| 会社名 | 森永乳業株式会社 |
| 業種 | 食料品 |
| 従業員数 | 連7453名 単3310名 |
| 従業員平均年齢 | 40.2歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 16.8年 |
| 平均年収 | 7924888円 |
| 1株当たりの純資産 | 3187.41円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 64.6円 |
| 決算時期 | 3月 |
| 配当金 | 90円 |
| 配当性向 | 0% |
| 株価収益率(PER) | 48.2倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 2% |
| 営業活動によるCF | ▲124億円 |
| 投資活動によるCF | ▲187億円 |
| 財務活動によるCF | ▲50億円 |
| 研究開発費※1 | 34000000円 |
| 設備投資額※1 | 299.26億円 |
| 販売費および一般管理費※1 | 827.32億円 |
| 株主資本比率※2 | 36.9% |
| 有利子負債残高(連結)※3 | 750.97億円 |
経営方針
| 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。1.経営の基本方針 当社グループは2017年9月に創業100周年を迎えるにあたり、新たなコーポレートミッションを策定しました。 コーポレートスローガン 「かがやく“笑顔”のために」 経営理念 「乳で培った技術を活かし 私たちならではの商品をお届けすることで 健康で幸せな生活に貢献し豊かな社会をつくる」 新しい100年に向けて、当社グループは、笑顔あふれる豊かな社会の実現のため、私たちならではの価値を高め、その価値をお届けし続けることによって、より一層社会に貢献してまいります。 2.中長期的な会社の経営戦略、経営環境および対処すべき課題等当社グループは10年先を見据えた「森永乳業グループ10年ビジョン」を、2019年4月に制定しております。当ビジョンでは、「『食のおいしさ・楽しさ』と『健康・栄養』を両立した企業へ」「世界で独自の存在感を発揮できるグローバル企業へ」「サステナブルな社会の実現に貢献し続ける企業へ」を10年後の当社グループのありたい姿と定め、「営業利益率7%以上」「ROE10%以上」「海外売上高比率15%以上」を2029年3月期の数値目標に設定いたしました。・「森永乳業グループ10年ビジョン」 ・「中期経営計画 2025-28」(2026年3月期~2029年3月期)当社グループでは2025年3月期までの3年間において「中期経営計画 2022-24」のもと取り組みを進めてまいりました。この間、新型コロナウイルス感染症の拡大と収束、長期化する国際紛争、国内における物価上昇による家計や企業収益への影響などさまざまな環境変化への対応を進めながら、将来の成長に向けた取り組みを並行して実施してまいりました。その結果、当中期経営計画の最終年度(2025年3月期)の連結数値目標であります売上高5,700億円、営業利益300億円には若干の未達となりましたが、国内外の今後の成長のための布石の実行や事業基盤の強化などを着実に進めてまいりました。そのような中、新たに2026年3月期より4年間の「中期経営計画2025-28」をスタートいたします。「中期経営計画2025-28」では、「森永乳業グループ10年ビジョン」の実現を目指し、さらにもう一歩先のありたい姿である「大きな特徴を持ち、利益率の高い企業へ」に向かって取り組みを進めてまいります。 「中期経営計画2025-28」を策定するにあたり「Merihari(メリハリ)」という考え方を重視しました。カテゴリーごとの位置づけ・役割を明確化し、強弱をつけた資源配分や体制再編を行うことで森永乳業グループの持続的な成長の土台をつくるとともに、ひとりひとりが常に「濃淡」と「スピード」を意識して業務を遂行するとともに、新しいことにチャレンジする風土を醸成することで、生産性とエンゲージメントの向上に取り組んでまいります。当中期経営計画では成長戦略、構造改革、組織風土改革の3つの基本方針を定めています。成長戦略として、これまでの全方位思考から脱却しヨーグルト、アイス、菌体、海外育児用ミルクなど、当社グループの強みを最大限活かせる領域へ経営資源を集中し収益拡大を図ってまいります。構造改革として、商品力・販売力向上に向けバリューチェーン全体の最適化を意識した組織の再構築や、設備能力の制約から機会ロスとなっているヨーグルト、アイス設備の拡充、生産体制再編による生産効率の向上を図ってまいります。組織風土改革として、新たにROIC目標を導入しより一層資本コストへの意識を高め、利益成長に加えて、投資案件のスクリーニング、キャッシュコンバージョンサイクル改善等により中長期的な企業価値向上を目指してまいります。また、高い専門性と多様性に富んだ人財集団の形成に向けた取り組みを推進するとともに、将来財務価値につながるプレ財務指標としてエンゲージメントレーティングの目標値も新たに設定いたしました。キャッシュアロケーションおよび株主還元につきましては、成長領域へ資源を集中させるとともに、最適資本構成(※)に向けて有利子負債の活用と株主還元の強化を進め、資本コストの低減を図ってまいります。配当性向目標をこれまでの30%から40%に引き上げるとともに、状況に応じて機動的な自己株式の取得を実施する考えのもと、2026年3月期は100億円(上限)の自己株式の取得と消却を予定しています。