株式会社ラクスの基本情報

会社名株式会社ラクス
業種情報・通信業
従業員数連3086名 単1907名
従業員平均年齢32.5歳
従業員平均勤続年数3年
平均年収6486000円
1株当たりの純資産121.31円
1株当たりの純利益(連結)44.18円
決算時期年3
配当金4.5円
配当性向10.2%
株価収益率(PER)45.27倍
自己資本利益率(ROE)(連結)45.3%
営業活動によるCF90億円
投資活動によるCF▲34億円
財務活動によるCF▲11億円
研究開発費※155000000円
設備投資額※113.61億円
販売費および一般管理費※155.24779億円
株主資本比率※270.7%
有利子負債残高(連結)※32.16億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」というミッションを掲げており、ITサービスを通じてデジタル化を継続的に推進し、企業の成長と、そこで働く人々の幸せに貢献してまいります。 また、「日本を代表する企業になる」をビジョンに掲げ、達成すべきゴールとして捉えておりますが、当社グループでは、ゴール達成のための思考と行動指針に大きな特徴があります。 (思考)「ユニークネス」と称しており、以下の4項目で構成されております。・ゴールオリエンテッド・着実な継続・誠実な合理性・不確実性の排除 (行動指針)「ラクスリーダーシッププリンシプル(RLP)」と称しており、以下の11項目で構成されております。・自分自身の会社だと思う・全体最適視点をもつ・誠意をもって人と接する・学習し成長し続ける・小さく試して大きく育てる・費用対効果を考える・やるべきことを実行する・他者の考えを受け入れる・失敗を許容する・考えている事を言葉で伝える・結果にこだわる  当社は、思考と行動指針をもとに今までにも高いゴールを掲げ、それらを着実に達成してきました。引き続きミッション・ビジョンの実現のため、事業を推進してまいります。  以上をもとに当社では、経営方針を定めております。その基本方針については以下のとおりです。 ①人材育成方針 当社は、企業価値の持続的な向上のために「人の成長が組織の成長につながる」という考えのもと、全社員が自律的に学び、挑戦し、行動し続けることができる環境を整えることを重視しております。 社員が「安心して働き、成長し続けられる」ことを人材マネジメントの根幹に据え、単なるスキル習得にとどまらず、リーダーシップ・倫理観・社会的責任感を兼ね備えた人材の育成を目指しております。 また、RLPを全社的な育成・評価・制度設計の基盤としております。 ②社内環境整備方針 当社は、「社員一人ひとりがゴールを共有する仲間である」という認識のもと、社員が安心して能力を発揮し、継続的に成長できる環境の整備を重視しております。 また、成長戦略を支えるためには、社員の多様な価値観・ライフステージ・職種特性に応じた柔軟な働き方と、心身の健康を支える制度設計が不可欠であると考えております。 こうした考えに基づき、当社は単なる制度提供にとどまらず、インナーブランディングやリアルな接点機会の提供を通じてカルチャー醸成を図り、全社的なエンゲージメントの向上と行動指針の浸透を推進しております。 ③環境方針 当社は、環境保全への取組を経営の重要課題の一つと位置づけ、環境マネジメントの実践を通じて、環境への配慮と汚染の未然防止を継続的に推進してまいります。 ④人権方針 当社は、事業活動を通じて直接的または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識しており、関係するすべての人々の権利を尊重し、責任ある取組を推進してまいります。 ⑤DEI方針 当社は、ジェンダー、年齢、国籍、障がいの有無、宗教・信条、性的指向・性自認、家庭環境、ライフスタイルなど、多様な背景を持つ社員一人ひとりの個性と価値観を尊重し、誰もが安心して働き、能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指します。 ⑥マルチステークホルダー方針 当社は、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会等の多様なステークホルダーとの協働・対話を重視し、価値協創及びその適切な分配を通じて、持続的な経済発展への貢献を目指しております。 ⑦情報セキュリティ基本方針 当社は、情報資産の漏えい・改ざん・滅失・盗難などの脅威から守るため、体制構築と従業員教育を通じて情報セキュリティの維持・強化を図っております。 ⑧個人情報保護方針 当社は、クラウドサービス等の提供にあたり、顧客企業の個人情報を安全に管理することを重要な社会的責任と位置付け、社内体制の整備及び全社的な取組を推進しております。 ⑨腐敗防止方針 当社は、あらゆる形態の贈収賄や不正な利益供与、資金洗浄、その他の腐敗行為を排除し、誠実かつ倫理的な事業運営を行うことが、企業の社会的責任であると認識しております。 ⑩反社会的勢力排除に関する基本方針 当社は、反社会的勢力とは一切関係を持たず、組織としての明確な姿勢をもって遮断を徹底しております。 ⑪ディスクロージャーポリシー 当社は、投資判断に重要な影響を与える決定事実、発生事実、決算に関する情報が生じた場合には、適時開示規則の基準に沿って迅速に開示するとともに、適時開示規則に該当しない場合でも、適時開示規則に準拠し、公表が必要となる会社情報、及び投資判断に影響を与えると当社で判断した重要な会社情報につきましては積極的に開示いたします。  上記基本方針のうち、③~⑪の詳細については、当社コーポレートサイト(注1)にて公開しております。 以上の方針をもとに、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会等の多様なステークホルダーとの協働・対話を重視し、価値協創及びその適切な分配を通じて、持続的な経済発展への貢献を目指しております。 (2)経営戦略等 当社グループが競争力を高め、持続的な成長を実現するための施策として、当社の成長を牽引している「楽楽精算」「楽楽明細」「楽楽販売」をはじめとした「楽楽シリーズ」にリソースを重点的に配分いたします。その他のサービスについては競争優位性と市場の成長性を勘案した上で、利益貢献を重視しながら適切にリソースを配分することにより、当社グループ全体の持続的な事業成長を目指してまいります。  人的資本については、経営方針に基づき、具体的な施策として以下を実施しております。 (人材育成施策)・RLPの浸透と運用RLPをもとにした評価制度及び研修体系を整備し、管理職の行動実践を可視化。定期的なレビューを通じて実効性を高めております。・役割等級と連動した研修体系等級別研修(Next Leader Program、意思決定研修、1on1実践研修)やOJT支援制度を整備し、職位に応じたスキルとマインドの段階的な習得を促進しております。 ・キャリア自律支援と配置の柔軟性確保社内公募制度・ジョブローテーション制度の運用により、社員の希望と適性に応じたキャリア選択を支援。年次を問わない抜擢登用も実施しております。 ・評価の透明性と納得性の向上コンピテンシー評価と成果評価による2軸評価制度を導入。評価フィードバックと納得度調査に基づき、上司のマネジメント改善サイクルを運用しております。 ・エンゲージメント向上と組織風土づくり年2回のエンゲージメントサーベイを実施し、部門単位でアクションプランを策定。組織課題の特定と継続的な改善を図っております。 (社内環境整備施策)・柔軟な就業制度の整備時差出勤制度、在宅勤務制度などを整備し、ライフスタイルや業務特性に応じた柔軟な働き方を推進しております。 ・健康と安心を支える制度の拡充年次有給休暇とは別に、本人または同居家族の私傷病に対して最大5日間の特別有給休暇を付与する「シックリーブ制度」を導入。加えて、メンタルヘルス支援、健康診断・再検査支援制度を提供しております。 ・エンゲージメント向上施策の実施全社員向けイベント「楽!フェス」のリアル開催、社内イントラネットによる情報発信、表彰制度「ラクスAWARD」などを通じ、価値観の共有と士気向上を図っております。 ・多様な社員が活躍できる環境の整備性別、年齢、国籍を問わず、すべての社員が能力を発揮できる環境を整備。時短勤務、看護休暇といった育児、介護、私傷病との両立支援制度も導入しております。 ・継続的な制度改善サイクルの構築社員の声をもとに施策をアップデートし、有給休暇取得率90%以上、月平均時間外労働時間20時間未満を継続実現するなど、働きやすい社内環境の整備に向けた実効性ある制度運用を継続しております。 (3)経営環境 当社が所属する情報通信サービス市場においては、人手不足や働き方改革の影響からデジタルトランスフォーメーションによる業務効率化を推進する企業が増加する等、IT投資への意欲は引き続き旺盛に推移しております。 一方で、経費精算市場を中心とした一部の事業領域では市場の成熟化が進みつつあり、サービスを提供する企業も複数存在することから、競争環境は年々、より厳しさを増している状況にあります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 インターネットは経済活動を支えるインフラとして不可欠なものとなっており、当社グループが提供しているクラウドサービス及びITエンジニア派遣サービスは今後も需要が拡大するものと予測されます。 一方で、一部事業領域では市場の成熟化が進行し、競争環境が厳しさを増す中で、当社グループが持続的な成長を実現するためには、以下の課題への対応が重要であると認識しております。 ①成長サービスへの集中・強化 クラウドサービス市場は今後も拡大が見込まれる一方、競合の増加や一部分野の成熟化が進行しており、事業ごとに成長余地に差が生じつつあります。 このような環境下、当社では成長性の高いサービスへの経営資源の重点配分を進め、確実な市場シェアの獲得と収益力の向上を図ってまいります。②サービスラインナップの拡充 特定のサービスへの依存度が高い状態は、将来的な成長機会やリスク分散の観点で課題となり得ます。 当社は既存プロダクト群に加え、顧客の新たなニーズを捉えた新サービスの開発・導入、M&Aによるプロダクト獲得を推進し、事業ポートフォリオの多様化と持続的な売上成長の両立を目指してまいります。 ③営業・販売体制の強化 拡大する市場で継続的な成長を実現するためには、営業活動の質と量の両面から強化が必要です。 クラウド事業は、東京・大阪・札幌・名古屋・新潟・広島・福岡の7拠点(注2)で営業活動を行っており、今後も営業人員を増員し営業力を強化するとともに、パートナー企業や販売代理店との連携を強化することにより販路の拡大も図ってまいります。 また、中長期的には、既存顧客に対しても自社プロダクトのクロスセル提案等により収益機会の最大化に努めてまいります。 IT人材事業は、派遣先での業務を通じてITエンジニアのキャリアアップを行い、提供するサービスの高付加価値化を行う事業であり、多くの案件を常に確保し、ITエンジニアの成長機会を提供することが不可欠であります。そのため営業担当者が顧客のニーズを引き出し、最適なマッチングを行うことで継続的な案件確保に努めてまいります。 ④マーケティング戦略の高度化による認知度向上 当社グループはこれまでインターネットやテレビ、雑誌への広告の掲載、展示会への出展や販売代理店を通じて顧客を獲得してまいりました。提供する各サービスの顧客数を拡大し、企業価値の向上を実現するには当社及びサービス名の認知度の向上が不可欠であると考えております。 一方、現在行っているマーケティング戦略は、時間とともに陳腐化する可能性があります。引き続き、費用対効果を見極めながら、インターネットやテレビ、雑誌などマスメディアの活用に加え、展示会への出展を推進いたします。