株式会社ヤクルト本社の基本情報

会社名株式会社ヤクルト本社
業種食料品
従業員数連29254名 単2859名
従業員平均年齢41.8歳
従業員平均勤続年数17.9年
平均年収8384792円
1株当たりの純資産1925.42円
1株当たりの純利益(連結)150.48円
決算時期3月
配当金64円
配当性向44.7%
株価収益率(PER)19倍
自己資本利益率(ROE)(連結)8.1%
営業活動によるCF846億円
投資活動によるCF▲610億円
財務活動によるCF▲314億円
研究開発費※193.98億円
設備投資額※11.49億円
販売費および一般管理費※11682.63億円
株主資本比率※255.8%
有利子負債残高(連結)※3867.53億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「私たちは、生命科学の追究を基盤として、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献します」という企業理念に基づき、人々が健康とゆとりと生きがいを実感できる生活づくりに貢献し、地域社会とともに発展する企業を目指しています。また、株主の皆さまやお客さまをはじめ、ひろく社会から信頼され、魅力のある企業となるよう、本業を基本とした着実な事業展開に徹するとともに、透明性の高いガラス張りの経営をおし進めていきます。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものです。  (2) 経営環境当社グループをとりまく環境は、国内の人口減少等による市場の伸び悩み、お客さまのニーズの多様化や品質、環境問題に対する意識の高まりなど、刻々と変化を続けています。このような環境のもと、当社グループは引き続き、創業当初から提唱する「予防医学」「健腸長寿」の考え方に基づき、お客さまの健康づくりに役立ち、社会の健康課題の解決に寄与する商品やサービスを提供します。そして、長期ビジョン「Yakult Group Global Vision 2030」に立脚し、世界の人々の健康に貢献し続けるヘルスケアカンパニーを目指し、企業活動を推進します。推進にあたっては、グループの強みである「研究開発・技術力」と「当社グループ独自の宅配システム」を活かすとともに、他社とも協業することで、事業領域の拡大に向けた取り組みを進めていきます。  (3) 長期的な経営戦略  《「Yakult Group Global Vision 2030」の策定と推進》当社は、ヤクルトグループとしての成長を維持し変化に対応していくための道標として、2021年度から2030年度までの長期ビジョン「Yakult Group Global Vision 2030」を策定しました。主な内容は以下のとおりです。   長期ビジョン(2021年度~2030年度)  《目指す姿》   「世界の人々の健康に貢献し続けるヘルスケアカンパニーへの進化」   《定性目標》   ・世界の一人でも多くの人々に健康をお届けする   ・一人ひとりに合わせた「新しい価値」をお客さまへ提供する   ・人と地球の共生社会を実現する   《実現のための戦略》2030年度に向け、飲料および食品製造販売事業部門(海外)を引き続き成長させるとともに、飲料および食品製造販売事業部門(日本)の収益性をさらに向上させることを目指し、連結売上高、連結営業利益それぞれを伸ばしていきます。このうち、海外においては、「深耕と拡大」を引き続き推進するとともに、新たな成長モデルの構築を図ります。日本においては、多様化するお客さまのニーズに応える、新たな商品やサービス開発に積極的に挑戦し、需要獲得を目指します。これらに加えてヘルスケア関連領域の事業拡大推進等により、持続的な成長の実現を目指します。  (4) 中期経営計画2025年度から2030年度までの6年間を対象期間とする中期経営計画について、2025年5月に策定しました。定量目標・指標は以下のとおりです。             (2030年度目標) (参考:2024年度)               計画         実績  《損益・定量指標》                    グローバル乳本数     4,500万本/日     3,824万本/日   連結売上高        7,000億円  4,996億円   連結営業利益        900億円 553億円   EPS             250円 150.48円  《財務指標(目安)》   ROE            10% 8.1%   《中期経営計画(2025-2030)の概要》― 重点テーマ ―1.事業領域の拡大とビジネスモデルの進化 ・コア領域の強化と周辺領域の拡大 ・国と地域に対応したR&D体制の確立 ・チャネルミックスによるビジネスモデルの強化 2.