会社名 | 日本電気硝子株式会社 |
業種 | ガラス・土石製品 |
従業員数 | 連5498名 単1746名 |
従業員平均年齢 | 43.9歳 |
従業員平均勤続年数 | 21.2年 |
平均年収 | 7038000円 |
1株当たりの純資産 | 5996.61円 |
1株当たりの純利益(連結) | 141.67円 |
決算時期 | 12月 |
配当金 | 130円 |
配当性向 | 62.2% |
株価収益率(PER) | 23.8倍 |
自己資本利益率(ROE)(連結) | 2.5% |
営業活動によるCF | 522億円 |
投資活動によるCF | 426億円 |
財務活動によるCF | ▲488億円 |
研究開発費※1 | 78.81億円 |
設備投資額※1 | 369.51億円 |
販売費および一般管理費※1 | 1276.13億円 |
株主資本比率※2 | 71% |
有利子負債残高(連結)※3 | 1112.65億円 |
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、《日本電気硝子 企業理念体系》の下、世界一の特殊ガラスメーカーを目指し、材料設計、溶融、成形、加工といった技術により様々な特性や機能を持つガラス製品を開発、生産し、市場に潤沢に供給することにより、社会のニーズに対応していくことを経営の基本においています。同時に、事業活動を行うにあたり重要と認識するCSR(企業の社会的責任)の重点課題を設定し活動を推進することにより、企業の社会的責務を果たしていきたいと考えています。これらの取り組みを通して、社会の発展に貢献するとともに企業アイデンティティの発信にも努め、企業価値の向上と持続的成長を図ってまいります。 《日本電気硝子 企業理念体系》わたくしたちは、“文明の産物”の創造を通して社会に貢献するという創業の精神を、企業理念の底流をなすものと位置付けています。 (企業理念)「ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。」 (スローガン)GLASS FOR FUTURE (目指すべき企業像)「世界一の特殊ガラスメーカー」 (大切にしている価値観)・お得意先第一お得意先のご要望を理解し、そのご要望にどこまでもお応えすること。・達成への執念執念をもって、課題を為し遂げること。・自由闊達前例にとらわれない自由な発想と、部門や世代にとらわれない自由な発言を尊重すること。・高い倫理観いかなる局面においても、常に高い倫理観を持って誠実に行動すること。・自然との共生自然と共存することを常に意識し、環境負荷の低減に努めること。 (2)目標とする経営指標将来に亘る事業の存続と発展を期するためには、継続的な研究開発と成長投資並びにこれらの活動を支える売上と利益が不可欠であると考えています。また、企業価値を高めるためには、効率的な事業運営や資本の効率的な活用が重要になります。このため、当社グループでは、売上高、営業利益、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標と位置付け、中期経営計画において目標値を設定しています。 (3)経営環境、中長期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題<経営環境>○事業内容当社グループは、電子・情報の分野におけるガラスをはじめとする特殊ガラス製品及びガラス製造機械類の製造、販売を行っています。「電子・情報」の分野ではディスプレイ事業、電子デバイス事業などのビジネスを、また、「機能材料」の分野では複合材事業、医療事業、耐熱事業、建築事業などのビジネスを展開し、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築しています。 (主要製品)区 分製 品 分 類主 要 製 品 名電子・情報 ディスプレイ 液晶ディスプレイ用ガラス有機ELディスプレイ用ガラス化学強化専用ガラス DinorexR電子デバイス 半導体プロセス用ガラスLTCC製品機能性粉末ガラスイメージセンサ用板ガラス小型電子部品用管ガラス光エレクトロニクス用ガラス蛍光体ガラス ルミファスR機能材料 複合材 機能樹脂強化用チョップドストランド建築材料用ウェットチョップドストランド樹脂強化用ロービング自動車用チョップドストランドマットセメント強化用耐アルカリ性ガラスファイバ WizARG?医療 医薬用管ガラス放射線遮へい用ガラス LXプレミアム耐熱 超耐熱結晶化ガラス ネオセラムR調理器トッププレート用超耐熱結晶化ガラス StellaShineR建築 防火設備用ガラス ファイアライトRガラスブロック結晶化ガラス建材 ネオパリエRその他 照明用ガラスガラス製造機械 ○当連結会計年度の経営環境世界経済は、中東情勢などの地政学リスクの高まりを背景に物価上昇が続きました。また、中国をはじめとした諸外国の景気停滞、欧米における高い金利水準の継続や当初想定以上の円安を受けて、厳しい事業環境が続きました。このような環境のもと、販売数量の増加や価格の引き上げ等により、売上高は前連結会計年度を上回りました。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に実施した事業構造改革の効果等により、全て黒字に転換しました。 <展開する市場分野>自動車:軽量化材料、照明、ディスプレイ、自動運転(カメラ・センサ等)、各種電子機器エネルギー:二次電池、再生可能エネルギーシステム医療:先進医薬容器、先端医療機器・設備半導体:次世代半導体材料(小型高精細・高機能)、半導体製造プロセスディスプレイ:高機能ディスプレイ(高精細・薄型軽量・フレキシブル)情報通信:光通信デバイス(次世代高速通信対応)社会インフラ:高機能防火設備、高性能構造材料(安全・耐久・軽量)家電・住設:高機能家電・住設材料、多機能壁材 <中期経営計画EGP2028>当社グループは、2024年度から2028年度までの5か年を対象期間とする中期経営計画EGP2028を策定しています。 (スローガン)“STRONG GROWTH” (基本方針)既存事業の収益基盤強化と成長分野への積極的なリソース投入を推進し、持続的成長と企業価値向上を実現する。 (期間)2024年1月1日~2028年12月31日(5か年) (経営目標)売上高 4,000億円(電子・情報1,900億円、機能材料1,600億円、新規事業500億円)営業利益 500億円営業利益率 12.5%ROE 8%目標達成年度 2028年度 (事業戦略)①既存事業の強化(競争力向上による収益基盤強化)・高付加価値製品の開発、事業化を強化する。・全電気溶融技術を活用し、生産性・品質の向上を図る。・強固な事業基盤を構築する(リソースの効率的な運用、DXの推進、調達の見直し、業務/製造プロセス改革等)。・事業収益性の分析を徹底し、投資や縮小、撤退を判断する。 ②戦略事業の拡大(成長分野へのリソース拡充)・自社の強みを活かし、成長が期待できる分野へリソースを積極的に投入し戦略事業を拡大する。・ガラスの付加価値を高めるデバイス事業を拡大する。・エネルギー、医療、環境、食料分野を中心に、研究開発のリソースを拡充するとともに、大学や研究機関、ベンチャー企業等との連携を積極的に活用する。・戦略的投資枠(5年間で500億円)を設定し、M&Aや戦略的提携、事業投資等を積極的に行う。 ③調達リスクマネジメント・経済情勢や物流の混乱等による調達リスクへ対応する(調達先・物流ルートの複数化、取引先との戦略的提携等)。 (財務戦略)①政策保有株式の縮減事業環境の変化等を考慮し、資本コストを踏まえた定量面と経営戦略等の定性面から保有の適否を検証し一層の縮減を進める。 ②資産の圧縮EGP2028や事業改革等の過程で生じたノンコア資産については、適宜、処分し資産効率の向上を図る。 ③バランスシートの管理と株主還元の充実財務の安定性と資本効率性を考慮してバランスシートを管理するとともに、将来の成長に期した内部留保を確保しながら、株主還元の充実を図る。 – 自己株式の取得資本効率向上に向けて、2023年11月から2028年12月末までの間(約5年間)、総額1,000億円の自己株式の取得を計画 – 継続的な配当の拡大:目標DOE3%安定配当を基本とし、業績、財務状況、成長投資等を踏まえ配当を拡充 (サステナビリティ戦略)①カーボンニュートラルの推進全電気溶融技術をはじめとする技術開発等を推進し、地球温暖化防止に貢献するとともに、持続的な成長と企業価値の向上を図る。・全プロセスの電化を進める・再生可能エネルギーへの投資と調達・CO?フリーエネルギー(水素等)の技術開発 ②人材戦略経営の基盤となる人材への投資を拡大するとともに、多様な人材が十分に能力を発揮できる職場環境を確保し、競争力の向上を図る。・高度な知識や技術を持つ人材の採用と育成・多様な人材の登用・多様な人材が働きやすく、働きがいを感じる職場の整備 ③サプライチェーンマネジメントサプライチェーン全体で、環境、生物多様性、人権等に関して社会的責任を果たす取り組みを推進し、持続的な成長と企業価値の向上を図る。 <中期経営計画EGP2028の進捗>当連結会計年度では、EGP2028において設定した課題に取り組み一定の成果を残すことができました。主な取り組みは以下のとおりです。 (事業戦略)既存事業の強化と戦略事業の拡大を進めてきました。・既存事業ディスプレイ事業化学強化専用超薄板ガラスDinorex UTGRの新規事業が複数スタート ・フォルダブルスマートフォン用カバーガラス ・スピーカー振動板(ダイヤフラム)人工衛星ソーラーパネル用超薄板ガラス販売拡大今後の取り組み ・全電気溶融炉への切り替え ・第10.5世代ガラス基板のシェア拡大 ・高耐熱性低熱収縮ガラス基板の生産性改善 ・超薄板ガラスのさらなる用途拡大電子デバイス事業半導体関連製品の拡販、事業化、新製品開発が進展 ・半導体用サポートガラスの大幅な販売拡大 ・プローブカード用基板の量産出荷開始 ・無機コア基板(GCコア?、ガラスコア基板)の開発今後の取り組み ・新製品の開発・早期の事業化 ・半導体関連製品の生産能力拡大 ・既存製品の品質向上と生産性改善 ・M&Aを含めた高付加価値事業の拡大複合材事業収益改善に向けて以下の取り組みを遂行 → 2025年度に赤字解消を狙う ・地域需要に対応したフレキシブルな生産体制構築と生産効率向上 ・カーボンニュートラルに貢献する製造プロセス技術の確立 ・フラットガラスファイバの品質向上とコストダウン ・電子材料用高機能ガラスファイバの開発医療・耐熱・建築事業収益改善に向けた取り組みとして、医薬用管ガラスで全電気溶融技術の量産技術を確立今後の取り組み ・医療:全電気溶融技術による生産性・品質・エネルギー効率の改善 ・耐熱:独自の印刷技術を活かした高付加価値製品の拡販 ・建築:防火ガラス ファイアライトR新製品の拡販 ・戦略事業半導体関連では、当連結会計年度においてプローブカード用基板の量産出荷が開始しました。