横河電機株式会社の基本情報

会社名横河電機株式会社
業種電気機器
従業員数連17670名 単2242名
従業員平均年齢44.6歳
従業員平均勤続年数17.1年
平均年収9266539円
1株当たりの純資産1807.37円
1株当たりの純利益(連結)200.41円
決算時期3月
配当金58円
配当性向33.29%
株価収益率(PER)14.44倍
自己資本利益率(ROE)(連結)11.53%
営業活動によるCF990億円
投資活動によるCF▲286億円
財務活動によるCF▲262億円
研究開発費※1320.61億円
設備投資額※1331.2億円
販売費および一般管理費※1611.1億円
株主資本比率※277.4%
有利子負債残高(連結)※3243.52億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。  当社グループは、2021年度に社会共通の課題の解決によって持続的な成長を実現するために、長期経営構想の抜本的な見直しとともに中期経営計画「Accelerate Growth(アクセラレート グロウス)2023(AG2023)」を発表し、2030年のYOKOGAWAのありたい姿の実現に向けて、2023年度までの3年間、社会共通課題を軸とした事業構造を確立するための取り組みを進めてきました。 現在の長期経営構想は、AG2023策定時に抜本的に見直したものであり、2030年を見据えた「YOKOGAWAのありたい姿」を端的に示したVision statement「YOKOGAWAは、自律と共生によって持続的な価値を創造し、社会課題の解決をリードしていきます。」とその実現に向けての方向性を示しています。AG2023が終了を迎えるにあたっては、この長期経営構想は大きな見直しなくそのまま引き継ぐこととし、2024年度からの中期経営計画「Growth for Sustainability(グロウス フォー サステナビリティ)2028(GS2028)」を新たに策定し、その取り組みを開始しました。GS2028では、AG2023で確立した業種軸の事業構造を基盤に、環境・社会・ガバナンスの視点で事業活動に取り組み、社会価値と企業価値の向上を実現させるための変革を加速させます。 (1) 経営の基本方針当社グループは、YOKOGAWAのIdentityを以下のとおり整理しました。創業の精神と、それを受け継いだ企業理念は、社会におけるYOKOGAWAの在り方を示すものです。Vision statementは、2030年を見据えてYOKOGAWAが何をしていくかを示し、共有する価値観は行動をするうえでの指針を示しています。Yokogawa’s Purposeは、それら全てを踏まえ、YOKOGAWAが存在する意義を、意思を込めたコミットメント(公約)として示しています。[創業の精神]創業にあたり、横河民輔は、日本の計測業界の先駆者として歩み始めた横河一郎(後の初代社長)と青木晋(後の初代技師長)に、「君たちは、この仕事でもうけようなどと考える必要はない。それよりもまず、技術を覚え、技術をみがくことだ。横河電機の製品はさすがに良い、といわれるようにしてもらいたい」と語りました。この言葉は創業の精神として今日まで受け継がれています。[企業理念]創業の精神を受け継ぎ1988年に制定された企業理念は、社会に向けてのYOKOGAWAの使命とYOKOGAWA人の価値基準や行動指針を表した、YOKOGAWAの決意表明です。[Yokogawa’s Purpose]お客様、市場、社会からの要望や期待に応えるYOKOGAWAのコミットメントであり、社会に存在することの意義を表したものです。同時に組織としての求心力を高め、グループ全社員の変革への志を喚起します。 [共有する価値観]企業文化や風土を醸成し継承していくうえで、YOKOGAWA社員一人ひとりが「大切にすべき」行動の指針と意志をより具体的に示したものです。共有する価値観に根差した行動は新たな価値の創造を実現し、他社との差別化力、競争力をもって社会に貢献し続けるための原動力となります。[Vision statement]2030年を見据えた長期経営構想で描くYOKOGAWAのありたい姿、企業としての理想を端的に示したものです。 (2) 中長期的な経営戦略長期経営構想と中期経営計画の全体像 [長期経営構想]<Vision statement> YOKOGAWAは、自律と共生によって持続的な価値を創造し、 社会課題の解決をリードしていきます。<お客様への提供価値> 世界は今、あらゆるものが複雑につながり合う時代となっています。運用や管理に独立性のあるシステムが連携し、相乗効果と新しい価値をもたらしていく「System of Systems(SoS)」の流れが進む世界において、当社は、効果的な「つながり」を進め、統合化・自律化・デジタル化による「全体最適」の価値を生み出していきます。