会社名 | 三菱ケミカルグループ株式会社 |
業種 | 化学 |
従業員数 | 連63258名 単414名 |
従業員平均年齢 | 47.6歳 |
従業員平均勤続年数 | 19.3年 |
平均年収 | 10598955円 |
1株当たりの純資産 | 496.53円 |
1株当たりの純利益(連結) | 31.64円 |
決算時期 | 3月 |
配当金 | 32円 |
配当性向 | 33.1% |
株価収益率(PER) | 7.6倍 |
自己資本利益率(ROE)(連結) | 11.8% |
営業活動によるCF | 5528億円 |
投資活動によるCF | ▲2754億円 |
財務活動によるCF | ▲2466億円 |
研究開発費※1 | 665億円 |
設備投資額※1 | 233.55億円 |
販売費および一般管理費※1 | 611.1億円 |
株主資本比率※2 | 35.8% |
有利子負債残高(連結)※3※4 | 0円 |
経営方針
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものです。(1) 経営方針当社は、2024年11月に新しい経営方針「KAITEKI Vision 35」と「新中期経営計画2029」を発表しました。(詳細は当社ウェブサイトをご参照ください。https://www.mcgc.com/group/strategy/index.html) 2035年のありたい姿として「社会課題に最適なソリューションを提供し続け、素材の力で顧客を感動させる『グリーン・スペシャリティ企業』になる」ことを掲げ、KAITEKIの実現と企業の持続的成長の両立を打ち出しました。当社はグループ一丸となって収益力の強化と事業の成長を実現させ、企業価値の向上に取り組んでまいります。 (2) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ②経営環境と今後の見通し」に記載のとおりです。 (3) 対処すべき課題 当社グループのPurposeは、革新的なソリューションで、人、社会、そして地球の心地よさが続いていくKAITEKIの実現をリードしていくことです。化学に立脚する当社グループは、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに対応し、持続可能な社会の実現に貢献することが求められています。 当社は、2024年11月に新しい経営方針「KAITEKI Vision 35」と「新中期経営計画2029」を発表しました。「社会課題に最適なソリューションを提供し続け、素材の力で顧客を感動させる『グリーン・スペシャリティ企業』になる。」ことを2035年のありたい姿として掲げ、これまで培ってきた幅広いリソースをつなぎ合わせて活用し、5つの注力事業領域で成長するというビジョンを明確にしました。・グリーン・ケミカルの安定供給基盤:化学産業のグリーン化をグローバルにリードする・環境配慮型モビリティ :環境対応に伴うモビリティの進化を素材で支える・データ処理と通信の高度化 :半導体高度化のエコシステムを支える・食の品質保持 :おいしさを長持ちさせて食の流通・加工プロセスを支える・新しい治療に求められる技術や機器:新しい治療を医療用グレードの高機能素材で支える ビジョン実現のためには、低迷が続くケミカルズ事業の立て直しが喫緊の課題です。「新中期経営計画2029」では「事業選別の3つの基準」と「規律ある事業運営の3原則」を設け、これらのルールのもとでポートフォリオ変革と収益改善を実現します。ノンコア事業の整理・売却を一層加速するとともに、厳格な価格政策、規律ある成長投資、聖域なきコスト削減と資産最適化によりコア営業利益を拡大させます。 2035年を見据えて諸施策を進めていくうえでのキーワードは「つなぐ」です。組織や領域を超えて技術や知見を共有し、多様な視点を活かすことで、新たな発想によるイノベーションを加速します。複雑化する社会課題や顧客からの多様なニーズに迅速に応えていくためには、社外のパートナーとのつながりも欠かせません。戦略的連携を通して、社会課題に最適なソリューションを提供していきます。以上に加え、企業の持続的成長の基盤として、安全管理・コンプライアンスの徹底、内部統制システムの適切な運用とグループガバナンスの強化に引き続き取り組んでまいります。 当社グループは、これら経営の諸課題にグループの総力を挙げて対処し、企業価値・株主価値の向上を図ってまいります。 |
経営者による財政状態の説明
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績ⅰ 業績全般当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日:以下同じ)における世界経済は、米国においては良好な雇用環境が個人消費を下支えしたことにより底堅い成長が続き、欧州においてはインフレの鎮静化や金融政策を背景に持ち直しの動きがみられ、日本においては設備投資の増加やインバウンド需要の拡大に伴い緩やかに回復した一方で、中国においては不動産市場の低迷等による成長の鈍化がみられる等、地域や業種により濃淡のある状況が継続しました。このような状況下、売上収益は、202億円増(+0.5%)の4兆4,074億円となりました。