富士電機株式会社の基本情報

会社名富士電機株式会社
業種電気機器
従業員数連27391名 単10939名
従業員平均年齢44.9歳
従業員平均勤続年数20.5年
平均年収8104009円
1株当たりの純資産4695.56円
1株当たりの純利益(連結)642.69円
決算時期3月
配当金160円
配当性向26.1%
株価収益率(PER)9.8倍
自己資本利益率(ROE)(連結)14.3%
営業活動によるCF1449億円
投資活動によるCF▲633億円
財務活動によるCF▲862億円
研究開発費※141.16億円
設備投資額※122.94億円
販売費および一般管理費※1611.1億円
株主資本比率※249.4%
有利子負債残高(連結)※3707.89億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針  [経営理念]   富士電機は、地球社会の良き企業市民として、   地域、顧客、パートナーとの信頼関係を深め、誠実にその使命を果たします。    ●豊かさへの貢献   ●創造への挑戦   ●自然との調和   [経営方針]   1.エネルギー・環境技術の革新により、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献します。   2.グローバルで事業を拡大し、成長する企業を目指します。   3.多様な人材の意欲を尊重し、チームで総合力を発揮します。 (注)本有価証券報告書における「富士電機」の表現は、当社並びに子会社及び関連会社から成る企業集団を指します。 (2)経営環境及び優先的に対処すべき課題 当社は2026年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画において「利益重視経営による更なる企業価値向上」を基本方針に掲げ、営業利益率11%超、純利益率7%超、ROE12%以上、ROIC10%以上堅持を重要経営目標として定めています。持続的成長に向けた「経営基盤の強化」に取り組み、企業行動基準に基づき、ESG(環境、社会、ガバナンス)主要課題に対して、グローバルに活動を推進します。<2025年度経営計画>〔取り巻く事業環境〕 当社を取り巻く事業環境は、AIデータセンターや半導体工場の新増設を背景にしたエネルギー需要の増大により、エネルギーの脱炭素化と安定供給、需要家の省エネ、電化のニーズが拡大しています。急速に進む少子高齢化、労働力不足への対応として、デジタル技術と生成AIの活用による事業機会が期待できます。 〔基本方針〕・不確実性が増大する中で、変化への適応力を磨き、中期経営計画で掲げた利益重視の経営を推し進めます。・需要の変化に適応した生産体制構築、生産能力向上へ向けた最適かつタイムリーな投資の実行、デジタル技術の活用による生産性向上に取り組みます。 〔経営計画〕 中期経営計画の中間年度にあたる2025年度は売上高11,400億円、営業利益1,180億円、親会社株主に帰属する当期純利益810億円を経営目標に掲げ、各事業で以下のとおり取り組みます。なお、2025年度はセグメントを変更します。エネルギー事業に設備工事を編入しプラントシステム事業の強化、インダストリー事業に器具を編入しFAコンポーネントとのシナジーの創出に取り組み、両事業が核となり業績をけん引します。 2024年度実績2025年度経営計画増減売上高11,234億円11,400億円+166億円営業利益1,176億円1,180億円+ 4億円親会社株主に帰属する当期純利益922億円810億円△112億円 〔事業セグメント別の重点施策〕■エネルギー お客様の脱炭素化のニーズ、エネルギー需要拡大や再生可能エネルギーの普及に欠かせない系統安定化市場の伸長が期待されており、発電プラント、変電システム及び、脱炭素ソリューションであるエネルギーマネジメントシステム、蓄電池システムで受注拡大を図ります。 生産面では、無停電電源装置の新棟建設による生産能力増強、変電システムは、生産拠点最適化と早期の生産能力増強を図るとともに、デジタル技術を活用した生産性向上に取り組みます。 ■インダストリー コンポーネント事業分野は、製販一体化による体質強化を図り、経営のスピードアップによる収益力向上を図ります。顧客価値創出を軸にした製品企画力を強化し、中長期的な成長を目指します。 プラントシステム事業分野は、電気・熱エネルギーの省エネや電化を実現するソリューションを提供し受注拡大を図ります。 高成長が続くインドで、新たにスマートメータ事業に参入し、事業拡大を図ります。 ■半導体 電装分野では、急拡大してきた電動車(BEV)市場の伸長が足元で鈍化していますが、中長期的には脱炭素化ニーズは拡大し、モビリティの電動化は成長することが期待できます。需要に対応した生産能力増強投資を推し進めます。 産業分野は、伸長している再生可能エネルギー分野での売上を拡大し、原価低減による収益力向上を図ります。 顧客の潜在ニーズを発掘し、従来顧客に加えて、新顧客へのスペックインを強化・加速します。 ■食品流通 環境負荷の高まりや労働力不足などの社会課題に対し、省エネ性能の向上やデジタル技術を活用した自販機オペレーションの効率化、需給状況に応じて商品価格を変動させるダイナミックプライシング対応機の展開により、お客様への提供価値を高め、商材の高付加価値化を進めます。 また、外食や食品、流通業などの新しい分野にコア技術を活用した新商材をタイムリーに展開します。 ものつくりでは、プラットフォーム設計の展開や内製化の拡大等による原価低減に加え、デジタル技術を活用した生産性向上により、更なる収益力の強化を図ります。 (3)2026年度中期経営計画の経営目標(連結) 当社は、2026年度を最終年度とした3ヵ年中期経営計画「熱く、高く、そして優しく2026」を策定し、「利益重視経営による更なる企業価値向上」を基本方針に掲げ、「収益力の更なる強化」、「成長戦略の推進」、「経営基盤の強化」の重点戦略に取り組んでいます。 