ソニーグループ株式会社の基本情報

会社名ソニーグループ株式会社
業種電気機器
従業員数連112300名 単2212名
従業員平均年齢42.5歳
従業員平均勤続年数15.8年
平均年収11183744円
1株当たりの純資産540.61円
1株当たりの純利益(連結)188.71円
決算時期3月
配当金60円
配当性向33.5%
株価収益率(PER)63倍
自己資本利益率(ROE)(単体)11.1%
営業活動によるCF23216億円
投資活動によるCF▲9301億円
財務活動によるCF▲2982億円
研究開発費※11389億円
設備投資額※1689.16億円
販売費および一般管理費※1611.1億円
株主資本比率※262.1%
有利子負債残高(連結)※3※40円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 ソニーの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。  2024年度の世界経済は、地政学リスクが高止まりする一方で、インフレ率の低下及びそれにともなう金融緩和により、底堅い成長を維持しました。特に米国経済は、金利が上昇した状況下においても、安定した雇用・所得環境を背景とした個人消費の回復に下支えされ、堅調に推移しました。一方で、米国と日本の金利差を背景に、円相場は2023年度に引き続き大きく変動しました。中国では政府の景気支援策により個人消費や不動産販売の改善が見られたものの、不動産投資の落ち込みを中心とする不動産市場の長期的な低迷が成長を下押ししました。今後の世界経済の見通しは、ウクライナ・ロシア情勢や中東情勢等の不透明さが増していることに加え、米国の一連の関税政策及びそれにともなうグローバルでの景気減速懸念等により、不確実性が急速に高まっています。 ソニーは、グローバルに多様な事業を展開しており、これらの世界経済の状況の変化に加えて、米中関係等の地政学リスクの高まりや人工知能(以下「AI」)のような技術の急速な進化、地球環境問題や社会の分断への対応等、ソニーの事業を取り巻く環境は大きく変化しています。 ソニーは、これらの事業環境の変化に迅速に対応し、各事業の収益構造の強化に取り組むとともに、長期視点の経営を重視し、グループ全体の企業価値向上のための取り組みを続けてきました。  2025年5月14日に開催した経営方針および業績に関する説明会では、社長 CEO(最高経営責任者)の十時裕樹が長期戦略、経営の方向性と重点領域を紹介しました。 十時は、長年にわたり経営の軸足をエンタテインメントに移してきたことがソニーグループの変革と好調な業績に寄与しており、今後もこれら注力領域の成長をめざすと強調しました。足元の好調な勢いとこれまでの実績を糧に、長期ビジョンである「Creative Entertainment Vision」の実現に注力することが、今後のグループ経営方針の中核であると述べ、このビジョン実現のカギとなる主要事業の進捗と重点施策を語りました。  2024年5月23日に開催した経営方針説明会で発表したソニーの「Creative Entertainment Vision」は、クリエイティビティとテクノロジーを通じて感動を届け、IPの価値を最大化し、クリエイター、パートナー、社員とともに、また、ソニーの様々な事業間のシナジーを通じて、「Create Infinite Realities」すなわち、無限の感動を届ける未来の実現をめざしています。十時は、ソニーの事業間コラボレーションを基盤とし、エンタテインメント領域全体で多様なファンコミュニティをつなぐエンゲージメントプラットフォームの活用や、アニメ等の成長領域におけるソニーの強みを活かすことが、このビジョンの実現において重要であると強調しました。  2025年5月14日の経営方針および業績に関する説明会において発表した経営方針の詳細は、以下のとおりです。 1.「Creative Entertainment Vision」の実現を支えるエンタテインメント事業 クリエイティビティとテクノロジーによる感動を届けることをめざす長期ビジョン「Creative Entertainment Vision」を、クリエイター、パートナー、社員とともに、またソニーグループの多様な事業間のシナジーを通じて実現していく。 (1)G&NS分野・プレイステーションR5(以下「PS5R」)が今後も安定した利益をもたらす見込みであり、「FUTURE OF PLAY(遊びの未来)」の創造に向けて、思慮深く戦略的な投資を実行。・インストールベース拡大にともなう月間アクティブユーザー数の増加や、プレイステーションRプラスの収益拡大等による、ネットワークビジネスの売上・利益の安定的な成長を見込む。・『Ghost of Y?tei』やライブサービスゲームの『Marathon』等の新作を通じたユーザー層の拡大と、『HELLDIVERS 2』や『Destiny 2』等の既存のライブサービスゲームの継続的な成功による、スタジオビジネスのさらなる成長に期待。・ベータ版クラウドストリーミング機能に対応したPlayStation Portal? リモートプレーヤー等、強力かつ収益性の高い周辺機器への注力。 (2)音楽分野・グローバル音楽事業では、グローバル市場でのポジション強化に向けて、主要市場における楽曲レパートリー、強力なレーベル及びアーティストサービス、インディーアーティスト向けに最適化されたサービス及びDIY(自作型)配信、音楽出版等、主要な事業価値を強化し、継続的に収益性を向上させる。・国内音楽事業では、2024年度はYOASOBI等のJ-POPアーティストの海外展開で大きな成功を収め、今後もさらなる拡大を進める。・オーガニック成長と戦略的買収の二軸での事業全体及び拡大市場での成長、注力領域や音楽カタログへの戦略的投資機会の探索、プレゼンスの向上、ファンへのサービス提供、ソニー・ミュージック所属アーティストのIPの拡大に注力。・AI等の最先端技術の活用を探求し、価値を創造するとともに、アーティストの権利保護にも取り組む。 (3)映画分野・SPEでは、『Spider-Man: Brand New Day』、Jumanjiシリーズの最新作、『Spider-Man: Beyond the Spider-Verse』、劇場限定公開予定のビートルズの伝記映画4作品等、大型作品の公開を予定している。・アニメ専門配信サービスCrunchyrollは会員数やサービスを順調に拡大し、アニメが映画分野の成長を牽引する見込み。・SPEが引き続き事業間シナジーや、コラボレーションを生み出すハブの役割を担うことを期待。 2.事業間連携とシナジー 「Creative Entertainment Vision」のもと、ここ数年で事業間連携がもたらす価値や可能性が顕在化。 (1)アニメ① グループの複数の事業において、成長を牽引する重要な領域であり、㈱アニプレックス(以下「Aniplex」)やCrunchyrollの事業を基盤に、アニメにおけるリーチの拡大と、コンテンツ開発の強化を進めている。・ゲーム「Ghost of Tsushima: Legends/冥人奇譚」のアニメシリーズ化・アニメをプロデュースする㈱HAYATE(以下「HAYATE」)の設立・㈱KADOKAWA(以下「KADOKAWA」)との戦略的資本業務提携 ② 今後もアニメ市場の成長が見込まれる中、Crunchyrollの成長をさらに加速させるための施策を強化。・アニメグッズ等のeコマース、モバイルゲームライブラリサービス、マンガアプリ等、アニメファンに対するサービスを拡充。・2025年3月31日時点で有料会員が1,700万人超に拡大しているが、さらなる会員獲得に向け、プレイステーションネットワーク(以下「PSN」)との連携を推進。PS5上からのCrunchyrollの有料サービスへの登録を円滑化しており、今後はPSNの収益化機能の活用を通じてCrunchyrollのサービスを強化。 (2)エンゲージメントプラットフォーム・PSNのネットワーク基盤をベースに、決済・データ基盤・セキュリティ等のバックエンドのコア機能を活用し、ユーザーとクリエイターをつなぐ新たなエンゲージメントプラットフォーム構築に取り組んでいる。このプラットフォームはより質の高い収益化にむけたソニーグループ共通基盤として活用されることで、グループ各社が事業の競争力強化や差異化に経営資源を集中し、顧客エンゲージメントの拡大と深化に注力できることをめざす。 (3)ロケーションベースエンタテインメント(以下「LBE」)・LBEは、長期目線で様々なエンタテインメント領域のIP価値を最大化できる領域と位置づけ、初期的な探索を実施。 3.エンタテインメント事業のイネーブラーとなるテクノロジー(1)ET&S分野:商品やサービスの軸足をコンテンツクリエイションにシフト。・α?(Alpha?)の成功をもとに、成長の原動力としてイメージング領域のエコシステム拡大を推進。・スポーツデータの利活用能力の強化のため、昨年KinaTraxを買収。リアルタイムコンテンツクリエイション技術も活用し、新たな視聴層を獲得するオルタナティブ放送の拡大を図る。・空間コンテンツの制作を支援するXYN?、リアルタイムVFX、360 Virtual Mixing Environment等により技術革新を追求。 (2)I&SS分野・モバイル向けイメージセンサー事業ではセンサーサイズの大判化トレンドの継続が見込まれる中、次世代製造プロセスと2層トランジスタ画素積層型のTRISTA等を組み合わせ、センサーの高付加価値化・差異化で顧客の期待に応えさらなる成長をめざす。・投資を適切なレベルに抑制し、投資効率を引き上げるための施策を検討する。・モバイル向けイメージセンサー以外の事業領域では、カメラ向けや産業機器・社会インフラ向けセンサー等で安定した収益を確保しつつ、車載向けセンサー等の将来の成長が期待される事業では、市場成長のスピードや事業性を見極めながら、最適な開発費や体制のもとでの中長期的な成長をめざす。 4.多様な事業と人材による成長の実現 ソニーの事業と人の多様性は、「Creative Entertainment Vision」の実現において最も重要であり、約11万人の社員が多様な視点やアイデアを生み出す環境から生まれるシナジーが、ソニー独自の競争力の源泉。 ソニーはクリエイターの創造性を解放し、無限のリアリティ、エンタテインメント、感動が生まれる世界の実現に努めていく。 第五次中期経営計画 経営数値目標及びキャピタルアロケーションとその進捗<経営数値目標とキャピタルアロケーション>・当社は、2024年5月14日に2024年度から2026年度の3年間の中期経営計画(以下「第五次中期経営計画」)の数値目標を発表しました。