地域社会との共創とグローバル展開の進化 ・ヘルスケア プラットフォームの構築 ・自社の強みを活かしたDXの推進 ・国や地域に合わせた戦略の最適化 3.成長を支える経営基盤の強化 ・財務・資本戦略(資本の充実から資本効率向上へ) ・組織戦略(チカラを最大限活かすための組織の活性化) ・非財務戦略(ヤクルト独自のビジネスモデルを磨き上げ、事業戦略を支え加速させるDXと基盤創造戦略)    なお、中期経営計画(2025-2030)における「目標・指標」「事業戦略」「財務・資本戦略」「非財務戦略」等の  詳細については、以下をご参照ください。 (https://www.yakult.co.jp/company/ir/library/pdf/Medium-term_Management_Plan_2025_2030.pdf)  (5) 優先的に対処すべき課題当社グループは前述の経営環境のもと、長期ビジョン「Yakult Group Global Vision 2030」の実現に向け、世界の人々の健康に貢献し続けるヘルスケアカンパニーを目指し、企業活動を推進します。また、当社グループは、企業の社会的責任であるサステナビリティへの取り組みの一つとして、「環境ビジョン2050」を定め、2050年までに、バリューチェーン環境負荷ゼロ経営を目指します。 各事業部門が優先的に対処すべき課題は次のとおりであります。<飲料および食品製造販売事業部門(日本)>お客さまの健康意識の高まりにより、プロバイオティクス商品が健康習慣の一つとなりつつありますが、競合商品の台頭や物価上昇により、市場環境は厳しい状況となっています。当社においては、お客さまからの支持を獲得するため、「乳酸菌 シロタ株」の科学性を訴求する「価値普及」活動を推進するとともに、高付加価値商品である「Yakult(ヤクルト)1000」類および「Y1000」類ならびに「Newヤクルト」類を中心に、ブランド強化を図ります。宅配チャネルにおいては、「Yakult(ヤクルト)1000」類を中心に、新規のお客さまづくりの実施および既存のお客さまへの継続飲用促進により、売り上げの増大を目指します。また、人材獲得競争が激化する中、宅配組織の強化という課題に対し、ヤクルトレディの採用活動および働きやすい環境づくりを推進します。店頭チャネルにおいては、「Newヤクルト」類および「Y1000」類を中心に、マーケットごとの特性や顧客ニーズを踏まえた施策を推進し、売り上げの増大を目指します。 <飲料および食品製造販売事業部門(海外)>プロバイオティクスに対する注目が高まる中、事業の拡大および収益性の向上という課題に対し、既進出国・地域におけるさらなる市場深耕に加え、販売エリアの拡大に向けた取り組みを推進します。あわせて、販売組織の拡充を図るため、人材の確保・育成に努めます。具体的には、実績が好調に推移している米国、メキシコ、ベトナム等の事業所においては、引き続き販売体制・施策の強化に努めます。また、実績の回復に取り組んでいる事業所においては、販売組織の見直しや積極的な広報広告活動等に注力し、売り上げの増大を目指します。特に、中国では、中・小都市を中心に物流拠点および取引店舗数の増加に取り組み、売り上げの増大を図るとともに、営業体制等の再構築や従事者教育等に注力することで、販売組織の強化を進めていきます。そのほか、成長市場であるEC分野における取り組みを積極的に推進します。 <その他事業部門>化粧品につきましては、競合商品の台頭や物価上昇により、市場環境は厳しい状況となっています。国内においては、訪問販売において、当社が創業以来培ってきた乳酸菌研究から生まれたオリジナル保湿成分「S.E.(シロタエッセンス)」を核とした商品の展開やヤクルト独自の組織体制等を通じて当社商品の優位性を高め、愛用者数の増大を図ります。また、訪問販売では接点を持つことができないお客さまには、通信販売および店頭販売をとおしてアプローチを行います。海外においては、当社商品のさらなる認知向上を図るとともに、販路拡大等を行うことで、売り上げの増大を目指します。プロ野球興行につきましては、ファンの皆さまの期待に応えられるようチーム力の強化に取り組むとともに、各種ファンサービスの充実を図っていきます。 また、当社グループは、引き続きコンプライアンス経営を推進するとともに、企業の社会的責任や株主の皆さまへの説明責任を果たしてまいります。企業理念である「私たちは、生命科学の追究を基盤として、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献します。」の実現に向けて、コーポレートスローガン「人も地球も健康に」のもと、地球環境全体の健康を視野に入れ、すべての企業活動を通じて、良き企業市民として歩んでまいります。
