| 会社名 | 株式会社 島津製作所 |
| 業種 | 精密機器 |
| 従業員数 | 連14481名 単3687名 |
| 従業員平均年齢 | 43.6歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 18.1年 |
| 平均年収 | 9014824円 |
| 1株当たりの純資産 | 1723.88円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 183.55円 |
| 決算時期 | 3月 |
| 配当金 | 66円 |
| 配当性向 | 47.2% |
| 株価収益率(PER) | 20.3倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 10.9% |
| 営業活動によるCF | 520億円 |
| 投資活動によるCF | ▲231億円 |
| 財務活動によるCF | ▲484億円 |
| 研究開発費※1 | 3.14億円 |
| 設備投資額※1 | 2.7億円 |
| 販売費および一般管理費※1 | 925.97億円 |
| 株主資本比率※2 | 71.8% |
| 有利子負債残高(連結)※3 | 13.72億円 |
経営方針
| 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針 当社は、社是「科学技術で社会に貢献する」、経営理念「『人と地球の健康』への願いを実現する」のもと、永年の事業で培った技術、ノウハウを活かし、複雑化・多様化する社会の課題や要請に応える製品・サービスの提供、それを基にした社会課題解決の仕組み作りを行い、ステークホルダーからの信頼の獲得と、企業価値の向上に努めています。 また、社是・経営理念に基づく事業活動を通してサステナブルな社会を実現するために、「島津グループサステナビリティ憲章」を制定しました。グループ全体で、「地球環境とグローバル社会の持続可能性」、「島津グループの事業活動の持続と成長」、「従業員の健康とエンゲージメントの向上」を目指して、サステナビリティ経営を実践していきます。 これからも、地球・社会・人との調和を図りながら、“事業を通じた社会課題の解決”と“社会の一員としての責任ある活動”の両輪で企業活動を行い、明るい未来を創造します。 (2) 中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき課題1) 4つの社会価値創生領域における各事業の取り組み 世界のパートナーとの関係を強化し、共に社会課題を解決するイノベーティブカンパニーとして、サステナブルな社会の共創を引き続き目指します。①ヘルスケア領域 ライフサイエンス分野では製薬、食品市場を中心に、計測機器事業における液体クロマト分析システムと質量分析システムを重点機種と位置付け、お客様の業務の効率化・省力化に向けたAIによる分析プロセスの革新(AX:アナリティカルトランスフォーメーション)の実現を追求します。また、医薬品精製装置への参入などソリューション提供の拡大を進めます。 メドテック分野では、計測機器事業と医用機器事業を中心に据え、臨床検体検査ソリューションの提供・実装強化と、画像診断にAIやIoT技術を活用した「イメージングトランスフォーメーション (IMX)」を引き続き展開し事業拡大を進めます。また、健康長寿の実現、シニアヘルスケアへの貢献に向け、パートナーとの共創によるアルツハイマー型認知症や感染症に関連した研究開発と、当社独自の音声認識機能を搭載する血管撮影システムや高齢者の嚥下(えんげ)検査用X線TV装置のグローバル展開を進めます。②グリーン領域 カーボンニュートラル社会の実現に向けて、水素エネルギーの社会実装をはじめとする新エネルギー開発、バイオ燃料分析手法の開発や温室効果ガス(GHG)測定分野において、ガスクロマト分析システムなど、計測機器の展開を進めます。また、環境分野では、世界中で規制強化が進む有機フッ素化合物(PFAS)に対し、分析手法の普及に向けた取り組みを強化するとともに、バイオものづくり事業でのソリューション開発に注力します。③マテリアル領域 計測製品のラインアップ強化、自動化促進とインフォマティクスを用いた複合計測・解析の強化に取り組み、セラミックス複合材料などの革新素材の開発・製造への貢献、サーキュラーエコノミーの実現に向けた計測機器開発を促進します。また、新たに販売を開始した走査電子顕微鏡による事業展開を通じて、ナノ領域の表面観察分野で付加価値の高いソリューションを提供してまいります。④インダストリー領域 産業機械事業を中心に据え、生成AIの需要拡大など活況が続く半導体市場や、気候変動対策に関わる電気自動車などの産業機械市場で「世界で評価されるソリューションプロバイダー」を目指します。半導体製造に欠かせないターボ分子ポンプの製造・サービス体制を強化するとともに、分析計測装置や太陽光パネル製造装置、ガラスコーティング装置向けに用途を拡大し、新たな価値提供に取り組みます。また、自動車等の電動化で用いられるセラミック製品製造向けに工業炉の拡販を図ります。 航空機器事業においては、安全なモビリティ社会の実現に貢献するとともに、中長期的に成長と収益を確保できる事業体制の確立を目指しています。「選択と集中」および「収益性改革」の基本方針のもと、事業を継続してまいります。 2)リカーリングビジネスの拡大 試薬等の消耗品とサービスの両輪でリカーリングビジネスの拡大に取り組んでいます。