ヒューリック株式会社の基本情報

会社名ヒューリック株式会社
業種不動産業
従業員数連2828名 単233名
従業員平均年齢38歳
従業員平均勤続年数6年
平均年収20357108円
1株当たりの純資産1093.78円
1株当たりの純利益(連結)134.42円
決算時期12月
配当金54円
配当性向39.4%
株価収益率(PER)10.1倍
自己資本利益率(ROE)(連結)12.8%
営業活動によるCF3533億円
投資活動によるCF▲6020億円
財務活動によるCF3005億円
研究開発費※1-円
設備投資額※14171.32億円
販売費および一般管理費※12000.16億円
株主資本比率※227%
有利子負債残高(連結)※316483.26億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針 当社グループは、以下の企業理念及びサステナビリティビジョンのもと、持続可能な社会の実現と企業としての継続的な成長を目指し、あらゆるステークホルダーの信頼を得られるよう努力してまいります。 (2)経営環境及び優先的に対処すべき課題 今後の経済環境の見通しにつきましては、賃金上昇により個人消費が増加するとともに、企業の設備投資も堅調な動きが継続するものの、海外経済及び海外情勢の不確実性、国内の物価上昇、人手不足の深刻化などによる先行き不透明な状況が続くものと予想しています。 また、不動産事業環境におきましては、日銀の金融政策転換により国内金利が上昇傾向にあり、イールドギャップの幅は縮小傾向にあるものの、安定した賃貸市況や高い流動性などを背景に、収益不動産の投資市場は引き続き堅調に推移すると考えております。 こうした環境のもと、当社グループは、2025年度から中長期経営計画(2020-2029)のフェーズⅢに位置する新中期経営計画(2025-2027)をスタートさせ、①「高い利益成長」と「安定基盤利益拡大」を実現するポートフォリオ再構築、②本格化する竣工物件の利益の最大化と、環境変化を見極めて厳選した開発の推進、③「次の10年後」を見据えた新たな収益の柱の土台造り~連結ベースでの収益拡大~、④格付水準の維持を前提とした財務健全性と、成長戦略に適応したリスク管理態勢構築、⑤環境対応、人的資本の価値最大化、ガバナンス強化など、サステナブル経営の一層の深化、の5点を「対処すべき課題」と捉え、更なる成長をはかってまいります。  そのために、それぞれの課題に対して、主に以下の戦略に取り組んでまいります。 ①「高い利益成長」と「安定基盤利益拡大」を実現するポートフォリオ再構築 当社グループの中核事業は、東京23区の駅近を中心に保有する不動産の不動産賃貸事業であり、本事業をベースとした「安定性」と「効率性」を両立したビジネスモデルの進化をはかりながら、環境変化に柔軟に対応した収益構造を維持・強化してまいります。 当社グループの所有物件は、駅近の好立地のビルが大宗を占めており、マーケットより常に低い空室率を維持し、安定的な収益を確保しております。更に、CRE等戦略的ソーシングに加え、多様な投資スキームを駆使した物件取得により、ポートフォリオの成長をはかってまいります。 また、2027年に重点エリア比率50%・オフィス比率50%、2029年に高耐震建物比率100%・再エネビル比率100%を目指し、競争優位性のあるポートフォリオの再構築に継続して取り組み、安定基盤利益の拡大を推進してまいります。 ②本格化する竣工物件の利益の最大化と、環境変化を見極めて厳選した開発の推進 開発事業につきましては、保有物件の開発・建替・バリューアッド・PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業に取り組んでおります。新中期経営計画(2025-2027)の期間では、銀座等の重点エリアに加え、都心型データセンター、研究施設等、29件の竣工を予定しております。今後の開発物件につきましては、建築費の高騰等をふまえ、慎重に事業性を見極め、重点エリアやインフレに強い用途等、環境変化を先読みした将来のポートフォリオに資する物件に注力してまいります。 本格化する竣工物件については、既存の公募リート、私募リートに加えて、ファンドの活用など多様な出口を通じて含み益を顕在化させ、高い利益成長を実現するとともに、バランスシートをコントロールすることで高い資本効率を維持してまいります。 また、海外事業につきましては、経済成長・人口増が見込めるエリアで実需のあるアセットに、リスクを抑制しつつ投資を実施しております。 ③「次の10年後」を見据えた新たな収益の柱の土台造り~連結ベースでの収益拡大~ 不動産賃貸収益をベースに、グループ会社など連結ベースでの収益拡大により、安定基盤利益を拡大してまいります。 