株式会社ダイセルの基本情報

会社名株式会社ダイセル
業種化学
従業員数連11178名 単2540名
従業員平均年齢42.2歳
従業員平均勤続年数15.9年
平均年収8594850円
1株当たりの純資産1357.77円
1株当たりの純利益(連結)181.44円
決算時期3月
配当金60円
配当性向27.8%
株価収益率(PER)7.15倍
自己資本利益率(ROE)(連結)13.76%
営業活動によるCF934億円
投資活動によるCF▲478億円
財務活動によるCF▲488億円
研究開発費※134.6億円
設備投資額※199.53億円
販売費および一般管理費※1514.56億円
株主資本比率※252.1%
有利子負債残高(連結)※32439.2億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、確実性を保証するものではありません。 (1) 会社経営の基本方針世の中が変化しても変えてはいけない当社グループが大切にする考え方を示すため、基本理念の表現を「価値共創によって人々を幸せにする会社 ~ Sustainable Value Together ~ 」と改めるとともに、新たにサステナブル経営方針を2020年度に定めました。 <サステナブル経営方針>・Sustainable Product:人々の豊かな生活を実現する新しい価値を創造し提供します・Sustainable Process:全てのステークホルダーとともに地球環境と共生する循環型プロセスを構築します・Sustainable People:多様な社員が全員、存在感と達成感を味わいながら成長する「人間中心の経営」を進めます 私たちダイセルの経営方針の最上位にあるのが基本理念です。SDGs実現のために「サステナブル経営方針」を基本理念の直下に位置付けました。またこのサステナブル経営方針をProduct、Process、Peopleの3つの要素で実現します。この経営方針を具現化していくために、当社グループで働くすべての役員、従業員の基本的な行動原則を再確認し、私たち一人ひとりが、あらゆる行動において常に意識し実践していく行動指針として「ダイセルグループ行動指針」、多様化するグローバル社会で存続するための必要条件であり、すべての企業活動領域で普遍的に適用する規範として「ダイセルグループ倫理規範」を定めました。そして、それを実現するための戦略が長期ビジョンと中期戦略になります。 (2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標当社グループが変わらず大切にする思いとともに、今後大胆に変えなければならないことを、2020年度を開始年度とする長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』および中期戦略『Accelerate 2025』で明確にいたしました。2023年度には、さまざまな社会的変化の影響や交易条件など経営環境が大きく変化したことに伴い、必要なアップデートを行っております。 ① 長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』の概要注力するドメインサステナブル経営方針の具現化に向け、以下の4つのトリガーと注力する市場で価値を提供し、人々の幸せの実現と、当社グループの持続的な成長を目指します。 4つのトリガー注力する市場健康(ヘルスケア)コスメ・健康食品・メディカル安全・安心(セイフティ)モビリティ・インダストリー便利・快適(スマート)ディスプレイ・IC/半導体・センシング環境水処理・生分解性樹脂 長期ビジョン実現への道のりOperation-I(原ダイセル)では自社の現状の事業に加え、注力するドメインを含めた領域で、事業構造の転換とアセットライト化(徹底したコストダウン)を進めます。Operation-Ⅱ(新ダイセル)では、既存事業の周辺領域でのM&Aや提携による領域拡大、既存事業の再編や合弁会社の抜本的見直しに取り組むとともに、グループ全体でのアセット・スーパーライト化を目指します。Operation-Ⅲ(新企業集団)では、グループの枠を超えて、まず垂直統合方向のバリューチェーン(サプライチェーン)を強化し、その共通顧客に対する価値創造(共創)に取り組むとともに、同業他社や大学など、水平方向にも共創を拡大することで、より大きな価値の提供を目指します。 ② 中期戦略『Accelerate 2025』の概要基本理念実現に向けて、以下の基本的な戦略に沿った取り組みを推進することで、既存事業の強化・成長による価値の提供と、「循環型社会構築への貢献」を目指します。 1.全社戦略クロスバリューチェーン実現に向けた取り組みとしてバリューチェーンの垂直/水平方向との連携を推進し、新企業集団を見据えた、組織変更に対して柔軟に組み替え可能なバーチャルカンパニーの実現を図り、その基盤となるデジタルアーキテクチャの構築を進めます。