DIC株式会社の基本情報

会社名DIC株式会社
業種化学
従業員数連22255名 単3973名
従業員平均年齢44.7歳
従業員平均勤続年数19.5年
平均年収7537761円
1株当たりの純資産3844.7円
1株当たりの純利益-421.06円
決算時期12月
配当金80円
配当性向0%
株価収益率(PER)12.5倍
自己資本利益率(ROE)-10.6%
営業活動によるCF890億円
投資活動によるCF▲664億円
財務活動によるCF▲29億円
研究開発費※1171.89億円
設備投資額※1563.35億円
販売費および一般管理費※11684.33億円
株主資本比率※234.2%
有利子負債残高(連結)※34650.61億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。 (1)経営の基本方針 当社グループは「経営理念」「経営ビジョン」「行動指針」の3つの要素から構成される「The DIC Way」を経営の基本的な考え方としています。 「経営理念」は当社グループが追い求める究極的な「ありたい姿」を、「経営ビジョン」は「経営理念」を実現するために当社グループが進むべき事業の大きな方向性を、「行動指針」は「経営理念」を実現するにあたり当社グループ社員が、常に心に刻み、具体的な行動の道標にすべき行動原則をそれぞれ表しています。 The DIC Way[経営理念]絶えざるイノベーションにより豊かな価値を創造し、顧客と社会の持続可能な発展に貢献する [経営ビジョン]彩りと快適を提供し、人と地球の未来をより良いものに -Color & Comfort- [行動指針]進取、誠実、勤勉、協働、共生 (2)当社グループの経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、2030年に向けて、“DICが貢献する社会”を「グリーン」「デジタル」「Quality of Life (QOL)」とし、DICの強みを活かして貢献できる5つの重点事業領域を定め、経営資源を集中し、“社会の持続的繁栄に貢献する事業ポートフォリオを構築”と“地球環境と社会のサステナビリティ実現に貢献”を、以下の「DIC Vision 2030」基本戦略のもと実現すべく取り組んでいます。 1.「DIC Vision 2030」の基本戦略● 事業ポートフォリオの変革1)5つの重点事業領域サステナブルエネルギー、ヘルスケア、スマートリビング、カラーサイエンス、サステナブルパッケージを重点事業領域と定め、経営資源を集中2)変革を支える5つの具体的施策① 人的資本経営の強化 ② 戦略投資 ③ 技術プラットフォームの拡充④ グローバル経営体制の強化 ⑤ IT・DXの推進 ● サステナビリティ戦略1)サステナブル製品の拡大2)CO2排出量削減の推進3)サーキュラーエコノミーへの対応 2.「DIC Vision 2030」の見直し 当社は、2022年度からの4年間をDIC Vision 2030の「目指す姿」の実現に向けた基盤づくりの期間(Phase 1)と位置づけ、積極的に開発投資や事業買収を行い、可能性の探索を進めてまいりました。 これにより多くの成果や可能性を創出できた一方で、経営資源の分散や拡散したテーマの取捨選択の遅れもあり、現時点におけるPhase 1の見込み値は、Phase 1の計画値から乖離が生じています。 また、DIC Vision 2030策定後に発生した地政学リスクの高まりや世界的なインフレの進行等の外部環境の急速な変化も計画達成に悪影響を与えました。 このような状況を踏まえ、当社は、今般、DIC Vision 2030のPhase 1最終年度(2025年度)における目標を見直すこととしました。なお、DIC Vision 2030全体の最終年度(2030年度)の計画値については、Phase 2(2026~2030年度)の計画策定段階で精査、公表する予定です。 ● 新計画値(Phase 1最終年度:2025年度) 旧 計 画 値新 計 画 値売上高11,000億円11,500億円営業利益800億円400億円 売上高は、原材料価格の上昇及びインフレの影響を製品価格に転嫁することにより、従前を上回る計画値としました。 営業利益については、買収事業のシナジー及び構造改革効果の発現等が当初計画より遅れ、Phase 1の翌年である2026年度以降に見込まれることから、目標達成をより確実なものにするため、大幅に下方修正しました。なお、2026年度には最高益更新を目指し、財務バランスの健全化と株主還元の充実を図ってまいります。 ● 早期・確実な成果の実現に向けて 経営資源の分散、テーマの取捨選択の遅れに対する反省を踏まえ、メリハリのある経営資源の配分を徹底すべく、5つの重点事業領域のうち「スマートリビング領域」を最重要領域と位置づけ、経営資源を集中することとしました。