| 会社名 | ジャフコ グループ株式会社 |
| 業種 | 証券、商品先物取引業 |
| 従業員数 | 連163名 単131名 |
| 従業員平均年齢 | 42歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 13年 |
| 平均年収 | 12661807円 |
| 1株当たりの純資産 | 2586.26円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 175.59円 |
| 決算時期 | 3月 |
| 配当金 | 88円 |
| 配当性向 | 49.8% |
| 株価収益率(PER) | 11.8倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 6.9% |
| 営業活動によるCF | 104億円 |
| 投資活動によるCF | 1億円 |
| 財務活動によるCF | ▲54億円 |
| 研究開発費※1 | -円 |
| 設備投資額※1 | -円 |
| 販売費および一般管理費※1 | 768.83億円 |
| 株主資本比率※2 | 82.1% |
| 有利子負債残高(連結)※3 | 1.49億円 |
経営方針
| 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当連結会計年度は、世界的な地政学リスクの高まりや物価高騰などを背景に、当社を取り巻く事業環境は不透明感が続いています。 一方で、日本でも有望なスタートアップや次世代を担う若い起業家たちが台頭し、生成AIなどテクノロジーの進化、価値観やライフスタイルの変化は、新しいビジネスへの投資機会を創出し、社会課題解決が期待される投資先に対しては強い追い風になっています。 スタートアップに対する資金供給の促進や税制改正他様々な支援策が実施され、国内のベンチャー投資市場は今後も成長が期待できる有望な分野となっています。また、当社事業のもう一つの柱であるバイアウト投資についても、M&Aの増加や中小企業の事業承継に対する政府の継続的な取り組みなどもあり、今後、さらなる拡大が見込まれています。 また、当社は、2025年4月に、投資パフォーマンスに優位性があり、今後マーケットの拡大が予想される国内投資に集中することを決定し、併せて、アジア・米国で当社グループが運用するファンドに今後は出資せず、海外子会社は2026年3月期中をめどに譲渡する(予定を含む)ことを決定しました。国内でのベンチャー投資とバイアウト投資の強みを融合し、成長への循環をつくりだし、利益成長・安定的な収益構造への進化及び資本効率の向上を実現することで、当社の企業価値向上を目指していきます。 当社は創業以来、時代をリードする起業家とともに歩んできました。当社には、経験を積み重ねてきた多くのキャピタリストに加え、企業成長を促進するための豊富なリソースとネットワークの蓄積があります。単なる投資家としてではなく、「CO-FOUNDER」として、事業の構想段階から経営に関与します。起業家とともに事業の成長にコミットし、企業価値を高めていきます。 2018年からパートナーシップモデルを導入し、トップキャピタリストとしてファンドの運用責任を負うパートナーを中心としたフラットな組織作りを行っています。 SV6ファンド以降は、パートナーと従業員が当社とともに出資することで、個人としても運用リスクを負いながら、ファンドパフォーマンスと個人の貢献に連動した成果報酬を享受していきます。従来からの当社の強みである組織力にも磨きをかけており、投資先への経営関与を通じて、ファンドパフォーマンスの一段の向上を目指します。 (1)会社の経営の基本方針①当社のパーパス(存在意義)「挑戦への投資で、成長への循環をつくりだす」 当社は長年にわたる投資経験の中で、「投資の継続が、持続可能な社会を実現する」ことを信じ、企業・起業家の新たな挑戦に対し投資を続けてきました。地球環境やグローバル経済を取り巻く問題がますます複雑化する中、当社は、まだ見ぬ価値を生み出す挑戦に果敢に投資し、その成長にコミットすることにより、新たな成長への循環をつくりだし、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 ②当社のミッション(使命)「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」 当社は設立以来、様々な革新的製品やサービスを生み出す起業家を支援してきました。世の中に必要とされる新事業の創造にコミットすることで、ステークホルダーの皆様とともに新しい時代を切り開くことが当社のミッションです。当社はパーパスの実現を目指す中で、設立時から変わらぬ想いをミッションに掲げ、取り組んでまいります。 ③バリュー(行動指針)・「当事者たる覚悟でやり抜く」 私たちにとっての未上場投資は、投資先企業・ファンド出資者・株主との共同事業です。その使命を担いつつ、人生を懸けた事業創造・成長に挑む起業家・経営者と向き合うには、誰よりも強い覚悟と意志を持った当事者であるべきと考えています。何事も主体的に、自らの想いを原動力としながら、いかなる挑戦・困難に対しても責任を持ち、諦めず最後までやり抜きます。