| 会社名 | 長瀬産業株式会社 |
| 業種 | 卸売業 |
| 従業員数 | 連7484名 単948名 |
| 従業員平均年齢 | 41.3歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 14.8年 |
| 平均年収 | 11365000円 |
| 1株当たりの純資産 | 3679.09円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 230.39円 |
| 決算時期 | 3月 |
| 配当金 | 90円 |
| 配当性向 | 70% |
| 株価収益率(PER) | 11.5倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 6.4% |
| 営業活動によるCF | 363億円 |
| 投資活動によるCF | ▲116億円 |
| 財務活動によるCF | ▲182億円 |
| 研究開発費※1 | 18.81億円 |
| 設備投資額※1 | 39.87億円 |
| 販売費および一般管理費※1 | 478.78億円 |
| 株主資本比率※2 | 32.1% |
| 有利子負債残高(連結)※3 | 1552.64億円 |
経営方針
| 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)基本理念 当社グループ(以下、NAGASE)は、グループ共通の価値観として、経営理念、ビジョン、ありたい姿を制定しています。また、理念体系すべてに共通する考え方としてサステナビリティ基本方針を策定しています。 なお、NAGASEは、2032年(創業200年)の「ありたい姿」“温もりある未来を創造するビジネスデザイナー”の実現のため、マテリアリティ(重要課題)を下記のとおり特定しております。ACE 2.0策定時にマテリアリティを特定していましたが、外部環境の変化等を踏まえて2024年9月に課題を再整理し、サステナビリティ推進委員会での議論を経て、マテリアリティの一部見直しを行いました。 その結果、従来からあった「従業員エンゲージメントの向上」「脱炭素社会への貢献」「透明性の高いコーポレート・ガバナンス」に加え、NAGASEが重要な課題として認識すべき新たなマテリアリティとして「健康寿命延伸への貢献」「サプライチェーンの持続性への貢献」「資源循環社会への貢献」を追加し、6つに見直しました。 今後も外部環境の変化等を踏まえ、マテリアリティの更新・見直しを実施してまいります。 (2)中期経営計画 ACE 2.0 NAGASEは、2032年(創業200年)の「ありたい姿」からバックキャスティングし、特定したマテリアリティを解決するために5ヶ年の中期経営計画 ACE 2.0を策定しました。ACE 2.0の位置づけを“質の追求”と掲げ2021年4月から始動しており、ACE 2.0に掲げる事項を対処すべき課題と捉えております。※“ACE”は、Accountability(主体性)、Commitment(必達)、Efficiency(効率性)を表します。 ACE 2.0の定量目標および実績ACE 2.0の定量目標および実績は、下表のとおりです。 2024年度は、営業利益、ROEともに前期を上回りました。電子・エネルギーセグメントおよび機能素材セグメントで展開している半導体関連ビジネスは、好調に推移しました。特に、ナガセケムテックス㈱のAIサーバー向け先端半導体用途の変性エポキシ樹脂の販売が好調で、需要の高まりに応じた生産能力増強も進めました。機能素材セグメントで展開するカラーフォーマー事業では、米国SOFIX LLCでの事業撤退に加え、日本の製造拠点である福井山田化学工業㈱の不採算取引の見直しや効率化を進めたことにより、黒字転換しました。また、福井山田化学工業㈱は技術の融合による開発力の強化や生産の効率化、拠点戦略の一環であるBCP対応の推進、拠点間の人財の流動化による人財育成の効率化を目的として、ナガセヴィータ㈱の機能性色素事業と共にナガセケムテックス㈱に2025年4月1日付で統合しました。NAGASEグループ内のケミカルのリソースをナガセケムテックス㈱に結集することで経営資源の利活用の最大化および効率化を図ってまいります。生活関連セグメントは、Prinovaグループにおける食品素材の販売が堅調に推移しましたが、スポーツニュートリションの受託製造が低調であったこと、またナガセヴィータ㈱では中国市場での香粧品素材の需要減少の影響を受け、低調に推移しました。 以上の結果、営業利益は390億円と前期比128%、ROEも6.4%と前期を上回りました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の増加に加え、2024年5月に決定した株主還元方針の変更(2025年度までの2年間限定で総還元性向100%を実施)により、資本効率性が向上したことも要因の一つです。 また、ACE 2.0の最終年度に向け2024年度は、将来の成長に向けた重要な投資・施策を進める1年となりました。 