・第五次中期経営計画においては、利益ベースの成長をより重視することとし、金融分野を除く連結ベース*1の営業利益の成長率及び営業利益率をグループ全体の経営数値目標としました。具体的には、3年間の連結営業利益の年平均成長率を10%以上とすること、及び3年間累計の連結営業利益率を10%以上とすることを目標としています。・第五次中期経営計画におけるキャピタルアロケーションについては、設備投資に1.7兆円、戦略投資については、各事業における成長投資と機動的な自己株式の取得に1.8兆円を割り当てる計画としました。また、キャピタルアロケーションの主な原資である3年間累計の金融分野を除く連結ベースの営業キャッシュ・フローは、第五次中期経営計画期間における利益成長に加え、2021年度から2023年度の3年間の第四次中期経営計画期間で増加した運転資金の回収により、第四次中期経営計画の実績を上回る、4.5兆円の見通しとしました。・株主還元については、総還元性向を重視し、これを第五次中期経営計画期間を通して段階的に増加させ、最終年度の2026年度には、40%程度とすることを目標としました。 *1 金融事業のパーシャル・スピンオフの実行方針に係る2025年5月14日の取締役会決議にともない、2025年度第1四半期より、金融事業を非継続事業に分類し、金融事業を除く継続事業とは区分して表示するため、2025年5月14日以降、第五次中期経営計画の経営数値目標は継続事業ベースの営業利益の成長率及び営業利益率としています。 <進捗>・2024年度については、主にG&NS分野及びI&SS分野が利益成長を牽引し、金融分野を除く連結ベース*2の営業利益額の2023年度からの成長率は23%、営業利益率は10.6%となりました。・キャピタルアロケーションについては、主たる原資である3年間累計の継続事業ベースの営業キャッシュ・フローの見通しを、2024年度の実績も踏まえ、当初計画の4.5兆円から4.8兆円に見直しました。第五次中期経営計画では、株主還元強化を重要施策の一つと位置付けており、かかる原資の増加は、株主還元の増額に割り当てる計画です。戦略投資は1.8兆円、設備投資は1.7兆円と、当初計画からの変更はありません。・戦略投資の進捗は、2025年5月14日時点までの実行済及び意思決定済案件の合計が約5,140億円となっています。株主還元については、2024年4月1日から2025年4月11日までの期間で総額3,075億円の自己株式取得を実施するとともに、2024年度には、株式分割考慮後*3で2023年度から1株につき3円増配となる年間20円(総額1,206億円)の配当を実施しました。2025年度については、2025年5月15日から2026年5月14日までの1年間で、2,500億円を上限とした自己株式取得枠を設定しており、配当は増配のペースを引き上げ、株式分割考慮後*3で、2024年度から1株につき5円増配となる年間25円*4を予定しています。 *2 金融分野を除く連結ベースの数値はIFRSに則った開示ではありませんが、ソニーは、この開示が投資家の皆様に有益な情報を提供すると考えています。*3 当社は、2024年9月30日を基準日、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。*4 上記の1株当たり配当金の予定額には、金融事業のパーシャル・スピンオフによるSFGI株式の現物配当は含めていません。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1)重要な会計上の見積り IFRSにしたがった連結財務諸表の作成は、決算日における資産・負債の報告金額及び偶発資産・負債の開示、及び報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような、マネジメントによる見積り及び仮定を必要とします。ソニーは、継続的に、過去のデータ、将来の予測及び状況に応じ合理的と判断される範囲での様々な仮定にもとづき見積りを評価します。これらの評価の結果は、他の方法からは容易に判定しえない資産・負債の簿価あるいは費用の報告金額についての判断の基礎となります。実際の結果は、これらの見積りと大きく異なる場合があります。ソニーは、会社の財政状態や業績に重要な影響を与え、かつその適用にあたってマネジメントが重要な判断や見積りを必要とするものを重要な会計上の見積りであると考えます。ソニーは、以下に述べる項目を会社の重要な会計上の見積りとして考えています。なお、重要な会計上の見積りの各項目に関連する会計方針については、「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『2.作成の基礎』及び『3.重要性がある会計方針の要約』をご参照ください。金融商品 ソニーは、金融商品の契約の当事者になった時点で、金融商品を金融資産又は金融負債として認識しています。金融資産及び金融負債は公正価値で当初測定されます。 ソニーの保有する金融商品は測定方法にしたがって分類され、このうち公正価値で測定される金融商品については、将来における公正価値の変動により連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 また、負債性証券の信用損失の評価は、多くの場合、主観的であり、発行企業の信用格付け、業績予想、事業計画及び将来キャッシュ・フローに関するある特定の前提及び見積りが必要とされます。したがって、現在、信用損失がないと判断している負債性証券について、信用格付けの低下、継続的な業績の低迷、将来の世界的な株式市況の大幅悪化又は市場金利変動の影響等の事後的に利用可能となる情報の評価にもとづき、将来、信用損失に関する引当金が測定され、費用として認識されることにより、将来の収益を減少させる場合があります。非金融資産の減損 ソニーは、棚卸資産、契約コスト及び繰延税金資産を除く非金融資産について、個々の資産又は資金生成単位に係る減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能性の検討を行っています。これに加え、各資金生成単位に配分されているのれん、耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産の帳簿価額については、年に1回第4四半期に減損テストを実施しています。  当年度の減損判定において、のれんを持つ全ての資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を超過していたため、のれんの減損損失を認識することはありませんでした。また、重要なのれんを持つ資金生成単位において回収可能価額は帳簿価額を少なくとも10%以上超過しています。耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産においても、回収可能価額が帳簿価額を超過していたため、減損損失を認識することはありませんでした。  中期計画を除く、2024年度ののれんの減損判定において実施された資金生成単位の回収可能価額への影響に関する感応度分析を含む重要な前提の検討は下記のとおりです。詳細は「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『11.のれん及び無形資産』をご参照ください。・税引後割引率は3.9%から14.0%の範囲です。他の全ての前提を同一とし、割引率を1ポイント増加させた場合においても、重要なのれんの減損損失を認識することはありませんでした。・G&NS分野、ET&S分野、I&SS分野及び金融分野の資金生成単位におけるターミナル・バリューに適用された成長率はおおよそ1.0%から2.0%の範囲です。音楽分野の資金生成単位における中期計画を超える期間の成長率は1.0%から3.0%の範囲、映画分野では△5.0%から17.0%の範囲です。他の全ての前提を同一とし、成長率を1ポイント減少させた場合においても、重要なのれんの減損損失を認識することはありませんでした。・映画分野の資金生成単位におけるターミナル・バリューの算定に使用される利益倍率は8.5から14.3、収益倍率は1.4から1.8です。他の全ての前提を同一とし、利益倍率を1.0、収益倍率を0.25それぞれ減少させた場合においても、重要なのれんの減損損失を認識することはありませんでした。 マネジメントは、のれんの減損判定における回収可能価額の見積りに用いられた前提は、合理的であると考えています。しかしながら、将来の予測不能なビジネスの前提条件の変化による、回収可能価額の下落を引き起こすような見積りの変化が、これらの評価に不利に影響し、結果として、将来においてソニーが非金融資産の減損損失を認識することになる可能性があります。企業結合 被取得企業における識別可能資産及び負債は、限定的な例外を除き、取得日の公正価値で測定しています。 企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及びソニーが従来保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にはその超過額がのれんとして認識され、下回る場合には純利益として認識されます。 見積りや前提には固有の不確実性が含まれるため、この移転された対価は異なる金額で評価され、識別可能資産及び負債に割り当てられる可能性があります。実際の結果が異なる可能性があること又は予想しない事象及び状況がこのような見積りに影響を与える可能性があることから、識別可能資産及びのれんの減損損失の計上又は識別可能負債の増加が必要となる可能性があります。 映画分野における予想総収益の見積り 映画会計においては、作品のライフサイクルを通した予想総収益を見積もる過程でマネジメントの判断が必要となります。この予想総収益の見積りは、繰延映画製作費及び映画分野における未払分配金債務の測定にあたり重要となります。 映画作品が製作され関連する費用が資産化される際に、その繰延映画製作費の公正価値が減損し、回収不能と見込まれる額を評価減する必要があるかどうかを決定するため、マネジメントは発生時に費用化される配給関連費用を含む追加で発生する費用を控除した予想総収益を見積もる必要があります。また、映画作品に関する売上原価として認識される繰延映画製作費の額は、その映画作品がそのライフサイクルにおいて様々な市場で公開されることから、残りの予想総収益に対する当該年度の収益実績額の割合にもとづいて計上されています。 