UBE株式会社の基本情報

会社名UBE株式会社
業種化学
従業員数連7563名 単2693名
従業員平均年齢43.1歳
従業員平均勤続年数15.8年
平均年収7742245円
1株当たりの純資産4067.9円
1株当たりの純利益(単体)-49.6円
決算時期3月
配当金110円
配当性向109.6%
株価収益率(PER)9.13倍
自己資本利益率(ROE)(連結)-1.2%
営業活動によるCF358億円
投資活動によるCF▲631億円
財務活動によるCF1058億円
研究開発費※146.82億円
設備投資額※140.06億円
販売費および一般管理費※1611.1億円
株主資本比率※231.4%
有利子負債残高(連結)※33154.8億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)経営方針120年を超える歴史を刻むUBEグループは、地域社会との「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という創業の精神を受け継ぎ、当社グループの存在意義を明確化した、パーパス(存在意義)と、企業経営の根幹となる経営理念・経営方針を理念体系としています。UBEグループは、この理念体系に基づき、未来につながる、新たな価値を創造するための事業活動をグローバルに展開するとともに、環境・社会・コーポレートガバナンスに関する取組みの充実に努め、企業価値の更なる向上を目指します。 パーパス(存在意義):「希望ある化学で、難題を打ち破る。」  「創業以来の歴史の中で培ってきたモノづくりの技術を活かし、社会に必要とされている価値を、社会が求める安全で環境負荷を極限まで低減した方法で創り出し、人々に提供していくこと。これにより、人類共通の課題となった地球環境問題の解決に、また人々の生命・健康、そして未来へとつながる豊かな社会に貢献すること。」 UBE経営理念:「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します。」 UBE経営方針(ⅰ)「倫理」     高い倫理観を保ち、法令及び社会規範を遵守します。(ⅱ)「安全と安心」  地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います。(ⅲ)「品質」     お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします。(ⅳ)「人」      個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります。 (2)経営戦略等当社グループは、「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」に続く中期経営計画として、2025年度から2030年度までの6ヵ年を対象とする新中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」を策定しました。2030年に向けて、「スペシャリティ化学企業」へ進化するとともに、これを実現するための行動計画を着実に実行していきます。◆長期ビジョン(2030年)の目指す姿「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学企業」 ◆中期経営計画の行動計画2030年の目指す姿を実現するため、パーパス・経営理念、社会課題に対する影響度を踏まえて、次の5つをマテリアリティ(重要課題)として設定しました。これらの課題に対して、DXの推進等により迅速かつ効果的に様々な施策を展開していきます。<UBEグループのマテリアリティ>(ⅰ) スペシャリティ事業の拡大(ⅱ) 多様な人財の活躍(ⅲ) 労働安全・保安防災(iv) 地球環境問題への対応(v) 誠実で公正な企業統治 (3)経営環境当連結会計年度においては、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、米中対立等により世界経済は不安定さと不透明感を強めました。欧米での物価上昇が続く中、金融引き締めにもかかわらず米国景気が堅調に拡大したことで想定以上の円安が日本の物価をも押し上げました。当社事業においても、米中対立等による世界的な経済情勢の不安定化に伴う需要減退の影響を受けました。これら地政学的リスクの深刻化、物価上昇や金利上昇に伴う需要減退の懸念等から今後も先行きが見通しづらい状況が続くものと予測されます。こうした状況に加え、地球温暖化、自然災害の増加、インフラの老朽化等、持続可能な社会創出のための諸課題への対応が企業活動に求められており、さらにはDXによる競争優位性の変化、健康や安全・安心についての意識の更なる高まり等、経営環境の変化のスピードも一段と速まっています。 (4)優先的に対処すべき課題等中期経営計画の最終年度となる当連結会計年度は、数値目標は大幅に未達となりましたが、当社独自技術を活かし、競争力を有するポリイミド原料BPDA、ポリイミドフィルム、分離膜、セラミックス、DMC・EMC等の製造設備への投資を行ってきました。また、ドイツLANXESS社からウレタンシステムズ事業を取得するなど、将来の成長に向けた施策を進めています。さらに、損益変動が大きく温室効果ガス(GHG)排出量の多いアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーについては、日本とタイの製造設備の縮小・停止を決定しました。