2024年度に連結子会社化した㈱リソー教育、㈱レーサムとのシナジーを早期に実現するとともに、ヒューリックとのシナジーが見込まれるM&A案件の獲得に向け、戦略的に取り組んでまいります。 観光ビジネスについては、直営ホテルや旅館を中心に拡大することで、不動産による賃貸収益だけでなく、オペレーションやサービスなどの事業利益の取込みをはかってまいります。 また、新規事業領域についても、系統用蓄電池への投資、国際航空貨物コンビナート、高級シニアレジデンスなど、次期長期経営計画に向けた戦略的投資を実施してまいります。 ④格付水準の維持を前提とした財務健全性と、成長戦略に適応したリスク管理態勢構築 2024年度も、昨年に引き続き日本格付研究所(JCR)より取得している当社の外部格付が「AA-」格となり、強固な経営基盤を評価いただきました。今後も健全な財務基盤を維持しながら、中長期的な収益の維持・向上を実現してまいります。 「内部統制」、「リスク管理」、「コンプライアンス」、「開示統制」についても従前から徹底をはかっており、リスク管理に関しても、「事業継続基本計画」(BCP:Business Continuity Plan)に基づき、定期的に訓練を実施する等、今後も有事対応力の向上を進めてまいります。 また、今後の新事業領域拡大に対応したグループガバナンスについても高度化をはかってまいります。 ⑤環境対応、人的資本の価値最大化、ガバナンス強化など、サステナブル経営の一層の深化 サステナビリティビジョンに基づき、社会活動の基盤となる商品・サービスを提供することにより、「持続可能な社会の実現」と「企業としての継続的な成長」を目指し、サステナビリティを意識した事業運営と価値創造により、社会課題の解決及び社会価値の創造と企業成長が連動する取り組みを推進しております。 環境への取り組みとしては、「脱炭素社会・循環型社会」の実現に向けて環境配慮経営を推進しておりヒューリックグループの使用電力を100%再生可能エネルギーとする「RE100」を2023年に達成しました。今後も2029年の「全保有建物の使用電力の100%再生可能エネルギー化」の達成に向けて、再生可能エネルギー発電設備の自社開発を中心とした気候変動対策を推進してまいります。また、100年以上安全に使用できるオフィス標準仕様の導入による廃棄物削減、環境配慮技術の積極的採用、耐火木造建築・植林活動を通じた森の循環による環境負荷の低減につきましても取り組んでまいります。 社会への取り組みとしては、建物の耐震性能強化を重要な課題と認識して積極的に取り組んでまいります。耐震性能強化につきましては、2029年までに高耐震建物比率100%の目標を掲げておりますが、そのマイルストーンとして2025年末までに建替・売却予定等を除いた物件で高耐震建物比率100%に取り組んでまいります。また、2023年に改訂した「ヒューリック人権方針」に基づき、サプライチェーンを含めた人権デュー・デリジェンスを実施しています。さらに、地域社会をはじめ各ステークホルダーとの関係強化及び社会貢献活動も重視しております。人的資本については、人材育成のための種々取り組みを実践してまいります。健康経営・働き方改革等の取り組み、女性活躍推進法に基づく行動計画策定など、多様な人材が等しく能力を発揮できるバイアスのない職場としてまいります。一級建築士をはじめとした高い専門性を有する人材集団、一人当たり生産性の高い企業、人が育つ企業を目指してまいります。 ガバナンスの取り組みとしては、2024年3月26日をもって社外取締役が取締役会議長を務める体制といたしました。取締役会及び監査役会はいずれも社外役員が過半数を占め、社外役員の全員が独立社外役員で構成されております。取締役会の多様性をはかるため役員の33%が女性で構成されており、社外取締役のみで構成される指名諮問委員会と報酬諮問委員会を設置するなど、引き続き透明性の高いガバナンス体制を推進してまいります。 重要課題(マテリアリティ)への取り組み※1 高耐震建物とは、震度7クラスの地震に対して、人命の安全を確保し、補修をすることにより継続使用できる建物です。対象物件は、建替・売却予定及び建物利用者への影響の観点等から、耐震補強の実施が困難である物件を除きます。※2 当社がエネルギー管理権原を有さない一棟貸、住宅系、非幹事共有物件と販売用不動産等を除きます。  なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (3)目標とする経営指標 2025年1月に策定しました新中期経営計画(2025-2027)では、2020年1月に策定しました中長期経営計画(2020-2029)で掲げた定量目標を2年前倒して達成する計画としております。目標値及び達成状況につきましては以下の通りです。