| 会社名 | セガサミーホールディングス株式会社 |
| 業種 | 機械 |
| 従業員数 | 連8147名 単414名 |
| 従業員平均年齢 | 42.6歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 3.9年 |
| 平均年収 | 9396101円 |
| 1株当たりの純資産 | 1782.73円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 209.79円 |
| 決算時期 | 3月 |
| 配当金 | 52円 |
| 配当性向 | 46.2% |
| 株価収益率(PER) | 13.7倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 12.2% |
| 営業活動によるCF | 208億円 |
| 投資活動によるCF | ▲125億円 |
| 財務活動によるCF | ▲279億円 |
| 研究開発費※1 | 9.25億円 |
| 設備投資額※1 | 11.71億円 |
| 販売費および一般管理費※1 | 675.7億円 |
| 株主資本比率※2 | 42.3% |
| 有利子負債残高(連結)※3 | 1495億円 |
経営方針
| 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針2004年10月1日、株式会社セガとサミー株式会社は、両社の経営資源を統合し、企業価値を最大限に高めることを目的に両社の持株会社となる当社「セガサミーホールディングス株式会社」を設立しました。その後、様々な経営施策により事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対応する体制及び将来の成長を加速できる体制づくりに努めてまいりました。各事業グループにおきましては、意思決定の迅速化を図りながら重複する機能の効率化を進め、経営資源を適切に投入できる体制を構築し、事業環境の変化に対応しながら経営効率を高めてまいります。 当グループの事業領域はエンタテインメントコンテンツ事業、遊技機事業、ゲーミング事業であり、全世界をターゲット市場として当グループ内の経営資源を最大限有効活用及び相互利用し、全ての世代をターゲットにした事業を行います。また、当グループでは、「ミッションピラミッド」を策定し、社員一人ひとりによる施策の確実な遂行を促すことで、経営目標の達成並びに企業価値の向上を図っています。 (2) 目標とする経営指標及び中長期的な経営戦略についての経営者の認識当グループでは、2030年に目指す姿の実現に向けて長期ビジョンを策定しており、ミッション/パーパスとして引き続き「感動体験を創造し続ける~社会をもっと元気に、カラフルに。~」を掲げております。「感動」や「共感」が溢れる社会を私たちの開発した製品・サービスで生み出すことで、世界中の人々の生活に「彩り」を提供し続けることが私たちの使命であり、私たちが社会に在り続けられる理由です。また、不確実性が高く将来の予測が難しいVUCAの時代において、このミッションを達成するために必要なことは、変化に適応するに留まらず、変革を起こし続けることです。そのために私たちは革新者であり続けることを目指し、「Be a Game Changer」というビジョンも併せて掲げております。各事業における長期戦略といたしまして、エンタテインメントコンテンツ事業につきましては、「セガブランド価値向上」を目指し、遊技機事業につきましては、「業界No.1の地位確立」を目指します。また、ゲーミング事業につきましては、「第3の柱となる事業の確立」を目指します。そして、全社の長期ビジョンとして、5つのマテリアリティ(重要課題)への対応もグループ一丸となって取り組みを進め、サステナブルな経営を目指してまいります。 2025年3月期からスタートした中期計画については、「WELCOME TO THE NEXT LEVEL!」というスローガンを掲げています。このフレーズは、1989年にセガが発売したゲーム機メガドライブを、北米向けにGenesisとして販売する際のプロモーションに採用したフレーズです。メガドライブは、当時、家庭用ゲーム機として他社に先駆けて16ビットCPUを搭載し、一時期は北米販売シェアでナンバー1になるなど、セガの歴史の中で、最も普及したコンソール機となります。中期計画では、このフレーズに表されるとおり、セガサミーグループを次のステージにレベルアップさせていくという強い意志を込めております。中期計画では、目標とする経営指標として2025年3月期から2027年3月期の3ヵ年の累計で「調整後EBITDA2,300億円超」、同3ヵ年の平均で「ROE10%超」達成を目指します。これらの目標達成のため、事業ポートフォリオの強化を進め、各事業の位置づけをより明確化していきます。成長投資を進める領域としては、引き続きエンタテインメントコンテンツ事業におけるコンシューマ分野と、ゲーミング事業への投資を進めます。そして、その成長投資を支えるのが、遊技機事業等から創出される豊富なキャッシュフローとなります。遊技機事業から創出されるキャッシュフローを、成長を続けるコンシューマ分野、そして新たな事業の柱を構築すべくゲーミング事業に投資をしていくことで、企業価値の向上を実現いたします。