日清紡ホールディングス株式会社の基本情報

会社名日清紡ホールディングス株式会社
業種電気機器
従業員数連18630名 単236名
従業員平均年齢42.3歳
従業員平均勤続年数17.3年
平均年収7153576円
1株当たりの純資産1714.44円
1株当たりの純利益(連結)65.4円
決算時期12月
配当金36円
配当性向58.3%
株価収益率(PER)13.8倍
自己資本利益率(ROE)(連結)4%
営業活動によるCF283億円
投資活動によるCF▲208億円
財務活動によるCF▲87億円
研究開発費※11.82億円
設備投資額※1279.08億円
販売費および一般管理費※1429.28億円
株主資本比率※226.2%
有利子負債残高(連結)※32074.71億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針・経営戦略等 当社グループは、「事業活動を通じて社会に貢献する」ことを使命とし常に変化しています。企業理念「挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。」のもと、ポートフォリオ変革による成長を目指し、戦略的事業領域を「モビリティ」「インフラストラクチャー&セーフティー」「ライフ&ヘルスケア」の3つに定め、無線・通信事業、マイクロデバイス事業及びブレーキ事業を柱として企業活動を展開しています。 当社グループはこれまでもM&Aや事業譲渡を繰り返し、無線・通信事業、マイクロデバイス事業及びブレーキ事業を軸にした収益基盤の確立を目指してきましたが、収益性や利益の安定が課題でした。当社グループのPBRは1倍に満たず、株式市場の期待に応えられていない状況が続いてきました。 PBR向上のためには、まず利益率を高め、そのうえで持続的成長を果たし、株主の皆様のご期待に応える必要があります。そのため、正しく儲けて、企業価値を高め、株主の皆様に評価いただけるよう、既存事業の利益向上に努め、M&A・事業譲渡といった手法も駆使しながら事業ポートフォリオの変革を進め、今後もビジネスモデルの転換により収益性の向上を目指していきます。 前連結会計年度において当社グループは、TMDグループを譲渡し国際電気グループを取得しました。これにより、2024年12月期には、主力事業の無線・通信とマイクロデバイス両事業の売上高合計は連結全体の6割を超えました。このように当社グループの事業ポートフォリオがさらに大きく変化するタイミングを迎えたことから、2026年度を最終年度とする「中期経営計画2026」を2024年2月9日に発表しました。 日清紡グループの目指す姿・当社グループは「事業活動を通じて社会に貢献すること」を使命とし、社会に貢献できる領域を軸に事業の組み換えを続けてきました。・これからもグループの強みを活かしたソリューションを提供することで、社会課題の解決に貢献することを目指します。 (2) 中期経営計画2026について 当社グループは、「事業活動を通じて社会に貢献すること」を使命とし、企業理念「挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。」のもと、気候変動への要請の高まり、人口動態の変化、デジタル社会の発展など中長期的な事業環境の変化や機会に対し、「つなげる技術で価値を創る(Connect Everything, Create Value)」ことを目指し、センシング・無線通信・情報処理技術で、社会課題へのソリューションを提供していきます。 そのための重点施策として、「事業ポートフォリオ変革の追求」、「将来の成長に向けたビジネスモデル構築と経営資源の重点投入」、「経営基盤の更なる強化による経営リスクの低減」を掲げています。2023年には、無線・通信事業とブレーキ事業において大幅にポートフォリオを入れ替え、無線・通信、マイクロデバイス事業を核として、更なる成長を目指す姿勢を明確にしました。今後もビジネスモデル転換による収益性の向上を追求し、無線・通信事業を中心にデジタル技術を活用したビジネスモデルへシフトし、収益性の向上を目指します。併せて、企業理念との整合性や成長性、事業面・資本面の収益性を総合的に評価し、事業の見極めを加速していきます。 収益性の向上のための最優先課題は、無線・通信事業の構造改革です。無線・通信事業のビジネスは、公共インフラ事業や防衛関連事業を主体とする官公需ビジネスと民需ビジネス、それを支えるEMS(電子機器受託製造)に分かれますが、特に公共インフラ事業や防衛関連事業を主体とする官公需ビジネスにおいて、日本無線グループと国際電気グループの高シェア分野に重複が少なく、短期間のうちに両グループのシナジー発揮が可能で早期の収益性向上が期待できます。 