| 会社名 | 日本発条株式会社 |
| 業種 | 金属製品 |
| 従業員数 | 連17953名 単5281名 |
| 従業員平均年齢 | 41.8歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 18.5年 |
| 平均年収 | 7914122円 |
| 1株当たりの純資産 | 1999.16円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 224.73円 |
| 決算時期 | 3月 |
| 配当金 | 69円 |
| 配当性向 | 46.1% |
| 株価収益率(PER) | 7.1倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 11.9% |
| 営業活動によるCF | 557億円 |
| 投資活動によるCF | ▲477億円 |
| 財務活動によるCF | ▲236億円 |
| 研究開発費※1 | 20.06億円 |
| 設備投資額※1 | 43.07億円 |
| 販売費および一般管理費※1 | 688.86億円 |
| 株主資本比率※2 | 41.2% |
| 有利子負債残高(連結)※3 | 702.14億円 |
経営方針
| 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、下記の企業理念を経営の基本方針として、常にお客様に魅力ある商品・サービスを提供して持続的な成長を図るとともに、ステークホルダーの期待に応え、信頼される企業集団を目指しております。 当社の企業理念グローバルな視野に立ち、常に新しい考え方と行動で企業の成長をめざすと共に、魅力ある企業集団の実現を通じて豊かな社会の発展に貢献する。 当社は自動車部品で培った「金属の熱処理・塑性加工技術」、「シミュレーション技術」、情報通信分野の部品における「精密・微細加工技術」、「金属接合技術」などのコア技術を駆使し、自動車及び情報通信分野へ多くのキーパーツを提供しております。 今後ますます進む自動車の電動化、情報通信の高度化等、激変する事業環境への対応を加速し、将来に向けた安定的な収益基盤を確立するとともに、カーボンニュートラルをはじめとする社会課題に積極的に取り組み、「持続可能な社会」への貢献を目指します。 (2)経営戦略等 当連結会計年度は、2026年度を最終年度とする中期経営計画「2026中計」の初年度となりました。この「2026中計」においては、「人を大切にし、社会へ貢献する」「サステナビリティ活動の更なる推進」をスローガンに、「人を大切にする」「社会へ貢献する」「ちゃんと買って ちゃんと造って ちゃんと売る」を基本方針として、企業価値並びに収益力の向上を目指して取り組んでまいりました。 2025年度は、「2026中計」の2年目の年度となります。グループ経営方針として「人の価値:従業員、ステークホルダーを大切にする」「社会的価値:社会課題の解決に貢献する」「経済的価値:儲かる会社を目指す」「製品の価値:なくてはならないキーパーツを提供する」の4つを掲げ、“4つの価値”の好循環をつくることで、グループ一丸となって企業価値の向上に取り組んでまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、「2026中計」における経営目標を次のとおり定めております。 自動車関連市場、情報通信関連市場とも増収を計画しており、自動化推進や生産性改善を進め利益率の向上を目指します。 2024年度実績、2025年度予想、及び2026年度目標経営指標 2024年度実 績2025年度予 想2026年度目 標売上高(億円)8,0168,0008,500営業利益(億円)521470520経常利益(億円)579530570親会社株主に帰属する当期純利益(億円)481400430ROE 11.9%9.6%10%以上ROIC 8.3%7.1%7%以上配当性向 30.7%33.6%30%以上自己資本比率 58.5%59.3%50%以上(注)2026年度目標値の主な前提条件:全世界自動車生産台数98百万台、HDD生産台数118百万台、為替レート145円/米ドル (4)経営環境 当連結会計年度における世界経済は、リスクが高まる中でも底堅い成長を維持しました。一方、地政学的な緊張と景気後退への懸念継続に加え、世界各国での政策の転換により、不確実性が高まっています。 当社グループの主要な事業分野であります自動車関連市場においては、国内をはじめ、一部の国を除く海外におきましても、前期より自動車生産台数が減少となりました。 当連結会計年度における自動車生産台数 台 数前期比内日系前期比全世界92,820千台△0.7%24,957千台△6.8%国別国内8,270千台△2.5%--北米(米国・カナダ)11,868千台△3.9%4,242千台△1.8%メキシコ4,216千台4.2%1,322千台5.9%タイ1,478千台△20.4%1,221千台△22.6%中国30,950千台3.6%3,086千台△20.5%(注)上記台数は各拠点の決算期に応じて集計しております。 もう一方の主要な事業分野であります情報通信関連市場につきましては、HDDの世界生産台数が前期比で増加し、当社の主力製品でありますサスペンションの総需要は増加となりました。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題<事業全般> 世界経済は、米国に端を発した各国での通商政策見直しの影響による先行き懸念により当面不安定な状況が続き、特に自動車関連分野ではグローバル生産拠点の見直しや電動化の流れにも変化が見込まれます。