利益面では、コア営業利益は同903億円増(+43.4%)の2,984億円、営業利益は同651億円減(△24.9%)の1,967億円、税引前利益は同898億円減(△37.4%)の1,507億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同746億円減(△62.4%)の450億円となりました。 (金額単位:億円) 前連結会計年度自 2023年4月1日至 2024年3月31日当連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日増減額増減率(%)売上収益43,87244,0742020.5コア営業利益 (注2)2,0812,98490343.4営業利益2,6181,967△651△24.9税引前利益2,4051,507△898△37.4当期利益1,7841,056△728△40.8 親会社の所有者に帰属する当期利益1,196450△746△62.4ナフサ (円/KL) (注3)69,10075,6006,500 為替 (円/$) (注3)145.3152.67.3 (注)1 当社グループは、IFRS(国際会計基準)に基づいて、連結財務諸表を作成しております。2 コア営業利益は、営業利益(又は損失)から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出しております。3 それぞれ、2023年4月~2024年3月、2024年4月~2025年3月の概算平均値です。 ⅱ 各セグメントの業績各セグメントにおける売上収益及びコア営業利益の状況は、以下のとおりです。なお、当社グループは当連結会計年度の期首より報告セグメントを変更しております。また、第3四半期より報告セグメントの記載順序を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.事業セグメント (1)報告セグメントの概要」に記載のとおりです。(金額単位:億円)セグメント前連結会計年度当連結会計年度増減額売上収益コア営業利益売上収益コア営業利益売上収益コア営業利益スペシャリティマテリアルズ10,4387410,813251375177MMA&デリバティブズ3,480554,021353541298ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ11,065△2549,724△156△1,34198ファーマ4,3725634,60365423191産業ガス12,4691,63013,0111,861542231その他2,0481361,902134△146△2調整額-△123-△113-10合計43,8722,08144,0742,984202903 (注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。 <コア営業利益 増減要因>(金額単位:億円) 前連結会計年度 当連結会計年度 増減 売買差数量差コスト削減その他(注)全社 2,081 2,984 903540210601△448 スペシャリティマテリアルズ 74 251 1777920281△185 MMA&デリバティブズ 55 353 2982822833△45 ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ △254 △156 98206△2567△150 ファーマ 563 654 91△18527△20 産業ガス 1,630 1,861 231△35△72357△19 その他・調整額 13 21 89△836△29 (注) その他には、在庫評価益の前連結会計年度(65億円)と当連結会計年度(△72億円)の差額△137億円、持分法投資損益の前連結会計年度(76億円)と当連結会計年度(81億円)の差額5億円が含まれております。 為替影響117146--△29 内、換算差92 セグメント前連結会計年度から当連結会計年度への主なコア営業利益の増減要因スペシャリティマテリアルズ売買差:販売価格の維持・向上により各種製品の売買差が改善したことにより増益。数量差:ディスプレイ用途及び高機能エンジニアリングプラスチック等の需要が回復したことにより増益。コスト削減:事業構造改革、調達最適化、生産性向上等により増益。その他:ジェレスト社の生産設備・無形資産減損、労務費等の固定費増加、シーピーシー社連結子会社化に伴う無形資産償却費の増加により減益。MMA&デリバティブズ売買差:MMAモノマー等の市況上昇による売買差改善により増益。ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ売買差:ポリオレフィン等において原料と製品の価格差が拡大したこと等により増益。その他:炭素事業を中心に在庫評価損益が悪化したことにより減益。ファーマ数量差:米国で発売した筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「RADICAVA ORSR」が伸長したこと等により増益。産業ガスコスト削減:DX活用、プラント操業最適化などの生産性向上活動により増益。 セグメント別の業績の概要の詳細は、以下のとおりです。 (ⅰ) スペシャリティマテリアルズセグメント売上収益は前連結会計年度に比べ375億円増加し1兆813億円となり、コア営業利益は同177億円増加し251億円となりました。アドバンストフィルムズ&ポリマーズサブセグメントにおいては、事業譲渡及び撤退に伴う影響等があったものの、為替影響に加え、ディスプレイ用途やバリア包材用途等の需要が緩やかに回復したことによる販売数量の増加や、各種製品の販売価格の維持・向上等により、売上収益は増加しました。