| 会社名 | 中国電力株式会社 |
| 業種 | 電気・ガス業 |
| 従業員数 | 連12526名 単3570名 |
| 従業員平均年齢 | 42.2歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 20.4年 |
| 平均年収 | 8427313円 |
| 1株当たりの純資産 | 1967.75円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 273.7円 |
| 決算時期 | 3月 |
| 配当金 | 27円 |
| 配当性向 | 11.7% |
| 株価収益率(PER) | 3.1倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 15% |
| 営業活動によるCF | 1860億円 |
| 投資活動によるCF | ▲3588億円 |
| 財務活動によるCF | 1611億円 |
| 研究開発費※1 | 56億円 |
| 設備投資額※1 | 3472.28億円 |
| 販売費および一般管理費※1 | -円 |
| 株主資本比率※2 | 10.7% |
| 有利子負債残高(連結)※3 | 29317.14億円 |
経営方針
| 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 当社グループを取り巻く経営環境は、ウクライナや中東での紛争など、ここ数年来エネルギー価格やエネルギー安全保障に多大な影響を与えてきた事象に加え、足元では米国の関税政策など、国際情勢の影響により不確実性が高まっている。国内においても、脱炭素化の潮流加速や電気事業のビジネスモデルの市場中心への移行、内外無差別な卸売※1の強化などにより、経営環境は大きく変化している。そのような中、本年2月、「第7次エネルギー基本計画」が、「GX2040ビジョン」や「地球温暖化対策計画」と合わせて閣議決定され、S+3E※2の原則のもと、徹底した省エネルギーと合わせ、再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し脱炭素効果の高い電源を最大限活用するなどの方向性が示された。また、これまでの電力需要減少という前提が見直され、データセンターや半導体工場の新増設などを背景として、電力需要は増加していくとの見通しが示されるなどの変化もみられる。当社グループは、こうした経営環境の変化に柔軟に対応しながら、「信頼回復」と「収益・財務基盤回復」を最重要課題として位置付け、以下の方向性で諸課題に取り組んでいる。信頼回復に向けては、一連の不適切事案の再発防止に注力し、着実な実施がみられたことを踏まえ、昨年9月に「法令遵守に関するコミットメント」を公表し、今後もコンプライアンスの遵守に向けた取り組みを継続していくことを幅広いステークホルダーに宣言した。収益・財務基盤回復に向けては、「中国電力グループ中期経営計画(2024-2025)」に掲げる、2年間で連結経常利益1,500億円以上の確保、2025年度末の連結自己資本比率15%以上への回復を目指している。当年度決算においては、連結経常利益を1,285億円計上し、連結自己資本比率15%への回復を達成したが、有利子負債は増加しており、著しく毀損した財務基盤の回復は未だ途上にあることから、引き続きその回復・強化を進めつつ、将来の競争力強化や成長に向けた取り組みを進めていく。当社グループが基盤とする中国地域は、鉄鋼、化学、自動車をはじめ国内有数の製造業が集積している。人口減少・高齢化などの課題がある中でも、将来にわたり地域とともに成長していくため、エネルギー事業者として、低炭素で安定したエネルギー供給体制を実現すること、さらには地域の脱炭素化をリードすることで、産業立地の維持・推進、ひいては地域活性化に貢献したいと考えている。そのため、島根2号機の安定運転継続と島根3号機の早期稼働に全力で取り組むと同時に、火力発電所の脱炭素化も進めていく必要があり、将来に向けては、水素・アンモニアの実装準備や、CCUS※3の活用検討なども進めていく考えである。2050年カーボンニュートラル実現に向けては、新規原子力発電所の立地点である上関地点を有していること、また、風況のよい山陰沖における浮体式洋上風力の開発可能性など、当社グループにはポテンシャルがあると考えている。脱炭素化ニーズの高まりや、電力需要の増加見通しなどの状況の変化は当社グループが大きく成長するチャンスとなるととらえている。原子力発電所の稼働をはじめとする電源構成の低炭素化、電力・燃料のトレーディング技術の高度化、新たな料金メニュー・サービスの提供などにより、当社グループは、株主さま、お客さまや地域のみなさまの信頼を基盤に、持続的な成長を果たしていきたいと考えている。