また、事業ポートフォリオとして「健康」「安全・安心」「便利・快適」「環境」における価値提供型事業へシフトし、ビジネスユニット(BU)の特性に応じたKPIの設定とその進捗に応じた資源配分により、売上高、営業利益ともに「次世代育成」事業と「成長牽引」事業のシェアを高めてまいります。 2.事業戦略[メディカル・ヘルスケア事業] ・新規腸内代謝物ベースの機能性食品素材(ウロリチン他)の展開 ・CPI事業の中国、インドでの拡大 ・DDS(ドラッグデリバリーシステム)や医療関連材料などメディカル領域の事業育成[スマート事業] ・半導体市場への材料供給及び関連事業の拡大 ・ダイセルビヨンド㈱の活用による高機能フィルムの拡大 ・ドライコーティング技術による新事業創出[セイフティ事業] ・生産地統廃合によるメリット拡大 ・インド、ASEAN市場で連携し、リスクヘッジとシェアアップを両立 ・中国企業との関係強化 ・EV車向けの電流遮断器量産と中国・欧米での拡販[マテリアル事業] ・アセテート・トウの加熱式たばこ向け販売増、増設なき増産 ・カプロラクトン誘導体・エポキシ化合物の高付加価値用途への拡大 ・酢酸セルロースの環境素材市場開拓[エンジニアリングプラスチック事業] ・欧米市場で拡販(ポリアセタール樹脂(POM)・液晶ポリマー(LCP)の 欧米でのシェア10%) ・中国市場でのビジネス強化(中国企業への販売) ・環境ビジネス創出(リサイクル・バイオ原料使用製品の展開)※発表時点の事業セグメントで記載しております。 また、ポリプラスチックスの完全子会社化に伴うシナジー効果を最大化するために、パフォーマンスマテリアルズ本部を設置しており、さらなるグループ全体の樹脂事業の強化に取り組みます。具体的には、ポリプラスチックスのグローバル展開の加速(将来需要取り込みのための増産投資、欧米市場への拡販)、コストダウンシナジーの実現(ダイセル式生産革新の展開加速、間接部門の効率的運営)、グループシナジーの最大化(ポリプラスチックスのマーケティング力の活用、R&Dリソースの相互活用、触媒効率改善など既存事業の改善および改良)などに取り組み、2025年度までにEBITDAで300億円のシナジー効果を見込んでおります。 3.機能別戦略事業創出力の向上のため、R(Research:ユーザー目線によるシーズの掘り起こし)とD(Development:事業化力の強化)の自立を図り、Proactive IP(開発、事業化のアンテナ機能)、R、Dの相互作用による事業創出を目指してまいります。生産(プロダクション)については、安全・品質のあくなき追求、究極のアセットライト、現場活躍の基盤強化を実践し、現場の力を結集してバーチャルカンパニーでパートナーに価値を提供することを目指します。デジタルトランスフォーメーションについては、権限委譲を進める組織改革やそれに伴う働き方改革をサポートすることを主眼に、あらゆる業務領域へのAI、IoTの活用を進めてまいります。人事については、多様な社員が存在感と達成感を味わいながら成長できる、変える!変わる!人事を目指してまいります。 4.全社業績・経営指標中期戦略最終年度となる2025年度に以下の全社業績および経営指標をターゲットとしております。 全社業績: 売上高 6,600億円、営業利益 820億円、親会社株主に帰属する当期純利益 580億円、EBITDA 1,360億円経営指標:営業利益率 12.4%、ROE 17.1%、ROIC 9.3%、ROA 7.7%、CCC 125日株主還元 中期戦略発表時の1株当たり配当金額(年間32円)を下限、総還元性向 40%以上     ※2024年度より、配当をDOE(株主資本配当率)4%以上、総還元性向 40%以上に変更。 また、アセットライト方針に基づき、業容拡大期間においても総資産残高をキープしつつ、自己資本比率45%超、ネットD/Eレシオ 0.5以下を実現し財務安定性強化を図ることにより2026年3月末のバランスシートとして以下をイメージしております。 2026年3月末(ターゲット)                  (億円)流動資産3,700負債3,800うち現預金600うち有利子負債2,400運転資産2,800 固定資産3,700純資産3,600うち有形・無形3,500  政策保有株式200 資産合計7,400負債・資本合計7,400 5.資金創出力収益力強化に加え適正在庫化などキャッシュコンバージョンサイクル削減効果で資金創出力向上を図ります。また、政策投資株式売却などにより資金創出力をさらに高め、余裕資金を成長投資や株主還元に活用します。株主還元は総還元性向40%以上とし、自己株式取得も視野に柔軟に対応してまいります。 (3) 経営環境及び会社の対処すべき課題地球規模の環境問題や自然災害、予期せぬ新型感染症の世界的な蔓延、国家間紛争、そしてAIをはじめとする加速度的に進歩するテクノロジーの台頭など、私たちを取り巻く環境は急激にかつ大きく変化しており、企業としての対応力がこれまで以上に問われています。