ダイキン工業株式会社の基本情報

会社名ダイキン工業株式会社
業種機械
従業員数連98162名 単7654名
従業員平均年齢38歳
従業員平均勤続年数14年
平均年収7720841円
1株当たりの純資産9009.19円
1株当たりの純利益889.22円
決算時期年3
配当金250円
配当性向50.7%
株価収益率(PER)23.2倍
自己資本利益率(ROE)10.7%
営業活動によるCF3995億円
投資活動によるCF▲2271億円
財務活動によるCF▲1296億円
研究開発費※130.16億円
設備投資額※13114.62億円
販売費および一般管理費※111175.36億円
株主資本比率※264.9%
有利子負債残高(連結)※38947.39億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、2024年の創業100周年の節目に、改めて当社グループの強みを再整理し、継承・浸透させていくこと、当社グループに対する社会やステークホルダーの期待や要請に真摯に応えていくことを目的として、2002年に定めた「グループ経営理念」を見直しました。当社グループの使命・責任は、世界中の人に快適と安心を提供し続けることであり、経営の基本となる考え方を示す「グループ経営理念」の下、さまざまな社会課題の解決・地球環境への対応に積極的に取り組むとともに、高品質のプロダクト、素材、サービス、ソリューション、独自の技術革新の追求を通じて、お客様や社会に新たな価値を提供し続けることで、企業価値を高めてまいります。また、高い倫理性と公正な競争をベースとした企業活動を推進し、タイムリーで透明性のある情報開示と説明責任の遂行、地域社会への積極的貢献、ビジネスパートナーとの相互成長などをグループ共通の行動指針として徹底して実行するとともに、働く人の意欲と納得性を引き出し、一人ひとりの力を組織の力へと高めていくという「人を基軸におく経営」の実践、侃々諤々の議論をベースにした「フラット&スピードの組織運営」の徹底、一人ひとりの個性を活かす「ダイバーシティ経営」の推進など、当社の良き伝統に一層の磨きをかけることで、グローバルグループとして進化し続け、持続可能で豊かな未来を切り拓いてまいります。 (2)目標とする経営指標企業価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置づけ、FCF(フリーキャッシュフロー)、ROIC(投下資本利益率)、ROA(総資本利益率)、ROE(株主資本利益率)など「率の経営」指標を経営管理の重要指標として、積極的な事業展開と経営体質の強化を推進しております。特に企業価値の源泉であり、同時に全ての管理指標を向上させる総合指標としてFCFを最重視し、収益の増加、投資効率向上策にあわせて、売上債権及び在庫の徹底圧縮など運転資本面からもキャッシュフローを創出すべく取り組んでまいります。 (3)中期的な会社の経営戦略当社グループでは、2023年に、2025年を最終年度とする戦略経営計画「FUSION25」の後半3ヵ年計画(2023~2025年度)を策定し、実行を開始しました。成長戦略3テーマ「カーボンニュートラルへの挑戦」「顧客とつながるソリューション事業の推進」「空気価値の創造」をはじめ、「FUSION25」策定当初から掲げる重点戦略9テーマに「インドの一大拠点化」「高機能・環境材料事業」を新たに加え、重点戦略11テーマの施策展開を進めることで、経済価値・環境価値・社会価値の創出に取り組んでおります。 (4)企業集団の対処すべき課題今後の世界経済は、ゆるやかに回復していく見通しです。欧米ではインフレ鈍化と利下げへの転換を背景に個人消費が回復、欧米経済の持ち直しによりアジア・新興国経済は上向くと見込まれます。当社グループは、2024年10月に創業100周年を迎えます。大きな節目に当たる本年を次の飛躍に向けたスタートと位置付け、本年のグループ年頭方針を「築いた強みと新たな挑戦で、次の100年を切り拓こう」と定めました。また、2024年度は、「FUSION25」の最終年度につながる非常に重要な年度であり、後半3ヵ年計画で掲げた重点戦略11テーマの施策展開を加速させることで、経済価値・環境価値・社会価値を高めてまいります。併せて、2024年度の業績目標の達成に向けて、全社収益構造と利益率の改善・向上に取り組むとともに、グループ総合力を結集したグローバル横断での成果創出を推進してまいります。具体的なテーマは以下のとおりです。 (全社収益構造と利益率の改善・向上に向けたテーマ)・差別化新商品の投入、機器単体売りからシステム販売への転換などによる、販売価格政策の推進と当社シェアの向上の両立・限界利益率の向上に向けた、グローバル横断でのコスト力強化・強靭なサプライチェーンの構築に向けた、グローバルでの生産・調達・物流改革の実行・既存固定費の削減と、先行投資・戦略投資の優先順位付け・実行してきた買収案件・生産能力増強投資の成果創出(グローバル横断、グループトータルの総合力で大きな成果創出をめざすテーマ)・グローバルでのアプライド空調事業の積極的拡大と、用途や市場ごとの付加価値提供による業務用空調ソリューション事業の収益拡大・差別化技術の水平展開、サービス力の強化、工事の省施工・省人化対応
