| 会社名 | パーソルホールディングス株式会社 |
| 業種 | サービス業 |
| 従業員数 | 連71570名 単647名 |
| 従業員平均年齢 | 40.9歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 6.2年 |
| 平均年収 | 8193686円 |
| 1株当たりの純資産 | 88.74円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 16.17円 |
| 決算時期 | 3月 |
| 配当金 | 9.5円 |
| 配当性向 | 52.4% |
| 株価収益率(PER) | 18.9倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 13.2% |
| 営業活動によるCF | 688億円 |
| 投資活動によるCF | ▲297億円 |
| 財務活動によるCF | ▲638億円 |
| 研究開発費※1 | -円 |
| 設備投資額※1 | 25.67億円 |
| 販売費および一般管理費※1 | 225.58億円 |
| 株主資本比率※2 | 41.7% |
| 有利子負債残高(連結)※3※4 | 0円 |
経営方針
| 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)市場環境の変化と全体像 雇用の流動化やはたらき方・はたらく価値観の多様化など、個人のパワーシフトを背景に、個人が自らのキャリアを主体的に描き、仕事だけでなく人生もキャリアの一部と捉えた上で、はたらくことを通じてその人自身が感じる幸せや満足感“はたらくWell-being”を求める時代へと変化しております。また、生成AI、業務のリモート化、自動化・省人化、データによる分析・最適化などの急速なテクノロジーの進化により、人とテクノロジーの共創による経営進化が求められる時代となっております。 当社は、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を掲げ、多様なはたらき方や学びの機会の提供を通じて、一人ひとりの選択肢を広げ、はたらく自由を広げることで、個人と社会の幸せを広げる「“はたらくWell-being”創造カンパニー」となることを目指しております。さらに、これらの社会変化や多様化する個人のニーズに応えるため、当社は「人」による介在価値を重視しつつ、プロダクトとデジタル化で非連続な成長を実現する「テクノロジードリブンの人材サービス企業」へ進化することを、経営の方向性として定めております。 「はたらく」に関するさまざまな事業・サービス、多様な人的資本を強みとし、未来に向けた価値創出に取り組んでいます。なお、世界の地政学情勢等により経済活動に影響が及んだ場合、景気連動性の強い当社の一部事業にも影響が及ぶ可能性があります。 (2)価値創造ゴール 当社は、「人の可能性を広げることで、2030年に100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを価値創造ゴールとして設定しています。「多様なはたらき方の提供」や「学びの機会の提供」等を通じて、「グループ中期経営計画2026(2024年3月期~2026年3月期)」では50万人、2030年には100万人のより良い“はたらく機会”の創出を目指します。2024年度は約46万人のはたらく機会を創出することができました。(注)”はたらく機会“の創出の実績には、全SBU及びFUの人材派遣、アウトソーシング等における稼働人数、人材紹介事業の就職件数を含む。 (3)当社グループのサステナビリティに関する重要課題 当社は、2030年に向けた「グループ中期経営計画2026」において、「事業を通じた社会課題の解決」「持続的成長を実現するための基盤」の2つの領域で、以下8つのサステナビリティに関する重要課題(以下、「マテリアリティ」という。)を特定し、それぞれ目標を設定し、進捗状況のモニタリングを行っております。 <事業を通じた社会課題の解決>①はたらく機会の創出 :「人を集めるチカラ」「人と組織を結ぶチカラ」「業務をデザインするチカラ」を通じて、2030年に100万人のはたらく人の可能性を広げ、より良い“はたらく機会”を創出する②多様なはたらき方の提供:フレキシブルなはたらき方や雇用のあり方を提案・提供することで、個人のニーズに見合うはたらき方の実現に貢献する③学びの機会の提供 :就業、リスキリングやアップスキリングにつながる学びの機会を提供することで、はたらく人の選択肢を広げ、個人のキャリアの可能性を最大化する④企業の生産性向上 :生産性向上に資するサービスを提供することで、企業活動の効率化、労働力不足の解消に貢献する <持続的成長を実現するための基盤>⑤多様な人材の活躍 :多様性を活かす企業文化の醸成、環境の整備を通じて、グループビジョンを実現する⑥データガバナンスの強化:パーソナルデータの利活用に関する当社グループにおける共通の方針・ルールの策定や管理・保護体制の整備を行い、さらなる強化を図ることで、ユーザーの利用環境を整えるとともに、信頼を確保する⑦人権の尊重 :責任ある企業として国際規範に沿った取り組みを推進することで、人権への負の影響を軽減するとともに、社員を含むすべてのステークホルダーの信頼を獲得する⑧気候変動への対応 :カーボンニュートラルに取り組むとともに、環境関連(GX: Green Transformation)人材サービス等を通じて脱炭素社会の実現に貢献する (4)グループ中期経営計画2026について①全体方針 2030年に向けたありたい姿「“はたらくWell-being”創造カンパニー」を目指した、グループ中期経営計画2026(2024年3月期~2026年3月期)の全体方針及び進捗は下記のとおりです。 ・グループ中期経営計画2026事業の位置づけ・Staffing SBU/BPO SBU/Technology SBU/Career SBU/Asia Pacific SBUの5つのSBU体制へ・Staffing SBUを「グループの屋台骨(グループの成長基盤)」と位置付けつつ、Career SBU/BPO SBU/Technology SBUを「利益成長の柱」とする・Asia Pacific SBUは、将来の飛躍へ向けた基盤強化(収益性改善)を行う・将来に向け事業の探索・創造を行う、R&D Function Unitを設立強化すべき競争優位性・「人を集めるチカラ」「人と組織を結ぶチカラ」「業務をデザインするチカラ」を継続強化する強みとする事業成長のエンジン・事業成長を加速させるグループ共通の下記3つの取り組みを「事業成長のエンジン」とする人的資本 :「“はたらくWell-being”の体現/テクノロジー人材の拡充/多様な人材が活躍する基盤構築」に取り組む テクノロジー:「テクノロジー人材と組織の進化/はたらく環境のデジタル化推進/コア事業の価値向上/新たな価値創造」に取り組む ラーニング :より良い“はたらく”に繋がる“学び”を各事業に実装することで個人とともに、各事業の成長を加速させる ・グループ中期経営計画2026の進捗事業の位置づけ・Staffing SBUは、“はたらく人に軸足を置く経営”に取り組み、派遣スタッフが選ぶ 派遣会社満足度ランキング2024で2年連続2冠獲得(総合満足度ランキング6年連続1位、継続就業意向度ランキング2年連続1位、出典:派遣の働き方研究所調査より)。人材紹介の伸長や賃金交渉を通じた単価向上による粗利益の改善やコスト管理による販管費削減等により、2027年度調整後EBITDAマージン6%を目指す・Career SBUは、継続して二桁成長を達成。高成長が期待できるハイクラス領域doda Xを引き続き強化・BPO SBUは、事業会社の統合が完了。加えて、IT系BPOの成長加速に向けてパーソルコミュニケーションサービス(旧:富士通コミュニケーションサービス)株の全株式を取得。クロスセルやコスト最適化を推進し、2028年度調整後EBITDAマージン8%を目指す・Technology SBUは、採用強化やエンゲージメント向上による退職率低減、請求単価の上昇を実現し、二桁成長を継続。請負比率を上昇させることで、2028年度調整後EBITDAマージン10%を目指す・Asia Pacific SBUは、ファシリティマネジメント事業の契約残高が対前期末比で20%程度増加し好調、加えてコスト最適化を推進・R&D Function Unitは、短期間・短時間の仕事に特化し、柔軟な働き方を望む個人と必要な時に必要な分だけ人材を活用したい企業をつなぐデジタルマッチングプラットフォーム「シェアフル」を積極拡大強化すべき競争優位性「人を集めるチカラ」:・グループビジョンを核とした統合的なブランドコミュニケーションの展開・共通CIによる各サービスブランドとのリンケージ強化・継続的なマーケティング投資による認知度向上・各サイトやアプリのUI/UX向上などを通じた個人の利便性・満足度向上「人と組織を結ぶチカラ」:・ハイクラス転職「doda X」とスカウトサービス「doda ダイレクト」を連携し、「doda X」では企業から直接スカウトが届く企業スカウトサービスを、「doda ダイレクトでは「doda X」の登録者に直接スカウトを送ることができるプランを提供・業界最大級の求人数を誇る派遣求人サイト「ジョブチェキ」の運営・人材派遣や人材紹介への接続を視野に入れた、シェアフルの構築、拡大「業務をデザインするチカラ」:・BPO事業の統合やM&A、アライアンスによるケイパビリティ(人材力、顧客接点、規模)強化、市場におけるプレゼンスを向上事業成長のエンジン人的資本:・グループ中核会社が健康経営優良法人に2年連続で認定・人的資本レポートの日本語版・英語版を発行 テクノロジー:・持株会社でのテクノロジー人材を集約した組織及び、事業へのAI適用を推進する組織によるSBU技術支援・テクノロジー人材向け人事制度の運用、生成AIの導入・DX注目企業2025に選定 ラーニング:・派遣スタッフへの教育・研修コンテンツを拡充・人材紹介において、IT・ハイクラス領域を中心に、仕事に結びつけた学習提案をすることで、個人と繋がり続けるサービスを展開 ②財務戦略 当社は、「パーソルグループ中期経営計画2026」において、企業価値の向上を図るため、財務戦略を「主要な財務戦略指標」「キャッシュアロケーション」「株主還元」の3つに分け、それぞれ達成すべき目標を明確にしております。 <主要な財務戦略指標>成長性調整後EBITDA年平均成長率は10%超効率性ROIC(投下資本利益率)15%以上ROE(自己資本利益率)20%以上健全性Net Debt/Equity1倍以内Net Debt/EBITDA2倍以内 それぞれの指標についての実績及び予想は下記のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。・成長性指標 調整後EBITDAは、「グループ中期経営計画2026」における3カ年の年平均成長率10%超の目標は未達成の見込みですが、2026年3月期の成長率は10.4%と、単年度では10%を超える成長を計画しております。 ・効率性指標 当社は、取締役会において資本コスト及び資本効率性のモニタリング等を継続して実施しており、現在の資本コストを約8%と認識しております。2025年3月期のROIC実績は資本コストを大きく上回る16.6%であり、2026年3月期はさらに高い約18%と、「グループ中期経営計画2026」の3カ年において、継続して目標である15%を超える見込みです。今後も中長期的に「ROIC-資本コスト」(ROICスプレッド)を拡大することに努めるとともに、資本コストの低減に向けた取り組みを行ってまいります。 ROEにつきましては、2025年3月期までは目標未達でありましたが、2026年3月期は約20%と、目標を達成する見込みです。 なお、当社では、資本効率性の向上を役員報酬制度の指標の一つとして既に導入しております。 (参考)ROIC及びROEの推移グラフ ROIC = 税引後営業利益 ÷ 投下資本(資本合計+有利子負債(リース除く))の期首・期末平均(2024年3月期) 税引後営業利益 361億円 投下資本の期首・期末平均 2,386億円(資本合計1,959億円+有利子負債(リース除く)427億円)(2025年3月期) 税引後営業利益 398億円 投下資本の期首・期末平均 2,395億円(資本合計2,073億円+有利子負債(リース除く)322億円) ROE = 親会社の所有者に帰属する当期利益 ÷ 親会社の所有者に帰属する持分の期首・期末平均(2024年3月期) 親会社の所有者に帰属する当期利益 299億円 親会社の所有者に帰属する持分の期首・期末平均 1,810億円(2025年3月期) 親会社の所有者に帰属する当期利益 358億円 親会社の所有者に帰属する持分の期首・期末平均 1,909億円・健全性指標 Net Debt/Equity、Net Debt/EBITDAはそれぞれ「グループ中期経営計画2026」の目標である1倍以内、2倍以内を恒常的に達成しております。 <キャッシュアロケーション> 「グループ中期経営計画2026」における3カ年合計の税引後の調整後EBITDA2,000億円は未達成となる見込みであるものの、成長投資と株主還元については、それぞれ750億円の当初想定に対し、概ね計画通りのアロケーションを予定しております。 <株主還元> 当社は、株主還元を重視しており、「グループ中期経営計画2026」においては調整後EPSに対して配当性向を約50%にすることを定めております。各連結会計年度の調整後EPSに対する配当性向は以下のとおりです。 2024年3月期 50.5% 2025年3月期 51.4% 2026年3月期 54.0%(予想) |
経営者による財政状態の説明
| 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)業績等の概要①業績 当社グループは、日本国内では人材派遣及び人材紹介など幅広く人材関連サービスを提供しております。また、アジア・パシフィック(APAC)地域では人材サービス事業及びファシリティマネジメント事業などを展開しております。 日本国内における人材不足が続く中、当社グループは、堅調な顧客企業の求人意欲を背景に、主力事業であるStaffing SBU及びCareer SBU(SBU:Strategic Business Unit)を中心に積極的な事業活動を展開いたしました。また、グループ中期経営計画2026の方針に沿って、利益成長の柱と定めた Career SBU、BPO SBU、Technology SBUを注力領域とし、推進してまいりました。その結果、当連結会計年度において、全てのSBUで増収となり、グループ全体の売上収益は、1,451,238百万円(前年同期比9.4%増)となりました。利益面では、Staffing SBU及びCareer SBUがけん引し、グループ全体の調整後EBITDAは、78,340百万円(同8.4%増)、営業利益は、57,426百万円(同10.3%増)となりました。また、税引前利益は、57,156百万円(同16.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、35,871百万円(同19.7%増)となりました。 (注)調整後EBITDA:営業利益+減価償却費(使用権資産の減価償却費のうち家賃等相当額を除く)+(-)未払有給休暇の増額(減額)+株式報酬費用-(+)その他の収益(費用)-(+)その他恒常的でない収益(損失) (為替)期中平均為替レート :(豪ドル)前連結会計年度: 95.1円、当連結会計年度: 99.5円 セグメントの業績(セグメント間内部取引消去前)は次のとおりであります。 