| 会社名 | 西松建設株式会社 |
| 業種 | 建設業 |
| 従業員数 | 連3065名 単2622名 |
| 従業員平均年齢 | 44歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 19.2年 |
| 平均年収 | 9752000円 |
| 1株当たりの純資産 | 4361.27円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 444.46円 |
| 決算時期 | 3月 |
| 配当金 | 220円 |
| 配当性向 | 49.52% |
| 株価収益率(PER) | 10.8倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 10.29% |
| 営業活動によるCF | 58億円 |
| 投資活動によるCF | ▲362億円 |
| 財務活動によるCF | 161億円 |
| 研究開発費※1 | 23.62億円 |
| 設備投資額※1 | 238.69億円 |
| 販売費および一般管理費※1 | 230.46億円 |
| 株主資本比率※2 | 29.3% |
| 有利子負債残高(連結)※3 | 1992.12億円 |
経営方針
| 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社は、企業理念として掲げた「価値ある建造物とサービスで安心して暮らせる持続可能な社会をつくる」を実践するため、サステナビリティスローガン(基本方針)「みんなでつくる みんなが輝く」を策定しております。この基本方針のもと、当社は、ひと、まち、自然を大切につなぎ、人々が活き活きできる場を創ることで「みんなが輝く社会」を実現してまいります。 (2) 長期ビジョン、中長期的な経営戦略当社は、コロナ禍やグローバル化の進展など社会・事業環境の絶え間ない変化と価値観の多様化を受け、自らの社会における存在価値や将来ありたい姿、提供していく価値について改めて見つめ直し、2023年2月に長期ビジョンを「西松-Vision 2030」に刷新するとともに、「中期経営計画2025」を策定いたしました。「西松-Vision 2030」では、「あたりまえに安心でき 活力がわく地域やコミュニティを 共に描きつくる総合力企業へ」という長期ビジョンを掲げ、当社がこれまで取り組んできた国内外の建設事業を中心とする「社会基盤整備」に加え、エネルギー、環境保全、社会・都市機能、防災・安全、不動産開発など、地域に寄り添い共に社会課題を解決する「社会機能の再構築」に取り組んでまいります。これらの「価値共創活動」を拡大することで、当社グループの成長を目指すとともに、社会に対して「安心・活力・つながり」を提供してまいります。「中期経営計画2025」では、2022年度に収益が悪化した建築事業と国際事業(土木)の収益改善に注力するとともに、「西松-Vision 2030」実現に向け、「脱炭素」や「価値を生み出すアセット」等へ積極的な投資を実施いたします。なお、「西松-Vision 2030」及び「中期経営計画2025」につきましては、当社ウェブサイトに掲載しておりますので、併せてご参照ください(https://www.nishimatsu.co.jp/ir/library/plan.html)。 (3) マテリアリティ当社は、「西松-Vision 2030」の実現に向け、既存の重要課題(マテリアリティ)をベースとして、企業理念及び長期ビジョンを踏まえたマテリアリティに進化させるため、以下のとおり、当社が事業を通じて取り組むべきマテリアリティを特定いたしました。・安心でき、活力がわく社会の実現・現場力を最大限発揮できる組織づくり・価値創出を最大化できるパートナーシップの形成・安心とワクワクにつながる技術戦略・多様な人財がワクワクし活躍できる仕組みづくり・コンプライアンスの遵守当社は、特定したマテリアリティの重要性を認識したうえで、課題解決に向けた実効性のある経営、事業活動に取り組んでまいります。マテリアリティにつきましては、当社ウェブサイトに掲載しておりますので、併せてご参照ください(https://www.nishimatsu.co.jp/esg/materiality.html)。 <マテリアリティ> (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、「中期経営計画2025」において、目標とする業績指標として連結売上高及び連結営業利益を掲げております。また、目標とする財務指標として、ROE、自己資本比率、D/Eレシオ、連結配当性向及び自己資本配当率(DOE)を掲げております。特にROEは持続的成長への競争力を高めた結果として向上するものであり、当社の目指す経営方針と合致することから、目標とする財務指標として採用しております。 (5) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社を取り巻く環境は、コロナ禍やグローバル化の進展、価値観の多様化を受け、絶え間なく変化しています。建設業界におきましては、政府建設投資、民間建設投資ともに増加傾向にありますが、建設資材価格の高止まりや人手不足、専門業者不足による労務費高騰の影響により、注視が必要な状況が続いております。このような事業環境のもと、当社グループは、長期ビジョン「西松-Vision 2030」及び「中期経営計画2025」の達成に向けて、計画に掲げた施策を着実に実行してまいります。国内土木事業におきましては、2024年度に低下した工事荒利益率の改善に取り組むほか、洋上風力等の新分野への挑戦を継続しております。また、公共工事の受注規模拡大に向けた技術提案部署の人財確保にも引き続き取り組んでまいります。国内建築事業におきましては、2025年4月の中部支社設立により中部エリアにおける事業の拡大を目指すほか、生産性向上による更なる利益率の向上に取り組んでおります。また、人財の確保につきましても引き続き取り組んでまいります。国際事業におきましては、土木は受注の期ずれへの対応を強化することで安定した収益の確保を目指しており、建築は受注規模拡大に向けた取り組みを強化してまいります。アセットバリューアッド事業におきましては、市場環境や金利上昇により新たな事業の仕込み等が遅れておりますが、「循環型再投資モデル」への進化を目指すべく、強化策を拡充してまいります。地域環境ソリューション事業におきましては、再生可能エネルギー事業の開発やまちづくり事業の内容の検討に取り組んでおります。また、事業におけるリスクの評価と管理に注力してまいります。当社は2025年4月、コーポレート部門を設置する機構改革を実施しました。コーポレート部門の役割を明確化し、強化することにより、企業戦略と事業戦略が相互に連携し、全社的な視点での経営を推進してまいります。財務上の課題として、「中期経営計画2025」の3年間につきましては、事業活動により獲得した資金に加え、有利子負債を活用し、成長投資に向けた資金を確保してまいります。また、財務健全性の観点から、2025年度の自己資本比率30%程度、D/Eレシオ1.5倍程度を堅持してまいります。2025年度は、当社グループの「中期経営計画2025」の最終年度になります。計画の基本方針に基づき、引き続き企業価値向上を図るとともに、最終的には当社に関わる全員が幸せになる「魅力あるゼネコンNO.1」を目指して邁進してまいります。 (業績及び財務計画(連結))指標2024年度実績2025年度計画売上高3,668億円4,200億円営業利益210億円250億円資本効率ROE10.3%10%財務健全性自己資本比率29.1%30%程度D/Eレシオ1.2倍1.5倍程度株主還元配当1株当たり年間配当金220円自己資本配当率(DOE)5.1%自己資本配当率(DOE)5%程度の安定配当 (投資計画)投資分類投資効果主な投資2023~2025年度GXまちづくり再生可能エネルギー・事業利益の獲得 ROA 4%・発電量(2025年度)87,000 MWh(35,000t-CO2相当)再生可能エネルギー小水力発電、地熱発電、バイオガス発電、木質バイオマス発電、揚水式発電まちづくり蓄電所(EMS)、提案型PPP事業400億円アセットバリューアッドアセットバリューアッド・事業利益の獲得 ポートフォリオROA 4~5%建設・市街地再開発事業の組成・顧客リレーションの構築アセットバリューアッドワーキングスペース(オフィス)レジデンス(寮・高齢者施設)観光・娯楽(ホテル、ホール)生活応援・ヘルスケア(商業施設)データセンター・物流700億円(投資1,100億円回収400億円)人財開発DX技術開発他経営基盤・「個の力」「組織の力」の最大化建設・建設事業の生産性向上・先駆的建設技術の獲得・建設物の高付加価値化経営基盤人財開発・育成、DX建設省力化技術、労働環境改善技術インフラリニューアル技術木造建築技術、ZEB・ZEH、低炭素型材料開発100億円総額1,200億円 |
経営者による財政状態の説明
