株式会社クラレの基本情報

会社名株式会社クラレ
業種化学
従業員数連11941名 単4569名
従業員平均年齢42歳
従業員平均勤続年数17.7年
平均年収8024088円
1株当たりの純資産2359.03円
1株当たりの純利益(連結)96.33円
決算時期12月
配当金54円
配当性向26.5%
株価収益率(PER)23.67倍
自己資本利益率(ROE)(連結)4.3%
営業活動によるCF1382億円
投資活動によるCF▲760億円
財務活動によるCF▲825億円
研究開発費※11.3億円
設備投資額※143.06億円
販売費および一般管理費※11276.13億円
株主資本比率※244.6%
有利子負債残高(連結)※32161.36億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】クラレグループは、企業ステートメントの使命「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」のもと、創立100周年となる2026年度に向けた長期ビジョン『Kuraray Vision 2026』で掲げる「独自の技術に新たな要素を取り込み、顧客、社会、地球に貢献し、持続的に成長するスペシャリティ化学企業」を目指しています。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年12月31日)現在において当社が判断したものです。 当社グループは、この長期ビジョン『Kuraray Vision 2026』の実現に向けて、2022年度から始まった5か年の中期経営計画「PASSION 2026」で以下3つの挑戦を設定しています。① 機会としてのサステナビリティサステナビリティを機会としてとらえ、グループ一丸となって推進します。② ネットワーキングから始めるイノベーション社外・社内を問わず、人と人、技術と技術をつなげることで、新たな成長のドライバーを生み出します。③ 人と組織のトランスフォーメーションデジタルでプロセスを変え、多様性で発想の幅を広げ、人と組織に変革をもたらします。中期経営計画「PASSION 2026」の4年目となる2025年度は、エバール、活性炭、歯科材料等の「成長・拡大事業」では強みを生かして拡大する需要に対応するとともに、イソプレン事業及び繊維事業の収益改善を図ることで、事業ポートフォリオの高度化を一層推進していきます。当社グループは創立100周年となる2026年度に向け、持続的に成長するスペシャリティ化学企業として今後も挑戦し続けます。  
経営者による財政状態の説明
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析内容は以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年12月31日)現在において当社が判断したものです。 (1) 経営成績の概況及び分析当連結会計年度における世界経済は、地域によっては力強さを欠いたものの全体としては緩やかに成長しました。米国では底堅い個人消費により景気は堅調に推移しました。欧州は一部地域の低迷により緩やかな景気回復に留まりました。中国では不動産不況などにより成長の鈍化が継続しました。また、混迷を深めるロシア・ウクライナや中東情勢など地政学的な緊張がグローバルな経済活動に影響を与えるなど、先行き不透明な状況が続きました。かかる環境下、当社グループは、2022年度からスタートした中期経営計画「PASSION 2026」に掲げる3つの挑戦、①機会としてのサステナビリティ、②ネットワーキングから始めるイノベーション、③人と組織のトランスフォーメーション、を推進するとともに、事業ポートフォリオの高度化を進め、成長性、競争力の高い事業・製品のさらなる強化を図りました。「成長・拡大事業」「基盤事業」と位置づけた事業・製品では、すでに決定し建設を進めていた設備を立ち上げるとともに、新たな設備投資や買収など将来の成長に向けた意思決定を行いました。一方で、将来に向けて改善が見込めない一部の事業・製品においては、事業譲渡あるいは縮小・撤退といった厳しい判断を行いました。その結果、当社グループの業績は、売上高は前期比45,956百万円(5.9%)増の826,895百万円、営業利益は9,605百万円(12.7%)増の85,081百万円、経常利益は12,454百万円(18.0%)増の81,480百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は10,721百万円(25.3%)減の31,724百万円となりました。(単位:百万円) 2023年度2024年度増減売上高営業利益売上高営業利益売上高営業利益ビニルアセテート406,77186,344414,90787,6308,1361,285イソプレン65,683△10,87176,365△9,49810,6811,373機能材料189,79410,323207,98112,94618,1872,623繊維61,8581,82762,6741,207816△620トレーディング61,5885,18367,6255,9156,036731その他45,67250650,8632,2955,1911,789消去又は全社△50,430△17,839△53,523△15,416△3,0922,422合計780,93875,475826,89585,08145,9569,605 [ビニルアセテート]当セグメントの売上高は414,907百万円(前期比2.0%増)、営業利益は87,630百万円(同1.5%増)となりました。   ポバール樹脂:欧州向け物流が混乱する中、グローバルな安定供給体制を背景に、販売数量が増加しました。  光学用ポバールフィルム:順調な出荷が続いていましたが、第3四半期に入りパネルメーカーの出荷調整の影響を受け、販売数量は前年並みとなりました。なお、テレビ用パネル大型化の需要に応えるため、第2四半期に倉敷事業所で新設備の稼働を開始しました。  高機能中間膜:欧州の建築用途で景気低迷の影響が継続し、販売数量が減少しました。  水溶性ポバールフィルム:欧州では長引く景気低迷の影響があり、販売数量は前年並みとなりました。  EVOH樹脂〈エバール〉:食品包装用途は第2四半期以降回復基調となり、また自動車用途も堅調に推移したことから、販売数量は微増となりました。サーキュラーエコノミー関連を中心とした今後の需要拡大に対応するため、シンガポールでの新プラントの建設(2026年末稼働予定、2024年3月26日公表)を決定しました。 [イソプレン]当セグメントの売上高は76,365百万円(前期比16.3%増)、営業損益は2023年度から稼働を開始したタイ新拠点の減価償却費増などの影響により、9,498百万円の損失(前期は営業損失10,871百万円)となりました。   イソプレンケミカル・エラストマー:自動車用途などを中心に需要が回復するとともに、タイ新拠点を活用した拡販などにより販売数量が増加しました。  耐熱性ポリアミド樹脂〈ジェネスタ〉:自動車用途は順調に推移しました。また電気・電子用途は、デバイス向けの回復に加え、旺盛な生成AI用データセンターの投資に牽引され、サーバー向けコネクタの需要が拡大しました。 [機能材料]当セグメントの売上高は207,981百万円(前期比9.6%増)、営業利益は12,946百万円(同25.4%増)となりました。  