| 会社名 | 京浜急行電鉄株式会社 |
| 業種 | 陸運業 |
| 従業員数 | 連8484名 単2907名 |
| 従業員平均年齢 | 40歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 17年 |
| 平均年収 | 7045243円 |
| 1株当たりの純資産 | 1353.53円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 88.4円 |
| 決算時期 | 年3 |
| 配当金 | 26円 |
| 配当性向 | 39.1% |
| 株価収益率(PER) | 17.1倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 6.7% |
| 営業活動によるCF | 148億円 |
| 投資活動によるCF | ▲692億円 |
| 財務活動によるCF | ▲209億円 |
| 研究開発費※1 | -円 |
| 設備投資額※1 | 18.31億円 |
| 販売費および一般管理費※1 | 599.5億円 |
| 株主資本比率※2 | 24.5% |
| 有利子負債残高(連結)※3 | 4742.98億円 |
経営方針
| 1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】本項に記載されている将来に関する事項は、当連結会計年度末において入手可能な情報に基づき、判断したものであります。 (1)経営の基本方針 京急グループは、「都市生活を支える事業を通して、新しい価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことなどをグループ理念として掲げております。また、グループ理念の持続的な実現が、社会と京急グループの持続可能性を高めることにつながるという考えのもと、グループ理念と不可分一体の方針として、サステナビリティ基本方針を策定しております。引き続き、社会価値および企業価値の持続的な向上を図ってまいります。 グループ理念(抜粋) <経営理念>■京急グループは、都市生活を支える事業を通して、新しい価値を創造し、社会の発展に貢献する■京急グループは、伝統のもとに、創意あふれる清新な気風をもって、総合力を発揮し、社業の躍進をめざす■京急グループは、グループの繁栄と全員の幸福との一致を追求する サステナビリティ基本方針(抜粋) 京急グループは、グループ理念のもとで、「社会の持続的発展への貢献」と「京急グループの持続的発展」のよりよい循環を目指します。 (2)総合経営計画 イ.第20次総合経営計画の概要2024年度から、2040年度を長期ビジョンの実現年度、2024年度から2026年度までを中期経営計画期間とした第20次総合経営計画を推進しています。サステナビリティ基本方針に基づき社会価値・企業価値向上を目指す「サステナビリティ推進方針」を、あらゆる事業・経営活動の基礎として掲げたうえで、移動プラットフォームとまち創造プラットフォームの相互価値共創を軸とする「沿線価値共創戦略」と、その推進を支える「経営基盤重点項目」を設定しています。また、経営計画期間中に、当社グループならではの強みを活かし、特に重点的に取り組む事業として「重点事業展開」を設定しています。 (京急グループ総合経営計画体系図・骨子)(注)下線部分は、前回公表時(2024年5月)の内容から一部変更した箇所(2025年5月12日公表)(注)京急グループ総合経営計画の詳細は、当社ウェブサイト(https://www.keikyu.co.jp/ir/policy/vision/)に掲載しております。 ロ.第20次総合経営計画の一部変更(2025年5月12日公表)当社は、2024年5月に公表した第20次総合経営計画について、2025年5月12日に目標経営指標等の変更を含めた内容の見直しを公表しました。本見直しは、第20次総合経営計画公表後に実施した株主・投資家との対話を通じて、目標経営指標と資本市場の期待との間に乖離が生じていることを認識したため実施したもので、不動産事業戦略や各事業における資本収益性の向上、資本政策の見直し等により目標経営指標の水準を引き上げるとともに、達成時期を明確化しました。各施策を着実に実行し、持続的な企業価値向上の実現を目指してまいります。(目標経営指標の見直し内容)(注)第20次総合経営計画の一部変更内容(2025年5月12日公表)については、当社ウェブサイト (https://www.keikyu.co.jp/ir/policy/vision/)に掲載しております。 ハ.沿線価値共創戦略沿線価値共創戦略は、社会課題や価値観の多様化に、移動とまち創造の両プラットフォームの「相互価値共創」のスパイラルアップによって新しい価値を創出することで対応し、地域と当社グループの持続的な発展を目指す戦略です。「相互価値共創」とは、鉄道事業をはじめとする「移動プラットフォーム」が、あらゆる交通手段を用いた移動環境の最適化を通じて、まちの価値向上と沿線範囲を拡大する一方で、不動産・レジャー事業などの「まち創造プラットフォーム」が、移動のきっかけや人の流れの需要を創出することで、相互の事業による相乗効果を最大化し、新しい価値を生み出すことを意味します。この沿線価値共創戦略を通じて、鉄道会社やデベロッパーの枠を超えた、地域事業者や自治体等の沿線全体で価値を共創する「ローカルプラットフォーマー」として、沿線の各地域に「移動」と「住・働・楽・学」が揃う多極型まちづくりを推進しています。 (沿線価値共創戦略の概念図)ニ.経営基盤重点項目(イ)事業構造変革不動産事業において、不動産価値の顕在化による資本収益性の向上と成長投資の原資確保を目的に、長期保有前提の賃貸事業から回転型事業への本格転換を図ります。具体的には、私募ファンドに加えて私募リートを組成し、安定的・継続的な流動化を図り、2030年度までに総額1,000億円以上の不動産を流動化し、その不動産価値の顕在化を目指します。また、私募リート・私募ファンドへの不動産売却により、沿線地域のプラットフォーマーとして継続的な関与余地を残すことで、まちづくり・沿線価値共創に貢献するとともに、アセットマネジメント、プロパティマネジメント、ビルマネジメント業務等を通じたフィービジネス収益源の確保を目指します。さらに、これらの取り組みを着実に推進するため、2025年4月に新設したCRE戦略部をはじめ、回転型事業、フィービジネスなど不動産事業の推進体制の強化を図ってまいります。このほか、鉄道事業においては、ワンマン運転をはじめとする次世代型オペレーションを推進するほか、バス事業においては、さらなる路線最適化等を実施し、効率化・省人化を図るなど、各事業において資本収益性向上に資する施策に取り組みます。(ロ)顧客視点の徹底顧客の多様なニーズに応じたサービス提供による顧客体験価値向上を目指し、当社グループが提供しているサービスを通じて蓄積したデータの一元化・可視化、グループ全体での横断的活用を推進することに加え、体制整備や人財育成による意識・風土改革を進めています。(ハ)人的資本経営の推進多様な視点・顧客視点で物事を捉え、価値創造・共創ができる「個」の成長の後押しと、信頼と協力を大切にして、異なる「個」の創発を促す組織・カルチャー醸成の両輪により、長期ビジョンの実現・企業価値の向上を目指します。また、エンゲージメントサーベイを継続的に実施し、人的資本経営に関わる各取り組みの仮説検証を組織・職場の様々なレベルで実行できる体制を確立します。 (ニ)財務マネジメントの強化当社グループは、大規模成長投資を着実に推進するための財務健全性の確保と資本効率向上の両立、および資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を長期的な基本方針として、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向けた取り組みを推進しています。2025年5月12日に公表した目標経営指標等の見直しにおいては、ROE目標の引き上げと達成時期を明確化するとともに、株主還元の強化とその前提となるキャッシュアロケーションを明確化しました。また、当社グループが注力する品川駅周辺開発をはじめとする成長投資を着実に実行するため、重要経営指標として「純有利子負債/EBITDA倍率」に加え、最適資本構成をもとに「自己資本比率」目標を明確化することで、バランスシートマネジメントを推進します。さらに、各事業の資本収益性の向上に向けた事業別ROIC(注1)-WACC(注2)管理を拡充・継続するなど、様々な取り組みを徹底することで財務マネジメントの強化を推進してまいります。(注1)投下資本利益率(投下した資本に対して生み出した利益の割合)(注2)加重平均資本コスト(資金調達に要する費用の平均値)(不動産回転型ビジネスの推進イメージ図) ホ.重点事業展開第20次総合経営計画において、当社グループならではの強みを活かし、特に重点的に取り組む事業として「重点事業展開」を設定しており、各エリアにおいて取り組みを進めています。具体的には、品川・羽田・横浜を結んだ「成長トライアングルゾーン」と各エリアとの相互連携により、沿線の発展・活性化を図ります。品川エリアにおいては、トヨタ自動車㈱と共同で高輪3丁目地区事業計画の2029年度竣工・開業を目指すとともに、当社グループが行う開発・品川駅整備のみならず、周辺開発やリニア中央新幹線の開業等の効果を最大限取り込み、沿線全体に波及させます。羽田エリアにおいては、羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線の整備によって抜本的に輸送力を増強するとともに、周辺エリアの活性化を図り、日本の玄関口・羽田空港のポテンシャルを最大限に活用します。このほか、川崎や横浜エリアにおける開発プロジェクトのほか、都市近郊リゾートみうらの創生、沿線各地に「住・働・楽・学」が揃う中核拠点を整備する多極型まちづくりの推進等により、沿線全体の活性化に取り組んでいます。 (重点事業展開の全体像) |
経営者による財政状態の説明