| 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復が続きました。先行きについては、物価上昇の継続や、米国をはじめとする各国の通商政策等の動き、その影響を受けた海外の経済・物価動向、資源価格の動向などがリスクとなっております。また、金融・為替市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。建設業界におきましては、政府建設投資、民間建設投資ともに増加傾向にありますが、建設資材価格の高止まりや人手不足、専門業者不足による労務費高騰の影響により、注視が必要な状況が続いております。このような状況の中、当社グループの連結業績は以下のとおりとなりました。建設事業受注高は、国内建築工事が減少しましたが、国内土木工事及び海外工事が増加したことにより、前期比69,446百万円増加(19.3%増)の429,719百万円となりました。売上高は国内建築工事及び不動産事業等が減少したことにより、前期比34,822百万円減少(8.7%減)の366,811百万円となりました。営業利益は、国内土木工事の完成工事総利益及び不動産事業等総利益が減少しましたが、国内建築工事の完成工事総利益が増加したことにより、前期比2,271百万円増加(12.1%増)の21,098百万円となりました。経常利益は、前期比647百万円増加(3.3%増)の20,225百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益を特別利益に計上したこと等から、前期比5,154百万円増加(41.6%増)の17,543百万円となりました。 報告セグメント等の業績は以下のとおりであります。(セグメントの業績は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。) イ 土木事業当セグメントは主に国内土木工事の売上により構成されております。当セグメントの売上高は、工事が概ね順調に進捗したことから、前期比1.0%増の107,994百万円となりましたが、セグメント利益は、前期には大型工事での設計変更を獲得できた反動等もあり完成工事総利益が減少し、前期比20.4%減の8,839百万円となりました。当社単体の国内土木工事の受注高は、大型官公庁工事の入手や随意契約の締結により、前期比70,372百万円増加(59.0%増)の189,553百万円となりました。 ロ 建築事業当セグメントは主に国内建築工事の売上により構成されております。当セグメントの売上高は、一部大型工事が前期に竣工した反動もあり、前期比18.5%減の193,382百万円となりましが、物価上昇の影響を受けた工事の割合が減少したことから完成工事総利益率が改善し、セグメント利益は6,421百万円(前期は348百万円のセグメント利益)となりました。当社単体の国内建築工事の受注高は、民間工事及び官公庁工事がともに減少したことにより、前期比16,225百万円減少(7.3%減)の205,302百万円となりました。 ハ 国際事業当セグメントは主に海外土木工事及び海外建築工事の売上により構成されております。当セグメントの売上高は、前期比40.4%増の46,498百万円となりましたが、セグメント損失は802百万円(前期は553百万円のセグメント損失)となりました。当社単体の海外土木工事及び海外建築工事の受注高は、シンガポールで大型土木工事を受注したこと等から、前期比4,512百万円増加(42.8%増)の15,048百万円となりました。 ニ アセットバリューアッド事業当セグメントは主に保有不動産の販売及び賃貸収入により構成されております。当セグメントの売上高は、主に販売事業が減少したことにより、前期比5.4%減の27,096百万円となり、セグメント利益は、主に販売事業利益の減少に伴い、前期比16.0%減の7,479百万円となりました。 ホ 地域環境ソリューション事業当セグメントは主に再生可能エネルギー事業及びまちづくり事業の売上により構成されております。当セグメントの売上高は、前期比155.7%増の535百万円となりましたが、セグメント損失は734百万円(前期は821百万円のセグメント損失)となりました。 当社グループの財政状態は以下のとおりであります。当連結会計年度末の資産は、現金預金が減少しましたが、有形固定資産や投資有価証券が増加したこと等から、前連結会計年度末と比較して12,422百万円増加(2.1%増)の592,046百万円となりました。負債は、支払手形・工事未払金等が減少しましたが、コマーシャル・ペーパーや長期借入金が増加したこと等から、前連結会計年度末と比較して8,088百万円増加(2.0%増)の410,855百万円となりました。純資産は、その他有価証券評価差額金が減少しましたが、当期純利益を計上したこと等から、前連結会計年度末と比較して4,333百万円増加(2.5%増)の181,190百万円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末と同じ29.1%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して13,128百万円減少(23.2%減)の43,403百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が24,540百万円となり、仕入債務の減少や売上債権の増加等により資金が減少したものの、