経営者による財政状態の説明
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果もあり、緩やかに回復しているものの、海外の景気動向による下振れリスクや、物価上昇等による影響に注意を要する状況で推移しました。このような状況の中で、当社グループは、事業の根幹であるプロバイオティクスの啓発・普及活動を展開し、商品の優位性を訴求してきました。また、長期ビジョン「Yakult Group Global Vision 2030」に立脚し、世界の人々の健康に貢献し続けるヘルスケアカンパニーを目指し、企業活動を推進し、業績の向上に努めました。この結果、当連結会計年度の連結売上高は499,683百万円(前期比0.7%減)となりました。利益面においては、営業利益は55,391百万円(前期比12.6%減)、経常利益は75,860百万円(前期比4.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は45,533百万円(前期比10.7%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 ・飲料および食品製造販売事業部門(日本)乳製品につきましては、当社独自の「乳酸菌 シロタ株」や「ビフィズス菌 BY株」などの科学性を広く普及するため、エビデンスに基づき、地域に根ざした「価値普及」活動を積極的に展開しました。宅配チャネルにおいては、乳製品乳酸菌飲料「Yakult(ヤクルト)1000」類を中心に、新規のお客さまづくりを実施するとともに、既存のお客さまへの継続飲用の促進を図りました。また、宅配組織の強化を図るため、ヤクルトレディの採用活動および働きやすい環境づくりを推進しました。店頭チャネルにおいては、乳製品乳酸菌飲料「Newヤクルト」類および「Y1000」を中心に、視認性の高い売り場を展開するとともに、各種キャンペーンを実施し、店頭でのプロモーションスタッフによる「価値普及」活動を重点的に行うことで、売り上げの増大に努めました。商品別では、「Yakult(ヤクルト)1000」のシリーズ品として、糖質とカロリーを低減した乳製品乳酸菌飲料「Yakult(ヤクルト)1000 糖質オフ」を本年1月に全国で発売するとともに、3月には機能性表示食品に関する表示を行いました。また、新ブランドである植物素材利用食品「豆乳の力」3品を昨年10月に発売しました。一方、清涼飲料につきましては、栄養ドリンク「タフマン」シリーズおよび乳酸菌はっ酵果汁飲料「ヤクルトのおいしいはっ酵果実」を中心に販売促進策を実施し、売り上げの増大に努めました。このような取り組みを中心に販売強化に努めたものの、他社商品との競争激化等により、乳製品および清涼飲料ともに、前年を下回る実績で推移しました。これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(国内)の連結売上高は、242,984百万円(前期比3.6%減)となりました。 ・飲料および食品製造販売事業部門(海外)海外につきましては、1964年3月の台湾ヤクルト株式会社の営業開始をかわきりに、現在27の事業所および1つの研究所を中心に、39の国と地域で主として乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」の製造、販売を行っており、本年3月の一日当たり平均販売本数は約2,813万本となっています。  ア.米 州 地 域米州地域においては、ブラジル、メキシコおよび米国で「ヤクルト」などを製造、販売しています。米国では、広報活動等による販売支援を強化するとともに、取引店舗数の増加等に努めた結果、実績は好調に推移しました。また、今後の需要増加に対応するため、昨年10月に第2工場の建設を開始しました。その他米州地域では、宅配・店頭の両チャネルにおける販売体制の強化を図り、売り上げの増大に努めました。これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(米州地域)の連結売上高は91,822百万円(前期比11.7%増)となりました。  イ.アジア・オセアニア地域アジア・オセアニア地域においては、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インドおよび中国などで「ヤクルト」などを製造、販売し、アラブ首長国連邦(UAE)などでは「ヤクルト」などを輸入販売しています。中国では、経済の回復の遅れや消費の鈍化等が続いている中、「ヤクルト ピーチ風味(鉄プラス)」を中心に、「乳酸菌 シロタ株」の「価値普及」活動の強化や新規取引先の開拓等により、売り上げの回復に努めました。