また、生成AI向けなど次世代半導体向けの無機コア基板(GCコア?、ガラスコア基板)の開発に成功しました。エネルギー関連では、全固体ナトリウムイオン二次電池については、2025年度中の量産・販売に向けてサンプルワークを行うとともに設備の立ち上げを進めています。また、高出力レーザー対応光アイソレーターを開発し拡販を進めています。このほか、長年培ってきたガラス製造に関する技術やノウハウを活かし、設備から制御システムまでオールインワンで提供可能なエンジニアリング事業を開始しました。 (財務戦略)政策保有株式の縮減を進めるとともにノンコア資産の圧縮を進めてきました。政策保有株式の縮減4銘柄の株式を全数売却・1銘柄の株式を一部売却藤沢事業場跡地の売却事業再編のため2015年に閉鎖した事業場について、必要な環境対策を終えたため売却したものディスプレイ事業の構造改革に伴う固定資産の売却2023年5月公表の韓国拠点の清算に伴って発生したものの処分その他事業改革等の過程で生じたノンコア資産の処分 |
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度(2024年1月1日~2024年12月31日)における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。 ①財政状態及び経営成績の状況a.財政状態当連結会計年度末(2024年12月31日)における資産合計は、前連結会計年度末(2023年12月31日)と比較して87億53百万円減少し、6,951億63百万円となりました。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して61億82百万円減少し、2,076億4百万円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して25億70百万円減少し、4,875億59百万円となりました。 b.経営成績当連結会計年度の経営成績は、売上高2,992億37百万円(前連結会計年度比6.9%増)、営業利益61億20百万円(前連結会計年度:営業損失104億20百万円)、経常利益124億17百万円(同:経常損失94億80百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益120億91百万円(同:親会社株主に帰属する当期純損失261億88百万円)となりました。部門別の経営成績は次のとおりです。「電子・情報」の分野は、売上高1,575億80百万円(前連結会計年度比18.3%増)となりました。「機能材料」の分野は、売上高1,416億57百万円(同3.5%減)となりました。なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて484億99百万円増加し、1,235億82百万円となりました。営業活動によって得られた資金は522億円(前連結会計年度比535億61百万円の収入増)となりました。投資活動によって得られた資金は426億1百万円(同633億78百万円の収入増)となりました。財務活動に使用した資金は488億32百万円(同372億60百万円の支出増)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)における生産実績をセグメントごとに示す と、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)ガラス事業280,35896.6合計280,35896.6 (注)生産金額は、平均販売価額により算出したものです。 b.受注実績 基本的に見込み生産を行っています。なお、当連結会計年度において特記すべき事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)における販売実績をセグメントごとに示す と、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)ガラス事業299,237106.9合計299,237106.9 (注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、 いずれの相手先も当該割合が100分の10未満のため記載を省略しています。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在(2025年3月31日)において判断したものです。 ①財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態 前連結会計年度末(百万円)当連結会計年度末(百万円)増減(百万円)総資産703,917695,163△8,753負債213,786207,604△6,182純資産490,130487,559△2,570 (総資産)当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して87億53百万円減少し、6,951億63百万円となりました。流動資産では、販売の拡大や固定資産の売却等により、現金及び預金が増加し、商品及び製品が減少しました。固定資産では、ディスプレイ事業及び複合材事業で減損損失を計上したこと等から、有形固定資産が減少しました。 (負債)当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して61億82百万円減少し、2,076億4百万円となりました。借入金の返済を進めたことや、返済期限が1年以内の長期借入金を振り替えたことにより、長期借入金が減少し、短期借入金が増加しました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して25億70百万円減少し、4,875億59百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益を計上した一方で、株主への配当金の支払い及び積極的な自己株式の取得を進めました。また、主要な通貨において円安に振れたこと等から、為替換算調整勘定が増加しました。 b.経営成績(当連結会計年度の経営成績) 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(%)売上高279,974299,2376.9営業利益又は営業損失(△)△10,4206,120-(営業利益率)(△3.7%)(2.0%)-経常利益又は経常損失(△)△9,48012,417-親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)△26,18812,091- (部門別の経営成績)区分前連結会計年度当連結会計年度増減金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)比率(%)電子・情報133,20947.6157,58052.724,37118.3機能材料146,76552.4141,65747.3△5,108△3.5合計279,974100.0299,237100.019,2636.9 「電子・情報」分野では、ディスプレイ事業は、第3四半期連結会計期間(2024年7月1日~9月30日)に入り需要が軟化したものの、おしなべて堅調な需要が継続しました。また、販売価格の引き上げも相まって、売上高は前連結会計年度を上回りました。電子デバイス事業は、半導体向け製品の需要が好調に推移し、その他の製品の需要も緩やかな回復が続いたことから、売上高は前連結会計年度を上回りました。これらの結果、電子・情報分野の売上は前連結会計年度比で増加しました。「機能材料」分野では、複合材事業は、需要が回復しない中で厳しい競争環境が続き、販売が低迷したことから、売上高は前連結会計年度を下回りました。医療事業は、販売価格の引き上げを進めたこと等から、売上高は前連結会計年度を上回りました。耐熱事業は、需要が軟調なことから、売上高は前連結会計年度を下回りました。建築事業は、需要が堅調なことから、売上高は前連結会計年度を上回りました。これらの結果、機能材料分野の売上は前連結会計年度比で減少しました。これらにより、売上高は2,992億37百万円(前連結会計年度比6.9%増)となりました。損益面では、販売価格の引き上げや半導体向け製品の好調な販売が営業利益に寄与しました。コスト面では、原材料及びエネルギーの価格や物流費用が高止まりしましたが、ディスプレイ事業での製造原価低減に加え、前連結会計年度に計上した一部原材料に係る評価損の影響がなくなったことなどから、61億20百万円の営業利益(前連結会計年度:営業損失104億20百万円)を計上しました。この結果、売上高営業利益率は2.0%と前連結会計年度と比べ、5.7ポイント上がりました。営業外収益においては、海外子会社の借入に係る債権債務の評価替えによる為替差益等が経常利益を押し上げ、124億17百万円の経常利益(前連結会計年度:経常損失94億80百万円)を計上しました。特別損益については、固定資産の減損損失を特別損失に計上した一方で、中期経営計画EGP2028に沿ってノンコア資産の処分と政策保有株式の縮減を行い、固定資産売却益及び投資有価証券売却益を特別利益に計上したことなどから、113億47百万円の利益となりました。これらの結果、税金等調整前当期純利益は237億64百万円(前連結会計年度:税金等調整前当期純損失286億12百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は120億91百万円(前連結会計年度:親会社株主に帰属する当期純損失261億88百万円)となりました。なお、1株当たり当期純利益は141円67銭(前連結会計年度:1株当たり当期純損失282円90銭)となりました。 (2025年2月5日公表の2025年度の業績予想) 第2四半期(累計)通期EGP2028目標値売上高1,500億円3,100億円4,000億円営業利益100億円200億円500億円(営業利益率)(6.7%)(6.5%)(12.5%)経常利益100億円200億円-親会社株主に帰属する当期純利益100億円150億円- 2025年度については、世界経済は、地政学リスクの緩和見込みや各国の経済政策によって回復に向かうと期待されるものの、米国の政策転換や国際協調の低下等による影響から、引き続き不透明な状況が続くものと予想されます。このような中、当社グループでは、中期経営計画EGP2028を着実に実行していくことで売上の拡大、収益の改善、ROE8%の実現に努めてまいります。