| 4 【経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。 また、本項に記載されている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、判断したものであります。 (1)経営成績等の状況の概要イ.経営成績の状況当期のわが国経済は、雇用および所得環境が改善するなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。このような事業環境のなか、当社グループは、「京急グループ第20次総合経営計画」をスタートさせ、鉄道事業における次世代型オペレーションの推進や不動産事業における流動化の継続による資産の組み換えを強化するなど、キャッシュ創出に向けた事業構造変革を進めるとともに、財務健全性の確保と資本収益性の向上を目指す財務マネジメントの強化に努めました。以上の結果、営業収益は2,938億6千万円(前期比4.7%増)、営業利益は356億4千2百万円(前期比27.1%増)、経常利益は349億7千1百万円(前期比23.1%増)となりましたが、前期に品川駅西口地区における当社土地持分の一部譲渡に伴う固定資産売却益を計上した反動などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は243億1百万円(前期比71.0%減)となりました。次に、セグメント別の業績についてご報告いたします。 (イ)交通事業鉄道事業では、前期に実施した鉄道旅客運賃の改定により、旅客運輸収入が増加しました。また、全線の輸送人員は、移動需要が増加したことなどにより、前期比で2.9%増(定期2.5%増、定期外3.4%増)となりました。さらに、羽田空港駅の輸送人員は、羽田空港国内線および国際線の航空旅客数が増加したことなどにより、前期比で10.4%増(第1・第2ターミナル駅9.8%増、第3ターミナル駅12.4%増)となりました。このほか、ダイヤ改正を実施し、沿線における各拠点の利便性向上とさらなるまちの活性化を目指してイブニング・ウィング号の乗車駅を追加したほか、羽田空港をご利用のお客さまの利便性の向上を図るため、早朝および夜間時間帯において羽田空港発着の列車を新設および増発しました。また、訪日外国人の受け入れ体制強化とさらなる利便性向上のため、京急線全72駅においてクレジットカードによる乗車券の販売を開始したほか、一部の駅でクレジットカードやデビットカード等のタッチ決済による乗車サービスの実証実験を開始しました。さらに、引き続き安全対策を最重要課題とし、青物横丁駅、生麦駅および金沢八景駅にホームドアを設置しました。バス事業では、京浜急行バス㈱は、前期に実施した運賃改定などにより、一般路線および空港中距離路線が好調に推移しました。また、川崎鶴見臨港バス㈱は、移動需要の増加などにより、一般路線等が好調に推移しました。以上の結果、交通事業の営業収益は1,185億3千1百万円(前期比7.5%増)、営業利益は188億7千7百万円(前期比74.1%増)となりました。 (業種別営業成績) 業種別当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)営業収益(百万円)前期比(%)鉄道事業83,9468.8バス事業30,8435.1タクシー事業3,7411.4営業収益計118,5317.5 (提出会社の鉄道事業運輸成績) 区分単位当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 前期比(%)営業日数日365△0.3営業キロキロ87.0-客車走行キロ千キロ108,323△0.6輸送人員定期千人227,6812.5定期外〃218,2073.4計〃445,8882.9旅客運輸収入定期百万円28,9159.3定期外〃52,5588.7計〃81,4738.9運輸雑収〃2,5645.3収入合計〃84,0388.8乗車効率%41.5- (注)乗車効率の算出方法旅客人員×平均乗車キロ×100客車走行キロ×平均定員 (ロ)不動産事業不動産販売業では、当社および京急不動産㈱は、分譲マンション「プライム横浜岸谷」、「プライムスタイル横浜生麦」、「プライム横浜井土ヶ谷」、「プレミアムレジデンス横須賀中央」および「プライム川崎」を完売しました。また、「プライムパークス横浜並木 ザ・レジデンス」および「プライムフィット横浜富岡」の販売および引渡しを行いました。不動産賃貸業では、賃貸オフィスビルや商業施設が順調に稼働したほか、投資した不動産ファンドからの配当収入が増加しました。また、みなとみらい21中央地区において、複合施設「横浜シンフォステージ」を開業しました。このほか、当社は、リスクの分散および早期の資金回収を図るため、事業用地の一部の持分を売却したほか、当社および京急不動産㈱は、保有資産の組み換えによる収益性の向上を図るため、賃貸物件等を売却しました。しかしながら、前期の分譲マンションの売上の反動などにより、不動産事業の営業収益は539億6千4百万円(前期比11.0%減)、営業利益は69億2千8百万円(前期比28.3%減)となりました。 (業種別営業成績) 業種別当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)営業収益(百万円)前期比(%)不動産販売業34,600△17.5不動産賃貸業19,3643.4営業収益計53,964△11.0 (ハ)レジャー・サービス事業ビジネスホテル業では、京急EXホテル・京急EXインは、国内宿泊需要およびインバウンド需要の増加により、客室単価および稼働率が上昇し、好調に推移しました。また、「京急 EXホテル みなとみらい横浜」を開業したほか、「京急 EXイン 品川・新馬場駅北口」をリニューアルオープンしました。レジャー関連施設業では、京急開発㈱は、「ボートレース平和島」や「BIG FUN平和島」などにおいて、来場者の獲得に努めました。また、「ボートレース平和島」において、安全の確保および施設運営の効率化を図るため、スタンド建替え工事に着手しました。