東洋製罐グループホールディングス株式会社の基本情報

会社名東洋製罐グループホールディングス株式会社
業種金属製品
従業員数連18830名 単495名
従業員平均年齢42.1歳
従業員平均勤続年数16.2年
平均年収7549995円
1株当たりの純資産4192.16円
1株当たりの純利益(連結)134.05円
決算時期3月
配当金91円
配当性向616.1%
株価収益率(PER)18.24倍
自己資本利益率(ROE)(連結)3.36%
営業活動によるCF940億円
投資活動によるCF▲511億円
財務活動によるCF▲187億円
研究開発費※110.45億円
設備投資額※126.37億円
販売費および一般管理費※1500億円
株主資本比率※251.6%
有利子負債残高(連結)※32262.92億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループは、1917年の創業以来100年以上にわたり、金属・プラスチック・紙・ガラス等、それぞれが持つ特性を活かし、人々のライフスタイルや社会の変化に応じて、さまざまな素材の容器を世の中に送り出してまいりました。当社グループは、2016年4月に制定した東洋製罐グループの経営思想のもと、次の100年に向けて、素材の開発と加工の技術を軸に、人々の暮らしをより豊かにし、環境にやさしいしくみを拡げ、さらなる発展と進化を目指しております。〔東洋製罐グループの経営思想〕経営理念常に新しい価値を創造し、持続可能な社会の実現を希求して、人類の幸福に貢献します。信条・品格を重んじ、あらゆる事に日々公明正大に努めます。・一人ひとりの力を最大限に発揮し、自己の成長と共に社会の繁栄に努めます。ビジョン・世界中の人に必要とされる斬新で革新的な技術と商品を提供するグループを目指します。(2)目標とする経営指標2021年度から5ヶ年の「中期経営計画2025」では、最終年度である2025年度に、売上高8,500億円、営業利益500億円、EBITDA1,100億円、ROE5%の達成等を数値目標として掲げております。また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、成長戦略と資本・財務戦略を両輪で進めるための取り組みとして定めた「資本収益性向上に向けた取り組み2027」では、「中期経営計画2025」の延長上の営業利益目標を設定するとともに自己資本の圧縮を進めることで、2027年度に株主資本コストを上回るROE8%以上の達成を目指します。「中期経営計画2025」および「資本収益性向上に向けた取り組み2027」の詳細につきましては、「(3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題」をご参照ください。当社グループの当連結会計年度の業績は、エンジニアリング事業において、海外での製缶・製蓋機械の販売減少により、売上高は9,225億16百万円となりました。営業利益は、エンジニアリング事業における海外での製缶・製蓋機械の販売減少や国内での貸倒損失の計上があったものの、包装容器事業において原材料価格高騰分の価格転嫁を実施したこと、また機能材料関連事業における市況回復があったことなどにより、342億4百万円となりました。経常利益は、持分法投資利益が増加したものの、為替差損を計上したことなどにより375億66百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失を計上したことにより223億94百万円となりました。自己資本は、342億51百万円の自己株式の取得および154億22百万円の配当の実施をしたものの、円安影響による為替換算調整勘定の増加などにより、6,669億69百万円となりました。この結果、EBITDAは902億円、ROEは3.4%となりました。 (3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題当社グループは、創業以来100年以上にわたり、包装容器を中心として、人びとの生活に欠かせない製品・サービスを提供し、社会に貢献してまいりました。近年、当社グループを取り巻く事業環境は想定を超えて変化し、解決すべき様々な社会課題が顕在化しております。このような事業環境下において、当社グループは、2021年5月に、社会や地球環境について長期的な視点で考え、すべてのステークホルダーの皆様に提供する価値の最大化を図るべく、2050年を見据えた「長期経営ビジョン2050『未来をつつむ』」を策定し、その実現に向けて、2030年に達成を目指す定量的・定性的な経営目標である「中長期経営目標2030」を設定いたしました。当社グループは、「中長期経営目標2030」を達成するためのアクションプランとして、2021年度から5ヶ年の「中期経営計画2025」を策定いたしました。また、成長戦略と資本・財務戦略を両輪で進めるための取り組みとして、2023年5月に「資本収益性向上に向けた取り組み2027」を策定いたしました。概要は次のとおりです。 ①長期経営ビジョン2050「未来をつつむ」当社グループの目指す姿・ありたい姿を「世界中のあらゆる人びとを安心・安全・豊かさでつつむ『くらしのプラットフォーム』」と位置づけ、「多様性が受け入れられ、一人ひとりがより自分らしく生活できる社会の実現」「地球環境に負荷を与えずに、人々の幸せなくらしがずっと未来へ受け継がれる社会の実現」を目指します。