本中期経営計画の経営目標(連結)は、次のとおりです。 2026年度中期経営計画売上高12,500億円営業利益1,400億円営業利益率11.2%親会社株主に帰属する当期純利益900億円純利益率7.2% ※前提為替レート:1US$=140円、1EURO=150円、1人民元=19.5円 〔財務指標〕ROE(自己資本利益率)12%以上ROIC(投下資本利益率)10%以上自己資本比率50%程度ネットD/Eレシオ0.2倍程度配当性向30%目安  (注)上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本有価証券報告書の提出日現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績当社は、当事業年度より、2026年度を最終年度とする3ヵ年中期経営計画「熱く、高く、そして優しく2026」をスタートしました。「利益重視経営による更なる企業価値向上」を基本方針として、「収益力の強化」、「成長戦略の推進」並びに「経営基盤の強化」を推し進めるとともに、外部環境変化への適応力を一層強化し、売上・利益の拡大と持続的な企業価値向上を目指しています。 当期における当社を取り巻く市場環境は、脱炭素化や循環経済への移行、デジタル化に向けた投資の拡大を背景に、製造業やデータセンターにおける設備投資が堅調に推移した一方で、中国経済の回復は足踏み状態にあり、工作機械関連等の需要は低調に推移したほか、電動車(xEV)市場は地域毎の強弱があり、伸長は想定よりも緩やかなものとなりました。また、米国の通商政策により世界経済の見通しは不確実性が増大しており、市場の動向に一層の注視が必要な状況となりました。  当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1.8%増収の1兆1,234億7百万円となりました。部門別には、「エネルギー」、「半導体」、「食品流通」は前連結会計年度を上回りましたが、「インダストリー」は前連結会計年度を下回りました。国内売上高は、前連結会計年度に比べ3.5%増収の7,979億23百万円となりました。また、海外売上高は、前連結会計年度に比べ2.1%減収の3,254億83百万円となりました。なお、売上高に対する海外売上高の比率は、前連結会計年度に比べ1.2ポイント減少して29.0%となりました。 売上原価は、前連結会計年度に比べ0.7%増加し8,055億5百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度に比べ0.8ポイント減少して71.7%となりました。 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1.5%増加し2,002億54百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前連結会計年度に比べ0.1ポイント減少して17.8%となりました。 営業利益は、原材料価格の高騰影響や、コンポーネントの物量減少影響があったものの、プラント、システムの需要増加、高付加価値商材の投入や製品販売価格の値上げ、原価低減の推進、為替影響等により、前連結会計年度に比べ115億80百万円増加し、1,176億46百万円となりました。売上高に対する営業利益の比率は、前連結会計年度に比べ0.9ポイント増加して10.5%となっております。 営業外収益(費用)は、前連結会計年度の17億56百万円の収益(純額)から、11億12百万円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比べ6億44百万円の収益(純額)の減少となりました。これは、事業転換費用が19億15百万円減少した一方で、前連結会計年度において24億19百万円であった為替差益が当連結会計年度は11億26百万円の差損に転じたことなどによるものであります。 これらの結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ109億37百万円増加し、1,187億59百万円となりました。 特別利益は、固定資産売却益及び投資有価証券売却益、受取和解金を計上し、197億77百万円となりました。なお、主に投資有価証券売却益の計上額が増加したことにより、前連結会計年度に比べ112億23百万円増加しております。 特別損失は、固定資産処分損及び投資有価証券評価損、和解金を計上し、48億74百万円となりました。なお、主に和解金を計上したことにより、前連結会計年度に比べ25億30百万円の増加となりました。 以上により、税金等調整前当期純利益は1,336億61百万円となり、前連結会計年度に比べ196億29百万円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税等の税金費用369億80百万円を税金等調整前当期純利益から控除し、更に、非支配株主に帰属する当期純利益44億41百万円を控除した結果、922億39百万円となり、前連結会計年度に比べ168億86百万円の増加となりました。  セグメント別の内容は、次のとおりであります。 ■エネルギー部門売上高:3,509億9百万円(前期比 2.4%増加) 営業損益:321億25百万円(前期比 19億79百万円増加)発電プラント分野における費用増加や、器具分野の需要回復の遅れによる需要減少等があったものの、エネルギーマネジメント分野、施設・電源分野におけるプラント、システムの需要増加により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。・発電プラント分野は、再生可能エネルギーの大口案件の影響等により、売上高は前期を上回りましたが、火力・地熱案件の費用増により、営業損益は前期を下回りました。・エネルギーマネジメント分野は、電力、産業及び鉄道向け変電機器の大口案件の増加等により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。