株式会社マネーフォワードの基本情報

会社名株式会社マネーフォワード
業種情報・通信業
従業員数連2597名 単1680名
従業員平均年齢34歳
従業員平均勤続年数2.5年
平均年収7113368円
1株当たりの純資産647.62円
1株当たりの純利益(単体)-116.32円
決算時期11月
配当金0円
配当性向0%
株価収益率(PER)-96.12倍
自己資本利益率(ROE)(連結)-28.8%
営業活動によるCF▲47億円
投資活動によるCF▲95億円
財務活動によるCF203億円
研究開発費※12.07億円
設備投資額※165.81億円
販売費および一般管理費※1933.42億円
株主資本比率※245.6%
有利子負債残高(連結)※3189.5895億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営方針当社グループは、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というMissionの下、「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」というVisionを掲げ、5つのドメインにおいてプラットフォームサービス事業を展開しております。 (2)経営環境及び経営戦略当社グループの主な事業モデルは、サービスの利用に応じて収益を計上する、いわゆるSaaSモデルとなっています。導入時に売上の全額が計上されるモデルに比べ、黒字化までに時間を要する一方、解約率が低く、中長期では非常に収益性が高いのが特徴です。市場環境としましては、当社グループの事業運営に追い風となるような様々な動きが活発化しております。主なものとしては、リモートワークや副業など新たな働き方の広がりとともにクラウドサービス導入のニーズが一層高まっていることに加え、2022年1月の改正電子帳簿保存法の施行、2023年10月からのインボイス制度の導入など企業のバックオフィス業務の電子化に向けた法的な整備が進んでおります。また、決済領域においても国内メガバンクにより小口の資金決済のための新たな決済インフラの設立が進められるなどキャッシュレス決済の普及を後押しする動きも見られることに加え、給与支払いのデジタル化や資産所得倍増など個人のお金の課題解決に向けた政府の取り組みも見られます。このようなビジネスモデルや市場環境を踏まえ、国内SaaS市場が急速に拡大する間に認知強化・新規顧客獲得のための先行投資を行うことが、中長期的な企業価値・株主価値の向上に資するとの判断のもと、先行投資を継続的に行っております。当連結会計年度においては、特にARR成長率が大きく加速しているBusinessドメインに事業リソースを集中させ、認知強化・新規顧客獲得のための先行投資を実施するとともに、特に成長の著しい中堅企業に対するセールス・マーケティング強化等のため採用を強化しました。翌連結会計年度においても、Businessドメインへの先行投資を継続的に投下する計画となっておりますが、中長期の方針としては、売上高の高成長と収益性の改善の両立を目指しており、広告宣伝費、並びに人件費及び外注費を対売上高比率で抑制することを中心としたコストの効率化をより進める方針であり、Businessドメインの先行投資費用についてもより厳格に費用対効果を見定めながら投下していきます。また、Businessドメインを除く4つのドメインにおいては、引き続き、成長を継続しつつも収益性の改善を優先させてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、中長期的なキャッシュ・フローの現在価値最大化を最重視し、経営の意思決定を行っております。経営指標としましては、売上高及びEBITDAを重視しております。また、当社のビジネスモデルにおいて重要な指標であるSaaS ARR(注)について見通しの開示も実施しております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは創業以来、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というMissionを掲げ、世の中からお金に関する課題や悩みをなくすことを目指しております。お金は人生において道具にすぎませんが、正しい知識がないためにお金に振り回され、やりたいことにチャレンジできない人や企業が多く存在しております。当社グループは、サービスや事業を通じて一人ひとりの人生に寄り添い、人々の生活を飛躍的に豊かにすることで、チャレンジできる社会をつくりたいと考えております。当社グループが目指す社会を実現し、持続的に企業価値を向上させるため、当社グループは、3つの重点テーマ(マテリアリティ)を設定し、これを支える土台である経営基盤とあわせて、具体的な取り組みを進めてまいります。 これらの取組を全社一体として推進していくため、サステナビリティ担当責任者としてグループ執行役員でありCoPA(Chief of Public Affairs)の瀧俊雄を任命しております。また、サステナビリティ委員会を設置しており、同委員会においてサステナビリティに関する事項を審議するとともに、サステナビリティ関連施策の遂行状況をモニタリングし、取締役会へ報告しております。サステナビリティ委員会は、取締役会が選任した委員により構成され、代表取締役社長CEOが委員長を務めます。また、必要に応じて、事業部門の責任者や社外取締役、社外監査役の出席を要請することで、サステナビリティ施策の有効性及び実効性を担保します。