これらの取り組みに加え、サステナビリティ経営推進に向けて、地球環境との調和、株主のみなさまをはじめとするステークホルダーのみなさまとの建設的な対話、多様な人材の活躍推進、コーポレート・ガバナンスの充実・強化など、ESGの取り組みを進めていく。このような中長期的な取り組みの実現に向け、現在、新たなグループ経営ビジョンの検討を進めている。 ※1 内外無差別な卸売=発電から得られる利潤を最大化するという考え方に基づき、社内外・グループ内外の取引条件を合理的に判断し、内外無差別に電力卸売を行うこと。※2 S+3E=安全性(Safety)を大前提に、安定供給(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)の同時達成を目指すこと。※3 CCUS=分離・貯留したCO2を利用すること。 (1) 各事業における取り組み 以上の方向性を踏まえ、各事業においては、それぞれの目指す姿の実現に向けて、主要課題に着実に取り組んでいく。 (2) ESGの取り組み サステナビリティ経営の推進に向けては、以下のようなESGの取り組みを進めていく。 ① 環境 当社グループは、事業活動に伴う環境負荷を可能な限り低減するため、グループ一体となって環境保全に取り組む責務があると認識している。 事業活動にあたっては、「中国電力グループ環境行動計画」に基づき、「地球温暖化対策」、「循環型社会形成」、「地球環境保全」などの取り組みを通して、環境経営を推進する。 これらの環境(気候変動・自然等)に関する取り組みについて、開示情報(TCFD・TNFD等)の充実化を進める。 また、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、「中国電力グループカーボンニュートラル戦略基本方針」において示した、「エネルギーの脱炭素化」及び「お客さま・地域の脱炭素化」を2本柱とした取り組みを通じて、事業基盤である中国地域のお客さまのカーボンニュートラルの実現にも貢献する。 ② ステークホルダーとの対話 当社は、株主のみなさまをはじめ、お客さま、地域社会や取引先など幅広いステークホルダーのみなさまとの建設的な対話を通じ、時代とともに変化する社会からの要請やお客さまなどのニーズを的確にとらえ事業活動に反映するとともに、当社グループへのご理解と信頼を一層獲得していく。 ③ 人的資本 当社グループの成長には、多様な経験や価値観を持つ社員一人ひとりの活躍が不可欠である。 グループ全体の方針として掲げる「多様な人材の活躍推進方針」をはじめ、“人”に関する中長期的な「方針」と、その進捗をモニタリングする「指標」を設定し、内部の議論・外部との対話を通じて人材マネジメントの継続的改善を図るサイクルの確立を目指している。社員一人ひとりの成長意欲をベースにした人材育成、女性活躍推進をはじめとしたダイバーシティの推進、社員の主観を定量化した「従業員エンゲージメント」や「心理的安全性」などの組織文化に関する指標の把握などを通じて、個人と組織の持続的な成長につなげていく。また、すべての事業活動の基盤として、人権が真に尊重される社会の実現に向けた「中国電力グループ人権方針」に基づく人権啓発活動や、災害ゼロを目指した安全の確保と健康経営の推進にも取り組んでいく。 ④ コーポレート・ガバナンス 当社グループは、経営の透明性・公正性の維持・向上、経営環境の変化に対する迅速・果断な意思決定を行うことができる体制の構築が重要であると考えている。 業績連動型株式報酬による中長期的な業績向上と企業価値の増大へのインセンティブ付与、本年1月に新たに設定した取締役会の構成に係る目標(2030年度までに社外取締役比率50%以上、女性取締役比率30%以上)の達成や、当社グループ全体のリスクマネジメントの推進などにより、コーポレート・ガバナンスの充実・強化に継続的に取り組んでいく。 こうした当社グループの取り組みについては、引き続き、開示内容の充実に努めつつ、統合報告書等を通じてステークホルダーのみなさまにわかりやすくお伝えしていく。当社グループを取り巻く環境は大きく変化しているが、当社グループの経営理念「信頼。創造。成長。」を体現すべく、役員・社員が一丸となって、株主のみなさまをはじめとするステークホルダーのみなさまから信頼いただけるよう取り組むとともに、その信頼を基盤に、事業活動を通じて社会に有用な価値を創造することで、持続的な成長を図り、企業価値及び株主価値の向上に努めていく。 |
経営者による財政状態の説明
