会社名 | 三菱マテリアル株式会社 |
業種 | 非鉄金属 |
従業員数 | 連18452名 単5315名 |
従業員平均年齢 | 43.2歳 |
従業員平均勤続年数 | 18.5年 |
平均年収 | 7141000円 |
1株当たりの純資産 | 5183.34円 |
1株当たりの純利益(連結) | 260.82円 |
決算時期 | 3月 |
配当金 | 100円 |
配当性向 | 0% |
株価収益率(PER) | 9.4倍 |
自己資本利益率(ROE)(連結) | 5.1% |
営業活動によるCF | 588億円 |
投資活動によるCF | ▲793億円 |
財務活動によるCF | ▲132億円 |
研究開発費※1 | 53.45億円 |
設備投資額※1 | 19.21億円 |
販売費および一般管理費※1 | 611.1億円 |
株主資本比率※2 | 19.3% |
有利子負債残高(連結)※3 | 5930.98億円 |
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2025年6月24日)現在において判断したものであります。 <中期経営戦略> 今後の世界経済は、関税政策をはじめとする米国の政策動向の影響等により、不透明感が拡がり、景気の下振れや資本市場の変動等が懸念されます。日本経済についても、世界経済の動向に加えて、物価上昇の継続を通じた個人消費マインドへの影響による景気の下押しリスクが懸念されます。当社グループを取り巻く事業環境につきましても、為替の変動、TC/RCの低下や自動車及び半導体関連の需要動向の変化等、厳しい環境が続くことが見込まれます。 こうしたなか、当社グループは、企業価値の向上に向けて、2023年度から2030年度までを対象とする中期経営戦略(以下「中経2030」といいます。)に基づく諸施策を実施してまいります。中経2030においては、「人と社会と地球のために」という企業理念のもと、「循環をデザインする」というビジョンを掲げ、「持続可能な社会(豊かな社会、循環型社会、脱炭素社会)を実現する」ことをミッションとしております。中経2030の概要は以下のとおりです。なお、中経2030策定時に想定していた外部環境から大きく変化しており、外部環境の悪化時にも収益性を確保できるよう、「抜本的構造改革」に着手するとともに、2026年度以降を対象とした中期経営戦略の練り直しを開始しております。 ①目指す姿(イ)私たちの目指す姿当社グループは、「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」ことを私たちの目指す姿とし、自社の持つ強みをもとに金属資源の循環を強化し、対象範囲、展開地域、規模の拡大によりバリューチェーン全体での成長実現に取り組んでまいります。 (ロ)戦略ロードマップ中経2030においては、2023年度から2025年度までの3年間をPhase1、2026年度から2030年度までの5年間をPhase2とし、私たちの目指す姿の実現を図ります。Phase1においては、プロダクト型事業を中心にコスト競争力強化に基づく利益成長・収益性改善を進めるとともに、資源循環などの中長期の成長領域への投資を実行します。 (ハ)財務目標Phase1の最終年度である2025年度では、売上高1兆9,400億円、営業利益700億円、経常利益870億円、ROIC 5.5%、ROE 10.0%、EBITDA 1,500億円、ネットD/Eレシオ 0.7倍、ネット有利子負債/EBITDA倍率 3.5倍を計画しています。 (ニ)キャピタルアロケーションPhase1においては、対象期間累計キャッシュイン4,200億円に対して、成長投資2,300億円、維持更新投資1,300億円、配当など600億円のキャッシュアウトを計画しております。 (ホ)株主還元当社は、株主に対する利益還元が経営の最重要目的の一つであるという認識のもと、利益配分については、期間収益、内部留保、財務体質等の経営全般にわたる諸要素を総合的に判断の上、決定する方針としております。中経2030期間中の利益配分については、2023年度から2025年度の期間において、配当性向30%を目途に利益還元を行います。なお、自己株式取得については、キャッシュ・フローの状況、株価、及びネットD/Eレシオ等の財務規律を踏まえ、引き続き、機動的に行うことを検討してまいります。 ②企業価値向上に向けた取り組み(イ)事業ポートフォリオ経営Phase1ではコスト削減・プロセス最適化などの施策を実施し、ROIC改善による収益性の向上を目指してまいります。事業ポートフォリオ経営の方針は次のとおりです。・成長性と収益性の2軸で事業ポートフォリオを管理、経営資源の配分を最適化・事業の成長性をEBITDA成長率で評価し、市場の成長率で補完・企業価値向上に向け、ROICスプレッドの維持・向上を図りつつ、エコノミックプロフィット(=ROICスプレッド×投下資本)の増加を目指す・金属事業カンパニーと環境リサイクル事業の統合(製錬・資源循環)による効率化を図り、事業価値向上を加速 (ロ)投資配分と利益貢献2030年度までの成長投資総額5,600億円のうち、鉱山投資やタングステン事業への投資など循環型社会貢献に2,500億円、高機能製品カンパニー及び加工事業カンパニーの競争力強化に2,800億円、地熱発電事業強化など脱炭素社会への貢献に300億円の投資を計画しています。