・「より早く、より深く、より高みへ」 世の中が急速に変化する中、常に高い成果を出し続けるためには、自らに限界を作らず成長し続けることが重要です。 常に先を読んで動きつつも、物事の本質を捉えて徹底的に考え尽くすことで、より高みを目指して自らを追求し続けます。・「多様な強みで共創を」 今よりも大きな価値や、全く新しい価値を生み出すためには、社内・社外のさまざまな強みを掛け合わせることが必要不可欠です。 異なる経験・価値観・知恵を持つメンバーを尊重し、互いの力を引き出し、発揮し合うことで、次なる成功を共に実現する強い組織を創っていきます。・「開拓者たれ、真摯であれ」 日本でベンチャーキャピタルの知名度がまだ低かった時代から、私たちは世の中の荒波に何度も揉まれながらも、開拓者たる想いで独自のスタイルを築いてきました。私たちはこれからも強い開拓の意志を持ちながら、正々堂々と真摯に、これまでと変わらずに新たな市場を切り拓く思いで挑戦し続けます。 多様なバックグラウンドを持つ社員が増加する中、行動指針としてのバリューを全社員の共通認識とし、組織をより強くしてまいります。 ④パーパス/ミッション実現に向けた方針と戦略 当社は、ファンドを通じたベンチャー投資とバイアウト投資によりパーパス/ミッションの実現を図ります。 この際、起業家やファンド出資者に対するコミットメントをより明確にするべく、設立以来培ってきた組織力に加え、個人を主体としたパートナーシップモデルを導入することで、競争力を高めていきます。 また、当社の事業の本質はESG投資の考え方に強く合致するものであり、社会課題を解決する有望企業の発掘、投資後の対話を通じた成長支援、そしてEXITに至るまでの過程にESGの観点を取り入れていきます。投資先の事業成長を通じてサステナビリティの実現に貢献し、当社の競争力と企業価値を高めていきます。 さらに、パーパス/ミッションの実現に向け、当社は下記の取り組みを進めています。・厳選集中投資と経営関与 新事業を創造するために、ポテンシャルの高い投資対象を絞り込み、大胆に投資を行います。投資先企業に対し影響力のあるシェアを確保し、投資先の経営に深く関与することで、企業の成長を促進します。・ファンドパフォーマンスの持続的向上とリスクマネー供給の拡大 十分な投資資金を獲得するには、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させ、安定的にファンドの外部出資者を確保することが不可欠です。投資先企業の成長を通じて得たリターンを、ファンド出資者・株主と分かちあい、新ファンドの募集に繋げることで、リスクマネーの循環・拡大をもたらします。・「CO-FOUNDER」としてのジャフコ 事業の立ち上げ局面では、投資家である以上に「CO-FOUNDER≒共同創業者」であることが求められます。当社が設立来獲得してきた精神や知識、経験を継承・発展させ、当社及び個々の従業員が「CO-FOUNDER」として活躍できる組織を目指します。 (2)会社の対処すべき課題 当社の現在の対処すべき課題は以下のとおりです。① 厳選集中投資の更なる進化と投資先の企業価値向上に向けた取り組み強化② 投資パフォーマンス(投資倍率)の向上③ ファンド募集力の向上④ 多様な人材の採用と育成⑤ 強固な財務基盤の一定維持 当社は下記の「企業価値向上の基本方針」における中長期的目標の達成に向けた取り組みを通じて、これらの課題に対応していきます。 ●企業価値向上の基本方針 当社は、株主の皆様の利益拡大に繋がる企業価値向上を目指し、成長戦略の推進と、純資産の圧縮による資本効率の向上を進めることを基本方針とします。 1)成長戦略の推進 投資運用力とファンド募集力が当社の利益の拡大の両輪であり、これらの活動を組織基盤が下支えします。(投資運用力の向上) 当社は2010年以降、厳選集中投資と経営関与を投資方針に掲げ、有望な投資先を早期に発掘し、投資後の成長に能動的に働きかけることで、キャピタルゲインの最大化とファンドパフォーマンスの向上を図ってきました。 今後、投資運用力の更なる向上を目指し、投資の各プロセスにおける厳選集中投資と経営関与への取り組みを次のようにいっそう進化させます。・投 資:成長ポテンシャルの高い企業を早期に開拓し、リード投資家として投資実行・成長支援:投資後の事業開発や体制整備での深い関与、様々な経営資源を投下して投資先の成長角度を向上・EXIT:深い経営関与を通じて企業価値を最大化するIPOや発展的なM&Aを実現(ファンド募集力の強化(外部出資の拡大)) 安定したファンドパフォーマンスに加え、規律と透明性の高い運用と、投資家のニーズに応じた情報提供を行います。これにより、既存の投資家からの継続出資を受けるとともに、ファンドの社会的・経済的意義に共感する新規投資家層を獲得し、外部出資額を増やします。(組織基盤の強化) 継続的な新卒採用・知見伝承と、専門領域におけるスペシャリスト採用を併用した当社独自の採用・育成モデルで、投資運用力の根幹であるキャピタリストを生み出し続けます。 同時に、投資プロセスを一気通貫で支える組織体制をさらに強化し、個人に過度に依存しない投資運用力の持続的な向上に取り組みます。 