調整後EBITDAの詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」をご参照ください。 <財務戦略の考え方>資本効率重視の経営を実現すべく、利益成長として調整後EBITDAで累計2,300億円超を目指すとともに、エクイティスプレッドを上げ、このエクイティスプレッド拡大と適切な株主還元を通じて、TSR(株主総利回り)の拡大と、企業価値の最大化を目指します。中期計画においても、成長投資と株主還元、この二つをバランスさせながら、最適な資本構成を維持してまいります。 <成長投資及び株主還元の考え方>中期計画スタート時点の運転資金を除いた資金及び中期計画期間中の3ヵ年で稼ぐ営業キャッシュフローを、成長領域への投資及び戦略投資に活用していきます。株主還元の基本方針は引き続き、DOE3%以上を据えながら、利益成長に応じた還元を実施すべく総還元性向50%以上としております。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。 「WELCOME TO THE NEXT LEVEL!」のアクションプラン①全体の戦略についてエンタテインメントコンテンツ事業におけるコンシューマ分野を成長分野、遊技機事業を基盤事業として位置付けています。成長分野であるコンシューマ分野においては積極的な投資を通じてPillarの拡大、開発・商品力強化等を図っていきます。一方、基盤事業である遊技機事業においてはシェア拡大による収益基盤の強化及び安定化に取り組みます。また、ゲーミング事業は事業としての確立及び調整後EBITDAの黒字化を目指します。 ②各事業の戦略についてエンタテインメントコンテンツ事業におきましては、ゲーム以外にも、映像、ライセンスによるマーチャンダイズの展開といったTransmedia戦略を強化していくことでPillarのさらなる拡大を図ります。加えて、Pillarを、モバイルを中心としたGaaSとしてグローバル展開することにも取り組みます。また、主力Pillarのほか、Legacy IPや映像IPへの投資も行い、長期的な成長の柱と期待しているSuper Gameに対しても、適切な資源配分バランスを意識しながら投資を行います。欧州事業においては、「Football Manager」や「Total War」等に投資し、主力Pillarとしてさらなる成長を目指します。 遊技機事業におきましては、開発費低減に向けた取り組み、固定費水準の低下に資する各種施策を実行し効率的な体制を整備してまいりました。中期計画期間においても、この体制を基盤としながら、シェア拡大、並びにプラットフォーム戦略の推進を通じて、収益基盤のさらなる強化及び安定化を目指します。また、市場は長期的に縮小傾向が続いているため、遊技機業界の活性化に向けて、コスト構造の変革、並びにユーザー数の増加に取り組んでまいります。 2024年5月に公表した中期計画の開始に伴い、新たに「ゲーミング事業」を新設しました。ゲーミング事業においては、主にセガサミークリエイション株式会社によるゲーミング機器の開発・製造・販売、及び韓国パラダイスグループとの合弁事業であるPARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.(当社持分法適用関連会社)による統合型リゾート『パラダイスシティ』の開発・運営を行っております。また、今後市場成長が見込まれる米国iGaming市場を中心としたオンラインゲーミング市場への進出を目標に、2025年4月28日にオランダを拠点としB2B向けiGamingコンテンツサプライヤー事業を展開するStakelogicの買収手続きを完了し、2025年5月27日に主に米国カジノオペレーター向けにB2Bプラットフォーム事業を展開するGANの買収手続きを完了しております。StakelogicとGANがグループに加わったことで現在の不足部分を補い、幅広いサービスを提供し、総合的なカジノソリューションプロバイダーのような存在を目指します。 (3) 会社の対処すべき課題エンタテインメントコンテンツ事業を取り巻く環境としては、コンシューマ分野におきまして、インフレーションの進行等による経済環境の悪化から足元の成長は踊り場を迎えております。また、人件費の上昇や開発期間の長期化等によりゲーム開発コストの上昇が続いており、こうした事業環境の変化への対応が急務となっております。一方で、サービス提供形態の多様化により、デバイス・プラットフォームを問わず、全世界に向けてより長期にわたってコンテンツ・サービスを提供できる環境が整ったことから、ゲーム市場の成長に対する期待は継続しています。このような環境のなか、コンシューマ分野を当グループの成長分野として位置づけ、グローバル規模での事業展開を推進すべく経営資源の集中を進め、優秀な人財の確保・育成による開発体制の充実や良質なコンテンツの開発、IPの創出・活用によるライブラリの拡充、商品・サービスの長期展開に伴うユーザーエンゲージメント強化等の取り組みが重要な経営課題であると考えております。遊技機業界では、足元においてパチンコの稼働が低調に推移する一方で、パチスロについてはスマートパチスロにおいてヒット機種が継続して登場していることから、堅調な稼働水準を維持しております。