このほか、当社は、沿線価値共創戦略に基づく事業の選択と集中を進めるため、当社および㈱長野京急カントリークラブが運営する長野京急カントリークラブ事業を会社分割により他社に承継しました。以上の結果、レジャー・サービス事業の営業収益は317億4百万円(前期比6.0%増)、営業利益は49億4千6百万円(前期比8.3%増)となりました。 (業種別営業成績) 業種別当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)営業収益(百万円)前期比(%)ビジネスホテル業10,18723.5レジャー関連施設業11,696△1.0レジャーその他9,819△0.4営業収益計31,7046.0 (ニ)流通事業ストア業では、㈱京急ストアは、既存店舗が好調に推移したほか、「京急ストア杉田店」を開業したことなどにより、売上が増加しました。また、鉄道輸送人員が増加したことなどにより、㈱セブン‐イレブン・ジャパンと業務提携した駅構内や駅前の店舗の売上が増加しました。このほか、当社は、将来的な沿線人口の減少や少子高齢化の進展など、事業を取り巻く環境の変化に対応し、流通事業における持続的な成長を目指すため、㈱エフ・クライミングの株式を取得しました。百貨店業では、京急百貨店は、大型専門店が好調に推移したほか、スポーツ用品専門店「スポーツデポ」を誘致したことなどにより、来店客数が増加しました。ショッピングセンター業では、人流の増加などにより、「ウィング新橋」などの都内店舗を中心に好調に推移しました。以上の結果、流通事業の営業収益は812億5千1百万円(前期比12.1%増)となったものの、㈱京急ストアにおいて、賃金改定によって人件費が増加したことなどにより、営業利益は20億8千3百万円(前期比0.1%減)となりました。 (業種別営業成績) 業種別当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)営業収益(百万円)前期比(%)百貨店・ショッピングセンター業16,6332.1 百貨店業12,6140.1 ショッピングセンター業4,0188.9ストア業64,61815.1 スーパーマーケット業50,03918.3 コンビニエンスストア・物品販売業ほか14,5785.3営業収益計81,25112.1 (ホ)その他京急建設㈱および京急電機㈱は、ホームドアをはじめとした鉄道の安全対策工事等を行いました。このほか、当社は、取り組むべき事業への経営資源集中を図るため、㈱京急自動車学校の全株式を他社に譲渡しました。以上の結果、その他の事業の営業収益は483億3千4百万円(前期比4.7%増)、営業利益は36億4千6百万円(前期比138.2%増)となりました。 ロ.財政状態の状況当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金や建設仮勘定の減少などにより、前連結会計年度末と比べ471億9千4百万円減少しました。セグメントごとの資産の状況は、次のとおりであります。セグメント別当連結会計年度(2025年3月31日)帳簿価額(百万円)前期比(%)交通事業485,714△1.8不動産事業314,9604.4レジャー・サービス事業62,7122.1流通事業29,4608.5その他32,291△4.9調整額114,569△31.8資産合計1,039,708△4.3 負債は、未払法人税等および長期前受工事負担金の減少などにより、前連結会計年度末と比べ620億8千3百万円減少しました。また、純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末と比べ148億8千9百万円増加しました。 ハ.キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上などにより、148億4千7百万円の資金収入(前期は662億2百万円の資金収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより、692億2千8百万円の資金支出(前期は296億5千6百万円の資金収入)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出などにより、209億3千3百万円の資金支出(前期は37億5千1百万円の資金支出)となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ750億6千5百万円減少し、740億7百万円となりました。 ニ.生産、受注および販売の状況当社グループの事業内容は広範囲かつ多種多様であり、そのほとんどが生産、受注および販売の形態をとっていないため、「生産、受注および販売の状況」については、「(1)経営成績等の状況の概要」の「イ.経営成績の状況」において業種別営業成績等として記載しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。また、本項に記載されている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、判断したものであります。 イ.重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、決算日における資産・負債および報告期間における収益・費用の金額ならびに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績、現在の状況および今後の見通しに応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、異なる場合があります。