・施設・電源システム分野は、海外における半導体メーカ向け大口案件の減少はあったものの、データセンター向け需要の増加により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。・器具分野は、機械セットメーカ向け需要回復の遅れに伴う需要減少により、売上高は前期を下回りました。営業損益は、売上高の減少と原材料価格の高騰影響により、前期を下回りました。なお、当連結会計年度の受注高は2,924億円(富士電機㈱のエネルギー部門単独ベース)となっております。 ■インダストリー部門売上高:4,124億43百万円(前期比 1.8%減少) 営業損益:381億64百万円(前期比 39億円増加)オートメーション分野における低圧インバータの需要減や、設備工事分野における大口案件影響により、売上高は前期を下回りましたが、オートメーション分野のプロセスオートメーション、社会ソリューション分野、DXソリューション分野の需要増加等により、営業損益は前期を上回りました。・オートメーション分野は、プロセスオートメーションにおける駆動制御システム等の需要増加等、プラントは好調であったものの、ファクトリーオートメーションにおける低圧インバータの在庫調整継続の影響により、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。・社会ソリューション分野は、輸送システムの需要増を主因として、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。・DXソリューション分野は、ITソリューションにおける大口案件の増加により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。・設備工事分野は、前期の空調設備工事の大口案件影響により、売上高は前期を下回りました。営業損益は案件差や原価低減の推進等により、前期を上回りました。なお、当連結会計年度の受注高は1,932億円(富士電機㈱のインダストリー部門単独ベース)となっております。 (注)当連結会計年度より、従来の「ITソリューション分野」を「DXソリューション分野」に改称するとともに、「情報ソリューション」を「社会ソリューション分野」から「DXソリューション分野」へ移管しております。なお、各分野の前期比につきましては、前期の数値を移管後の分野に組み替えたうえで算出しております。 ■半導体部門売上高:2,367億88百万円(前期比 3.8%増加) 営業損益:370億81百万円(前期比 9億17百万円増加)・売上高は、電装分野では、電動車(xEV)向けパワー半導体の海外向けの需要は低調であったものの、国内向けの需要増により、前期を上回りました。産業分野では、国内での需要減があったものの、海外における再生可能エネルギー向けを中心とした需要増により、前期を上回りました。営業損益は、生産能力増強に係る費用の増加、原材料価格の高騰等があったものの、売上高の増加や販売価格の改定により、前期を上回りました。なお、当連結会計年度の受注高は1,957億円(富士電機㈱の半導体部門単独ベース)となっております。 ■食品流通部門売上高:1,114億97百万円(前期比 3.9%増加) 営業損益:139億2百万円(前期比 50億99百万円増加)・自販機分野は、国内の需要拡大に加え、原価低減の推進等により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。・店舗流通分野は、新紙幣発行に伴う自動釣銭機の改刷対応特需を主因として、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。なお、当連結会計年度の受注高は1,075億円(富士電機㈱の食品流通部門単独ベース)となっております。 ■その他部門売上高:561億48百万円(前期比 11.1%減少) 営業損益:37億62百万円(前期比 5億49百万円減少) 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績富士電機の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額又は数量で示すことはしておりません。 ② 受注実績富士電機の生産・販売品目も広範囲かつ多種多様にわたっており、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに受注規模を金額又は数量で示すことはしておりません。このため受注実績については、「(1)経営成績」におけるセグメント別の内容に関連付けて示しております。③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)エネルギー350,909102.4インダストリー412,44398.2半導体236,788103.8食品流通111,497103.9その他56,14888.9消去△44,380-合計1,123,407101.8 (2)財政状態 当連結会計年度末の総資産額は1兆3,121億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ410億1百万円増加しました。 流動資産は7,666億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ売掛金が80億19百万円減少した一方で、棚卸資産が125億15百万円増加したことなどによるものであります。 固定資産は5,454億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ373億71百万円増加しました。このうち、有形固定資産と無形固定資産の合計は3,773億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ404億75百万円増加しました。