SGホールディングス株式会社の基本情報

会社名SGホールディングス株式会社
業種陸運業
従業員数連58271名 単236名
従業員平均年齢38.8歳
従業員平均勤続年数9.8年
平均年収7691947円
1株当たりの純資産927.54円
1株当たりの純利益(連結)92.92円
決算時期3月
配当金52円
配当性向104.1%
株価収益率(PER)16.1倍
自己資本利益率(ROE)(連結)10%
営業活動によるCF1186億円
投資活動によるCF▲1647億円
財務活動によるCF139億円
研究開発費※1-円
設備投資額※17.48億円
販売費および一般管理費※1958.89億円
株主資本比率※250.2%
有利子負債残高(連結)※31440.24億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、創業の精神である、常にお客さまに誠心誠意尽くすという「飛脚の精神(こころ)」のもと、一.お客さまと社会の信頼に応え 共に成長します一.新しい価値を創造し 社会の発展に貢献します一.常に挑戦を続け あらゆる可能性を追求しますを企業理念とし、お客さまから「安心」「満足」「信頼」をいただけるサービス・品質向上を図っております。今後も社会の変化・顧客のニーズに迅速に対応し、「トータルロジスティクス」を提供し続けることで、一層社会に必要とされる企業体を目指してまいります。 (2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標現在の事業環境は目まぐるしく変化を続けており、中長期的にも、企業を取り巻く環境は複雑さを増していくものと想定しております。特に、国内全体で労働力不足が深刻化しており、賃金上昇やインフレを前提に、業務効率化の加速が必要になっております。また、持続的な成長に向けて、成長市場である海外のビジネス拡大に向けたアプローチも求められると考えております。このような環境認識のもと、当社グループは、2022年3月に2031年3月期までの長期ビジョン「SGHビジョン2030」として「Grow the new Story. 新しい物流で、新しい社会を、共に育む。」を策定しました。さらに、2025年3月にはこの長期ビジョンを咀嚼し、より具体的なありたい姿として「お客さまおよび社会において、必要不可欠な存在(=インフラ)」であり続けること、と定義するとともに、長期ビジョン実現に向けて、事業ポートフォリオ戦略や中長期的なキャッシュアロケーション方針、定量目標の具体化を行いました。当社グループは、顧客のサプライチェーン全体をコーディネートする「トータルロジスティクス」を高度化していくことで、新しい価値を創造し、ありたい姿を実現いたします。 (2031年3月期の経営目標)営業収益2兆2,000億円営業利益1,400億円親会社株主に帰属する当期純利益980億円ROE15%ROIC10% また、長期ビジョンに向けた最初の中期経営計画「SGH Story 2024」(2023年3月期から2025年3月期まで)は当連結会計年度をもって終了しましたが、この成果と課題を踏まえ、長期ビジョン実現への次のステップとして、2026年3月期から2028年3月期までの新中期経営計画「SGH Story 2027」を策定いたしました。新中期経営計画では、トータルロジスティクスの高度化とグローバル物流の基盤拡大を基本方針とし、当社グループの企業価値向上と持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。 (中期経営計画の経営戦略)① 国内サービス領域とグローバル物流基盤の拡大② 成長を支える経営資源の拡充③ 持続可能な経営に向けた取組み (中期経営計画策定時の2028年3月期の経営目標)営業収益1兆8,300億円営業利益1,100億円親会社株主に帰属する当期純利益700億円ROE12%ROIC8% 新中期経営計画「SGH Story 2027」では、「トータルロジスティクスの高度化とグローバル物流の基盤拡大」を基本方針に掲げ、①国内サービス領域とグローバル物流基盤の拡大、②成長を支える経営資源の拡充、③持続可能な経営に向けた取組みを推進してまいります。 ① 国内サービス領域とグローバル物流基盤の拡大・宅配便のサービス競争力の拡大と効率化による収益基盤の強化 物流業界の中長期的な見通しとして、人口減少等の影響が見込まれているものの、商取引金額に対するEC取引金額割合の高まりとともに、エンドユーザーへの配送等ECに関連する物流の需要も緩やかに増加すると想定しております。一方で、物価・人件費等のコスト上昇や、2024年4月から適用された自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制(以下「2024年問題」という)の対応の本格化等を契機に、同業・異業種間の協業の増加及び大手EC事業者による自社配送網拡大等、業界構造に変化の兆しも見られます。 このような事業環境の中、これまで取り組んできた適正運賃収受を継続するとともに、成長市場と捉えているリアルコマースや越境EC、低温物流領域など、グループのシナジーを活用し取扱個数を拡大することで、宅配便の持続的な成長を実現してまいります。 ・低温物流ソリューションの拡大による国内屈指のコールドチェーン構築 低温物流市場において食品ECや物流アウトソーシング等の成長が見込まれる中、当社グループは株式会社C&Fロジホールディングス(現:名糖運輸株式会社)を連結化することで低温物流領域の基盤を獲得いたしました。新中期経営計画では、国内の低温ECのほか、共同配送やTMS、さらには海外の低温物流を拡充するなど、グループのシナジーを最大化し、国内屈指のコールドチェーン構築を目指します。 ・国内ロジスティクスの付加価値向上とTMS事業領域の拡大 低温物流以外の既存の国内ロジスティクスにおいては、お客さまの業種や商材に応じたオーダーメイドの物流ソリューションや、Morrison Express Worldwide Corporationとのシナジーによるハイテク領域のサービス拡大等、付加価値の高いサービスを提供いたします。また、拠点の再配置や省人化・効率化につながるマテハン導入を行い、事業規模拡大及び収益性の向上を図ってまいります。 ・グローバル物流の顧客基盤拡大と収益性向上 持続的な成長に向けて成長市場である海外でのビジネス拡大を実現するため、EXPOLANKA HOLDINGS Limitedのフォワーディングビジネスを起点に、顧客インダストリの拡大と物流領域の拡大を進めてまいります。このような戦略のもと、当社は2025年5月20日に台湾に拠点を置くグローバル・フレイトフォワーダーであるMorrison Express Worldwide Corporationの全株式を取得いたしました。Morrison Express Worldwide Corporationが強みを持つ電子部品・半導体業界の航空フォワーディング事業のノウハウと、既存のEXPOLANKA HOLDINGS Limitedのフォワーディング事業や、佐川急便株式会社を中心とする日本国内の物流網を掛け合わせることで、グローバル物流事業全体の顧客基盤拡大と収益性向上を実現してまいります。 ② 成長を支える経営資源の拡充・パートナー企業との連携強化を含むサービスインフラの維持・強化持続可能な輸配送インフラの維持・強化に向けて、適正運賃収受の取組みを継続するとともに、将来的な取扱個数の増加や既存インフラの老朽化への対応及び、拠点集約による効率化を目的として、大型中継センターを関東・関西・九州エリアに新設いたします。また、宅配便インフラとして欠かせないパートナー企業に対して、委託単価の見直しや事業承継窓口の設置等、支援プログラムの拡充も行ってまいります。 ・人的資本への投資による企業価値の最大化人材不足及びインフレの状況が継続する中、持続的な成長を支えるコア事業推進人材の維持・確保に向けて、DXによるオペレーションの見直しを通じた業務負担の低減や、継続的なベースアップの実施を推進してまいります。また、成長ドライバーであるソリューション人材の確保・育成の観点では、グローバル物流やDX等の専門人材の育成を拡充いたします。さらに、グループ経営を支えるグループ経営人材の採用・育成・定着という観点で、従業員向けの株式報酬制度の導入を決定し、企業価値向上へのコミットメントを強化する等、各種取組みを進めてまいります。 ・DX、R&D、最新テクノロジーへの投資による事業競争力向上AI荷積みロボットのR&Dや継続的なオープンイノベーション活動等、DX、最新テクノロジーへの投資により、サービス品質の向上や業務効率化を実現してまいります。これにより、お客さまに選ばれるサービス競争力を拡大するとともに、当社グループの収益性も向上させてまいります。加えて、これらの施策を推進するために必要なDX人材の育成強化を行ってまいります。 ③ 持続可能な経営に向けた取組み・脱炭素をはじめとする社会・環境課題への対応当社グループは、脱炭素社会の実現に向け、物流企業グループとして、2050年のカーボンニュートラルを目標としたグループ脱炭素ビジョンに基づき自社の温室効果ガス排出削減に取り組むとともに、お客さまの環境負荷低減に資するサービスを提供し、お客さまへの最適な物流ソリューションの提案を通じて社会全体の温室効果ガス削減に貢献してまいります。なお、グループ脱炭素ビジョンについては、М&Aによるグループ連結範囲の拡張や、日本政府による「第7次エネルギー基本計画」の公表を踏まえ、2026年5月に向け見直しを行い、従来以上に環境と経済のバランスを図った施策の策定を進めております。また、自然災害の多い日本における防災という社会課題の解決に向けた取組みの一つとして、当社グループのノウハウを活用した一般財団法人SGH防災サポート財団を設立いたしました。当社グループでは過去から、自治体や各団体と連携し、物資の輸送を中心とした被災地での支援活動を行ってまいりましたが、日本政府と連携することで発災時の迅速なサポートをこれまで以上に安定的に提供し、地域社会の安全・安心な生活の実現に貢献してまいります。 ・企業価値の向上に向けたガバナンスの高度化企業価値向上に向け、取締役の企業価値向上へのコミットメントを強化するとともに、グローバル物流戦略を踏まえたグローバルガバナンス体制の整備・強化を推進し、グループ全体のガバナンス体制の高度化を進めてまいります。また、経営管理の観点でも、事業ポートフォリオ戦略を通じ資本収益性を意識した経営管理を推進いたします。さらに、ステークホルダーとの対話機会の拡充と経営戦略への反映により、企業価値向上を実現する好循環の創出に向け、取り組んでまいります。 (3) 経営環境と対応方針① 全般現在の我が国経済は、一部では弱さも見られるものの、企業収益の改善や設備投資に持ち直しの動きが見られる等、緩やかな回復基調にあります。しかしながら、米国の金融・通商政策や中国の不動産市場の停滞による影響のほか、地政学リスクの拡大等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。物流業界におきましては、実質賃金のプラス基調が定着していない中、消費者マインドの改善にも足踏みが見られることや、一部大手EC事業者による自社配送網拡大の動きも見られること等から、競争環境は引き続き厳しい状況にあります。また、「2024年問題」への対応、継続的な物価・人件費等のコスト上昇等、不安定な事業環境が継続しております。国際物流市場では、地政学リスク等を背景とした紅海の通航回避の長期化や、米国の通商政策の影響等、海上・航空貨物の需要及び運賃の動向については不確実性が高まっております。当社グループの主力事業である国内におけるデリバリー事業におきましては、足元では物価上昇により実質賃金のプラス基調が定着していない中、消費者マインドの改善にも足踏みが見られることや、一部大手EC事業者による自社配送網拡大の動きが見られること等、競争環境が厳しい状況にあります。中長期的には、国内人口減少等の影響が見込まれているものの、商取引金額に対するEC取引金額割合の高まりとともに、エンドユーザーへの配送等ECに関連する物流の需要も緩やかに増加すると想定しております。ロジスティクス事業におきましては、インフレや各種コストの上昇が続き、デリバリー事業と同様に厳しい経営環境が続いております。一方で、企業による物流業務の効率化・最適化を目的としたアウトソーシング需要は、今後も堅調に推移することが見込まれます。