セグメントの名称前連結会計年度当連結会計年度増減 百万円百万円百万円%Staffing売上収益調整後EBITDA575,79830,632602,43831,31726,6396844.62.2BPO売上収益調整後EBITDA110,7958,907117,2336,6676,437△2,2395.8△25.1Technology売上収益調整後EBITDA102,3806,930114,7058,64012,3241,70912.024.7Career売上収益調整後EBITDA128,28425,001144,64530,36916,3605,36812.821.5Asia Pacific売上収益調整後EBITDA412,7709,832476,10311,70463,3321,87215.319.0その他売上収益調整後EBITDA34,651△1,66638,415△3,4123,763△1,74510.9-調整額売上収益調整後EBITDA△37,558△7,350△42,302△6,947△4,744403--連結損益計算書計上額売上収益調整後EBITDA1,327,12372,2871,451,23878,340124,1156,0529.48.4(注)上記の売上収益のうち、調整額及び連結損益計算書計上額に記載の売上収益以外の売上収益については、セグメント間内部取引消去前の金額であります。 a. Staffing SBU 本セグメントは、国内で事務領域を中心に幅広い業種に対応した人材派遣事業に加え、事務職を中心とした人材紹介事業などを展開しております。 当連結会計年度における売上収益は、602,438百万円(前年同期比4.6%増)、調整後EBITDAは、31,317百万円(同2.2%増)、営業利益は、27,048百万円(同0.5%減)となりました。 売上収益は、主に派遣就業者数が前年同期比で2.7%、平均請求単価が1.9%増加したことに加え、人材紹介事業も好調に推移したことにより、増収となりました。なお、利益に関しては、当連結会計年度より障害者雇用費用の各SBUへの配賦割合を変更しており、前連結会計年度を同条件で比較した場合、調整後EBITDAは前年同期比9.5%増及び営業利益は同7.5%増であり、それぞれ増益となりました。 b. BPO SBU 本セグメントは、受託請負のBPO事業を主として展開しております。 当連結会計年度における売上収益は、117,233百万円(前年同期比5.8%増)、調整後EBITDAは、6,667百万円(同25.1%減)、営業利益は、4,240百万円(同38.5%減)となりました。 売上収益は、COVID-19関連事業が減収したものの、それを上回るオーガニック*成長により増収となりました。また、調整後EBITDA及び営業利益は、期初想定通りにCOVID-19関連事業の剥落があり、減益となりました。(COVID-19関連事業の売上総利益は、前連結会計年度は3,720百万円、当連結会計年度は352百万円であり、COVID-19関連事業の減益影響額は3,368百万円となりました。) *オーガニック:COVID-19関連事業の売上収益(前連結会計年度は9,856百万円、当連結会計年度は952百万円)及び2025年2月に実施したパーソルコミュニケーションサービス株式会社(旧富士通コミュニケーションサービス株式会社)の企業結合によって生じた売上収益4,053百万円(2025年2月~3月の2カ月分)を除く c. Technology SBU 本セグメントは、IT領域やエンジニアリング領域の設計・開発受託事業や、技術者を専門とした人材派遣事業を展開しております。 当連結会計年度における売上収益は、114,705百万円(前年同期比12.0%増)、調整後EBITDAは、8,640百万円(同24.7%増)、営業利益は、7,642百万円(同34.2%増)となりました。 売上収益は、エンジニアリング事業において、製造業で開発などの請負事業の需要が伸長したことに加え、IT・DXソリューション事業が堅調に成長したことにより、増収となりました。また、エンジニア採用を強化し、費用が増加したものの、請求単価上昇などの増収効果で吸収し、調整後EBITDA及び営業利益は増益となりました。 d. Career SBU 本セグメントは、顧客企業の正社員の中途採用活動を支援する人材紹介事業や求人メディア事業などを展開しております。 当連結会計年度における売上収益は、144,645百万円(前年同期比12.8%増)、調整後EBITDAは、30,369百万円(同21.5%増)、営業利益は、25,631百万円(同28.6%増)となりました。 売上収益は、景気の先行きが不透明な状況が続く中でも、堅調な求人需要を背景に増収となりました。費用面については、上期はマーケティング投資や採用を抑制しておりましたが、下期からは将来の成長に向けた転職希望者の第一想起獲得のためのマーケティング投資を強化しつつ、採用は引き続き適正なレベルでコントロールしております。その結果、調整後EBITDA及び営業利益は、増収効果及び生産性向上もあり、増益となりました。 