地球温暖化で自然災害は激甚化するなど人々の暮らしに大きな影響を及ぼしますが、無線・通信技術を中心とするこうした活動で、人々の安全・安心のため、社会課題に貢献することを志として、顧客・株主・従業員・取引先・地域社会等、さまざまなステークホルダーの期待に応えてまいります。 サステナビリティ経営に関して、2030年に温室効果ガス排出量を50%削減(2014年比)し、2050年までにカーボンニュートラルを実現するという環境目標の達成に邁進すると同時に、イノベーションの源である多様性とイノベーションの加速装置であるDXにより、事業の変革と成長を目指します。また、遵法に止まらず、人としての倫理に基づき行動することを旨とし、粘り強く人権デューデリジェンスやD&I活動を推進し、事業の多様性・人の多様性・価値観の多様性を強みとして企業価値向上に取り組んでまいります。  2024年2月に「中期経営計画2026」を公表しました。初年度となる2024年度業績は計画を下回りましたが、将来目指す姿の実現に向けた礎を築く期間としての位置づけが揺らぐことはありません。前述の収益性の向上と並行して、当社のコーポレート研究開発体制を刷新し、これまで主体だったケミカル分野は各事業会社へ移し、無線通信技術主体の体制へ切り替え、従来よりも手厚い研究開発投資や人材配置を可能にします。5G時代の先、「産業のワイヤレス化」から「ワイヤレスの社会インフラ化」が進展していくことが展望され、無線通信技術へのニーズは一層の高まりを見せています。サービス、ソフトウエア、AIなどについて研究対象とし社会課題への貢献を第一に考え新たなビジネスモデル創出を図ってまいります。  2026年度に達成を目指す経営目標およびその進捗状況ならびに各事業の取組みや施策は以下のとおりです。 経営目標(財務) 指標2024年度実績2026年度目標進捗率成長性売上高4,947億円5,800億円85%売上高に占める無線・通信/マイクロデバイス事業の比率60%65%92%収益性営業利益165億円380億円43%営業利益に占める無線・通信/マイクロデバイス事業の比率3%70%4%営業利益率3.4%6.5%52%効率性ROE4.0%10.0%40%ROIC2.7%6.0%45%健全性D/Eレシオ0.8倍0.7倍以下―株主還元配当性向55%※40%― ※年間配当額は1株当たり36円でした。 経営目標(非財務) 項目2024年度目標※評価人権ビジネスと人権に関する取り組みの推進人権方針の策定、人権リスクの高い分野への人権デューデリジェンスの導入・促進〇環境温室効果ガス排出量の削減2014年度比35%以上削減〇46%「持続可能な社会に貢献する製品」の拡販売上に占める割合60%以上△53%人財事業推進に必要な経営幹部候補の育成経営幹部ポスト(執行役員以上)に占める後継者プログラム受講者率の向上〇人員年齢構成是正のためのキャリア採用強化人員年齢構成是正のためのキャリア採用強化多様な人財の活躍推進グローバルサーベイの継続実施女性管理職比率6%男性社員の育児休業取得率対象男性社員の30%以上サプライチェーン調達先と連携したサステナブル調達の改善実施主要調達先(取引金額80%以上)へのサステナブル調達アンケート結果に伴う改善状況の評価100%〇グローバル対応の実施海外取引先、重要海外拠点におけるサプライチェーンへの展開方法検討と実施 ※今後は2027年度を目標とする第6期サステナビリティ推進計画へ移行します。 (3) 各事業の取組み・施策無線・通信●日本無線グループと国際電気グループ、それぞれの強み(5G関連の無線通信技術や画像認識技術等)を活かしたシナジー創出●継続的なポートフォリオの見直しによる事業収益性の引き上げ●コスト構造改革・棚卸資産削減を通じたキャッシュフロー創出力・収益性の向上●JRCモビリティは、次のステージに向けて、コネクテッド、センシングシステム、モビリティインフラ等の成長分野に対する仕込み実施マイクロデバイス●アナログ半導体市場の成長を捉えた売上拡大の維持●複合機能IC、モジュール等の高機能製品へのシフトを通じた収益向上●音・におい・マイクロ波等の特色のあるセンサを活用したアナログソリューションデバイスの展開●電子デバイスやマイクロ波の既存技術に加え、グループ内外の技術連携を通じて、将来に向けたユニット・デジタルビジネスを展開ブレーキ●環境規制に対応した銅フリー摩擦材の拡販●xEV、CASEの要請に応える製品性能向上と高付加価値化●中国拠点の統合を通じた合理化による採算改善精密機器●コア技術を活かし高付加価値製品に集中することで、より利益率の高い分野へのシフト●自動車の自動運転化に向けた次世代モデル部品の生産能力の増強や、既存製品の高付加価値化による収益改善化学品●燃料電池用カーボンセパレータ向けの新工場建設や生産ライン自動化等、供給能力拡大に向けた投資を実施●コア技術を活かして、安全性や環境負荷だけでなく、耐久性等にも優れる製品の研究・開発を継続繊維●防シワ性、デザイン性、着心地、機能性等の顧客への価値訴求を通じ、大手衣料品製造小売等の新規顧客を開拓●シャツ再生プロジェクトを推進●小売事業は、実店舗とECサイトの融合したOMOへのビジネスモデル転換不動産●計画的に保有資産を分譲(機動的な現金化)