また、投資その他の資産は1,680億42百万円となり、前連結会計年度末に比べ31億3百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べ投資有価証券が、売却を主因として97億14百万円減少したことなどによるものであります。 当連結会計年度末の負債合計は5,815億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ281億84百万円減少しました。 流動負債は4,314億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ438億76百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べコマーシャル・ペーパーが360億円減少したことなどによるものであります。 固定負債は1,500億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ156億91百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ長期借入金が149億73百万円増加したことなどによるものであります。 なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は1,048億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ580億30百万円減少しました。また、同残高の総資産に対する比率は8.0%となり、前連結会計年度末に比べ4.8ポイント減少しました。  当連結会計年度末の純資産合計は7,306億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ691億86百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ利益剰余金が707億50百万円増加したことなどによるものであります。これらの結果、自己資本比率は52.7%となり、前連結会計年度末に比べ5.3ポイント増加しました。  セグメント別の内容は、次のとおりであります。■エネルギー部門 当連結会計年度末のセグメント資産は3,505億88百万円となり、契約資産、有形固定資産の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ225億64百万円増加しました。 ■インダストリー部門 当連結会計年度末のセグメント資産は3,563億67百万円となり、売掛金、契約資産の減少を主因として、前連結会計年度末に比べ227億96百万円減少しました。 ■半導体部門 当連結会計年度末のセグメント資産は4,164億21百万円となり、売掛金、棚卸資産、有形固定資産の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ610億18百万円増加しました。 ■食品流通部門 当連結会計年度末のセグメント資産は628億25百万円となり、棚卸資産の減少を主因として、前連結会計年度末に比べ16億69百万円減少しました。 ■その他部門 当連結会計年度末のセグメント資産は309億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ54億34百万円減少しました。 (3)キャッシュ・フロー 当連結会計年度における連結ベースのフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は、815億36百万円の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加(前連結会計年度は224億39百万円の増加)となり、前連結会計年度に対しては、590億97百万円の資金流入額の増加となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動による資金の増加は1,449億20百万円(前連結会計年度は848億58百万円の増加)となりました。これは仕入債務の減少並びに棚卸資産が増加した一方で、税金等調整前当期純利益の計上などによるものであります。 前連結会計年度に対しては、600億62百万円の資金流入額の増加となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動による資金の減少は633億84百万円(前連結会計年度は624億18百万円の減少)となりました。これは、投資有価証券を売却した一方で、有形固定資産を取得したことなどによるものであります。 前連結会計年度に対しては、9億66百万円の資金流出額の増加となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動による資金の減少は862億46百万円(前連結会計年度は458億67百万円の減少)となりました。これは、主として、コマーシャル・ペーパーの減少、長期借入金並びにリース債務の返済などによるものであります。 前連結会計年度に対しては、403億79百万円の資金流出額の増加となりました。 当連結会計年度における資本の財源は営業活動によるキャッシュ・フローであり、その主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,336億61百万円、減価償却費573億41百万円、契約負債の増加によるもの121億4百万円、売上債権及び契約資産の減少によるもの117億70百万円、法人税等の支払額△336億62百万円、投資有価証券売却損益△166億44百万円、仕入債務の減少によるもの△149億99百万円、棚卸資産の増加によるもの△116億70百万円、などとなっております。 