また、グローバル物流事業においては、世界経済の減速に伴う需要縮小の可能性のほか、紅海通航回避の長期化や、米国の通商政策の影響等、先行きの見通しが難しい状況が続いております。このような事業環境認識のもと、当社グループにおきましては、2022年3月に2031年3月期までの長期ビジョン「SGHビジョン2030」として「Grow the new Story. 新しい物流で、新しい社会を、共に育む。」を策定しました。さらに、2025年3月にはこの長期ビジョンを咀嚼し、より具体的なありたい姿として「お客さまおよび社会において、必要不可欠な存在(=インフラ)」であり続けること、と定義するとともに、長期ビジョン実現に向けて、事業ポートフォリオ戦略や中長期的なキャッシュアロケーション方針、定量目標の具体化を行いました。また、長期ビジョンに向けた最初の中期経営計画「SGH Story 2024」(2023年3月期から2025年3月期まで)は当連結会計年度をもって終了しましたが、この成果と課題を踏まえ、長期ビジョン実現への次のステップとして、2026年3月期から2028年3月期までの新中期経営計画「SGH Story 2027」を策定いたしました。新中期経営計画では、トータルロジスティクスの高度化とグローバル物流の基盤拡大を基本方針とし、当社グループの企業価値向上と持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。なお、長期ビジョン実現に向けた事業戦略の方向性や事業ごとの収益性の違い等を踏まえ、当社は、2026年3月期から従来の報告セグメントの区分を変更し、現行の「ロジスティクス事業」に含まれるフォワーディング事業や海外3PL事業等を「グローバル物流事業」へ分割いたします。これにより、株式会社C&Fロジホールディングスの業績は従来どおり「ロジスティクス事業」に区分されますが、EXPOLANKA HOLDINGS Limitedや、2025年5月20日に全株式を取得したMorrison Express Worldwide Corporationの業績に関しては、「グローバル物流事業」に区分されます。 ② デリバリー事業足元では、実質賃金のプラス基調が定着していない中、消費者マインドの改善にも足踏みが見られることや、一部大手EC事業者による自社配送網拡大の動きにより競争環境が厳しくなっております。中長期的には、国内人口減少等の影響が見込まれているものの、商取引金額に対するEC取引金額割合の高まりとともに、エンドユーザーへの配送等ECに関連する物流の需要も緩やかに増加すると想定しております。当社グループでは、労働力不足やインフレの進行等リソースの制約の厳しさが増す中で、関東・関西・九州エリアに、自動設備を導入した大型中継センターの新設を進める等、物流施設の最適化やデジタライゼーションによる業務効率化に加え、多様な働き方への対応等、生産性の向上や労働環境の改善に積極的に取り組み、経営基盤の強化を進めてまいりました。特に、エネルギーや車両等様々なコスト上昇の影響や、このようなインフレ環境下における給与水準や委託費といった人に関わる費用の見直しの必要性等を踏まえ、一層の効率化に取り組むとともに、適正運賃収受の取組みを継続してまいります。また、成長市場と捉えているリアルコマースや越境EC、低温物流領域など、グループのシナジーを活用し取扱個数を拡大することで、宅配便の持続的な成長を実現してまいります。 ③ ロジスティクス事業国内におきましては、インフレや各種コストの上昇が続き、デリバリー事業と同様に厳しい経営環境が続いております。一方で、企業による物流業務の効率化・最適化を目的としたアウトソーシング需要は、今後も堅調に推移することが見込まれます。特に、低温物流領域におきましては、足元では消費者マインドの改善に足踏みが見られるものの、中長期的には食品EC化率の高まりによる需要増加や、法人向けの低温物流市場等、成長が見込まれております。このような事業環境の中、当社グループは、2024年7月に、成長市場である低温物流領域に強みを持つ株式会社C&Fロジホールディングス株式を取得し、2025年3月期第3四半期連結会計期間に完全子会社化いたしました。株式会社C&Fロジホールディングスが当社グループの傘下に入ることにより、当社グループが持つラストワンマイルの機能と、株式会社C&Fロジホールディングスが持つサプライチェーンの上流から中流の低温物流機能を組み合わせた、国内屈指のコールドチェーンを構築してまいります。こうしたシナジー創出に向けたプロジェクトチームを発足する等、取組みを進めております。また、低温物流以外の既存の国内ロジスティクスにおいては、お客さまの業種や商材に応じたオーダーメイドの物流ソリューションや、Morrison Express Worldwide Corporationとのシナジーによるハイテク領域のサービス拡大等、付加価値の高いサービスを提供いたします。また、拠点の再配置や省人化・効率化につながるマテハン導入を行い、事業規模拡大及び収益性の向上を図ってまいります。 ④ グローバル物流事業航空・海上フォワーディング事業領域におきましては、米国の金融・通商政策による日本経済への影響や、中国の不動産市場停滞による影響に加え、地政学リスクの拡大等、先行きは不透明な状況が継続しております。このような事業環境の中、当社グループは、持続的な成長に向けて成長市場である海外でのビジネス拡大を実現するため、EXPOLANKA HOLDINGS Limitedのフォワーディングビジネスを起点に、取扱商材の拡大による新規顧客の獲得を図るとともに、フォワーディングの前後の輸送及び3PL事業へサービス領域を拡大することで、収益基盤の安定化を図ってまいります。こうした成長戦略の一環で、当社は、2025年5月20日に、台湾に拠点を置くグローバル・フレイトフォワーダーである、Morrison Express Worldwide Corporationの全株式を取得いたしました。Morrison Express Worldwide Corporationが強みを持つ電子部品・半導体業界の航空フォワーディング事業のノウハウと、既存のEXPOLANKA HOLDINGS Limitedのフォワーディング事業や、佐川急便株式会社を中心とする日本国内の物流網を掛け合わせることで、グローバル物流事業全体の顧客基盤拡大と収益性向上を実現してまいります。 ⑤ 不動産事業日本のEC化率は、中国や欧米に対し未だ低い水準にあることから上昇が継続すると考えられ、宅配便の取扱個数は今後も緩やかに増加することが見込まれます。また、サプライチェーンの複雑化やテクノロジーの進化に伴い、企業物流も高度化していくことが予想されます。このような宅配便の需要増や、高度化する物流ニーズに対応するため、当社グループの輸送ネットワークにおける適切なキャパシティの確保や安定的な稼働・効率化を実現する物流施設の開発・改修に努めるとともに、不動産を含めた総合物流ソリューションの提供を進めてまいります。 ⑥ その他その他の事業は、効率的な物流ソリューションを提供するための基盤となる様々な機能で構成されております。高度化する物流ニーズや生産年齢人口の減少が続く中、効率的で安定的な物流を実現するために、デジタル化による生産性の向上や顧客の利便性の向上に取り組んでまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、次のとおりであります。 (連結業績予想) (単位:百万円) 2026年3月期業績予想前期比(%)営業収益1,629,000110.1営業利益91,000103.6経常利益88,00099.0親会社株主に帰属する当期純利益57,00098.1 (セグメント別業績予想) (単位:百万円) 2026年3月期業績予想前期比(%)営業収益 合計1,629,000110.1 デリバリー事業1,040,000103.7ロジスティクス事業215,000150.3グローバル物流事業309,000120.5不動産事業14,00058.4その他51,00096.6営業利益 合計91,000103.6 デリバリー事業70,000102.4ロジスティクス事業5,000118.3グローバル物流事業4,000113.1不動産事業8,50080.8その他2,000105.6調整額1,500- (注) 営業収益は外部顧客に対する売上高を示しております。 2026年3月期の連結業績予想長期ビジョン実現に向けた事業戦略の方向性や事業ごとの収益性の違い等を踏まえ、2026年3月期から従来の報告セグメントの区分を変更し、現行の「ロジスティクス事業」に含まれるフォワーディング事業や海外3PL事業等を「グローバル物流事業」へ分割いたします。これにより、株式会社C&Fロジホールディングス(現:名糖運輸株式会社)の業績は従来どおり「ロジスティクス事業」に区分されますが、EXPOLANKA HOLDINGS LimitedやMorrison Express Worldwide Corporationの業績に関しては、「グローバル物流事業」に区分されます。また、Morrison Express Worldwide Corporationの株式譲渡日は2025年5月20日であり、2026年3月期の業績への影響は精査中ではありますが、第3四半期以降の暫定的な見通しを織り込んでおります。今後、連結業績予想の修正の必要性及び公表すべき事実が生じた場合には、速やかに公表いたします。なお、上表に掲載の前期比は、新しい報告セグメントに区分した場合の2025年3月期の実績を元に算出しております。
経営者による財政状態の説明
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、一部では弱さも見られるものの、企業収益の改善や設備投資に持ち直しの動きが見られる等、緩やかな回復基調にあります。しかしながら、米国の金融・通商政策や中国の不動産市場の停滞による影響のほか、地政学リスクの拡大等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。物流業界におきましては、実質賃金のプラス基調が定着していない中、消費者マインドの改善にも足踏みが見られることや、一部大手EC事業者による自社配送網拡大の動きも見られること等から、競争環境は引き続き厳しい状況にあります。また、「2024年問題」への対応、継続的な物価・人件費等のコスト上昇等、不安定な事業環境が継続しております。国際物流市場では、地政学リスク等を背景とした紅海の通航回避の長期化や、米国の通商政策の影響等、海上・航空貨物の需要及び運賃の動向については不確実性が高まっております。当社グループにおきましては、2023年3月期から2025年3月期までの中期経営計画「SGH Story 2024」の最終年度として、総合物流ソリューションの高度化を推し進め、グループ横断の先進的ロジスティクスプロジェクトチーム「GOAL」を中心に、脱炭素をはじめとした社会・環境課題解決に向けたサービスや、宅配便以外の付加価値を提供するソリューション「TMS」などの提案営業を積極的に行ってまいりました。加えて、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、再生可能エネルギーの活用や環境に配慮した物流施設の開発等、当社グループのGHG排出量を削減することにとどまらず、効率的な物流サービスの提供によりお客さまの環境負荷低減に貢献する物流サービスの提供も進めてまいりました。また、当社は、成長戦略の一環として、2024年7月に低温物流に強みを持つ株式会社C&Fロジホールディングス株式を取得し、第3四半期連結会計期間に完全子会社化いたしました。株式会社C&Fロジホールディングス(現:名糖運輸株式会社)が当社グループの傘下に入ることにより、当社グループが持つラストワンマイルの機能と、株式会社C&Fロジホールディングスが持つサプライチェーンの上流から中流の低温物流機能を組み合わせた、国内屈指のコールドチェーンを創出することが可能となります。また、2025年2月には、台湾に拠点を置くグローバル・フレイトフォワーダーである、Morrison Express Worldwide Corporationの全株式取得に関する基本合意を締結いたしました。Morrison Express Worldwide Corporationの持つ航空フォワーディングのノウハウや半導体関連の顧客基盤と、EXPOLANKA HOLDINGS Limitedの持つ海上フォワーディングにおける強みを掛け合わせることで、グローバルの物流機能を強化いたします。