| 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。 (1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。 (2) 経営成績 ① 事業全体当連結会計年度におけるわが国の経済情勢をみると、堅調な企業業績を背景に、設備投資が拡大し雇用・所得環境が改善するなど、景気は緩やかに回復した。ただし、物価上昇の影響により個人消費は力強さを欠いたほか、年度末にかけては米国の関税政策による影響等から景気の不透明感が高まった。中国地域においても、ほぼ全国と同様の状況で推移した。このような中で、当連結会計年度の経営成績については、売上高(営業収益)は、燃料価格の低下に伴う燃料費調整額の減少などにより、1兆5,292億円と前連結会計年度に比べ995億円の減収となった。営業利益は、島根原子力発電所2号機の再稼働による収支改善などはあったが、燃料費調整制度の期ずれ差益の縮小及び総販売電力量の減少に加え、送配電事業の減益などにより、1,291億円と前連結会計年度に比べ776億円の減益となった。支払利息などの営業外損益を加えた経常利益は1,285億円と前連結会計年度に比べ655億円の減益となった。特別損益を計上して、法人税などを控除した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は984億円と前連結会計年度に比べ350億円の減益となった。 区分前連結会計年度(億円)当連結会計年度(億円)差引(億円)増減率(%)売上高(営業収益)16,28715,292△995△6.1経常利益1,9401,285△655△33.8親会社株主に帰属する当期純利益1,335984△350△26.2(参考) 営業利益2,0671,291△776△37.5 (参考)中国電力個別決算区分前事業年度(億円)当事業年度(億円)差引(億円)増減率(%)売上高(営業収益)14,48113,422△1,058△7.3経常利益1,456952△503△34.6当期純利益1,120829△291△26.0(参考)営業利益1,358839△518△38.2 ② 生産、受注及び販売の実績当社及び連結子会社の業種は広範囲かつ多種多様であり、また、当社の電気事業が事業の大半を占めることから、当社の電気事業の販売実績、発受電実績及び資材の状況を記載している。 a.販売実績種別前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前年同期比(%)総販売電力量(百万kWh)小売販売電力量電灯15,04815,529103.2電力29,55726,19288.6他社販売電力量8,01810,024125.0計52,62351,74598.3料金収入(百万円)電灯料368,407391,268106.2電力料691,263558,79780.8他社販売電力料137,056140,986102.9計1,196,7271,091,05191.2 (注)1 小売販売電力量には、自社用を含んでいない。2 他社販売電力量には、インバランス・調整電源等に係る他社販売電力量を含んでいない。3 他社販売電力料には、インバランス・調整電源等に係る他社販売電力料、容量確保契約金額等を含んでいない。4 電灯料及び電力料には、「電気・ガス料金支援」により国から受領した補助金(前連結会計年度109,442百万円、当連結会計年度41,900百万円(電灯・電力計))を含んでいない。 5 総販売電力量は、四捨五入の関係で合計と一致しない場合がある。 b.発受電実績種別前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前年同期比(%)発受電電力量(百万kWh)自社水力発電電力量3,3793,592106.3火力発電電力量28,24924,94788.3原子力発電電力量-1,980-新エネルギー等 発電電力量49109221.6他社受電電力量26,49326,486100.0揚水発電所の揚水用電力量△1,153△1,385120.1合計57,01855,72997.7出水率(%)93.6101.1- (注)1 他社受電電力量は、インバランス・調整電源等に係る電力量を含んでおり、当連結会計期間末日現在で把握している電力量を記載している。 2 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力である。 3 当連結会計年度の出水率は、1993年度から2022年度までの30か年の年平均に対する比である。 4 発受電電力量合計と総販売電力量の差は損失電力量等である。 5 四捨五入の関係で合計と一致しない場合がある。 c. 