アドバンストソリューションズサブセグメントにおいては、為替影響に加え、半導体やディスプレイ用途等の需要が増加したことによる販売数量の増加があったものの、EV用途の欧米における販売数量の減少や、一部事業における販売価格の低下等により、売上収益は減少しました。アドバンストコンポジット&シェイプスサブセグメントにおいては、C.P.C. S.r.l.の完全子会社化の影響及び高機能エンジニアリングプラスチックの需要が回復したことによる販売数量の増加や為替影響により、売上収益は増加しました。当セグメントのコア営業利益は、ジェレスト社の生産設備・無形資産を減損したことによる影響があったものの、ディスプレイ、半導体、バリア包材用途等の需要が回復したことによる販売数量の増加や各種製品の販売価格の維持・向上等による売買差の改善等により、増加しました。 当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。 ・半導体デバイスの微細化に伴うArF用及びEUV用フォトレジストの需要拡大に対応するとともにサプライチェーンの強靭化を図るため、九州事業所 福岡地区において、フォトレジスト用感光性ポリマー「リソマックス?」の生産能力を増強することを決定しました。ArFフォトレジスト用「リソマックス?」の生産能力を2倍以上に増強するとともに、EUVフォトレジスト用「リソマックス?」の量産を新たに開始します。稼働時期は、ArFフォトレジスト用「リソマックス?」は2025年10月、EUVフォトレジスト用「リソマックス?」は2025年9月を予定しています。・事業ポートフォリオ改革の一環として、トリアセテート繊維事業を株式会社GSIクレオス(本社:東京都港区)へ譲渡することで同社と合意し、株式譲渡契約を2024年9月に締結し、2025年3月に譲渡を完了しました。・半導体市場の拡大に伴い、半導体の製造工程に使用される超純水製造用のイオン交換樹脂について、九州事業所 福岡地区の生産能力を増強することを2024年10月に決定しました。2026年4月の稼働を予定しています。・液晶ディスプレイの画面サイズの大型化に伴う需要増加と高品質要求に対応するため、偏光板向け光学用ポリビニルアルコール(PVOH)フィルム「OPLフィルム?」の生産設備を、中日本事業所 大垣(神田)地区で増設(生産能力:2,700万㎡/年)することを決定しました。2027年度下期の稼働を予定しており、増設後の合計生産能力は15,400万㎡/年となります。・半導体市場の拡大に伴い、半導体精密洗浄事業において、福島工場を新設し、岩手工場を増強することを決定しました。いずれも2026年10月の稼働を予定しています。・半導体市場の拡大に伴い、半導体の製造工程に使用される合成石英粉について、九州事業所 福岡地区の生産能力を+35%増強することを決定しました。2028年9月の稼働を予定しています。・車載用途リチウムイオン電池向け負極材のサプライチェーンの強化及びカーボンニュートラルに向けた取り組み強化のため、リチウムイオン電池向け負極材について、人造黒鉛系グレードの性能を上回る天然黒鉛系グレードを開発し、香川事業所で生産能力を増強(生産能力:11,000トン/年)することを2024年12月に決定しました。2026年10月の稼働を予定しています。・事業ポートフォリオ改革の一環として、食品添加物である増粘多糖類の事業から撤退することを決定しました。製造終了は2025年9月末、販売終了は2026年3月末を予定しています。・SNF Group(本社:フランス)と、機能性高分子材料の原料であるN-ビニルフォルムアミドの製造技術についてライセンス契約を締結しました。当社グループが保有する知的財産を含む無形資産を活用することで、製紙業界や水処理業界をはじめとしたさまざまな業界における環境負荷の低減に貢献していきます。 (ⅱ) MMA&デリバティブズセグメント売上収益は前連結会計年度に比べ541億円増加し4,021億円となり、コア営業利益は同298億円増加し353億円となりました。MMAサブセグメントにおいては、MMAモノマー等の需要の減少があったものの、MMAモノマー等の市況の上昇に加え、為替影響により売上収益は増加しました。コーティング&アディティブスサブセグメントにおいては、塗料・接着剤・インキ・添加剤用途等の需要が緩やかに回復したことによる販売数量の増加に加え、販売価格の維持・向上により、売上収益は増加しました。当セグメントのコア営業利益は、MMAモノマー等の市況の上昇による売買差の改善等により、増加しました。 当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。・米国ルイジアナ州ガイスマーにおいて、当社グループの独自技術である「新エチレン法(アルファ法)」によるMMAモノマープラントの新設を検討しておりましたが、米国テネシー州やその他地域における既存のMMAモノマー製造設備により当面の需要に対応できる見通しであることや、インフレ等により増大した設備投資額に基づく取引先との交渉の結果、本投資計画実行後の長期的な取引に対するコミットメントが得られなかったことなどから、本投資計画の検討中止を2025年1月に決定しました。・事業ポートフォリオ改革の一環として、三菱ケミカル株式会社小名浜工場及び株式会社新菱いわき工場において、アンモニア及びその誘導品、メタノール等の製品の生産を順次終了することを2025年3月に決定しました。