e. Asia Pacific SBU 本セグメントは、アジア地域で人材サービス事業、豪州においては人材サービス事業及びファシリティマネジメント事業などを主に展開しております。アジア地域では主にPERSOLKELLY、豪州では主にProgrammedのブランドで事業を運営しております。 当連結会計年度における売上収益は、476,103百万円(前年同期比15.3%増)、調整後EBITDAは、11,704百万円(同19.0%増)、営業利益は、7,761百万円(同60.3%増)となりました。 売上収益は、主にファシリティマネジメント事業が順調に成長したことや、為替影響により、増収となりました。また、調整後EBITDA及び営業利益についても、増益となりました。 ②生産、受注及び販売の実績a. 生産実績 当社グループは、Staffing、BPO、Technology、Career、Asia Pacific等のセグメント区分にて国内及びAPAC地域において人材関連事業を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、省略しております。 b.受注実績 生産実績の記載と同様に、受注状況の記載に馴染まないため省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)売上収益(百万円)構成比(%)前年同期比増減(%)Staffing595,72941.0%4.5%BPO108,9547.5%4.8%Technology103,9767.2%13.0%Career142,4049.8%12.9%Asia Pacific476,10332.8%15.3%全社及びその他の事業24,0691.7%9.4%合 計1,451,238100.0%9.4%(注)セグメント間の取引は、相殺消去しております。 (2)財政状態の分析 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ21,015百万円増加し、539,746百万円となりました。流動資産は12,716百万円減少し、299,974百万円となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権が10,785百万円増加した一方、現金及び現金同等物が25,551百万円減少したことによるものであります。非流動資産は33,731百万円増加し、239,771百万円となりました。これは主に、使用権資産が13,105百万円、のれんが11,046百万円、無形資産が8,889百万円増加したことによるものであります。 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ22,950百万円増加し、333,363百万円となりました。流動負債は8,743百万円増加し、266,159百万円となりました。これは主に、社債及び借入金が3,844百万円減少した一方、未払法人所得税が7,104百万円、営業債務及びその他の債務が4,238百万円増加したことによるものであります。非流動負債は14,206百万円増加し、67,203百万円となりました。これは主に、リース負債が10,149百万円、引当金が2,092百万円増加したことによるものであります。 当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ1,935百万円減少し、206,382百万円となりました。これは主に、当期利益37,703百万円の計上により増加した一方、剰余金の配当20,036百万円の支払、自己株式の取得20,000百万円等により減少したことによるものであります。 以上の結果、財務指標としては、流動比率が前連結会計年度末の121.5%から112.7%に下降し、親会社所有者帰属持分比率が前連結会計年度末の37.1%から35.1%に下降いたしました。 前連結会計年度当連結会計年度売上収益営業利益率3.9%4.0%売上収益調整後EBITDA比率5.4%5.4%ROIC15.1%16.6%親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)16.6%18.8%流動比率121.5%112.7%固定比率107.1%126.4%固定長期適合率84.0%93.4%親会社所有者帰属持分比率37.1%35.1%Net Debt/Equity(倍)△0.39△0.28Net Debt/EBITDA(倍)△1.03△0.67 (3)経営成績の分析 当連結会計年度における売上収益は、1,451,238百万円と前連結会計年度に比べ124,115百万円の増収となりました。利益面では、売上総利益において、332,128百万円と前連結会計年度に比べ30,967百万円の増益、調整後EBITDAにおいて、78,340百万円と前連結会計年度に比べ6,052百万円の増益、営業利益において、57,426百万円と前連結会計年度に比べ5,360百万円の増益、税引前利益において、57,156百万円と前連結会計年度に比べ8,230百万円の増益となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、35,871百万円と前連結会計年度に比べ5,900百万円の増益となりました。 ① 売上収益 売上収益は、堅調な顧客企業の求人意欲を背景に、全てのSBUで増収となった結果、全体として9.4%の増収となりました。 ② 売上総利益 売上総利益は、堅調な顧客企業の求人意欲を背景に、全てのSBUで増収となった結果、10.3%の増益となりました。 ③ 調整後EBITDA 調整後EBITDAは、COVID-19関連業務が当初想定通り剥落したBPO SBUを除いた全てのSBUで増益となった結果、8.4%の増益となりました。 ④ 営業利益 営業利益はStaffing SBU及びBPO SBUを除くSBUで増益となった結果、全体の営業利益は10.3%の増益となりました。なお、Staffing SBUの減益要因は、当連結会計年度より障害者雇用費用の各SBUへの配賦割合を変更したことによるものであり、前連結会計年度を同条件で比較した場合、営業利益は前年同期比7.5%増であります。また、BPO SBUはCOVID-19関連業務が当初想定通り剥落したことにより、減益となりました。 ⑤ 税引前利益 税引前利益は、営業利益の増加により16.8%の増益となりました。 ⑥ 親会社の所有者に帰属する当期利益 親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の増加により19.7%の増益となりました。 (4)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ25,551百万円減少し、82,818百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度より8,899百万円減少し、68,854百万円となりました。これは主に、税引前利益が57,156百万円、減価償却費及び償却費が32,984百万円となった一方、法人所得税の支払額が14,826百万円、営業債権及びその他の債権の増加が7,050百万円、前連結会計年度末が休日だった影響により未払消費税等の減少が4,487百万円となったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度より10,764百万円増加し、29,765百万円となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が17,839百万円、無形資産の取得による支出が13,284百万円となったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度より10,075百万円増加し、63,878百万円となりました。これは主に、社債発行による収入が10,000百万円となった一方、自己株式の取得による支出が20,000百万円、配当金の支払額が19,809百万円、リース負債の返済による支出が19,051百万円となったことによるものであります。 (5)経営成績に重要な影響を与える要因について 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (6)資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社の主な運転資金需要は、派遣スタッフ及び従業員に対する給与支払いであります。事業構造上、現金及び現金同等物が資産の中で占める割合が高くなっております。短期運転資金は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保する基本方針を踏まえて、事業収益から得られる自己資金を基本としており、特に多額の資金が必要となる企業買収等については、安定した財務基盤を活かし、銀行借入、社債発行など最適な資金調達手段を通じて行うことを基本としております。 なお、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は82,818百万円、有利子負債の残高は、30,300百万円となっております。 (7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 5.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。 (8)経営者の問題認識と今後の方針について 当社グループは、2024年3月期を初年度とする3カ年の「中期経営計画2026」を2023年5月に発表しました。“はたらくWell-being”創造カンパニーとして、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」の実現を目指してまいります。 詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 |
※本記事は「パーソルホールディングス株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)



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