株式会社ワコールホールディングスの基本情報

会社名株式会社ワコールホールディングス
業種繊維製品
従業員数連16124名 単89名
従業員平均年齢44.6歳
従業員平均勤続年数17年
平均年収5983168円
1株当たりの純資産2153.26円
1株当たりの純利益(連結)129.65円
決算時期3月
配当金100円
配当性向34.3%
株価収益率(PER)17.48倍
自己資本利益率(ROE)(単体)13.7%
営業活動によるCF49億円
投資活動によるCF93億円
財務活動によるCF▲229億円
研究開発費※13.61億円
設備投資額※15.05億円
販売費および一般管理費※18.81億円
株主資本比率※278.3%
有利子負債残高(連結)※3※40円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。これらの将来予測には、不確定な変動要素が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。 (1) グループ経営理念 ワコールグループは、純粋持株会社である当社のもと、日本、米国、欧州、中国、東南アジアを中心に、インナーウェア事業などを展開し、従前から「人々の美しさに貢献することで、広く社会に寄与すること」を目指して活動を続けてきました。そして、2022年には、「世界中のあらゆる人々の豊かな生活に貢献すること」、「画一的な外見美ではなく、内面も含めた自分らしさの実現をお手伝いすること」、「環境や人権などさまざまな社会課題の解決に努めること」を目指し、現代社会において私たちが果たすべき社会的使命を「ミッション」として定義しました。この「ミッション」及び70年を超える歴史の中で受け継いできた「創業の精神」をよりどころとして、各事業会社が複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉え、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を目指す「サステナビリティ経営」を推進することで、企業価値の向上に努めていきます。 また、私たちの事業活動は、一人ひとりのお客さまの声に耳を傾け、謙虚に自らを変革し、人と人とが互いに信頼し合う「相互信頼」を積み重ねることで成り立っています。企業経営の透明性を高めることに継続して取り組み、公正性、独立性を確保することを通じて、「株主」「顧客」「従業員」「取引先」「地域社会」など、すべてのステークホルダーと「相互信頼」の関係を構築することで、社会になくてはならない存在を目指していきます。 ミッション ひとりひとりが 自分らしく美しく いられるように世の中が 自信と思いやりに あふれるようにからだに こころにいちばん近いところで 寄り添い続けます からだのここちよさ、こころの美しさ。それはまるで引力のように、自分と社会とを結びつけてくれる。ありたい自分を知り、一歩ずつ近づくこと。そこで生まれた自信は、多様な人々を受け入れる優しさを育む。その優しさは、やがて社会や地球へも広がり、思いやりあふれる豊かな未来へとつながっていく。からだに こころに いちばん近いところで、一人ひとりの輝きに寄り添い続けてきたワコールだから。変化に挑み、成長を続けることで、世界を美しくする力になれる。私たちは、そう信じています。 グローバル・コーポレートメッセージComfortable inside. Confident outside. ※「グローバル・コーポレートメッセージ」は、ワコールグループ共通のコミュニケーションメッセージです。詳しくは、当社ウェブサイトの「ワコールグループについて」をご覧ください。https://www.wacoalholdings.jp/group/ 創業の精神 目標世の女性に美しくなって貰う事によって広く社会に寄与する事こそわが社の理想であり目標であります 社是わが社は 相互信頼を基調とした格調の高い社風を確立し一丸となって 世界のワコールを目指し不断の前進を続けよう 経営の基本方針1. 愛される商品を作ります2. 時代の要求する新製品を開発します3. 大いなる将来を考え正々堂々と営業します4. より良きワコールはより良き社員によって造られます5. 失敗を恐れず成功を自惚れません 役員・従業員の行動指針(アクション) 「誰かの幸せを想おう」顧客、取引先、ともに働く社員など、周囲の人の幸せを考えられているだろうか「好奇心を持って、五感を使い観察しよう」最近、新たな発見や気づきはあっただろうか「なぜ?何のために?を考えよう」真意や根本原因を理解できているだろうか「異なる意見を尊重しよう」謙虚に人の意見に耳を傾け、忖度抜きで、建設的に議論をしているだろうか「未来志向で判断しよう」目先の結果だけではなく、豊かな未来の実現のために行動しているだろうか「まずやってみよう」リスクを恐れて立ち止まっていないだろうか 挑戦する人を応援しているだろうか「仲間と力を合わせよう」大きな成果を生むために、仲間と切磋琢磨し、共創できているだろうか「誠実に、責任を持ち行動しよう」相手に感謝を伝えているだろうか 人のせいにしていないだろうか (2) 中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」①策定背景 当社グループは、経営理念の実践に向けて、自社が抱える事業課題やお客さまの価値観、社会・環境の変化を見据えつつ、長期的なゴールからのバックキャスティングにより、2030年に向けたグループの将来ビジョンを示す「VISION 2030」を策定しました。