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。(1) 財政状態及び経営成績の状況当期の世界経済は、米国が堅調であった一方で、欧州・中国は経済が停滞し、全体として低調に推移しました。米国経済は、雇用環境の改善や株価上昇による資産効果に支えられ、堅調な個人消費が景気を牽引した反面、住宅投資は金利上昇を受けて停滞しました。欧州経済は、インフレと金利上昇により個人消費、住宅投資がともに落ち込んだことに加えて、中国向けの輸出も落ち込み、減速しました。中国経済は、不動産不況や欧米向けの輸出の伸び悩みが見られました。アジア・新興国経済は、インバウンド需要の回復や旺盛な個人消費に支えられ、堅調に推移しました。日本経済は、サービス業が好調であったものの、インフレによる個人消費の停滞が重石となり、景気回復は緩慢なペースに留まりました。このような事業環境のもと、当社グループでは、2025年を最終年度とする戦略経営計画「FUSION25」の後半3ヵ年計画(2023~2025年度)を策定し、実行を開始しました。成長戦略3テーマ「カーボンニュートラルへの挑戦」「顧客とつながるソリューション事業の推進」「空気価値の創造」をはじめ、「FUSION25」策定当初から掲げる重点戦略9テーマに「インドの一大拠点化」「高機能・環境材料事業」を新たに加え、重点戦略11テーマの施策展開を進めることで、経済価値・環境価値・社会価値の創出に取り組みました。また、当期は、環境変化をチャンスとした事業拡大・シェアアップと、収益力の再強化に向けて、以下のテーマに取り組みました。・カーボンニュートラル・省エネに資する商品・サービスによる、業務用途・住宅用途での当社シェアの向上 ・用途や市場ごとの付加価値提供による、ソリューション事業の収益拡大 ・市場環境の変化に柔軟・迅速に対応が可能な、強靭なサプライチェーンの構築 ・市場・顧客のニーズにミートした差別化商品の投入による、販売価格政策の推進 ・変動費・物流費低減、材料置換、生産性向上など、グローバル横断でのコスト力強化 ・積極的な投資を行いながら収益力を向上させるため、デジタルを活用した間接業務効率化などによる固定費の削減・実行してきた買収案件・生産能力増強投資の成果創出これらの取り組みを進める中で、それぞれの地域・事業の進捗状況をきめ細かくフォローしながら、環境変化に対して臨機応変に先手を打ち、業績に結びつけました。当期の経営成績については、売上高は4兆3,953億17百万円(前期比10.4%増)となりました。利益面では、営業利益は3,921億37百万円(前期比4.0%増)となりましたが、主に金利上昇による支払利息の増加等により経常利益は3,544億92百万円(前期比3.2%減)となりました。一方で、主に政策保有株式の売却を進めたことにより親会社株主に帰属する当期純利益は2,603億11百万円(前期比1.0%増)となりました。 セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。 ① 空調・冷凍機事業空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前期比11.0%増の4兆288億23百万円となりました。営業利益は、前期比2.7%増の3,333億3百万円となりました。国内空調では、業務用市場の需要は、ビル用・設備用・工場用などの需要が回復した一方、市場規模の大きい店舗・オフィス用の需要回復が遅れ、前期を下回りました。また、住宅用市場の需要は、猛暑による需要の拡大が見られたものの、耐久消費財に対する消費マインドの冷え込みや、過去数年間の高需要の反動により、前期を下回りました。このような状況の中、当社グループは、業務用空調機器市場に向けては、高い省エネ性能と施工性を兼ね備えた「FIVE STAR ZEAS」、個別運転ニーズに応える「machi(マチ)マルチ」、既設の冷媒配管を利用しスムーズな空調機器の更新が可能な更新用ビル用マルチエアコン「VRV Q」シリーズなど、高付加価値商品を中心にユーザー提案を強化し、売上高は前期を上回りました。また、住宅用空調機器市場に向けては、需要減少の影響を受ける中、電気料金の上昇や住宅設備への省エネニーズの拡大を背景に、高い省エネ性能を持つ『うるさらX(エックス)』を中心にユーザー訴求の強化を進め、売上高は前期並みとなりました。 