これらの取組み等を通じて総合物流ソリューションの高度化を図ってまいりました。このような状況のもと、当社グループの中核事業であるデリバリー事業におきましては、競争環境が厳しくなっていること等の影響を受け、宅配便の取扱個数は減少いたしました。一方で、2024年4月からの届出運賃の改定や、取引ごとの適正運賃収受の取組み等により、平均単価は上昇いたしました。ロジスティクス事業におきましては、紅海の通航回避による海上輸送の混乱やそれに伴う航空輸送へのシフトによる市場価格の変動に加え、価格交渉が進捗したこと等を背景に、海上・航空運賃は上昇いたしました。海上・航空貨物の取扱量は、上記の紅海の影響や新規顧客の獲得等により好調に推移いたしました。なお、第3四半期連結会計期間から、株式会社C&Fロジホールディングスの業績を当社グループの連結業績(ロジスティクス事業)に含めております。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。 イ.財政状態資産及び負債は、第2四半期連結会計期間において株式会社C&Fロジホールディングスを新たに連結子会社としたことによる影響で大幅に増加しております。 (資産)当連結会計年度末における流動資産は3,705億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ268億12百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金が304億4百万円、販売用不動産が101億99百万円それぞれ減少した一方で、受取手形、営業未収金及び契約資産が117億36百万円増加したことによるものであります。固定資産は6,700億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,703億78百万円増加いたしました。主な要因は、のれんが563億24百万円、土地が305億16百万円、建物及び構築物が291億94百万円、建設仮勘定が209億45百万円、車両運搬具が103億27百万円それぞれ増加したことによるものであります。この結果、総資産は1兆406億15百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,435億65百万円増加いたしました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は2,225億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ42億94百万円増加いたしました。主な要因は、未払法人税等が135億14百万円増加した一方で、短期借入金が100億12百万円、1年内返済予定の長期借入金が58億84百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は2,334億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,449億43百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金の借入れ等により有利子負債が1,347億58百万円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は4,560億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,492億38百万円増加いたしました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は5,845億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ56億72百万円減少いたしました。主な要因は、子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS Limited株式の追加取得に伴い利益剰余金が243億25百万円、非支配株主持分が96億81百万円それぞれ減少したことに加え、剰余金の配当318億98百万円を実施した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を581億20百万円計上したことによるものであります。この結果、自己資本比率は55.8%となり、前連結会計年度末に比べ8.6ポイント低下いたしました。 ロ.経営成績(営業収益)デリバリー事業におきましては、実質賃金のプラス基調が定着していない中、消費者マインドの改善にも足踏みが見られることや、一部大手EC事業者による自社配送網拡大の動きにより競争環境が厳しくなっていること等の影響を受け、主にBtoCの荷物を中心に取扱個数が減少いたしました。平均単価は、2024年4月からの届出運賃の改定や、取引ごとの適正運賃収受の取組みを継続したこと等により上昇いたしました。「TMS」については、「GOAL」による提案営業の活動等により、前期を上回って推移いたしました。ロジスティクス事業におきましては、紅海の通航回避による海上輸送の混乱やそれに伴う航空輸送へのシフトによる市場価格の変動に加え、価格交渉が進捗したこと等を背景に、海上・航空運賃は上昇いたしました。また、海上・航空貨物の取扱量は、上記の紅海の影響や新規顧客の獲得等により好調に推移いたしました。加えて、第3四半期連結会計期間から株式会社C&Fロジホールディングスの業績を、当社グループの連結業績に含めたことにより、営業収益は増加しております。不動産事業におきましては、第2四半期連結会計期間及び第4四半期連結会計期間に保有不動産を売却いたしました。その他の事業におきましては、BPO案件の減少のほか、大型トラック等の新車販売が減少いたしました。この結果、営業収益は1兆4,792億39百万円となり、前連結会計年度に比べ12.3%の増加となりました。 (営業原価、販売費及び一般管理費、営業利益)デリバリー事業におきましては、取扱個数に応じてコストコントロールを行っておりますが、期初からのパートナー企業への委託単価の引き上げ、従業員の給与水準維持を目的とした追加的な費用の計上等、持続的・安定的なサービス提供のためのリソース確保に係る費用が増加傾向にあります。