そのために「食と健康」「快適な生活」「環境・資源・エネルギー」の3つの分野で、グループが一体となって、これまで培ってきた素材開発、成形加工、エンジニアリング等の技術・ノウハウを活用し、オープンイノベーション、IoT・DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進するとともに、お客様やお取引先等をはじめとした志を同じくするパートナーと連携し、包装容器メーカーの枠を超え、社会を変える新たな価値を創造してまいります。②中長期経営目標2030「長期経営ビジョン2050『未来をつつむ』」の実現に向けて、2030年に達成を目指す定量的・定性的な経営目標として設定した「中長期経営目標2030」の概要は次のとおりです。 (注)国際的なイニシアチブであるSBT(Science Based Targets)イニシアチブ※の新基準「1.5℃目標」の認定取得を目指すため、2021年11月に、Eco Action Plan 2030の主要目標を以下のとおり上方修正し、2023年3月に「1.5℃目標」の認定を取得いたしました。・事業活動でのCO2排出量(Scope1・2)35%削減 ⇒ 50%削減・サプライチェーンでのCO2排出量(Scope3)20%削減 ⇒ 30%削減※ SBTイニシアチブ…企業のGHG(温室効果ガス)削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブ ③中期経営計画2025 「中長期経営目標2030」を達成するためのアクションプランである2021年度から5ヶ年の「中期経営計画2025」(以下、「本中期経営計画」といいます。)の概要は次のとおりです。<基本方針>本中期経営計画では、“「くらしのプラットフォーム」へ向けた持続的な成長”を基本方針とし、「長期経営ビジョン2050『未来をつつむ』」で掲げた目指す社会の実現に向け、3つの主要課題に取り組みます。<3つの主要課題と施策>a)既存事業領域の持続的成長「多様性への対応」と「持続可能な社会の実現」の2つの軸と持続的成長の観点から、これまでの事業構造にとらわれず、果断に事業ポートフォリオの見直しを行うことで、既存事業領域の持続的な成長を目指します。b)新たな成長領域の探索・事業化・収益化人びとのライフスタイルの変化や環境負荷の低減など、社会の多様なニーズや新たな課題を捉え、当社グループが培ってきた「素材開発」「成形加工」「エンジニアリング」などの保有技術をもとに、「食と健康」「快適な生活」「環境・資源・エネルギー」の領域において、新規事業を創出することで、新たな社会基盤を創造します。c)成長を支える経営基盤の強化持続的成長のための経営資源の充実とガバナンスの強化を行います。ⅰ)技術・開発パートナーとの共創や新技術の探索を通じ、事業創出のための研究開発を推進ⅱ)IoT・DXデジタル技術の活用を通じたバリューチェーンの変革と事業領域の拡大ⅲ)人材新たな価値創造につながる人材プラットフォームの整備ⅳ)組織社会からの信頼に応えるためのコーポレート・ガバナンスの強化<持続的成長のためのロードマップ>包装容器領域を基盤として、エンジニアリング・充填・物流領域におけるバリューチェーンの拡大と、鋼板関連事業・機能材料関連事業における光学用・電池向け部材等での成長を図るとともに、新規事業領域において社会課題解決の新しい仕組みを創出し、2030年度に連結売上高1兆円を目指します。<投資・財務方針>事業活動と資産圧縮で創出したキャッシュを原資として、将来の成長や基盤強化等の投資を実施いたします。a)投資「くらしのプラットフォーム」へ向け、3,300億円規模の投資(M&A含む)を実施目的目安額(億円)備考新たな成長分野・領域の拡大主な投資目的■環境負荷低減・環境価値拡大のための投資■包装容器製造の枠を超えたバリューチェーン全体でのシステム構築■「食と健康」・「快適な生活」・「環境・資源・エネルギー」領域を中心とするビジネスパートナーやスタートアップ企業との共創による事業創出と育成1,600-既存事業領域の持続的成長注力すべき既存事業領域における基盤強化1,500設備更新において、環境負荷低減や省人化・省力化を伴う形で極力行う経営基盤強化IoT・DXの推進、新技術開発、人材開発など200-合計3,300-※上記は計画時の目安であり、進捗状況・事業機会タイミング等の要因により、内訳を随時見直し、投資判断・実施b)原資・本中期経営計画期間において営業キャッシュ・フロー約3,800億円を創出・政策保有株式を400億円規模売却し、成長分野への投資に活用 <株主還元方針>本中期経営計画期間中は、総還元性向80%を目安に株主還元を行います。a)配当金連結配当性向50%以上を目安とする1株当たり46円を下限とし、段階的に引き上げるb)自己株式取得機動的に実施する※資産売却等による特別損益は、原則として、総還元性向および連結配当性向を算定するうえでは考慮いたしません。④資本収益性向上に向けた取り組み2027資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、2023年度から2027年度までに成長戦略と資本・財務戦略を両輪で進めるための取り組みとして定めた「資本収益性向上に向けた取り組み2027」の概要は次のとおりです。<取り組み方針>成長戦略と資本・財務戦略を両輪で進め、資本収益性の向上を図ります。