フランスの子会社2社を統合して2025年4月1日に設立したShimadzu Chemistry and Diagnostics SAS、島津ダイアグノスティクス株式会社などグループ全体で試薬と消耗品のラインアップ拡充を進め、ビジネスを拡大します。 また、計測機器事業でのマルチベンダーサービスの拡大、および北米医用事業のサービス体制強化を進め、広くお客様に密着したサービスの提供を進めます。 3)新事業の創出と開発力強化 スタートアップや大学などとの共創を目的とした研究公募プログラム「SHIMADZUみらい共創チャレンジ」の活動と、スタートアップへの投資から新規事業の創出を目指すCVC「Shimadzu Future Innovation Fund」の活動を継続します。 また、開発力の強化では、アジャイル開発の適用拡大とグローバル開発拠点を活用したコンカレント(同時並行型)開発の導入、およびAIやDXの活用に向けたデジタル人財の育成に引き続き取り組みます。 4)経営基盤の強化と“顧客中心”志向への体制変革①北米では昨年度開設したR&Dセンターボストンラボで最先端ニーズを捉え、現地開発によるソリューション提供を拡大します。②中国では、拡張した蘇州工場で分析計測システムなどを生産し、国産優遇策への対応力を強化します。③インドでは、分析と医用製品を扱う統合会社を立上げ、顧客中心の販売活動を展開します。また、2027年の稼働予定での工場建設を進めます。④4つの社会価値創生領域に向けたソリューションの開発・提案力の持続的強化のため、戦略的な成長投資を続けます。併せて、AIを活用した業務効率化を進め、ROICを指標とした資本効率の向上を図ります。⑤多様な視点を持つグローバルで活躍する人財の育成に向け、次世代リーダー育成プログラムを拡充します。 5)環境経営と健康経営 環境経営では、脱炭素社会の構築やサーキュラーエコノミーへの移行を見据え、事業を通じた環境貢献の観点から、製品設計に遡ったCO2排出量の削減、梱包材の見直し等を進めているほか、企業価値貢献の観点で情報開示を進め、外部評価の向上に取り組んでいます。 健康経営では、自社技術を活用した社員およびその家族の健康増進とともに、労働安全衛生マネジメントシステムの活用を進めます。また、健康経営アライアンスの一員として、当社の技術や知見の社会還元に取り組みます。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 上記の通り事業活動を進めていく一方で、円高および米国の関税政策の影響により、当社をとりまく事業環境には不透明感が増しています。米国における関税の影響については、マクロ経済の減速に伴う需要減少と関税コストの増加を想定しており、つぎに示す2026年3月期の連結業績予想は、この関税政策の影響が年間を通して継続することを前提として策定しています。関税引き上げによる業績への影響は重大なものになると想定していますが、インドなどの成長市場での需要獲得に加え、価格転嫁やサプライチェーンの見直しなどの対応を通じて、影響の軽減に取り組んでまいります。なお、今後の動向も予測困難な状況にあるため、継続して注視していきます。 (単位:百万円) 2026年3月期連結業績予想対前期増減率売上高515,000△4.5%営業利益58,000△19.1%経常利益58,000△19.5%親会社株主に帰属する当期純利益45,000△16.3%※上記の業績予想は、2025年3月期決算短信公表時点(2025年5月12日)において入手可能な情報に基づき算出したものであり、実際の業績は、今後様々な要因によって予想値と異なる可能性があります。なお、本連結業績予想は、4月中旬時点での米国関税政策によるマクロ経済への影響と関税によるコスト増を見込んだものです。 |
経営者による財政状態の説明
| 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要はつぎのとおりです。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度の経営成績は、売上高5,390億4千7百万円(前年度比5.3%増)、営業利益717億2千万円(同1.4%減)、経常利益720億1千8百万円(同6.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益537億7千6百万円(同5.7%減)となりました。 セグメントごとの経営成績はつぎのとおりです。 なお、当連結会計年度より、従来「航空機器」に含まれていた磁気探知機/磁力計、水中光無線装置の業績を、「産業機器」へ移管しています。以下の前年度比較については、前年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。 ・計測機器事業 売上高3,479億1千5百万円(前年度比2.9%増)、営業利益520億7千3百万円(同9.4%減)となりました。 ・医用機器事業 売上高725億6千7百万円(前年度比0.4%増)、営業利益42億6千3百万円(同10.8%減)となりました。 ・産業機器事業 売上高723億3千5百万円(前年度比9.4%増)、営業利益104億6千7百万円(同41.6%増)となりました。 ・航空機器事業 売上高386億6千2百万円(前年度比34.5%増)、営業利益60億6千8百万円(同73.4%増)となりました。 ・その他の事業 売上高75億6千6百万円(前年度比16.6%増)、営業利益6億3千万円(同39.6%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ220億4千3百万円減少し、1,371億9千万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況はつぎのとおりです。 ・営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フローは、520億2百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ218億7千4百万円増加しました。その主なものは、仕入債務の増減による増加148億9千5百万円、法人税等の支払額の減少47億1千3百万円、棚卸資産の増減による増加29億6千4百万円です。 ・投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ71億7千4百万円支出が増加し、231億7千3百万円の支出となりました。その主なものは、設備投資による支出151億2百万円、子会社株式の取得による支出65億4千6百万円です。 ・財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ273億1千万円支出が増加し、484億9百万円の支出となりました。その主なものは、自己株式の取得による支出250億4百万円、配当金の支払額182億5千万円です。 ③ 生産、受注及び販売の実績イ. 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)計測機器345,501△1.6医用機器71,834△3.5産業機器72,2236.1航空機器38,92029.7その他7,57915.6合計536,0581.1 (注) 金額は、販売価格によっています。 ロ. 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)計測機器350,3314.6113,9962.2医用機器71,042△4.523,366△6.1産業機器70,2308.114,467△19.5航空機器57,65526.683,87929.3その他8,21332.13,22725.1合計557,4736.0238,9377.7 ハ. 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)計測機器347,9152.9医用機器72,5670.4産業機器72,3359.4航空機器38,66234.5その他7,56616.6合計539,0475.3 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容はつぎのとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容イ. 財政状態 当連結会計年度末は、前連結会計年度末に比べ無形固定資産が57億3千万円、退職給付に係る資産が49億3千万円、受取手形、売掛金及び契約資産が43億1千8百万円、棚卸資産が15億8千3百万円それぞれ増加しましたが、現金及び預金が218億7千万円減少したことなどにより、総資産は17億8千5百万円減少し、6,721億7千7百万円となりました。純資産は、自己株式の取得により250億4百万円、為替換算調整勘定が33億8千6百万円、その他有価証券評価差額金が30億4千5百万円それぞれ減少しましたが、利益剰余金が353億1千7百万円増加したことなどにより、57億3千1百万円増加し、4,980億6千6百万円となりました。 ロ. 経営成績 当連結会計年度の世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻や中東紛争等の地政学リスク、中国経済の停滞や米国の関税政策、インフレによるコスト増加等、依然として不透明な状況が続きました。 このような経営環境下で、当社グループは前年の中国市場の落ち込みを受けての厳しいスタートとなる中、ヘルスケア、グリーン、マテリアル、インダストリーの4注力領域で、中期経営計画で掲げる事業戦略を展開し、世界のパートナーと共に社会課題の解決に取り組みました。 具体的には、「重点事業*1強化」では、ロボティクス・AIの活用等により競合力ある計測機器新製品の開発推進と、顧客のワークフロー全体へのトータルソリューション提供を目指した製品ラインアップ強化に取り組みました。 「メドテック事業*2の強化」では、臨床市場における事業基盤構築に向けて、臨床市場向け質量分析システム、試薬、ソフトウェアのラインアップ拡充に努めました。また、医用画像解析にAIやIoT技術を用いた“イメージングトランスフォーメーション”を推進して、2024年4月に光学カメラ搭載のX線撮影システムを発売しました。 「海外事業の拡大」では、北米で開発機能強化を目的に2024年4月にR&Dセンターを開所したほか、中国では地産地消を目指して2024年12月に新工場を開所し製造機能を強化しました。 「リカーリングビジネス*3の強化・拡大」では、2024年4月に北米の計測機器メンテナンスサービス会社Zef Scientific, Inc.を買収して北米におけるアフターサービス事業の強化・拡大に注力しました。 また、お客様(領域)中心志向への体制変革として、2024年4月から国内営業を本部制に移行し、事業部間連携の強化、お客様への最適なトータルソリューションの提供等の営業活動を推進したことも成長に繋がりました。*1.重点事業:液体クロマト分析システム、質量分析システム、ガスクロマト分析システム、試験機、ターボ分 子ポンプの5事業*2.