| 会社名 | ヒロセ電機株式会社 |
| 業種 | 電気機器 |
| 従業員数 | 連4878名 単1012名 |
| 従業員平均年齢 | 40.8歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 13.6年 |
| 平均年収 | 8084000円 |
| 1株当たりの純資産 | 3133.1円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 976.33円 |
| 決算時期 | 3月 |
| 配当金 | 490円 |
| 配当性向 | 99% |
| 株価収益率(PER) | 34.9倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 5.8% |
| 営業活動によるCF | 556億円 |
| 投資活動によるCF | ▲429億円 |
| 財務活動によるCF | ▲166億円 |
| 研究開発費※1 | 90.9億円 |
| 設備投資額※1 | 5.9億円 |
| 販売費および一般管理費※1 | 171.1億円 |
| 株主資本比率※2 | 80.8% |
| 有利子負債残高(連結)※3※4 | 0円 |
経営方針
| 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、コネクタ専業メーカーとして技術革新を推進するとともに多様化するニーズに適合した製品を開発・提供し、エレクトロニクス業界の発展に寄与してまいることを使命としております。そして、株主の皆様にとっての価値を長期継続的に高めていくことを経営上の最重要課題のひとつとして掲げ、お客様の更なる信頼を得られる電子部品メーカーとしての責任を果たすとともに強固な財務体質を維持し、成長し続けていくことを基本方針としております。(2) 目標とする経営指標当社グループは、経営の基本方針を具現化するべく、高収益にこだわりを持った経営及び事業展開を進めて参ります。目標とする経営指標としては、事業の総合的な収益性が反映されるIFRSベースの営業利益率および資本効率性が反映されるROEとしております。(3) 中長期的な会社の経営戦略今後の当社グループを取り巻く経営環境は、企業間競争がより激化するものと思われます。このような環境の中で当社グループは、常に最先端の技術を追求し、より効率的な資源の配分と集中化を図り、弛まぬ改善・革新に取り組み、情報化のさらなる進展、通信技術の高度化に伴って中長期的に一層の成長・拡大が予想される自動車分野、産業用機器分野、通信用機器分野及びスマートフォンや高度情報端末分野を重点に市場開拓を進め、併せてさらなる製品の安定供給を図るべく、効率性も考慮しながら国内外生産拠点のリスク分散化も行い、企業価値増大に取り組んでまいる所存であります。(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題市場の多様化、製品の短サイクル化による投資回収リスクの高まりや、原材料価格の引き上げ圧力の強まりなど、ますます厳しさを増す経営環境の中で、当社グループは市場ニーズに対応した高付加価値新製品の開発力強化、生産効率化の促進、品質のさらなる向上などコスト競争力を高めるとともに、グローバル化の更なる推進、国内外における販路の開拓等に努めてまいります。 |
経営者による財政状態の説明
| 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、好調なインバウンド需要や価格転嫁などの影響により、緩やかな回復基調で推移しましたが、円安やエネルギー・原材料価格の高止まり、インフレ懸念から依然として先行きが不透明な状況が続いております。海外におきましては、米国では個人消費が堅調に推移していましたが、年明け後弱含みに転じ、設備投資の不振により製造業の業況は悪化しました。欧州は牽引役となるドイツ経済が低調で回復の重しとなり、中国も依然、不動産市場など内需が低迷しており、景気の先行きは一層予断を許さない状況となっております。このような状況下当社グループは、主にスマートフォン市場向け、自動車市場向け及び産業用機器市場向けのグローバル事業拡大を進めると共に高度化する市場ニーズへの更なる迅速な対応を目指し、高付加価値新製品の開発・販売・生産体制の強化を推進して参りました。2024年3月に東北アドバンスト・テクノロジーセンター(岩手県盛岡市)、6月に新郡山工場(福島県郡山市)、12月にヒロセコリアの精密センター新棟が竣工しそれぞれ稼働しています。当連結会計年度の売上収益は、1,894億20百万円(前年同期比14.4%増)、営業利益は426億72百万円(同25.4%増)、税引前利益は462億18百万円(同19.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は330億33百万円(同24.7%増)となりました。 セグメントの業績を示すと、以下のとおりであります。(多極コネクタ)当社の主力製品群であります多極コネクタは、丸形コネクタ、角形コネクタ、リボンケーブル用コネクタ、プリント基板用コネクタ、FPC(フレキシブル基板)用コネクタ、ナイロンコネクタ等多品種にわたります。主としてスマートフォン、通信機器、カーエレクトロニクス等の分野から計測・制御機器、FA機器及び医療機器などの産業用機器等の分野まで幅広く使用されているコネクタであり、今後の更なる高度情報通信ネットワーク化社会及び環境を考慮した省エネ化社会の進展とともに需要の拡大が見込まれております。当連結会計年度は、売上収益は1,708億49百万円(前年同期比15.0%増)、営業利益は393億91百万円(同31.4%増)となりました。 (同軸コネクタ)同軸コネクタは、マイクロ波のような高周波信号を接続する特殊な高性能コネクタであり、主にスマートフォンやパソコンなどの無線LANやBluetooth通信のアンテナ接続や自動車でのGPSアンテナ接続として、また無線通信装置や電子計測器の高周波信号接続として使用されるコネクタであります。なお、光コネクタ、同軸スイッチもこの中に含んでおります。当連結会計年度は、売上収益は136億68百万円(前年同期比17.1%増)、営業利益は33億78百万円(同2.3%増)となりました。 (その他)以上のコネクタ製品以外の製品としてマイクロスイッチ類及びコネクタ用治工具類を一括しております。当連結会計年度は、売上収益は49億3百万円(前年同期比7.8%減)、営業損失は97百万円(前年同期は7億28百万円の営業利益)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(資金)は、前連結会計年度末と比べて46億75百万円減少して、856億66百万円となりました。 a.営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、556億82百万円の増加(前年同期は410億49百万円の増加)となりました。これは、税引前利益462億18百万円や減価償却費及び償却費179億41百万円の計上などによる資金増、法人所得税の支払額67億19百万円による資金減などによるものです。