なお、当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、設備投資に係る資金については、基本的に、社債及び長期借入金より調達することとしております。 これらの結果、当連結会計年度末における連結ベースの資金は、前連結会計年度末に比べ28億68百万円(4.4%)減少し、626億75百万円となりました。 (4)経営上の目標の達成状況(連結) 当社は、2026年度を最終年度とした3ヵ年中期経営計画「熱く、高く、そして優しく2026」を策定し、「利益重視経営による更なる企業価値向上」を基本方針に掲げ、「収益力の更なる強化」、「成長戦略の推進」、「経営基盤の強化」の重点戦略に取り組んでいます。 2024年度連結実績においては、中期経営計画で掲げた2026年度の目標値に対して、次のとおりとなっております。 2026年度中期経営計画2024年度実績増減売上高12,500億円11,234億円△1,265億円営業利益1,400億円1,176億円△223億円営業利益率11.2%10.5%△0.7pt親会社株主に帰属する当期純利益900億円922億円+22億円純利益率7.2%8.2%+1.0% 〔財務指標〕ROE(自己資本利益率)12%以上14.3%ROIC(投下資本利益率)10%以上12.9%自己資本比率50%程度52.7%ネットD/Eレシオ0.2倍程度0.1倍配当性向30%目安24.9% (5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。連結財務諸表の作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。これらの見積り及び仮定は、過去の実績や当連結会計年度末時点で入手可能な情報を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は異なることがあります。 当社が連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであると考えております。 ①履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり認識する収益について 当社グループは、個別受注生産による製品の販売及び工事契約による請負、役務の提供(以下、工事契約等)については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識する方法(履行義務の充足に係る進捗度の見積りはコストに基づくインプット法)を適用しております。履行義務の充足に係る進捗度は案件の原価総額の見積りに対する連結会計年度末までの発生原価の割合に基づき算定しております。当該見積りについて将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する収益及び費用の金額に影響を与える可能性があります。 ②固定資産(のれんを含む)の減損判定 当社グループは、保有する固定資産(のれんを含む)について減損の兆候がある場合は、当該資産又は資産グループについて減損損失を認識するかどうかの判定を行い、減損が必要と判定された場合は帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失を認識するかどうかの判定及び減損損失の測定に用いられる当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの見積り及び仮定等について将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。 ③投資有価証券の減損判定 当社グループは、上場株式は相場価格を用いて時価を算定しております。期末における当該時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合は減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。また、非上場株式等の市場価格のない株式等については、財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合は、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振等、現在の見積り及び仮定に反映されていない事象が発生した場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において評価損が発生する可能性があります。 ④繰延税金資産の回収可能性 当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を認識しております。将来の課税所得の見積りについて、将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。 ⑤退職給付債務の算定 当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務は、数理計算上の仮定を用いて算定しており、当該数理計算上の仮定には、割引率、退職率、昇給率等の様々な計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表における退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付に係る調整累計額の金額に影響を与える可能性があります。  なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載しているとおりであります。

※本記事は「富士電機株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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