ロジスティクス事業におきましては、フォワーディングビジネスにおける営業収益の増加に伴う費用増や、株式会社C&Fロジホールディングスの業績を当社グループの連結業績に含めたことにより、営業費用が増加しているほか、株式会社C&Fロジホールディングスの株式取得に伴うのれん償却費等も費用増加要因となっております。この結果、営業原価は1兆3,188億9百万円(前期比13.4%増)、販売費及び一般管理費は725億82百万円(同12.0%増)となりました。営業利益は878億47百万円(同1.5%減)となり、営業利益率は5.9%と前連結会計年度に比べ0.9ポイント低下いたしました。 (営業外損益、経常利益)営業外収益は、受取保険配当金や受取利息の計上等により47億56百万円(前期比4.6%増)となりました。営業外費用は、支払利息の計上等により37億36百万円(同28.8%増)となりました。この結果、経常利益は888億67百万円となり、前連結会計年度に比べ2.2%の減少となりました。 (特別損益、税金等調整前当期純利益)特別利益は、固定資産売却益の計上により5億70百万円(前期比398.5%増)となりました。特別損失は、減損損失の計上等により10億10百万円(同58.7%減)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は884億27百万円となり、前連結会計年度に比べ0.1%の減少となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)法人税等301億14百万円(前期比5.0%減)、非支配株主に帰属する当期純利益は1億93百万円(前期は非支配株主に帰属する当期純損失14億73百万円)を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は581億20百万円となり、前連結会計年度に比べ0.3%の減少となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 ・デリバリー事業デリバリー事業におきましては、実質賃金のプラス基調が定着していない中、消費者マインドの改善にも足踏みが見られることや、一部大手EC事業者による自社配送網拡大の動きにより競争環境が厳しくなっていること等の影響を受け、主にBtoCの荷物を中心に取扱個数が減少いたしました。平均単価は、2024年4月からの届出運賃の改定や、取引ごとの適正運賃収受の取組みを継続したこと等により上昇いたしました。「TMS」については、「GOAL」による提案営業の活動等により、前期を上回って推移いたしました。費用面に関しては、取扱個数に応じてコストコントロールを行っておりますが、期初からのパートナー企業への委託単価の引き上げ、従業員の給与水準維持を目的とした追加的な費用の計上等、持続的・安定的なサービス提供のためのリソース確保に係る費用が増加傾向にあります。このような中、2024年9月から、従来の「指定場所配送サービス」の内容を拡大し、お客さまが荷物の受取方法として置き配を選択できるサービスを開始したほか、2025年3月には九州エリアにおける物流の効率化等を目的とした大型中継センターの新設(2028年6月稼働予定)を発表する等、利便性や、生産性の向上への取組みも継続して行ってまいりました。この結果、当セグメントの営業収益は1兆211億37百万円(前期比0.7%減)、営業利益は692億57百万円(同15.0%減)となりました。 ・ロジスティクス事業ロジスティクス事業におきましては、紅海の通航回避による海上輸送の混乱やそれに伴う航空輸送へのシフトによる市場価格の変動に加え、価格交渉が進捗したこと等を背景に、海上・航空運賃は上昇いたしました。また、海上・航空貨物の取扱量は、上記の紅海の影響や新規顧客の獲得等により好調に推移いたしました。加えて、第3四半期連結会計期間から株式会社C&Fロジホールディングスの業績を、当社グループの連結業績に含めたことにより、営業収益が増加しております。この結果、当セグメントの営業収益は3,813億39百万円(前期比73.5%増)、営業利益は68億56百万円(前期は営業損失48億54百万円)となりました。 ・不動産事業不動産事業におきましては、第2四半期連結会計期間及び第4四半期連結会計期間に保有不動産を売却いたしました。不動産賃貸・管理等のビジネスにつきましては、計画どおり進捗いたしました。この結果、当セグメントの営業収益は239億76百万円(前期比89.9%増)、営業利益は105億18百万円(同47.3%増)となりました。 ・その他その他の事業におきましては、BPO案件の減少のほか、大型トラック等の新車販売が減少いたしました。この結果、当セグメントの営業収益は527億86百万円(前期比5.8%減)、営業利益は18億93百万円(同44.5%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ304億4百万円減少し1,168億61百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得た資金は1,186億円(前期比52.8%増)となりました。主な要因は、収入要因として税金等調整前当期純利益884億27百万円、減価償却費401億29百万円をそれぞれ計上した一方で、支出要因として法人税等の支払額又は還付額152億72百万円を計上したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動に使用した資金は1,647億27百万円(前期は413億57百万円の支出)となりました。主な要因は、支出要因として株式会社C&Fロジホールディングス株式の取得に係る連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,120億11百万円、有形固定資産の取得による支出487億70百万円、無形固定資産の取得による支出44億32百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により得た資金は139億94百万円(前期は703億10百万円の支出)となりました。