2)資本効率の向上 今後は、新設ファンドサイズを対象マーケットに合わせて段階的に拡大させる一方で、当社の出資比率は段階的に低減させ、中長期的には、新規ファンドへの当社出資比率を20%とすることを目標とします。 これにより、必要資金を一定額に抑え、営業投資有価証券残高を維持しながら、高い水準のキャピタルゲインを得ることを目指します。投資運用会社として安定的に運用報酬を得るとともに、高い収益性を継続的に上げることができる、独自の投資運用業の姿を追求していきます。そして、当社の株主還元の方針に基づいた施策の実施とあわせて資本効率の向上を図ります(当社の株主還元の方針は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載した「株主還元についての方針」をご参照ください)。 3)中長期的目標 前述の「企業価値向上の基本方針」で当社の中長期的目標として掲げた主要な指標は以下の図のとおりです。このうち、投資パフォーマンス(ROI)については、2025年4月に事業ポートフォリオを見直し、国内投資に集中することを決定したことを機に、「2.5倍以上」から「3倍以上」に更新しました。また、株主還元を強化し、DOE(前期末株主資本に対する年間配当金額の割合)6%または配当性向50%のいずれか大きい方を配当することにしました。これらの指標達成に向けて引き続き取り組むことで、資本コストや株価を意識した経営を行っていきます。 |
経営者による財政状態の説明
| 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。 (1)連結経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高29,685百万円(前期24,443百万円、増減率21.4%)、営業利益12,520百万円(前期8,175百万円、増減率53.1%)、経常利益13,205百万円(前期8,822百万円、増減率49.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益9,576百万円(前期7,494百万円、増減率27.8%)となりました。 当連結会計年度における当社グループの投資先の新規IPOは8社(国内8社、海外なし)であり、新規IPOによる株式売却等により、キャピタルゲインは対前期比で大幅に増加しました。なお、新規IPO8社のうち、ベンチャー投資によるものは6社、バイアウト投資によるものは2社でした。 SV4シリーズ、JAFCO Asia Technology Fund Ⅵ L.P.のEXIT進捗により成功報酬も対前期比で増加いたしました。 また、2024年8月に当社と野村アセットマネジメント株式会社との共同開発で、当社ファンドを組み入れた投資信託の提供を開始したことに伴い、当該投資信託へ当社の保有する持分の譲渡を行いました。 当社グループはファンド運用事業の単一セグメントであります。 ②キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは10,442百万円のキャッシュインフロー(前期9,570百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に営業投資有価証券の売却収入によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは134百万円のキャッシュインフロー(前期100百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に他社ファンドの分配収入によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは5,447百万円のキャッシュアウトフロー(前期6,836百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に配当金の支払によるものであります。 これらの結果、現金及び現金同等物は4,880百万円増加し、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は72,486百万円(前期末67,606百万円)となりました。そのうち6,160百万円(前期末8,241百万円)はファンド出資持分であります。また、当社グループが管理運営するファンドに対して当社グループが出資金として今後支払を約束している金額は、当連結会計年度末で21,038百万円(前期末34,298百万円)であります。 (2)生産、受注及び販売の実績 営業投資活動の状況 当社グループは、下図のとおり、原則としてファンド(下図①)の資金により、国内外の有望未上場企業等への投資を行っております。 当社グループは、ファンドから契約に基づいて管理運営に対する管理報酬と投資成果に対する成功報酬を受領しております。また、ファンドにおける営業投資有価証券の売却損益等は、ファンドの出資持分に応じて、当社グループに直接帰属いたします。 連結貸借対照表の営業投資有価証券残高は、ファンドの当社グループ出資持分(下図②)に応じた営業投資有価証券残高と当社グループ(下図③)の営業投資有価証券残高の合計額であります。 