本委員会及び取締役会での審議を経て決定された各種施策については、本委員会事務局メンバーが、当社グループ内の関連コーポレート及び事業部門に任命するサステナビリティ担当者との連携や情報収集を通じて、全社における取組みをさらに推進します。 ① 重点テーマ(マテリアリティ) <User Forward:ユーザーの人生をもっと前へ。> ●多様なユーザー(企業、個人事業主、個人)に向けて、お金の課題を解決するサービスを提供日本の企業や個人事業主は、労働人口の減少、低い労働生産性、煩雑なバックオフィス業務、資金繰りなど、様々な課題を抱えております。これらの課題に対し、当社グループは、『マネーフォワード クラウド』などのビジネス向けサービスを通じて、バックオフィス業務の効率化や生産性向上を実現し、中長期的な企業価値の向上と持続的成長に貢献してまいります。また近年、少子高齢化や老後2,000万円問題などにより、個人の将来に関する漠然としたお金の不安は増す一方となっております。当社が提供する『マネーフォワード ME』をはじめとする個人向けサービスを通じて、お金の流れや現在の状態を見える化し、家計の改善や将来に向けた資産計画の作成に繋げることで、不安を解消することが可能になります。当社グループは、今後も多様なユーザーに寄り添ったサービスを提供し、お金に関する課題や悩みを解決してまいります。 ●ユーザーの課題をテクノロジー×デザインで解決変化のスピードが速く不確実性が高い時代において、世の中が求めるよりも早く課題を見出し、解決できるようなイノベーションを創出していくためには、テクノロジーの力が不可欠と認識しております。また、社会とテクノロジーの間には大きなギャップがあることから、それをデザインにより埋める必要があると考えております。当社グループは、先端テクノロジーによって将来の課題を予測して、解決に向けたアクションを提案するため、「自律化・ユーザビリティ」を注力領域として研究開発を推進し、ユーザー視点を取り入れたサービスをリリースしてまいります。 ●安心してご利用いただくためのセキュリティへの投資促進当社グループが提供するサービスにおいては、ユーザーのお金に関する様々な情報を多く預かっており、その情報管理を継続的に強化していくことが重要であると考えております。情報セキュリティ及び個人情報保護、第三者からの不正アクセス防止に関しては、CISO(Chief Information Security Officer、最高情報セキュリティ責任者)を設置しております。また、「情報セキュリティ基本方針(セキュリティポリシー)」、「個人情報保護方針(プライバシーポリシー)」、「パーソナルデータステートメント」その他社内規程を策定し、これらに基づいた管理を徹底しております。セキュリティ等に関しては、CISOより代表取締役及びCTOへ毎月活動報告を行い、その活動が内部監査によりモニタリングされるとともに、取締役会に四半期に1回及び随時報告がなされております。 <Society Forward:社会をもっと前へ。> ●多様なパートナーとの共創により、社会のDX化に貢献近年、ビジネス環境が激しく変化するなか、企業の競争力を高め、生産性を向上させるデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが、加速しております。当社グループでは、全国の金融機関、士業事務所、事業会社、商工会議所等、多様な事業パートナーとともに事業を進めております。今後も、既存の事業パートナーとの提携の強化、新たな事業パートナーの拡大によって、強固なエコシステムを構築し、多様なパートナーとの共創により、社会のDX化への貢献を目指してまいります。 ●より良い社会システムの実現を目指した活動当社グループは、マネーフォワード Fintech研究所での調査研究・情報発信や官庁設置の会議等における政策提言、当社グループにおける具体的取組の公表といった様々な活動を通じて制度的改革をリードしております。また、Fintech協会や電子決済等代行事業者協会などの業界団体における勉強会や交流会などの活動の運営を通じてエコシステムの拡大を図っております。加えて、世代や年齢を超えて一人ひとりがお金と向き合うきっかけを提供するため、お金に関する課外授業やイベント、ユーザー向けコミュニティイベントを実施しております。今後もこのような活動を積極的に行い、経済的格差などの社会問題の解決にも取り組むとともに、個人の人生の可能性を広げる後押しをすることで、より良い社会システムの実現を目指してまいります。 ●環境に配慮した経営の実践当社グループは、リモートワークを基本とした新しい働き方を導入し、社内稟議、経費精算、契約締結などの業務をクラウド上で行うことにより、ヒトやモノの移動、紙資源の利用の削減に取り組んでおります。また、当社が提供している『マネーフォワード クラウド』は、バックオフィスのペーパーレス化を促進できるサービスであり、当社サービスの提供を通じて社会のDXに貢献することで、さらに環境にやさしい社会を実現することができると考えております。当社グループは、今後も社内業務の見直しや事業の成長などを通じて、世の中のヒトやモノの移動、紙資源の利用削減をさらに促進し、環境に配慮した経営を実践してまいります。 <Talent Forward:社員の才能をもっと前へ。> 当社の人的資本に関する考え方を「Talent Forward Strategy 2024」として公表しました。 ●安心して働ける環境・文化を創る当社グループは、共通の価値観・目指したい世界観をMission Vision Values Culture(MVVC)として掲げ、 一人ひとりが大切にしております。組織が大きくなり、エンジニア組織のグローバル化をはじめメンバーが多様化する中でも、MVVCの理解が薄れることなく、より一層浸透するよう、様々な工夫を重ねており、様々なバックグラウンドや価値観をもつメンバー同士が、互いの違いを理解しながら、働きやすいと感じられる環境づくりを目指しております。具体的な施策といたしまして、今年度においては人権尊重の取り組みを促進する方針である「マネーフォワードグループ人権ポリシー」や多様性のある組織をより高いレベルで実現するために「DEIステートメント」を策定し、公開いたしました。 ●MVVCに共感する優秀で多様な人材を世界中から採用する新たなアイデアや価値創造のためには、多様な視点と経験を持つメンバーが集うことが重要であると考え、日本国内だけではなく世界中から優秀なタレントが集まる組織作りに取り組んでおります。採用においては、当社共通の価値観である MVVCに共感していただけるかどうかを重視しております。また、当社グループが大切にするValuesの1つである「Fairness」を徹底し、性別・国籍・宗教・年齢・学歴等で制限しない採用方針を掲げております。入社後も、こうしたバックグラウンドの違い、育児や介護などのライフステージの変化も含めて、多様な状況下にある従業員が働きやすい・働きがいのある職場環境づくりに取り組んでおります。従業員それぞれの個性や成長意欲を尊重し、一人ひとりの能力とアウトプットを最大化し、新たな価値創造を実現するためにも「多様な視点の実現」を人事戦略のベースに位置づけ、ダイバーシティとインクルージョンを重視する各種人事施策を推進してまいります。ダイバーシティ&インクルージョン担当責任者としてグループ執行役員CHOである石原千亜希を任命し、People Forward本部、コーポレートディベロップメント本部を中心としたプロジェクトチームを発足させ、取り組みを進めております。 ●個人のポテンシャルを最大化できる仕組みを創る当社グループでは、グループ従業員が失敗を恐れず果敢にチャレンジする目標設定を推奨し、きめ細かい1on1の機会を設けて、個々人への期待値を伝え、適切かつ明確なフィードバックをする文化を大切にしております。また、メンバーの継続的な成長やチャレンジを後押しするために、当社独自の人事制度「MFグロースシステム」を継続的にアップデートするとともに、各メンバーの状況を毎月のサーベイで可視化することで、個々に合わせた支援を実施しております。併せて、年齢、社歴、学歴などに関係なく実力や希望に見合う機会を提供し、組織や事業の都合だけでなく、個人の情熱や適性を尊重した配置や異動を行っております。今後も、当社グループを横断した異動・配置の機会を設けることで、従業員の成長機会を幅広く進めるとともに、人事担当部署が主導する教育研修だけでなく、組織を構成する全従業員が一丸となって人材育成に取り組めるような仕組みを構築してまいります。 ●メンバー一人ひとりが自律的に成長する「Professional」をCultureのひとつに掲げる当社では、一人ひとりが自分の成長にオーナーシップを持ち、役職に関わりなくリーダーシップを発揮しております。「業務における経験」だけでなく「教育・研修制度」「効果的なフィードバック」を通じて、メンバーが自律的に成長することを大切にしており、経営陣によるリーダーシップ研修「Leardership Forward Program」やマネージャーのメンバー育成を高める「目標設定研修」、「1on1研修」、自身のキャリアプランを言語化する「キャリア研修」などを定期的に実施しております。 ●個人の成長を組織成長に繋げるメンバーの継続的な成長やチャレンジを組織の成長に繋げることで、経営戦略の達成や持続的な企業価値の向上を目指します。会社の目標と個人の目標に連動性を持たせた目標設計制度の運用や、計画的な育成を行うための人材戦略会議、発明を表彰する制度など、様々な仕組みを通して組織全体の成長を実現します。 ② 3つの重点テーマを支える土台(経営基盤)<マネーフォワードのMission、Vision、Values、Cultureの浸透>当社グループが目指す社会を実現するためには、各従業員が当社のMission、Vision、Values、Cultureを共有することが重要と認識しております。当社では、経営陣を中心に、グループ全体に向けてこれらを繰り返し発信している他、半期に1回のMVP表彰では成果が当社のValuesの発揮に繋がっていることを必須の選出基準とし、Cultureを体現した従業員を四半期毎に「Culture Hero」として選出するなど、これらのコンセプトの浸透を図っており、今後も推進してまいります。 <攻めと守りを両立させるガバナンス>当社グループが目指す社会を実現するためには、当社グループの事業成長が必要であり、そのためにはコーポレート・ガバナンスの充実が重要と認識しております。当社グループでは、迅速な意思決定やリスクテイクを促す「攻め」の機能と、過度なリスクテイクの回避や透明性・公正性を確保するための牽制を目指す「守り」の機能の両面を充足したバランスの取れたコーポレート・ガバナンスの整備・運用に取り組んでまいります。 (注)SaaS ARRARRは「Annual Recurring Revenue」の略称。