「VISION 2030」では、「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを中長期的に目指す姿として掲げ、「国内の収益性向上と事業領域拡大」「海外事業の拡大と高収益構造への変革」「グループ経営力の強化」「資本効率の高い経営への転換」に取り組むことで、持続的な成長と企業価値の向上を実現します。 ②全体像目指す姿:高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する 『世界のワコールグループ』の定義・グループの商品・サービスや社会的課題に係る取組みが、全てのステークホルダーから高い信頼を得ている・グループの人材、資産、ノウハウ、ネットワークを最大限活用し、世界的規模で競争優位性のある事業展開を行っている・革新的且つ高品質な商品・サービスで、新たな顧客体験を創造し続け、世界中のお客さまの生活を豊かに美しくし続けている・全世界の従業員がグループの目標、使命を理解し、その実現に向け、常識や過去にとらわれずに挑戦している 事業領域:「美」「快適」「健康」領域を、「高い感性と品質」で支えられた新たな商品・サービスで深耕・拡大していく実行方針:以下の重点戦略を実行し、事業の拡大や収益性の向上、経営基盤の強化などに取り組み、社会課題の解決と持続的成長の両立を目指すサステナビリティ経営を推進する 主要指標(2031年3月期):売上収益2,700億円(うち、海外事業売上比率40%)(参考)非連結合弁会社含むグループ売上収益3,400億円営業利益(営業利益率)270億円(10%)ROE10% 重点戦略:重点戦略マテリアリティ(重要課題)サステナビリティ経営の推進国内の収益性向上と事業領域拡大国内における着実な成長と、健康領域での新規事業創出・CX戦略の推進を通じた国内市場シェアの回復・「美・快適・健康」分野における事業領域の拡大海外事業の拡大と高収益構造への変革既存進出エリアの拡大維持と、欧州やインド市場での成長・デジタルマーケティングの強化による新規顧客の獲得・CRM強化による既存顧客のロイヤル化・新規市場におけるブランド投資の強化グループ経営力の強化グループガバナンスの強化、多様性のある人材育成と活用国内外の技術・生産・R&D拠点の整備・品質基準の再定義、縫製工場のスマートファクトリー化、生産・輸送効率の追求資本効率の高い経営への転換資本コストを上回るROEの創出ステークホルダーへの価値配分の最適化・ROE10%、資本構成の最適化への取り組み (3) 中期経営計画(リバイズ)(2024年3月期~2026年3月期)①策定背景 当社グループは、2023年3月期の実績が計画未達となったことを受け、中期経営計画の見直し(以下、中計リバイズ)を行い、2023年11月に公表しました。中計リバイズでは「収益力の改善に向けたビジネスモデル改革」「「VISION2030」達成に向けた成長戦略」「ROICマネジメントの導入」「アセットライト化の推進」を実行し、サプライチェーンマネジメントの再構築や管理基盤の強化を進め、収益力や資本効率の改善と戦略の実効性の向上を図っていきます。また、従業員の挑戦と成長を後押しすることで、お客さまの“自分らしさ”に貢献できる商品やサービスを継続的に提供できるワコールグループへの進化を目指します。 ②全体像基本方針:「VISION2030」の達成確度の向上に向けて、キャッシュを着実に創出できる体質への転換をおこなう重点戦略:収益力や資本効率の改善と向上に努め、持続的な企業価値の向上に向けて必要な成長投資とステークホルダーの皆さまへの還元を継続できる企業へと進化する ビジネスモデル改革ビジネスモデル改革(サプライチェーンマネジメント改革、コスト構造改革)を実行し、基礎収益力を回復 サプライチェーンマネジメント改革・顧客ニーズや市場環境の変化に迅速に対応できるように、㈱ワコールのサプライチェーンマネジメント(SCM)改革を実施・デジタルを活用して顧客起点で需要連動型のSCMを構築するとともに、選択と集中を徹底し、コスト構造を最適化コスト構造改革・㈱ワコールの基礎収益力の回復を図るため、抜本的なコスト構造改革を実行不採算事業の対処・それぞれの事業ごとに将来の在るべき姿を検証し、事業継続や売却・撤退などのアクションプランを決定成長戦略デジタルの力と自社の強みを活用したブランド戦略と顧客戦略を遂行し、次の成長へつなげる 