次ページ以降の「投資実行額」「投資残高」につきましては、当社グループの営業投資活動(投資及びファンドの管理運営)を表すため、ファンド(下図①)と当社グループ(下図③)を合算した投資活動の状況を記載しております。 (注)用語説明名 称定 義ファンド当社グループが管理運営するファンド(投資事業有限責任組合契約に関する法律上の組合、外国の法制上のリミテッドパートナーシップ等)当社グループ当社及び連結子会社 ①投資実行額①-1 エクイティ投資実行額:業種別(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日) 金 額金 額エレクトロニクス3,722689ソフトウェア1,0334,362ITサービス18,53023,811医療・バイオ2,4421,822サービス3,4086,800製造業9121,570流通・小売・外食459-住宅・金融180322合計30,69039,378 ①-2 エクイティ投資実行額:地域別(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額社数金額社数日本ベンチャー投資16,8054217,02344バイアウト投資5,767310,9918小計22,5734528,01452米国4,046147,28313アジア4,070104,08010合計30,6906939,37875(注)1.「投資実行額」は、当社が運用するファンド全体の金額であります。2.外貨建の「投資実行額」については、四半期連結会計期間ごとにそれぞれの四半期末為替レートで換算した額を合計しております。3.日本の投資部門が担当する海外投資先は日本に含めております。 ②投資残高②-1 投資残高(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)金 額社 数金 額社 数上場7,5773310,06134未上場234,290274249,487288合計241,867307259,549322 ②-2 未上場エクイティ投資残高:業種別(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日) 金 額金 額エレクトロニクス12,4589,524ソフトウェア11,65315,717ITサービス154,579161,269医療・バイオ11,08211,992サービス16,29921,201製造業15,49516,787流通・小売・外食9,4979,491住宅・金融等3,2243,503合計234,290249,487 ②-3 未上場エクイティ投資残高:地域別(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日) 金 額金 額日本ベンチャー投資101,801104,632バイアウト投資31,99839,000小計133,800143,633米国68,79372,391アジア31,69633,462合計234,290249,487(注)1.「投資残高」は、当社が運用するファンド全体の金額であります。2.「投資残高」は取得原価で表示しております。3.外貨建の「投資残高」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。4.日本の投資部門が担当する海外投資先は日本に含めております。③ファンドの運用状況 当連結会計年度において、新規に設立し募集を開始したファンド、及び前期以前に設立し募集活動を継続中のファンドはありません。 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)ファンド数コミットメント総額ファンド数コミットメント総額円建 (百万円) (百万円)運用中11252,80011252,800延長中560,000560,000小計16312,80016312,800米ドル建 (千米ドル) (千米ドル)運用中5660,2845660,284延長中3192,5002162,500小計8852,7847822,784台湾ドル建 (百万台湾ドル) (百万台湾ドル)運用中25,00625,006小計25,00625,006 合計 (百万円) (百万円)運用中18376,50218374,102延長中889,146784,297合計26465,64825458,399 コミットメント総額に占める当社グループの出資持分割合35.6%34.5%(注)1.「コミットメント総額」は、契約上出資が約束されている額の総額であります。2.合計欄における外貨建「コミットメント総額」は、各連結会計年度末為替レートで換算しております。 ④投資先会社IPO(新規上場)の状況前連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日) 投資先会社名上場年月日上場市場事業内容本 社所在地(国内)ベンチャー投資:4社クオリプス㈱2023年6月27日グロースヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの開発・事業化東京都マーソ㈱2023年12月21日グロース人間ドックのインターネット予約サイト「MRSO」の運営東京都㈱VRAIN Solution2024年2月22日グロース製造業向け AIサービスの提供東京都㈱JSH2024年3月26日グロース在宅医療事業及び地方創生事業東京都(国内)バイアウト投資:2社㈱AVILEN2023年9月27日グロースAI開発受託・導入コンサルティング、ディープラーニング関連ツール及びAI人材育成サービスの開発・販売東京都㈱ナルネットコミュニケーションズ2023年12月25日グロース自動車のメンテナンス管理・自動車のリース・残価保証・車両買取愛知県(海外)ベンチャー投資:1社Roadzen Inc.2023年9月21日NASDAQ自動車保険会社業務を効率化/自動化するAI技術を活用したサービスの開発・提供米国 当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日) 投資先会社名上場年月日上場市場事業内容本 社所在地(国内)ベンチャー投資:6社㈱アストロスケールホールディングス2024年6月5日グローススペースデブリの除去を中心とした、宇宙空間での軌道上サービスの提供東京都Chordia Therapeutics㈱2024年6月14日グロース新規抗がん剤の研究開発神奈川県㈱タイミー2024年7月26日グローススキマバイトのマッチングサービスの運営東京都㈱オルツ2024年10月11日グロースパーソナル人工知能「P.A.I.」の開発、AI議事録等Saasツールの開発・提供東京都dely㈱2024年12月19日グロース「クラシル」、「クラシルリワード」をはじめとする複数のスマートフォンアプリ及びWebメディアの運営東京都㈱Synspective2024年12月19日グロース小型SAR衛星開発製造及び衛星データソリューション提供東京都(国内)バイアウト投資:2社インフォメティス㈱2024年12月9日グロース機械学習(AI:人工知能)を活用したエネルギー・データ・マネジメント・サービス東京都プログレス・テクノロジーズ グループ㈱2025年3月28日グロース設計開発に特化したコンサル・ソリューション・プロジェクトサービス・エンジニアリングサービスなどのワンストップサービスの展開東京都(注)海外企業の本社所在地は、主たる営業地域又は実質的な本社所在地を基準に記載しております。(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える仮定や見積りを必要とします。 これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。 当社の連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ②当年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績 「(1)連結経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、当年度の当社グループの売上高は29,685百万円(前期比21.4%増)、営業利益は12,520百万円(前期比53.1%増)となりました。営業外収益は、受取配当金の増加等により、962百万円(前期比30.3%増)となりました。また、営業外費用は、為替差損の発生等により、278百万円(前期比202.3%増)となりました。この結果、経常利益は13,205百万円(前期比49.7%増)となりました。前年度同様、特別利益及び特別損失の計上はありませんでした。税効果会計適用後の法人税等は3,628百万円(前期比173.3%増)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は9,576百万円(前期比27.8%増)となりました。 b.財政状態 当連結会計年度末における当社グループの財政状態は、流動資産165,355百万円(前期比3.0%増)、固定資産4,615百万円(前期比8.6%減)、流動負債7,520百万円(前期比14.5%増)、固定負債21,323百万円(前期比0.0%減)、純資産は141,126百万円(前期比2.5%増)となり、総資産は169,970百万円(前期比2.7%増)となりました。 流動資産については、現金及び預金が主に営業投資有価証券の売却収入により前年度から4,880百万円、営業投資有価証券は投資先の新規IPO等の影響により前年度から926百万円増加しています。固定資産については、投資有価証券が主に評価差額の減少により前年度から203百万円減少しています。流動負債については、未払法人税等が前年度から1,995百万円増加し、固定負債については、繰延税金負債が前年度から84百万円減少しております。 c.キャッシュ・フローの状況 「(1)連結経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。 d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの経営成績等に特に重要な影響を与える要因である、投資実行、キャピタルゲイン、投資損失引当金、営業投資有価証券の残高、ファンドの管理運営業務の各状況に関する認識及び分析・検討は次のとおりです。