重要な会計上の見積りには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当報告書提出日現在において判断したものであります。 (イ)棚卸資産の評価当社グループは、分譲土地建物については、原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しており、これらの価値は、個別物件の販売計画によって見積りを行っております。なお、当該見積りには、営業収益に影響する市況や周辺相場の変動の見込みなどの仮定を用いております。そのため、市況の変化による販売計画の見直し等により、当該見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、損失が発生する可能性があります。 (ロ)固定資産の減損当社グループは、資産または資産グループに減損が生じている可能性を示す事象がある場合には、減損損失を認識するか否かの判定を行っております。この判定は、資産または資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって行い、資産または資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。なお、回収可能価額は使用価値及び正味売却価額により測定しており、いずれか高い方の金額としております。減損損失を認識するか否かの判定や使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローの見積りは、各事業の外部環境に関する情報を総合的に勘案して策定している「京急グループ総合経営計画」に基づいており、当該見積りには、各事業に影響を及ぼす市況の見込みなどの仮定を用いております。そのため、市況の悪化や各事業の収益力の低下等により、当該見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降において、減損損失が計上され、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、将来キャッシュ・フローの見積り算出における主要な仮定は、ビジネスホテル事業での稼働率、宿泊単価及び正味売却価額等であります。 (ハ)繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について、将来の収益力に基づく課税所得の発生時期及びその金額に基づき回収可能性を判断したうえで計上しております。課税所得の見積りは、各事業の外部環境に関する情報を総合的に勘案して策定している「京急グループ総合経営計画」に基づいており、当該見積りには、各事業に影響を及ぼす市況の見込みなどの仮定を用いております。そのため、市況の悪化や各事業の収益力の低下等により、当該見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降において、繰延税金資産の追加計上または取り崩しが必要となるなど、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、将来の課税所得の見積り算出における主要な仮定は、鉄道事業での輸送人員、ビジネスホテル事業における稼働率や宿泊単価であります。 (ニ)退職給付債務および費用の計算当社グループは、退職給付債務および費用について、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率および長期期待運用収益率等の仮定が含まれます。そのため、将来の不確実な経済条件の変動等により、実際の結果が前提条件と異なることとなった場合、または前提条件に変更が生じた場合、退職給付に係る負債および退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。 ロ.当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討(イ)営業収益および営業利益当連結会計年度の決算については、前期に実施した交通事業における運賃改定による旅客運輸収入の増加や、移動需要の回復などにより、営業収益は2,938億6千万円(前期比4.7%増)、営業利益は356億4千2百万円(前期比27.1%増)となりました。交通事業は、前期に実施した鉄道事業およびバス事業における運賃改定により、旅客運輸収入が増加したほか、移動需要が回復し、鉄道事業では羽田空港輸送はじめ全線の輸送人員が増加したこと、バス事業では一般路線および空港中距離路線が好調に推移したことなどにより、83億5百万円の増収、80億3千6百万円の増益となりました。不動産事業は、不動産賃貸業において、賃貸オフィスビルや商業施設が順調に稼働したほか、投資した不動産ファンドからの配当収入の増加や、保有資産の組み換えによる収益性の向上を目的とした賃貸物件等の売却があったものの、不動産販売業における、前期の分譲マンションの売上の反動減や、不動産賃貸業における新規開業費用の増加などにより、不動産事業全体で66億8千7百万円の減収、27億3千2百万円の減益となりました。