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の業績は、営業収益は591,615百万円(前期比145,232百万円、32.5%増)、営業利益163,360百万円(前期比17,182百万円、11.7%増)、経常利益154,329百万円(前期比16,892百万円、12.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益102,341百万円(前期比7,715百万円、8.1%増)となりました。 財政状態については、当連結会計年度末の資産合計は、3,048,935百万円(前期末比568,463百万円、22.9%増)、負債合計は、2,192,591百万円(前期末比481,418百万円、28.1%増)、純資産合計は、856,344百万円(前期末比87,044百万円、11.3%増)となりました。  各セグメントの業績は、次の通りであります。(各セグメントの営業収益は、セグメント間の内部営業収益、振替高を含みます。) (不動産事業) 当社グループの中核事業は、東京23区を中心に、約250件(販売用不動産除く)の賃貸物件・賃貸可能面積約127万㎡を活用した不動産賃貸事業であります。環境変化に対応した競争優位性のある高品質な賃貸ポートフォリオを構築する観点から、継続的な物件の入れ替えや耐震・環境配慮に優れた開発・建替の加速による優良アセットの積み上げに取り組んでおります。また、開発・建替、バリューアッド物件のパイプラインを充実させ、出口戦略の多様化により、安定的・継続的な開発利益と運用報酬の獲得にも取り組んでおります。 当連結会計年度の新規物件(固定資産)の取得につきましては、アルボーレ銀座(一部)(東京都中央区)、キオクシア四日市工場(底地)(三重県四日市市)及びロクマルゲートIKEBUKURO(一部)(東京都豊島区)などを取得いたしました。 開発・建替事業(固定資産)につきましては、ヒューリックロジスティクス橋本(相模原市中央区)が2024年7月に竣工いたしました。 また、(仮称)三郷物流開発計画(埼玉県三郷市)、(仮称)銀座ビル建替計画(東京都中央区)、(仮称)札幌建替計画(2期工事)(札幌市中央区)、(仮称)心斎橋開発計画(大阪市中央区)、自由が丘一丁目29番地区第一種市街地再開発事業(東京都目黒区)、(仮称)銀座8丁目9-11,12開発計画(東京都中央区)、(仮称)青山ビル建替計画(東京都港区)、(仮称)銀座五丁目開発計画(東京都中央区)及び(仮称)新宿318開発計画(東京都新宿区)などが順調に進行しております。 PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業につきましては、東京都と渋谷区実施の「都市再生ステップアップ・プロジェクト(渋谷地区)渋谷一丁目地区共同開発事業」などが順調に進行しております。 販売用不動産につきましては、ユニモちはら台(千葉県市原市)などを取得し、THE HUB 銀座OCT(東京都中央区)、多治見物流センター(岐阜県多治見市)、ユニモちはら台(千葉県市原市)、グランドニッコー東京台場(東京都港区)及びグランドニッコー東京ベイ舞浜(千葉県浦安市)などを売却しております。 このように、当セグメントにおける事業は順調に進行しており、前連結会計年度及び当連結会計年度に竣工、取得した物件によりオフィス等の不動産賃貸収入は安定的に推移したことに加え、販売用不動産の売上も順調に推移したことなどから、当連結会計年度の営業収益は527,204百万円(前期比118,605百万円、29.0%増)、営業利益は170,428百万円(前期比15,996百万円、10.3%増)となりました。 (保険事業) 保険事業におきましては、連結子会社であるヒューリック保険サービス株式会社が、国内・外資系の保険会社と代理店契約を結んでおり、法人から個人まで多彩な保険商品を販売しております。保険業界の事業環境は引き続き厳しい環境にありますが、既存損保代理店の営業権取得を重点戦略として、法人取引を中心に営業展開をしております。 この結果、当セグメントにおける営業収益は3,699百万円(前期比53百万円、1.4%増)、営業利益は997百万円(前期比△90百万円、8.3%減)となりました。 (ホテル・旅館事業) ホテル・旅館事業におきましては、連結子会社であるヒューリックホテルマネジメント株式会社は「THE GATE HOTEL」シリーズ及び「ビューホテル」シリーズ、ヒューリックふふ株式会社は「ふふ」シリーズを中心に、ホテル及び旅館の運営をおこなっております。 当連結会計年度においては、国内・インバウンドとも好調に推移したことから、稼働・客室単価とも高水準で着地いたしました。 