製造機能については、注力領域であるフード、半導体、ライフサイエンス分野において、成長に向けた取り組みが進みました。フード分野ではPrinovaグループの経営体制を再編し、特に製造業における収益性の改善に向けた立て直しに向け体制を整えました。半導体分野では、ナガセケムテックス㈱の需要拡大に対応した変性エポキシ樹脂の生産能力増強や、米国SACHEM,Inc(以下、Sachem社)のアジア事業の取得決定、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(以下、TMAH)の回収・再生事業の拡大に向け新工場を新設いたしました。ライフサイエンス分野では、旭化成ファーマ㈱の診断薬事業等の買収を決定しました。 商社機能においては、ROIC経営の深化を図り、低利益率の取引の採算是正や、在庫水準の適正化を通じて収益性向上に取り組みました。こうした取り組みは国内外の拠点においても着実に進展しており、2024年度のROICは4.4%と前期から0.4ppt改善しました。 中期経営計画ACE 2.0の最終年度である2025年度は定量目標に掲げるROEおよび営業利益の達成、さらに2026年度以降の持続的な成長に向けた取り組みを推進してまいります。 ACE 2.0基本方針 ACE 2.0では、NAGASEの持続的な成長を可能にするため、すべてのステークホルダーが期待する“想い”を具体的な“形”(事業・仕組み・風土)として創出し、“温もりある未来を創造するビジネスデザイナー”を目指し、「収益構造の変革」と「企業風土の変革」の2つの変革と、両変革を支える機能として、DXのさらなる加速、サステナビリティの推進およびコーポレート機能の強化を図ります。 収益構造の変革‐“ありたい姿”に向けた収益基盤の構築 経営資源の最大効率化を図るために、経営資源の確保と再投下を実行しております。効率性および成長性の観点から、事業を「基盤」、「注力」、「育成」、「改善」の4つの領域に分類し、各領域に応じて戦略を実行し、さらにリソースシフトを加速しております。 なおNAGASEは商社機能に加え、製造機能および研究開発機能を有しております。従来、4象限については事業軸で分類しておりましたが、2023年度において、今後の成長をより確実なものとするために事業ポートフォリオを機能軸で再整理し、各領域における重点分野を明確化しております。 (事業ポートフォリオの考え方) [取組み状況](基盤領域) 商社機能および特定分野以外の製造機能を事業ポートフォリオにおける基盤領域と定義しています。商社機能は、グローバルネットワークとNAGASEの人財が有する情報の目利き力を活かし、社会および顧客課題の探索とソリューションのマッチングを担います。この取り組みを通して獲得したキャッシュと良質な情報を注力・育成領域の事業展開に活かし、将来の新規事業・新規素材の創出に欠かせない機能を果たしています。 各事業において、ROIC経営をさらに深め、利益率の向上と在庫の削減に注力しました。具体的には、採算性が相対的に低い取引について是正を行い、条件が整わない場合には商権返上も選択の一つとして、収益性の向上に努めました。また、在庫の保有水準を適正化することで、運転資本の効率化も図りました。こうした取り組みは、国内外を問わず全拠点で展開しており、成果が現れています。 フード分野では、ブラジルの食品素材の卸売・製造販売を手がけるApliquimica Aplicacoes Quimicas Especiais Ltda(以下、Aplinova社)を買収しました(2025年4月)。Aplinova社は、プレミックスやフレーバー、着色料などの販売および加工を行っており、ブラジル国内において1,000社を超える食品メーカーとの取引実績を有します。今回の買収を通じて、南米市場での展開を本格化させるとともに、Prinovaグループが取り扱うアミノ酸、甘味料、ビタミンなどの販売拡大を図ってまいります。 (注力領域) Prinovaグループを中心としたフード分野、ナガセケムテックス㈱を中心とした半導体分野、ナガセヴィータ㈱を中心としたライフサイエンス分野における製造機能を注力領域と定義しています。 フード分野では、PrinovaグループのCEOを新たに任命し、経営体制を再編しました。商社業ではグローバルな顧客基盤と提案力による更なる拡大を、製造業では収益性の改善に向けた立て直しを進め、グループ全体の持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。 半導体分野では、ナガセケムテックス㈱においてAIサーバー向け先端半導体用途の変性エポキシ樹脂の販売が好調に推移しました。需要の高まりに対応するため生産能力を増強し、2025年度には更なる拡張を予定しています。また、米国Sachem社のアジア事業の取得を決定しました。半導体向け高純度ケミカルの製造・販売機能を当社グループに統合してまいります。加えて、半導体製造工程で使用される薬液であるTMAHの回収・再生事業にも取り組んでおり、新工場を開設しました。