三井物産の森」で導入実績のある航空測量や衛星データなどのデジタル技術を駆使したノウハウを活用することで創出されるもの。 ※文中における将来に関する事項につきましては、本報告書提出時点において当社グループが判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。 |
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症収束後の経済活動の正常化等に伴い、世界経済は全体として持ち直しの動きが見られました。しかしながら、長期化するロシア・ウクライナ情勢や中東での紛争勃発、世界的な金融引き締めによる景気減速懸念などを背景に、先行き不透明な状況が継続しました。このような状況の中、当社グループは、船舶不足や荷揚げ港での港湾混雑、及び航路変更による輸送期間の長期化などの物流における制約を受けたものの、販売面では、ラージ商品群の導入に加え、収益確保に向けて、販売が好調な市場への仕向地変更、車種構成や販売価格、装備の見直しによる販売強化を図るとともに、投資効率及び在庫回転率の向上による経営効率の改善に取り組んでまいりました。さらに、2030年に向けた経営方針の実現に向け、電動化に向けた取り組み等も進めてまいりました。昨年11月には、電動化事業へのリソースシフトを加速させるため、電動化事業本部(通称e-Mazda)を発足させました。当社初のバッテリーEV専用プラットフォームを有するバッテリーEVの2027年の導入に向け、着実に取り組みを進めております。商品面では、当連結会計年度においては、昨年4月、「MAZDA CX-90」の販売を北米より順次開始するとともに、同年11月には、ロータリーエンジンを発電機として使用する今までにない電動車として「MAZDA MX-30 Rotary-EV」の日本での販売を開始しました。また、昨年10月には、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」において、「MAZDA ICONIC SP(マツダアイコニック エスピー)」を公開いたしました。「ICONIC SP」は、マツダならではのコンパクトでレイアウトの自由度が高い2ローターRotary-EVシステムを想定し、走りの良さを想起させる低重心のプロポーションを備えた新しい時代に適合したコンパクトスポーツカーコンセプトです。マツダは、「クルマが好き」という感情を育むことを「ひと中心」の研究開発やブランド体験で強化しつつ、時代に適合した技術でマツダらしい「走る歓び」を進化させ続け、移動体験の感動を提供することにより、お客様の支持を獲得してまいります。 [グローバル販売]当連結会計年度のグローバル販売台数は、米国における販売が好調に推移したことに加え、車種別では新規に導入した「CX-90」等のラージ商品群や米国アラバマ工場で製造した「MAZDA CX-50」が台数増加を牽引したことから、前期比11.8%増の1,241千台となりました。市場別の販売台数は、次のとおりであります。<日本>クロスオーバーSUVを中心に販売競争が激化したことから、前期比2.8%減の160千台となりました。本年1月に導入した「マツダ ロードスター」の商品改良モデルの販売は、好調に推移しております。<北米>米国は、新規導入の「CX-90」、及びアラバマ工場の生産体制の2直化により生産台数が増加した「CX-50」が販売を牽引したことにより、前期比24.6%増の375千台と過去最高の販売台数となりました。北米全体でも、カナダやメキシコの好調な販売により、前期比26.4%増の514千台となりました。<欧州>主要市場であるドイツや英国などで販売が増加したことから、前期比12.6%増の180千台となりました。車種別では、「MAZDA CX-60」や「MAZDA CX-30」などが販売増加に貢献しました。<中国>「MAZDA3」、「MAZDA CX-5」、及び新規導入の「CX-50」が販売増加に寄与したことにより、前期比14.7%増の97千台となりました。<その他の市場>主要市場のオーストラリアでは、新規導入の「CX-60」に加え、「MAZDA CX-3」及び「CX-30」などが販売増加に貢献し、前期比8.0%増の98千台となりました。一方、その他の市場全体では、タイなどASEAN市場の販売減少もあり、前期比1.7%減の289千台となりました。 [財政状態及び経営成績]a. 経営成績当連結会計年度の当社グループの連結業績は、次のとおりです。 (単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度前期比 通期通期増減額増減率売上高38,26848,277+10,009+26.2%営業利益1,4202,505+1,085+76.4%経常利益1,8593,201+1,342+72.2%親会社株主に帰属する当期純利益1,4282,077+649+45.4% b. 財政状態当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より5,325億円増加し、3兆7,918億円となり、負債合計は、前連結会計年度末より2,319億円増加し、2兆344億円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益2,077億円等により、前連結会計年度末より3,006億円増加し、1兆7,574億円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末より1.6ポイント増加し、45.8%(劣後特約付ローンの資本性考慮後46.7%)となりました。 c. セグメントごとの財政状態及び経営成績当連結会計年度のセグメント別の連結業績は、次のとおりです。 (単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度前期比 通期通期増減額増減率売上高日本31,94838,680+6,732+21.1%北米20,44029,832+9,391+45.9%欧州6,6599,267+2,608+39.2%その他の地域6,5617,326+765+11.7%営業利益日本7131,522+809+113.4%北米381876+496+130.2%欧州149203+54+35.9%その他の地域267269+2+0.6% <日本>売上高は、3兆8,680億円(前期比6,732億円増、21.1%増)、営業利益は1,522億円(前期比809億円増、113.4%増)となりました。これは、主に北米向け出荷台数の増加に加え、販売単価の改善やラージ商品群の導入効果、及び、為替の円安影響等によるものです。セグメント資産は、前期比3,280億円増加の2兆8,802億円となりました。<北米>売上高は2兆9,832億円(前期比9,391億円増、45.9%増)、営業利益は876億円(前期比496億円増、130.2%増)となりました。これは、主に米国及びメキシコで過去最高の販売台数を記録したことや、為替の円安影響等によるものです。セグメント資産は、前期比1,459億円増加の8,173億円となりました。<欧州>売上高は9,267億円(前期比2,608億円増、39.2%増)、営業利益は203億円(前期比54億円増、35.9%増)となりました。これは、主要市場のドイツなどにおいて出荷台数が増加したことや、為替の円安影響等によるものです。セグメント資産は、前期比838億円増加の3,515億円となりました。<その他の地域>売上高は7,326億円(前期比765億円増、11.7%増)、営業利益は269億円(前期比2億円増、0.6%増)となりました。これは、ASEAN市場等での出荷台数が減少した一方で、主要市場であるオーストラリアでの出荷台数の増加や為替の円安影響等があったことによるものです。セグメント資産は、前期比156億円増加の3,877億円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末において、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より2,022億円増加の9,193億円、有利子負債は、前連結会計年度末より477億円減少の5,678億円となりました。この結果、3,515億円のネット・キャッシュ・ポジションとなっております。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,983億円に加え、棚卸資産の減少等により、4,189億円の増加(前期は1,374億円の増加)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出や貸付による支出等により、1,799億円の減少(前期は994億円の減少)となりました。 以上により、連結フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、2,390億円の増加(前期は380億円の増加)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済等により、847億円の減少(前期は899億円の減少)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における車両生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称台数(千台)前期比(%)日本7994.5北米26827.9合計1,0689.6 (注) 北米は、メキシコ工場と米国工場との合計であります。 b. 受注実績当社グループは、主として販売会社の販売実績及び受注状況等を考慮して生産計画を立て、見込生産を行っております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)日本942,619△1.2北米2,342,38043.2欧州887,65039.7その他の地域655,0138.9合計4,827,66226.2 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。2.主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文中の将来に関する事項は、本報告書提出日時点において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。なお、当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク 」に記載しております。 <売上高>当連結会計年度における売上高は、出荷台数の増加や単価改善等により、4兆8,277億円(前期比1兆9億円増、26.2%増)となりました。仕向地別では、国内は、販売台数増により、6,403億円(前期比173億円増、2.8%増)となり、海外は、主として北米での出荷台数の増加に加え、販売単価の改善や為替の円安影響等により、4兆1,874億円(前期比9,836億円増、30.7%増)となりました。製品別では、車両売上高は、出荷台数の増加や新型SUVの導入効果に加え、為替の円安影響等により、車両売上高は4兆1,900億円(前期比9,346億円増、28.7%増)となり、海外生産用部品売上高は、中国向けの出荷が増加したこと等により、226億円(前期比64億円増、39.8%増)となりました。そのほか、部品売上高は3,517億円(前期比313億円増、9.8%増)、その他売上高は2,633億円(前期比286億円増、12.2%増)となりました。<営業利益>出荷台数の増加やラージ商品群の導入に伴う台あたり変動利益の改善、ドルやユーロなどの為替の円安影響等により、営業利益は2,505億円(前期比1,085億円増、76.4%増)、連結売上高営業利益率は5.2%(前期比1.5ポイント増)となりました。なお、営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。 (単位:億円) 通期台数・構成+1,252為替+535原材料・物流費等△112コスト改善+248固定費他△838計+1,085 <経常利益>為替差益542億円の計上等により、3,201億円(前期比1,342億円増、72.2%増)となりました。<親会社株主に帰属する当期純利益>固定資産除売却損154億円を特別損失に計上したことや税金費用889億円等により、2,077億円(前期比649億円増、45.4%増)となりました。 当連結会計年度の財政状態の分析、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 ② 資本の財源、資金の流動性当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、キャッシュ・フローの創出に努めております。また、自動車及び同部品の製造販売事業を行うために必要となる設備投資等に充当することを目的として、銀行借入や社債発行などにより、必要な資金を調達しております。なお、当社は、サステナビリティに関する取り組みを推進するため、資金調達の枠組みとして2024年1月に「サステナブル・ファイナンス・フレームワーク」を策定しました。本フレームワークで調達した資金は、グローバル自社工場のCN、バッテリーEVやプラグインハイブリッド車などの開発・製造、先進安全技術・高度運転支援技術の開発・製造などに活用する予定です。当社グループの資金の流動性管理にあたっては、資金繰り計画を作成し、適時に更新するなどによりリスク管理を行っているほか、急激な外部環境変化に対応できるよう、一定水準の手元流動性を確保する方針としております。また、当社はグループ全体の資金を一元管理し、グループ内での相互貸借機能を保有することで、流動性リスクに対し機動的に対応できる体制を構築しております。加えて、当社は国内金融機関とのコミットメントライン契約の締結により、十分な流動性を確保する手段を保有しております。当連結会計年度末において、現金及び現金同等物9,193億円に未使用のコミットメントライン2,000億円を加えた流動性は、月商比2.8ヶ月に相当する1兆1,193億円となっております。なお、当社グループは、国内2社の格付機関から長期発行体格付けを取得しており、当連結会計年度末現在において、日本格付研究所:「A-」、格付投資情報センター:「BBB+」となっております。株主還元につきましては、当期の業績及び経営環境並びに財務状況等を勘案して決定することを方針とし、安定的な配当の実現と着実な向上に努めることとしております。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を行うことが求められます。当期の連結財務諸表の作成において設定した様々な見積り及び仮定は、当社経営者がその内容について合理的であると判断したものであり、実際の業績は、これらの見積り及び仮定とは異なる場合があります。当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 a. 貸倒引当金売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検証し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、取引先等の財務状況が悪化するなど支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。b. 環境規制関連引当金環境規制に対応する費用の発生に備えるため、各国の環境規制を検証し、当連結会計年度末における発生見込額を計上しておりますが、将来、各国での環境規制がより強化された場合は、引当金の追加計上が発生する可能性があります。c. 退職給付関係退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しておりますが、これらの前提条件が変動した場合、あるいは、運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。d. 固定資産の減損当社グループは固定資産の減損会計の適用に際し、原則として事業会社毎を1つの資産グループとし、遊休資産、賃貸用資産及び売却予定資産は、個々の物件ごとに資産グループとして、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積っておりますが、経営状況の悪化等により帳簿価額を回収できないと判断された場合には、対象資産の帳簿価額に対する減損損失の計上が必要になる可能性があります。e. 繰延税金資産繰延税金資産は、将来減算一時差異等に対して、将来の課税所得に関する予想等に基づく回収可能性を評価することにより計上されていますが、経営状況の悪化により回収できないと判断された場合や、税率変更を含む税制改正等があった場合には、評価性引当額の計上などにより、繰延税金資産の額が減額され、税金費用が発生する可能性があります。f. 製品保証引当金「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) (製品保証引当金)」に記載しております。 ④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2022年11月に「中期経営計画のアップデートおよび2030年の経営方針について」を公表いたしました。本経営計画に係る経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。 |
※本記事は「マツダ株式会社」の令和6年年3期 有価証券報告書を参考に作成しています。
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
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