国内事業:・顧客ニーズの多様化に合わせて、お客さま一人ひとりの「自分らしい美・快適・健康」に貢献顧客戦略蓄積されたデジタル資産の活用によりパーソナライズされた顧客体験を通じて、LTV向上を目指すブランド戦略顧客起点でのブランドマネジメントにより、提供価値の明確な魅力溢れるブランドを育成する注力セグメントインナー事業は市場セグメントに応じた戦略を強化する(ハイプレミアム市場・アフォーダブル市場を強化)強みを活かしてスポーツ・健康事業を強化し、市場機会を最大化する注力チャネル自社EC・他社EC・直営店に対して、チャネル強化施策を実行していく 海外事業:・不透明な事業環境下において、まずは経営基盤の整備に取り組み、次期中期経営計画に向けた成長戦略を実行ブランド戦略中国・アジア圏:市場分析をもとにした新製品の開発・販売による新規顧客との接点拡大欧米:顧客の多様な価値観に応えるためのブランド戦略を推進EC成長に向けた取り組み自社EC:会員プログラムなど独自コンテンツの充実、実店舗との連携強化他社EC:戦略的にECマーケットプレイスとの連携を強化新興エリアの開拓ドイツ、フランス、インドなど成長余地を有する地域における成長戦略を策定・推進ROICマネジメント導入資本効率性を高め、筋肉質な企業体質を実現するためにROICマネジメントを導入・ポートフォリオマネジメントに加え、成果を的確に測定するパフォーマンスマネジメントの手段としても活用し、現場の改善活動と投資家をはじめとするステークホルダーが期待する収益力・資本効率の改善を定量的に結び付けるアセットライト化の推進資産・資本効率の向上に向けて、企業価値向上に寄与しない資産については、売却することを基本方針とする・売却に際しては、事業成長に寄与する投資機会の探索を行うこととし、ROICの観点から投資すべき事業を判断棚卸資産(在庫)の圧縮ビジネスモデル改革(サプライチェーンマネジメント改革とコスト構造改革)を通じた在庫低減不採算ブランドの撤退・統合に伴って発生する在庫を適切な方法で処分政策保有株式の縮減売却合意できた先から順次売却保有不動産の整理企業価値向上に寄与しない不動産については、基本方針に沿って売却を検討 主要指標(2026年3月期): 中計リバイズではビジネスモデル改革と成長戦略の実行により、顧客変化への対応力と収益力の強化を図りつつ、資本効率の改善に努めることで、最終年度となる2026年3月期において、売上収益2,030億円、営業利益130億円、ROE7%水準ならびにPBR1倍超の達成を目指しておりましたが、不採算事業の対処による子会社の連結除外や、外部環境の変化に鑑み、売上収益を1,875億円に修正いたしました。また、営業利益はアセットライト化の施策等により228億円、ROEは8%になる見込みです。 なお、資本効率性の改善を図り、筋肉質な企業体質を実現するために、当社グループではROICマネジメントの導入を決定しております。全社としての財務目標管理として活用するだけでなく、成果を的確に測定するパフォーマンスマネジメントの手段としても活用し、現場の改善活動と投資家をはじめとするステークホルダーが期待する収益力・資本効率の改善を定量的に結び付けてまいります。 2026年3月計画2026年3月期修正計画売上収益2,030億円1,875億円営業利益(営業利益率)130億円(6.4%)228億円(12.2%)ROE7%8%ROIC6%~7%7%EPS200円以上300円以上棚卸資産(在庫)㈱ワコール:2026年3月期の在庫回転率2.5回転2.1回転政策保有株式・約300億円の政策保有株式を売却(2026年3月期までに純資産の10%未満に縮減)・約380億円の政策保有株式を売却(2026年3月期までに純資産の12%未満に縮減)保有不動産・企業価値向上に寄与しない不動産については、基本方針に沿って売却を検討 財務方針:1.ビジネスモデル改革と成長戦略を通じた収益力の改善を最優先課題として取り組むと同時に、棚卸資産(在庫)の圧縮や政策保有株式の縮減、保有不動産の整理を進めることで、資本効率を改善しROE向上を実現2.将来成長への投資を優先すると同時に、資本効率の改善に向けて積極的な株主還元を実施 配当方針: 当社は、株主の皆さまへの利益配分について、収益力向上のための積極的な投資による企業価値の向上を図りながら、1株当たり当期純利益(EPS)の増加を図るとともに、連結業績を考慮しつつ安定的な配当を実施させていただくことを基本方針としております。 キャッシュ・フロー・アロケーション(2024年3月期~2026年3月期): 中計リバイズ期間においては、構造改革による収益力の向上に努めるとともに、棚卸資産の圧縮や政策保有株式の縮減、保有不動産の整理を進めていきます。また、それにより創出したキャッシュについては、成長投資を優先しつつ、資本効率の向上に向けて、積極的な株主還元を実施する方針です。事業戦略と財務戦略の両面でROEやROIC目標の達成に向けて取り組んでまいります。 キャッシュイン純利益(減損損失除く)100億円減価償却費(リース負債除く)200億円アセットライト化・デットの活用800億円3カ年 創出キャッシュ 約1,100億円キャッシュアウト新規・既存事業への投資400億円配当還元150億円自己株式の取得550億円 ③「VISION2030」における中計リバイズの位置づけ 中計リバイズ期間は、「VISION2030」の達成に向けた改革期と位置付けており、計画に則った各施策を着実に実行することで、収益性と資本効率の改善を図る計画です。