特に「エレクトロニクス分野」を集中強化するとともに、半導体用素材を扱う買収事業(PCAS Canada社)のシナジー追求を行うことで、早期かつ確実に成果を求めてまいります。 一方、重点事業領域の残りの4領域(サステナブルエネルギー、ヘルスケア、カラーサイエンス、サステナブルパッケージ)についても、これまで買収した事業については一層の合理化、シナジー効果を追求してまいるとともに、それぞれの領域内における優先すべきターゲットを見極め、早期の収益化を目指します。 ● ケミトロニクス事業の拡大・深化 上記のとおり、「エレクトロニクス分野」への集中強化を図るべく、当社では、エレクトロニクス仕様の化学・素材を軸とした事業を「ケミトロニクス」と定義し、2024年1月に「ケミトロニクス事業本部」を新設しました。 ケミトロニクス事業本部は、“製・販・技”一体とした組織体制とし、意思決定の迅速化を図ることで、技術革新のスピードが速く、スピーディーな対応が求められるエレクトロニクス分野で事業拡大を目指します。 また、”Direct to Society”(自ら未来を予測し、解決策や価値(=材料・デバイス・サービス)を社会に直接訴求することで、新たな事業を興していくこと)により、ケミトロニクスの事業領域の拡大に経営リソースを集中してまいります。 今後さらなる成長が見込まれる“パワー半導体用高耐熱樹脂”、“先端半導体レジスト用樹脂”などが使用される半導体実装分野や“易解体接合材”、“5G/6G用低誘電樹脂”、“次世代電池用接合材”などの先端電子部品分野を中心に、当社ならではのソリューションを提供してまいります。
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。 (1)経営成績等の状況の概要①経営成績当連結会計年度の業績は次のとおりです。(単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度前年同期比現地通貨ベース前年同期比売上高10,54210,387△1.5%△5.1%営業利益397179△54.8%△51.0%経常利益39992△76.9%-親会社株主に帰属する当期純利益176△399赤字化-EBITDA855308△63.9%-US$/円(平均)130.59140.51+7.6%-EUR/円(平均)137.71151.98+10.4%-   EBITDA:親会社株主に帰属する当期純利益+法人税等合計+支払利息-受取利息+減価償却費+のれん償却額  当連結会計年度(2023年1月~12月)における当社グループの業績は、売上高は前年同期比1.5%減の1兆387億円でした。米国や欧州でのインフレ抑制を目的とした金融政策の継続、ウクライナ情勢の長期化による地政学リスクへの影響、中国での不動産市況の低迷などに起因した景気回復の鈍化など不透明な状況が世界レベルで続いたことにより、財需要は各地域で停滞し、様々な業界分野において需要の伸び悩みや在庫調整の動きが見られた一年となりました。この状況下、当社グループが注力する主な顧客業界の需要動向としては、電気・電子やディスプレイを中心とするデジタル分野では、ディスプレイ市場はパネルメーカーの在庫調整が一巡した後に製品需要が回復した一方で、半導体市場は長引く市況低迷に底打ちの兆しが見られたものの、本格的な需要回復には至りませんでした。また、モビリティを中心とするインダストリアル分野※では、自動車市場の世界的な販売台数の回復に伴い、自動車向け材料はサプライチェーン上の余剰在庫の解消が進んだものの、需要の回復は緩やかなペースに留まりました。このようななか、当社グループにおいては、各セグメントでコスト増加分に対する価格対応に努めましたが、カラー&ディスプレイの顔料製品において、主要市場である欧州での長引く景気停滞と米国での物価上昇による消費財の需要減の影響により、塗料用顔料やプラスチック用顔料などの出荷が落ち込んだほか、ファンクショナルプロダクツにおいて、デジタル分野やインダストリアル分野に向けた高付加価値製品の出荷数量が全般的に減少するなど、数量面で厳しい状況が続きました。 営業利益は、前年同期比54.8%減の179億円でした。各セグメントにおいて価格対応に努め、パッケージング&グラフィックでは増益となりましたが、カラー&ディスプレイにおける塗料用顔料やプラスチック用顔料などの製品やファンクショナルプロダクツを中心とした高付加価値製品の出荷数量が減少したことに加え、塗料用顔料やプラスチック用顔料などの在庫削減を目的に、米国と欧州の一部生産拠点を一時的に稼働停止したことが損益に影響を及ぼした結果、全体として大幅な減益となりました。 