2025年度中の量産開始を目指しています。 ライフサイエンス分野においては、旭化成ファーマ㈱の診断薬事業等の買収を決定し、2025年7月1日付でのグループ化を予定しています。本件は、注力領域であるライフサイエンス分野における製造機能の強化に加え、育成領域である研究開発機能を活用したバイオ分野での事業拡大を目的としています。 (育成領域) 将来の収益の柱となるような新規素材の研究開発や、新規事業創出のためのインキュベーション、高い成長が見込まれるエリアにおける事業を育成領域と定義しています。 研究開発機能については、今年度バイオ由来で生分解性を持つ高吸水性ポリマーを活用した大人用紙おむつおよび尿ケア専用品の共同開発に向けて、株式会社リブドゥコーポレーションと契約を締結しました。2027年以降の製品化を目指し、サステナブルな衛生用品としての市場展開を視野に入れています。 また、新領域・新技術の情報・参入機会の獲得を目的として、2023年度にCVC(Corporate Venture Capital)の取組みを開始しましたが、よりスピード感ある意思決定や最適人材の獲得を目指し、投資事業に特化した独自制度を有する組織として100%子会社Nagase Future Investments㈱を2025年4月に設立しました。最先端の技術やナレッジを持つスタートアップへの投資を通じて、新たな事業の芽を取り込むための取り組みを加速してまいります。 加えて、今後のさらなる成長を期待する地域としてグローバルサウス(インド、ブラジル、メキシコ、インドネシア)を定義し、事業部門横断でのエリア戦略立案等、取組みを進めました。2025年5月までに、インドでは日本航空電子工業㈱と二輪・四輪車両向けコネクタの販売を目的とした合弁会社JAE ELECTRONICS INDIA PRIVATE LIMITEDを、また、メキシコでは㈱アテックスとxEV車向け電動化部品等を製造する合弁会社ATECS INSERT MOLDING MEXICO S.A. DE C.V.を設立しております。2026年以降の量産化に向けて生産体制を構築してまいります。 (改善領域) 営業損失の関係会社、不採算取引および将来の資産の減損損失が懸念される事業を改善領域と定義しています。 該当するカラーフォーマー事業について、米国SOFIX LLCでの事業撤退に加え、日本の製造拠点である福井山田化学工業㈱において効率化を進め黒字転換を果たしました。不採算取引については、採算性の是正を行い、条件が整わない場合には商権返上を行うなど、収益性の向上に努めました。 中期経営計画ACE 2.0の最終年度にあたる2025年度においては、損失10億円以下にすべく、不採算取引および減損損失の削減を進めます。 企業風土の変革‐“ありたい姿”に向けたマインドセット “質の追求”を実現するためには、経済価値と社会価値を両輪で追求していくことが必要と考え、財務情報に加え非財務情報のKPIを設定し、両KPI達成に向けモニタリングを行っています。また効率性の追求に向け、コア業務の生産性の改善を図り、また事業戦略によるROICの向上、財務戦略によるWACCの低減を行い、ROICスプレッドの改善を図ります。ROICがWACCを上回る状態を常態化させ、企業価値の向上を目指します。加えて、変革を推進する人財の強化が必要と考えており、社員と会社のエンゲージメントを向上させ、双方の持続的な成長と発展を実現します。 (効率性の追求)(エンゲージメントの向上) [取組み状況] 2024年度のROICは事業好調による親会社株主に帰属する当期純利益の増加等により4.4%と前期から0.4ppt上昇しました。 WACCは、金利上昇に伴う負債コストの上昇があったものの、総還元性向100%を実行し資本の積み上がりを抑制したことに加え、β値の低下などにより株主資本コストが低下したことにより前期と変わらず5.9%となりました。 資本効率性を向上させる取組みとして、2024年度は政策保有株式を2銘柄、32億円売却しました。また、各種施策を通じた収益性の向上を推し進めておりますが、ACE 2.0の定量目標であるROE8.0%以上の達成に向けては更なる資本効率性の向上が必要であるとの認識のもと、2024年5月に株主還元方針の変更を決定し、これまでの継続増配に加え、ACE 2.0の最終年度である2025年度までの2年間の限定措置として、総還元性向を100%とすることを決定いたしました。 なお、変更後の株主還元方針はACE 2.0終了時点で見直しを実施いたします。 (政策保有株式の売却方針および実績) (株主還元方針の変更)※ACE 2.0終了(2025年度)までの限定措置。ACE 2.0終了時点で見直しを行います。 変革を推進する人財の強化については、当社において、役割・職務の明確化と処遇連動性の確保、ダイナミックな人材配置・登用、多様な高度専門人材の確保・登用を目的とした人事制度改定を実施し、2024年4月1日より運用を開始しました。また、事業部毎にHRBP(HR Business Partner)を配置し中長期の事業戦略と連動した人事戦略を推進するための体制強化を進めています。