当該工場の製品について、2026年3月以降、2027年3月末までに順次生産終了を予定しています。 (ⅲ) ベーシックマテリアルズ&ポリマーズセグメント売上収益は前連結会計年度に比べ1,341億円減少し9,724億円となり、コア営業利益は同98億円増加し156億円の損失となりました。マテリアルズ&ポリマーズサブセグメントにおいては、為替影響や原料価格の上昇に伴い販売価格が上昇したものの、高純度テレフタル酸事業における特定子会社の株式譲渡の影響や各種製品の需要が減退したことによる販売数量の減少等により、売上収益は減少しました。炭素サブセグメントにおいては、コークス事業における特定子会社の株式譲渡の影響や需要低迷に伴う販売数量の減少、原料価格の下落等に伴うコークスの販売価格の下落により、売上収益は減少しました。当セグメントのコア営業利益は、炭素事業を中心に在庫評価損益が悪化したものの、ポリオレフィン等において原料と製品の価格差が拡大したこと等により、改善しました。 当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。・2024年5月に公表した「西日本におけるエチレン製造設備のカーボンニュートラル実現に向けた3社連携の検討開始」について、これまでの議論の初期的評価を踏まえ、地区を跨ぐ連携においても意義があることを確認できたため、共同事業体の設立を前提に、西日本におけるエチレン製造設備のグリーン化ならびに将来の能力削減も含めた生産体制最適化をさらに深く検討していくことを旭化成株式会社(本社:東京都千代田区)及び三井化学株式会社(本社:東京都中央区)と合意しました。・香川事業所で有するコークス炉250門を150門に縮小することを2024年8月に決定し、対象となる100門での生産を終了しました。加えて、国内外の販売ポートフォリオの見直しや追加の合理化策等を実施し、市況変動に左右されない事業構造へ転換します。本構造改革に伴い、炭素事業は2026年3月期からの黒字化をめざします。なお、当社グループ全体の事業ポートフォリオにおける同事業の中長期的な位置づけに関しては、本構造改革を着実に推進し引き続き検討してまいります。・事業ポートフォリオ改革の一環として、コークス及び副産物の製造並びに販売を行う関西熱化学株式会社(本社:兵庫県尼崎市)の当社グループが保有する全株式を、株式会社神戸製鋼所(本社:兵庫県神戸市)に譲渡することを2024年9月に決定し、同年10月に譲渡を完了しました。 (ⅳ) ファーマセグメント売上収益は前連結会計年度に比べ231億円増加し4,603億円となり、コア営業利益は同91億円増加し654億円となりました。国内医療用医薬品で薬価改定の影響や、選定療養制度も含む後発品の浸食拡大等の影響を受けたものの、米国で発売した筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「RADICAVA ORSR」の大幅な伸長、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」、沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオヘモフィルスb型混合ワクチン「ゴービック水性懸濁注シリンジ」の順調な立ち上がりにより、売上収益、コア営業利益ともに増加しました。 当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。・米国食品医薬品局より、米国製品「RADICAVA ORSR」(一般名:エダラボン)のALS(筋萎縮性側索硬化症)治療用途に関して、2022年5月12日の「RADICAVA ORSR」承認から7年間の希少疾病用医薬品排他的承認を2024年3月に受けました。・田辺三菱製薬株式会社は、グローバル市場で成長する企業をめざし、「成長戦略実行に必要なケイパビリティを持つ人員」の配置、「専門性の高い人材、多様な人材が活躍できる組織」の実現に向けた人材ポートフォリオの見直しを加速させるため、希望退職制度の実施を2024年7月に公表しました。・パーキンソン病治療薬候補品であるND0612について、米国食品医薬品局(FDA)より審査完了報告通知(Complete Response Letter、以下「CRL」)を受領しておりましたが、CRLで指摘されたND0612の成分の一つであるカルビドパの安全性に関する追加情報の提供や、製品の品質、デバイスおよび製造所の査察に関する追加情報についてFDAと協議し、再申請に向けた対応が確認できたことを受け、米国における開発計画を変更しました。2025年中頃の再申請をめざします。また、欧州医薬品庁(EMA)より販売承認申請を受理した旨の通知を2025年2月に受領しました。・持続性GIP/GLP-1受容体作動薬「ゼップバウンドR」について、日本イーライリリー株式会社が、肥満症*を効能・効果として、日本における製造販売承認を2024年12月に取得し、2025年4月に販売開始しました。なお、日本における「ゼップバウンドR」の提供については、両社が2型糖尿病治療薬として販売中で同分子の「マンジャロR」同様、田辺三菱製薬株式会社が流通・販売を行い、日本イーライリリー株式会社と田辺三菱製薬株式会社が共同で情報提供活動を行います。*ただし、高血圧、脂質異常症又は 2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。 ・BMIが27 kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する ・BMIが35 kg/m2以上・選択的DPP-4阻害剤/SGLT2阻害剤 配合剤「カナリアR配合OD錠」について、口腔内崩壊錠(OD錠)の剤形追加承認を日本において2025年2月に取得しました。 (ⅴ) 産業ガスセグメント売上収益は前連結会計年度に比べ542億円増加し1兆3,011億円となり、コア営業利益は同231億円増加し1,861億円となりました。国内の事業再編による影響や米国におけるガス需要軟調に伴う、エアセパレートガス以外の製品における販売数量の減少はあったものの、各地域で推進する価格マネジメントや為替影響等により、売上収益は増加しました。コア営業利益は、売上収益の増加に加え、コスト削減の影響等により増加しました。 当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。・オーストラリアにおいて、Wesfarmers Chemicals, Energy and Fertilisers社(本社:オーストラリア)のLPG事業を担うWesfarmers Kleenheat Gas Pty Ltd(本社:オーストラリア、以下「Kleenheat社」)のウェスタンオーストラリア州とノーザンテリトリー州のLPG販売事業を取得することについて、Kleenheat社と売買契約書を2024年5月に締結しました。・エンジニアリング能力を追求・強化するため、プロセス及び分離技術ソリューションにおいて高い専門知識を持つプラントエンジニアリング会社Polaris(本社:イタリア)への投資を2024年10月に合意しました。 ・Wesfarmers Limited社(本社:オーストラリア、以下「Wesfarmers」)の傘下であり、オーストラリア及びニュージーランドにて産業ガス事業を展開する、Coregas Pty Ltd(本社:オーストラリア)、Blacksmith Jacks Pty Ltd(本社:オーストラリア)及びCoregas NZ Limited(本社:ニュージーランド)(以下、総称して「Coregas Group」)を買収することにつきWesfarmersと合意に至り、Coregas Groupの全株式の取得に関する契約書を2024年12月に締結しました。2025年半ばの買収完了を予定しています。・スペインにおける在宅医療・呼吸器事業の強化のため、Corporacion Quimico-Farmaceutica Esteve(本社:スペイン、以下「CQFE」)及びTeijin Holdings Europe BV(本社:オランダ、以下「Teijin」)と、Esteve Teijin Healthcare(本社:スペイン、以下「ETH」)を買収することにつきCQFE及びTeijinと合意に至り、ETHの全株式の取得に関する契約書を2024年12月に締結いたしました。スペインの国家市場競争委員会による承認を取得し次第、株式取得を完了する予定です。 (ⅵ) その他売上収益は前連結会計年度に比べ146億円減少し1,902億円となり、コア営業利益は同2億円減少し134億円となりました。 当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。・昨今の企業内保険代理店を取り巻く経営環境の変化に鑑み、保険代理店事業を、エーオンジャパン株式会社(本社:東京都千代田区)に譲渡することを2024年11月に決定し、2025年3月に譲渡を完了しました。・保有資産の適正化を図る観点から、不動産賃貸・管理事業の一部と当該事業に関連する保有不動産を、株式会社日本エスコン(本社:東京都港区)に譲渡することを2024年12月に決定し、2025年4月に譲渡を完了しました。 (ⅶ) グループ全般・2035年のありたい姿を描いた経営ビジョン「KAITEKI Vision 35」、及び2025年度から2029年度の5年間を対象とする「新中期経営計画 2029」を策定し、2024年11月に公表しました。・2024年11月13日に公表した「KAITEKI Vision 35」及び「新中期経営計画 2029」に基づき、ファーマ事業については、同事業の将来成長の実現を可能とするベストパートナーの探索を検討してまいりました。その結果、今後の田辺三菱製薬株式会社の再成長にむけた経営方針が合致したことなど総合的な見地から、同社を、Bain Capital Private Equity, LP(本社:アメリカ)が投資助言を行う投資ファンドが間接的に株式を保有する特別目的会社である株式会社BCJ-94(本社:東京都千代田区)の傘下に異動することを2025年2月に決議しました。定時株主総会での決議や国内外の競争法その他の法令等に基づき必要なクリアランス・許認可等の取得が完了することを前提条件として、2026年3月期第2四半期に異動が完了することを想定しています。 なお、当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、また、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメント毎に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。また、主な販売先別の販売実績及び総販売額実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。 ② キャッシュ・フロー(金額単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度営業活動によるキャッシュ・フロー4,6515,528投資活動によるキャッシュ・フロー△2,461△2,754フリー・キャッシュ・フロー2,1912,774財務活動によるキャッシュ・フロー△2,417△2,467為替換算差等2045現金及び現金同等物の期末残高2,9493,261 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益や減価償却費等に加え、運転資本の減少等により、5,528億円の収入(前連結会計年度比877億円の収入の増加)となりました。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や子会社の売却による収入があったものの、有形固定資産及び無形資産の取得3,250億円等により、2,754億円の支出(同293億円の支出の増加)となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フロー)は、2,774億円の収入(同583億円の収入の増加)となりました。当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の返済による支出1,829億円や配当金の支払い633億円等により、2,467億円の支出(同50億円の支出の増加)となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末と比べて312億円増加し、3,261億円となりました。 ③ 財政状態(金額単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度資産61,04558,946負債38,29036,100 (内、有利子負債)23,38221,785資本22,75522,846親会社所有者帰属持分比率(%)28.929.5ネットD/Eレシオ (注)1.161.06 (注) ネットD/Eレシオ=ネット有利子負債(*1)/親会社の所有者に帰属する持分(*1)ネット有利子負債=有利子負債-(現金及び現金同等物+手元資金運用額(*2))(*2)手元資金運用額は、当社グループが余剰資金の運用目的で保有する現金同等物以外の譲渡性預金・有価証券等です。 当連結会計年度末の資産合計は、関西熱化学株式会社等の連結子会社の売却もあり、前連結会計年度末に比べ2,099億円減少し、5兆8,946億円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、社債及び借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べ2,190億円減少し、3兆6,100億円となりました。なお、当連結会計年度末のリース負債を含む有利子負債は、前連結会計年度末に比べ1,597億円減少し、2兆1,785億円となりました。当連結会計年度末の資本合計は、配当による減少や、在外営業活動体の換算差額の減少等もありましたが、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上や、非支配持分の当期利益の計上もあり、前連結会計年度末に比べ91億円増加し、2兆2,846億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べて0.6ポイント増加し、29.5%となりました。なお、ネットD/Eレシオは、前連結会計年度末と比べて0.10減少し、1.06となりました。 (2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「新中期経営計画2029」で設定した財務目標に対する達成・進捗状況については、以下のとおりです。 売上収益・コア営業利益推移注1)定時株主総会において田辺三菱製薬の譲渡の決議が成立した後はファーマ事業は非継続事業に分類され、売上収益及びコア営業利益から除外になります。 収益性・安定性指標推移注1)EPSは継続事業に係る1株当り利益を表示しています。定時株主総会において田辺三菱製薬の譲渡の決議が成立した後はファーマ事業は非継続事業に分類され、継続事業に係る1株当り利益から除外になります。FY25予想、FY29目標については上記を前提としています。注2)ROEについては、FY29目標を開示しておりません。 各種指標の算定式指標算定式ROE親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分(期首・期末平均)ROICNOPAT(*1)/投下資本(期首・期末平均)(*2) (*1) NOPAT=(コア営業利益-コア営業利益に含まれる持分法による投資損益)×(1-税率)+コア営業利益に含まれる持分法による投資損益+受取配当金 (*2) 投下資本=資本合計+有利子負債 2025年3月期の事業環境は、地域や業種により需要動向に濃淡はあったものの、概ね安定的に推移しました。ディスプレイ関連は中国における補助金政策の効果もあり好調に推移し、半導体関連は生成AI関連需要の牽引により緩やかな回復基調にあった一方で、自動車や食品関連市場等の一部地域・分野においては軟調さがみられました。ケミカルズ事業のコア営業利益は、前期△112億円の赤字から大幅に改善し、当期469億円の黒字となりました。 