経営者による財政状態の説明
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営成績当連結会計年度の当社グループの売上高は、当連結会計年度の期首から国際電気グループ(㈱日立国際電気は2024年12月27日付で商号を㈱国際電気に変更しました。)の経営成績を反映した無線・通信事業や大型商業施設の分譲を行った不動産事業は増収となりましたが、市況低迷の長期化の影響を受けたマイクロデバイス事業や前連結会計年度末にTMDグループを譲渡したブレーキ事業が減収となったこと等により494,746百万円(前年同期比46,464百万円減、8.6%減)となりました。 営業利益は、マイクロデバイス事業の損益悪化やブレーキ事業の減益がありましたが、無線・通信事業や不動産事業が増益になったこと等により16,581百万円(前年同期比4,127百万円増、33.1%増)となり、経常利益は24,403百万円(前年同期比8,617百万円増、54.6%増)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期に計上したTMDグループに関する減損損失が当連結会計年度では計上がないこと等により10,277百万円(前年同期比30,322百万円改善)となりました。事業セグメントの業績は下記のとおりです。セグメント利益またはセグメント損失は営業利益または営業損失ベースの数値です。 (無線・通信事業)ソリューション・特機事業は、当連結会計年度の期首から国際電気グループの経営成績を反映したこと等により大幅な増収・増益となりました。 マリンシステム事業は、商船新造船用機器や商船換装用機器、欧州河川市場向けワークボート用機器が好調に推移しており増収・増益となりました。 モビリティ事業は、海外向け業務用無線の需要が一巡したことに加え、自動車用ITS(高度道路交通システム)の需要も減少したこと等により減収・減益となりました。 その結果、無線・通信事業全体では、売上高234,515百万円(前年同期比48.4%増)、セグメント利益7,577百万円(前年同期比59.7%増)となりました。なお、当連結会計年度において船舶の自動運航に関する船体制御やセンサフュージョン技術を有するARGONICS GMBHを取得しました。マリンシステム事業におけるデジタルビジネスの拡大に向けて技術開発を加速し、自動運航システムの開発や有人自律運航の実現、データサービスの展開を目指します。 (マイクロデバイス事業)電子デバイス事業は、前年同期好調に推移した車載製品はEV市場の成長鈍化や顧客の在庫調整を受け受注が減少し、産機製品も中国向け需要低迷に伴う顧客の在庫調整長期化により受注が大幅に減少、加えて、民生品(コンシューマ製品)もスマートフォン・PC関連市況の回復の勢いが鈍く、大幅な減収・損益悪化となりました。 マイクロ波事業は、国内向けセンサ関連製品や中国・欧州向けOEM、東南アジア向け船舶用電子管保守部品はおおむね堅調に推移したものの、米国・韓国向け船舶・地上固定局用の衛星通信関連が低調だったことにより減収・減益となりました。 その結果、マイクロデバイス事業全体では、売上高64,225百万円(前年同期比19.8%減)、セグメント損失7,093百万円(前年同期比8,028百万円悪化)となりました。 (マテリアル)・ブレーキ事業前連結会計年度末にTMDグループを譲渡したことによりブレーキ事業全体では減収・減益となり、売上高58,188百万円(前年同期比67.4%減)、セグメント利益2,333百万円(前年同期比50.2%減)となりました。なお、日本・米国・韓国等において市場環境や顧客動向等に違いがありますが、TMDグループの前期業績を除いたブレーキ事業全体は前年同期並みの売上となり、原価低減活動や価格転嫁が進んだことにより採算性が改善し増益となりました。 ・精密機器事業精密部品事業は、自動車用EBS部品が堅調に推移し増収となりましたが、インド拠点の立ち上げ費用増等により減益となりました。成形品事業は、空調関連製品の顧客の生産回復遅れや車載関連製品の受注減等により減収となりましたが、自動化・省人化等のコスト構造改善等により増益となりました。 その結果、精密機器事業全体では、売上高54,161百万円(前年同期比1.7%増)、セグメント利益1,641百万円(前年同期比23.6%増)となりました。 ・化学品事業断熱製品は、冷蔵冷凍設備・住宅用原液・土木用原液の受注減により減収・減益となりました。