a)成長戦略:事業ポートフォリオの最適化・エンジニアリング・充填・物流事業、鋼板関連事業、機能材料関連事業等における成長分野への経営資源投入・国内包装容器事業を中心とした適正な売価転嫁、不採算事業領域・拠点の再構築b)資本・財務戦略:資産効率向上・段階的に拡充してきた配当および自己株式取得による株主還元を大幅に強化・政策保有株式の一層の縮減・不採算事業領域の資産圧縮、不動産の売却および価値向上<KPIの設定> 中期経営計画2025の延長上の営業利益目標をベースに自己資本の圧縮を進め、2027年度に株主資本コストを上回るROE8%以上の達成を目指します。 2022年度実績2023年度実績2024年度実績2025年度予想2025年度目標2027年度目標2030年度目標業績(億円)売上高9,0609,5069,2259,6008,500※1-(参考:約 10,500)10,000※1営業利益73338342450500650800EBITDA6038929021,0001,1001,200-純利益103230223460350480資本収益性等ROE(%)1.63.53.46.95.08.0%以上 自己資本(億円)6,4366,6576,6696,580-6,000 2022年度実績2023年度実績2024年度実績2025年度予想2021~2025年度目標2023~2027年度目標 株主還元(%)連結配当性向(1株当たり配当金)156.4(89円)68.8(90円)66.7(91円)39.5※3(114円)50%以上を目安(46円を下限とし、段階的に引き上げ)同左※25年間で約800億円見込み 総還元性向(自己株式取得)156.4(-)155.4(200億円)219.6(342億円)95.5(257億円)80%以上を目安5年間で約1,000億円※1 足元の売上高増加は、為替変動やエネルギー価格高騰に伴う売価転嫁等の影響も含まれることから、2025年度・2030年度の売上高目標は据え置きとしています。※2 2026~2027年度の配当については「中期経営計画2025」で定めた配当方針を延長した水準としておりますが、実際の利益に合わせて配当方針を勘案のうえ決定いたします。※3 2025年度の投資有価証券売却益および固定資産売却益を除いたみなし連結配当性向は50.3%となる見込みです。 <ROE8%以上達成に向けた施策>利益(R)の増加および自己資本(E)の圧縮によってROE8%以上を目指します。※ 2026~2027年度の配当については「中期経営計画2025」で定めた配当方針を延長した水準としておりますが、実際の利益に合わせて配当方針を勘案のうえ決定いたします。 a)事業ポートフォリオの最適化国内包装容器事業を中心に売価転嫁、不採算事業領域・拠点の再構築を早急に行い、成長分野での事業成長を着実に成し遂げ、2027年度での営業利益目標の達成を目指します。<2024年度までの進捗状況>・包装容器事業を中心に、原材料価格上昇分の売価転嫁を実施したほか、不採算事業領域・拠点の検証を行い、成長領域へ経営資源をシフトいたしました。・鋼板関連事業において、車載用二次電池材への設備投資を行い、製造設備の新設・増設を行いました(投資額約155億円、2023年11月~2024年1月稼働)。また、次世代電池用負極集電体の開発が、経済産業省「蓄電池にかかる供給確保計画」に認定されました。・今後の成長が見込まれるアジアでの充填事業を拡大するため、マレーシアにおいてホームケア製品、パーソナルケア製品などのOEM・ODMを行うPREMIER CENTRE GROUP SDN. BHD.を子会社化いたしました。・機能材料関連事業において、使用済み乾電池を肥料原料にリサイクルするプロセスを確立し、乾電池由来の微量要素肥料の販売を開始いたしました(パナソニック エナジー株式会社様との共同開発)。・事業領域複合での成長分野として、電子デバイス向け機能性材料「MiraNeoR」を太陽光発電向けに上市いたしました。<今後の施策>・包装容器事業を中心に、過去のコストアップ分を含めたエネルギー費や、増加傾向にある物流費、人件費など、さらなる売価転嫁を行います。・成長分野への経営資源のシフトをさらに進めるとともに、省人化によるコストダウンを実施いたします。・充填事業において、引き続き伸長が見込まれるアジア圏を中心に、設備投資を強化いたします。また、PREMIER CENTRE GROUP SDN. BHD.の子会社化に伴う事業シナジーを追求してまいります。・鋼板関連事業において、将来的な量産に向け次世代電池用負極集電体の開発を強化いたします。・機能材料関連事業における光学用機能フィルムについて、中国市場における販売を強化いたします。b)株主還元の大幅な強化ROE8%以上の実現に向け、2023年度から2027年度までの5期累計約1,000億円の自己株式取得を計画し、段階的に拡充してきた株主還元を大幅に強化いたします。<2024年度までの進捗状況>2023年度は200億円、2024年度は342億円の自己株式取得を行いました。年間配当金総額149億円(1株当たり配当額91円)と合わせ、2024年度における総還元性向は219.6%となる見込みです。<今後の施策>2025年度は257億円の自己株式取得を行い、年間配当金は1株につき114円とさせていただく予定です。c)キャッシュアロケーション営業キャッシュ・フローおよび資産売却・資金調達を原資として投資・株主還元に戦略的に配分し、事業成長および資本収益性の向上を目指します。<2024年度までの進捗状況>・2021年度から2027年度までに600億円の政策保有株式を売却する方針としており、2024年度までに約267億円を売却いたしました。