メドテック事業:健康管理、検査、診断、治療、予後管理において、医用画像システムや血液等の成分を分 析するシステムを用いてトータルソリューションを提供する事業*3.リカーリングビジネス:試薬、培地、カラムなどの消耗品や、機器のメンテナンスサービスを提供する事業 以上の結果、当連結会計年度の業績は、日本、北米、その他のアジアが増加したことや、為替の押し上げも加わり、売上高は5,390億4千7百万円(前年度比5.3%増)となり、過去最高を更新しました。一方利益面では、価格改定を進めたものの、部材価格の高騰、将来に向けての研究開発費やDX投資などの成長投資の増加に加え、人的投資も増加させた影響を、売上増による利益増で補うことが出来ず、営業利益は717億2千万円(同1.4%減)となりました。経常利益は720億1千8百万円(同6.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は537億7千6百万円(同5.7%減)となりました。 セグメントの経営成績は、つぎのとおりです。 なお、当連結会計年度より、従来「航空機器」に含まれていた磁気探知機/磁力計、水中光無線装置の業績を、「産業機器」へ移管しています。以下の前年度比較については、前年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。 ・計測機器事業 計測機器事業は、ヘルスケア領域の医薬品市場で世界的に進む研究開発向けやアジアを中心にした品質管理向けに液体クロマト分析システム、光分析システムが増加し、メドテック領域の臨床市場向けに質量分析システムが増加しました。加えて、グリーン/マテリアル領域で新素材開発向け等に試験機が増加しました。地域別では、日本、北米、欧州、その他のアジア等の主要地域で伸長しました。 この結果、当事業の売上高は3,479億1千5百万円(前年度比2.9%増)となりました。営業利益は上期の生産抑制による影響に加え、研究開発費などの成長投資と人的投資を進めたことで520億7千3百万円(同9.4%減)となりました。 なお、主要地域別売上高の状況は下記のとおりです。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円) 増減率(%)概況日本127,179131,0293.0医薬向けに液体クロマト分析システム、質量分析システム、光分析システム、水質管理向けに水質計測システムが増加。新素材開発向けに試験機が増加。海外211,077216,8862.8海外売上高比率が62.3%と0.1pt減少。主要地域 北米34,12339,02614.4特定顧客向けに液体クロマト分析システムや、受託分析会社向けに質量分析システムが増加。また、連結化した、マルチベンダーサービス*事業を展開するZef Scientific, Inc.の業績も貢献。欧州38,86440,8895.2臨床検査向けに液体クロマト分析システムや質量分析システムが増加。中国74,74667,779△9.3政府の景気支援策により官公庁やアカデミアの需要が回復傾向にあるものの、民間市場の回復遅れの影響を受け液体クロマト分析システムをはじめ全体的に減少。その他のアジア45,62047,8895.0インドの医薬や受託分析向けに液体クロマト分析システムが増加。加えて、東南アジアで品質管理向けに試験機が増加。*メーカーを選択することなく、お客様が使用中のすべての装置の修理・メンテナンスを提供するサービス形態のこと ・医用機器事業 医用機器事業は、メドテック分野での中心事業として、健康寿命の延伸と医療従事者の業務効率化を実現するために、画像解析にAIやIoT技術を用いた“イメージングトランスフォーメーション”戦略を展開しました。日本、中国、欧州では市況回復遅れの影響を受けたものの、病院の経営環境が持ち直した北米でX線TVシステムが、成長著しいその他のアジアでX線TVシステム、血管撮影システムが増加しました。 この結果、当事業の売上高は725億6千7百万円(前年度比0.4%増)となり、営業利益はプロダクトミックスの悪化等により42億6千3百万円(同10.8%減)となりました。 なお、主要地域別売上高の状況は下記のとおりです。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円) 増減率(%)概況日本34,37333,957△1.2頭部と乳房の検査が可能なPETシステムや放射線治療装置用動体追跡システムが増加したものの、市況回復遅れによりX線関連システムが減少。海外37,92938,6091.8海外売上高比率は53.2%と0.7pt増加。主要地域 北米10,61912,13414.3病院の経営環境が持ち直し、X線TVシステム、血管撮影システムが増加。欧州4,7854,113△14.0東欧でX線TVシステムが増加したものの、前年度回診装置大口案件の反動や市況回復遅れにより減少。中国5,6853,941△30.7市況回復遅れの影響や、腐敗防止強化による入札案件が遅れたことで、X線TVシステムや一般撮影システムが減少。その他のアジア7,2798,66819.1東南アジアでX線TVシステム、血管撮影システムが伸長。加えて、インドで血管撮影システムが増加。 ・産業機器事業 インダストリー領域の中心事業である産業機器事業は、ターボ分子ポンプは中国で太陽電池用薄膜製造装置向け等が減少した一方、半導体需要の拡大に伴い日本、北米、その他のアジアで半導体製造装置向けが増加しました。工業炉は中国で車載用セラミック製造向けが増加しましたが、油圧機器は市況回復遅れの影響を受け減少しました。 