このような環境の中、当社は長期ビジョン「DAICEL VISION 4.0」において「循環型社会構築への貢献」を目指す姿とし 、中期戦略「Accelerate 2025」に沿い、当社の強みを発揮できる「健康、安全・安心、便利・快適、環境」の4つの注力事業領域において、研究開発ならびに事業創出、既存事業の更なる成長に向けた様々な取組を実施してまいりました。また樹脂コンパウンド事業譲渡による合弁会社設立、高発泡プラスチック事業譲渡、合弁会社の持分取得によるアセテート・トウ事業基盤強化など、選択と集中による事業再編を実施しております。当社は、選択と集中による資源配分最適化を加速し、次世代育成事業および成長牽引事業を強化し、主要子会社であるポリプラスチックス株式会社との更なる一体化を促進することにより、収益拡大ならびに企業価値の向上を目指します。また、生産効率を飛躍的に向上し、環境負荷の低減にも資する新プロセスの開発ならびにプラント設計に加え、CO2の有効利用にも積極的に取り組んでおり、エコノミーとエコロジーを両立したカーボンニュートラル/ネガティブの実現に向け、循環型社会への一助を担ってまいります。
経営者による財政状態の説明
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の世界経済は、景気の緩やかな持ち直しの動きが続いたものの、各国の金融政策、中国経済の低迷、物価上昇、ウクライナ・中東情勢の影響に加え、米国の関税政策の影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況のうちに推移しました。当社グループの主要市場でも需要の回復傾向がみられ、需要が伸長する製品については販売機会を着実に捉え販売数量を伸ばすとともに、徹底したコストダウンなどを実施してまいりました。当連結会計年度の売上高は5,865億31百万円(前年度比5.1%増)、営業利益は610億11百万円(同2.2%減)、経常利益は623億20百万円(同8.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は494億80百万円(同11.4%減)となりました。  当期のセグメント別の状況当連結会計年度より、カプロラクトン誘導体、エポキシ化合物をマテリアル事業セグメントからスマート事業セグメントへ、液晶保護フィルム用の酢酸セルロースをスマート事業セグメントからマテリアル事業セグメントへ移管しています。前年度比較については、前年度の数値を移管後のセグメントに組み替えて比較しております。 [メディカル・ヘルスケア事業部門] ライフサイエンス事業は、キラルカラム用充填剤の販売が減少したものの、インドでの分析サービスなどの増加により、増収となりました。コスメ・健康食品事業は、インバウンドの増加などにより健康食品素材の販売数量が増加し、増収となりました。当部門の売上高は、144億38百万円(前年度比3.7%増)、営業利益は、販売製品構成差や販売数量増加に伴う経費の増加などにより、2億61百万円(同67.0%減)となりました。 [スマート事業部門] ファンクショナルプロダクツ事業は、カプロラクトン誘導体の中国市場での需要回復などによる販売数量の増加、エポキシ化合物の液晶パネルや電子材料向けの需要回復による販売数量の増加により、増収となりました。 アドバンストテクノロジー事業は、半導体材料市場の回復による電子材料向け溶剤、レジスト材料の販売数量増加などにより、増収となりました。当部門の売上高は、373億14百万円(前年度比10.4%増)、利益面では、原料価格の上昇や販売数量増加に伴う経費の増加などにより、営業損失7億80百万円(前年同期は営業損失8億97百万円)となりました。 [セイフティ事業部門]自動車エアバッグ用インフレータ(ガス発生装置)などのモビリティ事業は、上期に日本市場における自動車メーカーの認証不正問題や中国市場での日系自動車メーカーの不調による影響を受けたものの、下期に日系や中国の自動車メーカーの生産台数が回復したことで販売数量が増加し、増収となりました。2024年3月に民生用装弾事業の子会社を売却した影響があったものの、セイフティ事業全体でも増収となりました。当部門の売上高は、976億20百万円(前年度比2.1%増)、営業利益は、北米拠点の生産性改善やコストダウンなどにより、39億31百万円(同31.4%増)となりました。 [マテリアル事業部門]アセチル事業の酢酸は、主要誘導品の酢酸ビニルや高純度テレフタル酸の需要が引き続き低調であることに加え、原料(一酸化炭素)プラントの初期トラブルにより販売調整を実施したことで販売数量が減少し、減収となりました。アセテート・トウは、堅調な需要の継続により販売数量が増加したことや、為替の影響などにより、増収となりました。ケミカル事業の酢酸セルロースは、液晶パネル市場が調整局面に入った影響により偏光板向けの販売数量が減少し、減収となりました。その他のケミカル製品は、需要の低迷や酢酸原料(一酸化炭素)プラントの初期トラブルによる販売調整により酢酸エチルの販売数量が減少したことなどにより、減収となりました。当部門の売上高は、1,834億4百万円(前年度比0.6%増)、営業利益は、販売数量の減少や減価償却費の増加などにより、296億26百万円(同27.4%減)となりました。 [エンジニアリングプラスチック事業部門] ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックス株式会社の事業は、自動車や産業機器向け、電子材料向けなどの販売数量の増加や、為替の影響などにより、増収となりました。 水溶性高分子、包装フィルム、AS樹脂などダイセルミライズ株式会社の事業は、2024年7月から樹脂コンパウンド事業を持分法適用会社ノバセル株式会社へ移管したことにより、減収となりました。当部門の売上高は、2,479億86百万円(前年度比9.3%増)、営業利益は、販売数量の増加などにより、270億6百万円(同47.6%増)となりました。 [その他事業部門] その他部門は、水処理用分離膜モジュールなどのメンブレン事業の販売が減少したものの、運輸倉庫業の販売増加などにより、増収となりました。当部門の売上高は、57億67百万円(前年度比1.6%増)、営業利益は、9億65百万円(同128.7%増)となりました。 財政状態は、次のとおりであります。総資産は、投資有価証券等の減少により、前連結会計年度末に比し253億37百万円減少し、8,138億31百万円となりました。負債は、短期社債等の減少により、前連結会計年度末に比し249億64百万円減少し、4,387億94百万円となりました。また純資産は、3,750億37百万円となりました。純資産から非支配株主持分を引いた自己資本は、3,599億84百万円となり自己資本比率は44.2%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し36億41百万円減少し、647億67百万円(前連結会計年度末比5.3%減)となりました。 営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、934億6百万円(前年同期は、767億29百万円の増加)となりました。資金増加の主な内容は、税金等調整前当期純利益654億99百万円および減価償却費413億55百万円であり、資金減少の主な内容は、法人税等の支払額183億17百万円および投資有価証券売却損益158億59百万円であります。 投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、478億69百万円(前年同期は、553億74百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、投資有価証券の売却及び償還による収入183億54百万円であり、資金減少の主な内容は、有形固定資産の取得による支出699億63百万円であります。 財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、488億55百万円(前年同期は、523億73百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、長期借入れによる収入335億51百万円であり、資金減少の主な内容は、短期社債の純増減額270億円、長期借入金の返済による支出178億36百万円、配当金の支払額151億70百万円、自己株式の取得による支出150億0百万円であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)生産高(百万円)前年同期比(%)メディカル・ヘルスケア事業6,613△0.87スマート事業30,3205.21セイフティ事業101,8063.20マテリアル事業168,691△3.06エンジニアリングプラスチック事業229,7547.38報告セグメント計537,1862.88その他3,301△4.46合計540,4882.84 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 b.受注実績当社グループは、見込生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)販売高(百万円)前年同期比(%)メディカル・ヘルスケア事業14,4383.67スマート事業37,31410.35セイフティ事業97,6202.14マテリアル事業183,4040.64エンジニアリングプラスチック事業247,9869.33報告セグメント計580,7645.14その他5,7671.60合計586,5315.10 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月18日)現在において判断したものであります。 ① 経営成績等中期戦略『Accelerate 2025』では2025年度に以下の全社業績および経営指標をターゲットとしております。全社業績:売上高 6,600億円、営業利益 820億円、親会社株主に帰属する当期純利益 580億円、EBITDA 1,360億円経営指標:営業利益率 12.4%、ROE 17.1%、ROIC 9.3%、ROA 7.7%株主還元 中期戦略発表時の1株当たり配当金額(年間32円)を下限、総還元性向 40%以上     ※2024年度より、配当をDOE(株主資本配当率)4%以上、総還元性向 40%以上に変更。 