一方、長期では店舗数や設置・販売台数が減少傾向にある等、遊技機市場の縮小が続いております。このような環境のなか、市場ニーズに応える製品の開発に取り組むことに加え、遊技機の部材共通化を進め、リユース等による原価改善や開発の効率化に取り組むことによる収益性の確保と、メーカー・ホール双方のコスト低減やユーザー数増加に資する取り組み等を通じた市場活性化の両立が経営課題であると考えております。ゲーミング事業では、各国・地域における法令・レギュレーションを遵守し、当局承認の取得・維持を行う必要があります。また、今後拡大が見込まれる米国iGaming市場を中心としたオンラインゲーミング市場への進出を目的として、オンラインゲーミングの統合プラットフォームプロバイダーである米国GAN及びオランダを拠点とするB2B向けiGamingコンテンツサプライヤーであるStakelogicを買収し、グループシナジーを創出し競争力強化に取り組むことにより、今後、ゲーミング事業を第3の事業の柱として確立することが経営課題であると考えております。また、引き続き資本効率を意識した上で、成長投資と株主還元を行うことにより、企業価値の向上を実現することが経営課題であると考えております。当グループは、「感動体験を創造し続ける~社会をもっと元気に、カラフルに。~」というミッションのもと、持続可能な社会の実現と企業価値向上に取り組んでいます。事業に紐づく重要課題を外部のフレームワーク「SASBモデル」を活用して特定し、以下の5つのマテリアリティ(重要課題)を設定しました。さらに「サステナビリティもカラフルに」というサステナビリティビジョンを掲げております。これからも持続可能な社会の実現に向けた取り組みを経営の重要課題として推進してまいります。 ・人(感動体験を創る人が育つグループへ)・製品/サービス(安心・安全かつ革新的な製品/サービスの提供)・環境(気候変動への対応を戦略に)・依存症(依存症や障害を防ぐ)・ガバナンス(サステナビリティガバナンスを強化する) |
経営者による財政状態の説明
| 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の期首より表示方法の変更を行っており、「①経営成績の状況」及び「③キャッシュ・フローの状況」については当該表示方法の変更を反映した組替え後の前連結会計年度の連結財務諸表の数値を用いて比較しています。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(表示方法の変更)」をご参照ください。 ①経営成績の状況当連結会計年度は、遊技機事業における反動減の影響が大きく、前期比で減収、経常利益段階まで減益となりました。一方で、当社が成長領域として位置付けているエンタテインメントコンテンツ事業においては、中期計画における重点項目であるトランスメディア戦略に沿って、主要IPの映像化やマーチャンダイジングが進みました。特に「ソニック」IPについてはゲームの販売だけでなくキャラクターライセンス収入が増加する等、同事業における利益成長に寄与しました。また、事業ポートフォリオについても最適化に向け、見直しを進めております。当連結会計年度においては、海外開発スタジオAmplitude Studios SASのMBO方式での譲渡に伴う事業再編損を特別損失として計上しましたが、フェニックスリゾート株式会社の株式譲渡による特別利益の計上や、前期計上した欧州拠点の事業再編損からの反動等に伴い、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で増益となりました。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は428,948百万円(前期比8.5%減)、営業利益は48,124百万円(前期比16.8%減)、経常利益は53,114百万円(前期比11.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は45,051百万円(前期比36.3%増)となりました。また、今期より経営指標としている調整後EBITDAは62,283百万円(前期比13.8%増)となりました。 (注)調整後EBITDA:経常利益+支払利息+減価償却費±調整項目※※調整項目・+事業上の特別利益・△事業上の特別損失(減損損失、タイトル評価減等)・△非支配株主に帰属する当期純利益・+M&Aに伴うのれん/商標権等の償却 セグメント別の概況は以下のとおりであります。当グループは、中期計画「WELCOME TO THE NEXT LEVEL!」の開始にあたり、当連結会計年度より「リゾート事業」を廃止し、新たに「ゲーミング事業」を新設する再編を行いました。これは中期計画の戦略、事業ポートフォリオの観点から実施するものであり、新設する「ゲーミング事業」には、海外におけるオンラインゲーミング関連事業や既存の統合型リゾートの運営、ゲーミング機器の開発・製造等を集約します。この結果、「エンタテインメントコンテンツ事業」、「遊技機事業」及び「ゲーミング事業」を報告セグメントといたします。また、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。 