また、事業の再編成の一環として、昨年12月に上海ヤクルト株式会社の解散手続きを開始し、同社上海工場の閉鎖等を実施することで、経営効率の向上に向け、取り組みを進めています。フィリピンでは、持分法適用会社であるフィリピンヤクルト株式会社の100%子会社工場において、昨年5月から「ヤクルト」の生産を開始し、需要増加に対応した結果、実績は好調に推移しました。ベトナムでは、昨年4月に「ヤクルトライト」を発売し、積極的に販売促進策を実施するとともに、宅配組織の拡充と新規取引先の増加に努めた結果、実績は好調に推移しました。そのほか、新たな取り組みとして、国内で販売している「Y1000」を香港ヤクルト株式会社に輸出し、本年3月から販売を開始しました。これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(アジア・オセアニア地域)の連結売上高は134,803百万円(前期比1.1%増)となりました。 ウ.ヨーロッパ地域ヨーロッパ地域においては、「ヤクルト」などをオランダで製造し、同国を含め、ベルギー、イギリス、ドイツ、オーストリアおよびイタリアなどで販売しています。同地域では、広告展開による販売促進の強化およびSNS等を活用した広報活動等を実施した結果、実績は好調に推移しました。これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(ヨーロッパ地域)の連結売上高は12,130百万円(前期比17.2%増)となりました。 ・その他事業部門その他事業部門には、化粧品の製造販売、医薬品の製造販売およびプロ野球興行などがあります。化粧品につきましては、当社が創業以来培ってきた乳酸菌研究から生まれたオリジナル保湿成分「S.E.(シロタエッセンス)」の「価値普及」活動に重点をおき、お客さまの「内外美容」の実現と化粧品愛用者数の増大に努めました。具体的には、基礎化粧品「ラクトデュウ」シリーズから、昨年4月に「ラクトデュウ S.E.クレンジング(オイル)」および「ラクトデュウ S.E.ウォッシング」を、10月に「ラクトデュウ S.E.クリーム」をリニューアル発売しました。また、高機能基礎化粧品「パラビオ」シリーズから、9月に「パラビオ ACセラム サイ(スペシャルプログラム セット)」を数量限定で発売しました。その結果、化粧品全体としては、前期を上回る実績となりました。医薬品につきましては、がん関連医療用医薬品の高田製薬株式会社への販売移管・製造販売承認の承継に関する基本合意書に基づき、製品ごとに順次販売移管と製造販売承認の承継を進めました。また、抗悪性腫瘍剤「カンプト」を含めた4品目については、本年3月末日をもって薬価削除となりました。プロ野球興行につきましては、各種イベントやさまざまな情報発信を行うなど、積極的なファンサービスに取り組んだ結果、入場者数が増加しました。これらの結果、その他事業部門の連結売上高は29,423百万円(前期比18.8%減)となりました。 当連結会計年度末の総資産は864,317百万円(前連結会計年度末比31,031百万円の増加)となりました。純資産は629,515百万円(前連結会計年度末比23,568百万円の増加)となりました。主な要因は、2025年2月14日開催の取締役会決議に基づき自己株式を取得したものの、円安による為替換算調整勘定の増加および親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したためです。また、自己資本比率は66.4%(前連結会計年度末比0.5ポイントの増加)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ4,530百万円減少し、193,117百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が前期と比較し、23百万円減少の80,343百万円となったものの、売上債権や法人税等の支払額が減少したこと等により、前期と比較し、13,984百万円の増加となりました。その結果、営業活動によるキャッシュ・フローは84,687百万円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前期と比較し、主に固定資産の取得による支出や定期預金の預入が増加したこと等により、支出額が17,113百万円増加しました。その結果、投資活動によるキャッシュ・フローは △61,020百万円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期と比較し、配当金支払額の増加があったものの、自己株式の取得による支出が減少したこと等により、支出額が8,075百万円減少しました。