この結果、当セグメントにおける営業収益は49,092百万円(前期比11,740百万円、31.4%増)、営業利益は1,675百万円(前期比649百万円、63.2%増)となりました。 (その他) その他におきましては、主に連結子会社であるヒューリックビルド株式会社が、当社保有ビル等の営繕工事、テナント退去時の原状回復工事、新規入居時の内装工事を中心に受注実績を積み上げておりますほか、連結子会社である株式会社リソー教育が進学学習指導等をおこなっております。 この結果、営業収益は25,814百万円(前期比19,263百万円、294.0%増)、営業利益は2,233百万円(前期比1,722百万円、336.9%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動により353,388百万円増加し、投資活動により602,020百万円減少し、財務活動において300,589百万円増加し、当連結会計年度末には134,326百万円となりました。(単位:百万円) 2023年12月期2024年12月期営業活動によるキャッシュ・フロー270,819353,388投資活動によるキャッシュ・フロー△298,330△602,020財務活動によるキャッシュ・フロー△28,024300,589現金及び現金同等物の期末残高82,763134,326  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは353,388百万円の収入(前期比82,569百万円)となりました。これは主に、不動産賃貸収入及び販売用不動産の売却を主因とした税金等調整前当期純利益が151,136百万円、減価償却費が17,881百万円、棚卸資産の減少額が212,081百万円あったためであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは602,020百万円の支出(前期比303,690百万円)となりました。これは主に、環境変化に対応した競争優位性のある高品質な賃貸ポートフォリオを構築する観点から、物件の入れ替えや開発・建替等をおこなったためであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは300,589百万円の収入(前期比328,614百万円)となりました。これは主に、開発・建替や新規物件の取得に伴う資金調達をおこなった一方で、配当金の支払いがあったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績   該当事項はありません。b.受注実績   該当事項はありません。c.販売実績  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)前期比(%)不動産事業    (百万円)527,20429.0保険事業     (百万円)3,6991.4ホテル・旅館事業 (百万円)49,09231.4その他      (百万円)25,814294.0調整額      (百万円)△14,195-       合計 (百万円)591,61532.5(注)1.各セグメントの営業収益は、セグメント間の内部営業収益、振替高を含みます。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次の通りであります。相手先 前連結会計年度(自 2023年1月1日  至 2023年12月31日) 当連結会計年度(自 2024年1月1日  至 2024年12月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)芙蓉総合リース52,97911.8--お台場インベストメンツ特定目的会社--105,04917.73.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度における我が国経済は、企業の好調な設備投資及び個人消費の復調や好調なインバウンド需要による景気回復の動きに加え、インフレ経済への回帰の動きがみられました。 不動産投資マーケットにつきましては、日銀のマイナス金利解除及び利上げ後も不動産投資家の旺盛な投資マインドが継続したため、安定的に推移しました。 こうした環境のもと、当社グループは、2020年度を初年度とする中長期経営計画に基づき、「変革」と「スピード」をベースに、環境変化に柔軟に対応した進化を通じて、持続的な企業価値向上の実現に注力してまいりました。 当連結会計年度の達成状況は以下の通りであります。  経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載しております。  当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次の通りであります。