期末時点におけるBusinessドメイン、Homeドメイン、Xドメイン、FinanceドメインのMRR(対象月の月末時点におけるストック収入合計額)を12倍して算出。Business ドメインは『マネーフォワード クラウド』、『STREAMED』、『Manageboard』、『V-ONEクラウド』、『HiTTO』、『マネーフォワード 公認メンバー制度』等サービスの課金収入。Homeドメインはプレミアム課金収入、Financeドメインは『マネーフォワード ケッサイ』における月額基本料、決済手数料及び付随する手数料を含む。なお、各事業のフロー売上高及びスマートキャンプ社の売上は含まない。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (2)経営成績等の概況及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 経営成績の概況及び経営者の視点による分析・検討内容当社グループが提供するサービス領域は、Fintech(注1)市場と呼ばれており、近年では、Embedded Finance(埋込型金融)などと呼ばれる、非金融事業者の提供するサービスに金融サービスを組み込み、一体として提供する形が注目されるなど様々なビジネスが活発に生まれております。当社グループの主要サービスである『マネーフォワード クラウド』及び『マネーフォワード ME』は、近年急速な成長が見込まれる、SaaS(注2)という形態にてサービスを提供しております。SaaS市場は、富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2022年度版」によると、国内SaaS市場は、2026年度には1兆6,681億円(2021年度比180.0%)に達すると見込まれております。加えて、2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法、2023年10月に導入されたインボイス制度など企業のバックオフィス業務の電子化に向けた法的整備が進み、決済領域においても国内メガバンクにより小口の資金決済のための新たな決済インフラの設立が進められるなど、キャッシュレス決済の普及を後押しする動きが見られます。グローバルな経済環境の影響を受け日本経済も見通しが不透明になる中においても、クラウドサービス導入及びキャッシュレス化のニーズや、個人や企業におけるお金に関する新たな不安を背景に当社グループの提供サービスへのニーズはより一層高まっているものと認識しております。このような環境において、当社グループは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というMissionの下、法人向けサービスを提供するMoney Forward Businessドメイン、個人向けサービスを提供するMoney Forward Homeドメイン、金融機関・事業会社のお客様向けにサービス開発を行うMoney Forward Xドメイン、新たな金融ソリューションの開発を行うMoney Forward Financeドメイン、SaaS企業のマーケティング活動を支援するMoney Forward SaaS Marketingドメイン(注3)の5つのドメインにおいて、事業を運営してまいりました。Businessドメインでは、バックオフィス向けの業務効率化クラウドソリューション『マネーフォワード クラウド』において、大規模な士業事務所向けのセールス・導入支援体制を強化した結果、新規ユーザーが順調に増加いたしました。また、営業・マーケティング体制の拡充を進めた結果、より大規模な企業における導入が増加したことに加えて、既存顧客に対する様々なプロダクトのクロスセル(注4)が進み、ARPA(注5)についても向上しております。また、複雑なインボイス制度に対する業務負荷を軽減する機能やAIを活用した機能など既存プロダクトの継続的な機能改善やプロダクト間の連携強化も推進しております。さらに、『マネーフォワード クラウド連結会計』、『マネーフォワード クラウド個別原価』、『マネーフォワード クラウド債権管理』と新たに3つのプロダクトの提供を開始し、コンポーネント型ERPとしてサービスラインナップも拡充しております。Homeドメインにおいては、自動でオンラインバンキング等から金融機関データの取得・分類を行うPFM(注6)サービス『マネーフォワード ME』において、プレミアム課金ユーザーが52万人を突破し、プレミアム課金売上が順調に推移しました。2022年12月に無料ユーザーが連携できる金融関連サービスの数をそれまでの10件から4件に変更したことの影響で課金ユーザーが大幅に増加しております。併せて、『マネーフォワード ME』の投資資産の管理に特化した「資産形成アドバンスコース」(月額980円)にポートフォリオ分析のための新たな機能を追加するなど、同プロダクトの提供価値向上にも努めております。また、2022年6月に連結開始した株式会社Next Solutionの売上も増収に貢献しております。Xドメインにおいては、金融機関やそのお客様のDX推進に資するサービスの開発に努めており、これに伴って、プロジェクト単位でフロー収益を上げるビジネスモデルからDX推進ツールをOEMとして提供するストック型収益への転換を進めております。直近では『Mikatano』シリーズの提供に注力しており、金融機関の法人顧客である地域の中小企業のDXに貢献するとともに、金融機関がデータを活用しながら中小企業の事業価値向上を実現するための支援を行うことを目指しております。 