会社名 | 東海カーボン株式会社 |
業種 | ガラス・土石製品 |
従業員数 | 連4427名 単779名 |
従業員平均年齢 | 42.5歳 |
従業員平均勤続年数 | 15.6年 |
平均年収 | 7936589円 |
1株当たりの純資産 | 1521.89円 |
1株当たりの純利益 | 119.45円 |
決算時期 | 12月 |
配当金 | 36円 |
配当性向 | 61.6% |
株価収益率(PER) | 8.6倍 |
自己資本利益率(ROE) | 8.6% |
営業活動によるCF | 620億円 |
投資活動によるCF | ▲476億円 |
財務活動によるCF | ▲145億円 |
研究開発費※1 | 36.05億円 |
設備投資額※1 | 82.92億円 |
販売費および一般管理費※1 | 599.98億円 |
株主資本比率※2 | 39.3% |
有利子負債残高(連結)※3 | 1634.24億円 |
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) T-2025 進捗状況(総括)当社グループにおいては、2023年2月に2023年から2025年までの3年間を対象とするローリング中期経営計画「T-2025」を策定・開示し、「主力事業の成長軌道回帰」「事業ポートフォリオの最適化(選択と集中)」「サステナビリティ経営基盤構築」の3つの基本方針を掲げ、事業活動を展開してまいりました。主力事業である黒鉛電極やカーボンブラックを中心に、原材料価格等の原価上昇を売価に転嫁することにより適正利潤確保を図るとともに、将来の需要拡大を睨んだ生産性の向上と生産能力の増強も着実に進めたものの、対面業界である鉄鋼・半導体の市況低迷や競争激化等により、T-2025初年度の2023年の実績については、当初想定した売上高4,100億円、営業利益450億円を下回り、売上高3,639億4千6百万円営業利益387億2千8百万円という結果となりました。 (主力事業の成長軌道回帰) 黒鉛電極事業は、世界的な鉄鋼景気の減速と電炉稼働率の低下による欧州を中心とした価格競争の激化や、安価な中国産黒鉛電極のアジア市場への流入により市場価格が下落する中、コスト削減や売価の維持・引き上げに取り組んできましたが、市況悪化を打ち返すには至らず、成長軌道回帰は道半ばという結果になりました。カーボンブラック事業は、半導体不足などサプライチェーンの混乱で低迷した自動車生産が着実に回復する中、環境設備投資等に着実に取り組む一方、原価上昇分の価格転嫁に取り組んだことにより、増収増益を果たし、当期当社業績を支えました。 (事業ポートフォリオの最適化) 2021年11月に決議した「事業ポートフォリオマネジメント基本方針」に基づき、自社の資本コストを踏まえた収益力・資本効率性の目標設定とモニタリングに加え、長期ビジョンとの整合性や中長期的な成長等の視点も加味して、適切に事業ポートフォリオの分析・評価を実施しております。成長事業であるファインカーボン事業や工業炉及び関連製品事業においては、将来の産業構造の変化も見据えた中長期的な成長を目指して、生産能力の増産投資を着実に実施しています。 (サステナビリティ経営基盤構築) カーボンニュートラルの実現に向け、2022年1月に発足したカーボンニュートラル推進委員会を中心に、2050年カーボンニュートラル実現を果たすべく、2030年にはCO2排出量の25%削減(2018年比)を目指し、社内外関係者と協働した関連技術の探求・調査にも取り組んでいます。また、2023年度より、役員報酬にサステナビリティ・パフォーマンスを連動させることとする一方、従業員エンゲージメント・サーベイを活用したエンゲージメント向上策にも取り組んでいます。 ② 対処すべき課題2030年の長期ビジョン実現に向け、当社は、新たなローリング中期経営計画「T-2026」を策定・開示しました。「主力事業の収益基盤強化」「事業ポートフォリオマネジメントの高度化」「サステナビリティ経営の推進」の3つの基本方針を掲げ、取り組んでまいります。「主力事業の収益基盤強化」のポイントは低迷を続ける黒鉛電極事業であり、抜本的な構造改革を断行し、事業体質の改善を図ります。「事業ポートフォリオマネジメントの高度化」に関しては、資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、事業の成長性と資本収益性を踏まえた「選択と集中」に取り組みます。「サステナビリティ経営の推進」については、喫緊のカーボンニュートラル対応を推進する一方、人的資本を重視した経営にも取り組んでいきます。「サステナビリティ経営の推進」については、喫緊のカーボンニュートラル対応を推進する一方、人的資本を重視した経営にも取り組んでいきます。これらの取り組みを通じ、2026年の売上高4,580億円、営業利益530億円、ROS12%を目指してまいります。 |
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」をいう。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 (1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績当連結会計年度(2023年1月1日から2023年12月31日まで)の世界経済は、年初、供給制約の緩和や中国経済再開等のプラス要因が目立ったものの、その後は、欧米の高インフレ・高金利の持続や中国経済の減速等を受け停滞感が強まる展開となりました。ウクライナ危機の長期化や中東情勢悪化、米中対立等の地政学的緊張の高まり、中国経済の下振れ、インフレ再燃などがリスク要因となり、世界経済の先行きに係る不確実性は高まりました。このような情勢下、当社グループにおいては、2023年2月に公表したローリング中期経営計画「T-2025」の中で、「主力事業の成長軌道回帰」「事業ポートフォリオの最適化(選択と集中)」「サステナビリティ経営基盤構築」の3つの基本方針を掲げ、2025年の定量目標として、売上高4,840億円、営業利益690億円、ROS14%、EBITDA1,130億円の達成を目指してまいりました。