マネジメントが各作品の予想総収益を見積もる際に基礎とするのは、同種の過去の作品の収益、主演俳優の人気度、その作品の公開される予測映画館数、BD/DVD等のパッケージメディアやデジタル販売、テレビ放映及びその他の付随マーケットでの期待収益ならびに将来の売上に関する契約等です。この見積りは、各作品の直近までの実現収益及び将来予測収益にもとづいて定期的に見直されます。例えば、公開当初数週間の劇場収入が予想を下回った場合には、通常、劇場、BD/DVD等のパッケージメディアやデジタル販売、及びテレビ放映の生涯収益等を下方に修正することになります。そのような下方修正を行わなかった場合、当該期間における繰延映画製作費の償却費の過少計上になる可能性があります。さらに、未払分配金債務は残りの予想総収益に対する当該年度の収益実績額の割合に応じて計上されます。 繰延税金資産の評価 繰延税金資産は、将来それらを利用できる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識しています。したがって、繰延税金資産の計上金額は、繰延税金資産の回収可能性に関連する入手可能な証拠にもとづいて、定期的に評価されます。  繰延税金資産の評価は、財政状態計算書日時点で適用されている税制や税率にもとづいており、また、ソニーの財務諸表及び税務申告書で認識されている事象に関して将来に起こり得る税務上の結果についてのマネジメントの判断と最善の見積り、様々な税務戦略を実行する能力、一定の場合においての将来の結果に関する予測、事業計画及びその他の見込みを反映しています。ソニーが事業を行っているそれぞれの税務管轄における現在の税制や税率の改正は、実際の税務上の結果に影響を与える可能性があり、市場経済の悪化やマネジメントによる構造改革の目標未達は、将来における業績に影響を与える可能性があります。そして、これらのいずれかが、繰延税金資産の評価に影響を与える可能性があります。将来の結果が計画を下回る場合、税務調査の結果や連結会社間の移転価格に関する事前確認制度の交渉が現在の損益配分に関する予想と異なる結果となる場合、及び税務戦略の選択肢が実行可能ではなくなる場合や売却を予定する資産の価値が税務上の簿価を下回ることになる場合には、繰延税金資産に対して評価減の計上が要求される可能性があります。一方、将来の予測される利益の改善や継続した利益の計上、ビジネス構造の変革といった他の要因によって、関連し得る要因の評価の結果、将来において、税金費用の減額をともなう評価減の戻し入れが計上される可能性があります。現在の見込みにおいて予想していないこれらの起こり得る要因や変化は、評価減が計上又は取崩される期間において、ソニーの業績又は財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 保険料配分アプローチを適用せずに測定している保険契約負債の測定 保険契約グループの帳簿価額は、発生保険金に係る負債と残存カバーに係る負債の合計です。残存カバーに係る負債は、保険契約から生じる履行キャッシュ・フロー及び契約上のサービス・マージンを算定することによって測定されます。保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、将来キャッシュ・フロー、割引率及び非金融リスクに係るリスク調整に関する現在の見積りを用いて、報告日時点で測定されます。将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りを測定するために使用している死亡率、罹患率、解約・失効率及び割引率は、保険契約負債を測定するために用いられる重要な仮定です。 (2)生産、受注及び販売の状況 ソニーの生産・販売品目は極めて広範囲かつ多種多様であり、また、ゲーム機やゲームソフト、音楽・映像ソフト、エレクトロニクス機器等は、その性質上、原則として見込生産を行っているため、分野別に生産規模及び受注規模を金額又は数量で示すことはしていません。販売の状況については後述の「(3)経営成績の分析」において各分野の業績に関連付けて示しています。 (3)経営成績の分析 営業概況 ソニー連結:2023年度(億円)2024年度(億円)売上高 *1130,208129,571営業利益12,08814,072税引前利益12,68714,737当社株主に帰属する当期純利益9,70611,416 金融分野を除く連結ベース *2:2023年度(億円)2024年度(億円)売上高 *1112,650120,439営業利益10,35312,766税引前利益11,45113,432当社株主に帰属する当期純利益8,96610,674*1 IFRSにおける「売上高及び金融ビジネス収入」を「売上高」として表示しています(以下同じ)。*2 金融分野を除く連結ベースの数値はIFRSに則った開示ではありませんが、ソニーはこれらの開示が投資家の皆様に有益な情報を提供すると考えています。金融分野を除く連結ベースの財務諸表の作成については、後述の「金融分野を分離した経営成績情報」をご参照ください(以下同じ)。 連結業績 2024年度の連結業績は、以下のとおりです((+)は主な改善要因、(-)は主な悪化要因)。 売上高:12兆9,571億円(前年度比637億円減収) (-)金融分野の減収 (+)G&NS分野、音楽分野及びI&SS分野の増収 (売上高の内訳の詳細は、後述の「分野別営業概況」参照)  (後述の「売上原価」、「研究開発費」及び「販売費及び一般管理費」に関する売上高に対する比率分析において、売上高には、純売上高のみが考慮されており、金融ビジネス収入は除かれています。これは、金融ビジネス費用は連結財務諸表上、売上原価や販売費及び一般管理費とは別に計上されていることによります。さらに、後述の比率分析のうち、セグメントに関するものについては、セグメント間取引を含んで計算されています。) 売上原価:8兆5,048億円(前年度比4,155億円増加) 売上高に対する比率は前年度の71.8%から70.7%に改善。  研究開発費(売上原価に全額含まれる):7,346億円(前年度比82億円減少) 売上高に対する比率は6.1%(前年度は6.6%)。 (詳細は「第2 事業の状況」『6 研究開発活動』参照) 販売費及び一般管理費:2兆2,568億円(前年度比1,007億円増加) 売上高に対する比率は前年度の19.1%から18.8%に改善。 その他の営業損(益)(純額):92億円の利益(前年度比202億円減少) (-)2023年度に発生した以下の要因の影響がなかったこと・従来持分法で会計処理されていた会社の連結子会社化による再評価益60億円(音楽分野)・ソニーペイメントサービス㈱(以下「ソニーペイメントサービス」)株式の一部譲渡にともなう売却益及び再評価益198億円(金融分野) (「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『23.連結損益計算書についての補足情報』参照) 持分法による投資利益(損失):78億円の損失(前年度は105億円の利益) (-)その他分野における持分法による投資損益の悪化 営業利益:1兆4,072億円(前年度比1,983億円増加) (+)G&NS分野、I&SS分野及び音楽分野の増益 (-)金融分野の減益 2023年度の営業利益には、前述のその他の営業損(益)(純額)に計上された要因が含まれています。 金融収益:1,390億円(前年度比134億円増加)金融費用:725億円(前年度比67億円増加)金融収益及び費用(純額):666億円の収益(前年度比67億円増加) (+)受取利息(純額)の増加 税引前利益:1兆4,737億円(前年度比2,051億円増加) 法人所得税:3,138億円(前年度比257億円増加)実効税率:21.3%(前年度は22.7%) 税率の変動は主に以下の要因の影響によるものです。 ・子会社からの資本の払い戻しにともなう税金費用の減少(484億円) ・子会社の解散にともなう税金費用の減少(353億円) ・日本の税制改正にともなう税率上昇から生じる繰延税金資産及び負債の再評価による税金費用の増加 (「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『25.法人所得税』参照) 非支配持分に帰属する当期純利益:183億円(前年度比84億円増加) 当社株主に帰属する当期純利益(非支配持分に帰属する当期純利益を除く):1兆1,416億円(前年度比1,710億円増加) 基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益:188.71円(前年度は157.66円)希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益:187.92円(前年度は157.14円) (当社は、2024年9月30日を基準日、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。上記の基本的1株当たり当期純利益及び希薄化後1株当たり当期純利益は、前年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しています。1株当たり当社株主に帰属する当期純損益の詳細については、「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『26.基本的及び希薄化後EPSの調整表』参照) 分野別営業概況 以下の情報はセグメント情報にもとづきます。各分野の売上高はセグメント間取引消去前のものであり、また各分野の営業損益はセグメント間取引消去前のもので配賦不能費用は含まれていません。(「第5 経理の状況」 連結財務諸表注記『4.セグメント情報』参照) G&NS分野 主要経営数値 2023年度(百万円)2024年度(百万円)製品部門別の外部顧客向け売上高 デジタルソフトウェア・アドオンコンテンツ1,934,5862,290,498ネットワーク545,537669,873ハードウェア・その他1,692,8711,583,200外部顧客向け売上高の合計4,172,9944,543,571セグメント間取引94,740126,473セグメント売上高4,267,7344,670,044セグメント営業利益290,184414,819  2024年度のG&NS分野の業績は、以下のとおりです。  