THK株式会社の基本情報

会社名THK株式会社
業種機械
従業員数連13268名 単4076名
従業員平均年齢41.1歳
従業員平均勤続年数18.7年
平均年収6080839円
1株当たりの純資産1982.59円
1株当たりの純利益(連結)85.17円
決算時期12月
配当金146.5円
配当性向115.9%
株価収益率(PER)29.1倍
自己資本利益率(ROE)(連結)3.4%
営業活動によるCF284億円
投資活動によるCF▲342億円
財務活動によるCF▲226億円
研究開発費※170.57億円
設備投資額※157.42億円
販売費および一般管理費※1691.35億円
株主資本比率※265.7%
有利子負債残高(連結)※3※40円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 THKグループは、機械の直線運動部分を“軽く”“正確に”動かすため、“すべり”を“ころがり”化する重要な機械要素部品を世界へ供給しています。「世にない新しいものを提案し、世に新しい風を吹き込み、豊かな社会作りに貢献する」という経営理念のもと、1971年の創業以来、創造開発型企業として「LMガイド(Linear Motion Guide:直線運動案内)」をはじめとする機械要素部品を供給し、工作機械、半導体製造装置など様々な機械装置の高精度化、高剛性化、高速化、省エネルギー化を実現し、必要不可欠な部品として産業の発展に貢献してまいりました。 当社グループは、LMガイドを開発して以降、世界のトップメーカーとして、お客様の多様なニーズにお応えする中で蓄積してきたノウハウによる高品質な製品や幅広い提案力により、お客様から高い信頼を獲得しています。近年では産業分野のみならず、自動車、医療機器、航空機、サービスロボットなど消費財に近い分野に加え、免震・制震装置、再生可能エネルギー関連など自然災害や気候変動のリスクを低減する分野へと当社グループの製品の採用が広がっています。このように、世界中で多くのお客様より供給が求められる中、エッセンシャルビジネスとして本業を通じた社会貢献を実現しながらも、気候変動など地球環境が変化する中で持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進め、企業価値の向上を図ってまいります。 (2) 中長期的な会社の経営戦略 当社グループは、地理的な領域拡大を目指した「グローバル展開」、用途的な領域拡大を目指した「新規分野への展開」、AI、IoT、ロボットをはじめとするテクノロジーを徹底活用する「ビジネススタイルの変革」を成長戦略の柱として掲げ、事業領域の拡大を図っております。 グローバル展開では、日本・米州・欧州・アジアの4極において、現地で生産して販売するという「需要地における販製一体体制」を構築しています。近年は、とりわけ中長期的に需要の拡大が見込まれる中国やその他の新興国において、販売網の拡充ならびに生産体制の強化を図っています。加えて、先進国においてもユーザーの裾野が広がる中で着実に需要を取り込むべく販売網を拡充し、さらなる成長へと繋げています。 新規分野への展開では、LMガイドを中心とする製品群の現在の主な顧客は資本財メーカーですが、自動車、医療機器、航空機、サービスロボットなど消費財に近い分野に加え、免震・制震装置、再生可能エネルギー関連など自然災害や気候変動のリスクを低減する分野へと当社グループの製品の採用を図っています。 ビジネススタイルの変革では、デジタルテクノロジーが急速な進展を見せる中、AI、IoT、ロボットをはじめとする新たなテクノロジーを販売、生産、開発などのあらゆる面で徹底的に活用することにより、ビジネスの進め方や仕組みの変革を図っております。 そして、これらの取り組みを推し進める中、単にものづくりだけではなく、ビフォーサービスからアフターサービスまでの一連の工程をビジネスとし、お客様との接点を広げ、真にお客様に貢献していく「ものづくりサービス業」をビジョンにかかげ、その姿を鮮明にしていきます。 そのような中、これまでは、機械を作るマシンビルダーの課題解決を中心に「機械要素部品ビジネス」を展開してきましたが、今後は、マシンビルダーの先にいる機械を実際に使うマシンユーザーの課題解決にも展開し、「FAソリューションビジネス」としてより一層強化します。特に機械要素部品の進化という観点からすると、マシンユーザーとの接点を増やすことによりマシンビルダー、マシンユーザー双方にとっての課題解決にもつながる良い製品を開発していきます。さらに、このようにして複層化された顧客から集めた、様々な情報を開発・生産などあらゆる面へと還元し、成長分野への開発強化や事業基盤の強化へと繋げてまいります。そして、これらの取り組みを加速させるため、「機械要素部品ビジネス」と「FAソリューションビジネス」それぞれに対応した営業部隊を大きく二つに編成し、役割を明確にしました。 今後もこれらの取り組みを加速させるとともに、その前提となる、サステナビリティ、ESGの取り組みを強化し、企業価値の向上を図ってまいります。 (3) 経営環境当社グループを取り巻く環境は地政学リスクの高まり、インフレの進行、中国経済の低迷などにより先行きの不透明感がさらに増しています。さらに、デジタルテクノロジーの進展、地球環境保護機運の高まり、そして先進国の生産年齢人口減少等の様々な課題に直面しています。しかしながら、「5G」「AI・IoT」「CASE」「インダストリー4.0」「自動化・省人化・省エネ化」といった変化のキーワードが表れています。そして、これらのキーワードから、半導体製造装置・FA関連向け製品、サービスロボット関連製品、医療機器向け製品、電動アクチュエータ、Omni THK、OMNIedgeなどの当社グループが提供する製品やサービスが求められており、その成長ポテンシャルは中長期かつ飛躍的なものになると考えられます。