その他、選択型研修の拡充を通じた学びの機会の創出や、D&I(Diversity&Inclusion)の推進を目的にした経営層や管理職向けワークショップ、育児・介護と仕事の両立支援の更なる拡充等を通じて風土変革を進めています。これらの取組みを通して、従業員エンゲージメント向上、そして社員と会社の持続的な成長と発展を推進してまいります。 変革を支える機能 両変革を実現するために、DX、サステナビリティおよびコーポレート機能はグループ横断的に必要な機能であり、これらの機能を拡充します。 DXを手段として活用することで、NAGASEの強みである「広域なネットワーク」、「技術知見」および「課題解決力・人財」をさらなる強みとし、顧客や社会の課題を解決できるビジネスモデルの深化・探索、イノベーションの創出および生産性の向上等を図ります。 またサステナビリティ基本方針を根幹に置き、「ありたい姿」の実現に向け、経済価値と社会価値の追求を実現すべく、グループ全体に機能を提供していきます。 [取組み状況] DXの更なる加速に関する2024年度の成果として、前年度に構築したデジタルマーケティング基盤は本格的な運用フェーズへと移行し、各事業部門において顧客接点の拡大に広く活用されました。 特定顧客専用のデジタル展示会の開催や、マーケティングオートメーションツールを用いた定期的な情報配信により、顧客ごとの閲覧状況を把握し、それに基づいた営業活動を行うことで、既存顧客との関係強化に加え、これまで接点のなかった新規顧客層へのアプローチにもつながっています。また、顧客ごとのアプローチ状況や案件進捗などの蓄積された情報が、新たな事業機会の創出にも貢献しています。 サステナビリティの推進に関しては、外部環境の変化等を踏まえ、2024年9月にマテリアリティの見直しを実施しました。事業を通じた社会課題解決をより意識し、「健康寿命延伸への貢献」、「サプライチェーンの持続性への貢献」、「資源循環社会への貢献」の3つを新たに追加し、従来からの「従業員エンゲージメント向上」、「脱炭素社会への貢献」、「透明性の高いコーポレート・ガバナンス」と合わせた計6つのマテリアリティとなりました。これらのマテリアリティのもと、「素材(マテリアル)を通じて課題を解決する企業」として、一層サステナビリティ推進に取り組んでまいります。 コーポレート機能の強化に関しては、業績・企業価値の向上、優秀人財の獲得・維持、アカウンタビリティの確保をより強化することを目的として、取締役の報酬限度額改定に関する議案が承認されることを条件とし、社内取締役及び執行役員の報酬制度を2025年度より改定します。新しい報酬制度の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」をご参照ください。 |
経営者による財政状態の説明
| 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、地政学リスクの高まり、主要国の金融政策の動向、中国経済の減速懸念に 加え、米国による新たな通商・関税政策などを背景に、不透明な状況が続きました。 当社グループがビジネスを展開する地域を概観すると、グレーターチャイナでは不動産市場における需給の調整 が長期化しており、景気回復の動きは依然として鈍い状況です。米州では物価は安定傾向にありますが、高金利が 続いており、景気の先行きには不透明感が残ります。アセアンでは堅調な内需とインバウンド需要に支えられ、景 気は底堅く推移しています。日本では企業業績や雇用は安定しているものの、物価上昇の影響により個人消費は慎 重であり、景気回復のペースは緩やかです。いずれの地域においても、米国の通商・関税政策が国際的な貿易秩序 やサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があることから、先行きは不透明な状況です。 このような状況の下、当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(%)売上高900,149944,96144,8115.0売上総利益164,719181,29116,57210.1営業利益30,61839,0788,45927.6経常利益30,59138,3827,79125.5税金等調整前当期純利益32,66538,1305,46516.7親会社株主に帰属する当期純利益22,40225,5213,11813.9・当連結会計年度の業績は、為替が円安に推移したこともあり、すべての段階損益において増益となりました。・営業利益は、売上総利益の増加に伴い、増益となりました。詳細は以下のセグメント別の業績をご覧くださ い。・親会社株主に帰属する当期純利益については、2020年度に撤退を決定した中国のガラス基板の薄型加工事業にか かる事業撤退損の計上や、投資有価証券評価損の計上等があったものの、営業利益が増加したこと等により、31 億円増加の255億円となりました。 セグメント別の業績および主な要因は、次のとおりであります。 