(投資実行の状況) 「(2)生産、受注及び販売の実績 ①投資実行額」に記載のとおり、当連結会計年度の当社が運用するファンド全体の投資実行額は、39,378百万円(前期30,690百万円)、投資会社数は75社(前期69社)となりました。年間投資実行額は350~400億円前後の水準としていますが、国内バイアウト投資等における投資実行のタイミングのずれによる影響等により、当連結会計年度は前期比で投資実行額が増加しました。 (キャピタルゲインの状況) 当連結会計年度における当社グループの投資先の新規IPOは8社(国内8社、海外なし)であり、新規IPOによる株式売却や未上場株式の売却により、キャピタルゲインは対前期比で大幅に増加しました。なお、新規IPO8社のうち、ベンチャー投資によるものは6社、バイアウト投資によるものは2社でした。 高水準のファンドパフォーマンスを長期にわたって継続していくことが、当社の経営における最大のテーマです。今後もIPOの数にこだわることなく、大きなキャピタルゲインを伴うIPOやM&A等のEXITを追求していきます。各年度の業績は、大型のEXITの実現数により大きく変動するものの、運用中の各ファンドのパフォーマンスを継続的に高めていくことが、当社の長期的な好業績につながっていきます。(単位:百万円) 前連結会計年度(A)(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(B)(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)対前期比(%)(B)/(A)金 額金 額営業投資有価証券売上高①19,01323,790125.1 売却高18,89023,444124.1 配当金・債券利子123345280.8営業投資有価証券売上原価②11,07611,087100.1 売却原価10,04111,087110.4 強制評価損1,034-- キャピタルゲイン①-②7,93712,703160.0投資倍率①÷②1.722.15- 上場キャピタルゲイン6,0109,556159.0上場以外キャピタルゲイン1,9273,146163.2 売却益5,0634,59590.8売却損3,1361,44846.2 (投資損失引当金の状況) 当連結会計年度においては、投資損失引当金の取崩が繰入を上回り、投資損失引当金残高は減少しております。未上場営業投資有価証券残高に対する引当率は前期末と同水準です。(単位:百万円) 前連結会計年度(A)(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(B)(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)対前期比(%)(B)/(A)金 額金 額投資損失引当金繰入額①2,7842,70797.3投資損失引当金取崩額②3,5602,99184.0投資損失引当金繰入額(純額・△は戻入額)①-②△775△283- (単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)金 額金 額投資損失引当金残高13,75413,468未上場営業投資有価証券残高に対する引当率16.0%16.0% (営業投資有価証券残高の状況) 投資先の新規IPO等の影響により営業投資有価証券の残高は増加しており、上場した投資先の含み益は16,835百万円(前期末15,698百万円)となっております。(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)金 額金 額上場営業投資有価証券の取得原価と時価の差額15,69816,835 時価が取得原価を超えるもの15,87117,004 時価が取得原価を超えないもの△172△169 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金 額金 額部分純資産直入法に基づく営業投資有価証券評価損(△戻入益)△13△2 営業投資有価証券残高(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)取得原価連結貸借対照表計上額取得原価連結貸借対照表計上額上場2,47318,1723,77920,615未上場77,44585,74877,40284,232合計79,919103,92181,181104,847 (ファンドの管理運営業務の状況) SV4シリーズ、JAFCO Asia Technology Fund Ⅵ L.P.のEXIT進捗等により、成功報酬は対前期比で増加しました。(単位:百万円) 前連結会計年度(A)(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(B)(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)対前期比(%)(B)/(A)金 額金 額投資事業組合管理収入5,4255,885108.5 管理報酬4,8374,25988.0 成功報酬5871,626277.0(注)管理報酬及び成功報酬は、当社グループの出資持分相当額を相殺した後の金額となっております。 