以上のビジョン・計画のもと、次期(2026年3月期)を新たなステージに向かうための重要なスタートの1年と位置付け、企業価値向上に向けて取り組んでまいります。(※)最適資本構成の考え方 ・当面はネット有利子負債/株主資本0.4~0.5倍程度を目安(内外環境にあわせ毎期見直し) ・将来の投資計画を踏まえた中長期の時間軸で段階的に最適化 「中期経営計画2025-28」最終年度目標(2029年3月期) 2029年3月期目標対2025年3月期増減額対2025年3月期増減率2025年3月期実績連結売上高6,300億円688億円12.3%5,612億円連結営業利益440億円143億円48.4%297億円売上高営業利益率7%–5.3%海外売上高比率15%–12.5%ROE(当期純利益/自己資本)10%–2.0%ROIC(税引き後営業利益/投下資本)7%–5.7%社員エンゲージメントレーティングBBB–B 3.2026年3月期業績見通し国内においては、雇用・所得環境の改善のもと緩やかな景気回復が続くことが期待される一方、物価上昇による家計や企業への影響は今後も継続すると考えられ、引き続き国内外の情勢の動向を注視する必要があります。当社グループにおいても、原材料・エネルギー価格および物流コストや人件費のさらなる上昇の影響が見込まれます。これに対し、引き続き価格改定の浸透に努めるほか、利益率の高い事業や商品の拡大によるプロダクトミックスの改善、グループ全体でのコストの見直しなどをさらに推進させるなどの対応を図ってまいります。2026年3月期より4年間の「中期経営計画2025-28」をスタートいたします。「中期経営計画2025-28」では、「森永乳業グループ10年ビジョン」の実現を目指し、さらにもう一歩先のありたい姿である「大きな特徴を持ち、利益率の高い企業へ」に向かって取り組みを進めてまいります。次期(2026年3月期)を新たなステージに向かうための重要なスタートの1年と位置付け、企業価値向上に向けて取り組んでまいります。 2026年3月期通期業績見通し 2026年3月期予想対前年増減率2025年3月期実績連結売上高580,000百万円3.4%561,173百万円連結営業利益32,000百万円7.9%29,658百万円連結経常利益31,900百万円6.8%29,864百万円親会社株主に帰属する当期純利益19,000百万円248.0%5,459百万円(その他重要経営指標) 売上高営業利益率5.5%-5.3%海外売上高比率12.5%-12.5%ROE(当期純利益/自己資本) 7.1%-2.0%ROIC(税引き後営業利益/投下資本)6.0%-5.7% 2026年3月期営業利益増減要因見通し「中期経営計画 2025-28」における事業分野別業績見通し(2026年3月期) 2026年3月期予想対前年増減率(差)成長分野 売上高127,500百万円7.7%成長分野 営業利益15,100百万円1,326百万円 2026年3月期予想対前年増減率(差)基幹分野 売上高367,000百万円4.0%基幹分野 営業利益14,700百万円1,002百万円 2026年3月期予想対前年増減率(差)育成・その他分野 売上高85,500百万円△4.8%育成・その他分野 営業利益2,200百万円14百万円 2026年3月期予想対前年増減率(差)(内訳)海外事業 売上高72,590百万円3.8%(内訳)海外事業 営業利益11,283百万円3,807百万円 |
経営者による財政状態の説明
| 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、連結財務諸表の作成にあたっては、主として期末日現在などの判断に基づき金額を見積った項目があります。特に以下の項目に関する見積額は、実際の結果と異なる可能性があります。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。① 貸倒引当金貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、今後の個別の業況などによっては、追加引当もしくは取崩しが必要となる可能性があります。② 退職給付費用および債務退職給付費用および退職給付債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。③ 投資有価証券の減損投資有価証券については、その価値の下落が一時的ではなく回復可能性が無いと認められる場合に減損処理を実施しておりますが、今後の市況や投資先の業況などにより、さらに減損処理が必要となる可能性や価格が回復する可能性があります。④ 棚卸資産の評価棚卸資産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき処理を行っております。評価を行うに当たっては、正味売却価額に基づき収益性の低下を検討しております。また、一定期間を超えて在庫として滞留する棚卸資産についても、簿価を切り下げております。今後の市況や需要動向によっては、追加の評価減が必要となる可能性があります。 (2) 経営成績当期は長期化する国際紛争や欧米を中心とする政策動向の変化など、国際社会におけるさまざまな影響や世界経済の下振れリスクが生じました。国内においては、雇用・所得環境の改善のもと緩やかな景気回復が続くことが期待された一方、物価上昇による家計や企業への影響は今後も継続すると考えられ、引き続き国内外の情勢の動向を注視する必要があります。