したがって、これらの需要を顕在化させるとともに着実に取り込むべく、成長戦略を推し進めてまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社は2022年2月に、「2026年度経営目標」を掲げましたが、ビジネスチャンスが拡大する一方、事業環境が当時と様変わりする中で、これらの変化に対して当社自身が適時適切な対応を取れずその達成が困難になるとともに、当社の自己資本利益率(ROE)が低迷するなど株主の皆様のご期待に応えられていない状況が続いていました。そのような中、2024年1月に寺町崇史が代表取締役社長に就任し「強くすべきところは徹底的に強くし、変えるべきところは勇気をもって変えていく」との所信表明を行い、同年11月には従来の経営目標を全面的に見直し、新たな経営方針として「ROE 10%超の早期実現」を発表しました。その実現のための施策として、収益性、資本政策、及びコーポレートガバナンスと全方位的にこれまでの当社の課題と向き合う中で、まずは資本政策を見直しました。収益性については「事業の選択と集中」を掲げ、投下資本利益率(ROIC)と資本コストを厳しく比較・精査の上、聖域なく事業の選択と集中を進め、当社製品の需要増加に伴う売上収益に頼るのみではなく、筋肉質になりながら中長期的にリターンを高める体制を構築してまいります。構造改革によって創出した利益は株主の皆様に還元するだけでなく、高い規律性をもって成長投資も実行していきます。さらに目標達成の実効性を高めるべく取締役会の構成の見直しや第三者機関による実効性評価などコーポレートガバナンス強化も進めています。PDCAを回すためのモニタリング体制の強化、役員報酬制度の強化、さらなる取締役会構成の見直し、そして、環境をはじめとするサステナビリティ関連の施策の強化など、様々な取り組みを強力に推し進めていきます。これらによってROE 10%超を早期に実現し、その達成後も安定的な株主還元を継続できるよう、株主資本コストを上回るROEは勿論のこと、その水準をさらに高めていくことにより、企業価値向上を図っていきます。 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等新たな経営方針「ROE 10%超の早期実現」における経営指標としては、ROEの分母である自己資本の当面の必要水準を3,000億円程度とし、分子としては当期利益300億円に必要な営業利益として400億円を設定しました。基本的にはマーケット成長に伴う売上収益の増加には頼らずに、自助努力で目標を達成してまいります。すなわち、産業機器事業、輸送機器事業において聖域なく改革を推し進めていきます。そのために2026年度までの2年間を構造改革期間とし、各種改革を推し進め、筋肉質な高収益構造へと変革し2027年度~29年度の間の早期にROE 10%超を実現します。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度においては、ウクライナや中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まり、インフレの継続、そして不動産不況などに揺れる中国経済の低迷などの懸念材料がある中で、世界経済は先行きが不透明な状況が続きました。当社グループでは、「LMガイド(直線運動案内:Linear Motion Guide)」をはじめとする当社製品の市場を拡大すべく「グローバル展開」、「新規分野への展開」及び「ビジネススタイルの変革」を成長戦略の柱として掲げています。グローバル展開では、中国やその他の新興国においてFA(Factory Automation)の進展などを背景としてマーケットは成長し、先進国でもユーザーの裾野が広がる中、これらの需要を取り込むべくグローバルで生産・販売体制の拡充に努めています。新規分野への展開では、自動車、医療機器、航空機、ロボットなど消費財に近い分野に加え、免震・制震装置、再生可能エネルギー関連など自然災害や気候変動のリスクを低減する分野においても当社グループ製品の採用が広がる中、従来品のみならず新規開発品の売上収益の拡大を図っています。さらに、これらの戦略を推し進めるべく、様々な面でAI、IoT、ロボットをはじめとするテクノロジーを徹底的に活用することで、ビジネススタイルの変革を図り、ビジネス領域のさらなる拡大を図っています。そのような中、産業機器事業においては、需要は緩やかな回復へと向かいましたが、前半を中心に受注残が高水準であった前期に比べて売上収益は減少しました。輸送機器事業においては、自動車の部品供給不足の緩和などにより前半は概ね堅調に推移したものの、後半にかけて自動車生産の減少傾向が続きました。一方で、為替が前期に比べて円安で推移しました。これらの結果、連結売上収益は前期に比べて、8億2千万円(0.2%)増加し、3,527億5千9百万円となりました。コスト面では、売上原価率は前期同様、76.8%となりました。販売費及び一般管理費は、前期に比べて56億8千万円(9.6%)増加し、646億3千9百万円となりました。売上収益に対する比率は、各種業務の効率化に努めましたが、前期に比べて1.5ポイント上昇し、18.3%となりました。これらの結果、営業利益は前期に比べて63億5千8百万円(△26.8%)減少し、173億4千9百万円となり、売上収益営業利益率は1.8ポイント低下し、4.9%となりました。金融収益は31億1千6百万円、金融費用は16億8千3百万円となりました。これらの結果、税引前利益は前期に比べて65億6百万円(△25.7%)減少し、187億8千2百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期に比べて79億5千9百万円(△43.3%)減少し、104億3千9百万円となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 (日本)日本では、売上収益は産業機器事業における受注残が高水準であった前期に比べて24億5千1百万円(△2.1%)減少し、1,129億5百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、売上収益の減少などにより、前期に比べて27億7千3百万円(△26.1%)減少し、78億4千5百万円となりました。 (米州)米州では、主に為替が前期に比べて円安で推移したことなどにより、売上収益は前期に比べて25億3千万円(2.8%)増加し、917億5千6百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、売上収益の増加などにより、前期に比べて1億8千8百万円(8.5%)増加し、24億8百万円となりました。 (欧州)欧州では、売上収益は産業機器事業の需要が低位に推移したことに加え、輸送機器事業において自動車生産の減少の影響を受けた事などにより、前期に比べて29億4千8百万円(△4.2%)減少し、675億9千9百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、売上収益の減少などにより、前期に比べて20億8千7百万円減少し、4億7百万円の損失となりました。 (中国)中国では、主に為替が前期に比べて円安で推移したことなどにより、売上収益は前期に比べて31億1千5百万円(5.2%)増加し、625億2千5百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、前期に比べて2億8千4百万円(△3.8%)減少し、72億2百万円となりました。 (その他)その他では、インド・ASEANをはじめとして当社グループ製品への需要の裾野が着実に広がる中、販売網の拡充に加え、新規顧客を開拓すべく積極的な営業活動を展開しました。そのような中、為替が前期に比べて円安で推移したことなどにより、売上収益は前期に比べて5億7千4百万円(3.3%)増加し、179億7千2百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、前期に比べて2億3千5百万円(△24.0%)減少し、7億4千6百万円となりました。 ② 財政状態の概況資産は、現金及び現金同等物が181億9千3百万円減少しましたが、営業債権及びその他の債権が28億5千2百万円、棚卸資産が91億9千9百万円、有形固定資産が172億2千6百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ110億6千6百万円増加の5,674億1千8百万円となりました。負債は、未払法人所得税が21億6千3百万円増加しましたが、営業債務及びその他の債務が68億4千万円、社債及び借入金が122億4千8百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ158億3千万円減少の1,776億2千3百万円となりました。資本は、自己株式の増加で39億7千3百万円減少しましたが、利益剰余金が71億9千7百万円、その他の資本の構成要素が231億3千8百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ268億9千6百万円増加の3,897億9千5百万円となりました。 ③ キャッシュ・フローの概況当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益187億8千2百万円、減価償却費及び償却費239億8千1百万円などのキャッシュ・インに対し、営業債権及びその他の債権の増減額5億7千万円、棚卸資産の増減額53億9千1百万円、営業債務及びその他の債務の増減額68億5百万円、法人所得税の支払額31億7千4百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、284億1千2百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は393億3千2百万円のキャッシュ・イン)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出295億6千3百万円、債権譲受による支出26億円などのキャッシュ・アウトにより、342億2千3百万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は270億9千4百万円のキャッシュ・アウト)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出21億8千5百万円、社債の償還による支出100億円、自己株式の取得による支出40億2千万円、配当金の支払額41億6千7百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、226億5千2百万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は242億6千6百万円のキャッシュ・アウト)となりました。 これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて、181億9千3百万円減少し、1,382億9千3百万円となりました。 ④ 生産、受注及び販売の実績当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、連結ベースにおいてはセグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため、生産、受注及び販売の状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に関連付けて記載しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績の分析連結売上収益は3,527億5千9百万円、営業利益は173億4千9百万円、税引前利益は187億8千2百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は104億3千9百万円となり、売上収益は為替が前期に比べて円安で推移した影響により前期に比べて増加しましたが、各利益項目はそれぞれ前期に比べて減少し、EPS(基本的1株当たり当期利益)は85.17円、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は2.8%となりました。