また、次期中期経営計画以降については、「萌芽期・成長期」と位置付けており、この中計リバイズで実施する改革の成果を刈り取るほか、次の成長に向けた投資を積極的に実施してまいります。中計リバイズの実施を通して、経営の実効性を高めることで、「VISION2030」目標への達成確度を向上させていきます。 ④資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応 当社グループは、2023年11月9日に公表した中計リバイズのもと、「企業価値向上に向けた取り組み」を推進してまいります。企業価値向上(PBR向上)に向けて、中計リバイズで掲げた諸施策の着実な実行により資本コスト(6%程度)を上回る「ROEの向上」と「継続的・将来的な成長期待によるPERの向上」を実現し、中期的にはROE10%以上を達成することを目標としております。 ⑤2026年3月期の方針 ワコールグループは、中長期経営戦略フレーム「VISION2030」に基づき、「女性美のワコール」から「自分らしさをエンパワーメントするワコール」へと提供価値の転換を進めています。2026年3月期については、2023年11月に改訂した3カ年の中計リバイズに沿って、「キャッシュを着実に創出できる体質への転換」をテーマに「収益力の改善に向けたビジネスモデル改革」、「“VISION2030”達成に向けた成長戦略」、「ROICマネジメントの導入」、「アセットライト化の推進」の取り組みを継続します。 国内事業においては、顧客戦略やブランド戦略をより高度化してまいります。また、需要の変動に迅速に対応すべく、サプライチェーンの見直しや業績管理体制の強化の取り組みを進めてまいります。あわせて、基礎収益力の回復を目指し、コスト構造改革を継続いたします。なお、原材料をはじめとする原価高騰が今後も見込まれるため、価格改定や原価低減に関する追加対策を検討・実施することで、これらの影響の最小化に努めます。 海外事業については、地政学リスクや物価上昇の継続、米国新政権を巡る経済摩擦の拡大など、不透明な事業環境が長期化し、既存チャネルの商況が苦戦する中、主要各社ともに経営基盤の整備に取り組みつつ、EC成長の実現に向けてデジタルを活用した顧客接点の拡大への取り組みを継続する考えです。 以上の取り組みにより、2026年3月期の連結業績は、売上収益1,875億円、営業利益228億円、税引前利益226億円、親会社の所有者に帰属する当期利益149億円を見込んでおります。売上収益は、中計リバイズの各種施策の効果の発現等により増収を見込んでおります。営業利益は、増収効果に加え、固定資産売却益等の計上により、大幅な増益となる見込みです。年間の主要な為替レートは、1米ドル=150.00円、1英ポンド=190.00円、1中国元=20.00円として計画を策定しております。 なお、米国の関税政策による市場環境やサプライチェーンに対する影響については、不透明な要素が多いものの、一定の影響が生じる可能性が高いと判断し、現時点で予測でき得る範囲でのコスト増加分を業績予想に織り込んでおります。引き続き政策動向を注視しながら、リスク管理を徹底してまいります。今後、業績予想にさらなる影響が生じる場合には、速やかに開示いたします。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの対処すべき課題は以下のとおりです。 ①国内:多様化する顧客ニーズや短期化するトレンドに対応できるビジネスモデルへの転換 多様化する顧客ニーズや短期化するトレンドに対応できるビジネスモデルへ変革し、漸減傾向が続くトップラインの回復・拡大と収益力の回復を図ります。これまでの画一的な商品構成や新商品の納品スタイルを見直し、売れ筋を確実に店頭に届ける仕組みへの変革を進め、売上機会ロスの低減に努めます。また従来の一括生産の方式から、店頭の需要状況に合わせた生産方式に変更することで、売れ筋商品の充足率の改善につなげてまいります。商品の企画・開発においては、既存パターンの活用や企画開発会議等の業務プロセスの見直しにより、開発から納品までのリードタイムを短縮し、顧客ニーズを捉えた商品の投入スピードを速めることで販売活動の改善につなげてまいります。 ②国内:収益力改善に向けたコスト構造改革の実行 基礎収益力の回復を図るため、抜本的なコスト構造改革を継続的に進めます。これまで数多く存在していた品番数を適正な水準まで集約し、製造や販売に係るコストの削減と、投資の効率化を実現してまいります。また生産体制や縫製工程を抜本的に見直すことで、製造コストの低減や材料のコストダウンを図ります。継続的な円安の影響により原材料をはじめとするコスト高騰が今後も見込まれるため、選択と集中の徹底による最適なコスト構造の実現を目指してまいります。 ③国内:デジタルの力と自社の強みを活用した“ブランド戦略”と“顧客戦略”の実行 「女性美のワコール」から「自分らしさをエンパワーメントするワコール」へ提供価値を転換すべく 、徹底した「顧客起点」でのブランドマネジメントを実行し、提供価値の明確な魅力溢れるブランドを育成します。またお客さまとの深く広く長い関係性を構築し、最適な顧客体験を提供するために、顧客起点のDXを推進します。「ワコールメンバーズ」の購買データに加え、「顧客の声」や「販売員の接客知見」についてもデジタルを活用して分析し、それを顧客体験の提供に活かしてまいります。さらに販売員によるコンサルティングサービスに加え、3D計測サービスやアプリを活用し、リアルとオンラインで一貫した満足度の高い顧客体験の提供を行うほか、自社EC経由で実店舗へ取り置き・取り寄せするサービスの展開を強化するなど、お客さまの体験向上に向けた取り組みを様々な角度から進めてまいります。 ④海外:次期中期経営計画に向けた成長戦略の実行 米国については、引き続き、EC成長の実現に向けてデジタルを活用した顧客接点の拡大への取り組みを進めてまいります。欧州については、EC成長に向けた取り組みを強化するとともに、2024年9月に買収した企業との新たなチャネルの開拓やシナジーの最大化に努めます。また、中国については長引く景況感の悪化を受けた個人消費の伸び悩みを受け、収益の回復が遅れております。マーケティング戦略を見直すとともに、ECへ投下資源を集中させることで、成長軌道への回帰の実現を目指します。同時にコスト構造改革を実施し、事業効率を高めてまいります。 ⑤ガバナンス:経営管理基盤の強化を通じた収益力と資本効率の改善 資本効率性の改善を図り、筋肉質な企業体質を実現するために、当社グループではROICマネジメントの導入を決定しております。ROICは、全社としての財務目標管理として活用するだけでなく、成果を的確に測定するパフォーマンスマネジメントの手段としても活用し、現場の改善活動と投資家をはじめとするステークホルダーが期待する収益力・資本効率の改善を定量的に結び付けてまいります。 ⑥その他の課題 気候変動などの環境問題や人権問題の深刻さは増大しており、適切な対応と予防が必要であると考えております。当社グループは引き続き、複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉え、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」を両立する「サステナビリティ経営」を推進いたします。マテリアリティ(重要課題)の項目として定めた「顧客への提供価値の最大化」、「従業員ひとりひとりの成長と働きがいの高い組織の構築」、「次世代に向けた地球環境の保全」、「すべての人が自分らしく活躍できる社会の実現」、「持続的成長の実現に向けたガバナンスの強化」への取り組みを通じて、「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を果たすことで、企業価値の向上に努めてまいります。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績(単位:百万円) 2024年3月期実績2025年3月期実績前期比 増減額増減率売上収益187,208173,896△13,312△7.1% 売上原価83,12376,452△6,671△8.0% 売上総利益104,08597,444△6,641△6.4% 販売費及び一般管理費100,575100,841+266+0.3%事業利益(△損失)3,510△3,397△6,907- その他の収益1,99011,211+9,221+463.4% その他の費用15,0034,486△10,517△70.1%営業利益(△損失)△9,5033,328+12,831- 金融収益2,5292,170△359△14.2% 金融費用328618+290+88.4% 持分法による投資損益△988813+1,801-税引前利益(△損失)△8,2905,693+13,983-親会社の所有者に帰属する当期利益(△損失)△8,6326,989+15,621-  当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における当社グループの商況は、主要国において主力のレディスインナーウェア販売の低迷が続き、厳しい結果となりました。国内は、不採算店舗の撤退に加え、量販店における一部店舗の閉店や実店舗への来店客数減少等の影響を受け、低調に推移しました。米国は、資産価格の先行きに不透明感が増し、主力チャネルの百貨店を中心に不振が続きました。英国は、インフレ圧力が再び強まったことから消費者マインドが低迷し、主力チャネルの専門店を中心に販売が伸び悩みました。景気停滞が続く中国では、依然として消費者の購買行動は慎重であり、売上回復に時間を要しております。 このような環境において、当社グループは、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画(リバイズ)の目標達成に向けて、「収益力の改善に向けたビジネスモデル改革」、「“VISION2030”達成に向けた成長戦略」、「ROICマネジメントの導入」、「アセットライト化の推進」に取り組みました。