売上高:4兆6,700億円(前年度比4,023億円増収、為替影響:+1,700億円) ・(+)アドオンコンテンツを含む自社制作以外のゲームソフトウェア販売増加 ・(+)為替の影響 ・(+)ネットワークサービスの増収 ・(-)販売台数減少によるハードウェアの減収 ・(-)自社制作のゲームソフトウェア販売減少  営業利益:4,148億円(前年度比1,246億円増益、為替影響:+2億円) ・(+)ネットワークサービスの増収の影響 ・(+)自社制作以外のゲームソフトウェア販売増加の影響 ・(-)自社制作のゲームソフトウェア販売減少の影響 事業環境及び事業戦略 2024年度の当分野の業績は、PS5のインストールベースの拡大を背景に、アドオンコンテンツを含むゲームソフトウェア販売の好調なモメンタムの継続、プレイステーションRプラス(以下「PS Plus」)における上位ティアへのシフト等によるネットワークサービスからの継続的な収益拡大等にともなうユーザーエンゲージメントの安定的な拡大を反映したものとなりました。このような環境下、ソニーは、PS Plusの収益拡大、プレイステーションRストアにおけるユーザー一人当たりの平均売上高の最大化、これまで積極的に開発を強化してきた自社制作のゲームソフトウェアの販売拡大、及びコストコントロールとサプライチェーン管理の強化を通じて、収益性の高い安定した事業成長をめざしていきます。具体的には、ハードウェアについては、収益性とのバランスを保ちながらPS5のインストールベースを継続的に拡大させるとともに、ユーザーに新しいゲームの楽しみ方を提供するPlayStation Portalリモートプレーヤー等の周辺機器の販売も引き続き推進していきます。ネットワークサービスについては、PS Plusにおいて、ユーザーエンゲージメントを高めるとともに、提供しているサービスやコンテンツの価値を継続的に向上させ、上位ティアへのユーザーの移行を促すことで、利益成長に注力していきます。また、自社制作以外のゲームソフトウェアについては、サードパーティスタジオとの関係性を維持・強化し、毎年リリースされる主要なフランチャイズ作品からの安定的な収益貢献を継続させるとともに、新たなヒット作品の創出のためのクリエイター支援の取り組みも継続していきます。自社制作のゲームソフトウェアにおいては、ソニーが従来から強みを持つシングルプレイヤーゲームを毎年継続的にリリースするとともに、ライブサービスゲームのポートフォリオ構築にも注力することで、安定した収益基盤の構築に取り組んでいきます。また、PC等のマルチプラットフォームへの自社制作のゲームソフトウェアの展開や、ソニーグループ内連携によるプレイステーションのゲームIPの映画化・テレビ番組化の取り組みを継続し、IPのさらなるリーチ拡大と収益化を図っていきます。音楽分野 音楽分野の業績には、日本のSMEJの円ベースでの業績、ならびにその他全世界にある子会社の業績を米ドルベースで連結している、SME及びSMPの円換算後の業績が含まれています。 主要経営数値 2023年度(百万円)2024年度(百万円)ビジネス部門別の外部顧客向け売上高 音楽制作(ストリーミング)709,453788,772音楽制作(その他)356,646407,260音楽出版326,727379,812映像メディア・プラットフォーム202,129244,419外部顧客向け売上高の合計1,594,9551,820,263セグメント間取引24,00322,341セグメント売上高1,618,9581,842,604セグメント営業利益301,662357,255  2024年度の音楽分野の業績は、以下のとおりです。  売上高:1兆8,426億円(前年度比2,236億円増収、為替影響:+738億円) ・(+)音楽制作及び音楽出版におけるストリーミングサービスからの収入増加 ・(+)為替の影響 ・(+)映像メディア・プラットフォームにおける㈱イープラスの連結子会社化の影響 ・(+)音楽制作における興行・物販及びライセンスからの収入増加  営業利益:3,573億円(前年度比556億円増益) ・(+)増収の影響 ・(+)為替の好影響 ・(-)販売費及び一般管理費の増加 事業環境及び事業戦略 2024年度の当分野の業績は、音楽ストリーミング市場の拡大が続く中、これまで積極的に行ってきた優れたアーティストやソングライターの発掘・育成の強化及び音楽カタログへの投資によるストリーミングサービスからの収入の安定的な成長を反映したものとなりました。また、The OrchardやAWAL等のインディーズレーベル向けディストリビューションやインディーアーティスト向けサービスの収益拡大も、当分野の成長に貢献しています。このような環境下、ソニーは、グローバル音楽事業においては、配信プラットフォーム各社との強固な関係を維持しながら、事業全体ならびにラテンアメリカ、インド及びその他アジア諸国等の、拡大する新興市場での事業成長をめざしています。この成長を実現するため、注力地域及び音楽カタログへのさらなる戦略的投資機会の探索による収益機会の拡大、アーティストやソングライターの発掘・育成及びローカルのインディーズレーベルやアーティストとの関係構築・強化を進めていきます。また、アーティストやコンテンツのファンに向けたライブ興行・物販等の事業展開にも注力していきます。また、様々なパートナーと連携して、革新的な音楽コンテンツの創出や新しいアイデアの実現のためのツールとして、AI等の最先端技術の活用を探求するとともに、アーティストの権利保護にも引き続き取り組んでいきます。加えて、ソニーグループ内連携により、ソニー・ミュージック所属アーティストの伝記映画やドキュメンタリー、ライブイベントを通じたIP活用の拡大に取り組んでいきます。日本国内の音楽事業においては、YOASOBI等のJ-POPアーティストの海外展開のさらなる拡大を進めていきます。映像メディア・プラットフォームにおいては、アニメ事業のさらなる成長に向けて、有力IPの新規開発及び獲得のための企画力・制作力の強化と、基幹IPの海外市場を含む展開力強化を進めていきます。例えば、2025年3月には、海外市場を見据えた高品質なアニメの企画力・制作力強化のためにAniplexとCrunchyrollとの共同出資により、HAYATEを設立しました。ゲーム事業においては、新規タイトルによるヒット創出と既存タイトルのライフタイムバリュー最大化の両立に引き続き取り組んでいきます。 映画分野 映画分野の業績は、全世界にある子会社の業績を米ドルベースで連結しているSPEの円換算後の業績です。ソニーはSPEの業績を米ドルで分析しているため、一部の記述については「米ドルベース」と特記してあります。 主要経営数値 2023年度(百万円)2024年度(百万円)ビジネス部門別の外部顧客向け売上高 映画製作542,044610,313テレビ番組制作551,035459,281メディアネットワーク393,638428,940外部顧客向け売上高の合計1,486,7171,498,534セグメント間取引6,3337,410セグメント売上高1,493,0501,505,944セグメント営業利益117,702117,284  2024年度の映画分野の業績は、以下のとおりです(要因分析は米ドルベース)。  売上高:1兆5,059億円(前年度比ほぼ横ばい、米ドルベース:416百万米ドル減収) ・(-)2023年度のWGA及びSAG-AFTRAのストライキによる作品制作の遅れ等によるテレビ番組制作における納入作品数の減少 ・(-)メディアネットワークにおけるインド事業の視聴料及び広告料収入減少 ・(+)有料会員数増加等によるCrunchyrollの増収 ・(+)Alamo Drafthouse Cinemaの買収の影響  営業利益:1,173億円(前年度比ほぼ横ばい、米ドルベース:34百万米ドル減益) ・(-)映画製作におけるカタログ作品の貢献の減少 ・(-)減収の影響 ・(+)劇場公開に係る広告宣伝費の減少 事業環境及び事業戦略 2024年度の当分野の業績は、2023年度のWGA及びSAG-AFTRAのストライキがコンテンツ制作に与えた影響による、テレビ番組制作における作品納入の後ろ倒しを中心とした悪影響があったものの、充実したコンテンツIPや規律ある事業運営等のソニーの強みを反映したものとなりました。また、アニメDTCプラットフォームであるCrunchyrollは、豊富なコンテンツライブラリと配信チャンネルの拡大により有料会員数が順調に成長し、当分野への業績貢献を拡大しました。このような環境下、ソニーは、あらゆる配信プラットフォームにコンテンツを提供できる独立系コンテンツサプライヤーとしての強みを活かし、引き続きIPの長期的な価値最大化をめざします。映画製作においては、映画作品の劇場公開を重視する戦略を継続するとともに、グローバルでのマーケティング及び劇場配給の能力により、タレントやクリエイターとの関係を強化しています。今後は、2026年度に公開予定の『Spider-Man: Brand New Day』をはじめとする、強力なIPの映画作品の劇場公開を予定しています。テレビ番組制作においては、多様なジャンルにおける制作能力を引き続き強化するとともに、スピンオフ作品の開発等によるフランチャイズ拡大に積極的に取り組んでいきます。メディアネットワークにおいては、CrunchyrollやSonyLIV等のDTCサービスの展開をさらに強化していきます。特に、Crunchyrollは、当分野の成長の重要な柱であり、ストリーミングサービスにとどまらず、アニメグッズ等のeコマース、モバイルゲーム、マンガアプリ等を通じてファンとのタッチポイントを拡大し、より幅広い視聴者にリーチしていきます。また、当分野は、ソニーグループ内の事業間シナジーやコラボレーションを生み出すハブの役割を担い、「Creative Entertainment Vision」の実現に貢献することをめざします。例えば、Aniplex、SMEJ及びPlayStation Productionsによる『Ghost of Tsushima』のアニメシリーズ化等、今後もプレイステーションのゲームIPを題材とした作品展開やアニメ領域におけるグループ内コラボレーションを拡大していきます。また、LBEや、2024年6月に買収したAlamo Drafthouse Cinema等の、IPを活用して体験価値を提供する領域において、既存IPからの収益機会を積極的に追求していきます。ET&S分野 主要経営数値 2023年度(百万円)2024年度(百万円)製品部門別の外部顧客向け売上高 テレビ624,264564,154オーディオ・ビデオ412,067391,664静止画・動画カメラ643,429665,144モバイル・コミュニケーション299,905279,834その他435,281462,042外部顧客向け売上高の合計2,414,9462,362,838セグメント間取引38,77246,437セグメント売上高2,453,7182,409,275セグメント営業利益187,399190,926  2024年度のET&S分野の業績は、以下のとおりです。  