5,889百万円の収入超過(前連結会計年度は32,037百万円の収入超過)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や投資有価証券の取得等により資金が減少し、36,250百万円の支出超過(前連結会計年度は41,819百万円の支出超過)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払により資金が減少しましたが、コマーシャル・ペーパーの発行等により資金が増加し、16,134百万円の収入超過(前連結会計年度は11,083百万円の収入超過)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の状況当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建設事業及び不動産事業等では、生産実績を定義することが困難であり、建設事業においては、請負形態をとっているため販売実績という定義は実態に即しておりません。また、当社グループにおいては、建設事業以外では受注生産形態をとっておりません。よって、受注及び販売の状況については、可能な限り「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの種類に関連付けて記載しております。なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。 建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況イ 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高期別工事別前期繰越工事高(百万円)当期受注工事高(百万円)計(百万円)当期完成工事高(百万円)次期繰越工事高当期施工高(百万円)手持工事高(百万円)うち施工高(%)(百万円)第87期自 2023年4月1日至 2024年3月31日土木工事285,820129,630415,451125,698289,7530.049125,730建築工事309,956221,614531,571235,860295,7100.1350235,919計595,777351,245947,022361,558585,4630.1399361,649第88期自 2024年4月1日至 2025年3月31日土木工事289,753204,591494,345130,250364,0940.024130,225建築工事295,710205,312501,022191,042309,9800.1257190,949計585,463409,904995,367321,293674,0740.0282321,175 (注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更があったものについては、当期受注工事高にその増減額を含めて表示しております。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。3 当期施工高は、(当期完成工事高+次期繰越工事施工高-前期繰越工事施工高)に一致します。4 当期受注工事高のうち海外工事の割合は、第87期 3.0%、第88期 3.7%であります。5 受注工事のうち主なものは、次のとおりであります。第87期 請負金額100億円以上の主なもの東雲特定目的会社(仮称)DPL東雲新築工事東急不動産(株)(仮称)大阪市北区中崎一丁目計画 新築工事学校法人玉川学園Sports Center SANITAS 建設工事 第88期 請負金額100億円以上の主なもの国土交通省関東地方整備局横浜湘南道路トンネルその4工事トヨタホーム(株)・ミサワホーム(株)・住友商事(株)(仮称)横浜港北物流施設新築工事国土交通省東北地方整備局鳥海ダム本体建設(第1期)工事成田国際空港(株)C滑走路北側造成工事住友不動産(株)(仮称)南青山四丁目計画新築本体工事 ロ 受注工事高の受注方法別比率工事の受注方法は特命と競争に大別され、その比率は次のとおりであります。期別区分特命(%)競争(%)計(%)第87期自 2023年4月1日至 2024年3月31日土木工事5.394.7100.0建築工事40.859.2100.0第88期自 2024年4月1日至 2025年3月31日土木工事7.192.9100.0建築工事43.556.5100.0 (注) 百分比は請負金額比であります。 