当社は「IA2IA※1」と「Smart Manufacturing※2」によるアプローチでこれを実現し、社会全体が「SoS」となる世界をリードしていきます。(※1) IA2IA(Industrial Automation to Industrial Autonomy) AI、デジタルツイン、ロボティックスなどのDX(デジタルトランスフォーメーション)技術を取り込み、Industrial Automation(自動)からIndustrial Autonomy(自律)へと進化させる活動です。(※2) Smart Manufacturing DX(デジタルトランスフォーメーション)やIA2IAによって生産現場、エンタープライズ、及びサプライチェーンにおける自律を実現し、革新的な生産性向上を達成することです。[中期経営計画 「Growth for Sustainability 2028(GS2028)」] GS2028は、「測る力とつなぐ力で、地球の未来に責任を果たす。」というYokogawa’s Purposeを起点としており、Yokogawa’s Purposeのもと、中期経営計画の目標達成に向けた「価値創造プロセス」を以下のように定義しました。 「永年培ってきた、OT(運用技術、Operational Technology)領域におけるお客様起点の課題解決をやり遂げる力と信頼を裏付けとし、人的資本やDXを実現する技術などの基盤を活性化することで、SoS型ビジネスなどにて、より多様かつ高い顧客価値を共創する。その過程を通じて強化したお客様との信頼関係・ノウハウ・人的資本等の経営資本を活用して、事業施策を達成する。」YOKOGAWAの価値創造プロセス  長期経営構想で定めた2030年を見据えた「YOKOGAWAのありたい姿」の実現と、上記価値創造プロセスを実現するために、2028年度までの5年間で取り組むべきこととして、4つの基本戦略を策定しました。それぞれの基本戦略の概要は以下のとおりです。 「Growth for Sustainability 2028」の4つの基本戦略 1.System of Systemsの信頼されるパートナーとしての価値提供 SoSを通じた価値提供を行うため、YOKOGAWAはIA2IAとSmart Manufacturingという2つの側面からアプローチを行います。数多くの製造現場で培ったノウハウ、経験、高度な技術力を活用し、戦略的なコンサルティングとシームレスなインテグレーションという価値を提供することで実現していきます。 2.業種対応力の強化と特定業種へ依存しないビジネスの拡大 さらなる生産の効率化と生産の安定化を追求しているお客様に対応するため、YOKOGAWAはIT/OTの融合を通して業種対応力の強化を図るとともに、品質管理や設備管理といった、業種に関わらない共通の課題を解決するビジネスの拡大にGS2028においても取り組んでいきます。YOKOGAWAが強みをもつフィールド機器や制御システムのレベルから、MESやERPといった上位レイヤーのシステムまでをターゲットに、ソリューションの幅を広げ、お客様のDXをサポートしていきます。 また、事業環境や市場ニーズの変化に対応するため事業内容を変更するお客様のサポートができるように、ソリューションを充実させていきます。 3.無形資本の活用・育成による価値創造 YOKOGAWAは、人的資本、知的資本、社会・関係資本の3つの活用に注力していきます。これら無形資本には、「価値創造力」、「共感力」、「課題発見力」、「ステークホルダーをつなぐ力」というYOKOGAWAが長年培ってきた見えない強みがあり、これらを成長に生かします。 4.経営・事業基盤の強化 価値創造プロセスを支える経営・事業基盤の強化に取り組みます。・全社収益性の向上:戦略的リソースの捻出と配分、オペレーションの最適化と、経営基盤の最適化を図ります。・DX戦略:Internal DXではグローバルなIT基盤のもとで、お客様、パートナー、社員の視点に立って、それぞれの体験価値を向上させるDX施策を進めていきます。External DXではOT分野で培ってきたノウハウを、Yokogawa Cloudのもとで、積極的にアプリケーション化、サービス化し、整備を進め、リカーリングのビジネスモデルへの変革を目指します。・ガバナンスの強化:監査役会設置会社から、指名委員会等設置会社に移行します(2024年度に移行済み)。監督と執行の役割分担を明確化し、意思決定プロセスの効率化、経営判断と事業計画の達成に対する責任の明確化、監査機能の強化、効率化を図ります。 <資本政策・財務戦略> 「Growth for Sustainability 2028」では、長期経営構想を念頭においた成長戦略の実現のために成長投資を強化していきながら、持続的な企業価値及び株主価値の向上を実現していきます。 [初年度からの3年間 2024年度~2026年度]成長投資枠M&A・アライアンス:1,000億円以上・成長戦略の実現に向けた投資を加速・拡大・エネルギー/資源の課題対応、DX/OT(Operational technology)データ活用への貢献、業種拡大の加速等を目的株主還元安定的・継続的な増配・配当性向30%以上の確保に努める・一時的要因での業績悪化時も株主資本配当率を考慮し、安定的な配当を維持・自己株取得についても、財務状況等を踏まえ柔軟に検討前提条件:格付けA格維持可能な株主資本水準を確保 中期経営計画「Growth for Sustainability 2028」についての詳細は、当社ウェブサイトhttps://www.yokogawa.co.jp/about/yokogawa/company-overview/corporate-strategy/をご参照ください。 (3) 経営環境当社グループは、1915年の創立以来、計測、制御、情報の技術を軸に、最先端の製品やソリューションを産業界に提供し、社会の発展に貢献し続けています。また、社会課題・お客様のニーズを捉え、その主要製品・サービスの内容を変化させてきており、2024年度のセグメント別売上高比率は制御事業約94%、測定器事業約5%、新事業他約1%となっています。主力事業の制御事業では、石油、ガス、化学、電力、鉄鋼、紙パルプ、医薬品、食品などの多様な業種展開により日本国内で高いシェアを有しています。さらに、日本での多様な業種展開により得られた知見やノウハウのもと、アップストリーム、ダウンストリームを中心に、中東、中国、アセアン諸国などの資源国や新興国で高いシェアを有しています。なお、2024年度の海外売上高比率は約74%となっています。現地に根付いたグローバルな事業展開を始めてからの約60年で、競合他社に比べ偏りがない地域構成を実現してきており、世界中で4万件以上のプロジェクトを手掛けてきた豊富な納入実績があることも特徴です。豊富な納入実績を活用することで、お客様の既設のプラント設備の生産性向上につながる運用や、保守の効率化に向けたソリューションの比重を高め、あらゆる外部環境の変化にも耐えられるレジリエンス(変化に柔軟に対応できる適応力・回復力)を高めてきています。2030年を見据えた事業環境のメガトレンドは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の観点で、大きく変化していくと想定しています。Politicsでは、自国主義や法規制の強まり、Economyでは、資源の枯渇や食料・水の不足、Societyでは、高齢化、都市化や気候変動、Technologyでは、AI、IoT、5G、バイオテクノロジーの進歩など、さまざまな変化が予想されます。このような中で、当社グループのお客様は、プロセスの変革、持続可能な未来を意識したビジネスモデルへのシフトを進めており、かつ、安全安心、セキュリティなどの観点から人の介在を減らすことの重要性も認識されています。主力事業の制御事業におけるProcess Automation業界では、既存製品の市場が成熟し、ハードウエアのコモディティ化が進んでいると同時に、MES(Manufacturing execution system)やセキュリティ関連のソフトウエア、センサの市場は成長し、サブスクリプションなど新しいビジネスモデルの普及が進んでいます。また、当社グループの成長の糧であるオイル&ガスなどのハイドロカーボン系エネルギーの需要はその社会的役割・位置づけからも急激には失われないと考えられますが、エネルギー活用の多様化、環境規制対応などへの世界的な再生可能エネルギー活用、デジタルトランスフォーメーション(DX)への世界的な要求も高まってきています。このように大きく変化する事業環境において、当社グループは、未来世代のために目指す持続可能な低炭素・循環型社会の姿として定めたサステナビリティ目標「Three Goals」の「脱炭素社会(Net-zero emission)」「循環社会(Circular economy)」「人の命と健康に対する要求の高まり(Well-being)」が事業機会になると捉えています。長期経営構想でも示した通り、「System of Systems(SoS)」の流れが進む世界の中で、統合化・自律化・デジタル化により複雑につながり合う社会システム全体を効果的に結びつけ、当社グループが先駆者として「全体最適」の価値を生み出すことで、3つの事業機会をしっかりと捉え、私たち自身が変革しながら、社会共通の課題の解決と持続的な成長を実現していきます。グローバルの競合のみならずIT企業との競合が激化するなど、事業環境は厳しさが増している中で、これまで蓄積・獲得してきた戦略的なコンサルティングとシームレスなシステムインテグレーション(SI)能力を、お客様への提供価値としてさらに昇華させ、社会全体がSoSとなる世界における信頼されるパートナーとなることを目指します。