EGP2028については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営環境、中長期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 <中期経営計画EGP2028>」をご覧ください。「電子・情報」分野においては、ディスプレイ事業は、堅調な需要を見込んでいます。電子デバイス事業は、半導体用サポートガラスを中心に半導体向け製品の販売がより拡大する見込みです。「機能材料」分野においては、複合材事業及び医療、耐熱、建築事業は、当連結会計年度と同程度の製品需要が継続する見通しです。損益面では、原燃料価格は高止まりすると見込んでいますが、ディスプレイ事業の収益性向上と電子デバイス事業の売上高増加が営業利益の拡大に貢献します。また、販売価格の改定と生産性改善の取り組みを継続してまいります。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー△1,36052,20053,561投資活動によるキャッシュ・フロー△20,77742,60163,378財務活動によるキャッシュ・フロー△11,572△48,832△37,260現金及び現金同等物の期末残高75,083123,58248,499 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度は、税金等調整前当期純利益を計上したことに加え、棚卸資産が減少したこと等により、営業活動によって得られた資金は522億円(前連結会計年度比535億61百万円の収入増)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)主として電子デバイス事業の設備を取得した一方で、中期経営計画EGP2028に沿って不要となった固定資産や投資有価証券を売却したことにより、投資活動によって得られた資金は426億1百万円(同633億78百万円の収入増)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)借入金の返済、自己株式の取得及び株主への配当金の支払いがあったこと等から、財務活動に使用した資金は488億32百万円(同372億60百万円の支出増)となりました。 上記に、現金及び現金同等物に係る換算差額25億31百万円を合わせ、当連結会計年度末の資金の残高は、前連結会計年度末と比べ484億99百万円増加し、1,235億82百万円となりました。 b.資本の財源及び資金の流動性当社グループは、事業環境の変化に耐えうる強固な財務基盤を目指すとともに、経営全般のさらなる効率化を追求するべく、キャッシュ・フロー重視、資産効率重視(金融資産・棚卸資産の圧縮、設備の生産性向上と集約)、財務の健全性を財務方針に掲げています。設備投資に関しては、設備の更新やガラス溶融炉の定期修繕のほか、マーケットの成長やカスタマーニーズに応じた投資を行うとともに、工場の強健化やカーボンニュートラルの実現に向けた投資を実行してまいります。研究開発に関しては、会社の成長基盤となる基礎的研究開発を継続的に行うとともに、成長分野への事業展開を見据えた製品開発を進めてまいります。当社グループの所要資金は、設備資金及び運転資金であり、これらを自己資金、借入金等で賄っています。また、グループファイナンスを活用することで手許資金の活用を図っています。なお、当社グループは機動的な資金調達を行うため、国内金融機関と総額250億円のコミットメントライン契約を締結しています。当社としましては、主要な取引先金融機関と良好な取引関係を維持していることに加えて、日本格付研究所の格付は「シングルAプラス」となっていることから、安定的に資金調達ができるものと認識しています。今後も、健全な財務基盤の下、事業環境の変化する中においても安定した事業運営が行えるよう努めてまいります。 ③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画EGP2028においては、売上高、営業利益、営業利益率、ROEを重要な指標と位置付けて経営目標に掲げています。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。当社グループの連結財務諸表で採用する会計方針や、連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び収益費用の報告金額に影響を及ぼす見積りのうち、下記のものが特に重要なものと判断しています。 ・固定資産の減損 当社グループでは、減損損失の認識及び測定を行う単位として資産のグルーピングを行い、減損損失を認識する必要のある資産又は資産グループについて、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として計上しています。減損損失の認識及び測定にあたっては、その時点における合理的な情報等を基に将来キャッシュ・フローの見積りを行っていますが、事業計画や市場環境等の変化により、見積りの前提とした条件や仮定に変化が生じた場合、減損処理が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
※本記事は「日本電気硝子株式会社」の令和6年12期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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