ハ 完成工事高期別区分国内海外合計(B)(百万円)官公庁(百万円)民間(百万円)(A)(百万円)(A)/(B)(%)第87期自 2023年4月1日至 2024年3月31日土木工事84,65120,69420,35216.2125,698建築工事21,614214,160860.0235,860計106,265234,85420,4385.7361,558第88期自 2024年4月1日至 2025年3月31日土木工事78,10529,06323,08117.7130,250建築工事21,622169,41090.0191,042計99,727198,47323,0917.2321,293 (注) 1 海外工事の地域別割合は、次のとおりであります。地域第87期(%)第88期(%)東南アジア99.894.2その他0.25.8計100.0100.0 2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。 第87期 請負金額100億円以上の主なもの中野二丁目地区市街地再開発組合中野二丁目地区第一種市街地再開発事業 施設建築物新築工事中日本高速道路(株)東京支社新東名高速道路 湯船原トンネル工事国土交通省九州地方整備局立野ダム建設(一・二・三期)工事(株)流山共同開発(仮称)DPL流山Ⅱ新築工事国土交通省中部地方整備局平成29年度 東海環状岐阜山県第一トンネル工事 第88期 請負金額100億円以上の主なもの(株)シーアールイーロジスクエアふじみ野A・B新築工事(同)ユニーク(仮称)大阪府茨木市蔵垣内一丁目計画新築工事(学)村崎学園徳島文理大学高松駅キャンパス新築工事(建築)(株)アライプロバンスアライプロバンス葛西A棟新築工事三菱商事都市開発(株)・(株)サンケイビル(仮称)南吹田物流施設計画 3 完成工事高に対する割合が100分の10以上の相手先は、次のとおりであります。第87期国土交通省38,509百万円10.7%第88期該当事項はありません。 ニ 手持工事高 (2025年3月31日現在)区分国内海外(百万円)合計(百万円)官公庁(百万円)民間(百万円)土木工事220,34373,87869,872364,094建築工事46,443263,536-309,980計266,786337,41569,872674,074 (注) 手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。請負金額100億円以上の主なもの中日本高速道路(株)東京支社東京外かく環状道路 本線トンネル(北行)東名北工事シンガポール陸上交通庁地下鉄クロスアイランド線CR110大断面トンネル工事東海旅客鉄道(株)中央新幹線第一首都圏トンネル新設(東百合丘工区)ほか国土交通省関東地方整備局横浜湘南道路トンネルその4工事東雲特定目的会社(仮称)DPL東雲新築工事 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容イ 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等の概要は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また「中期経営計画2025」に基づく当連結会計年度業績計画の達成状況及び前期比較の分析は次のとおりであります。 連結業績2024年3月期実績2025年3月期期首計画2025年3月期実績建設事業受注高(億円)3,6024,5504,297売上高(億円)4,0163,4503,668売上総利益(億円)407410441営業利益(億円)188180210経常利益(億円)195176202親会社株主に帰属する当期純利益(億円)123124175 建設事業受注高は、前期比694億円増加(19.3%増)、期首計画比252億円減少(5.6%減)の4,297億円となりました。国内土木工事は道路やダム工事等を中心に受注し、前期実績を上回りました。国内建築工事は物流施設や工場等を中心に受注しましたが、前期実績を下回りました。海外工事は大型の地下鉄工事を受注し、前期実績を上回りましたが、応札済みのODA工事の結果が期ずれとなったため、期首計画は下回りました。以上の要因により上記の結果となりました。売上高は、前期比348億円減少(8.7%減)、期首計画比218億円増加(6.3%増)の3,668億円となりました。大型工事が前期に竣工した反動により国内建築工事が減少したことが前期比減収の主な要因であります。営業利益は、前期比22億円増加(12.1%増)、期首計画比30億円増加(17.2%増)の210億円となり、営業利益率は前期の4.7%から5.8%に改善しました。営業利益の増加につきましては、中期経営計画2025における国内建築工事の収益改善プランが順調に進捗していることや、物価上昇の影響を受けた工事で設計変更を獲得できたことから採算が改善し、国内建築工事の売上総利益率が前期比4.4ポイント増加の8.7%となったことが主な要因であります。 