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等[中期経営計画「Growth for Sustainability 2028 (GS2028)」で目指す経営目標]当社グループは、前中期経営経計画「Accelerate Growth 2023 (AG2023)」が終了を迎えるにあたって、長期経営構想は大きな見直しなくそのまま引き継ぐこととし、当事業年度からの中期経営計画「Growth for Sustainability(グロウス フォー サステナビリティ)2028(GS2028)」を新たに策定し、その取り組みを開始しました。GS2028では、AG2023で確立した業種軸の事業構造を基盤に、環境・社会・ガバナンスの視点で事業活動に取り組み、社会価値と企業価値の向上を実現させるための変革を加速させます。GS2028で達成を目指す経営指標・目標値に対して、取り組みの初年度となった当事業年度実績と次期(2026年3月期)の業績予想を以下のとおり整理すると、事業成長目標およびセグメント別受注高成長目標に関しては、初年度の滑り出しとしては一定の評価ができる実績となりましたが、次期の業績予想を含めた2年間の成長率を見ると、為替の変動影響もあり、GS2028で達成を目指す目標にはまだ隔たりがある状況です。GS2028は5年間の中期経営計画であり、その前半は高い成長目標の実現に向けて先行投資を含めた施策を実行していく期間と位置付けています。あらためてこれらの施策を徹底的に実行し、成長目標の達成に向けて邁進していきます。■AG2023で達成を目指した経営指標・目標値ROS:売上高営業利益率/EPS:1株当たり当期純利益/ROE:自己資本利益率 [資本政策・財務戦略]GS2028では、長期経営構想を念頭においた成長戦略の実現のために成長投資を強化していきながら、持続的な企業価値及び株主価値の向上を実現していきます。● 資本性成長投資(戦略投資)枠を初年度からの3年間累計(2024年度~2026年度)で1,000億円とします。リスク総量、自己資本増減、および負債調達を前提としたリスク投資実行に伴うリスク量の増加想定を織り込んだ上で最適資本構成(リスクが顕在化した場合においても格付A格を維持可能な株主資本水準を保持し、且つ、次の成長に向けた一定のリスク投資余力を確保できる水準)を維持します。● 株主還元方針(利益処分に関する基本方針)については、中長期的な企業価値向上の最大化に向けた投資に優先的に配分していくものの、一定の財務基盤の確保を前提に、積極的な配当還元および自己株取得等による株主還元の向上を図ることを基本方針とします。配当性向による期間利益の一定比率を還元する考え方に加え、株主資本配当率を踏まえた安定的な配当の維持の考え方を維持するとともに、自己株取得についても、財務状況や株価水準等を踏まえながら追加的な株主還元として柔軟に検討します。GS2028期間の当初3年間のうち、初年度となる当事業年度は、営業キャッシュフローの創出においては順調な進捗となりましたが、M&A・アライアンス等の成長投資枠1,000億円以上については、中長期的な企業価値の向上に向けて、着実に成長投資を実施してきたものの、その額は約72億円と低調に推移しました。早期にM&Aの効果を創出すること、シナジーを最大化していくこと、そして全社の事業ポートフォリオを見直し効率的なM&Aを実行していくことは、今後も取り組むべき課題です。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題   中期経営計画「Growth for Sustainability 2028 (GS2028)」の確実な実行世界は脱炭素社会の実現に向けたエネルギー・トランジション等、社会課題解決に向けたニーズの高まりや、デジタル技術の革新などにより劇的に変化しています。また、足元の事業環境も中国経済の先行き懸念や米国による関税引上げ政策、為替相場の急激な変動などにより世界経済の不確実性が高まっているほか、中東情勢やロシア・ウクライナ情勢などの不安定な国際情勢、原材料価格や人件費の高騰も継続しており、日々刻々と変化しています。当社グループは、2030年を見据えた「YOKOGAWAのありたい姿」を端的に示したVision statement「YOKOGAWAは、自律と共生によって持続的な価値を創造し、社会課題の解決をリードしていきます。」とその実現に向けての方向性を示す長期経営構想に基づき、当連結会計年度(2025年3月期)が初年度となる中期経営計画“Growth for Sustainability 2028 (GS2028)”を策定し、このような事業環境の変化を機会ととらえ、事業を通じて社会や環境に貢献しながら持続的な企業価値向上を図る、CSV(Creating Shared Value)経営の実現に向けた取り組みを進めています。