また、オンライン・オフライン双方のチャネルを活用しながら、データ分析に基づくマーケティング精度の向上に取り組み、ブランド認知度の向上と顧客獲得効率の改善を図ってまいります。 ⑤開発力の強化 クラウドサービス市場においてサービスの機能優位性を維持していくためには機能の改善・追加をスピーディーかつ継続的に実施していく必要があります。当社グループでは、従来の国内、ベトナムでの開発に加え、2025年4月にはインドネシアに新たな開発拠点を設立する等、開発リソースの確保に注力しており、今後も開発リソースの最適化と技術力の強化を進め、プロダクトの優位性維持と顧客満足度の向上を目指してまいります。 ⑥人材の確保と育成 当社グループの成長のためには優秀な人材を数多く確保することが不可欠であります。そのため積極的な採用活動を継続することはもちろんのこと、労働市場において知名度の向上を図り採用力の向上に努めてまいります。 また、採用後も人的資本投資として研修制度やキャリア支援の充実、エンゲージメント向上施策を推進し、組織の競争力向上を図ってまいります。 ⑦システムの安定性とセキュリティの確保 当社グループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、システムの安定稼働の確保は必要不可欠であります。安定してサービスを提供していくため顧客の増加に合わせたサーバーの増設等の設備投資を継続的に行い、システムの安定性の確保に努めてまいります。 また、災害対策に加え、ISMS(注3)、PMS(注4)等の管理体制の強化を通じて、安定稼働と情報セキュリティリスクの低減を図ってまいります。 ⑧財務基盤の強化と資本効率の向上 当社グループは、営業キャッシュ・フローの増加や成長投資による資本構成の変化を踏まえ、引き続き財務の健全性を維持しながら、資本効率の向上にも取り組む方針です。 1株当たり利益(EPS)の持続的成長を最重要指標と位置付けつつ、中期経営目標の達成を図ってまいります。 ⑨ガバナンス・内部統制の強化 組織の拡大とともに、経営の透明性やリスク管理体制の実効性確保がより重要となります。 当社は、取締役会及び各種委員会の運営強化、内部監査機能の充実を通じて、健全かつ透明性の高い経営体制の構築を推進してまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは1株当たり利益(EPS)の持続的成長を最重要指標として掲げております。EPSを中長期で大きく伸長させていくために、成長投資を強化し、売上高の拡大を目指してまいります。  現在取り組んでいる中期経営目標においては、成長投資強化期間中は高い売上成長を優先する方針でしたが、最終年度に向けては投資効率を見極め、営業利益率の向上を図ることで、EPSの持続的成長を実現する方針です。 一方、2027年3月期を起点とする次期中期経営計画については、2026年5月の開示を目指して準備を進めております。骨子としては、主力プロダクトである「楽楽精算」の市場成熟や当社の事業規模の拡大を踏まえ、売上の「ハイグロース」から、収益性改善を伴う「クオリティグロース」への移行を想定しております。  なお、2026年3月期を最終年とする中期経営目標数値は以下のとおりです。 ・5カ年の売上高      : CAGR(年平均成長率)31%~32% ・2026年3月期 当期純利益 : 100億円以上 ・2026年3月期 純資産   : 200億円以上 (注)1.当社コーポレートサイトのURLは以下のとおりです。https://www.rakus.co.jp/2.2025年4月7日付で静岡営業所を設立しており、本書提出日現在では8拠点となっております。3.「ISMS」とは、Information Security Management System(情報セキュリティマネジメントシステム)の略で、組織の情報セキュリティを管理するための枠組みのこと。当社では一般財団法人「日本品質保証機構」によるISMS認証を2021年1月15日に登録しており、継続的に維持更新しております。4.「PMS」とは、Personal Information Protection Management Systems(個人情報保護マネジメントシステム)の略で、企業が個人情報を適切に取り扱うための枠組みのこと。当社では一般財団法人「日本情報システム・ユーザ協会」によるプライバシーマークを2006年9月5日に登録しており、継続的に維持更新しております。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当社が所属する情報通信サービス市場においては、働き方の見直しや深刻化する人手不足等を背景に、企業における業務効率化への関心が一層高まっており、企業活動のデジタル化が進展しております。その結果、企業によるIT投資は引き続き堅調に推移いたしました。一方で、一部の事業領域では市場の成熟化が進んでいるほか、類似のサービスを展開する事業者の増加により、競争環境は厳しさを増しているものと認識しております。 このような経営環境の中、当社グループは、2021年3月期を基準として、2026年3月期までの5ヵ年で、売上高CAGR(年平均成長率)31%~32%、2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益100億円以上、純資産200億円以上とする中期経営目標に取り組んでおります。 当連結会計年度においては、中期経営目標の最終年度に向け、投資効率のさらなる向上を図るべく、各サービスの受注動向に応じた機動的な投資配分の見直しや、営業プロセスの見直し等の取り組みを継続的に実施してまいりました。 