これらの施策を着実に進め、成長を実現することで、スペシャリティ化学企業として一層の成長を目指します。(ⅰ)スペシャリティ事業の拡大ポリイミド、分離膜、セラミックス、C1ケミカル等既存スペシャリティ事業の成長に加え、買収したウレタンシステムズ事業を確実に統合することで、グローバルに、かつシナジー創出により収益を拡大します。自社技術開発による新事業立上げと、既存スペシャリティ化学の周辺事業やスタートアップ企業へのM&A等による新事業領域でのコアコンピタンス獲得を両輪として、新たなスペシャリティ化学事業を創出します。さらに、2025年1月28日に公表した、アンモニア、カプロラクタム、ナイロンポリマー等の生産撤退・縮小を着実に実行するとともに、機械事業及びセメント関連事業については株式上場により自立化を進めることで、スペシャリティ化学企業へポートフォリオを転換します。また、日本・アジア・欧州の従来の3極に加え、新たに米州拠点を整備し4極体制を構築します。各拠点は、新規事業のグローバル展開やグローバル企業(事業)の買収等についても円滑に進めることができるよう、マネジメント体制(資本、指揮命令、人財、バックオフィス等)を強化します。(ⅱ)多様な人財の活躍スペシャリティ化学をグローバルに展開するため、経験・知識・能力等多様な人財を広く採用するとともに、既存の人財と一体となって活躍できるような人事制度を構築します。全ての人財に活躍する場を提供するなどワークエンゲージメントの改善を通じ、ウェルビーイングの向上を図ります。これらを通じて、技術革新のパートナーとして自ら仕掛け、顧客をドアノックしていく社風を醸成します。(ⅲ)労働安全・保安防災ものづくりの会社の責務として、従業員が健康で働きやすい職場環境を確保するとともに、安全・安心な設備で安定操業を継続します。(ⅳ)地球環境問題への対応これまで注力してきた地球温暖化問題(カーボンニュートラル)に加えて、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブの3つの課題に取組みます。GHG排出量に関しては、2030年度50%削減、2035年度70%削減(いずれも対2013年度比)の達成を目指します。(ⅴ)誠実で公正な企業統治取締役会の実効性の一層の向上に努めるとともに、コンプライアンス確保やリスクマネジメント等内部統制を強化します。スペシャリティ事業の拡大に必要となる資金を確保するため、利益・キャッシュフロー創出力と有利子負債のバランスを意識して適切な財務運営を継続し、健全な財務規律と市場からの信頼を維持します。UBEグループ内にROIC経営を浸透・徹底し資本効率を向上させます。さらに、企業活動全体を網羅的に、顧客/社会価値連鎖をデジタルの力で連携させ、ビジネススタイルを変革します。 <事業ポートフォリオ>市場の成長期待、UBEグループの強み、収益性、資本効率等を踏まえて策定した現時点での事業ポートフォリオです。これに基づき経営資源を配分します。ただし、事業ポートフォリオ内の各事業領域の位置づけは適宜見直します。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等新中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~2nd Stage~」においては、最終年度となる2030年度の数値計画及び目標を次のとおり設定しています。<数値計画主要項目> 2030年度目標売上高5,500億円営業利益600億円 <2030年度目標主要項目> 2030年度目標EBITDA1,000億円以上売上高営業利益率(ROS)10%以上自己資本利益率(ROE)8%以上投下資本利益率(ROIC)6%以上
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりです。 ①経営成績の状況(一)当社グループ全体当社グループは、2022年度からスタートした3カ年の中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」において、「スペシャリティ化学を中心としてグローバルに利益成長を追求」「地球環境問題に対応した事業構造改革」「持続的成長に向けた人的資本の充実」「DXの推進による企業価値の向上と顧客価値の創出」「ガバナンスの更なる向上」を基本方針とし、事業構造改革と成長の実現に向けた取組みを推進してきました。当連結会計年度においては、売上高は、樹脂・化成品セグメントにおいて、自動車タイヤ等に使用されるエラストマー(合成ゴム)の販売価格が原料価格に伴い上昇し、また海外において食品包装フィルム向けナイロンポリマー、ナイロン原料カプロラクタムや硫安等の販売が回復したことなどから、前連結会計年度を上回りました。営業利益は、樹脂・化成品セグメントにおいて、海外でカプロラクタムや硫安の販売が回復し、またC1ケミカルのライセンス収入等もありましたが、機能品セグメントにおいて、ポリイミドの販売が一部用途向けで低調に推移し、樹脂・化成品セグメントにおいて、アンモニア工場で隔年の定期修理を実施したことに加え、ドイツLANXESS社からのウレタンシステムズ事業取得に係る費用が発生したことなどから、前連結会計年度を下回りました。