《エンタテインメントコンテンツ事業》当連結会計年度においては、前期比で増収増益となりました。要因として、コンシューマ分野においては、フルゲームのリピートタイトルや、欧州スタジオが手掛けるタイトルの追加ダウンロードコンテンツの販売が好調に推移しました。また、主力IPタイトルである『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』、『メタファー:リファンタジオ』、及び『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』はいずれも順調な販売となりました。また、ソニックのキャラクターライセンス収入も、ゲーム、映像作品のヒット等を背景として、順調に成長しております。なお、『Football Manager 25』の開発中止に伴う損失計上があったものの、コンシューマ分野全体では上記の利益率の高いリピート販売、ダウンロードコンテンツ販売、ライセンス収入等の好調を通じて、損失を補うことができました。映像分野においては、「ソニック」シリーズの映像作品、劇場版「名探偵コナン」のヒット等が貢献しました。『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』の全世界興行収入は4.9億ドル、劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』は、国内興行収入が158億円を突破し、いずれもシリーズの過去最高となりました。AM&TOY分野においては、プライズカテゴリーを中心に原材料価格の高騰の影響を受けながらも、増収増益となりました。以上の結果、売上高は321,575百万円(前期比0.6%増)、経常利益は41,886百万円(前期比35.9%増)、調整後EBITDAは48,123百万円(前期比118.4%増)となりました。 《遊技機事業》当連結会計年度においては、前期比で減収減益となりました。要因としては、前期販売好調であった『スマスロ北斗の拳』の反動減によるものです。また、足元のユーザー嗜好の変化等に対応することで製品力向上を図るため、予定していた主力タイトル等の投入時期を来期以降に延期しました。一方で、当グループ初のスマートパチンコとなる『e北斗の拳10』は販売台数3.5万台を超える等、複数タイトルの販売が想定を上回ったこと等から、経常利益200億円超を確保しました。以上の結果、売上高は97,105百万円(前期比27.1%減)、経常利益は20,977百万円(前期比50.0%減)、調整後EBITDAは24,278百万円(前期比45.5%減)となりました。 《ゲーミング事業》当社は、2024年5月に公表した中期計画の開始に伴い、新たに「ゲーミング事業」を新設しました。ゲーミング事業においては、主にセガサミークリエイション株式会社によるゲーミング機器の開発・製造・販売、及び韓国パラダイスグループとの合弁事業であるPARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.(当社持分法適用関連会社)による統合型リゾート『パラダイスシティ』の開発・運営を行っております。また、今後市場成長が見込まれる米国iGaming市場を中心としたオンラインゲーミング市場への進出を目標に、2023年11月には、主に米国カジノオペレーター向けにB2Bプラットフォーム事業を展開するGANの買収契約締結を、2024年7月には、オランダを拠点としB2B向けiGamingコンテンツサプライヤー事業を展開するStakelogicの買収契約締結を公表いたしました。その後、2025年4月にStakelogicの買収契約手続きを、2025年5月にGANの買収契約手続きをそれぞれ完了いたしました。当連結会計年度においては、前期比で増収、経常利益段階で黒字化いたしました。要因として、ゲーミング機器販売においては、米国向けに2024年1月より導入を開始したビデオスロットマシンの新筐体「Genesis AtmosR」対応の『Railroad Riches?』が高稼働を記録し、市場からの高い評価を得て販売が好調に推移しました。韓国の『パラダイスシティ』においては、カジノにおいて引き続き日本人VIP客のドロップ額(チップ購入額)が高い水準を維持したことや、ホテルにおいても韓国国内での需要増加傾向が継続し、高い稼働率・宿泊単価を維持し好調に推移したことから、2024年1月~12月の売上高及び営業利益が開業以来最高を記録したことに加えて、繰延税金資産の計上等もあり、持分法取込額は想定を上回る利益貢献となりました。※PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.は12月決算のため3ヶ月遅れで計上以上の結果、売上高は5,451百万円(前期比180.8%増)、経常利益は2,186百万円(前期は経常損失421百万円)、調整後EBITDAは1,023百万円(前期は△479百万円)となりました。 ②財政状態の状況(資産及び負債)当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ9,217百万円減少し、644,777百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ6,259百万円減少いたしました。