燃料電池用カーボンセパレータも、海外定置用や車載用の受注減により減収・損失拡大となりました。機能化学品は、自動車関連製品や海外向け生分解性樹脂が顧客の在庫調整終了等により受注が回復したことで増収・増益となりました。 その結果、化学品事業全体では、売上高11,040百万円(前年同期比3.4%減)、セグメント利益655百万円(前年同期比18.2%減)となりました。 ・繊維事業東京シャツ㈱を含むシャツ事業およびユニフォーム事業は市況回復が鈍く減収・損益悪化となりましたが、ブラジル拠点は旺盛な需要により増収・損益改善となりました。 その結果、繊維事業全体では、売上高36,842百万円(前年同期比1.7%減)、セグメント利益193百万円(前年同期比613百万円改善)となりました。 (不動産事業)不動産事業は、静岡県島田市や愛知県岡崎市の宅地分譲に加え、大型商業施設のアリオ西新井(東京都足立区)を分譲したことにより大幅な増収・増益となりました。 その結果、不動産事業全体では、売上高23,539百万円(前年同期比109.0%増)、セグメント利益17,694百万円(前年同期比107.7%増)となりました。 (その他)ニッシントーア・岩尾㈱(食品、産業資材等の商社機能)等の事業を、その他として区分しています。その他の売上高は12,232百万円(前年同期比10.2%増)、セグメント利益は381百万円(前年同期比1.8%増)となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。①生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)無線・通信196,487+35.0マイクロデバイス57,555△27.5ブレーキ51,981△62.6精密機器53,008+0.9化学品8,297△1.1繊維29,109△14.7その他406△11.4合計396,847△13.6 (注) 1 金額は製造原価により算出しています。2 不動産事業は生産活動を行っていないため、上記金額には含まれていません。3 当連結会計年度において生産実績に著しい変動がありました。無線・通信事業については、当連結会計年度の期首から国際電気グループの経営成績を反映したことによるものです。マイクロデバイス事業については、前連結会計年度は好調だった車載製品の受注が減少し、産機製品や民生品の市況回復が遅れていることによるものです。ブレーキ事業については、前連結会計年度にTMDグループを譲渡したことによるものです。 ②受注状況無線・通信事業、マイクロデバイス事業及び精密機器事業のうち、一部の製品において受注生産を行っています。当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。なお、精密機器事業については金額的重要性が乏しいため記載していません。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)無線・通信282,594+28.9235,485+33.9マイクロデバイス54,338+6.817,343△36.3合計336,933+24.8252,829+24.4 (注) 当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、無線・通信事業において、防災システムの更新需要、新造船用機器の好調な需要や防衛省向けの受注が増加したことによります。また、マイクロデバイス事業において、需給のひっ迫が解消し、通常のリードタイムに戻ったことにより、受注残高が大幅に減少しました。 ③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)無線・通信234,515+48.4マイクロデバイス64,225△19.8ブレーキ58,188△67.4精密機器54,161+1.7化学品11,040△3.4繊維36,842△1.7不動産23,539+109.0その他12,232+10.2合計494,746△8.6 (注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が総販売実績の10%未満のため記載を省略しています。2 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。その内容等については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」に記載しています。 (2)財政状態当連結会計年度末における総資産は679,956百万円となり、前連結会計年度末と比較し4,914百万円増加しました。