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高48,904百万円(前連結会計年度比27.3%増)、営業利益10,192百万円(前連結会計年度比83.3%増)、経常利益10,218百万円(前連結会計年度比82.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,003百万円(前連結会計年度比91.2%増)となりました。  財政状態については次のとおりであります。a.資産 当連結会計年度末における流動資産は19,296百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,151百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が4,357百万円、売掛金が1,509百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は12,357百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,268百万円増加いたしました。主な要因は、のれんが333百万円、顧客関連資産が145百万円それぞれ減少したものの、投資有価証券が3,448百万円、工具、器具及び備品が609百万円、繰延税金資産が524百万円、差入保証金が79百万円、ソフトウエアが73百万円それぞれ増加したことによるものであります。 この結果、総資産は31,654百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,419百万円増加いたしました。 b.負債 当連結会計年度末における流動負債は9,462百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,090百万円増加いたしました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が538百万円減少したものの、未払法人税等が1,515百万円、未払金が480百万円、未払費用が437百万円、契約負債が170百万円、未払消費税等が164百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は213百万円となり、前連結会計年度末に比べ300百万円減少いたしました。主な要因は、長期未払費用が71百万円増加したものの、長期借入金が216百万円、繰延税金負債が128百万円それぞれ減少したことによるものであります。 この結果、負債合計は9,676百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,789百万円増加いたしました。 c.純資産 当連結会計年度末における純資産合計は21,977百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,630百万円増加いたしました。主な要因は、剰余金の配当により425百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により8,003百万円、その他有価証券評価差額金の計上により1,043百万円それぞれ増加したことによるものであります。 経営成績については次のとおりであります。a.売上高 当連結会計年度の売上高は48,904百万円(前連結会計年度比27.3%増)となりました。クラウド事業においては「楽楽精算」「楽楽明細」が堅調に推移しており、売上高は41,862百万円(前連結会計年度比28.9%増)となっております。IT人材事業においては稼働エンジニア数の増加により、売上高は7,041百万円(前連結会計年度比18.5%増)となりました。 b.売上原価、売上総利益 当連結会計年度の売上原価は12,594百万円(前連結会計年度比16.7%増)となりました。これは主に労務費の増加によるものであります。この結果、売上総利益は36,310百万円(前連結会計年度比31.5%増)となりました。 c.販売費及び一般管理費、営業利益 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は26,117百万円(前連結会計年度比18.4%増)となりました。これは主に、業容拡大に伴う給料手当、広告宣伝費が増加したことによるものであります。この結果、営業利益は10,192百万円(前連結会計年度比83.3%増)となりました。 d.営業外収益、営業外費用及び経常利益 当連結会計年度の営業外収益は為替差益、助成金収入等により28百万円(前連結会計年度53百万円)となりました。 当連結会計年度の営業外費用は支払利息等により2百万円(前連結会計年度2百万円)となりました。これらの結果、経常利益は10,218百万円(前連結会計年度比82.1%増)となりました。 e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益 当連結会計年度の特別損失は固定資産除却損の計上により2百万円(前連結会計年度9百万円)となりました。 この結果、税金等調整前当期純利益は10,216百万円(前連結会計年度比82.2%増)となり、法人税等合計2,212百万円(前連結会計年度比55.5%増)の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は8,003百万円(前連結会計年度比91.2%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。a.クラウド事業 クラウド事業は、主力サービスである楽楽精算、楽楽明細において、インボイス制度や電子帳簿保存法の前倒し需要の反動影響は第1四半期連結会計期間に底を打ち、堅調な需要環境を背景に第2四半期連結会計期間以降は回復し、堅調に推移しました。