この結果、当事業の売上高は723億3千5百万円(前年度比9.4%増)、営業利益は売上高の増加により104億6千7百万円(同41.6%増)となり、いずれも過去最高を更新しました。 なお、主要地域別売上高の状況は下記のとおりです。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円) 増減率(%)概況日本27,12631,47216.0半導体製造装置向けターボ分子ポンプが製品、サービス共に伸長。加えて、先端炭素材料製造向けに工業炉が増加。海外38,98340,8634.8海外売上高比率は56.5%と2.5pt減少。主要地域 北米8,5488,7972.9半導体製造装置向けターボ分子ポンプが製品、サービス共に増加。欧州4,6794,225△9.7半導体製造装置向けターボ分子ポンプのサービスは伸長したものの、同装置向けおよび太陽電池用薄膜製造装置向けターボ分子ポンプの製品が減少。中国19,34319,5601.1前年投資が集中した太陽電池用薄膜製造装置向けターボ分子ポンプの減少を、車載用セラミック製造向けに工業炉が補い増加。その他のアジア6,1008,12333.2半導体製造装置向けターボ分子ポンプが製品、サービス共に伸長。電子基板用ガラス繊維向けにガラスワインダが台湾で増加。 ・航空機器事業 航空機器事業は、日本では政府の防衛力強化方針により、防衛分野向けが増加しました。海外では民間航空機搭載品が堅調なものの、前年増加した補用品の反動により減少しました。この結果、当事業の売上高は386億6千2百万円(前年度比34.5%増)、営業利益は売上高の増加や採算性改善により、60億6千8百万円(同73.4%増)となりました。 なお、主要地域別売上高の状況は下記のとおりです。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円) 増減率(%)概況日本20,43130,54449.5防衛分野で政府の防衛力強化方針により、航空機搭載品が増加。海外8,3058,117△2.3海外売上高比率は21.0%と7.9pt減少。主要地域北米7,3127,4151.4民間航空機搭載品が堅調に推移し増加。 ・その他の事業 当事業の売上高は75億6千6百万円(前年度比16.6%増)となり、営業利益は6億3千万円(同39.6%減)となりました。 (注) セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでいません。 当社グループは、2023-2025中期経営計画において、最終年度の目標数値として、売上高5,500億円以上、営業利益800億円以上、営業利益率14.5%以上、自己資本利益率12.5%以上を設定し、取り組んでいます。2年目にあたる当連結会計年度は、売上高5,390億4千7百万円、営業利益717億2千万円、営業利益率13.3%、自己資本利益率10.9%となり、売上高は順調に進捗したものの、営業利益は厳しい結果となりました。また、最終年度については、米国関税政策によるマクロ経済への影響と関税によるコスト増を見込んでおり、売上高・営業利益とも中期経営計画の最終年度目標に対して厳しい進捗を想定しています。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループは、手元資金を次なる成長につなげることを示すキャピタルアロケーション(資本配分)を策定しています。「攻めの財務」をスローガンに掲げ、財務健全性を確保しながら、持続的な成長に必要な戦略的投資を実施します。 イ. キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 ロ. 資金需要 当社グループの資金需要のうち営業活動については、当社グループ製品製造のための材料や部品の購入のほか、製造費、販売費および一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費および研究開発費です。 投資活動については、M&Aやコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)等の戦略投資、生産能力の拡大・効率化、研究開発環境の整備、DX関連の基盤強化を目的とした設備投資・研究開発投資が主な内容です。今後、社会価値創生領域での事業成長に資する、戦略投資・設備投資・研究開発投資等を継続していく予定です。 ハ. 財務政策 当社グループの当連結会計年度末の借入金等の残高は、前連結会計年度末に比べ2億4千6百万円減少し、13億7千2百万円となりました。 当社グループは、営業活動によりキャッシュを生み出す能力を持っていることなどから、当社グループの成長を維持するために将来必要となる運転資金および設備投資資金を創出・調達することが十分に可能であると考えています。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。 連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っています。特に重要な見積りを伴う会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。 |
※本記事は「株式会社 島津製作所」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)



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