当連結会計年度においては、ビジネスモデル改革として、需要変動に応じて商品を柔軟に供給する新しいサプライチェーンの構築を進めたほか、国内の生産拠点の集約、子会社の株式譲渡を実施、決定しました。また、成長戦略として、国内においてはブランドマネージャー制の導入やブランドポートフォリオの再編を行い、集中投資の対象ブランドである「Wacoal(ワコール)」のリブランディングを実施したほか、「CW-X(シーダブリュー・エックス)」の有名アスリートを起用したプロモーション強化も行いました。海外においては欧州における販路拡大を企図して、英国のBravissimo Group Limited(以下、Bravissimo Group)を買収しました。資本効率の改善と経営管理機能の強化を目的としたROICマネジメントの導入については、当期に導入準備が完了し、2026年3月期より本格運用を開始します。そのほか、浅草橋ビル、旧福岡事業所跡地を売却し、政策保有株式の縮減にも取り組みました。 以上の結果、当連結会計年度の連結売上収益は、1,738億96百万円(前期比7.1%減)、事業損失は33億97百万円(前期は35億10百万円の事業利益)となりました。営業利益は、浅草橋ビル及び旧福岡事業所跡地等の固定資産売却益(94億39百万円)の計上が寄与し、33億28百万円(前期は95億3百万円の営業損失)となりました。税引前利益は56億93百万円(前期は82億90百万円の税引前損失)となりましたが、子会社再編に伴いグループ内で使用可能な欠損金が増加したため繰延税金資産を計上した結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は69億89百万円(前期は86億32百万円の当期損失)となりました。 なお、当該期間の為替換算レートは、1米ドル=152.58円(前期144.62円)、1英ポンド=194.61円(同181.76円)、1中国元=21.10円(同20.14円)です。 報告セグメントの経営成績を示すと次のとおりであります。(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期前期比 実績構成比実績構成比増減額増減率売上収益合計187,208100.0%173,896100.0%△13,312△7.1% ワコール事業(国内)94,19850.3%87,82850.5%△6,370△6.8% ワコール事業(海外)67,75736.2%67,23738.7%△520△0.8% ピーチ・ジョン事業10,7415.7%10,4696.0%△272△2.5% その他14,5127.8%8,3624.8%△6,150△42.4% (単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期前期比 実績売上比実績売上比増減額増減率営業利益(△損失)△9,503-3,3281.9%+12,831- ワコール事業(国内)△4,193-2,9703.4%+7,163- ワコール事業(海外)△5,145-4590.7%+5,604- ピーチ・ジョン事業△239-△266-△27- その他740.5%1652.0%+91+123.0% ① ワコール事業(国内) 当連結会計年度は、不採算店舗の撤退や店頭在庫の適正化を目的とした納品調整に加え、実店舗の来店客数減少の影響を受け、売上は低調に推移しました。一方でEC事業については、自社ECは積極的な販促活動により増収を維持し、他社ECについても、ECモール運営事業者との連携強化に継続的に取り組んだことで、好調に推移しました。 アイテム別では、主力アイテムであるブラジャーについては苦戦が続くものの、カップ付きインナーやノンワイヤーブラについては伸長し、メジャーリーガーの大谷翔平選手をブランドアンバサダーとして起用したコンディショニングウェアブランドの「CW-X」についても好調に推移しました。 また当連結会計年度は、為替の円安進行に伴う原材料や工賃の上昇による原価高騰の影響を受けましたが、EC事業の構成比の上昇や小売価格の改定などにより、売上利益への影響を最小限に留めました。 これらの結果、当該セグメントの売上収益は878億28百万円(前期比6.8%減)となりました。営業利益は、主力ブランドである「Wacoal」のリブランディング費用や「CW-X」のプロモーションに対する広告費の投下に加え、子会社であるルシアンの譲渡決定に伴い計上した保有資産の減損損失が影響したものの、浅草橋ビルや旧福岡事業所跡地の売却益の計上が寄与し、29億70百万円(前期は41億93百万円の営業損失)となりました。 ② ワコール事業(海外) ワコールインターナショナル(米国)は、Intimates Online, Inc.の事業撤退の影響に加え、第4四半期以降の市場の急激な冷え込みにより売上が低迷し、現地通貨ベースの売上は前期を下回りました。