その結果、財務活動によるキャッシュ・フローは△31,466百万円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 ア.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)飲料および食品製造販売事業(日本)195,062△5.6飲料および食品製造販売事業(米州)92,23812.4飲料および食品製造販売事業(アジア・オセアニア)134,6301.2飲料および食品製造販売事業(ヨーロッパ)12,12317.1その他事業11,251△35.3合計445,306△0.9 (注) 1 金額は販売価格によっています。2 セグメント間の取引については相殺消去しています。  イ.受注実績当社グループは、受注生産は行っていません。  ウ.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)飲料および食品製造販売事業(日本)233,847△3.9飲料および食品製造販売事業(米州)91,82211.7飲料および食品製造販売事業(アジア・オセアニア)134,8031.1飲料および食品製造販売事業(ヨーロッパ)12,13017.2その他事業27,078△20.4合計499,683△0.7 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しています。2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しています。  (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。 ① 財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容 ア.財政状態当連結会計年度の自己資本比率は66.4%と前連結会計年度の65.9%から0.5ポイント増加しました。非支配株主持分を含めた純資産額は、前期比3.9%、235億円増加しました。主な要因は、2025年2月14日開催の取締役会決議に基づき自己株式を取得したものの、円安による為替換算調整勘定の増加および親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したためです。また、当連結会計年度の自己資本利益率(ROE)は8.1%と前連結会計年度の9.7%から1.6ポイント減少しました。総資産経常利益率(ROA)は8.9%と前連結会計年度の10.0%から1.1ポイント減少しました。有利子負債の短期借入金については、主に千葉ヤクルト工場の建設や自己株式の取得などの資金需要が増したため207億円増加しました。また、1年内返済予定を含む長期借入金については、返済により61億円減少しました。この結果、有利子負債依存度(有利子負債÷総資産)は12.1%と前連結会計年度の10.7%から1.4ポイント増加しています。また、有利子負債対自己資本比率は18.2%と前連結会計年度の16.3%から1.9ポイント増加しましたが、財政状態は依然として堅固な状態が続いています。  イ.売上高売上高は前連結会計年度から33億円減収(前期比0.7%減)の4,996億円となりました。飲料および食品製造販売事業部門(日本)では、91億円の減収(前期比3.6%減)、飲料および食品製造販売事業部門(海外)では、129億円の増収(同5.7%増)、その他事業部門では、68億円の減収(同18.8%減)となりました。事業部門別の調整額控除前の売上高構成比は、飲料および食品製造販売事業部門(日本)が47.5%(前連結会計年度は49.0%)、飲料および食品製造販売事業部門(海外)が46.8%(同43.9%)、その他事業部門が5.7%(同7.1%)となっています。飲料および食品製造販売事業部門(日本)が減収となった主な要因は、乳製品の販売本数が減少したためです。また、飲料および食品製造販売事業部門(海外)が増収となった主な要因は、米州での実績拡大および円安による為替換算のプラス影響があったためです。また、日本からの輸出を含めた海外売上高は前連結会計年度から5.8%増の2,396億円となり、海外売上高比率は48.0%と前連結会計年度の45.0%から3.0ポイント増加しました。  ウ.売上原価、販売費及び一般管理費およびその他収益(費用)売上原価は2,041億円となり、前連結会計年度から0.5%増加しています。売上総利益は2,955億円となり、前連結会計年度に比べ1.5%減となりました。売上高売上総利益率は59.1%と前連結会計年度の59.6%から原材料高騰の影響もあり、0.5ポイント減少しました。販売費及び一般管理費は2,401億円と前連結会計年度から36億円増加しました。