メタアクリル:電気・電子用途を中心に需要の回復が見られ、販売数量が増加しましたが、競争激化などの影響を受けました。なお、メタクリル酸メチルの生産能力の縮小を決定しました(2024年6月27日公表)。  メディカル:審美治療用歯科材料の販売が欧米を中心に順調に推移しました。  環境ソリューション:欧州の産業用途では景気低迷による影響が見られたものの、北米の飲料水用途を中心に、活性炭の販売が堅調に推移しました。米国の活性炭新設備は第1四半期に稼働を開始しました。 [繊維]当セグメントの売上高は62,674百万円(前期比1.3%増)、営業利益は1,207百万円(同33.9%減)となりました。   人工皮革〈クラリーノ〉:自動車用途やスポーツ用途の需要回復により販売数量は増加しました。  繊維資材:自動車用途で需要の回復が見られたものの、欧州の建材用途などが低調でした。  生活資材:不織布〈クラフレックス〉、面ファスナー〈マジックテープ〉ともに需要が低調でした。なお、不織布事業において、乾式不織布の事業撤退、及びメルトブローン不織布の生産能力縮小を決定しました(2024年7月26日公表)。 [トレーディング]当セグメントの売上高は67,625百万円(前期比9.8%増)、営業利益は5,915百万円(同14.1%増)となりました。   繊維関連事業:資材関連は苦戦しましたが、スポーツ衣料用途が順調に推移しました。  樹脂・化成品関連事業:アジア市場を中心に販売が拡大しました。 [その他]その他事業の売上高は50,863百万円(前期比11.4%増)、営業利益は2,295百万円(同353.5%増)となりました。 (2) 当期の財政状態の概況総資産は、現金及び預金の減少13,075百万円等の一方、棚卸資産の増加28,801百万円及び有形固定資産の増加13,408百万円等により、前連結会計年度末比36,753百万円増の1,291,238百万円となりました。負債は、仕入債務の増加10,436百万円等の一方、有利子負債の減少37,742百万円等により、前連結会計年度末比8,880百万円減の509,448百万円となりました。純資産は、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末比45,633百万円増の781,790百万円となりました。自己資本は764,012百万円となり、自己資本比率は59.2%となりました。 (3) 当期のキャッシュ・フローの概況[営業活動によるキャッシュ・フロー]税金等調整前当期純利益53,176百万円に対して、減価償却費85,260百万円及び法人税等の支払額18,943百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは138,294百万円の収入となりました。[投資活動によるキャッシュ・フロー]有形及び無形固定資産の取得71,383百万円等の支出により、投資活動によるキャッシュ・フローは76,008百万円の支出となりました。[財務活動によるキャッシュ・フロー]有利子負債の減少額41,351百万円、自己株式の取得20,004百万円及び配当金の支払額17,292百万円等の支出により、財務活動によるキャッシュ・フローは82,504百万円の支出となりました。以上の要因に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額等により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より11,970百万円減少して、121,692百万円となりました。                                  (単位:百万円) 2023年12月期2024年12月期営業活動によるキャッシュ・フロー129,298138,294投資活動によるキャッシュ・フロー△63,151△76,008財務活動によるキャッシュ・フロー△64,959△82,504現金及び現金同等物に係る換算差額4,8588,848現金及び現金同等物の増減額6,046△11,369現金及び現金同等物の期首残高127,616133,663連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額-△601現金及び現金同等物の期末残高133,663121,692 なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標は以下のとおりです。 2020年12月期2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期自己資本比率(%)47.451.352.956.959.2時価ベースの自己資本比率(%)35.931.529.038.057.2キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)4.33.96.32.21.8インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)57.050.943.657.366.2 (注)自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い1.各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表数値により計算しています。2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。4.有利子負債は、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、長期借入金及び社債の合計額を使用しています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。 (4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの資金需要は、営業活動に必要となる運転資金や設備投資、M&A等に係る投資資金が主なものです。これらの資金需要に対しては、自己資金のほか、必要に応じ、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により資金調達を行っています。また、資金需要に応じて柔軟に資金調達ができるよう、信用格付けの維持向上や金融機関、資本市場との良好な関係維持に努めるとともに、緊急に資金が必要となる場合や金融市場の混乱に備え、金融機関とコミットメントライン契約を締結しています。 (5) 生産、受注及び販売の状況当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため生産、受注及び販売の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の概況及び分析」における各セグメントの業績に関連付けて示しています。 (6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。

※本記事は「株式会社クラレ」の令和6年12期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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