資材の状況 主要燃料の受払状況 品名単位2023年3月末在庫量前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)2024年3月末在庫量当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)2025年3月末在庫量受入払出受入払出石炭t843,6935,388,8895,843,867388,7155,956,3895,674,608670,496バイオマスt36,474570,278570,14836,604590,681593,37133,914重油(注)kl117,343401,727431,47887,59290,678101,04677,224LNGt130,7691,753,1001,764,388119,4811,570,9221,492,598197,805 (注)助燃用重油を含む ③ セグメント情報 ○ 総合エネルギー事業売上高(営業収益)は、燃料価格の低下に伴う燃料費調整額の減少などにより、1兆4,080億円と前連結会計年度に比べ1,010億円の減収となった。営業利益は、燃料費調整制度の期ずれ差益の縮小などにより、951億円と前連結会計年度に比べ517億円の減益となった。 ○ 送配電事業売上高(営業収益)は、最終保障供給料金の減少はあるものの、市場価格上昇による再生可能エネルギー販売の増加に加えて、エリア需要の増加等による基準接続託送収益の増加などにより、5,115億円と前連結会計年度に比べ311億円の増収となった。営業利益は、基準接続託送収益の増加はあったものの、需給調整関連費用の増加などから、252億円と前連結会計年度に比べ253億円の減益となった。 ○ 情報通信事業売上高(営業収益)は、情報関係事業収入が増加したことなどにより、494億円と前連結会計年度に比べ19億円の増収となった。営業利益は47億円と前連結会計年度に比べ4億円の減益となった。 区分総合エネルギー事業(億円)送配電事業(億円)情報通信事業(億円)売上高前連結会計年度15,0904,804474当連結会計年度14,0805,115494差 引△1,01031119営業費用前連結会計年度13,6214,298422当連結会計年度13,1284,863447差 引△49356424営業利益前連結会計年度1,46950552当連結会計年度95125247差 引△517△253△4 (3) 財政状態資産は、島根原子力発電所2号機の営業運転再開による電気事業固定資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ2,276億円増加し、4兆3,609億円となった。負債は、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,352億円増加し、3兆6,550億円となった。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ924億円増加し、7,058億円となった。この結果、自己資本比率は、16.2%となった。 区分前連結会計年度末(億円)当連結会計年度末(億円)差引(億円)資産41,33243,6092,276 (うち電気事業固定資産)(うち固定資産仮勘定)(うち流動資産)(15,234)(11,864)(6,505)(19,429)(9,550)(6,958)(4,194)(△2,314)(452)負債35,19836,5501,352 (うち有利子負債)(30,042)(31,813)(1,771)純資産6,1347,058924 (うち自己資本)(6,048)(7,075)(1,026) (4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容(当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況) ○ 営業活動によるキャッシュ・フロー税金等調整前当期純利益の計上などにより、1,860億円の収入となった。 ○ 投資活動によるキャッシュ・フロー設備投資の増加などにより、前連結会計年度に比べ1,568億円増加の3,588億円の支出となった。この結果、差引フリー・キャッシュ・フローは、1,728億円のマイナスとなった。 ○ 財務活動によるキャッシュ・フロー社債・借入金による資金の調達を行ったことなどにより、1,611億円の収入となった。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ117億円減少し、2,866億円となった。