経常利益は、セメント関連事業(持分法適用関連会社)で前連結会計年度に実施したセメント販売価格是正の効果等はありましたが、エラストマー事業を行う持分法適用関連会社の解散決議に伴い持分法投資損失を計上したことなどから、前連結会計年度を下回りました。親会社株主に帰属する当期純利益は、アンモニア、カプロラクタム、ナイロンポリマー等ベーシック事業の構造改革を決定したことに伴い特別損失を計上したことなどから、損失となりました。この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度と比べ185億6千5百万円増の4,868億2百万円、営業利益は44億1千1百万円減の180億4千5百万円、経常利益は139億6千1百万円減の223億7千2百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は48億1千6百万円となりました。項 目売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)当連結会計年度486,802百万円18,045百万円22,372百万円△4,816百万円前連結会計年度468,237百万円22,456百万円36,333百万円28,981百万円増   減18,565百万円△4,411百万円△13,961百万円△33,797百万円増 減 率4.0%△19.6%△38.4%- (二)セグメント別機能品セグメントポリイミド事業は、大型ディスプレイ向けフィルムや原料BPDAの販売は堅調に推移しましたが、有機ELパネル向けワニスの販売が中国市場で低調に推移し、減収となりました。分離膜事業は、一部顧客における在庫調整及びプラント建設計画の後ろ倒し等の影響を受け、減収となりました。セラミックス事業は、電動車向け軸受用途等の販売が堅調に推移し、増収となりました。セパレータ事業は、ハイブリッド自動車向けの需要増加等に伴い販売数量が増加し、増収となりました。機能品セグメント全体としては、セラミックス事業、セパレータ事業等は堅調に推移したものの、ポリイミド事業、分離膜事業が低調に推移した影響が大きく、増収減益となりました。 樹脂・化成品セグメント■パフォーマンスポリマー&ケミカルズ事業コンポジット事業は、自動車部材用途に加えて、産業機器等の非自動車部材用途も販売が軟調に推移し、減収となりました。ナイロンポリマー事業は、海外において食品包装フィルム用途等の需要が回復したことにより販売数量が増加し、販売価格も上昇したことから、増収となりました。カプロラクタム・硫安事業は、海外におけるナイロン繊維用途等の需要回復に伴い、販売数量が増加し、増収となりました。工業薬品事業は、アンモニア工場における隔年実施の定期修理及びアンモニアの国内工業用途の需要低迷により、販売数量が減少したことから、減収となりました。C1ケミカル事業及び高機能コーティング事業は、C1ケミカル事業においてライセンス収入があり、また高機能コーティング事業においてアジアで販売が堅調に推移したことから、増収となりました。■エラストマー事業自動車タイヤ向け等の需要は軟調に推移しましたが、主原料ブタジエン価格の上昇により製品価格が上昇し、増収となりました。樹脂・化成品セグメント全体としては、アンモニア工場における隔年実施の定期修理及びアンモニアの国内工業用途の需要低迷に加え、コンポジット事業の販売が軟調に推移した影響等が大きく、増収減益となりました。 機械セグメント成形機事業は、自動車産業向けの製品販売が堅調に推移し、またアフターサービスも堅調に推移したことから、増収となりました。産機事業は、製品販売において前連結会計年度と比較し大型案件が少なく、減収となりました。製鋼事業は、2024年11月1日付で経営権を他社へ譲渡したことにより、販売数量が減少したことから、減収となりました。機械セグメント全体としては、製鋼事業の経営権を譲渡した影響があったものの、成形機事業が堅調に推移したことから、減収増益となりました。 その他セグメント医薬事業は、自社医薬品の販売は堅調に推移したものの、受託医薬品の販売が減少し、減収となりました。電力事業は、セメント関連事業(持分法適用関連会社「UBE三菱セメント株式会社」)等における電力需要の減少により、売電量が減少し、減収となりました。その他セグメント全体としては、医薬事業でロイヤリティ収入及び受託医薬品の販売が減少した影響が大きく、減収減益となりました。 <セグメント別売上高> 前連結会計年度当連結会計年度増  減増減率機能品63,750百万円66,157百万円2,407百万円3.8%樹脂・化成品258,559百万円287,230百万円28,671百万円11.1%機械96,886百万円86,876百万円△10,010百万円△10.3%その他74,479百万円67,780百万円△6,699百万円△9.0%調整額△25,437百万円△21,241百万円4,196百万円-合計468,237百万円486,802百万円18,565百万円4.0% <セグメント別営業利益> 前連結会計年度当連結会計年度増  減増減率機能品12,110百万円11,668百万円△442百万円△3.6%樹脂・化成品2,541百万円1,919百万円△622百万円△24.5%機械7,168百万円7,883百万円715百万円10.0%その他4,464百万円3,208百万円△1,256百万円△28.1%調整額△3,827百万円△6,633百万円△2,806百万円-合計22,456百万円18,045百万円△4,411百万円△19.6%(注)当連結会計年度より、連結子会社であるUBE America Inc.