e.当社グループの資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資金需要のうち主なものはファンドへの投資資金、販売費及び一般管理費等であり、販売費及び一般管理費等の主なものは、人件費及び不動産費等であります。ファンドの運用資産の大半は未上場企業であり、時価もなく流動性が極めて限定されます。従って、どのような環境にあっても、継続して投資を行うために強固な財務基盤が求められます。 当連結会計年度の純資産額は141,126百万円(前期末137,639百万円)、自己資本比率については83.0%(前期末83.1%)となりました。連結貸借対照表に計上されている72,486百万円の現金及び預金の中には、各ファンドに当社が既に出資した分も含まれています。 なお、当社は、後述の「株主還元についての方針」に基づき、投資継続のための必要資金を将来にわたり段階的に縮小させ、必要資金を超える現預金については自己株式の取得を検討することとしております。当連結会計年度は、EXITが順調に進捗し、現預金が増加したため、2025年4月より、最大50億円の自己株式を取得することといたしました。 株主還元についての方針 当社は、2022年12月に公表した「企業価値向上の基本方針」において、配当の基本方針や必要資金に対する考え方を明確にしました。 上記方針に基づき、当事業年度の年間配当金額は、DOE(当期首期末平均株主資本に対する年間配当金額の割合)3%と配当性向50%のいずれか大きい金額としております。加えて、当社は当事業年度よりDOE(前期末株主資本に対する年間配当金額の割合)1.5%を基準とした中間配当を開始することといたしました。 なお、翌事業年度以降の年間配当金額につきましては、上記配当方針を見直し、DOEに用いる株主資本の算定基準を「期首期末平均」から「前期末」に変更した上で、DOE(前期末株主資本に対する年間配当金額の割合)6%と配当性向50%のいずれか大きい金額とする方針といたしました。中間配当につきましても、DOE(前期末株主資本に対する年間配当金額の割合)3%を基準といたします。 また、上記「企業価値向上の基本方針」では、必要資金を超える現預金については、自己株式の取得を検討することとしており、この方針に変更はありません。 f.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループにおける最大の経営テーマは、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させることです。当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであり、収益の源泉はファンドからの管理収入(管理報酬・成功報酬)とファンドへの直接出資持分からのキャピタルゲインであることから、運用中の各ファンドのパフォーマンスを高めていくことが、中長期的な好業績の継続につながっていきます。 なお、当社の中長期的目標として掲げた指標は、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)会社の対処すべき課題 3)中長期的目標」に記載のとおりです。 (ご参考)運用中(延長中を含む)の主な国内ファンドのパフォーマンスは次のとおりです。ファンド設立年月出資金総額(億円)払込済出資金額(億円)分配金累計額(億円)純資産額(億円)グロス倍率(倍)ネット倍率(倍)2025年3月末2024年3月末2025年3月末2024年3月末2025年3月末SV-4(B)2013年3月291291537392.252.381.871.98SV-5(B)2016年8月4984731773091.071.180.931.03SV-62019年6月6406142575281.281.451.141.28V72022年6月560335-2961.011.000.900.89BO72022年6月288182-1681.011.020.920.93(注)1.グロス倍率とネット倍率の算出方法は次のとおりです。グロス倍率(売却金額(未売却投資先の評価金額を含む)÷投資金額)ネット倍率((分配金累計額+純資産額)÷払込済出資金額)2.純資産額において、未売却投資先の評価については、上場株式は期末日の時価で評価しており、外貨建の上場株式は期末日の為替レートで換算しております。未上場投資先については、時価算定会計基準の適用に伴い、新株予約権付社債、新株予約権等の株式以外の投資等は時価で評価し、未上場株式は、マークアップ(未実現評価益の計上)せず、マークダウン(未実現評価損の計上)のみを行っています。なお、外貨建の未上場株式についても期末日の為替レートで換算しております。 g.セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであります。 |
※本記事は「ジャフコ グループ株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)


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