実店舗については、店頭売上の不振に伴い得意先の仕入抑制が厳しさを増しており、自社ECについてもCRMシステムの稼働を開始したものの、現時点では売上の回復には至っておりません。一方、他社ECについては主要プラットフォームがけん引し、好調に推移しました。 ワコールヨーロッパは、2024年9月に買収したBravissimo Groupの売上が寄与し、現地通貨ベースの売上は前期を大きく上回りました。一方、英国・北米エリアにおいては、得意先の仕入抑制の影響を受けたほか、米国の関税政策の見通しに関する警戒感からメキシコに倉庫を持つ一部得意先への納品が停止するなどにより低調に推移しましたが、ドイツ・フランスを中心に欧州大陸での販売は引き続き伸長しました。一方、営業利益では、Bravissimo Group買収にかかる一時的な影響により、前期を下回りました。 中国ワコールは、消費者の低価格志向の高まりにより、実店舗・ECともに苦戦が続きました。得意先との取引条件交渉や不採算店舗の撤退などを進めましたが、売上減少による影響が大きく、損益改善には至りませんでした。また来期以降の高収益体質への改善を目指し、当連結会計年度に在庫評価損や店舗撤退費用などの構造改革費用10億44百万円を計上しました。 これらの結果、邦貨換算ベースでの当該セグメントの売上収益は672億37百万円(前期比0.8%減)となりました。営業利益は、米国・中国の不振とBravissimo Group買収にかかる一時的な影響、中国の構造改革費用などを計上した結果、4億59百万円(前期はのれんの減損損失等により51億45百万円の営業損失)となりました。 ③ ピーチ・ジョン事業 当連結会計年度においては、事業方針を「新規顧客の獲得強化」と定め、コミュニケーション施策や商品戦略の見直しを図りました。それにより、第3四半期以降の売上は回復基調が見られましたが、それ以前の期間における直営店及び自社ECの販売不振を受け、前期の水準を下回りました。なお、他社ECについては、主要プラットフォームを中心に好調に推移しました。 これらの結果、当該セグメントの売上収益は104億69百万円(前期比2.5%減)となりました。営業損失は2億66百万円(前期は2億39百万円の営業損失)となりました。 ④ その他 当連結会計年度における当該セグメントの売上収益は83億62百万円(前期比42.4%減)となりました。営業利益は1億65百万円(前期比123.0%増)となりました。 (参考)主要子会社の売上収益・営業利益(△損失)(単位:百万円)売上収益2024年3月期2025年3月期前期比実績構成比実績構成比増減額増減率 ワコール88,70147.4%82,36947.4%△6,332△7.1% ワコールインターナショナル(米国)28,03815.0%24,91714.3%△3,121△11.1% ワコールヨーロッパ20,35310.9%25,20114.5%+4,848+23.8% 中国ワコール10,3965.6%9,0855.2%△1,311△12.6% ピーチ・ジョン10,7415.7%10,4696.0%△272△2.5% ルシアン2,5831.4%2,8801.7%+297+11.5%※外部売上収益のみを記載しております。(単位:百万円)営業利益(△損失)2024年3月期2025年3月期前期比実績売上比実績売上比増減額増減率 ワコール△3,061-6,1807.5%+9,241- ワコールインターナショナル(米国)△6,884-6812.7%+7,565- ワコールヨーロッパ1,8168.9%8973.6%△919△50.6% 中国ワコール△998-△1,844-△846- ピーチ・ジョン△239-△266-△27- ルシアン△167-00.0%+167- (2)財政状態 当連結会計年度末における総資産は、その他の金融資産や現金及び現金同等物が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比して218億46百万円減少し、2,721億83百万円となりました。 負債は、借入金が増加したものの、繰延税金負債、営業債務及びその他の債務が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比して15億96百万円減少し、772億91百万円となりました。 親会社の所有者に帰属する持分は、自己株式を取得したことなどにより、前連結会計年度末に比して200億10百万円減少し、1,918億19百万円となりました。 以上の結果により、当連結会計年度末における親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比して1.5ポイント減少し、70.5%となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して101億28百万円減少し、234億19百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、当期利益67億88百万円に減価償却費及び償却費や法人所得税費用などによる調整を加えた金額に対して、資産及び負債の増減などによる調整を行った結果、49億38百万円の収入(前期に比し63億53百万円の収入減)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産等の売却などにより、93億82百万円の収入(前期に比し46億66百万円の収入減)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得などにより、229億25百万円の支出(前期に比し27億14百万円の支出増)となりました。 (4)生産、受注及び販売の実績①生産実績 当連結会計年度の生産実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、ピーチ・ジョン事業については、すべて販売会社のため該当事項はありません。また、その他のセグメントについては、生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。報告セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)ワコール事業(国内)35,33696.1ワコール事業(海外)18,16588.0合計53,50193.2(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.生産実績の金額は製造原価によっております。 ②受注実績 その他のうち㈱七彩の店舗内装工事部門については受注生産形態をとっております。 当連結会計年度におけるその他の受注実績を示すと、次のとおりであります。報告セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)その他79417.2--(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.受注高及び受注残高が減少したのは、㈱七彩株式の一部譲渡により同社を連結の範囲から除外したことによるものであります。 ③販売実績 当連結会計年度の販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。報告セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)ワコール事業(国内)87,82893.2ワコール事業(海外)67,23799.2ピーチ・ジョン事業10,46997.5その他8,36257.6合計173,89692.9(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.その他の販売実績が減少したのは、主に㈱七彩株式の一部譲渡により同社を連結の範囲から除外したことによるものであります。3.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。 (5)資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。営業活動による純現金収入により、外部からの多額の借入や、その他の資金調達手段に頼らずに、大部分の運転資金の確保や設備投資、配当金の支払が可能となっております。ただし、金融機関に借入枠は設けており、2025年3月31日現在の借入枠の合計は533億65百万円、借入枠を設けている借入金の残高は141億61百万円となっており、主な残高の内訳としては当社が78億54百万円、WACOAL INTERNATIONAL CORP.が16億45百万円、WACOAL EUROPE LTD.が38億76百万円となっております。 これらの借入枠の期限は、ほとんどが自動的に更新されるものであり、現状更新を妨げるような事象は発生していないと考えております。仮にいずれかの子会社において借入が不可能になったとしても、グループの各社から資金を供給することが可能であると考えております。また、資金需要について大きな季節変動はありません。 また、子会社からの親会社への配当に係る規制は特に無いと考えております。 今後も目的や収益性を厳格に見積もることで、資金の流動性を確保していきます。 ①設備投資 「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載しております。 ②キャッシュ・フロー「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 (6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。 なお、重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。

※本記事は「株式会社ワコールホールディングス」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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