主な要因は、収入要因として長期借入れによる収入1,300億円を計上した一方で、支出要因としてEXPOLANKA HOLDINGS Limited株式の取得に係る連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出340億24百万円、配当金の支払額318億95百万円、長期借入金の返済による支出316億27百万円、短期借入金の純減額114億90百万円、リース債務の返済による支出86億65百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績セグメント別の営業収益及び当社グループの中核事業であるデリバリー事業の商品別取扱個数は次のとおりであります。なお、当社グループは、デリバリー事業、ロジスティクス事業、不動産事業を中心とするサービス提供を主たる業務としているため、生産及び受注の状況は記載しておりません。 イ.セグメント別の営業収益当連結会計年度のセグメント別の営業収益は、次のとおりであります。 セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)前期比(%)金額(百万円)前期比(%)デリバリー事業1,028,53098.21,021,13799.3ロジスティクス事業219,76169.8381,339173.5不動産事業12,62364.623,976189.9その他56,024106.152,78694.2合計1,316,94091.81,479,239112.3 (注) 営業収益は外部顧客に対する売上高を示しております。 ロ.デリバリー事業の商品別取扱個数当連結会計年度のデリバリー事業の商品別取扱個数は、次のとおりであります。 商品の名称前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)取扱個数(百万個)1,3731,317 飛脚宅配便(百万個)1,3251,271その他(百万個)4746 (注) 1.取扱個数は、当社グループの主要商品の取扱個数であります。2.飛脚宅配便は、佐川急便株式会社が国土交通省に届け出ている宅配便の個数であります。3.その他は、佐川急便株式会社の提供する飛脚ラージサイズ宅配便及びその他の会社の取扱個数であります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの事業セグメントは、デリバリー事業、ロジスティクス事業、不動産事業とその他で構成され、主要セグメントであるデリバリー事業が、当連結会計年度において営業収益の7割程度を占めております。 ・デリバリー事業デリバリー事業におきましては、主力の宅配便に加え、あらゆるお客さまのニーズに応えた「運ぶ」を実現する「TMS」をはじめとした、「GOAL」による付加価値の高い物流ソリューションの開発・提供を行っております。また、これらの物流ソリューションの提供は、自社のセールスドライバーや外部輸送業者を通じて行うことから、営業費用の80%以上を人件費と外注費が占めております。そのため、働き方改革の推進、輸送品質の維持・向上や輸送インフラの強化、デジタライゼーションによる生産性向上等に継続的に取り組み、人件費・外注費の適切なコストコントロールに注力しております。当連結会計年度の宅配便の取扱個数は、実質賃金のプラス基調が定着していない中、消費者マインドの改善にも足踏みが見られることや、一部大手EC事業者による自社配送網拡大の動きにより競争環境が厳しくなっていること等の影響を受け、通期で1,317百万個(前期比4.1%減)となりました。一方、平均単価は、2024年4月からの届出運賃の改定や、取引ごとの適正運賃収受の取組みを継続したこと等により、662円(同2.1%増)と上昇いたしました。また、「TMS」は、「GOAL」による提案営業等により、通期で営業収益1,249億50百万円(同10.5%増加)となりました。この結果、当セグメントの営業収益は1兆211億37百万円(同0.7%減)となりました。営業費用に関して、まず人件費は、継続的な生産性向上の取組みや、取扱個数減少を踏まえたコストコントロール等により全体としては減少いたしました。一方で、当連結会計年度においては従業員の給与水準維持を目的とした追加的な費用の計上を行う等、持続的・安定的なサービス提供のためのリソース確保に係る費用は増加傾向にあります。次に、外注費については、取扱個数減少を踏まえたコストコントロール等を実施したものの、期初からのパートナー企業への委託単価の引き上げの影響や、「TMS」の売上高増加等により増加いたしました。この結果、営業利益は692億57百万円(同15.0%減)となり、営業利益率は6.8%と前連結会計年度から1.1ポイント低下いたしました。 ・ロジスティクス事業ロジスティクス事業におきましては、主に当社の連結子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS Limitedを中心に海外で展開するフレイトフォワーディングに加え、デリバリー事業と連携した3PLや日本発着の国際輸送を展開しております。また、当社グループは、2024年7月に低温物流に強みを持つ株式会社C&Fロジホールディングス株式を取得し、第3四半期連結会計期間に完全子会社化することで、低温物流領域の基盤を獲得いたしました。このように当セグメントは、フレイトフォワーディングを中心とする国際物流事業と低温物流領域や3PLを中心とする国内物流事業の機能を有しており、当セグメントにおけるEXPOLANKA HOLDINGS Limitedの営業収益の構成比は、おおよそ6割程度となっております。当連結会計年度におきましては、国際物流事業に関して、紅海の通航回避による海上輸送の混乱やそれに伴う航空輸送へのシフトによる市場価格の変動に加え、価格交渉が進捗したこと等を背景に、海上・航空運賃は上昇いたしました。また、海上・航空貨物の取扱量は、上記の紅海の影響や新規顧客の獲得等により好調に推移いたしました。加えて、国内物流事業に関しては、第3四半期連結会計期間から株式会社C&Fロジホールディングスの業績を、当社グループの連結業績に含めたことにより、営業収益が増加しております。