当連結会計年度より、報告セグメントの業績をより適切に反映させるために、全社費用の配賦方法を変更しております。 機能素材 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(%)売上高146,804153,7466,9414.7売上総利益28,12332,5114,38815.6営業利益6,1589,2133,05449.6売上総利益は主に以下の理由により、増益・塗料原料の販売は自動車用・建築用ともに需要は横ばいだったが、市況の上昇により増加・半導体材料の原料販売が増加・カラーフォーマー事業は米国での事業撤退に加え、日本の製造拠点における不採算取引の見直しや効率化により損失削減営業利益は売上総利益の増加を受け、増益 加工材料 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(%)売上高198,543210,62712,0846.1売上総利益23,61426,1792,56510.9営業利益5,3136,6841,37025.8売上総利益は主に以下の理由により、増益・樹脂の販売はOA等の電機・電子業界向けの需要回復を受けて増加・東拓工業の工業用ホース・土木用パイプの販売が増加営業利益は売上総利益の増加を受け、増益 電子・エネルギー (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(%)売上高144,758161,31516,55711.4売上総利益34,22640,0505,82417.0営業利益8,85212,3023,45039.0売上総利益は主に以下の理由により、増益・ハイエンドのスマホ・タブレット等の電子機器向けの材料販売は需要回復を受け増加・半導体材料の販売は市況の緩やかな回復を受け増加・ナガセケムテックスの変性エポキシ樹脂の販売は、AIサーバー用半導体向けが好調に推移し、増加営業利益は売上総利益の増加を受け、増益 モビリティ (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(%)売上高132,117132,091△26△0.0売上総利益15,23516,5051,2708.3営業利益3,6144,23862417.3売上総利益は主に以下の理由により、増益・売上総利益の約半分を占める樹脂の販売は、数量の減少があったものの、円安や市況上昇等の影響により増加・内外装・電動化用途の機能素材・機能部品の販売が増加営業利益は売上総利益の増加を受け、増益 生活関連 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(%)売上高277,779287,0799,2993.3売上総利益63,43666,0992,6624.2営業利益8,0063,423△4,582△57.2売上総利益は主に以下の理由により、増益・中間体・医薬品原料の販売が増加・ナガセヴィータは香粧品素材の販売が海外向けの不調により減少したものの、食品素材の販売が好調に推移し全体として販売が増加・Prinovaグループは食品素材販売の増加に加え、市況が下落していた前連結会計年度と比べて売上総利益率が向上営業利益は、売上総利益の増加はあったものの、第2四半期連結会計期間に計上したPrinovaグループの貸倒引当金繰入額や人件費等の一般管理費の増加により、減益 その他 特記すべき事項はありません。 ② 財政状態の状況 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)流動資産(百万円)542,470560,12617,6553.3固定資産(百万円)249,865248,017△1,848△0.7総資産(百万円)792,336808,14315,8072.0負債(百万円)391,021401,68310,6622.7純資産(百万円)401,315406,4595,1441.3自己資本比率(%)49.749.4△0.3ポイント-・流動資産は、売上債権の減少はあったものの、棚卸資産の増加等により増加・固定資産は、有形固定資産の増加はあったものの、無形固定資産の減少および投資有価証券の売却による減少等 により減少・負債は、コマーシャル・ペーパーおよび短期借入金の返済による減少があったものの、長期借入金の新規借入お よび社債の新規発行による増加等により増加・純資産は、自己株式の取得および配当金の支払い等があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上お よび為替換算調整勘定の増加等により増加・以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.7%から49.4%へ0.3ポイント低下③ キャッシュ・フローの状況(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度営業活動によるキャッシュ・フロー72,95936,321投資活動によるキャッシュ・フロー△11,627△11,615財務活動によるキャッシュ・フロー△48,046△18,212・営業活動による資金の増加額は、運転資本の増加による資金の減少82億円および法人税等の支払額122億円があったものの、税金等調整前当期純利益381億円および減価償却費153億円の計上があったこと等によるもの・投資活動による資金の減少額は、投資有価証券の売却による収入33億円があったものの、有形固定資産の取得に よる支出125億円および無形固定資産の取得による支出26億円があったこと等によるもの・財務活動による資金の減少額は、長期借入れによる収入320億円および社債の発行による収入200億円があったも のの、コマーシャル・ペーパーの純減少175億円、自己株式の取得による支出170億円、社債の償還による支出 100億円および配当金の支払額95億円があったこと等によるもの ④ 販売の状況 「① 経営成績の状況」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照願います。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、資産、負債、収益、費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定を用いておりますが、見積り特有の不確実性があるため実際の結果は異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。・ 有形固定資産および無形固定資産の減損評価 当社は、のれんを含む有形・無形固定資産の価値が毀損していないかどうかを確認するために、各資産または資産グループの減損兆候の有無を調査した上で、割引前将来キャッシュ・フローに基づき減損損失の認識の判定を行っております。その結果、減損損失の認識が必要と判断された場合には、資産の帳簿価額のうち回収不能部分について減損損失を計上しております。 この減損損失の認識・測定に用いる将来キャッシュ・フローの基礎となる事業計画や使用価値の算定に用いる割引率等は、その性質上会計上の判断や仮定を伴うものでありますが、割引前将来キャッシュ・フローや回収可能価額の下落を引き起こすような事業環境の変化により見積りの見直しが必要になった場合には、追加的な減損損失が発生する可能性があります。 当連結会計年度においては、Nagase America LLC(以下、NAM)の生活関連セグメントに係るのれん及び無形資産について減損損失を計上しました。 NAMの事業のうち生活関連事業については、主に北米の化粧品メーカー向けに香粧品原料を販売しております。 NAMの生活関連事業を取り巻く足元の事業環境は、中国におけるプレミアム化粧品の需要減少に伴う、北米の化粧品メーカー向け香粧品原料の販売量の減少によって非常に厳しい事業環境にあります。このような事業環境の下、当連結会計年度末において生活関連事業に係る事業計画の見直しを実施した結果、将来キャッシュ・フローの見積りの総額が対象事業に係るのれん及び無形資産の帳簿価額を下回ったことから、当連結会計年度において減損損失を計上しております。なお、回収可能価額には使用価値(同社の最新の事業計画を基礎とし、将来の不確実性を加味して算定)を用いております。使用価値の算定における主要な仮定は事業計画における主要製品の販売数量、売上高成長率であります。 詳細については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記情報(連結損益計算書関係)」および「(セグメント情報等) 関連情報 報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報」をご参照ください。 ・ 繰延税金資産の回収可能性の判断繰延税金資産は、事業計画に基づき納税主体毎の将来の課税所得の見積りを行った上で、将来の税金支払額を軽減する効果が認められる範囲において計上しております。したがって、将来の課税所得が大きく減少するような事業環境の変化が生じた場合には、繰延税金資産を取崩し、当該期間の税金費用を増加させる可能性があります。 ・ 退職給付に係る負債および資産の測定当社グループの従業員に対する確定給付型退職給付制度について、退職給付債務と年金資産の差額を連結貸借対照表上退職給付に係る負債(または資産)に計上しております。退職給付債務は、簡便法を採用している場合を除き、退職率、死亡率、割引率等の基礎率を設定して算定しますが、特に割引率が重要な仮定であります。割引率は安全性の高い債券(一定格付以上の社債)の利回りを基礎として適宜見直しを行っております。なお、当連結会計年度末では1.6%(加重平均値)を設定しています。年金資産に係る主な仮定は長期期待運用収益率であり、現在および予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在および将来期待される長期の収益率を考慮して適宜見直しを行っております。なお、当連結会計年度末では2.0%を設定しております。