投資配分の考え方は次のとおりです。・ミッションへの適合及び維持更新と成長投資のバランスを考慮し投資対象を選定・事業特性に応じたリターンを評価し、事業間で適正に配分・事業毎の財務健全性を保ちつつ、全体のネットD/Eレシオ1倍以下の財務規律を維持 (ハ)コスト競争力強化中経2030では、コスト競争力強化にも取り組み、Phase1で約90億円のコスト削減をいたします。営業利益に対するコスト削減累計額の比率は、2025年度で約13%を見込んでいます。 ③事業戦略中経2030における事業別の目標及び事業戦略は次のとおりです。 ・金属事業カンパニー目標:非鉄金属の資源循環におけるリーダー事業戦略資源事業●銅鉱床に含まれる希少資源の確保・回収に向けた技術開発の推進●継続的な鉱山投資による権益の獲得と銅精鉱の安定確保●銅鉱山でのSX-EW(※)による銅供給量の拡大製錬・資源循環事業●資源循環の推進に向けたネットワーク強化・規模拡大●電気銅生産能力の拡大●E-Scrap類の処理拡大によるリサイクル率アップ●レアアース、レアメタルリサイクル事業の創出●国内及び海外展開の加速(E-Scrap、家電、自動車リサイクル)※SX-EW:Solvent extraction and electrowinning 溶媒抽出と電解採取の2段階からなる 湿式製錬プロセス ・高機能製品カンパニー目標:グローバル・ファースト・サプライヤー事業戦略銅加工事業●伸銅品リサイクル率を向上し、スクラップのプラットフォーム基盤を確立●海外(ルバタ社):成長市場(xEV、医療、環境)への迅速な参入●国内工場をマザー工場と位置づけ、海外に新たな川下工場を検討し、海外顧客への拡販、サービスを強化電子材料事業●事業ポートフォリオの継続的な組み換えによる高資本効率経営●成長領域の注力製品への戦略投資●新規事業創出や事業提携の推進及びそのための人材育成と確保●ものづくり力とDXの強化による生産高度化、稼ぐ力の追求●カーボンニュートラルに向けた事業、社会的価値(SDGs)の提供 ・加工事業カンパニー目標:グローバルで顧客が認めるタングステン製品のリーディングカンパニー事業戦略加工事業戦略市場で自律した事業展開を目指し、真のグローバル企業へ変革する<超硬工具事業>●素材とコーティング技術の強みを活かした高効率製品を世界No.1品質で安定的に提供<タングステン事業>●超硬工具向けに加え、二次電池向け等に事業規模を拡大●環境対応力の強化<ソリューション事業>●ものづくり現場へのコト売りを事業化 ・再生可能エネルギー事業目標:再エネ電力自給率100%に向けた再エネ発電の拡大事業戦略再生可能エネルギー事業再生可能エネルギー事業を全社的な取り組みとして戦略本社に集約し、長期的な視野で事業の拡大を推進●地熱事業の拡大に向け、3年に1箇所のペースで新規開発を実施●将来的に発電コスト低下が見込まれる風力発電への新規参入 ④カーボンニュートラル(※1) 当社グループの温室効果ガス排出量のうち、事業者自らによる直接排出であるScope1及び供給されたエネルギー利用に伴う間接排出であるScope2について、資源循環の取り組みにより排出されるGHGを除き、2030年度までに2020年度比で47%削減することを目指します。また、資源循環の取り組みにより排出されるGHGを含めて2045年度までにカーボンニュートラル実現を目指します。また、Scope1とScope2以外の事業者の活動に関連する他社の排出であるScope3のうちカテゴリ1、3、15(※2)についても、2030年度に22%以上(2020年度比)削減します。さらに、2050年度までに当社の再生可能エネルギー由来の電力自給率100%を目指します。 ※1 2024年7月に温室効果ガス排出量削減目標を見直ししており、見直し後の目標を基に記載しています。※2 当社グループのScope3排出量のうち8割以上を占めるカテゴリカテゴリ1:購入した製品・サービス?カテゴリ3:Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動?カテゴリ15:投資 ⑤経営基盤強化次のとおり、グループ共通の課題に対する取り組みを強化するとともに、経営基盤の強化も引き続き行い、企業価値向上を図ってまいります。 ものづくり戦略●中経2030に基づく工場ビジョンの策定、及び工場実力評価と課題設定・解決を追求●ボトムアップ活動、ものづくり基盤強化、技術開発・改善による「ものづくり力の別格化」研究開発戦略●新製品・新技術・新事業創出を通して、持続的な企業価値向上を実現人事戦略●人材の価値最大化と「勝ち」にこだわる組織づくり●共創と成長を生み出す基盤の構築DX戦略●データとデジタル技術を活用し、ビジネス付加価値向上、オペレーション競争力向上、経営スピード向上の3本柱を推進●開始から2年以上が経過する中で、ものづくりの強化と従来テーマの着実な実行を行うべく、テーマ再編成、体制強化等を行い、「MMDX2.0」として新たなフェーズへIT戦略●MMCグループIT WAYを実現するため、データ活用・働き方・セキュリティの観点から事業を支えるITモダナイゼーションの推進●100億円規模の投資を行い、2030年度におけるITコストは売上高比率1.0%以下 <重要課題(マテリアリティ)> 当社グループは、社会全体の持続可能性(サステナビリティ)が企業活動の将来に重大な影響を与えるとの認識に立ち、企業活動を通じて解決していく重要な社会課題のうち、重要度の高いものをマテリアリティとして特定しています。