経常利益は、前年同期比76.9%減の92億円でした。 親会社株主に帰属する当期純利益は、399億円の赤字となりました。カラー&ディスプレイにおいて2021年6月に買収したC&E顔料事業ののれんに係る減損損失を197億円計上するなど、特別損失が大幅に増加しました。 EBITDAは、前年同期比63.9%減の308億円でした。 ※インダストリアル分野とは、自動車、鉄道、船舶などのモビリティ用途と建設機械、産業機械などの一般工業用途に係る製品分野の総称です。 また、各セグメントの業績は次のとおりです。 (単位:億円)セグメント売  上  高営 業 利 益前連結会計年度当連結会計年度前年同期比現地通貨ベース前年同期比前連結会計年度当連結会計年度前年同期比現地通貨ベース前年同期比パッケージング&グラフィック5,3305,419+1.7%△1.9%203220+8.1%+11.4%カラー&ディスプレイ2,4822,273△8.4%△14.1%51△89赤字化赤字化ファンクショナルプロダクツ3,1543,059△3.0%△5.0%236154△34.6%△36.4%その他、全社・消去△424△364--△94△106--計10,54210,387△1.5%△5.1%397179△54.8%△51.0% [パッケージング&グラフィック] 前連結会計年度当連結会計年度前年同期比現地通貨ベース前 年 同 期 比売 上 高5,330億円5,419億円+1.7%△1.9%営 業 利 益203億円220億円+8.1%+11.4%  売上高は、前年同期比1.7%増の5,419億円でした。食品包装を主用途とするパッケージ用インキは、中国では新規の顧客開拓が進み出荷数量が増加しましたが、それ以外の地域では物価上昇の影響により消費財の需要が低調となり、出荷が減少しました。こうしたなか、各地域で価格対応に努めた結果、売上高はほぼ前年並となりました。商業印刷や新聞を主用途とする出版用インキについては、各地域で価格対応に努めたことで、国内では増収となりましたが、米州や欧州とアジアでの需要減などを原因とした出荷数量の減少により、全体として減収となりました。デジタル印刷で使用されるジェットインキは、米国や欧州での物価上昇や金利情勢に伴う在庫調整の動きなどを背景に、海外顧客向けを中心に需要が回復せず、全般的に出荷数量が減少しましたが、円安による為替換算影響を受けて増収となりました。 営業利益は、前年同期比8.1%増の220億円でした。国内では高付加価値製品であるジェットインキの出荷数量が減少するなか、パッケージ用インキと出版用インキのコスト増加分に対する価格対応を進めました。また、海外では、アジアにおける中国でのパッケージ用並びに出版用インキの出荷増に加え、米州や欧州でパッケージ用インキと出版用インキの価格維持に努めた結果、全ての地域で増益となりました。 [カラー&ディスプレイ] 前連結会計年度当連結会計年度前年同期比現地通貨ベース前 年 同 期 比売 上 高2,482億円2,273億円△8.4%△14.1%営 業 利 益51億円△89億円赤字化赤字化  売上高は、前年同期比8.4%減の2,273億円でした。売上の割合が大きい塗料用顔料とプラスチック用顔料は、主要市場である欧州での景気停滞と米国での物価上昇の影響などにより、それぞれの地域で需要の落ち込みと顧客による在庫調整の動きが続いたことから、全般的に出荷数量が減少しました。高付加価値製品については、ディスプレイ用途であるカラーフィルタ用顔料は、パネルメーカーの在庫調整が一巡した後に出荷が回復しました。化粧品用顔料は、米国や欧州で物価上昇などを背景に出荷が伸び悩んだものの、遅れて新型コロナ前の生活様式に戻ったアジアでの需要回復が見られたことにより、堅調な結果となりました。スペシャリティ用顔料は、農業向けの出荷が顧客の在庫調整の影響により伸び悩んだほか、建築向けもウクライナ情勢の長期化を背景に主な需要地である欧州での出荷が減少しました。 営業利益は89億円の赤字となりました。カラーフィルタ用顔料や化粧品用顔料の出荷が堅調であったものの、塗料用顔料、プラスチック用顔料の出荷が欧州を中心に落ち込んだことに加え、高付加価値製品であるスペシャリティ用顔料の出荷が減少した影響を受けました。また、塗料用顔料やプラスチック用顔料などの在庫削減を目的に、米国と欧州の一部生産拠点を一時的に稼働停止したことが損益に影響を及ぼしました。 [ファンクショナルプロダクツ] 前連結会計年度当連結会計年度前年同期比現地通貨ベース前 年 同 期 比売 上 高3,154億円3,059億円△3.0%△5.0%営 業 利 益236億円154億円△34.6%△36.4%  売上高は、前年同期比3.0%減の3,059億円でした。