また、インフレに伴うコストの上昇、人材確保の難しさなど、当社グループを取り巻く事業環境は厳しさを増しており、このような激変する事業環境への対応を加速しながら、持続的に成長していくことが当社グループの課題であります。 環境変化に柔軟に対応し、お客さまのご要望に向き合いながら、スピーディーな事業展開を行うとともに、多様な人材の成長と活躍を促し、なくてはならないキーパーツを提供することで、社会と地球環境課題の解決に貢献する会社になるという好循環を作り出し、ニッパツグループの価値を高めてまいります。 <懸架ばね事業> 懸架ばね事業では、原材料や物流、動力光熱費等の価格高騰に加え、価格競争の激化、北米拠点での安定的な労働力確保の難しさといった課題を抱えております。これに対し、グローバル全拠点での安定生産、供給体制の確立を図るべく取り組んでまいります。北米拠点での売価改善、生産性改善、最適受注戦略の推進や、ばねの付加価値向上、モノづくり改革の促進等に取り組み、収益力の強化に努めてまいります。 自動車業界では、グローバル生産拠点の見直しや電動化の流れにも変化が見込まれます。懸架ばねそのものの需要には大きな影響はないと考えられる一方、ますます強まる軽量化、高耐久化、省スペース化への要請に応えるべく、加工技術並びに新鋼種の開発等を加速させてまいります。 <シート事業> シート事業は、原材料や物流、動力光熱費等の価格高騰への対応として販売価格への転嫁を進めたものの、国内外での自動車生産台数の減少の影響が大きく、前年度の過去最高益からは減益となっています。引続き、自動車メーカーとの更なる関係強化を図り、高品質、高機能の独立系サプライヤーとして、顧客志向の徹底と品質第一の2点を軸にグローバルに事業を展開し、収益力の強化に努めてまいります。 当社シート事業の強みは、金属加工、ウレタン、縫製などシートに必要な各種工程を内製しており、車酔い低減シートなど、シートコンプリート品の総合的な設計開発力を保有していることであります。これらの強みを活かし、電動化並びに自動運転化で求められる軽量化や乗り心地向上に応えるシートの開発に取り組んでまいります。 <精密部品事業> 精密部品事業は、原材料や物流、動力光熱費等の価格高騰に加え、自動車関連分野における電動化進展への対応や、情報通信関連分野におけるHDDメーカーの需要変動への対応が課題であります。なお、自動車関連分野の電動化の動向は、米国での政策変更の影響により変化が見込まれることから、より迅速かつ柔軟な対応が求められています。 キーパーツ部品の一つであるモーターコアにつきましては、NHKスプリングメキシコ社での新工場棟を竣工し、グローバルでの生産体制拡充が完了したことから、工法の見直しや新技術開発を加速し、一層の競争力の強化を図ってまいります。 <DDS事業> DDS事業は、HDDメーカーの旺盛な需要を受け、サスペンションの販売は現在堅調に推移しています。今後も高容量化が進み、サスペンションに要求される機能は高度化するものと考えており、弛まぬ技術開発と生産性向上による競争力の維持強化が課題であります。継続的な開発力・技術力・品質の向上や、AIを活用したAOIの導入等の合理化施策を進めつつ、適切に生産能力を増強することにより、更なる収益確保を図ってまいります。 <産業機器ほか事業> 半導体プロセス部品につきましては、宮田工場の更なる増強を進めてまいりましたが、半導体市場回復に伴い需要が増加していることから、伊勢原工場、宮田工場の二工場体制で最適な生産配分を実施し、一層の収益力の向上に取り組んでまいります。 また、金属基板につきましては、車載LED向けをはじめとした従来製品の拡販、パワーモジュール、AC-DC、DC-DCコンバーターといった自動車の電動化に対応した製品の開発及び拡販を進めるとともに、駒ヶ根工場とNHKマニュファクチャリングマレーシア社新工場の増強を行ってまいります。 その他事業につきましては、選択と集中を進めてまいります。 |
経営者による財政状態の説明
| 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の状況の概要(1)経営成績 当連結会計年度における世界経済は、リスクが高まる中でも底堅い成長を維持しました。一方、地政学的な緊張と景気後退への懸念継続に加え、世界各国での政策の転換により、不確実性が高まっています。 当社グループの主要な事業分野であります自動車関連市場においては、国内の自動車生産台数は8,270千台で前期比2.5%の減少となりました。また、北米(米国・カナダ)においては11,868千台で前期比3.9%減少、中国では30,950千台で前期比3.6%の増加、タイでは1,478千台で前期比20.4%の減少となりました(いずれも台数は各拠点の決算期に応じた集計)。 もう一方の主要な事業分野であります情報通信関連市場につきましては、HDD(ハードディスクドライブ)の世界生産台数が前期比で増加し、当社の主力製品でありますサスペンションの総需要は増加となりました。 以上のような経営環境のもと、売上高は801,698百万円(前期比4.5%増)、営業利益は52,160百万円(前期比50.5%増)、経常利益は57,960百万円(前期比21.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は48,167百万円(前期比22.9%増)となりました。 (2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析をしております。 [懸架ばね事業] 懸架ばね事業は、メキシコでの新規品立上に伴う一時費用の増加に加え、タイの自動車需要の低迷により、売上高は169,107百万円(前期比1.2%減)、営業利益は464百万円(前期比71.0%減)となりました。営業利益の主な増減要因は以下のとおりであります。品種構成差 △50億円材料市況 13億円為替 2億円合理化 46億円固定費その他 △22億円 [シート事業] シート事業は、北米の減産及び品種構成差、タイでの減産影響等により、売上高は303,908百万円(前期比6.2%減)、営業利益は11,227百万円(前期比41.3%減)となりました。営業利益の主な増減要因は以下のとおりであります。品種構成差 △126億円材料市況 23億円為替 6億円合理化 41億円固定費その他 △23億円 [精密部品事業] 精密部品事業は、自動車関連事業においては、BEV(Battery Electric Vehicle)の需要が踊り場を迎える一方、HEV(Hybrid Electric Vehicle)が好調となり当社製品の需要が増加しました。情報通信関連事業においては、データセンター向け高容量HDDの需要回復によりHDD用機構部品の数量が増加しました。それらの結果、売上高は、101,992百万円(前期比7.9%増)、営業利益は4,289百万円(前期比549.4%増)となりました。営業利益の主な増減要因は以下のとおりであります。品種構成差 24億円材料市況 0億円為替 1億円合理化 31億円固定費その他 △20億円 [DDS事業] DDS事業は、データセンター向け高容量HDDの需要が回復し、HDD用サスペンション需要が急増した結果、売上高は、111,511百万円(前期比65.9%増)、営業利益は26,673百万円(前期比313.1%増)となりました。営業利益の主な増減要因は以下のとおりであります。品種構成差 221億円材料市況 0億円為替 28億円合理化 1億円固定費その他 △48億円 [産業機器ほか事業] 産業機器ほか事業は、半導体市場の持ち直しの影響を受けた半導体プロセス部品の数量回復を主要因とし、売上高は115,179百万円(前期比4.7%増)、営業利益は9,505百万円(前期比39.5%増)となりました。営業利益の主な増減要因は以下のとおりであります。品種構成差 23億円材料市況 8億円為替 7億円合理化 25億円固定費その他 △36億円 (3)経営成績の分析①売上高、営業利益 「(2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況」に記載のとおりです。 ②営業外損益 営業外損益は、5,799百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ7,362百万円の減少となりました。為替レートの変動による為替差損を計上したことが主な要因となります。 ③特別損益 特別損益は、1,657百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ7,354百万円の減少となりました。減損損失が減少した一方で、投資有価証券売却益が減少したことが主な要因となります。 ④法人税等 税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は16.2%となり、前連結会計年度の30.0%と比べ低下しました。前連結会計年度においては、投資有価証券の売却による課税所得の増加により税額控除の影響が相対的に減少したことや、海外拠点における固定資産の減損損失の計上等により、負担率が増加していましたが、当連結会計年度においては、投資有価証券売却益が減少したことにより税額控除の影響が相対的に増加したことに加え、固定資産の減損損失が減少したため、負担率が低下しました。 ⑤非支配株主に帰属する当期純利益 非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の564百万円に対し1,788百万円となりました。 ⑥親会社株主に帰属する当期純利益 親会社株主に帰属する当期純利益は48,167百万円で、前期比22.9%の増益となりました。1株当たり当期純利益は224.73円となり、前連結会計年度に比べ51.46円増加しました。 (4)財政状態の状況 当連結会計年度末の総資産については、時価評価により投資有価証券が減少しましたが、為替レートの変動により、在外子会社の資産の円換算額が押し上げられたほか、設備投資額等の増加により有形固定資産が増加しました。その結果、総資産は前連結会計年度末に比べ6,050百万円増加し、696,340百万円となりました。 負債については、投資有価証券の時価の下落による繰延税金負債の減少や、前期に対して課税所得が減少したことによる未払法人税等の減少などがあったものの、有利子負債が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ3,453百万円増加し、273,168百万円となりました。 純資産については、自己株式の取得等により減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ2,597百万円増加し、423,172百万円となりました。 (5)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は81,805百万円で前期比12.1%の減少となりました。 