中経2030の策定に際して、当社は、さまざまな観点から課題要素を抽出し、それぞれのステークホルダーにとっての重要度と当社グループの「私たちの目指す姿」に照らした重要度の2軸からマテリアリティを整理し、マテリアリティごとの重点テーマ、重点テーマに対する取り組み内容及び目標を再設定しました。 また、当社では、経営環境等の変化を適時適切に捉えて必要な対応を図るべく、マテリアリティ等については、毎年見直すこととしています。今般は、最新の社会・環境・経済動向等を踏まえて、次のとおり重点テーマを一部見直しました。●重点テーマの追加・「資源循環の推進」に「資源循環地域戦略の立案と実行」を追加・「持続可能なサプライチェーンマネジメントの強化」に「パンデミックや自然災害への対応」を追加・「価値創造の追求」に「収益に結び付く競争優位性の構築」を追加●重点テーマの削除・「SCQ課題への対応強化」から「感染症予防」を削除●重点テーマの変更・「情報セキュリティの強化」の「ITグローバルガバナンスの強化」を「ITグローバルガバナンスの強化(ITリテラシー含む)」に変更・「SCQ課題への対応強化」の「重大な品質不適合の撲滅」を「規格外品を発生させないための仕組みの構築と実行」に変更・「価値創造の追求」の「ものづくり力の強化」を「マーケティング力、ものづくり力、販売力の強化」に変更・「財務リスク」の「債務保証引き受け関連会社等の経営・財務状態のモニタリング」を「金属価格上昇による運転資本増加及び資本効率悪化への対応」に変更 有価証券報告書提出日時点のマテリアリティ及び重点テーマは次のとおりです。 マテリアリティ重点テーマ資源循環の推進高度なリサイクル技術による資源循環のデザイン推進リサイクル可能な製品の開発・提供資源循環地域戦略の立案と実行地球環境問題対応の強化カーボンニュートラル実現に向けた取り組み強化生物多様性の確保/環境負荷低減再生可能エネルギーの開発・利用促進人的資本の強化労働力不足への対応人材確保と育成の強化DE&I推進柔軟な働き方の推進個の尊厳と基本的人権の尊重コミュニケーションの活性化ステークホルダーとのエンゲージメント強化顧客満足度の向上地域社会との対話、共生の推進情報セキュリティの強化ITグローバルガバナンスの強化(ITリテラシー含む)情報漏洩防止IT資産管理の強化SCQ(※)課題への対応強化 ※Safety & Health(安全・健康最優先)、 Compliance & Environment(法令遵守、公正な活動、環境保全)、Quality(『顧客』に提供する製品・サービス等の品質)労働災害の未然防止心身ともに働きやすい職場づくりコンプライアンスの徹底グループガバナンスによる内部統制の拡充コーポレート・ガバナンスの強化有害物質の敷地外漏洩防止、環境法令違反撲滅規格外品を発生させないための仕組みの構築と実行持続可能なサプライチェーンマネジメントの強化原材料の調達多様化サプライチェーンにおける人権への配慮パンデミックや自然災害への対応DXの深化業務プロセスの変革オペレーション強化顧客接点高度化、ビジネスモデル変革価値創造の追求収益に結び付く競争優位性の構築新規事業創出プロセスの構築と実行マーケティング力、ものづくり力、販売力の強化地政学・地経学リスク投資戦略の定期的な見直し海外拠点との連携によるカントリーリスクを含む海外リスクに関する情報収集・共有海外事業におけるリスク低減・回避策やBCP策定・定期的な見直し銅精鉱、E-Scrap、その他原材料の調達ポートフォリオの形成財務リスクグループ最適なキャッシュマネジメントシステムの導入・運用保有資産の時価の把握および固定資産減損の兆候の有無の確認金属価格上昇による運転資本増加および資本効率悪化への対応年金資産運用における安全性・収益性を考慮した投資配分 |
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】1.経営成績等の状況の概要(1) 経営成績 当連結会計年度における世界経済は、米国や欧州等において政策金利が引き下げられるなかで、米国では景気の持ち直しが続いたものの、中国や欧州では景気回復に足踏みがみられました。 日本経済は、物価が上昇するなかで、個人消費の持ち直し等に足踏みがみられましたが、景気は緩やかな回復基調で推移しました。 当社グループを取り巻く事業環境につきましては、自動車関連の需要が低調に推移した一方で、半導体関連の需要には回復の兆しがみられました。また、前年度と比べて銅や金の価格上昇や為替水準が円安基調で推移した影響がありました。 このような状況のもと、当社グループは、2023年度から2030年度までを対象とした中期経営戦略に基づき、企業価値の向上に向けた諸施策を実施してまいりました。 この結果、当連結会計年度は、連結売上高は1兆9,620億76百万円(前年度比27.4%増)、連結営業利益は371億18百万円(同59.5%増)となりました。連結経常利益は、鉱山からの受取配当金が減少したものの、持分法による投資利益が増加したことなどから、602億35百万円(同11.3%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、インドネシア・カパー・スメルティング社の持分法適用関連会社化に伴う持分変動利益を計上した一方、減損損失を計上したことなどから、340億76百万円(同14.4%増)となりました。 