そのような中、森永乳業グループにおいては「中期経営計画2022-24」のもと、当社グループならではの「健康価値」と「おいしさ・楽しさ価値」の提供に努め、特に、国内外での健康ニーズの高まりを背景に、ヨーグルトや機能性素材をはじめさまざまな健康課題に配慮した「健康5領域」商品の拡大や、当社の保有するビフィズス菌の価値訴求に継続して取り組みました。また、海外事業においては中長期での成長を目指し、主力となるMILEI GmbH(ミライ社)の安定的な利益貢献や菌体の拡大を軸に取り組みを進めました。近年M&Aを実施したパキスタン、米国、ベトナムの子会社においては事業環境の大きな変化を主因とした減損損失等を計上しましたが、今後の成長に向けてそれぞれ最適な事業展開を推進すべく取り組みを進めています。一方で、原料価格および物流コストや人件費などの各種オペレーションコストについては、前期に引き続きコストアップの影響を受けました。これに対し価格改定の取り組みに継続して努めたほか、利益率の高い事業や商品の拡大によるプロダクトミックスの改善、グループ全体でのコストの見直しをさらに推進させるなどの対応を図りました。 ・「中期経営計画 2022-24」(2023年3月期~2025年3月期)2025年3月期までの3年間の「中期経営計画 2022-24」では、社会課題の解決と収益力向上の両立を目指し、「事業の高付加価値化を通じた持続的成長の実現」、「将来を見据えた経営基盤のさらなる強化」、「効率性を重視した財務戦略」の3つを基本方針に定め取り組みました。また、合わせて「サステナビリティ中長期計画2030」を制定し、「食と健康」「資源と環境」「人と社会」の3つのマテリアリティテーマにより2030年の目標、KPIを定め、経営の根幹に据えるとともに、中期経営計画と相互に連動させながら取り組みを進めました。 中期経営計画の基本方針の1つ目「事業の高付加価値化を通じた持続的成長の実現」におきましては、①栄養・機能性食品事業、②主力食品事業、③BtoB事業、④海外事業の4本の柱それぞれを拡大させるとともに、特に「健康5領域」商品の拡大による横断的な健康価値提供の加速、当社独自の機能性素材・菌体の再飛躍、海外事業のポートフォリオ変革を進めました。事業活動を通じ「健康価値」と「おいしさ・楽しさ価値」を提供し、生活者の「健康」と「幸せ」に貢献すべく取り組んでまいりました。基本方針の2つ目「将来を見据えた経営基盤のさらなる強化」におきましては、構造改革、戦略投資、資産活用の観点からそれぞれ取り組みを進めました。構造改革として外部環境変化への耐性強化などに取り組み、戦略投資として研究開発機能の強化や10年ビジョンを見据えた成長投資・環境関連投資などを進めました。資産活用の観点では、知的財産基盤の強化や、国産乳資源活用の推進を図りました。基本方針の3つ目「効率性を重視した財務戦略」におきましては、成長投資の戦略的な実行、株主還元と財務体質にも留意した資金活用を目指すとともに、合わせて資本効率の視点を重視したROE改善を進めました。株主還元につきましては、財務の健全性、内部留保の重要性に留意しつつ、安定的かつ長期的な配当を実施することを基本方針としました。具体的には配当性向目標を30%(一過性要因を除く)と設定し、合わせて総還元性向を意識した対応を実施してまいりました。なお、保有する自己株式につきましては、基本的には消却しますが、将来の柔軟な資本政策に備えて一部を保有する考えのもと対応を進めました。加えて、2024年5月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を発表しました。ステークホルダーの期待に応え、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するために「収益力・効率性の向上」、「バランスシート方針のアップデート」、「IR・コーポレートガバナンスの強化」の3点に取り組み、さらなるROEの向上、PBRの改善を目指しています。なお、本方針を踏まえ、「バランスシート方針のアップデート」に基づく株主還元強化策として、自己株式の取得と消却(2024年5月~10月取得:293万株、100億円)、一株当たり年間配当金の増額(2025年3月期:90円予定、前期比30円増)、中間配当制度の導入を実施しました。 <当期の主な取り組み事項>当期は「中期経営計画2022-24」の最終年度となります。激変する環境に対応しながら、さらなる企業体質および事業の強化に努めるべく取り組みを進めました。 ◆ 原料乳・原材料・エネルギーコストおよび各種オペレーションコスト上昇への対応 – 価格改定、プロダクトミックス改善、合理化などあらゆる対応によりコスト上昇の影響を最小限に抑制◆ 「中期経営計画 2022-24」「サステナビリティ中長期計画2030」に沿った取り組みの推進 – 当社グループならではの「健康価値」と「おいしさ・楽しさ価値」を追求した、お客さまのニーズに応え る商品・高付加価値商品の提供とその価値訴求 – 栄養・機能性食品事業を中心に、ヨーグルトや機能性素材を始めとするさまざまな健康課題に配慮した 「健康5領域」商品の拡大とビフィズス菌の価値訴求 – 海外事業の中長期的な成長に向けた取り組みの推進 – 当社グループの基盤となる主力食品事業の収益基盤の強化、BtoB事業の拡大 – 経営基盤のさらなる強化に向けた成長分野への投資・2025年4月稼働:神戸工場製造棟増築・2025年4月以降順次稼働:神戸工場アイス製造設備、ほか – 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応・2024年5月発表:「収益性・効率性の向上」、「バランスシート方針のアップデート」、「IR・コ ーポレートガバナンスの強化」の3点に取り組み、企業価値の向上を目指す・特に「バランスシート方針のアップデート」に基づき、株主還元を強化 – サステナビリティ経営の推進に向けた取り組み・本業を通じた健康への貢献、気候変動・プラスチック問題など環境課題への対応、人権・多様性への 配慮、グループ全体のサステナビリティ意識の浸透など こうした取り組みの結果、当社グループの連結売上高は増収となりました。