営業活動の結果得られた資金は、55,713百万円(前年同期比16.5%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費、法人税等の支払等によるものであります。 投資活動の結果使用した資金は、47,784百万円(同361.7%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものであります。 財務活動の結果使用した資金は、23,625百万円(同12.5%増)となりました。これは主に、長期借入れやコマーシャル・ペーパーの発行による収入があったものの、自己株式の取得や配当金の支払による支出、長期借入金の返済やコマーシャル・ペーパーの償還による支出等によるものであります。 生産、受注及び販売の実績(1)生産実績 当社グループの生産実績は、販売実績と近似しておりますので、記載を省略しております。 (2)受注実績 当社グループの受注実績は、販売実績と近似しておりますので、記載を省略しております。 (3)販売実績 当社グループの販売実績は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(収益認識関係)1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報」をご参照ください。 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月26日)現在において判断したものであります。 (1)重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の報告金額、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り及び仮定を設定する必要があります。当社グループは、以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。 また、当連結会計年度末時点において行った重要な会計上の見積りに用いた仮定のうち、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に特に重要な影響を及ぼすリスクがあると考えている項目については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。 ① 重要な収益及び費用の計上基準 当社グループにおける重要な収益及び費用の計上基準につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) (4)会計方針に関する事項 (ホ)重要な収益及び費用の計上基準」をご参照ください。 ② 貸倒引当金 当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に再建計画などを考慮した上で、回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。 ③ 固定資産の減損 当社グループが有する固定資産について、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認しております。この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。 回収可能価額は、不動産鑑定結果などに基づく売却可能価額又は将来の経営計画に基づく将来キャッシュ・フローの割引現在価値で算出しており、経済環境の変化などによる、時価の変動、経営計画との乖離、割引率の変動により、減損額の算定に影響を与える可能性があります。 なお、原材料費・人件費・資源エネルギー価格等の上昇影響に関しては、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、顧客からの回収を見込むとともに、翌連結会計年度以降の一定期間にわたり当影響が引き続き影響するものとの仮定に基づいております。これらの仮定に対して、その後の得意先の稼働調整などにより大きな差が生じた場合には、今後の固定資産の減損処理に影響を与える可能性があります。 ④ 投資の減損 当社グループは、投資の評価にあたっては、時価の回復可能性があると認められる場合を除き、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に減損処理を実施し、下落率が30%以上50%未満の場合には時価の回復可能性の判定を行い、回復可能性がないと判断した場合は減損処理を行っております。 回復可能性の判断においては、帳簿価額を下回った期間の長さ及び下落幅、当該会社の財務状況及び将来の展望を考慮しますが、市場の変化や経済環境の変化などにより投資の評価額が影響を受ける可能性があります。 ⑤ 繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産の計上にあたっては、連結会計年度末時点の将来減算一時差異に対して翌期以降で適用される法定実効税率を用いて計上しておりますが、将来的な課税当局による法定実効税率の変更により、繰延税金資産が増減し、利益を増減させる可能性があります。 