b.投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、429億47百万円の減少(前年同期は139億35百万円の減少)となりました。これは、投資の取得による支出278億46百万円、有形固定資産の取得による支出266億81百万円による資金減などによるものです。c.財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、166億71百万円の減少(前年同期は281億87百万円の減少)となりました。これは、配当金の支払額157億32百万円による資金減などによるものです。 ③ 財政状態の状況当連結会計年度末の総資産は、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ134億16百万円増加して4,168億66百万円となりました。負債は未払法人所得税の増加等により74億42百万円増加して467億19百万円となりました。また、資本合計は利益剰余金の増加、および自己株式の減少等により59億74百万円増加して3,701億47百万円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は88.8%となり、前連結会計年度末と比べ1.5%減少しました。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)多極コネクタ169,46126.1同軸コネクタ12,51524.8その他3,797△13.2合計185,77324.8(注)金額は、販売価格によっております。 b.受注状況当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)多極コネクタ171,33122.537,6181.3同軸コネクタ14,88430.84,54636.5その他4,866△2.5636△5.6合計191,08122.442,8004.0 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)多極コネクタ170,84915.0同軸コネクタ13,66817.1その他4,903△7.8合計189,42014.4 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態および経営成績等につきましては、スマートフォン市場向け、民生市場向け、自動車市場向けが堅調に推移したため、対前年同期と比べ増収増益となりました。当社グループは、中期経営計画「G-WING」において、コンシューマ、産機、自動車の強い3本柱を形成することで、高収益体制を維持しつつ、中長期的に売上を伸長させていく計画を立てております。現在当社グループが置かれている状況は、この3本柱によるバランスのよいポートフォリオを確立させながら成長を加速させるため、開発・生産拠点の増強を進めております。また、継続的な現場改善、品質向上、DXや人財の活性化に向けた投資も強化してまいります。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、国内外の経済動向の変化が挙げられます。現時点では特にスマートフォン市場の動向が当社グループの業績に大きな影響を与えております。当社グループとしましては、「G-WING」の3本柱を強固にしていくことでスマートフォン市場への依存率を相対的に減少させてまいります。その他の当社グループの経営成績に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、親会社所有者帰属持分比率が88.8%と十分な資本を維持しており、外部からの借入金はありません。経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、IFRSベースの営業利益率を重視した経営を行っております。当連結会計年度における営業利益率は22.5%となり、前連結会計年度の20.6%を上回る結果を出すことができました。引き続き、高い営業利益率を安定的に生み出せる体制づくりを行ってまいります。また、当社グループは中長期的に資本コストを上回るROE (自己資本利益率) の達成を目指しております。具体的には、収益性の改善を進めるとともに、2028年度までにROE10%の安定的達成を目指してまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの合計が127億35百万円となっており、成長と安定のバランスを図っております。詳細につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、親会社所有者帰属持分比率は88.8%と高い水準を維持しており、資金の調達を行わずに事業に必要な資金の流動性を確保していると判断しています。内部留保資金につきましては、中長期的な視野に立って、今後ますます進展する技術革新に対する研究開発投資、グローバル化に伴う設備投資および経営環境の変化に対応した機動的なM&Aなどに備えるとともに、株主への配当を重要視しております。株主への利益還元策として、配当による成果の配分を優先的に考えており、長期的な企業価値の拡大と企業体質の強化を図りながら、1株当たり利益を増加させることにより配当の安定的な増加に努めることを基本方針としております。この基本方針の一層の実践を図るため、DOE(株主資本配当率)を株主還元指標として採用し、2024年度より中期的にDOE5%の配当を行うことを目標としております。また、自己株式の取得についても、株主への利益還元策としてとらえており、資本効率の改善を目的として、2025年度から2028年度の4年間で、600億円を上限とした自己株式を取得する方針を決定しております。なお、当社は自己株式の保有については、発行済株式総数の5%程度を上限とし、それを超過する部分は、原則として毎期消却する旨を自己株式の保有・消却に関する基本方針としております。 ③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって必要となる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。重要性がある会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針、4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。金融商品の公正価値及び棚卸資産の正味実現可能価額は社内外の環境の変化により変動する可能性は高いと考えておりますが、当社グループにおける連結財務諸表に大きな影響を与えるほど変動する可能性は極めて低いと考えております。 |
※本記事は「ヒロセ電機株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)


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