これは、棚卸資産が増加した一方で、現金及び預金並びに未収還付法人税等が減少したこと等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,958百万円減少いたしました。これは、投資有価証券や製作出資に伴う出資金が増加した一方で、フェニックスリゾート株式会社の連結除外に伴い有形固定資産が減少したこと等によるものであります。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ33,119百万円減少し、263,173百万円となりました。これは、長期借入金や契約負債が減少したこと等によるものであります。(純資産)当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ23,902百万円増加し、381,604百万円となりました。これは、配当金の支払や自己株式の取得により株主資本が減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等によるものであります。(財務比率)当連結会計年度末における流動比率は、流動負債が減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ121.3ポイント上昇し、412.8%となりました。また、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ4.5ポイント上昇し、59.1%となりました。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ20,945百万円減少し、198,865百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)法人税等の支払で19,153百万円を支出し、棚卸資産が12,793百万円増加した一方で、税金等調整前当期純利益を54,803百万円、減価償却費を13,046百万円計上したほか、法人税等について16,180百万円の還付があったこと等により、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは20,856百万円の収入(前連結会計年度は66,862百万円の収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)子会社株式の売却により12,385百万円の収入があった一方で、有形固定資産の取得により5,536百万円、無形固定資産の取得により6,324百万円、出資金の払込により5,960百万円をそれぞれ支出したこと等により、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは12,543百万円の支出(前連結会計年度は114,538百万円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)長期借入れにより15,000百万円の収入があった一方で、長期借入金の返済により22,507百万円、配当金の支払により11,227百万円、自己株式の取得により10,013百万円をそれぞれ支出したこと等により、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは27,981百万円の支出(前連結会計年度は79,786百万円の収入)となりました。 ④生産、受注及び販売の実績a )生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)エンタテインメントコンテンツ事業199,495△10.7遊技機事業79,378△30.3ゲーミング事業4,303+278.9合計283,177△16.4 (注) 金額は販売価格で表示しております。 b )受注状況当グループでは一部の製品について受注生産を行っておりますが、金額的重要性が低く、また受注状況の記載は営業の状況に関する実態を表さないため、省略しております。なお、エンタテインメントコンテンツ事業におけるアミューズメント機器については、生産に要する期間が比較的長期に亘るため、見込み生産を行っております。遊技機事業については、生産に要する時間が短時間であるため、基本的に受注動向を見ながら生産を行っておりますが、製品のライフサイクルが短いため販売期間が非常に短く、発売の初期段階に出荷が集中することから、販売政策上、初期受注に対しては見込み生産を行っており、かつ、その数量は通常販売数量の大半を占めております。ゲーミング事業については、市場動向及び販売計画に基づき見込み生産を行っております。 c )販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)エンタテインメントコンテンツ事業321,575+0.6遊技機事業97,105△27.1ゲーミング事業5,451+180.8合計424,132△6.8 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。 ①経営成績の分析 当連結会計年度におきましては、遊技機事業における反動減の影響が大きく、前期比で減収、経常利益段階まで減益となりました。