MMAやベーシックマテリアルズ&ポリマーズを中心に売買差が改善したことに加えて、スペシャリティマテリアルズにおいて一過性の減損損失の計上があったものの、総じて数量差が改善しました。 グループ全体の売上収益は、関係会社株式の譲渡影響等で前期並みながら、コア営業利益は43%の増益となりました。 ② 経営環境と今後の見通し当社グループを取り巻く世界経済は、各国の経済対策による下支えがあるものの、米国における通商政策の動向や、中国における不動産不況の長期化、地政学リスクの高まり、金融資本市場の変動の影響など、先行きに対する不透明感が一段と強まる中、下振れリスクに十分留意する必要があります。このような状況下、翌連結会計年度の連結業績予想につきましては、当社事業のMMAで市況悪化に伴う減益を見込む一方で、各事業での値上げ活動推進等による増益に加え、ベーシックマテリアルズ&ポリマーズの炭素事業においては構造改革等の効果による黒字化を見込むことにより、売上収益は3兆7,400億円、コア営業利益は2,650億円、営業利益は2,020億円、税引前利益は1,650億円、当期利益は2,130億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,450億円となる見込みです。 上記の見通しにおける主要指標の想定値は以下のとおりです。(金額単位:億円) 2025年3月期(注1)2026年3月期設備投資額3,3133,590減価償却費 2,6242,690研究開発費574680為替(円/US$) (注1)152.6140.0ナフサ価格(円/KL) (注2)75,60065,000 (注1)2025年3月期について、ファーマ事業を非継続事業に組替えて表示しております。(注2)それぞれ、2024年4月~2025年3月、2025年4月~2026年3月の平均 (3) 資本の財源及び資金の流動性① 財務方針当社グループは、経営方針で定めた財務目標を達成すべく、昨年11月に発表した新しい経営方針「KAITEKI Vision 35」と「新中期経営計画2029」に基づき、企業価値の向上をめざしてまいります。「KAITEKI Vision 35」及び「新中期経営計画2029」の詳細については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)対処すべき課題」をご参照ください。 ② 企業価値の向上当社グループでは、企業価値向上に向けて、管理指標にROICを用い、全社を挙げて資本効率の改善に取り組んでおります。ROICの向上に向けては、利益の極大化のため、売上総利益の改善余地がある取引先と交渉しマージンを拡大する努力を続けるとともに、投下資本の極小化のため、運転資金の圧縮に加えて定期修繕や設備交換のサイクル見直しなどを進め固定資産の縮減も行っていきます。「新中期経営計画2029」の最終年である2029年度には想定資本コストを超える7%をめざします。 ③ 資金調達及び資金配分方針当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部資金に加え借入金、社債等による調達を実施しているほか、複数の金融機関とのコミットメント・ラインの設定に加え複数の金融機関との間のアンコミットメントベースの当座借越契約、コマーシャル・ペーパー発行枠及び国内社債発行登録枠等の確保により資金調達手段の多様化を図り、十分な流動性の確保を行っております。資金については、安定的な株主還元・財政基盤の確立と積極的な成長投資を両立させるため、株主還元・負債返済に約25%、設備投資・投融資に約75%を目安として配分する方針です。 (4) 重要な会計上の見積り連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りが変更された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。 当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の判断、見積り及び仮定に関する主な情報は、以下のとおりです。 ① 非金融資産の減損 ⅰ 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額当社グループは、連結財政状態計算書に、有形固定資産2,004,447百万円、のれん827,604百万円、無形資産442,039百万円(うち、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産67,831百万円)を計上しております。なお、当連結会計年度において減損損失を94,576百万円計上し、連結損益計算書の「その他の営業費用」に含めております。減損損失の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 16.減損損失」をご参照ください。ⅱ 連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報(ⅰ)算出方法当社グループは有形固定資産、のれん及び無形資産について、減損の兆候がある場合、及び資産に年次の減損テストが必要な場合、その資産の使用価値や処分費用控除後の公正価値の算定を行っております。使用価値の算定にあたっては、貨幣の時間価値及びその資産に特有のリスクについて現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いて、見積将来キャッシュ・フローの割引現在価値を計算しております。