主力事業である黒鉛電極やカーボンブラックを中心に、原材料価格等の原価上昇を売価に転嫁することにより適正利潤確保を図るとともに、将来の需要拡大を睨んだ生産性の向上と生産能力の増強も着実に進めてきました。またカーボンニュートラルの実現に向け、2022年2月に発足したカーボンニュートラル推進委員会を中心に、連結ベースでのCO2排出量の削減を進める一方、関連技術の探求・調査にも取り組みました。この結果、当連結会計年度の売上高は前期比6.9%増の3,639億4千6百万円となりました。営業利益は前期比4.6%減の387億2千8百万円となりました。経常利益は前期比2.2%減の416億7百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前期比13.6%増の254億6千8百万円となりました。 セグメント別の経営成績は下記のとおりです。 [黒鉛電極事業]北米を中心に大口径電極が堅調に推移しましたが、欧州ではエネルギーコストの高止まりと稼働率低下により製造コストが増加する一方で、同地域の鉄鋼生産の低迷を受け、販売量が落ち込む中、電極市況も軟化したため棚卸資産の評価損を計上するに至りました。この結果、当事業の売上高は前期比1.0%増の602億3千5百万円となり、営業利益は前期比90.6%減の7億5千2百万円(前期は80億3千2百万円の営業利益)となりました。 [カーボンブラック事業]自動車生産の回復に伴い新車用タイヤ需要は増加していますが、補修用タイヤ需要は顧客の在庫調整により減少したため、販売数量は前期比で減少しました。販売価格については、米国を中心に引き上げられ、環境設備投資の減価償却費負担の一部が補填されたことで前期比増収増益となりました。この結果、当事業の売上高は前期比7.2%増の1,484億2千3百万円となり、営業利益は前期比73.5%増の213億3百万円となりました。 [ファインカーボン事業]スマートフォンやパソコン需要低下による顧客の在庫調整及び米国の対中半導体規制長期化の影響を受けメモリ半導体市場向けの製品需要が停滞しました。これによりメモリ半導体向けのエッチング装置にて使用されるSolid SiC製品の販売が落ち込み、パワー半導体向け製品や一般産業向け需要の堅調さにより一部補填されたものの、前期比減収減益となりました。この結果、当事業の売上高は前期比8.2%減の453億1千9百万円となり、営業利益は前期比28.4%減の106億1千7百万円となりました。 [スメルティング&ライニング事業]カソードブロックのユーザーであるアルミ電解炉事業者の操業率は、エネルギーコストの違いで地域的な濃淡が出ているものの、特に新興国向けの出荷が堅調に推移しました。原材料やエネルギーコストは大きく上昇したものの、販売価格へ転嫁することで採算の維持に努めました。この結果、当事業の売上高は前期比27.0%増の828億2千万円となり、営業利益は前期比71.3%増の23億5百万円となりました。 [工業炉及び関連製品事業]工業炉及び発熱体の売上高及び営業利益は、主要顧客であるエネルギー関連業界及び電子部品関連業界の在庫調整やプロジェクトの遅れ等により前期比減となりました。この結果、当事業の売上高は前期比4.0%減の156億1千4百万円となり、営業利益は前期比13.7%減の38億6千万円となりました。 [その他事業]摩擦材二輪については北米・欧州を中心に堅調に推移したものの、建機、電磁向けで中国の需要低下に伴い減販となり減収となりました。この結果、摩擦材の売上高は前期比3.9%減の89億9千5百万円となりました。負極材当社材が採用されているEVおよびESS(Energy Storage System)の一時的な販売回復がありました。この結果、負極材の売上高は前期比27.3%増の24億4百万円となりました。その他不動産賃貸等その他の売上高は、前期比2.8%減の1億3千2百万円となりました。 以上により、当事業の売上高は前期比1.3%増の115億3千2百万円となり、営業利益は前期比17.3%増の12億9千9百万円となりました。 ② 財政状態(資産の部)当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末比635億4千万円増の6,400億5百万円となりました。流動資産は、現金及び預金や棚卸資産等の増加により、前連結会計年度末比161億9千8百万円増の2,628億9千万円となりました。固定資産は、有形固定資産や、投資有価証券等の増加により、前連結会計年度末比473億4千1百万円増の3,771億1千4百万円となりました。 (負債の部)当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末比43億5百万円増の2,799億2百万円となりました。流動負債は、1年内返済予定の長期借入金や短期借入金等の減少により、前連結会計年度末比97億2千4百万円減の1,369億7千1百万円となりました。固定負債は、繰延税金負債や長期借入金等が増加したことにより、前連結会計年度末比140億3千万円増の1,429億3千万円となりました。 (純資産の部)当連結会計年度末における純資産合計は、為替換算調整勘定や利益剰余金等の増加により、前連結会計年度末比592億3千4百万円増の3,601億3百万円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末比4.1ポイント増の50.7%となりました。 ③ キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比70億8千1百万円増の564億5千9百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、620億7千4百万円の収入(前期比208億6千8百万円の収入の増加)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益や、減価償却費等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、476億3千2百万円の支出(前期比22億6千7百万円の支出の減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、145億1千2百万円の支出(前期比38億8千2百万円の支出の増加)となりました。これは主として、短期借入金の返済や、配当金の支払等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の状況 a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)黒鉛電極事業64,584△4.4カーボンブラック事業147,484+7.6ファインカーボン事業48,097△10.2スメルティング&ライニング事業83,296+27.7工業炉及び関連製品事業15,526△7.7その他事業11,464+1.2合計370,453+5.4 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。 b. 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、工業炉及び関連製品については、受注生産を行っております。 セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)工業炉及び関連製品事業14,445+10.514,131△7.3合計14,445+10.514,131△7.3 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)黒鉛電極事業60,235+1.0カーボンブラック事業148,423+7.2ファインカーボン事業45,319△8.2スメルティング&ライニング事業82,820+27.0工業炉及び関連製品事業15,614△4.0その他事業11,532+1.3合計363,946+6.9 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況による分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の売上高は、スメルティング&ライニング事業及びカーボンブラック事業における売価上昇により、前期比6.9%増の3,639億4千6百万円となりました。売上原価率は、前期比で概ね横ばいとなり、0.5%ポイントアップの72.9%となりました。 販売費及び一般管理費は従業員給与賞与額の増加等により、前期比12.2%増の599億9千8百万円となりました。この結果、営業利益は前期比4.6%減の387億2千8百万円となりました。営業外収益については、受取利息の増加等により、前期比32.5%増の57億8千9百万円となりました。営業外費用については、支払利息の増加等により、前期比19.5%増の29億1千1百万円となりました。特別利益については、当社及び連結子会社において投資有価証券売却益4億1百万円を計上しております。特別損失については、当社及び連結子会社において製造設備に対する固定資産除却損1億7千万円を計上しております。この結果、税金等調整前当期純利益は前期比0.3%減の419億9千8百万円となりました。法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計は、前期比10.4%減の132億4千3百万円となり、また、非支配株主に帰属する当期純利益に32億8千5百万円を計上しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比13.6%増の254億6千8百万円となりました。また、当連結会計年度末の総資産については、流動資産は現金及び預金や棚卸資産等の増加により、前連結会計年度末比161億9千8百万円増の2,628億9千万円となり、固定資産は有形固定資産及び投資有価証券等の増加により、前連結会計年度末比473億4千1百万円増の3,771億1千4百万円となりました。 ② 資本の財源及び資金の流動性についての分析a. キャッシュ・フローキャッシュ・フローの状況については、 (1) ③ キャッシュ・フローに記載のとおりであります。b. 財務政策当社グループは、持続的成長と株主価値向上の実現のため、資本効率を高めつつ、財務健全性維持、流動性確保及び金融費用の抑制を図ることを基本方針としております。事業成長を支える十分な財務健全性を確保する最適な資本構成の範囲内で、ハードル・レートを踏まえた資本配分により事業収益の拡大を目指しております。グループの資金は、本社にて一括調達の上、GCMS(グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム)を活用し、手元資金の効率性を高めています。資金は事業が生み出す営業キャッシュ・フローおよび手元資金で賄うことを基本とし、手元資金を上回る投資等の外部資金需要については、金融機関からの借入や資本市場における社債発行などの負債調達を基本に、市場環境に応じて、調達手法を選択していきます。また、金利変動リスクや流動性リスクについては、リスク量のモニタリングや分析を基にコントロールしつつ、金融費用の抑制を図っております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 |
※本記事は「東海カーボン株式会社」の令和5年12期 有価証券報告書を参考に作成しています。
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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