区分前連結会計年度(億円)当連結会計年度(億円)差引(億円)○営業活動によるキャッシュ・フロー2,7131,860△853○投資活動によるキャッシュ・フロー△2,020△3,588△1,568 差引フリー・キャッシュ・フロー693△1,728△2,421○財務活動によるキャッシュ・フロー△1711,6111,783 うち社債・借入金による純増減△2141,7791,994 うち配当金の支払額△18△127△108現金及び現金同等物(増減額)528△117 現金及び現金同等物(期末残高)2,9842,866△117 投資額が高水準であるためフリー・キャッシュ・フローは 1,728 億円のマイナスとなっている。今後も、エネルギーの安定供給、電源の脱炭素化、経営の安定化、将来の競争力強化に不可欠な島根原子力発電所3号機や柳井発電所2号系列のリプレース等へ多額の投資が必要となる。資金調達を円滑に行うため、引き続きグループを挙げて利益を創出するとともに、こうした電源の早期運転開始に向けた審査・工事の迅速化と、資材調達の合理化による総投資額削減を最優先課題として取り組み、フリー・キャッシュ・フローの黒字化を図っていく。 ② 資本の財源エネルギー事業を中心とした既存事業の強化・進化や更なる成長に向けた新たな事業への挑戦などに必要な資金を、主に社債及び長期借入金により調達している。また、グループ全体の資金を効率的に活用するため、キャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)を通じてグループ内資金融通を行っており、グループ全体で必要な資金を当社が一括して調達している。さらに、中長期的に安定的かつ低利な資金調達を実現するため、取引先金融機関の拡大やサステナブル・ファイナンスの活用、個人向け社債、外貨建社債、転換社債、ハイブリッド社債などによる調達手段・調達先の多様化に取り組んでいる。なお、当社の発行する社債には電気事業法に基づき一般担保が付与されていたが、2025年4月1日以降に発行する社債には、一般担保は付与されない。2025年度以降に新規に発行する無担保社債について、投資家保護を重視し、既に発行済の一般担保付社債と同様に、社債管理者を設置している。 ③ 資金の流動性月次資金繰りに基づき十分な現金及び預金を保有するとともに、金融機関とのコミットメントライン契約や当座貸越契約などにより、不測の資金需要に備える体制をとっている。 (5) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の売上高(営業収益)は、総販売電力量の減少及び燃料価格の低下に伴う燃料費調整額の減少などから、1兆5,292億円と前連結会計年度に比べ995億円の減収となった。連結経常利益は、島根原子力発電所2号機の再稼働による収支改善などはあったが、燃料費調整制度の期ずれ差益の縮小及び総販売電力量の減少に加え、送配電事業の減益などにより、1,285億円と前連結会計年度に比べ655億円の減益となった。2024年度は最重要課題の一つである島根原子力発電所2号機の再稼働を果たすことができた。島根原子力発電所2号機の再稼働は、電力の安定的な供給に寄与するとともに、燃料価格変動の影響を緩和できることから業績の安定化・財務基盤の強化につながる。また、カーボンニュートラルに向けても非常に重要であり、当社の経営の大きな節目となった。当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「信頼回復」と「収益・財務基盤回復」を最重要課題として位置付けた「中国電力グループ中期経営計画(2024-2025)」で掲げる、2年間で連結経常利益1,500億円以上の確保、2025年度末の連結自己資本比率15%以上への回復を目指し取り組んでいる。当連結会計年度において連結経常利益を1,285億円計上し、連結自己資本比率15%への回復を1年前倒しで達成できたものの、有利子負債は増加しており、著しく毀損した財務基盤の回復は未だ途上にある。今後も将来の電力の安定供給、脱炭素化、経営の安定化に不可欠な島根原子力発電所3号機や柳井発電所2号系列のリプレース等へ多額の投資が必要となる。これらの電源の運転開始を目指す2030年頃までは資金調達を確実に行いつつ、引き続き、安全確保を大前提とした島根原子力発電所の安定稼働、電力卸・小売事業の収益力強化、経営全般にわたる効率化、市場リスクをはじめとするリスク管理の高度化に取り組むことで、グループを挙げて利益を創出し、財務基盤の回復・強化に優先的に取り組む。 区分2022年度2023年度2024年度連結経常利益又は連結経常損失(△)△1,067億円1,940億円1,285億円連結自己資本比率11.1%14.6%16.2% |
※本記事は「中国電力株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)


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