なお、将来キャッシュ・フローの見積りにあたって利用する事業計画は原則として5年を限度とし、事業計画の予測の期間を超えた後の将来キャッシュ・フローは個別の事情に応じた5年を超える期間の長期平均成長率をもとに算定しております。(ⅱ)主要な仮定使用価値の算定における主要な仮定は以下のとおりです。(技術に係る無形資産のうち、仕掛研究開発費、開発段階にある導入契約により取得した権利)規制当局の販売承認の取得の可能性、上市後の売上収益の予測及び割引率(有形固定資産、上記を除く無形資産、のれん)原則として5年を限度とする事業計画における将来キャッシュ・フローの見積り、割引率及び5年を超える期間の長期成長率。将来キャッシュ・フローの見積額は主として、売上収益の予測及び市場の成長率に影響を受けます。(ⅲ)翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響主要な仮定について、経営者は妥当と判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、前提とした状況が変化すれば回収可能価額の算定結果が異なる可能性があります。 ② 繰延税金資産の回収可能性ⅰ 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額繰延税金資産(純額) 118,247百万円ⅱ 連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報(ⅰ)算出方法当社グループでは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来課税所得及びタックス・プランニングを考慮し、繰延税金資産を計上しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針 (6) 法人所得税」をご参照ください。 なお、当連結会計年度末において、田辺三菱製薬株式会社に対する投資に係る一時差異について、繰延税金資産を認識しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 12.法人所得税」に記載のとおりです。(ⅱ)主要な仮定将来課税所得の基礎となる将来の事業計画における主要な仮定は売上収益の予測です。(ⅲ)翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び将来減算一時差異と繰越欠損金の解消が予測される期間における将来課税所得の予測に基づき、回収される可能性が高いと考えております。将来課税所得の予測及び主要な仮定について、経営者は妥当と判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、前提とした状況が変化すれば繰延税金資産の回収可能性の評価の算定結果が異なる可能性があります。 ③ 確定給付制度債務の測定 ⅰ 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額退職給付に係る負債 99,050百万円ⅱ 連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定しております。確定給付制度債務は年金数理計算により算定しており、その前提条件には割引率等の見積りが含まれております。主要な仮定について、経営者は妥当と判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、前提とした状況が変化すれば確定給付制度債務の評価額の算定結果が異なる可能性があります。確定給付制度債務に係る詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 28.退職給付」をご参照ください。 ④ 金融商品の公正価値ⅰ 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額公正価値ヒエラルキーがレベル3の株式及び出資金(売却目的で保有する資産を除く) 103,486百万円 なお、上記の金額は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に含めております。ⅱ 連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報当社グループにおいて活発な市場における公表価格が入手できない非上場株式及び出資金の公正価値は、合理的に入手可能なインプットにより、類似企業比較法又はその他の適切な評価技法を用いて算定しております。選択された価値評価技法と主要な仮定について、経営者は妥当と判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、前提とした状況が変化すれば公正価値の評価額の算定結果が異なる可能性があります。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 36.金融商品 (8) 金融商品の公正価値」をご参照ください。 |
※本記事は「三菱ケミカルグループ株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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