売上高:2兆4,093億円(前年度比444億円減収、為替影響:+789億円) ・(-)販売台数減少によるテレビ及びスマートフォンの減収 ・(+)為替の影響  営業利益:1,909億円(前年度比35億円増益、為替影響:+123億円) ・(+)オペレーション費用の削減 ・(+)為替の好影響 ・(-)テレビの減収の影響 ・(-)構造改革費用の増加 事業環境及び事業戦略 2024年度の当分野の業績は、引き続き厳しい事業環境の中、テレビにおける販売台数の減少及びスマートフォンにおける製品ラインナップの見直しや競争の激化による販売台数の減少による減収があったものの、事業環境の変化に機敏に対応するための徹底したサプライチェーンの最適化や構造改革を含む固定費削減等の各種施策を実行するとともに、各事業において収益性を重視し、高付加価値商品へのシフトを推進した成果を反映したものとなりました。このような環境下、ソニーは、収益性の高いイメージング事業等のクリエイションを軸とした事業の拡大を着実に進めており、「収益性維持と成長戦略を両立する事業構造の確立」という経営方針の下、「企業価値向上」と「キャッシュ創出」を目標に掲げ、中期的な事業の変革を推進しています。具体的には、テレビ及びスマートフォン事業においては、販売、製造、設計の構造変革を推進することで、収益水準の向上とボラティリティの低減を進め、リスクをコントロールしていきます。テレビ及びスマートフォンで用いるディスプレイ及び通信の技術はクリエイションの拡大に必要不可欠であると考えており、両事業においては、売上の規模を追うのではなく、クリエイションに集中した技術開発を進めることでさらなる事業転換を進めます。イメージング及びサウンド事業においては、安定した収益基盤を強化し、事業領域を拡大させることで、さらなる成長をめざします。イメージング事業では、優れた技術力・商品力による競争優位性で事業領域を拡大し、エコシステムを構築していきます。サウンド事業においても、サウンド制作からコンスーマー製品まで、End to Endでエコシステムの構築をめざします。イメージング事業のソリューションや、サウンド事業のクリエイションを含む領域では、既存のビジネスで培った技術をベースにソフトウェアの付加価値を加えることでクリエイターの表現力を拡張し、クリエイションの多様化により事業を拡大させ、クリエイターのすそ野も拡大していきます。スポーツ及びニューコンテンツクリエイション事業においては、事業モデルの進化やバリューチェーンの拡大を加速するために、規律を持ちながらも積極的に投資を行っていきます。スポーツ事業では、判定支援から、データエンハンスメントのテクノロジーを活用した新たなエンタテインメントの創造へと事業を進化させていきます。ニューコンテンツクリエイション事業においては、空間キャプチャリングやクリエイティブツールのテクノロジーを活用し、新たなクリエイション産業の創出をめざします。I&SS分野 主要経営数値 2023年度(百万円)2024年度(百万円)外部顧客向け売上高の合計1,503,9061,712,534セグメント間取引98,83286,471セグメント売上高1,602,7381,799,005セグメント営業利益193,541261,147  2024年度のI&SS分野の業績は、以下のとおりです。  売上高:1兆7,990億円(前年度比1,963億円増収、為替影響:+959億円) ・(+)為替の影響 ・(+)モバイル機器向けイメージセンサーの増収    ・(+)製品ミックスの改善    ・(+)販売数量の増加  営業利益:2,611億円(前年度比676億円増益、為替影響:+634億円) ・(+)為替の好影響 ・(+)増収の影響 ・(+)モバイル機器向けイメージセンサーの新製品量産立上げにおける費用の減少 ・(-)製造経費の増加 ・(-)減価償却費の増加 事業環境及び事業戦略 2024年度の当分野の業績は、為替の好影響に加え、ハイエンドスマートフォンを中心にモバイル機器向けイメージセンサーの大判化、高画質・高性能化の傾向が継続したことや、2023年度に発生した新製品の歩留り悪化が解消したことにより、売上高及び営業利益ともに過去最高を更新しました。このような環境下、ソニーは、イメージセンサーにおける世界No.1ポジションをさらに強固なものとし、事業環境の不確実性が増している中でも収益性をともなう成長を実現するために経営基盤の再構築に取り組んでいます。当分野では、各事業を「成長牽引事業領域」、「収益事業領域」、「戦略事業領域」の3つに分け、それぞれの戦略の方向性を踏まえて事業を運営しています。成長牽引事業領域であるモバイル機器向けイメージセンサー事業では、競争に勝ち抜くための技術力強化と成長投資を継続します。足元ではスマートフォン市場が緩やかな回復基調にあることに加え、イメージセンサーの大判化は引き続き順調に推移しています。今後は大判化に加えて、イメージセンサーのさらなる高付加価値化を実現し、動画を活用した様々なクリエイションに貢献するために、先端プロセス技術の開発として、プロセスノードの適合化による平面方向の高密度化と、積層技術による多層化を通じた垂直方向の高密度化による技術革新に取り組み、さらなる事業成長を図ります。収益事業領域であるカメラ及び産業・社会インフラ向けイメージセンサー事業においては、高い競争力を堅持し安定した収益貢献をめざします。戦略事業領域である車載向けイメージセンサー事業、システムソリューション事業、半導体レーザー事業及びディスプレイデバイス事業については、将来のビジネスの柱とすべく、事業拡大と収益とのバランスを取りながら、規律を持った事業運営を行っていきます。車載向けイメージセンサー事業はこれまで順調に成長しており、金額シェアは想定どおり拡大しています。市場が拡大する中で、センサー特性の総合力を一層強化し、引き続きグローバルでOEMやパートナーとの関係構築・強化を進め、収益拡大をめざします。半導体レーザー事業は、生成AIの普及にともなうデータセンター市場におけるストレージ需要の拡大により、中長期的な需要拡大を見込んでいます。このような状況のもと、当分野の設備投資については、第五次中期経営計画期間においては投資を厳選し、第四次中期経営計画比で減らしていく方向性には変わりはないものの、モバイル機器向けイメージセンサー事業において、前述の先端プロセスの導入が当初の想定より早まったこと等により、昨年度時点での見通しとの比較では増加する見込みです。同時に、継続する投資負担を軽減するために様々な選択肢を検討していくとともに、今後はフリーキャッシュ・フローの黒字を維持することを財務規律とし、当分野から創出されるキャッシュ・フローを必要な設備投資資金に充当する方針です。 金融分野 金融分野には、SFGI及びSFGIの連結子会社(以下あわせて「ソニーフィナンシャルグループ」)であるソニー生命、ソニー損保、ソニー銀行等の業績が含まれています。金融分野に記載されている業績は、ソニーフィナンシャルグループが日本の会計基準に則って個別に開示している業績とは異なります。 主要経営数値 2023年度(百万円)2024年度(百万円)金融ビジネス収入1,769,954931,400営業利益173,576130,528  2024年度の金融分野の業績は、以下のとおりです。  金融ビジネス収入:9,314億円(前年度比8,386億円減収) ・(-)ソニー生命の減収(△8,638億円、収入:6,601億円)    ・(-)市況変動による特別勘定における資産運用益の減少  営業利益:1,305億円(前年度比430億円減益) ・(-)2023年度におけるソニーペイメントサービス株式の一部譲渡にともなう売却益及び再評価益の計上(△198億円) ・(-)ソニー生命の減益(△131億円、ソニー生命の営業利益:1,134億円)    ・(-)変額保険の最低保証等に係る市況変動による利益の減少 事業環境及び事業戦略 2024年度の当分野の業績は、日本経済と債券市場の状況を反映したものとなりました。日本経済は、円安等による輸入価格の高止まりや食料価格上昇等による物価高が長引いたことで、個人消費の本格回復には至らず、景気は踊り場となりました。債券市場は、日米の景気及び金融政策の動向による影響を大きく受けました。2024年夏頃までは日本銀行の国債買い入れ縮小観測等を受けて、日本の長期金利は1%を超える水準まで上昇しました。しかし、8月に米国において失業率上昇等を受けて景気後退観測が高まり、国際金融市場が大きく不安定化したため、日本の長期金利は急転して1%以下まで低下しました。2024年度後半は、米国経済に対する過度な悲観論が後退する中、国内物価の上振れリスク等から日本銀行による追加利上げ観測が高まり、長期金利は上昇基調を強めました。2025年1月には政策金利が0.5%に引き上げられ、同年の春闘では前年を超える賃上げ率となったこと等から、3月には長期金利が約16年ぶりとなる1.5%超をつけました。このような環境下、ソニーは、当分野の業績に対する金利感応度低減のため、保有する債券の売却や入れ替え、一部の既契約ブロックの出再に取り組んでいます。2025年10月に予定している金融事業のパーシャル・スピンオフにより、SFGIは当社の持分法適用関連会社となる予定です。金融事業のパーシャル・スピンオフ実行後も、ソニーは金融事業のさらなる成長のために、ソニーのブランドとテクノロジーを軸とした、金融事業とソニーグループの連携強化を図っていきます。ブランドに関しては、金融事業のパーシャル・スピンオフ実行後も、ソニーフィナンシャルグループは、ソニーブランドの継続使用が可能であり、ソニーグループとの事業間連携を通じて金融事業のブランド価値のさらなる向上をめざします。テクノロジーに関しては、Web3関連技術を活用したBorderless Digital Bankingサービスの開発、ライフプランナー向けの営業支援等におけるデータ解析・利活用、AIによる顧客対応アシスト、ゲーム関連技術やコンテンツのリハビリ用途への活用等、ソニーグループが持つ技術やIP、エンタメを活用することで、非金融から金融へのシームレスな顧客体験の創出を図ります。また、これまで着実に成長してきたソニーフィナンシャルグループの各事業のコアコンピタンスを、付加価値の伸びが最も大きいと考えられるソニー生命に実質的に融合し、今後はソニー生命をコアとした金融グループ一体での価値提供を行っていきます。