及びUBE CORPORATION AMERICA INC.を「その他」から「樹脂・化成品」へセグメント変更しています。前連結会計年度の売上高及び営業利益は、変更後の区分方法により作成したものです。  ②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況2022年度を初年度とする中期経営計画における数値目標と進捗状況は以下のとおりです。<主要項目・経営指標> 2022年度(原計画)2022年度実績2023年度(原計画)2023年度実績2024年度(原計画)2024年度実績売上高5,100億円4,947億円5,200億円4,682億円5,200億円4,868億円営業利益345億円162億円410億円225億円400億円180億円経常利益310億円△87億円450億円363億円470億円224億円親会社株主に帰属する当期純利益210億円△70億円320億円290億円330億円△48億円売上高営業利益率(ROS)6.8%3.3%7.9%4.8%8%3.7%自己資本利益率(ROE)5.6%△1.9%8.2%7.5%8%△1.2%  ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)機能品60,9260.3樹脂・化成品283,2347.9機械75,990△16.3その他35,0042.7合計455,1541.5 (注)金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっています。 b.受注実績 当連結会計年度における機械の受注実績を示すと、次のとおりです。 なお、機械を除くセグメントの製品については、受注生産は行っていません。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)機械75,141△8.350,828△11.2 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)機能品66,1573.8樹脂・化成品287,23011.1機械86,876△10.3その他67,780△9.0消去△21,241-合計486,8024.0 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっています。2.当連結会計年度より、連結子会社であるUBE America Inc.及びUBE CORPORATION AMERICA INC.を「その他」から「樹脂・化成品」へセグメント変更しており、前年同期比は変更後の事業セグメントの区分に組み替えた数値によって算出しています。  ④財政状態総資産当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ766億3千5百万円(9.7%)増加し、8,656億6千9百万円となりました。流動資産は、原材料及び貯蔵品等の棚卸資産が減少したものの、現金及び預金が増加したことなどにより626億9千9百万円(21.2%)増加し、3,583億7千7百万円となりました。固定資産は、無形固定資産や繰延税金資産が増加したことなどにより138億6千7百万円(2.8%)増加し、5,070億6千8百万円となりました。繰延資産は、社債発行費が増加したことにより6千9百万円(44.5%)増加し、2億2千4百万円となりました。負債当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ939億7千7百万円(26.1%)増加し、4,536億5千6百万円となりました。有利子負債は1,171億4百万円(54.9%)増加し、3,305億3千6百万円となりました。流動負債は、短期借入金やコマーシャル・ペーパーが増加したものの、支払手形及び買掛金が減少したことなどにより5億2百万円(△0.3%)減少し、1,977億1千9百万円となりました。固定負債は、社債や長期借入金が増加したことなどにより944億7千9百万円(58.5%)増加し、2,559億3千7百万円となりました。純資産当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ173億4千2百万円(△4.0%)減少し、4,120億1千3百万円となりました。株主資本は、利益剰余金が配当により106億7千9百万円、親会社株主に帰属する当期純損失により48億1千6百万円減少したことなどにより153億9千万円(△4.4%)減少し、3,382億2千6百万円となりました。その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金が減少したものの、為替換算調整勘定や退職給付に係る調整累計額が増加したことなどにより17億7千9百万円(3.2%)増加し、568億5千2百万円となりました。非支配株主持分は、36億9千3百万円(△17.9%)減少し、169億1千1百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ6.2ポイント減少し、45.6%となりました。 前連結会計年度当連結会計年度増  減総資産789,034百万円865,669百万円76,635百万円負債359,679百万円453,656百万円93,977百万円純資産429,355百万円412,013百万円△17,342百万円  ⑤キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は358億3千7百万円(前連結会計年度に比べ171億2千3百万円の減少)となりました。