ロ 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度末の財政状態の概要は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当連結会計年度末の総資産は、前期末比124億円増加(2.1%増)の5,920億円となりました。現金預金が131億円減少しましたが、有形固定資産が140億円増加したことや、投資有価証券が103億円増加したこと等が主な増加の要因であります。負債は、前期末比80億円増加(2.0%増)の4,108億円となりました。これは、支払手形・工事未払金等が171億円減少しましたが、コマーシャル・ペーパーが200億円増加したことや、長期借入金が151億円増加したこと等が主な要因であります。また、有利子負債残高(有利子負債は短期債務及び長期債務の合計よりリース債務を除外して算出しております。)は前期末比15.1%増の2,142億円(D/Eレシオ1.2倍)となりました。翌期につきましては、アセットバリューアッド事業等を中心に466億円の設備投資及び出資を行う計画としております。純資産は、前期末比43億円増加(2.5%増)の1,811億円となりました。これは、その他有価証券評価差額金が60億円減少しましたが、当期純利益175億円を計上したこと等が主な要因であります。この結果、自己資本比率は前期と同じ29.1%となりました。 ハ セグメント情報に記載された区分ごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは、セグメント情報に記載された区分ごとに資産及び負債を配分していないため、セグメント別の財政状態の分析・検討は記載しておりません。セグメント情報に記載された区分ごとの経営成績等の状況の概要は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また「中期経営計画2025」に基づく当事業年度業績計画の達成状況は次のとおりであります。なお、当社グループの受注高、売上高(完成工事高・不動産事業等売上高)及び売上総利益(完成工事総利益・不動産事業等総利益)は、その大半を当社単体で占めていることから、以下の分析・検討は、いずれも当社単体の数値を記載しております。 (土木事業)土木事業(当社単体)2024年3月期実績2025年3月期期首計画2025年3月期実績受注高 (億円)1,1911,4001,895完成工事高 (億円)1,0531,0501,071完成工事総利益 (億円)169168151完成工事総利益率 (%)16.116.014.1 受注高は、期首計画比で495億円増加(35.4%増)の1,895億円となりました。これは、大型官公庁工事の受注が想定を大きく上回ったことが主な要因であります。工事種別でみると鉄道が前期比で減少し、道路や治山・治水等が前期比で増加となりました。完成工事高は、期首計画比で21億円増加(2.1%増)の1,071億円となりました。これは、工事が概ね順調に進捗したため、目標を達成することができました。完成工事総利益は、期首計画比で16億円減少(9.8%減)の151億円となりました。これは、大型工事の竣工が少なく、設計変更の獲得が想定を下回ったこと等によるものです。この結果、完成工事総利益率についても期首計画比1.9ポイント減少の14.1%となりました。 (建築事業)建築事業(当社単体)2024年3月期実績2025年3月期期首計画2025年3月期実績受注高 (億円)2,2151,8002,053完成工事高 (億円)2,3571,7501,910完成工事総利益 (億円)101120165完成工事総利益率 (%)4.36.98.7 受注高は、期首計画比で253億円増加(14.1%増)の2,053億円となりました。これは、期首に見込んでいた工事を概ね受注できたことに加え、期首に見込んでいなかった一部大型工事を受注できたことが主な要因であります。工事種別でみると教育施設や事務所・庁舎などが前期比で減少し、物流施設などが前期比で増加となりました。完成工事高は、期首計画比160億円増加(9.2%増)の1,910億円となりました。これは、工事が順調に進捗したことに加え、受注を見込んでいた工事が期首の想定より前倒しで受注できたことが主な要因であります。完成工事総利益は、期首計画比で45億円増加(37.9%増)の165億円となりました。これは、物価上昇の影響を受けた一部の工事において設計変更を獲得できたことや、上記受注時期の前倒しによる完工高の増加及び受注時採算の向上によるものです。この結果、完成工事総利益率は、期首計画比1.8ポイント増加の8.7%となりました。 (国際事業)国際事業(当社単体)2024年3月期実績2025年3月期期首計画2025年3月期実績受注高 (億円)1051,100150完成工事高 (億円)204200230完成工事総利益 (億円)9108完成工事総利益率 (%)4.65.03.5 受注高は、期首計画比で949億円減少(86.3%減)の150億円となりました。