電気・電子やディスプレイを中心とするデジタル分野については、半導体を主用途とするエポキシ樹脂は市況低迷に底打ちの兆しが見られましたが、出荷が本格的に回復するには至らず、減収となりました。スマートフォンなどのモバイル機器を主用途とする工業用テープについては、着実に需要を取り込んだことで、増収となりました。モビリティを中心とするインダストリアル分野については、自動車サプライチェーン上の在庫解消が進んだなか、自動車向け材料の出荷は緩やかな回復に留まりましたが、2022年7月から連結対象となった中国のコーティング用樹脂メーカーGuangdong DIC TOD Resins Co., Ltd.(広東迪愛生?德樹脂有限公司)の売上が加わったことにより、増収となりました。PPSコンパウンドは、自動車向けの出荷が回復途上であったなか、価格対応などにより、増収となりました。 営業利益は、前年同期比34.6%減の154億円でした。各製品において、コスト増加分に対する価格対応に努めましたが、電気・電子やモビリティに関連した高付加価値製品の出荷が減少したことにより、大幅な減益となりました。 ②キャッシュ・フロー [営業活動によるキャッシュ・フロー] 当連結会計年度 891億円(前連結会計年度 79億円) 当連結会計年度は、税金等調整前当期純損失が265億円、減価償却費が508億円となりました。また、法人税等に120億円を支払い、運転資本の減少により671億円の資金を獲得しました。以上の結果、営業活動により得られた資金の総額は891億円となりました。 [投資活動によるキャッシュ・フロー] 当連結会計年度 △665億円(前連結会計年度 △732億円) 当連結会計年度は、有形及び無形固定資産の取得に581億円、子会社株式の取得に141億円の資金を使用しました。以上の結果、投資活動に使用した資金の総額は665億円となりました。 [財務活動によるキャッシュ・フロー] 当連結会計年度 △29億円(前連結会計年度 839億円) 当連結会計年度は、借入等により130億円の資金を調達した一方で、剰余金の配当として95億円を支払い、リース債務の返済として59億円を支払いました。以上の結果、財務活動に使用した資金の総額は29億円となりました。 (キャッシュ・フロー関連指標の推移) 2021年度2022年度2023年度自己資本比率(%)32.330.729.2時価ベースの自己資本比率(%)25.617.521.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)8.664.25.9事業収益インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)20.59.32.2(注)1.各指標の算式は以下のとおりです。自己資本比率             :(純資産-非支配株主持分)/総資産時価ベースの自己資本比率       :株式時価総額(期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後))/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー事業収益インタレスト・カバレッジ・レシオ:(営業利益+受取利息+受取配当金)/支払利息2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金、コマーシャル・ペーパー、社債及びリース債務を対象にしています。営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。また、支払利息については、連結損益計算書の支払利息を使用しています。 ③生産、受注及び販売の実績(イ) 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。セグメント金額(百万円)前年同期比(%)パッケージング&グラフィック490,51093.8カラー&ディスプレイ209,66886.0ファンクショナルプロダクツ303,40896.5報告セグメント計1,003,58692.8その他1428.4計1,003,60092.8 (注)生産実績は期中平均販売価格により算出しています。 (ロ) 受注実績 当社グループは、主として見込生産を行っているため、該当事項はありません。 (ハ) 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。セグメント金額(百万円)前年同期比(%)パッケージング&グラフィック541,942101.7カラー&ディスプレイ194,09492.8ファンクショナルプロダクツ302,09697.0報告セグメント計1,038,13298.5その他604108.5計1,038,73698.5(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。 (2)経営者の視点による財政状態、経営成績等の状況の分析①経営成績の分析 経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に記載しています。 ②財政状態の分析 当連結会計年度末の資産の部は、主に運転資本の減少により、前連結会計年度末と比べて167億円減少し、1兆2,449億円となりました。負債の部は、主に有利子負債の増加により、前連結会計年度末比51億円増の8,456億円となりました。また、純資産の部は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上などにより前連結会計年度末比218億円減の3,993億円となりました。 ③資本の財源及び資金の流動性(a) キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載しています。 (b) 財務戦略 当社グループは、長期経営計画「DIC Vision 2030」において、ネットD/Eレシオ(注2)を経営指標として設定することとし、これを1.0倍程度に維持することを目標としています。C&E顔料事業に関するのれんの減損損失の計上等による当期純損失の結果、当連結会計年度末のネットD/Eレシオは悪化しましたが、資産売却、及び在庫を中心とする運転資本圧縮に取り組むことにより、翌連結会計年度末のネットD/Eレシオは1.13倍程度まで改善する計画です。また、資本性の認められる借入を考慮した調整後ネットD/Eレシオは0.97倍程度となる見込みです。 (c) 資金需要の主な内容 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式及び出資金の取得、関連会社株式及び出資金の取得等によるものです。今後の設備投資計画等については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載しています。 (d) 資金調達 これらの資金需要に対して当社グループは、運転資金については、自己資金のほか短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの発行により、また設備投資等の長期資金については、長期借入金及び社債で調達を行っています。 なお、当連結会計年度末のネット有利子負債(注3)は4,414億円、ネットD/Eレシオは1.21倍となりました。また、コロナ禍における金融市場の混乱に備えて、一年を通じて手元現預金の水準を高めに維持した結果、当連結会計年度末の現金及び預金は875億円となりました。 (注)1.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金、コマーシャル・ペーパー、社債及びリース債務を対象にしています。2.ネットD/Eレシオ=ネット有利子負債/自己資本3.ネット有利子負債=有利子負債-現金及び預金 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを実施する必要があります。経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 (3)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当連結会計年度における長期経営計画「DIC Vision 2030」の達成状況は次のとおりです。 (単位:億円)2023年度計画2023年度実績2024年度見通し2025年度当初計画売上高11,50010,38711,00011,000営業利益430179300800売上高営業利益率3.7%1.7%2.7%7.3%親会社株主に帰属する当期純利益200△399100450EBITDA*8703088201,370ROIC**3.6%1.5%2.6%6.0%ネットD/Eレシオ***1.09倍1.21倍1.13倍1倍以下 * EBITDA = 親会社株主に帰属する当期純利益+法人税等合計+支払利息-受取利息+減価償却費+のれん償 却額 ** ROIC = 税引き後営業利益÷ (ネット有利子負債+純資産) *** ネットD/Eレシオ = ネット有利子負債 ÷ 自己資本

※本記事は「DIC株式会社」の令和5年12期 有価証券報告書を参考に作成しています。

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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