主な要因は、飲料および食品製造販売事業部門(海外)で円安による為替換算の影響による増加があったためです。この結果、営業利益は553億円と前連結会計年度から80億円の減益(前期比12.6%減)となりました。事業部門別の調整額控除前の営業利益構成比は、飲料および食品製造販売事業部門(日本)が50.5%(前連結会計年度は60.8%)、飲料および食品製造販売事業部門(海外)が49.4%(同38.2%)、その他事業部門が0.1%(同1.0%)となっており、増益であった飲料および食品製造販売事業部門(海外)の構成比が増加しました。営業外収益は233億円と前連結会計年度から48億円増加しました。主な要因は、為替差益が増加したことによるものです。営業外費用は28億円と前連結会計年度から3億円増加しました。特別利益は64億円と前連結会計年度から政策保有株式の売却を進めたことにより31億円増加し、特別損失は19億円と2億円減少しました。税金費用は前連結会計年度から30億円増加しました。 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は455億円と前連結会計年度から54億円の減益(前期比10.7%減)となりました。売上高当期純利益率は9.1%と前連結会計年度の10.1%から1.0ポイント減少しました。  エ.為替の影響為替レートの変動による影響は、当連結会計年度の売上高では108億円の増収、営業利益では17億円の増益と試算されました。ただし、この試算は、在外子会社の現地通貨建ての売上高、売上原価、販売費及び一般管理費に、前連結会計年度の各在外子会社における期中平均レートを適用して算出したものであり、為替変動に対応した販売価格等の影響は考慮していません。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報 ア.資金調達および資金の主要な使途当社グループは事業活動の維持拡大に必要な資金を確保するため、内部資金および金融機関からの借入を活用しています。当社においては安定的、効率的に資金調達を行うため、国内金融機関6行と総額800億円の貸出コミットメント契約を締結しています。国内子会社については、主として資金調達をグループのキャッシュ・マネジメント・サービスを活用することにより、資金調達の一元化および効率化を図っています。結果として当連結会計年度末の有利子負債(長期・短期借入金)の9割以上が当社による調達となっています。また、保有資金については、主に事業拡大のための設備投資、新商品開発のための研究開発および株主還元に活用しています。  イ.資金の流動性当社グループは事業活動を円滑に行うため、安全性、安定性を考慮し手許資金を確保しています。当連結会計年度末の短期有利子負債718億円に対し、現預金は2,690億円となっており、流動性において十分な安全性を確保しています。また、余資については、安全性の高い短期的な預金等に限定して運用し、資金運用を目的とした投機的な取引は行わない方針です。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、作成時点で入手している情報に基づき、合理的と考えられる見積りおよび仮定を用いていますが、見積り特有の不確実性があるため実際の結果は異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。  ④ 経営方針・経営戦略の達成状況当連結会計年度は、連結売上高4,996億円(連結売上高予想5,120億円に対して123億円の減)、連結営業利益553億円(連結営業利益予想615億円に対して61億円の減)となりました。中期経営計画(2021-2024)の最終年としては、計画目標と比較して連結売上高は754億円の減、連結営業利益は307億円の減で着地しました。これは、海外においては、米州地域の伸長を中心に実績を押し上げた一方で、国内における「Yakult(ヤクルト)1000」を中心とした高付加価値商品の成長が計画を下回ったことが影響したと考えられます。今後も、海外の景気動向による下振れリスクや、物価上昇等による影響に注意を要する状況の中、「Yakult(ヤクルト)1000」をはじめとする日本国内での高付加価値商品の販売拡大や海外における市場深耕・事業展開拡大など、長期ビジョン「Yakult Group Global Vision 2030」に立脚し、世界の人々の健康に貢献し続けるヘルスケアカンパニーへの進化を目指した戦略展開を推進していきます。

※本記事は「株式会社ヤクルト本社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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