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。 なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の報告セグメントごとの営業利益は、有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。 (金属事業) (単位:億円) 前期当期増減(増減率) 売上高10,38014,3363,956(38.1%) 営業利益98231132(134.5%) 経常利益310411101(32.6%) 金属事業は、為替が円安基調で推移した影響に加えて、銅や金の価格が大幅に上昇したことなどから、前年度と比べて、売上高及び営業利益は増加しました。経常利益は、鉱山からの受取配当金が減少したものの、営業利益が増加したことに加えて、持分法による投資損益が改善したことなどから、増加しました。 (高機能製品) (単位:億円) 前期当期増減(増減率) 売上高4,8875,103216(4.4%) 営業利益405615(38.0%) 経常利益183113(73.6%) 高機能製品は、銅加工事業において、銅価格及び為替の変動による影響がありました。また、電子材料事業において、半導体関連製品の一部の需要に回復の兆しがみられました。 以上により、前年度と比べて売上高及び営業利益は増加しました。経常利益は営業利益が増加したことなどから、増加しました。 (加工事業) (単位:億円) 前期当期増減(増減率) 売上高1,4001,48887(6.3%) 営業利益10888△19(△17.7%) 経常利益12285△37(△30.4%) 加工事業は、主要製品である超硬製品において、為替が円安基調で推移した影響や値上げ効果等により、前年度と比べて売上高は増加したものの、自動車向けの需要が低調であったことや原材料コストの上昇等により、営業利益は減少しました。経常利益は、営業利益が減少したことに加えて、為替差損が発生したことなどから、減少しました。 (再生可能エネルギー事業) (単位:億円) 前期当期増減(増減率) 売上高468336(79.5%) 営業利益82315(182.6%) 経常利益82617(204.3%) 再生可能エネルギー事業は、2024年4月より安比地熱㈱が連結子会社となったことから、前年度と比べて、売上高及び営業利益は増加しました。経常利益は、営業利益が増加したことに加えて、持分法による投資利益が増加したことから、増加しました。 (その他の事業) (単位:億円) 前期当期増減(増減率) 売上高1,6061,576△29(△1.8%) 営業利益7854△23(△30.1%) 経常利益221185△35(△16.2%) その他の事業は、原子力事業からの撤退等により、売上高及び営業利益は減少しました。経常利益は、営業利益が減少したことなどから、減少しました。 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度売上高(百万円)割合(%)売上高(百万円)割合(%)住友商事株式会社229,29714.9428,34921.8 (2) キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益及び非資金損益項目である減価償却費の計上、棚卸資産の増加等により、588億円の収入(前期比75億円の収入増加)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による支出等により、793億円の支出(前期比236億円の支出減少)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により132億円の支出(前期比461億円の支出増加)となりました。 以上により、換算差額等による増減を加えた結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、886億円(前期末比425億円の減少)となりました。(3) 生産、受注及び販売の実績 「(1) 経営成績」において、各事業のセグメント情報に関連付けて記載しております。 2.経営者の視点による財政状態、経営成績等の状況に関する分析・検討内容 当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2025年6月24日)現在において判断したものであります。(1) 当連結会計年度の経営成績及び財政状態の分析① 経営成績 当連結会計年度における経営成績の概況については、「1.経営成績等の状況の概要」に記載しております。② 財政状態 当連結会計年度末の総資産残高は、前期末比 2,077億円(9.6%)増加し、2兆3,753億円となりました。流動資産は、貸付け金地金の増加等により、前期末比 1,812億円(14.1%)増加の 1兆4,643億円となりました。固定資産は、投資有価証券の増加等により、前期末比 255億円(2.9%)増加の 9,101億円となりました。 負債残高は、前期末比 2,000億円(13.5%)増加し、1兆6,820億円となりました。流動負債は、預り金地金の増加等により、前期末比 3,032億円(30.5%)増加の 1兆2,973億円となりました。固定負債は、長期借入金の減少等により、前期末比 1,031億円(21.1%)減少の 3,847億円となりました。