この結果、営業収益は3,813億39百万円(前期比73.5%増)、営業利益は68億56百万円(前期は営業損失48億54百万円)となりました。 ・不動産事業不動産事業におきましては、当社グループの物流施設を中心に不動産の開発、賃貸、管理を行っております。当連結会計年度におきましては、第2四半期連結会計期間及び第4四半期連結会計期間に保有不動産を売却したことにより、営業収益は239億76百万円(前期比89.9%増)、営業利益は105億18百万円(同47.3%増)となり、営業利益率は43.9%と前連結会計年度から12.7ポイント低下いたしました。 ・その他その他の事業におきましては、人材派遣・請負、自動車整備・販売、宅配便の代金引換サービスや物流システムの開発・運用等の物流附帯サービスを提供しております。当連結会計年度におきましては、BPO案件の減少のほか、大型トラック等の新車販売が減少したことにより、営業収益は527億86百万円(前期比5.8%減)、営業利益は18億93百万円(同44.5%減)となり、営業利益率は3.6%と前連結会計年度から2.5ポイント低下いたしました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報・財務戦略の基本的な考え方当社グループは、高い財務健全性と資本効率を両立しつつ、中長期的な企業価値向上のための成長投資の実施と株主還元の充実を図ることを財務戦略の基本方針としております。 ・財務健全性の状況当社グループは、中長期的な企業価値向上のための成長投資を支える強固な財務基盤が必要と考えております。当連結会計年度末の自己資本比率は55.8%となり、前連結会計年度末に比べ8.6ポイント低下いたしました。今後も財務健全性の維持に努めてまいります。 ・資本効率の向上当社グループは資本コストを重視し、投資において投下資本利益率が資本コストを上回るよう管理し、ROEの維持・向上を意識した経営を実施しております。当連結会計年度のROEは10.0%と、前連結会計年度から0.3ポイント低下いたしました。今後も成長が期待される分野へ規律ある投資を行うことで、企業価値の最大化に努めてまいります。 ・フリーキャッシュ・フローの状況当社グループは、フリーキャッシュ・フローを営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計と定義し、成長投資、内部留保や株主還元などを検討する際の指標の一つとして重視しております。(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減営業活動によるキャッシュ・フロー77,629118,60040,970投資活動によるキャッシュ・フロー△41,357△164,727△123,370フリーキャッシュ・フロー36,272△46,126△82,399 ・株主還元当社グループは、株主へ配当金による利益還元を実施しております。配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。 ・流動性の状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、1,168億61百万円となりました。当連結会計年度末の短期借入金49億5百万円と、1年内返済予定の長期借入金242億円の返済に必要な流動性を十分に満たしていると認識しております。 ・資金調達手段当社グループの事業活動における運転資金については、原則として手持資金(利益等の内部留保資金)で賄っております。設備資金等については、手持資金とのバランスを勘案し、必要に応じて外部から長期借入金で調達しております。当社グループは、当社及び国内子会社を対象に、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を利用し、グループ内資金の包括的管理を実施しており、国内子会社において、設備投資等に伴う大規模な資金が必要となる場合は、当社が国内各子会社に長期貸付を行っております。なお、当社の連結子会社である株式会社C&Fロジホールディングス(現:名糖運輸株式会社)においては、資金調達の一部を金融機関から直接行っております。海外子会社においては、当社が、投資計画・資金計画に基づいて貸付又は増資引受けを行い、地域に所在する海外各子会社の資金を管理する体制としております。また、外貨資金需要への機動的な対応と調達手段の多様化を目的として、金融機関との間に外貨建貸越極度枠を設定しております。なお、当社の連結子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS Limited及び上海虹迪物流科技有限公司においては、資金調達の一部を金融機関から直接行っております。翌連結会計年度につきましても、上記の方針に基づき資金調達を行う予定であります。なお、重要な設備の新設計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設」に記載のとおりであります。また、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(取得による企業結合)」に記載のとおり、2025年5月20日にMorrison Express Worldwide Corporationの全株式を取得しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、当社グループが採用している重要な会計方針や重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。当社グループは連結財務諸表を作成するに当たり、のれんの評価、退職給付に係る負債、税効果会計、貸倒引当金の計上等において、過去の実績等を勘案するなど合理的な見積りを行い、その結果を反映させておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるためこれらの見積りとは異なる場合があります。

※本記事は「SGホールディングス株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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