Financeドメインにおいては、企業間後払い決済・請求代行サービス『マネーフォワード ケッサイ』及び売掛金早期資金化サービス『マネーフォワード アーリーペイメント』において顧客獲得が好調に推移しました。株式会社三菱UFJ銀行との合弁会社である株式会社Biz Forwardにおいても、株式会社三菱UFJ銀行からの送客により売掛金早期資金化サービス『SHIKIN+』が順調に成長しております。SaaS Marketingドメインを構成するスマートキャンプ株式会社の売上についても、『BOXIL』におけるリード件数の増加や、オンライン展示会『BOXIL EXPO』の開催等により、好調に推移しております。また、2023年10月にクラウド活用と生産性向上の専門サイト『BizHint』の運営を行う株式会社ビズヒントの発行する全株式を取得し、同社を完全子会社化することを決定(同12月に実施)しております。以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高30,380百万円(前年同期比41.5%増)、EBITDA(注7)△2,260百万円(前年同期は△6,029百万円のEBITDA)、営業損失6,329百万円(前年同期は8,469百万円の営業損失)、経常損失6,738百万円(前年同期は9,581百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失6,315百万円(前年同期は9,449百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。当社が重視している経営指標である売上高及びSaaS ARR(注8)は、第2四半期に上方修正した業績予想の上限を上回り着地しており、SaaS ARRは23,146百万円(前年同期比42.0%増)となりました。各ドメインのSaaS ARR及びBusinessドメインにおける課金顧客数とARPAの推移は以下のとおりであります。 各ドメインにおけるSaaS ARR(単位:百万円) 2019年11月期末2020年11月期末2021年11月期末2022年11月期末2023年11月期末前年同期比成長率Business4,6456,2388,46612,81118,34843.2%うち法人3,8275,3817,37411,43516,69246.0%うち個人事業主8188571,0921,3751,65720.5%Homeプレミアム課金1,1001,3801,7242,0072,69134.1%Xストック売上高4746357551,0211,44341.3%Financeストック売上高9918628346066444.3%合計6,3198,43911,22716,29923,14642.0%(注)上記表中のSaaS ARRの額は、百万円未満を四捨五入しております。 Businessドメインにおける法人ARRの内訳(単位:百万円) 2019年11月期末2020年11月期末2021年11月期末2022年11月期末2023年11月期末前年同期比成長率法人3,8275,3817,37411,43516,69246.0%うち中小企業3,5844,3165,3677,3889,78632.5%うち中堅企業以上2431,0652,0074,0486,90570.6%(注)上記表中のSaaS ARRの額は、百万円未満を四捨五入しております。 Businessドメインにおける課金顧客数、ARPA 2019年11月期末2020年11月期末2021年11月期末2022年11月期末2023年11月期末前年同期比成長率課金顧客数(顧客数)法人56,00769,71388,548114,384149,16830.4% 個人事業主61,63772,50194,755121,414152,06525.2% 合計117,644142,214183,303235,798301,23327.8%ARPA(円)法人68,33777,18983,28199,974111,89811.9% 個人事業主13,27411,82111,52311,32810,896△3.8% 全体39,44843,86446,18754,33060,91112.1%(注)上記表中のARPAの額は小数点以下第1位を四捨五入しております。 (注1) FintechFinance と Technology を組み合わせた概念で、金融領域におけるテクノロジーを活用したイノベーションの総称をいいます。(注2) SaaS「Software as a Service」の略称であり、サービス提供者がソフトウェア・アプリケーションの機能をクラウド上で提供し、ネットワーク経由で利用する形態をいいます。一般的に初期導入コストを抑えた月額課金のビジネスモデルとなります。(注3) Money Forward SaaS Marketingドメイン従来Businessドメインに含めていたスマートキャンプ株式会社について、事業規模が拡大していることや、同社が運営するSaaS比較メディア『BOXIL SaaS』・オンライン展示会『BOXIL EXPO』のビジネスモデルが法人向けにSaaSサービス等を提供するBusinessドメインのそれと異なることを踏まえ、2023年11月期第1四半期より「Money Forward SaaS Marketingドメイン」として分けて扱うこととしました。(注4) クロスセルクロスセルとは、当社が提供するプロダクトを有料で利用している顧客が、追加で、当社の提供する他のプロダクトを有料で利用することをいいます。