現金及び預金の減少2,090百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加15,379百万円、棚卸資産の減少7,074百万円、有形固定資産の増加6,462百万円、退職給付に係る資産の増加5,962百万円、繰延税金資産の減少14,514百万円等が主な要因です。 当連結会計年度末における負債総額は382,507百万円となり、前連結会計年度末と比較し15,075百万円減少しました。支払手形及び買掛金の減少2,274百万円、電子記録債務の減少4,243百万円、短期借入金の減少36,580百万円、流動負債のその他の減少4,615百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の増加37,729百万円、繰延税金負債の減少4,319百万円等が主な要因です。 当連結会計年度末における純資産は297,449百万円となり、前連結会計年度末と比較し19,989百万円増加しました。利益剰余金の増加4,620百万円、為替換算調整勘定の増加9,930百万円、退職給付に係る調整累計額の増加2,680百万円等が主な要因です。 以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は前連結会計年度末と比較して2.5ポイント上昇して39.6%となりました。 (3)キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した現金及び現金同等物は28,371百万円となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益23,919百万円、減価償却費25,937百万円、持分法による投資損益△3,639百万円、売上債権及び契約資産の増減額△13,389百万円、棚卸資産の増減額7,940百万円、仕入債務の増減額△7,590百万円、法人税等の支払額△4,376百万円によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果減少した現金及び現金同等物は20,861百万円となりました。これは主として、定期預金の払戻による収入2,515百万円、有形固定資産の取得による支出△24,848百万円、投資有価証券の売却による収入3,640百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△1,110百万円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果減少した現金及び現金同等物は8,750百万円となりました。これは主として、短期借入金の純増減額△36,799百万円、長期借入れによる収入51,200百万円、長期借入金の返済による支出△13,528百万円、長期預り金の返還による支出△1,785百万円、配当金の支払額△5,657百万円、その他△1,960百万円によるものです。 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は50,411百万円と前連結会計年度末に比べ492百万円増加しました。 (参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移  2020年12月期2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期自己資本比率39.4%42.8%42.8%37.1%39.6%時価ベースの自己資本比率21.5%24.1%24.8%26.7%20.8%債務償還年数3.5年3.3年7.5年9.2年7.7年インタレスト・カバレッジ・レシオ37.6倍34.5倍12.1倍4.7倍12.0倍 (注)  自己資本比率:(純資産-新株予約権-非支配株主持分)/総資産  時価ベ-スの自己資本比率:株式時価総額/総資産  債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー  インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い  ①各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。  ②株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。  ③営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロ-計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象にしています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。 (4)資本の財源及び資金の流動性についての分析①財務戦略当社グループは、2027年度以降のビジネスモデル転換と高収益化の実現に向け、2026年度までを目指す姿の実現に向けた礎を築く期間と定義しました。その間、資本効率の最適化と戦略的な資本調達が可能となる財務の健全性の両立を目指し、営業キャッシュ・フローの範囲内での投資、株主還元を基本とし、目指す事業ポートフォリオ実現のための注力領域への投資を優先します。資本効率向上の観点から資産の圧縮を計画的に進め、資産売却によって得た資金は投資、株主還元の原資として活用します。また、D/Eレシオは0.7倍以下を目安とし、ROE10%及びROIC6%を目指します。株主還元は、2026年度にかけて配当性向40%を目指し、利益成長を通じて配当水準の向上を図ります。1株当たり年間配当36円を下限に配当維持または増配を基本方針としながら、成長投資に必要な資金を確保しつつ、資本構成や中長期的なフリーキャッシュフローの見通し等から自己株式取得を機動的に判断します。 ②資金調達の方針と流動性の分析当社グループの運転資金や成長投資等の必要資金については、主として営業キャッシュ・フローを財源としていますが、必要に応じて有利子負債を効果的に活用し資本効率の向上を図っています。主に短期的な資金についてはコミットメントライン等の短期銀行借入やコマーシャル・ペーパーによる調達を、設備投資、M&A投資等の長期的な資金については、金融市場動向や長短バランスなどを総合的に勘案し、適宜長期銀行借入を組成しています。また、当社グループは、ガバナンス強化と資金効率向上を目的として、グループ一体となった資金調達と資金管理を実施しており、当社と国内子会社間、また海外の一部地域の関係会社間でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)やグループローンによる資金融通を行ない、グループ内の流動性確保と資本コストの低減に努めています。なお、当社グループは、気候変動による事業機会の取り込みおよびリスクへの適切な対応を重要な経営課題の一つと認識しています。当社グループが取り組む環境貢献に資する投資についてわかりやすく整理、訴求し、サステナブルファイナンスにも取り組みたいと考えています。重要な資本的支出の予定及び資金の調達方法については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。資金の流動性については、当連結会計年度においても当社は主要銀行とのコミットメントライン契約を同額で維持し、30,000百万円で更改しました。その他、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパーも引き続き十分な調達枠を維持しており、必要とされる流動性を確保しています。また、政策保有株式については、コーポレートガバナンス・ポリシーに基づき計画的に縮減していきますが、柔軟且つ機動的な売却の意思決定により、資金の流動性を補完することも可能です。 (5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。海外子会社については、IFRS(国際財務報告基準)及び米国会計基準に準拠して作成され、現地監査法人の監査を受けた上で必要な調整を反映させています。 この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。 (6)経営者の問題認識と今後の方針について 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。 (7)次期の業績見通し無線・通信事業では、災害の激甚化を受けて水管理予算や防災情報システム需要等が増加傾向にあることに加え、防衛事業の拡大、収益性の改善により増収・増益を見込んでいます。マイクロデバイス事業では、原価低減に加え、大きく落ち込んだ半導体市況が回復することを想定し、増収・損益改善を見込んでいます。これらのことから、次期の連結業績見通しは、売上高506,000百万円、営業利益19,700百万円、経常利益21,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益18,300百万円となる見込みです。なお、為替レートは通期平均で1米ドル=145円、1ユーロ=160円を前提としています。業績見通しの詳細については2025年2月12日に公表しています「2024年12月期決算説明会資料」をご参照ください。

※本記事は「日清紡ホールディングス株式会社」の令和6年12期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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