一方で、当社が成長領域として位置付けているエンタテインメントコンテンツ事業においては、中期計画における重点項目であるトランスメディア戦略に沿って、主要IPの映像化やマーチャンダイジングが進みました。特に「ソニック」IPについてはゲームの販売だけでなくキャラクターライセンス収入が増加する等、同事業における利益成長に寄与しました。 また、事業ポートフォリオについても最適化に向け、見直しを進めております。当連結会計年度においては、海外開発スタジオAmplitude Studios SASのMBO方式での譲渡に伴う事業再編損を特別損失として計上しましたが、フェニックスリゾート株式会社の株式譲渡による特別利益の計上や、前期計上した欧州拠点の事業再編損からの反動等に伴い、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で増益となりました。 (単位:百万円)前連結会計年度当連結会計年度実績計画実績売上高468,925445,000428,948営業利益57,86545,00048,124経常利益59,77848,00053,114(経常利益率)12.7%10.8%12.4%親会社株主に帰属する当期純利益33,05539,00045,051ROE9.6%-12.2% 調整後EBITDA54,75362,00062,283 (注)当連結会計年度の期首より表示方法の変更を行ったため、前連結会計年度につきましては、売上高を遡及適用した組替え後の数値を記載しております。 《エンタテインメントコンテンツ事業》 エンタテインメントコンテンツ事業については、コンシューマ分野、映像分野が好調に推移したことから、前期比で大幅な増益となりました。 コンシューマ分野においては、『ソニック×シャドウ ジェネレーションズ』、『メタファー:リファンタジオ』等の主力新作タイトルの販売が順調に推移しました。リピートタイトルについても、継続貢献している『ペルソナ5ザ・ロイヤル』や、『ユニコーンオーバーロード』等のタイトルに加え、ソニックシリーズの過去作が好調に推移しました。『Football Manager 25』については開発中止に伴い、棚卸資産の評価減等により通期で約40億円の一過性費用を計上しましたが、リピートタイトルの好調な販売や、為替による押上げ効果、ダウンロードコンテンツ販売、サブスク対応等の多面的な収益機会の獲得により、その影響を補うことができました。 映像分野においては、ソニックシリーズの映像作品や劇場版『名探偵コナン』の配分収入が増加した他、『SAKAMOTO DAYS』等の有力IP作品が牽引し、引き続き好調に推移しました。 AM&TOY分野においては、主にプライズカテゴリー及び玩具定番製品等を中心に販売いたしました。 《遊技機事業》 遊技機事業については、主に前期ヒットした『スマスロ北斗の拳』の反動減により、当連結会計年度は前期比で減収減益となりました。一方、第4四半期にはパチスロで2タイトル、パチンコで3タイトルを投入し、経常利益200億円を確保することができました。 《ゲーミング事業》 ゲーミング事業については、当連結会計年度は前期比で増収となり、経常利益段階でも黒字化を達成しました。 ゲーミング機器販売においては、米国においてスロット筐体『Genesis AtmosR』対応の『Railroad Riches?』がトップレベルの高稼働を継続し、販売台数及びリース設置台数の増加を牽引しました。 韓国の「パラダイスシティ」においては、カジノ売上、ホテル売上ともに過去最高を記録し、好調に推移しました。経常的に利益計上できるようになったことから、繰延税金資産を計上したことにより税金費用が大幅に縮小した結果、持分法取込額は想定を上回り32億円となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a )キャッシュ・フローの状況当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 b )財務戦略の基本スタンス当グループは、中期事業戦略とその先の持続的企業価値拡大を支えるため、中期的な視座で財務戦略を計画し遂行しております。具体的には、ボラティリティのある事業特性を踏まえ、強固な財務基盤を維持するために財務規律を注視し、安定的なキャッシュポジションの維持を目標としております。資金効率を高めるため、グループの資金調達・運用の一元管理を行うとともに、国内及び海外の主要グループ会社でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。また、創出したキャッシュは、成長分野への投資及び安定的な株主還元に振り向ける方針であります。 c )資金調達当グループは、事業活動の維持・拡大に必要な資金を安定的に確保するため、グループ内資金の有効活用及び外部調達を行っております。グループ内資金の有効活用については、CMSによるグループ内での資金融通を積極的に実施することで、資金効率化を図っております。外部からの資金調達については、コンシューマ分野及びゲーミング領域への成長投資等を見据え、引き続きデットを活用しながら最適な資本構成を維持してまいります。