この割引率を含む基礎率を見直した場合や、見積りと実績に差額が生じた場合は数理計算上の差異が発生し、主に発生時の翌連結会計年度に全額費用処理しております。従って、多額の数理計算上の差異が発生した場合には、将来の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記情報(退職給付関係)」をご参照ください。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、下記文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 A)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の経営成績等につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ①経営成績の状況 ②財政状態の状況 ③キャッシュ・フローの状況 ④販売の状況」をご参照ください。 事業ポートフォリオの観点では、成長ストーリーと各領域において注力する分野を明確にし、今後の成長をより確実なものとするために事業ポートフォリオを機能軸で整理しております。また、不採算取引の採算性の是正や、減損損失が懸念される事業の効率化を進め、収益性の向上を推し進めております。詳細につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中期経営計画 ACE 2.0」をご参照ください。 また、前年度から引き続き政策保有株式の売却を実施し、特別利益を計上しております。なお、ここから得られた資金は将来に向けた成長投資や株主還元等に効果的・効率的に活用し、収益力の向上を図ることに加え、資本効率性を高めることで、企業価値の向上を図ります。 B)当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因「3.事業等のリスク」をご参照ください。 C)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第3 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。 当社グループの資金需要は商品の仕入、製造費、販売費、研究開発などの一般管理費、設備投資、デジタルマーケティングなどへの新規成長投資、M&Aによる株式や営業権取得が主なものです。持続的成長の実現に向け、これらの資金需要に対応するための安定的かつ機動的な資金の確保は重要な戦略と考えています。 資本の財源としましては、営業活動によるキャッシュ・フローに加え、資金調達手段として金融機関からの借入の実施、社債ならびにコマーシャル・ペーパーの機動的な発行による資本市場からの調達など、多様化を図りながらバランスの良い調達を実施しております。 また、金融・資本市場における不測の事態や急な資金需要が発生した場合に備え、複数の金融機関と長期・短期のコミットメントライン契約を締結し流動性を確保しております。 当社グループの資金管理については日本国内における当社と国内子会社間においては日本円、中国国内の現地法人間においては人民元および米ドル、また米国と一部アジア地区およびメキシコにおける現地法人間においては米ドルのキャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、資金の効率化を図ることで、流動性確保と金融費用の削減に努めております。 本報告書提出時点における格付けについては、株式会社格付投資情報センター(R&I)から発行体格付と長期債格付ともに「A」(シングルAフラット)を、短期格付で「a-1」(aワン)を取得しており、また取引先金融機関とは良好な関係を維持しております。 現状の資金調達および資金繰りに問題はないと認識しておりますが、外部環境の変化により資金需要が高まる場合は、手元流動性を厚めに保有するなどの手段を講じる場合があります。 D)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について 中期経営計画 ACE 2.0における重要指標は以下のとおりです。施策指標目標2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度資本効率性の向上ROE8.0%5.9%7.7%6.6%5.9%6.4%収益力の拡大営業利益350億円219億円352億円333億円306億円390億円 ACE 2.0の基本方針、定量目標および実績、取り組み状況については、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中期経営計画 ACE 2.0」をご参照ください。 |
※本記事は「長瀬産業株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)



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