本中期戦略の5年目である当連結会計年度は、需要の回復による販売機会を着実に捉えるとともに、販売価格の是正、徹底したコストダウンを実施してまいりました。その結果、当連結会計年度の業績は、売上高は5,865億31百万円(前年度比5.1%増)、営業利益は610億11百万円(同2.2%減)、経常利益は623億20百万円(同8.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は494億80百万円(同11.4%減)となりました。 経営成績売上高および営業利益売上高、営業利益の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 営業外損益営業外損益は13億円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比し47億円悪化いたしました。主に為替損益の影響などによるものであります。 特別損益特別利益は205億円を計上いたしました。投資有価証券売却益159億円などによるものであります。特別損失は173億円を計上いたしました。減損損失71億円などによるものであります。 法人税等税効果会計適用後法人税の負担率(実効税率)は22.9%と、前連結会計年度に比し2.7ポイント減少いたしました。 非支配株主に帰属する当期純利益非支配株主に帰属する当期純利益は10億円と、前連結会計年度に比し3億円(40.2%)増加いたしました。 親会社株主に帰属する当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益は495億円と、前連結会計年度に比し64億円(11.4%)の減益となりました。 また、ROEは13.8%となり、前連結会計年度に比し3.3ポイント悪化しました。ROICは6.1%、EBITDAは1,024億円となりました。 財政状態資産、負債および純資産の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。なお、有利子負債比率は35.2%となりました。また、2024年11月7日取締役会決議に基づく自己株式の取得を150億円実施しております。 ② 経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性キャッシュ・フローキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 資金需要当社グループにおける主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入、労務費など製造費用と、製品の仕入、販売費及び一般管理費等の支払いであります。当社グループでは、製造設備の増強および更新などのほか、安全向上対策ならびに現業各設備の合理化・省力化を継続的に行っております。当連結会計年度の設備投資額は前連結会計年度に比し80億円減少し、695億円(前連結会計年度比10.3%減)、減価償却費は前連結会計年度に比し77億円増加し、414億円(前連結会計年度比22.9%増)となりました。当社グループでは、既存事業の強化拡大および新事業創出のための研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費は前連結会計年度に比し25億円増加し、259億円(前連結会計年度比10.8%増)となりました。 財務政策当社グループは、設備投資計画に照らして、必要な資金を銀行借入や社債発行により調達しております。短期的な運転資金は、キャッシュマネジメントサービスを通じてグループ内で余剰資金を活用しておりますが、地域、通貨、金利動向等を考慮した結果、銀行借入等による調達を行う場合があります。当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は2,861億円であります。利益配分に関しては、中期戦略『Accelerate 2025』におきましては、収益力強化に加え適正在庫化などキャッシュコンバージョンサイクル削減効果で資金創出力向上を図ります。また、政策投資株式売却などにより資金創出力をさらに高め、余裕資金を成長投資や株主還元に活用します。株主還元は総還元性向40%以上、DOE(株主資本配当率)は4%以上を目標とし、自己株式取得も視野に柔軟に対応してまいります。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

※本記事は「株式会社ダイセル」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

スポンサーリンク

連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

コメント