栄養・機能性食品事業および主力食品事業においては、ビバレッジ、アイスなどの価格改定効果や、機能性ヨーグルト、「マウントレーニア」などの高付加価値商品の提供に努めました。底堅い需要や価格改定効果を背景としたBtoB事業の増収などもあり、全体でも増収となりました。連結の営業利益では、原料価格や物流費、人件費など各種オペレーションコストを中心に、引き続きコストアップの影響を受けました。これに対し価格改定や利益率の高い事業や商品の拡大によるプロダクトミックスの改善、グループ全体でのコストの見直しなどをより一層推進しました。海外事業はMILEI社が下期に入り好調に転じたことに加え菌体の貢献などにより通期では増益となり、グループ全体でも増益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、投資有価証券(政策保有株式)および固定資産(土地)の売却などによる特別利益の計上の一方、前第1四半期に東京工場跡地売却による特別利益として657億円を計上したことなどや海外子会社における減損損失の計上などにより大きく減益となりました。なお、公益財団法人ひかり協会に対する負担金として、当期は約17億円を支出しました。 連結売上高561,173百万円(前年比2.6%増)連結営業利益29,658百万円(前年比6.5%増)連結経常利益29,864百万円(前年比6.3%増)親会社株主に帰属する当期純利益5,459百万円(前年比91.1%減)(その他重要経営指標) 売上高営業利益率5.3% ROE(自己資本利益率)2.0% 海外売上高比率12.5% 2025年3月期営業利益増減要因 セグメント別の状況は、次のとおりです。 (単位:百万円) 売上高前年比営業利益前年比食品事業537,7233.2%増39,8114.4%増その他の事業32,3261.8%増2,89546.2%増消去または全社△8,875 △13,048 合計561,1732.6%増29,6586.5%増 食品事業:市乳、乳製品、アイス、飲料などその他の事業:飼料、プラント設備の設計施工など (参考)「中期経営計画 2022-24」における事業分野別(4本の事業の柱)業績概況① 栄養・機能性食品事業:ヨーグルトは健康志向の高まりを背景に「ビヒダスヨーグルト」が好調に推移し、機能性ヨーグルトや「パルテノ」などの拡大にも継続して注力しました。育児用ミルクなどの栄養食品、流動食などを扱う森永乳業クリニコ社の寄与もあり、事業全体では増収となりました。また、中長期的な成長を見据え、ビフィズス菌等のプロモーションの強化にも継続的に取り組みました。 利益面では、原材料価格の上昇の影響やオペレーションコスト増加の影響を受けましたが、プロダクトミックスの改善やコスト削減などに努めました。第4四半期における販売促進費等の効率化もあり事業全体では増益となりました。栄養・機能性食品事業 売上高129,967百万円(前年比2.1%増)栄養・機能性食品事業 営業利益5,496百万円(前年差241百万円増) ② 主力食品事業:原材料価格の上昇の影響や、オペレーションコストの増加の影響を受けましたが、ビバレッジ、アイスなどの価格改定効果や、「マウントレーニア」などの高付加価値商品の拡大によるプロダクトミックスの改善、コスト削減などに努め、事業全体では増収増益となりました。主力食品事業 売上高176,429百万円(前年比0.7%増)主力食品事業 営業利益9,591百万円(前年差567百万円増) ③ BtoB事業:底堅い需要や価格改定効果を背景に業務用乳製品が伸長し、事業全体でも増収となりました。また、菌体をはじめとする当社保有の機能性素材の拡販にも継続して努めています。 利益面においては、原材料価格の上昇の影響や、オペレーションコストの増加の影響などにより減益となりました。BtoB事業 売上高99,045百万円(前年比2.7%増)BtoB事業 営業利益3,814百万円(前年差647百万円減) ④ 海外事業:ドイツ・MILEI社や米国のMorinaga Nutritional Foods, Inc.(MNF社)などが増収となり、菌体の輸出も堅調に推移するなど、事業全体では増収となりました。 利益面においては、前期に拡大したMILEI社の反動減が第1四半期に大きく影響したことやその他の子会社の回復の遅れなどがありましたが、下期に入りMILEI社が好調に転じたことに加え菌体の貢献などもあり通期では増益となりました。海外事業 売上高69,914百万円(前年比15.7%増)海外事業 営業利益7,476百万円(前年差1,308百万円増) 生産、受注及び販売の状況は次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)食品事業435,509+2.7その他の事業4,836+9.0合計440,345+2.7 (注) 金額は販売価格によっております。