米州では、住宅用空調機器については、長引くインフレや住宅ローン金利の高止まりなどにより業界需要が減速し、販売は厳しい状況が続きました。このような状況の中、上期の猛暑効果による追い風や、ライトコマーシャル機器(中規模ビル向け業務用空調機器)の堅調な需要に伴う増販、前期に買収した会社を活用した販売網強化、さらに価格政策の実施に努めたことなどにより、売上高は前期を上回りました。大型ビル(アプライド)空調については、市場の成長の取り込みに加え、生産能力増強や価格政策の効果もあり、空調機器の販売を伸ばしました。また、買収した製造業・データセンター等の成長市場に強みを持つ会社や販売代理店、カスタムエアハンドリングユニットメーカーでの拡販、さらに、計装・エンジニアリング会社を活用したソリューション事業の拡大もあり、売上高は前期を大きく上回りました。中国では、ゼロコロナ政策が解除され、3年ぶりに生産・販売活動を全面的に展開しました。不動産市況の回復は遅れているものの、住宅用市場を中心に販売を拡大し、地域全体の売上高は前期を上回りました。利益面では、高付加価値商品の拡販、コストダウン等に取り組み、これまでの高水準を維持しました。住宅用空調機器市場では、景気が減速する中、ユーザーダイレクトのオフラインの小売販売に加え、ショールームを活用したライブ放送、WEB戦略、SNSなどオンラインを組み合わせた当社グループ独自の販売活動が売上拡大に貢献しました。また、空調・換気・ヒートポンプ床暖房に、省エネ・空気質提案などのソリューションサービスを組み合わせた住宅用マルチエアコンの新シリーズ「Daikin Care中央空気システム」を投入し販売を拡大しました。業務用空調機器市場では、カーボンニュートラル政策の推進による政府物件・工場・グリーンビル(環境性能が高まるよう配慮して設計された建物)などの市場の伸びを受け、省エネを切り口とした新商品を投入しました。アプライド空調機器市場では、インフラ・半導体関連など成長分野に資源を投入したことに加え、保守・メンテナンス事業を強化しました。アジア・オセアニアでは、インドでの好調な販売が牽引し、地域全体の売上高は前期を上回りました。アセアン・オセアニア地域では、インフレ率の高止まりによる消費低迷や需要減速の中、販促施策の展開、販売店への訪問活動等が奏功し、住宅用空調機器の売上高は前期を上回りました。業務用空調機器についても、金融引き締めによる施主やコントラクター等の資金繰りが悪化した影響でプロジェクトが遅延する中、販売店の開発・育成を推進し、売上高は前期を上回りました。インドでは、引き続き経済成長を背景に住宅用・業務用空調機器ともに売上高は前期を大きく上回りました。欧州では、金融引き締め政策に伴う高金利、インフレによる消費低迷を受け大幅な需要減となりました。このような逆風のもと、当社グループでは各国での出荷最大化に取り組みましたが、住宅用市場を中心に空調機器の需要が減速した影響が大きく、現地通貨での地域全体の売上高は前期を下回りました。一方で、為替のプラス効果により、円貨換算後の地域全体の売上高は前期を上回りました。住宅用空調機器は、熱波到来によりフランス・スペイン等で夏季の販売が拡大しましたが、高金利やインフレに伴う住宅の着工件数の減少や景気減速による消費マインドへの影響が大きく、売上高は前期を下回りました。住宅用ヒートポンプ式温水暖房機器については、販売店開発や補助金申請支援などの販売力強化と商品ラインナップ拡充に取り組みました。しかし、イタリア・ドイツ・フランス等の主要市場における各国政府による補助金制度の削減等の影響に加え、欧州のガス価格下落により、各国でガスやオイルボイラーからの更新需要が停滞し、売上高は前期を下回りました。業務用空調機器では、コロナ規制の緩和による反動需要は一巡しましたが、きめ細かい販売活動の展開により、コロナ後に回復してきたホテル・レストラン向けの需要や、オフィスや店舗等の省エネニーズを着実に取り込み、売上高は前期を上回りました。アプライド空調機器では、データセンター向けの販売が拡大したこと等により、売上高は前期を上回りました。中近東・アフリカでは、売上高は前期を大きく上回りました。UAE・ナイジェリア等での業務用物件の受注増加が販売を牽引しました。トルコでは、前期より現地で生産を開始した業務用空調機器において短納期対応を強みに販売を拡大しました。また、熱波による需要の取り込みに加え、震災復興需要もあり、住宅用空調機器においても販売が大きく増加しました。 フィルタ事業では、中国の景気減速は影響したものの、堅調な米国経済を筆頭に、日本・欧州・アジアでも総じて需要は底堅く推移しました。米国では、前期に事業買収した会社を含め代理店販売による病院・製薬・データセンター等のハイエンド市場で販売を強化しましたが、収益性改善のため低収益事業からの撤退を進めたこともあり、売上高は減少しました。