ソニーフィナンシャルグループは、ソニー生命を軸とした既存事業の利益成長に加えて、ソニー損保が持つ高いブランド認知度や集客力、ソニー銀行が持つ資金循環基盤等、各事業のコアコンピタンスを事業の垣根を越えて活かすことで新たな付加価値を顧客に提供し、さらなる成長をめざします。 金融分野を分離した経営成績情報 以下の表は金融分野の要約損益計算書、及び金融分野を除くソニー連結の要約損益計算書です。これらの要約損益計算書は、ソニーの連結財務諸表の作成に用いられたIFRSには準拠していませんが、金融分野はソニーのその他の分野とは性質が異なるため、ソニーはこのような比較表示が連結財務諸表の理解と分析に役立つものと考えています。なお、以下の金融分野と金融分野を除くソニー連結の金額には両者間の取引を含んでおり、これらの相殺消去を反映した後のものがソニー連結の金額です。 要約損益計算書(3月31日に終了した1年間) (単位:百万円)金融分野金融分野を除くソニー連結ソニー連結 2023年度2024年度2023年度2024年度2023年度2024年度売上高--11,265,04312,043,90311,260,03712,034,917金融ビジネス収入1,769,954931,400--1,760,731922,147売上高及び金融ビジネス収入合計1,769,954931,40011,265,04312,043,90313,020,76812,957,064売上原価--8,101,9908,514,3258,089,3178,504,810販売費及び一般管理費--2,148,4722,256,2942,156,1562,256,829金融ビジネス費用1,615,594798,954--1,606,370789,702その他の営業損(益)(純額)△19,2711,982△10,133△11,224△29,404△9,241売上原価、販売費・一般管理費及びその他の一般費用合計1,596,323800,93610,240,32910,759,39511,822,43911,542,100持分法による投資利益(損失)△556410,557△7,86510,502△7,801営業利益173,576130,5281,035,2711,276,6431,208,8311,407,163金融収益(費用)(純額)--109,86466,53059,83166,563税引前利益173,576130,5281,145,1351,343,1731,268,6621,473,726法人所得税49,06356,359239,105257,467288,168313,839当期純利益124,51374,169906,0301,085,706980,4941,159,887当期純利益の帰属 金融分野の当期純利益123,98674,169----金融分野を除くソニー連結の当期純利益--896,6361,067,419--当社株主に帰属する当期純利益----970,5731,141,600非支配持分に帰属する当期純利益527-9,39418,2879,92118,287 その他分野 2024年度の売上高は、前年度比70億円増加し、963億円となりました。営業損益は、前年度の16億円の利益に対し、2024年度は180億円の損失となりました。この損益悪化は、前述の増収の影響があったものの、主に持分法による投資損益の悪化によるものです。 為替変動とリスク・ヘッジ 2024年度の米ドル、ユーロに対する平均円レートはそれぞれ152.5円、163.6円と前年度の平均レートに比べ米ドルは8.1円、ユーロは7.0円の円安となりました。 2024年度の連結売上高は、前年度比ほぼ横ばいの12兆9,571億円となりました。前年度の為替レートを適用した場合、売上高は約4%の減収となります。為替変動による売上高及び営業損益への影響については後述の『注記』をご参照ください。 G&NS分野、ET&S分野及びI&SS分野の為替変動による売上高及び営業損益への影響については、以下の表をご参照ください。また、詳細については、「経営成績の分析」の分野別概況における各分野の分析をご参照ください。為替の影響が大きかった分野やカテゴリーについて、その影響に言及しています。 2023年度(億円)2024年度(億円)為替変動による影響額(億円)G&NS分野売上高42,67746,700+1,700 営業利益2,9024,148+2ET&S分野売上高24,53724,093+789 営業利益1,8741,909+123I&SS分野売上高16,02717,990+959 営業利益1,9352,611+634  なお、2024年度の音楽分野の売上高は前年度比14%増加の1兆8,426億円となりましたが、前年度の為替レートを適用した場合、約9%の増収でした。映画分野の売上高は前年度比ほぼ横ばいの1兆5,059億円となりましたが、米ドルベースでは、前年度比約4%の減収でした。詳細な分析は、「(3)経営成績の分析」の「音楽分野」及び「映画分野」をご参照ください。ソニーの金融分野は、円ベースのSFGIを連結しています。同分野の事業のほとんどが日本で行われていることから、ソニーは金融分野の業績の分析を円ベースでのみ行っています。 2024年度のG&NS分野、ET&S分野及びI&SS分野において、米ドルに対する1円の円高の影響は、売上高では約318億円、営業損益では約13億円の減少と試算されます。ユーロに対する1円の円高の影響は、売上高では約118億円、営業損益では約65億円の減少と試算されます。(「第2 事業の状況」『3 事業等のリスク』参照) ソニーの連結業績は、主に収入と費用において通貨構成が異なることから生ずる為替変動リスクにさらされています。G&NS分野では、米ドル建てのコストの割合が高いのに対して、売上高は日本円、米ドル又はユーロで計上されるため、米ドルに対する円高は営業利益に好影響を、ユーロに対する円高は営業利益に悪影響を及ぼします。ET&S分野では、主要製品におけるドル建ての製造コスト等の割合が高いこと等から米ドルに対する円高は営業利益に好影響を及ぼします。一方で、新興国での売上高の割合が高いため、新興国通貨に対する円高は営業利益に悪影響を及ぼします。I&SS分野では、米ドル建ての販売契約の割合が高い一方、主に日本で製造を行っていることから、米ドルに対する円高は営業利益に大幅な悪影響を及ぼします。 これらの為替変動によるリスクを軽減するため、ソニーは一貫したリスク管理方針に従い、先物為替予約、通貨オプション契約を含むデリバティブを利用しています。ソニーが行っているこれらのデリバティブは、主に当社及び当社の子会社の予想される外貨建て取引及び外貨建て営業債権や営業債務から生じるキャッシュ・フローの為替変動によるリスクを低減するために利用されています。 ソニーは、総合的な財務サービスを当社及び当社の子会社・関連会社に提供することを目的として、Sony Global Treasury Services Plc(以下「SGTS」)を英国に設立しています。為替変動リスクにさらされている当社及び全ての子会社が、リスク・ヘッジのための契約をSGTSとの間で結ぶことがソニーの方針となっており、当社及び当社の子会社のほとんどはこの目的のためにSGTSを利用しています。為替リスク集中の原則にもとづき、SGTSと当社がソニーグループ全体の相殺後のほとんどの為替変動リスクをヘッジしています。ソニーの方針として、金融機関との為替デリバティブ取引は、リスク管理のため、原則としてSGTSに集中しています。SGTSはグループ外の信用の高い金融機関との間で外国為替取引を行っています。ほとんどの外国為替取引は、実際の輸出入取引が行われる前の予定された取引や債権・債務に対して行われます。一般的には、実際の輸出入取引が行われる当月又は1ヵ月前からヘッジを行っています。ソニーは金融機関との外国為替取引を主にヘッジ目的のために行っています。ソニーは、金融分野を除き、売買もしくは投機目的でこれらのデリバティブを利用していません。金融分野においては、主に資産負債の総合管理の一環としてデリバティブを活用しています。  キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブの公正価値変動は、当初累積その他の包括利益に計上され、ヘッジ対象取引が損益に影響を与える時点で損益に振り替えられます。一方、ヘッジ会計の要件を満たさない先物為替予約、通貨オプション契約、及びその他のデリバティブは時価評価され、その変動は、直ちに金融収益・金融費用に計上されます。2024年度末における外国為替契約の負債に計上された公正価値(純額)の合計は5億円となっています。(「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『15.デリバティブ及びヘッジ活動』参照) 『注記』前年度の為替レートを適用した場合の売上高の状況、及び為替変動による影響額について 前年度の為替レートを適用した場合の売上高の状況は、当年度の現地通貨建て月別売上高に対し、前年度の月次平均レートを適用して算出しています。ただし、音楽分野のSME及びSMP、ならびに映画分野については、米ドルベースで集計した上で、前年度の月次平均米ドル円レートを適用した金額を算出しています。 映画分野の業績の状況は、米国を拠点とするSPEが、全世界にある子会社の業績を米ドルベースで連結していることから、米ドルベースで記載しています。 為替変動による影響額は、売上高については前年度及び当年度における平均為替レートの変動を主要な取引通貨建て売上高に適用して算出し、営業損益についてはこの売上高への為替変動による影響額から、同様の方法で算出した売上原価ならびに販売費及び一般管理費への為替変動による影響額を差し引いて算出しています。I&SS分野では独自に為替ヘッジ取引を実施しており、売上高及び営業損益への為替変動による影響額に同取引の影響が含まれています。 これらの情報はIFRSに則って開示されるソニーの連結財務諸表を代替するものではありません。しかしながら、これらの開示は、投資家の皆様にソニーの営業概況をご理解頂くための有益な分析情報と考えています。 所在地別の業績 所在地別の業績は、顧客の所在国又は地域別に分類した売上高及び金融ビジネス収入を「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『4.セグメント情報』に記載しています。 (4)財政状態の分析 以下の表は金融分野の要約財政状態計算書、及び金融分野を除くソニー連結の要約財政状態計算書です。