また、繰延税金資産を、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来減算一時差異の解消スケジュール、将来の経営計画に基づく課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、経営環境・経営計画の変化により、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産の調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。 ⑥ 退職給付費用 当社グループにおける退職給付費用及び債務は、その計算の際に使われた仮定により変動いたします。これらの仮定には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の期待収益率及び死亡率などの要因が含まれております。 割引率は、国債などの低リスクの債券の利回りに基づいて設定しており、年金資産の期待収益率は、企業年金基金などの年金資産における長期の収益率を基に設定しております。 これらの仮定と実際の結果との差額や、年金資産の時価の増減による影響は連結包括利益計算書を通じて即時認識されます。当社グループは使用した仮定が妥当なものであると考えておりますが、実績との差異又は仮定自体の変更により、退職給付費用及び退職給付に係る資産・負債に影響を与える可能性があります。 (2)当連結会計年度の経営成績の分析 「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。 (3)資本の財源及び資金の流動性についての分析① キャッシュ・フロー 「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。 ② 財務戦略の基本的な考え方 当社グループは、企業価値向上のために、適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本としており、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行し、資本コストを意識した株主還元及び効率性と安全性のバランスが取れた資本構成を実現することが重要であると考えております。 当社グループの自己資本比率は50%超と健全性が高く、「シングルAフラット」の信用格付(格付投資情報センター(R&I)による格付)を取得しております。今後も50%以上の水準を維持することを目標と定め、引き続き信用格付の維持・向上と更なるリスク耐性の強化を図ってまいります。 また、2026年度を最終年度とする「2026中計」では、財務指標目標としてROE10%以上、ROIC7%以上を掲げております。2024年度実績ではROE11.9%、ROIC8.3%となりましたが、引き続き資本コストや資本収益性を十分に意識し、持続的な成長の実現に向けた投資を推進してまいります。株主還元については、株主の皆様への利益配当を最重要事項と認識しており、連結業績及び配当性向等を総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本とし、配当性向を30%以上とすることを目標としております。2024年12月開催の取締役会において13,000千株、26,000百万円のいずれかを上限とする自己株式取得を決議し、買付を行ってまいりましたが、2025年4月において買付を完了し、累計で13,000千株、23,607百万円を取得いたしました。これにより、当連結会計年度末で保有する自己株式は、26,944千株でありましたが、買付終了時においては28,294千株となっております。なお、保有している自己株式については、保有する上限を発行済株式総数の5%程度を目安として、それを超える数については、原則として消却する方針であり、2025年3月31日に13,000千株(消却前発行済株式総数に対する割合5.33%)を消却いたしました。今後の消却時期については、財務状況や事業環境などを考慮しながら、総合的に判断してまいります。 ③ 資金調達の考え方 当社グループでは、製品製造のための材料及び部品、研究開発費等、事業活動に係る運転資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については、コマーシャル・ペーパーや銀行借入によって、連結売上高の1.5ヶ月分を目安に流動性の保持を図っております。 設備投資資金については、カーボンニュートラル対応を含め、各事業の設備投資計画に基づき、国内外での資金調達について、市場金利動向や為替動向、あるいは既存借入金の返済時期等を総合的に勘案し、銀行借入及び社債の発行等によって資金を賄っております。 当連結会計年度末時点における有利子負債残高は前期末に比べて24,403百万円増加し、71,817百万円となりました。 また、当社グループでは、グループ間融資によって資金融通を行う事で資金効率を高めております。一部の海外関係会社については、現地金融機関より調達をしております。その際、当社が関係会社の借入に対し債務保証の差入れを行うことがあります。 なお、インフレに伴うコスト上昇、急激な為替変動、米国に端を発した各国での通商政策見直しの影響等、先行き不透明な状況が続いておりますが、営業キャッシュ・フローの下振れリスクに備えて、当座貸越枠に加え、政策保有株式の売却等により手元流動性を確保する体制を整えております。今後も、非常時に備えた資金調達の確保に努めてまいります。 |
※本記事は「日本発条株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)


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