長期経営構想及び中期経営計画Growth for Sustainability 2028 (GS2028)の目標達成に向けて中長期的に当社グループが持続的成長をするための変革を加速し、「測る力とつなぐ力で、地球の未来に責任を果たす。」というYokogawa’s Purposeの実現に向け邁進していきます。   長期経営構想及びGS2028で達成を目指す経営目標1.長期経営構想で目指すサステナビリティ目標(2030年度) 2.GS2028で目指す事業成長・財務目標(2024年度~2028年度) 長期経営構想及び中期経営計画についての詳細は、当社ウェブサイトhttps://www.yokogawa.co.jp/about/yokogawa/company-overview/corporate-strategy/をご参照ください。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】[1]業績等の概要(1) 業績 世界は脱炭素社会の実現に向けたエネルギートランジション等、社会課題解決に向けたニーズの高まりや、デジタル技術の革新などにより劇的に変化しており、当社を取り巻く事業環境も大きく変わっています。 このような事業環境の中で、当社グループは、当連結会計年度(2025年3月期)が初年度となる中期経営計画“Growth for Sustainability 2028 (GS2028)”に基づき、事業を通じて社会や環境に貢献しながら持続的な企業価値向上を図る、CSV(Creating Shared Value)経営の実現に向け、取り組んでいます。 この結果、当連結会計年度における当社グループの業績及びセグメント別の業績は以下のとおりとなりました。 なお、業績に関する分析については、『[3] 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 (1) 当連結会計年度の財務状況及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容』に記載のとおりです。 <連結>売上高 5,624億04百万円 (前期比 4.1% 222億52百万円増)営業利益 835億23百万円 (前期比 6.0% 47億22百万円増)経常利益 853億51百万円 (前期比 1.5% 12億53百万円増)親会社株主に帰属する当期純利益 521億23百万円 (前期比 △15.5% △95億62百万円減) <制御事業>売上高 5,283億02百万円 (前期比 4.9% 244億53百万円増)営業利益 775億82百万円 (前期比 8.3% 59億15百万円増) <測定器事業>売上高 299億46百万円 (前期比 △5.9% △18億70百万円減)営業利益 62億23百万円 (前期比 △23.5% △19億15百万円減) <新事業他>売上高 41億55百万円 (前期比 △7.4% △3億30百万円減)営業利益 △2億82百万円 (前期比 - 7億22百万円損失減) (2) キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、減価償却費の計上等により、990億25百万円の収入(前期比 351億92百万円の収入増)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産、無形固定資産、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得等により、286億39百万円の支出(前期は26億53百万円の収入)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払や自己株式の取得等により、262億37百万円の支出(前期比 312億58百万円の支出減)となりました。  以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ448億28百万円増加し、1,792億57百万円となりました。なお、当連結会計年度においては、大型案件受注に係る前受金の受領等による運転資本効率の高まりが、営業活動によるキャッシュ・フローの収入増に寄与しています。 [2]生産、受注及び販売の状況(1) 生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額 (百万円)前期比(%)制御事業528,291104.9 測定器事業29,94694.1 新事業他3,13890.3 合計561,376104.1  (注)金額は販売価格によっています。 (2) 受注状況 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)制御事業564,268110.1 423,579107.6 測定器事業30,299116.9 4,393105.6 新事業他4,023111.8 18986.5 合計598,591110.4 428,163107.5 (3) 販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額  (百万円)前期比(%)制御事業528,302104.9 測定器事業29,94694.1 新事業他4,15592.6 合計562,404104.1  (注)総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。 [3]経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、本項の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 当連結会計年度の財務状況及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ①当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 なお、当項目内において「FY22」「FY23」「FY24」は、それぞれ「2022年度(2023年3月期)」「2023年度(2024年3月期)」「2024年度(2025年3月期)」の略称です。<連結> 当連結会計年度における当社グループの業績は、受注高、売上高、営業利益ともに前期比で増加しました。 売上のベースとなる受注高については、堅調なエネルギー需要を背景に、特に中東・アフリカ地域のお客様の投資が活発であったことや為替の変動影響などにより、前期比で566億30百万円増(+10.4%)の5,985億91百万円となり、為替の変動影響を除くと前期比で約435億円増(+8.0%)となりました。売上高は、為替の変動影響や前期までに受注した大型案件の売上寄与等に伴い、前期比で222億52百万円増(+4.1%)の5,624億4百万円となり、為替の変動影響を除くと前期比で約103億円増(+1.9%)となりました。営業利益は、先行投資費用や人件費などの販管費増が押下げ要因となったものの、為替の変動影響や売上高の増加に伴う粗利増などにより、前期比で47億22百万円増(+6.0%)の835億23百万円となりましたが、為替の変動影響を除くと前期比で約17億円減(△2.2%)となりました。また、経常利益は前期比で12億53百万円増(+1.5%)の853億51百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、主に前期に投資有価証券売却益を特別利益に計上した反動などにより、前期比で95億62百万円減(△15.5%)の521億23百万円となりました。*SME(Subject Matter Expert)・コンサルタント等の人的投資含む  また、セグメント別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、次のとおりです。<制御事業> 制御事業の受注高は、堅調なエネルギー需要を背景に、特に中東・アフリカ地域のお客様の投資が活発であったことや為替の変動影響などにより、前期比で518億32百万円増の5,642億68百万円(為替の変動影響を除いて約397億円増)となり、売上高は、主に為替の変動影響や前期までに受注した大型案件の売上寄与等に伴い、前期比で244億53百万円増の5,283億2百万円(為替の変動影響を除いて約134億円増)となりました。営業利益は、前期比で59億15百万円増の775億82百万円(為替の変動影響を除いて約3億円増)となりました。 制御事業の地域別の受注高は、特に、中東・アフリカ、欧州・CISが前期と比べ好調に推移しましたが、中国は厳しい状況が継続しました。 制御事業の業種別の受注高・売上高は、エネルギー&サステナビリティ、マテリアル、ライフのサブセグメントで示しています。 エネルギー&サステナビリティ事業については、受注高は前期比で505億34百万円増(+18.9%)、為替の変動影響を除いて約16.2%増となりました。主にアップストリーム、ダウンストリームが伸長しました。売上高は、前期比で220億98百万円増(+8.6%)、為替の変動影響を除いて約6.2%増となりました。 マテリアル事業については、受注高は前期比で2億15百万円増(+0.1%)、為替の変動影響を除いて約2.0%減となりました。売上高は前期比で30億56百万円減(△1.5%)、為替の変動影響を除いて約3.5%減となりました。 ライフ事業については、受注高は前期比で10億83百万円増(+2.4%)、為替の変動影響を除いて約0.8%増となりました。売上高は前期比で54億11百万円増(+13.0%)、為替の変動影響を除いて約11.2%増となりました。<測定器事業> 測定器事業については、受注高は前期比で43億74百万円増(+16.9%)の302億99百万円、為替の変動影響を除いて約13.6%増となりました。