資金調達を検討するにあたり、その時々の市場環境を踏まえ当社にとって最適な調達を選択出来るように調達手段の多様化を図るとともに、安定した調達能力の確保に向けて㈱格付投資情報センターからA-(安定的)の格付を取得しており、今後も格付を意識した財務運営を行ってまいります。間接金融においては、当社はメインバンクをはじめとする取引金融機関と良好な関係を維持し、安定的な資金調達を行っております。資金調達に際しては、各年度別の返済額の平準化や期日分散を考慮することによりリファイナンスリスクを低減しております。なお、当社は社債発行登録枠50,000百万円(残額50,000百万円)及びコマーシャルペーパー発行枠30,000百万円の直接金融による調達手段も有しており、より安定的な長期運転資金確保の目的から、2019年9月に期間10年の公募普通社債を発行しております。また、当連結会計年度末においては、必要運転資金及び成長投資のための待機資金として200,360百万円の現金及び預金を保有しており、さらに総額で278,000百万円の借入枠を有しております。今後も引き続き、財務基盤の強化等を意識した財務運営を進めてまいります。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計原則に基づき作成されております。連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたっては、連結貸借対照表及び貸借対照表上の資産、負債の計上額、並びに連結損益計算書及び損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当該見積りは、過去の経験やその時点の状況として適切と考えられる様々な仮定に基づいて行っておりますが、事業環境等に変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なることもあります。連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりでありますが、当社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積りに関する補足情報は以下のとおりであります。 ①エンタテインメントコンテンツ事業の棚卸資産等、及び遊技機事業の原材料の評価についてエンタテインメントコンテンツ事業のゲームコンテンツ等の制作により計上された仕掛品及びソフトウエア等は、その販売見込数量やサービス見込期間を考慮し費用計上を実施しており、販売の状況によっては想定よりも早期の費用計上が発生することがあります。また、遊技機事業では、製品を構成する原材料の調達に期間を要するもの(長納期部材)があることから部材の共通化を進めている一方で、販売の状況によっては一部の専用部材などで原材料の廃棄が発生することが想定されます。そのため、これらの棚卸資産やソフトウエア等については、翌連結会計年度以降の販売の見通しをもとに当連結会計年度末の資産性評価を実施しておりますが、同業他社の新製品等の販売時期等のほか、ヒットビジネスであることによる販売の多寡等により、見積りと実績が乖離する不確実性が存在するため、その精度が会計上の見積りに大きく影響します。 ②ゲーミング事業における関連会社への投資の評価について当社は、韓国仁川においてIR施設『パラダイスシティ』を運営する、持分法適用関連会社PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.に対する投資額を投資有価証券(関係会社株式)に計上しております。同社が営む施設事業は、その事業の性質上変動費の割合が低いことにより収益の状況が業績に大きく影響する中、特に大雨・台風などの天候のほか、世界情勢の変動等により事業の不確実性が存在すると認識しております。同社への投資の評価については、経営者の最善の見積りによる将来キャッシュ・フローを基に評価しておりますが、前述の事業の特性から見積りと実績が乖離する不確実性が存在するため、その精度が会計上の見積りに大きく影響します。 ③Rovio Entertainment Corporationののれん及び無形資産の評価についてRovio Entertainment Corporation(以下「Rovio」という。)に対する投資に関連して、のれん及び無形資産(商標権及び技術関連無形資産)を計上しております。Sega Europe Ltd.がRovioの株式を直接保有しているため、のれん及び無形資産の評価にあたっては国際財務報告基準を適用し、のれん及び無形資産を含む資金生成単位について、のれんは減損の兆候がある場合又は少なくとも年次で、無形資産は減損の兆候がある場合、減損テストを実施しております。減損テストについては、経営者の最善の見積りによる将来キャッシュ・フローを基に行っておりますが、主要なゲームタイトルごとの売上高等が見積りと乖離する等の不確実性が存在するため、その精度が会計上の見積りに大きく影響します。 |
※本記事は「セガサミーホールディングス株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)


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