なお、借入金に社債、コマーシャル・ペーパーを加えた有利子負債残高については、前期末比 100億円(1.7%)減少の 5,930億円となりました。 純資産残高は、利益剰余金の増加等により、前期末比 76億円(1.1%)増加の 6,932億円となりました。 この結果、連結ベースの自己資本比率は、前期末の30.2%から28.5%となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は 5,003.75円から 5,183.34円に増加しました。(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について 「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。(3) 事業戦略と見通し 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。(4) 資本の財源及び流動性の管理方針 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、内部資金、銀行借入、社債発行等により資金調達を行っております。また、キャッシュマネジメントシステムの導入等によるグループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上に努めております。この一環として、第3四半期連結会計期間より、一部の海外子会社を対象としたグローバルキャッシュマネジメントシステム(ノーショナルプーリング)の運用を開始し、グローバルベースでの更なる資金効率向上にも取り組んでおります。なお、当連結会計年度末のノーショナルプーリングシステムにおける預入額275億円を現金及び預金、借入額274億円を短期借入金に含めて表示しております。 当社グループの資金の状況については、「1.経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。(5) 経営者の問題意識と今後の方針について 当社グループの経営陣は、収益力、有利子負債等グループの財政状況を認識し、現在の事業規模及び入手可能な情報に基づき経営資源の最も効率的な運用を行い、企業価値を最大限に高めるべく努めております。 (6) 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しておりますが、その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える判断と見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。 特に次の会計方針が連結財務諸表作成における見積りの判断に大きな影響を及ぼす事項であると考えております。 ① 貸倒引当金、関係会社事業損失引当金の計上 当社グループの保有する債権または関係会社への投資に係る損失が見込まれる場合、その損失に充てる必要額を見積もり、引当金を計上しておりますが、将来、債務者や被出資者の財務状況が悪化した場合、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。 ② 有価証券の減損処理 当社グループの保有する株式については、市場価格のない株式等以外のもの、市場価格のない株式等ともに、合理的な判断基準を設定の上、減損処理の要否を検討しております。従って、将来、保有する株式の時価や投資先の財務状況が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。なお、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目につきましては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ③ のれんを含む固定資産の減損処理 当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 2002年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 2003年10月31日)を適用しております。将来、経済環境の著しい悪化や市場価格の著しい下落等の発生如何によっては、減損損失を計上する可能性があります。なお、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ④ 繰延税金資産の回収可能性 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得がその見積り額を下回る場合、繰延税金資産が取崩され、税金費用が計上される可能性があります。なお、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 なお、当社グループが採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 |
※本記事は「三菱マテリアル株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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