レジャー・サービス事業は、レジャー関連施設業において、前期にホテル京急油壷観潮荘が営業終了したことなどによる収入の減少はあったものの、ビジネスホテル業において、国内宿泊需要およびインバウンド需要の増加に伴って客室単価および稼働率が上昇し、好調に推移したことなどにより、17億8千2百万円の増収、3億7千7百万円の増益となりました。流通事業は、百貨店業において外商売上が増加したこと、ショッピングセンター業において都内店舗を中心に好調に推移したことに加え、ストア業においても、スーパーマーケット既存店および駅構内や駅前のコンビニエンスストアの売上が増加したものの、百貨店業およびストア業において、人件費が増加したことなどにより、流通事業全体では、88億1百万円の増収、2百万円の減益となりました。その他の事業は、工事請負関係において、完成工事が増加したほか、工事損失引当金が減少したことなどにより、21億7千1百万円の増収、21億1千5百万円の増益となりました。 (ロ)営業外損益および経常利益当連結会計年度の営業外収益は、投資有価証券売却益が減少したことなどにより、前連結会計年度の50億2百万円から8億2千6百万円減少し、41億7千6百万円となりました。営業外費用は、資金調達手数料の増加などにより、前連結会計年度の46億4千万円から2億6百万円増加し、48億4千7百万円となりました。この結果、経常利益は349億7千1百万円(前期比23.1%増)となりました。 (ハ)特別損益および親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度の特別利益は、工事負担金等受入額の増加はありましたが、前期に計上した品川駅西口地区における当社土地持分の一部譲渡に伴う固定資産売却益の反動減などにより、前連結会計年度の955億8千6百万円から511億2百万円減少し、444億8千3百万円となりました。特別損失は、固定資産圧縮損の増加などにより前連結会計年度の47億1千万円から431億8千4百万円増加し、478億9千4百万円となりました。この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は315億6千1百万円となり、ここから法人税等および非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、243億1百万円(前期比71.0%減)となりました。 (ニ)指標水準当社グループでは、「1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等」の「(2)総合経営計画」に記載のとおり、2024年度から2026年度までを中期経営計画期間と定め、移動とまち創造の両プラットフォームによる相互価値共創の具現化に向けた取り組みを進めるとともに、品川駅周辺開発事業の着実な推進、財務健全性の確保と資本収益性の中長期的な向上を両立させる財務マネジメントを強化する方針としております。2025年5月12日に公表した目標経営指標等の見直しにおいては、ROE目標の引き上げと達成時期を明確化し、中期経営計画期間の最終年度である2026年度の指標水準を以下のとおり設定しております。(2026年度指標水準)・営業利益 :450億円・純有利子負債/EBITDA倍率:7倍台以下・ROE :8% (ホ)財政状態当連結会計年度末の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」の「ロ.財政状態の状況」に記載しております。 (ヘ)資本の財源および資金の流動性についての分析a.財務戦略当社グループでは、大規模成長投資を着実に推進するための財務健全性の確保と資本効率向上の両立、および資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を、長期的な財務戦略の基本方針としております。なお、2024年度から2026年度までの中期経営計画期間においては、資本収益性の向上に向けた事業別ROIC(注1)-WACC(注2)管理の導入等により、グループ全体で財務マネジメントを強化してまいります。(注1)投下資本利益率(投下した資金に対して生み出した利益の割合)(注2)加重平均資本コスト(資金調達に要する費用の平均値)b.資金調達当社グループでは、鉄道事業をはじめ各事業において多額の設備投資を継続して行っており、事業の特性に鑑み、その資金は金融機関からの借入や社債の発行など長期の負債を中心に、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら調達しております。c.資金の流動性当社グループでは、鉄道事業を中心に日々の収入金があり、また、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入し、グループ内余剰資金の有効活用に努めているほか、災害等緊急時においても機動的な資金確保ができるよう震災対応型コミットメントラインを設定していることから、緊急時の一時的な対応も含め、必要な流動性資金は十分に確保しております。 |
※本記事は「京浜急行電鉄株式会社」の令和7年年3期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)


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