これは、シンガポールで大型の地下鉄工事を受注しましたが、応札済みのODA工事の結果が期ずれとなったことが要因であります。完成工事高は、期首計画比で30億円増加(15.5%増)の230億円となりました。これは、各工事が順調に進捗したことによるものです。完成工事総利益は、期首計画比で1億円減少(18.3%減)の8億円となりました。これは、手持ち工事の進捗は順調に推移しましたが、ODA工事が期ずれとなったことによるものです。この結果、完成工事総利益率についても期首計画比1.5ポイント減少の3.5%となりました。 (アセットバリューアッド事業、地域環境ソリューション事業)アセットバリューアッド事業、地域環境ソリューション事業(当社単体)2024年3月期実績2025年3月期期首計画2025年3月期実績不動産事業等売上高 (億円)256235233不動産事業等総利益 (億円)1018585不動産事業等総利益率 (%)39.836.236.5 不動産事業等売上高は、期首計画比で1億円減少(0.5%減)の233億円となりました。これは、アセットバリューアッド事業において、販売事業及び賃貸事業がともに概ね期首計画どおりに進捗したことが主な要因であります。不動産事業等総利益は、期首計画どおりの85億円となりました。これは、上記のとおり販売事業及び賃貸事業が概ね計画通りに進捗したことが主な要因であります。 ニ 経営成績等に重要な影響を与える要因の分析当社グループの経営成績等に重要な影響を与える主な要因は、景気動向に伴う建設市場の動向、資材価格の変動及び建設技能労働者確保の状況であります。国内建設市場の今後の見通しにつきましては、政府建設投資、民間建設投資ともに増加傾向にありますが、建設資材価格の高止まりや人手不足、専門業者不足による労務費高騰の影響のほか、米国による政策転換の動向にも注視が必要な状況が続くと思われます。これらの要因に対処しつつ、持続的な成長を遂げるため、当社グループは、「西松-Vision 2030」及び「中期経営計画2025」に掲げる各種施策に取り組んでおります。 ホ 目標とする経営指標の達成状況当社グループは、2023年度を初年度とする「中期経営計画2025」において、「連結売上高4,200億円」「連結営業利益250億円」「ROE10%」「自己資本比率30%程度」「D/Eレシオ1.5倍程度」を目標とする経営指標として掲げ、この達成に向けて各種施策に取り組んでおります。なお、計画2年目である当連結会計年度の達成状況は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの資金需要は、主として、建設事業(土木・建築・国際)に係る工事原価(材料費・労務費・外注費・経費)、アセットバリューアッド事業に係る固定資産の購入及び改修費用、地域環境ソリューション事業に係る再生可能エネルギー事業等への投資、営業費用としての一般管理費、並びに人財開発やDX等の投資資金等であります。当社グループは「西松-Vision 2030」において、2030年度とその先に向けた成長投資として1,500億円を投資いたします。これにより、建設業中心の「社会基盤整備」から、アセットバリューアッド事業と地域環境ソリューション事業の成長により、グループの価値共創活動の領域を「社会機能の再構築」へと拡大させ、成長を目指してまいります。これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債による調達で対応していくこととしております。手許の運転資金については、子会社も含めたグループ全体としての余剰資金の管理に努め、資本効率の向上を図っております。また、機動的な資金調達を目的として主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、流動性リスクに備えております。キャッシュ・フローの状況の概要は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。次期につきましては、引き続き工事の立替資金の回収を図り、営業活動によるキャッシュ・フローの改善に努めてまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積り及び判断が行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積り及び判断については、継続して評価し、事象の変化等により必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 |
※本記事は「西松建設株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)


コメント