・保有不動産について、物件ごとの利回り等を重視しながら売却、追加投資による用途の変更、現状維持の検討を行いました。<今後の施策>・2025年5月の取締役会において、2025年度に政策保有株式を160億円売却することを決議しております。・保有不動産について、2024年度以降に27億円の売却を行っております。今後も引き続き、上記検討結果に応じた対応を行ってまいります。当社グループを取り巻く事業環境は、より一層厳しさを増すことが想定されますが、中期経営計画2025および資本収益性向上に向けた取り組み2027の諸施策を着実に遂行することで、持続的な成長を目指してまいります。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。①財政状態および経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する中で、景気は緩やかな回復基調が継続しました。一方、先行きは、不安定な国際情勢、物価の上昇や金融市場の変動などにより、不透明な状況にあります。このような環境下におきまして、当連結会計年度における当社グループの業績は、以下のとおりとなりました。 (単位:百万円) 前期当期増減増減率売上高950,663922,516△28,146△3.0%営業利益33,85034,2043531.0%売上高営業利益率3.6%3.7%0.1%-経常利益38,74037,566△1,174△3.0%特別利益1,588718△870-特別損失5,9885,868△120-親会社株主に帰属する当期純利益23,08322,394△688△3.0% 売上高は、海外での製缶・製蓋機械の販売が減少したことにより、9,225億16百万円(前期比3.0%減)となりました。利益面では、エンジニアリング・充填・物流事業において、製缶・製蓋機械の販売減少や貸倒損失の計上があったものの、包装容器事業を中心に原材料価格上昇分の転嫁を実施したことなどにより、営業利益は342億4百万円(前期比1.0%増)となりました。経常利益は、持分法投資利益が増加したものの、為替差損を計上したことなどにより、375億66百万円(前期比3.0%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、223億94百万円(前期比3.0%減)となりました。各セグメントの営業の概況は次のとおりであります。 (単位:百万円)報告セグメント等売上高(外部顧客)営業利益前期当期増減増減率前期当期増減増減率包装容器事業588,352602,44714,0942.4%14,46027,00512,54486.7%エンジニアリング・充填・物流事業203,671146,407△57,263△28.1%9,422△9,728△19,150-鋼板関連事業87,94289,9872,0452.3%7,2717,6944225.8%機能材料関連事業39,27651,86612,59032.1%286,0976,069-不動産関連事業7,8978,0801832.3%4,5774,550△26△0.6%その他23,52323,7262030.9%1,0981,53743940.0%調整額----△3,008△2,95354-合計950,663922,516△28,146△3.0%33,85034,2043531.0% 〔包装容器事業〕売上高は6,024億47百万円(前期比2.4%増)となり、営業利益は270億5百万円(前期比86.7%増)となりました。a)金属製品の製造販売※国内・海外において、原材料・エネルギー価格上昇分の転嫁を実施したほか、国内において、チューハイ・ビール向けの空缶で新製品の受注があったことなどにより、売上高は前期を上回りました。b)プラスチック製品の製造販売※原材料・エネルギー価格上昇分の転嫁を実施したほか、お茶類向けのペットボトル・キャップや調味料向けのボトルなどが増加したことにより、売上高は前期を上回りました。c)紙製品の製造販売飲料向けの段ボール製品が減少しましたが、飲料コップを中心に原材料・エネルギー価格上昇分の転嫁を実施したことにより、売上高は前期並となりました。d)ガラス製品の製造販売飲食店向けでジョッキなどのハウスウエア製品や、化学薬品向けのびん製品が増加しましたが、セールスプロモーション品で前期に大型案件を受注した反動があったほか、調味料向けのびん製品が減少したことにより、売上高は前期並となりました。※当連結会計年度より、金属キャップおよびプラスチックキャップの製造販売を行うCrown Seal Public Co., Ltd.を連結子会社から持分法適用関連会社としたことにともない、売上高が減少した影響を含んでおります。〔エンジニアリング・充填・物流事業〕売上高は1,464億7百万円(前期比28.1%減)となり、営業損失は97億28百万円(前期は94億22百万円の営業利益)となりました。a)エンジニアリング事業欧米の金利上昇を背景としたお得意先における設備投資の見送りなどにより、海外での製缶・製蓋機械の販売が減少し、売上高は前期を大幅に下回りました。b)充填事業マレーシアにおいてホームケア製品およびパーソナルケア製品の充填事業を営むPREMIER CENTRE GROUP SDN. BHD.を、2025年3月期中間期末より連結子会社に追加したほか、タイにおいて、飲料の充填品が増加したことなどにより、売上高は前期を上回りました。