また積極的な投資は継続しつつも、各サービスの受注状況を踏まえた機動的な投資の再配分や、営業プロセスの見直し等の施策を進めた結果、利益率が改善いたしました。 この結果、売上高は41,862百万円(前連結会計年度比28.9%増)、セグメント利益は9,365百万円(前連結会計年度比88.1%増)となりました。 b.IT人材事業 IT人材事業は、営業活動強化により稼働エンジニア数が増加し、高水準の稼働率を維持することができました。この結果、売上高は7,041百万円(前連結会計年度比18.5%増)、セグメント利益は827百万円(前連結会計年度比42.7%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,357百万円増加し、11,366百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 a.営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、9,006百万円の収入(前連結会計年度は5,288百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10,216百万円、減価償却費797百万円、未払費用の増加額510百万円、未払金の増加額481百万円、のれん償却額333百万円、未払消費税等の増加額161百万円の増加要因があった一方、法人税等の支払額1,864百万円、売上債権の増加額1,358百万円の減少要因があったことによるものであります。 b.投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動によるキャッシュ・フローは、3,465百万円の支出(前連結会計年度は4,860百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出1,947百万円、有形固定資産の取得による支出1,265百万円、差入保証金の差入による支出224百万円があったことによるものであります。 c.財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動によるキャッシュ・フローは、1,180百万円の支出(前連結会計年度は579百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出754百万円、配当金の支払額425百万円があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループは、インターネット上での各種サービス及びITエンジニア派遣を主たる事業としており、生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。 b.受注実績当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前連結会計年度比(%)クラウド事業(百万円)41,862128.9IT人材事業(百万円)7,041118.5合計(百万円)48,904127.3(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、成長投資にかかる人件費及び広告宣伝費等の売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、サーバー等の設備投資、投資有価証券の取得等によるものです。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金を基本としているものの、金融機関からの長期借入等について柔軟に対応することとしております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は216百万円であり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は11,366百万円となっております。③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は以下のとおりです。当社グループは1株当たり利益(EPS)の中長期的な成長を最重要指標として掲げております。また、2021年3月期を基準として、2026年3月期までの5ヵ年で売上高をCAGR(年平均成長率)31%~32%成長させること、親会社株主に帰属する当期純利益を100億円以上、期末の純資産を200億円以上とする中期経営目標を掲げており、それぞれ達成を見込んでおります。次期中期経営計画については2026年5月に開示する予定です。2026年3月期を基準とした2029年3月期までの3ヵ年計画を検討しており、事業の選択と集中、積極的なM&A戦略の推進を通じて、成長と収益性改善の両立を目指してまいります。 決算年月第23期2023年3月第24期2024年3月第25期2025年3月売上高(百万円)27,39938,40848,904営業利益(百万円)1,6565,55910,192親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)1,2744,1858,0031株当たり当期純利益(円)7.0323.1044.18EBITDA(百万円)2,2636,48011,351EBITDAマージン 8.3%16.9%23.2%純資産(百万円)9,54813,34721,977 (注)1.EBITDA=税金等調整前当期純利益+特別損益+減価償却費+のれん償却費+支払利息2.EBITDAマージン=EBITDA÷売上高

※本記事は「株式会社ラクス」の令和7年年3期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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