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)食品事業----その他の事業12,553+3.26,777+1.8合計12,553+3.26,777+1.8 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)食品事業537,723+3.2その他の事業32,326+1.8セグメント間の内部売上高または振替高△8,875-合計561,173+2.6 (3)財政状態当連結会計年度末の資産の部は、「現金及び預金」や「のれん」が減少したことなどにより、合計では前連結会計年度末に比べ、455億7千4百万円減の5,204億2千3百万円となりました。負債の部は、「未払法人税等」や「退職給付に係る負債」が減少したことなどにより、合計では前連結会計年度末に比べ、345億4千2百万円減の2,493億1千9百万円となりました。純資産の部は、「利益剰余金」の減少などにより、合計では前連結会計年度末に比べ、110億3千2百万円減の2,711億3百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.0%から51.2%に、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の3,192.33円から3,187.41円になりました。 (4)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ690億3千9百万円減の124億5千6百万円の支出となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益152億8千6百万円がキャッシュ・フローの収入となり、法人税等の支払額364億8千6百万円がキャッシュ・フローの支出となったことによります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ440億9百万円支出増の187億8千6百万円の支出となりました。主な要因は、投資有価証券の売却により85億5千2百万円の収入となり、固定資産の取得により322億2千4百万円の支出となったことによります。これらを合計したフリーキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,130億4千9百万円減の△312億4千3百万円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ335億9千6百万円支出減の50億2千8百万円の支出となりました。主な要因は、社債の発行により198億9千万円の収入となり、社債の償還により100億円の支出があった他、自己株式の取得により112億1千4百万円の支出があったことによります。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ359億6千9百万円減の285億5千9百万円となりました。 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本比率(%)43.944.945.749.051.2時価ベースの自己資本比率(%)63.551.544.347.950.0キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍)3.02.55.71.7△9.2インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)54.653.427.345.9△6.1 自己資本比率:(純資産-新株予約権-非支配株主持分)/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。※ 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。※ 2022年3月期及び2024年3月期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2021年3月期及び2023年3月期に係る数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映しております。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下の財務政策のとおりです。当社グループは、資金調達に際しては、内部資金を基本としながら、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行、社債の発行などの外部からの資金も利用しております。外部からの資金調達につきましては、安定的かつ低利を前提としながら、将来の金融情勢の変化等も勘案してバランスのとれた調達を実施しております。なお、当社(提出会社)は機動的な資金調達および当社グループ全体の資金効率アップのため、金融機関11行と総額200億円のコミットメントライン契約を締結しております。調達した資金につきましては、経常設備投資および成長投資への支出と、財務安定性を維持(有利子負債コントロール)することにより基盤確保した上で、株主還元へ振り分けております。 |
※本記事は「森永乳業株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)


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