c)物流事業貨物自動車運送業および倉庫業などの売上高は、前期並となりました。〔鋼板関連事業〕売上高は899億87百万円(前期比2.3%増)となり、営業利益は76億94百万円(前期比5.8%増)となりました。電気・電子部品向けでは、車載用二次電池材の輸出が減少し、売上高は前期を下回りました。缶用材料では、食缶向けの輸出などが増加し、売上高は前期を上回りました。自動車・産業機械部品向けでは、駆動系部品材などが増加し、売上高は前期を上回りました。建築・家電向けでは、内装パネル材などが増加し、売上高は前期を上回りました。〔機能材料関連事業〕売上高は518億66百万円(前期比32.1%増)となり、営業利益は60億97百万円(前期は28百万円の営業利益)となりました。磁気ディスク用アルミ基板では、データセンター向けのハードディスク用途で市況が回復傾向となったことにより、売上高は前期を上回りました。光学用機能フィルムでは、フラットパネルディスプレイの市況が回復傾向となったことにより、売上高は前期を上回りました。その他、ほうろう製品向けの釉薬が増加しました。〔不動産関連事業〕オフィスビルおよび商業施設等の賃貸につきましては、売上高は80億80百万円(前期比2.3%増)となり、営業利益は45億50百万円(前期比0.6%減)となりました。〔その他〕自動車用プレス金型・機械器具・硬質合金および農業用資材製品などの製造販売、石油製品などの販売および損害保険代理業などにつきましては、売上高は237億26百万円(前期比0.9%増)となり、営業利益は15億37百万円(前期比40.0%増)となりました。所在地別セグメントの業績は、次のとおりであります。日本では、売上高は7,726億18百万円(前期比4.2%増)、営業利益は326億35百万円(前期比59.4%増)となりました。アジア(タイ、中国、マレーシアなど)では、売上高は830億56百万円(前期比8.9%増)、営業利益は98億1百万円(前期比37.5%増)となりました。その他(米国など)では、売上高は668億42百万円(前期比49.8%減)、営業損失は85億8百万円(前期は63億12百万円の営業利益)となりました。なお、当連結会計年度末における当社の連結子会社数は74社(前期比2社増)、持分法適用関連会社数は5社(前期比1社増)となりました。当連結会計年度中における連結子会社の増減は、次のとおりです。 ・増加(3社)PREMIER CENTRE GROUP SDN. BHD.PREMIER CENTRE SERVICES SDN. BHD.PREMIER CENTRE TRADING SDN. BHD. ・減少(1社)Crown Seal Public Co., Ltd.※2024年4月1日付で当社の連結子会社から持分法適用関連会社となりました。資産、負債および純資産の状況は次のとおりであります。当連結会計年度末の総資産は、1兆2,016億15百万円となりました。現金及び預金の増加などにより前連結会計年度末に比べ208億31百万円の増加となりました。当連結会計年度末の負債は、5,067億94百万円となりました。借入金の増加や社債の発行などにより前連結会計年度末に比べ236億93百万円の増加となりました。当連結会計年度末の純資産は、6,948億20百万円となりました。自己株式の取得や配当金の支払などにより前連結会計年度末に比べ28億62百万円の減少となりました。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の56.4%から55.5%となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて267億57百万円増加し、1,100億7百万円(前期比32.1%増)となりました。〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕税金等調整前当期純利益が324億16百万円、減価償却費556億60百万円、売上債権の減少による資金の増加312億81百万円、棚卸資産の増加による資金の減少62億6百万円、仕入債務の減少による資金の減少85億17百万円などにより、当連結会計年度における営業活動による資金の増加は940億62百万円(前期比45.6%増)となりました。 〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕有形固定資産の取得による支出が336億21百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が114億37百万円あったことなどにより、当連結会計年度における投資活動による資金の減少は511億9百万円(前期比2.5%減)となりました。 〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕短期借入金の返済による支出(純額)が39億76百万円、長期借入れによる収入が380億0百万円、長期借入金の返済による支出が117億4百万円、社債の発行による収入が99億57百万円、自己株式の取得による支出が342億51百万円、配当金の支払いが155億7百万円あったことなどにより、当連結会計年度における財務活動による資金の減少は187億68百万円(前期比32.5%減)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a)生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)包装容器事業570,009101.7エンジニアリング・充填・物流事業134,37871.0鋼板関連事業82,173104.2機能材料関連事業49,508123.4報告セグメント計836,07096.2その他19,07897.8合計855,14996.3 (注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2.