a.経営成績の分析(営業収益) 当連結会計年度の営業収益は、591,615百万円となり、対前期比で145,232百万円増加いたしました。これは、前連結会計年度及び当連結会計年度に竣工、取得した物件によりオフィス等の不動産賃貸収入が安定的に推移したことに加え、販売用不動産の売上も順調に推移したことによるものであります。 (営業利益) 当連結会計年度の営業利益は、163,360百万円となり、対前期比で17,182百万円増加いたしました。これは、物件の竣工、取得によりオフィス等の不動産賃貸収入が安定的に推移したことに加え、販売用不動産の売上総利益が増加したことによるものであります。 (経常利益) 当連結会計年度の経常利益は、154,329百万円となり、対前期比で16,892百万円増加いたしました。これは、支払利息の増加により営業外費用が増加したものの、営業利益の増加があったことによるものであります。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、102,341百万円となり、対前期比で7,715百万円増加いたしました。これは、段階取得に係る差損の発生により特別損失が増加し、また、税金費用が増加したものの、経常利益の増加に加え、投資有価証券売却益の増加により特別利益が増加したことによるものであります。 b.財政状態の分析(資産) 当連結会計年度末の資産合計は、3,048,935百万円となり、対前期末比568,463百万円増加いたしました。当社グループにおきましては、環境変化に対応した競争優位性のある高品質な賃貸ポートフォリオを構築する観点から、継続的な物件の入れ替えや耐震・環境配慮に優れた開発・建替の加速による優良アセットの積み上げに取り組んでおります。 また、ヒューリックリート投資法人及びヒューリックプライベートリート投資法人の中長期的な収益向上と優良アセットの着実な積上げを実現するために、スポンサーとしてのサポートやバックアップにも努めております。 主な項目の増減は以下の通りであります。・現金及び預金51,584百万円増加 ・販売用不動産91,872百万円増加(固定資産からの振替、物件の取得及び売却等)・土地88,558百万円増加(物件の取得及び販売用不動産への振替等)・のれん112,996百万円増加(連結子会社株式の取得及びのれんの償却等)・投資有価証券92,023百万円増加(投資有価証券の取得、売却及び有価証券の含み益の増加等) (負債) 当連結会計年度末の負債合計は、2,192,591百万円となり、対前期末比481,418百万円増加いたしました。これは主に、設備投資等に伴い、資金調達をおこなったことによるものであります。 当社グループの借入金残高は1,397,089百万円となっておりますが、このうち特別目的会社(SPC)のノンリコースローンが30,000百万円含まれております。金融機関からの資金調達については、高い収益力を背景として安定的に低コストで調達をおこなっております。 (純資産) 当連結会計年度末の純資産合計は、856,344百万円となり、対前期末比87,044百万円増加いたしました。このうち株主資本合計は、769,176百万円となり、対前期末比で62,382百万円増加しております。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加及び配当金の支払による利益剰余金の減少によるものであります。 また、その他の包括利益累計額合計は、63,814百万円となり、対前期末比で4,952百万円増加いたしました。これは主に、有価証券の含み益が9,753百万円増加したことによるその他有価証券評価差額金の増加によるものであります。 c.経営成績に重要な影響を与える要因 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載の通りであります。 d.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。  当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、必要な資金を主に銀行借入、社債や短期社債(コマーシャル・ペーパー)等の発行によって調達する方針としており、当社グループの今後の資金需要は、主に不動産事業に係る設備投資であり、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

※本記事は「ヒューリック株式会社」の令和6年12期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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