主に中国を中心にデータセンターや脱炭素領域の蓄電関連の大型案件が寄与しました。売上高は、前年の受注残消化による一時的な伸長の反動により、前期比で18億70百万円減(△5.9%)の299億46百万円、為替の変動影響を除いて約8.5%減となりました。営業利益は前期比で19億15百万円減(△23.5%)の62億23百万円、為替の変動影響を除いて約33.6%減となりました。<新事業他> 新事業他については、受注高は前期比で4億24百万円増(+11.8%)の40億23百万円となり、売上高は、前期比で3億30百万円減(△7.4%)の41億55百万円、営業損失は前期比で7億22百万円損失が減少し2億82百万円の損失となりました。  セグメント別(制御事業・測定器事業・新事業他)の受注高・売上高・営業利益(前期比)は以下のとおりです。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 <当社グループの資本の財源及び資金の流動性> a. 資金調達、流動性管理  当社グループは、成長性戦略投資の実行と安定的な事業運営を行うため、資本効率を高めつつ、事業運営に必要な流動性と多様な調達手段を確保することとしています。事業を行う上で必要となる運転資金や成長のための戦略投資資金を、営業キャッシュ・フローを主とした内部資金だけでなく、金融機関からの借入などの外部資金を有効に活用しています。資金調達にあたっては、安全性、資金効率化及び調達コストの抑制を図ることを基本方針としながら複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、十分な流動性を確保していると考えています。 b. 資産、負債、純資産  当連結会計年度末の総資産は、受取手形、売掛金及び建物及び構築物が減少した一方で、現金及び預金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ454億18百万円増加し7,182億85百万円となりました。また、負債合計は、電子記録債務や賞与引当金が減少した一方で、契約負債が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ144億61百万円増加し2,425億64百万円となりました。純資産は、為替換算調整勘定の減少や自己株式の取得により減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、前連結会計年度末に比べ309億58百万円増加し4,757億21百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.2ポイント増加し、65.1%となりました。※本資料では企業連結に係る暫定的な会計処理の確定に伴う過年度遡及修正を反映していません。 <キャッシュ・フロー>  当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、減価償却費の計上等により、990億25百万円の収入(前期比 351億92百万円の収入増)となりました。  当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産、無形固定資産、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得等により、286億39百万円の支出(前年同期は26億53百万円の収入)となりました。  当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払や自己株式の取得等により、262億37百万円の支出(前期比 312億58百万円の支出減)となりました。  以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ448億28百万円増加し、1,792億57百万円となりました。なお、当連結会計年度においては、大型案件受注に係る前受金の受領等による運転資本効率の高まりが、営業活動によるキャッシュ・フローの収入増に寄与しています。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は会計方針の選択・適用、また、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、『第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)』に記載のとおりです。

※本記事は「横河電機株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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