事業別の状況を見ると、産業機器事業においては、需要は緩やかな回復へと向かいましたが、前半を中心に受注残が高水準であった前期に比べて売上収益は減少しました。輸送機器事業においては、自動車の部品供給不足の緩和などにより前半は概ね堅調に推移したものの、後半にかけて自動車生産の減少傾向が続きました。地域別の状況を見ると、日本では、産業機器事業における受注残が高水準であった前期に比べて減収となりました。米州では、主に為替が前期に比べて円安で推移したことなどにより増収となりました。欧州では、産業機器事業の需要が低位に推移したことに加え、輸送機器事業において自動車生産の減少の影響を受けた事などにより減収となりました。中国では、主に為替が前期に比べて円安で推移したことなどにより増収となりました。アジア他地域においても、主に為替が前期に比べて円安で推移したことなどにより増収となりました。コスト面では、産業機器事業における需要が低位に推移する中、生産性向上に向けた各種改善活動を推進しましたが、産業機器事業における売上収益の減少に伴う数量効果の減少幅が大きかったことなどにより、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期に比べて減少しました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.財務戦略の基本的な考え方当社グループは、企業価値向上に向けた資金を適切に調達、配分しております。加えて、パンデミック、自然災害、不測の事態の発生時においても事業を継続し、当社製品の供給責任を果たすべく、強固な財務基盤を堅持することを財務戦略の基本としております。財務基盤の堅持に関しては、安定的な資金調達を可能とするため、格付機関である格付投資情報センターおよび日本格付研究所からともに取得している「A+(シングルAプラス)」の維持向上を目指しております。主要な金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて強固な財務基盤を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金は調達可能であると認識しております。 b.資金の調達と流動性当社グループの資金の源泉は、主として営業活動からのキャッシュ・フローとコマーシャルペーパー、社債の発行及び金融機関からの借入などの財務活動による資金調達になります。当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、284億1千2百万円であります。財務活動では、主要な金融機関においてコミットメントライン300億円を設定しており、緊急時の資金調達手段を確保しております。また、当社グループでは、日本国内、米州、欧州及び中国の各地域において、グループ各社が保有する資金をグループ内で効率的に活用するキャッシュ・マネジメントシステムを構築し運用しております。日本国内においては当社、米州及び欧州においては当社の金融子会社、中国においては持株統括会社が資金集中管理を行うことにより資金の偏在をならし、資金の効率化、流動性の確保を図っております。 c.資金需要当社グループの主な資金需要は、製品製造のための原材料及び部品の購入費、製造経費、販売費および一般管理費等の運転資金に加え、生産効率及び品質向上、生産能力増強を目的とした設備投資や技術革新に対応した研究開発のための資金ならびに配当金支払いなどを見込んでおります。当連結会計年度の設備投資額は、前連結会計年度の301億5千3百万円に比べ16億8千9百万円(5.6%)増加し、318億4千3百万円となりました。研究開発費は、前連結会計年度の61億6千1百万円に比べ8億9千6百万円(14.5%)増加し、70億5千7百万円となりました。配当金支払額は、41億6千7百万円となりました。これらの設備投資、研究開発のための資金や、配当金の支払などの原資については、主に自己資金で賄っております。 d.経営資源の配分に関する考え方当社は、2024年11月12日に『「2026年度(5年計画)経営目標(現行)」の見直しに関する基本方針「ROE 10%超の早期実現」の決定について』を公表いたしました。この方針のもと、収益性と資本効率を重視した経営を推進するため、事業の選択と集中を行い、主に「ITを含めた生産性向上に資する設備投資」、「人財投資」、「研究開発投資」について、規律性の高い投資を実行します。また、構造改革によって創出した利益は、事業の競争力強化につながる成長投資に割り当ててまいります。利益配分につきましては、資本効率向上を目的に、必要となる自己資本の水準を設定するとともに、より積極的な株主還元を実施するため、「ROE 10%超の早期実現」を達成するまで自己資本配当率(DOE)8%を継続することを配当方針としております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針、4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

※本記事は「THK株式会社」の令和6年12期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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