これらの要約財政状態計算書はソニーの連結財務諸表の作成に用いられたIFRSには準拠していませんが、金融分野はソニーのその他のセグメントとは性質が異なるため、ソニーはこのような比較表示が連結財務諸表の理解と分析に役立つものと考えています。なお、以下の金融分野と金融分野を除くソニー連結の金額には両者間の取引を含んでおり、両者の繰延税金資産と繰延税金負債を相殺する前の金額となっています。これらの相殺消去を反映した後のものがソニー連結の金額です。 要約財政状態計算書 (単位:百万円)科     目金融分野金融分野を除くソニー連結ソニー連結2023年度末2024年度末2023年度末2024年度末2023年度末2024年度末資 産 の 部流動資産 現金及び現金同等物 *1913,8151,216,277993,2981,764,6791,907,1132,980,956金融分野における投資及び貸付 *2398,153453,677–398,153453,677営業債権、その他の債権及び契約資産127,016126,0522,033,1701,820,6882,158,1961,943,184棚卸資産–1,518,6441,310,7701,518,6441,310,770その他の金融資産57,254117,71968,11127,473125,365145,192その他の流動資産50,48725,882625,539604,486669,335621,209流動資産合計1,546,7251,939,6075,238,7625,528,0966,776,8067,454,988非流動資産 持分法で会計処理されている投資4,9053,171418,839344,547423,744347,718金融分野における投資及び貸付 *218,939,79418,736,298–18,939,79418,736,298金融分野への投資(取得原価)–550,483550,483–有形固定資産14,16213,3351,508,1511,499,9981,522,6401,513,660使用権資産76,28876,291428,224446,455503,395521,685のれん及び無形資産(コンテンツ資産含む) *377,32386,6013,953,4924,342,3804,030,8154,428,981繰延税金資産-3,149520,613546,501499,550559,284その他の金融資産52,88260,496848,5991,108,426897,3411,164,630その他の非流動資産165,049153,880421,258484,529513,405565,929非流動資産合計19,330,40319,133,2218,649,6599,323,31927,330,68427,838,185合 計20,877,12821,072,82813,888,42114,851,41534,107,49035,293,173 負 債 及 び 資 本 の 部流動負債 短期借入金1,802,3371,872,486227,979258,9182,030,3162,131,404営業債務及びその他の債務61,15393,0102,005,1122,010,4442,064,9052,100,144銀行ビジネスにおける顧客預金3,670,5673,981,193–3,670,5673,981,193未払法人所得税10,0505,902142,02483,583152,07489,485映画分野における未払分配金債務–251,743236,752251,743236,752その他の金融負債77,52374,68038,52236,009116,044110,689その他の流動負債209,555225,5311,704,1581,822,9931,906,3962,039,121流動負債合計5,831,1856,252,8024,369,5384,448,69910,192,04510,688,788非流動負債 長期借入債務703,106690,2491,355,0111,376,5932,058,1172,066,842退職給付に係る負債39,28438,806208,299198,135247,583236,941繰延税金負債36,3688,202165,877172,139166,424175,228保険契約負債12,931,99512,689,306–12,931,99512,689,306映画分野における未払分配金債務–206,081188,919206,081188,919その他の金融負債214,414313,800175,263263,675386,761574,351その他の非流動負債7,6076,751176,767177,380162,379162,647非流動負債合計13,932,77413,747,1142,287,2982,376,84116,159,34016,094,234負 債 合 計19,763,95919,999,9166,656,8366,825,54026,351,38526,783,022金融分野の株主に帰属する資本1,113,1691,072,912—-金融分野を除くソニー連結の株主に帰属する資本–7,062,6577,695,469–当社株主に帰属する資本—-7,587,1778,179,745非支配持分–168,928330,406168,928330,406資 本 合 計1,113,1691,072,9127,231,5858,025,8757,756,1058,510,151合 計20,877,12821,072,82813,888,42114,851,41534,107,49035,293,173 (注)*1 2024年度末の金融分野を除くソニー連結における現金及び現金同等物の変動要因は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の『(5)キャッシュ・フローの状況の分析』をご参照ください。*2 2023年度末及び2024年度末の金融分野における投資及び貸付の変動については、「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『5.金融商品』をご参照ください。*3 2024年度末の金融分野を除くソニー連結におけるのれん及び無形資産(コンテンツ資産含む)の増加は、主に音楽分野及び映画分野におけるコンテンツ資産の増加によるものです。 (5)キャッシュ・フローの状況の分析 営業活動によるキャッシュ・フロー:2024年度において営業活動から得た現金及び現金同等物(純額)は、前年度比9,485億円増加し、2兆3,217億円となりました。 金融分野を除くソニー連結では、1兆9,724億円の受取超過となり、前年度比7,946億円の受取の増加となりました。この増加は、営業債権及び契約資産が増加から減少に転じたこと、非資金調整項目(減価償却費及び償却費(契約コストの償却を含む)、その他の営業損(益)(純額)ならびに有価証券に関する損(益)(純額))を加味した後の税引前利益が増加したこと、営業債務が減少から増加に転じたこと、ならびに棚卸資産の減少額の拡大等によるものです。一方で、コンテンツ資産の増加額が拡大したこと等のキャッシュ・フローを悪化させる要因もありました。 金融分野では3,503億円の受取超過となり、前年度比1,039億円の受取の増加となりました。この増加は、ソニー銀行における住宅ローンの増加額が縮小したこと等によるものです。  投資活動によるキャッシュ・フロー:2024年度において投資活動に使用した現金及び現金同等物(純額)は、前年度比1,112億円増加し、9,301億円となりました。 金融分野を除くソニー連結では、9,044億円の支払超過となり、前年度比1,102億円の支払の増加となりました。この増加は、主にビジネスの買収等による支出が前年度に比べて増加したことによるものです。 金融分野ではほぼ前年度並みの269億円の支払超過となりました。  財務活動によるキャッシュ・フロー:2024年度において財務活動に使用した現金及び現金同等物(純額)は、前年度比875億円増加し、2,982億円となりました。 金融分野を除くソニー連結では、2,772億円の支払超過となり、前年度比799億円の支払の増加となりました。この増加は、主に長期借入債務による調達額が前年度に比べ減少したことによるものです。 金融分野では209億円の支払超過となり、前年度比424億円の支払の減少となりました。この減少は、配当金の支払を行わなかったこと等によるものです。  現金及び現金同等物:以上の結果、為替変動の影響を加味した2025年3月末の現金及び現金同等物期末残高は2兆9,810億円となりました。金融分野を除くソニー連結の2025年3月末における現金及び現金同等物期末残高は、2024年3月末に比べ7,714億円増加し、1兆7,647億円となりました。金融分野の2025年3月末における現金及び現金同等物残高は、2024年3月末に比べ3,025億円増加し、1兆2,163億円となりました。 金融分野を分離したキャッシュ・フロー情報 以下の表は、金融分野の要約キャッシュ・フロー計算書、及び金融分野を除くソニー連結の要約キャッシュ・フロー計算書です。この要約キャッシュ・フロー計算書は、ソニーの連結財務諸表の作成に用いられたIFRSには準拠していませんが、金融分野はソニーのその他のセグメントとは性質が異なるため、ソニーはこのような比較表示が連結財務諸表の理解と分析に役立つものと考えています。なお、以下の金融分野と金融分野を除くソニー連結の金額には両者間の取引を含んでおり、これらの相殺消去を反映した後のものがソニー連結の金額です。 