欧州では、省エネや空気質に対する意識・ニーズは引き続き堅調で、一般ビル・OEM市場向けを中心に販売は安定して推移しました。アジア・中東では、東南アジアにおける半導体市場での販売が減速し、中国では景気減速による市場規模縮小もありましたが、中東及びインドを含むアジア地域全体では販売は前期並みとなりました。また、国内では、電子・半導体・製薬メーカーの需要を取り込み、高性能フィルタ・一般機器の販売が堅調に推移しました。さらに、ガスタービン・集塵機事業は、引き続き油田向け特殊フィルタの販売が好調に推移しました。このように、販売が好調な地域・事業もありましたが、米国における低収益事業からの撤退による販売減が影響し、フィルタ事業全体の売上高は前期を下回りました。舶用事業では、舶用エアコン・冷凍機の販売を伸ばしましたが、需要減速による海上コンテナ冷凍装置の販売台数が減少し、舶用事業全体の売上高は前期を下回りました。 ② 化学事業化学事業セグメント合計の売上高は、前期比0.2%増の2,638億95百万円となりました。営業利益は、前期比13.3%増の514億70百万円となりました。フッ素化学製品全体は、半導体・自動車分野を中心にした広範囲での需要回復遅れ、それに伴う流通在庫調整の動きなどがありましたが、為替のプラス効果により売上高は前期並みとなりました。フッ素樹脂は、LAN電線分野での需要回復の遅れや自動車分野での流通在庫調整などにより販売が落ち込んだものの、半導体装置向け材料の増産による供給力の向上もあり、売上高は前期を上回りました。一方、フッ素ゴムについては、自動車分野等での販売減により、売上高は前期を下回りました。化成品は、表面防汚コーティング剤や撥水撥油剤、さらには半導体プロセス向けエッチング剤などの需要の落ち込みにより、売上高は前期を下回りました。フルオロカーボンガスについては、原材料市況高騰に対応した価格政策の実施に努め、売上高は前期を大きく上回りました。 ③ その他事業その他事業セグメント合計の売上高は、前期比16.1%増の1,025億98百万円となりました。営業利益は、前期比2.1%増の73億35百万円となりました。油機事業では、産業機械用油圧機器は、国内市場では工作機械向けを中心に需要が減少したものの、前期に買収した欧州を拠点とする会社の欧米向けの販売の増加が寄与し、売上高は前期を上回りました。一方、建機・車両用油圧機器は、国内市場及び米国市場向けの販売が減少したことにより、売上高は前期を下回りました。特機事業では、酸素濃縮装置及びパルスオキシメータ(採血することなく血中酸素飽和度を簡易に測定できる医療機器)の販売は減少しましたが、防衛省向けの受注が増加したことにより、売上高は前期を上回りました。電子システム事業では、品質課題の解決・設計開発期間の短縮・コストダウン支援といった顧客ニーズに合致した設計・開発分野向けデータベースシステム『Smart Innovator(スマートイノベーター)』の販売が増加したことに加え、データサイエンスソフトの増販もあり、売上高は前期を上回りました。 総資産は、4兆8,802億30百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,765億47百万円増加しました。流動資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べて2,995億15百万円増加し、2兆7,265億98百万円となりました。固定資産は、建物及び構築物の増加等により、前連結会計年度末に比べて2,770億31百万円増加し、2兆1,536億31百万円となりました。負債は、短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,683億39百万円増加し、2兆1,929億27百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替の変動によるその他の包括利益累計額の増加等により、前連結会計年度末に比べて4,082億7百万円増加し、2兆6,873億2百万円となりました。 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の51.9%から54.0%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の7,635.27円から9,009.19円となりました。また、有利子負債については、短期借入金の増加等により、前連結会計年度に比べて805億54百万円増加し、9,682億39百万円となりましたが、総資産の増加により有利子負債比率(有利子負債/総資産)は、20.6%から19.8%となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動では、棚卸資産の減少等により、前連結会計年度に比べて2,406億71百万円収入が増加し、3,995億67百万円の収入となりました。