エンジニアリング・充填・物流事業のうち、物流事業は生産形態をとらないため、物流事業を除くエンジニアリング・充填事業を対象として記載しております。3.不動産関連事業は、生産形態をとらない事業活動のため記載しておりません。 b)受注実績エンジニアリング・充填・物流事業、鋼板関連事業、機能材料関連事業およびその他のうち、受注生産によるものについての当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)エンジニアリング・充填・物流事業79,975219.765,791128.4鋼板関連事業89,275110.216,586121.3機能材料関連事業34,357142.12,832119.6その他20,15189.515,271115.1合計223,760136.4100,481124.7 (注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2.エンジニアリング・充填・物流事業の金額は、包装容器関連設備の製造販売の一部に係るものであります。3.包装容器事業は、事業の形態から受注実績と販売実績がほぼ同様のため記載しておりません。4.不動産関連事業は、受注形態をとらない事業活動のため記載しておりません。 c)販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)包装容器事業602,447102.4エンジニアリング・充填・物流事業146,40771.9鋼板関連事業89,987102.3機能材料関連事業51,866132.1不動産関連事業8,080102.3報告セグメント計898,79096.9その他23,726100.9合計922,51697.0 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの経営成績及びセグメントごとの財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 また、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標、達成状況については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。 ②資本の財源及び資金の流動性に係る情報ⅰ)主要な資金需要および財源翌連結会計年度の当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用ならびに当社グループの設備新設、改修等にかかる投資であります。また、成長市場に向けた国内・海外事業への投資および事業構造改革投資をM&Aなどの形態と組み合わせて行うことを検討しております。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、金融機関からの借入および社債発行等による資金調達を主な財源として対応いたします。安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題として認識しており、主要な取引先金融機関に対して適時適切な情報開示を行うことにより、良好な取引関係を維持しております。加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。なお、当社は「環境配慮型製品・サービスの開発と提供」、「環境への貢献」に向けた取り組みを推進するための資金調達の枠組みとして、グリーンファイナンス・フレームワークを策定し、2023年10月および2024年10月にグリーンボンドを発行して資金を調達しました。 ⅱ)資金の流動性手許の運転資金につきましては、当社および一部を除く国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。現在、手許キャッシュは、突発的な資金需要に対応するため売上高の1ヵ月から2ヵ月分の水準を保持しており、今後もこの水準で運営していく予定です。さらに、これを上回る突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるように金融機関とコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。 当社の配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。 ③重要な会計方針の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

※本記事は「東洋製罐グループホールディングス株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

スポンサーリンク

連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

コメント