要約キャッシュ・フロー計算書 (単位:百万円)項    目金融分野金融分野を除くソニー連結ソニー連結2023年度2024年度2023年度2024年度2023年度2024年度営業活動によるキャッシュ・フロー 税引前利益(損失)173,576130,5281,145,1351,343,1731,268,6621,473,726営業活動から得た又は使用した(△)現金及び現金同等物(純額)への税引前利益(損失)の調整 減価償却費及び償却費(契約コストの償却を含む)27,68927,3991,117,2921,125,5881,144,9811,152,987その他の営業損(益)(純額)△19,2711,981△10,133△11,222△29,404△9,241有価証券に関する損(益)(純額)(金融分野以外)–△73,166△75,742△73,166△75,742資産及び負債の増減 営業債権及び契約資産の増加(△)・減少△20,843959△200,071226,098△243,646228,623棚卸資産の増加(△)・減少–75,641199,91675,641199,916金融分野における投資及び貸付の増加(△)・減少△1,748,913△824,443–△1,748,913△824,443コンテンツ資産の増加(△)・減少–△486,183△683,388△486,183△683,388営業債務の増加・減少(△)27,11631,309△40,882107,6019,188136,952保険契約負債(保険契約資産との純額)の増加・減少(△)1,370,580573,749–1,370,580573,749銀行ビジネスにおける顧客預金の増加・減少(△)536,688401,014–536,688401,014生命保険ビジネス及び銀行ビジネスにおける借入債務の増加・減少(△)△41,51666,783–△41,51666,783法人所得税以外の未払税金(純額)の増加・減少(△)387△1,304△22,878△14,157△22,491△15,461その他△59,081△57,649△326,927△245,428△387,208△303,800営業活動から得た又は使用した(△)現金及び現金同等物(純額)246,412350,3261,177,8281,972,4391,373,2132,321,675投資活動によるキャッシュ・フロー 有形固定資産及びその他の無形資産の購入△18,167△26,542△606,844△622,187△623,946△647,527投資及び貸付(金融分野以外)–△95,506△98,536△95,506△98,536投資の売却又は償還及び貸付の回収(金融分野以外)–92,67946,54092,67946,540その他△7,560△382△184,553△230,215△192,113△230,597投資活動から得た又は使用した(△)現金及び現金同等物(純額)△25,727△26,924△794,224△904,398△818,886△930,120財務活動によるキャッシュ・フロー 借入債務の増加・減少(△)△11,633△21,54590,289△48,82778,656△70,372配当金の支払△50,037-△98,620△115,253△98,620△115,253その他△1,693605△188,977△113,111△190,745△112,618財務活動から得た又は使用した(△)現金及び現金同等物(純額)△63,363△20,940△197,308△277,191△210,709△298,243現金及び現金同等物に対する為替相場変動の影響額–82,595△19,46982,595△19,469現金及び現金同等物の純増加・減少(△)額157,322302,462268,891771,381426,2131,073,843現金及び現金同等物期首残高756,493913,815724,407993,2981,480,9001,907,113現金及び現金同等物期末残高913,8151,216,277993,2981,764,6791,907,1132,980,956 (6)資本の財源及び資金の流動性についての分析 以下の基本方針及び数値情報は、独自に流動性を確保している金融分野及び一部の子会社を除いたソニーの連結事業にもとづいて説明しています。なお、金融分野については当該項目において別途説明しています。 流動性マネジメントと資金の調達 ソニーは、事業活動に必要な流動性を保ちながら健全な財政状態を維持することを財務の重要な目標と考えています。ソニーは、現金及び現金同等物(以下「現預金等」。ただし、国の規制等で資金の移動に制約があるものを除く)及びコミットメントラインの未使用額を合わせた金額を流動性として位置づけています。 流動性の保持に必要な資金は、営業活動及び投資活動(資産売却を含む)によるキャッシュ・フロー及び現預金等でまかないますが、ソニーは必要に応じて社債、CP、銀行借入等の手段を通じて、金融・資本市場からの資金調達を行っています。 当社、SGTS及び米国の子会社Sony Capital Corporation(以下「SCC」)は日本・米国・欧州の各市場へアクセス可能なCPプログラム枠を有しています。2024年度末時点で当社、SGTS及びSCCは、円換算で合計1兆2,468億円分のCPプログラム枠を保有しています。2024年度末における発行残高はありません。 金融・資本市場が不安定な混乱状況に陥り、前述の手段により十分な資金調達ができなくなった場合に備え、ソニーは、多様な金融機関との契約によるコミットメントラインも保持しています。2024年度末の未使用のコミットメントラインの総額は円換算で7,607億円です。未使用のコミットメントラインの内訳は、日本の銀行団と結んでいる3,500億円の円貨コミットメントライン、日本の銀行団と結んでいる1,700百万米ドルの複数通貨建てコミットメントライン、外国の銀行団と結んでいる1,050百万米ドルの複数通貨建てコミットメントラインです。金融・資本市場の流動性がなくなった場合でも、ソニーは現預金等及びこれらのコミットメントラインを使用することによって十分な流動性を維持することができると現時点では考えています。 ソニーは、流動性及び資本政策に対する財務の柔軟性を確保し、金融・資本市場を通じた十分な資金リソースへのアクセスを保持するため、安定した一定水準の信用格付けの維持を重要な経営目標の一つと位置づけています。ただし、グループ全体の主要な資金調達に関する金融機関との契約において、ソニーの信用格付けが低下した場合に、強制的に早期弁済を求められるものはありません。また、これら契約のうち一部のコミットメントライン契約については、ソニーの信用格付けにより借入コストが変動する条件が含まれているものがありますが、未使用のコミットメントラインからの借入を禁ずる条項を含んでいるものはありません。 キャッシュ・マネジメント ソニーは日本においては当社、米国においてはSCC、それ以外の地域においてはSGTSを中心にグローバルな資金管理を行っています。資本取引に規制があり資金移動を制限されている国や地域は一部存在しますが、大部分の子会社における資金の過不足は、当社、SGTS及びSCCにより純額ベースで運用又は調達をしています。ソニーは資金の効率化をめざし、各子会社に資金余剰が出た場合は当社、SGTS及びSCCに預け、また各子会社に資金不足が生じた場合には当社、SGTS及びSCCを通じて資金の貸し借りを行うことで、余剰資金を活用し、外部借入を削減することができます。関係会社間の効率的な資金移動が制限されている国や地域では、ソニーは当社、SGTS及びSCCの外に資金を残していますが、必要な流動性資金はキャッシュ・フローや外部からの借入(もしくはその両方)によって調達しています。ソニーは、海外に所在する移動を制限されている資金が、ソニー全体の流動性や財務状況ならびに業績に重大な影響を与えるとは考えていません。 金融分野 SFGI、ソニー生命、ソニー損保及びソニー銀行の各マネジメントは、業務の遂行にともなう支払義務を履行するのに十分な流動性を確保することが重要だと認識しています。ソニー生命、ソニー損保及びソニー銀行は、法令(保険業法及び銀行法等)や金融庁及びその他関係規制当局の定める各種規制を遵守することに加え、それに準拠した社内規程を制定、運用しながら、十分な現預金等を準備し、支払能力を確保することに努めています。ソニー生命及びソニー損保は、受取保険料を主な資金の源泉とし、有価証券を中心とした投資を行うにあたり、保険金等の円滑な支払等に十分な水準の流動性を確保しています。ソニー銀行は、顧客からの円貨・外貨建て預金を主な資金の源泉とし、住宅ローンを中心とする貸出と主に市場性のある有価証券投資を行う中で、円滑な決済等に必要な水準の流動性を確保しています。外貨建て顧客預金で得られた資金は、主に同じ通貨建の金融商品に投資されています。 なお、金融分野の子会社は、保険業務、銀行業務の公共性から、その信用を維持し、契約者や預金者の保護を確保することが保険業法、銀行法で定められています。したがって、金融分野の子会社と金融分野以外のソニーグループ会社間で資金の貸借を行うことは厳格に制限されており、金融分野の子会社は、上記の当社、SGTS及びSCCを介したグローバルなキャッシュ・マネジメントからも隔離されています。  なお、ソニーグループが創出した営業活動によるキャッシュ・フローに関する、成長投資、手許資金及び株主還元への配分についての考え方に関しては「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等『第五次中期経営計画 経営数値目標及びキャピタルアロケーションとその進捗』」をご参照ください。 オフバランス取引 ソニーは、流動性と資金調達手段の確保、及びクレジットリスクを軽減するためにオフバランス取引を行っています。これらの取引は、ソニーが営業債権に対する支配を放棄したことから、売却として会計処理されます。なお、一部の営業債権売却プログラムにはストラクチャード・エンティティが関与しています。「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『28.ストラクチャード・エンティティ』をご参照ください。 借入債務、コミットメント及び偶発債務等 2025年3月31日現在におけるソニーの借入債務、コミットメント及び偶発債務等は以下のとおりです。  借入債務 「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『6.金融商品に関連するリスク管理 (4) 流動性リスク』及び『14.短期借入金及び長期借入債務』をご参照ください。  ローン・コミットメント、パーチェス・コミットメント及び訴訟に関する偶発債務 「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『32.パーチェス・コミットメント、偶発債務及びその他』をご参照ください。  保険契約負債 「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『13.金融分野における保険契約 (9) 保険及び市場リスク』をご参照ください。

※本記事は「ソニーグループ株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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