これは税金等調整前当期純損失、減価償却費、減損損失、運転資金の増減等から法人税等の支払額を控除した結果となります。投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果使用した資金は631億5千2百万円(前連結会計年度に比べ298億3千6百万円の増加)となりました。これは設備投資による支出等によるものです。財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動により得られた資金は1,058億5千1百万円(前連結会計年度は157億1千2百万円の支出)となりました。これは有利子負債の借入等によるものです。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前連結会計年度末に比べ795億8千3百万円(221.9%)増加し、1,154億4千2百万円となりました。 前連結会計年度当連結会計年度増  減営業活動によるキャッシュ・フロー52,960百万円35,837百万円△17,123百万円投資活動によるキャッシュ・フロー△33,316百万円△63,152百万円△29,836百万円財務活動によるキャッシュ・フロー△15,712百万円105,851百万円121,563百万円 ⑥資本の財源及び資金の流動性に関する情報(財務の基本方針)当社グループは、財務構造の健全性維持及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っており、取締役会がその活動状況を監督しています。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入や社債、コマーシャル・ペーパー(電子CP)の発行等により行っています。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、一部の取引銀行とコミットメントライン設定契約を締結しています。 (資本の財源及び資金の流動性)当社グループは、スペシャリティ化学企業としての成長を目指し、1st Stageとして2022年度からスタートした前中期経営計画において積極的な投資活動を行ってきました。そのための財源として、営業キャッシュ・フローから1,376億円、資産売却で78億円、負債調達で1,273億円、その他174億円のキャッシュインにより合計2,901億円の資金を確保しました。使途については、設備投資に1,260億円、投融資に241億円、研究開発に306億円、株主還元に295億円、合計2,102億円を支出しました。設備投資1,260億円のうち60%はスペシャリティ事業へ投資しており、主要な案件は、宇部ケミカル工場におけるポリイミドフィルム工場やポリイミド原料モノマー(BPDA)工場の増設、タイにおけるPCD製造設備の増設、米国におけるDMC・EMC工場の建設です。2024年度末の手元キャッシュ残高は1,154億円となりましたが、これは2025年4月1日にウレタンシステムズ事業の株式取得対価を支払うために一時的に残高が積み上がったものです。基本方針として、手元キャッシュ残高は400億円程度を目安に適切にコントロールします。続く新中期経営計画では、2nd Stageとして投資効果の確実な発現と更なる成長施策を推進します。6年間で4,300億円の営業キャッシュ・フローと、資産売却等による1,450億円のキャッシュインを見込んでおり、これには、UBEマシナリー株式会社(機械事業)及びUBE三菱セメント株式会社(セメント関連事業)の上場に伴うキャッシュインも織り込んでいます。創出したキャッシュは、設備投資、投融資、研究開発といった成長投資に重点的に投じ、総額5,450億円のうち75%をスペシャリティ事業へ振り向けます。機械事業やセメント関連事業の上場準備を進める一方、スペシャリティ事業への投資を拡大し、事業ポートフォリオの入れ替えを進めます。また、株主還元は安定配当を基本方針として700億円の配当を計画する一方で、有利子負債は350億円削減します。財務の健全性については、新中期経営計画では、高水準の設備投資・投融資を計画しているため、一時的に財務的なストレスが高まることも想定しています。D/Eレシオを1倍以内とすることを一つの目安と考え、有利子負債の水準を市場からの信頼を維持できる範囲内に抑制し、財務健全性及び市場からの信頼を維持していきます。 (2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告年度における収益・費用の数値に影響を与える将来に関する見積り及び仮定が必要であり、過去の実績やその他の様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っています。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

※本記事は「UBE株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

スポンサーリンク

連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

コメント