投資活動では、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の減少等により、前連結会計年度に比べて26億5百万円支出が減少し、2,271億88百万円の支出となりました。財務活動では、短期借入金の増加幅の減少等により、前連結会計年度に比べて165億34百万円支出が増加し、1,296億23百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた現金及び現金同等物の当連結会計年度の増減額は、前連結会計年度末に比べて2,544億98百万円増加し、855億8百万円のキャッシュの増加となりました。 (生産、受注及び販売の状況)(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)空調・冷凍機事業2,855,263△0.4化学事業233,821△14.8その他事業94,51616.3合計3,183,601△1.2 (注) 1 金額は販売価格によっております。 (2) 受注状況当社グループの製品は、大部分見込み生産であるため、受注高及び受注残高の記載は省略しております。 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)空調・冷凍機事業4,028,82311.0化学事業263,8950.2その他事業102,59816.1合計4,395,31710.4 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 いずれの相手先についても総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合の記載を省略しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)以下に記載の内容については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の計上、当連結会計年度における収益、費用の計上については、現況や過去の実績に基づいた合理的な基準による見積りが含まれております。なお、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (2) 財政状態①資産総資産は、4兆8,802億30百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,765億47百万円増加しました。流動資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べて2,995億15百万円増加し、2兆7,265億98百万円となりました。固定資産は、建物及び構築物の増加等により、前連結会計年度末に比べて2,770億31百万円増加し、2兆1,536億31百万円となりました。 ②負債及び純資産負債は、短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,683億39百万円増加し、2兆1,929億27百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替の変動によるその他の包括利益累計額の増加等により、前連結会計年度末に比べて4,082億7百万円増加し、2兆6,873億2百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の51.9%から54.0%になり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の7,635.27円から9,009.19円となりました。 (3) 経営成績①売上高当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比10.4%増の4兆3,953億17百万円となりました。空調・冷凍機事業では、金利上昇やインフレによる個人消費や住宅投資の低迷の影響を受けましたが、販売力の強化や差別化商品の投入による販売価格政策の実施に努め、売上高は前連結会計年度比11.0%増の4兆288億23百万円となりました。化学事業では、半導体・自動車分野を中心とした広範囲で需要回復の遅れがありましたが、拡販施策の展開や価格政策を実施したことなどにより売上高は前連結会計年度比0.2%増の2,638億95百万円となりました。その他事業全体では、産業機械用油圧機器の欧米向けの販売が増加したことなどにより、売上高は前連結会計年度比16.1%増の1,025億98百万円となりました。 ②営業費用、営業利益売上原価は、前連結会計年度比8.9%増加し、2兆8,856億44百万円となりました。販売費及び一般管理費については、前連結会計年度比17.1%増加し、1兆1,175億36百万円となりました。人件費の増加が主な要因であります。以上の結果、営業利益は前連結会計年度比4.0%増の3,921億37百万円となりました。なお、セグメントの営業損益については、空調・冷凍機事業では、前連結会計年度比2.7%増の3,333億3百万円の営業利益となり、化学事業では、前連結会計年度比13.3%増の514億70百万円の営業利益となり、その他事業は前連結会計年度比2.1%増の73億35百万円の営業利益となりました。 ③営業外損益、経常利益営業外損益は、支払利息が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて268億57百万円減少し、376億45百万円のマイナスとなりました。経常利益は、前連結会計年度比3.2%減の3,544億92百万円となりました。  ④特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益特別損益は、投資有価証券売却益が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて236億63百万円増加し、308億2百万円のプラスとなりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比1.0%増の2,603億11百万円となりました。 (4) キャッシュ・フロー営業活動では、棚卸資産の減少等により、前連結会計年度に比べて2,406億71百万円収入が増加し、3,995億67百万円の収入となりました。投資活動では、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の減少等により、前連結会計年度に比べて26億5百万円支出が減少し、2,271億88百万円の支出となりました。財務活動では、短期借入金の増加幅の減少等により、前連結会計年度に比べて165億34百万円支出が増加し、1,296億23百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた現金及び現金同等物の当連結会計年度の増減額は、前連結会計年度末に比べ2,544億98百万円増加し、855億8百万円のキャッシュの増加となりました。 当社グループでは、投資は成長の基盤と考えており、投資によって事業拡大を図るとともに、財務体質の強化、企業価値の一層の向上と株主への利益還元の向上を図ってまいります。具体的には、新製品に対応した設備投資、生産性向上・生産能力拡大のための投資などに加え、各戦略的投資を実行し、グローバルでの事業拡大及び競争力強化を図ってまいります。これらの投資に必要な資金は内部留保の蓄積を基本とした自己資金に加え、必要に応じ、金融機関からの借入や社債等で調達します。当連結会計年度では、投資活動によるキャッシュ・フロー(2,271億88百万円)は、営業活動によるキャッシュ・フロー(3,995億67百万円)を下回りました。株主への配当は、安定的かつ継続的に実施していくことを基本に、連結純資産配当率(DOE)3.0%を維持するように努めるとともに、連結配当性向についてもさらに高い水準を目指していくことで、株主への還元の一層の拡充に取り組んでまいります。 キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。 2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期自己資本比率(%)53.851.451.551.954.0時価ベースの自己資本比率(%)144.5201.6171.6160.9123.6キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年)1.82.03.45.62.4インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)25.639.327.77.89.0 (注) 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い ※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。

※本記事は「ダイキン工業株式会社」の令和6年年3期 有価証券報告書を参考に作成しています。

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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