(注5) ARPA「Average Revenue per Account」の略称であり、各期最終月のBusinessドメインのARRをBusinessドメインが提供するプロダクトを有料で利用している顧客数の合計で割った値をいいます。(注6) PFM「Personal Financial Management」の略称であり、個人の金融資産管理、家計管理をサポートするサービスをいいます。(注7) EBITDA「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization」の略称であり、営業利益+償却費+営業費用に含まれる税金費用+株式報酬費用をいいます。(注8) SaaS ARRARRは「Annual Recurring Revenue」の略称であり、各期末時点におけるBusinessドメイン、Homeドメイン、Xドメイン、Financeドメインの経常的に発生する月間収益を12倍して算出したものをいいます。ただし、第1及び第2四半期においては、『STREAMED』の季節影響を調整するため、当該四半期における『STREAMED』の課金収入の3分の1を経常的に発生する月間収益として算出しております。 ② 財政状態の概況及び経営者の視点による分析・検討内容(資産)当連結会計年度末における流動資産は54,997百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,182百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が12,142百万円増加したことによるものであります。固定資産は33,285百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,113百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が3,356百万円、ソフトウエアが3,296百万円増加したことによるものであります。この結果、総資産は88,282百万円となり、前連結会計年度末に比べ22,295百万円増加いたしました。(負債)当連結会計年度末における流動負債は30,780百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,815百万円増加いたしました。これは主に未払金が3,177百万円、預り金が3,158百万円増加、短期借入金が3,303百万円減少したことによるものであります。固定負債は22,841百万円となり、前連結会計年度に比べ15,902百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が2,580百万円、転換社債型新株予約権付社債が12,000百万円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は53,621百万円となり、前連結会計年度末に比べ22,718百万円増加いたしました。(純資産)当連結会計年度末における純資産は34,660百万円となり前連結会計年度末に比べ422百万円減少いたしました。これは主に利益剰余金が2,315百万円増加、資本剰余金が8,208百万円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は31.5%(前連結会計年度末は49.4%)となりました。 ③ キャッシュ・フローの概況及び経営者の視点による分析・検討内容当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ12,509百万円増加し、38,818百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動の結果増加した資金は2,460百万円(前年同期は4,124百万円の使用)となりました。主な増加要因は、未払金の増加額3,170百万円、預り金の増加額3,158百万円等であり、主な減少要因は、先行投資を積極的に実施したことによる税金等調整前当期純損失の計上6,805百万円、売上債権及び契約資産の増加1,811百万円等であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は7,448百万円(前年同期は14,780百万円の使用)となりました。主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出4,748百万円、投資有価証券の取得による支出2,593百万円等であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は17,462百万円(前年同期は9,074百万円の獲得)となりました。主な増加要因は、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入11,902百万円、長期借入れによる収入7,000百万円等であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出3,225百万円等であります。 (3)資本の財源及び資金の流動性当社の提供するSaaSのビジネスモデルは、サブスクリプション(継続課金)を原則としており、解約率が低い水準で安定していることから、中長期的な売上期待に基づき、顧客獲得に対する先行投資が実行可能なモデルになっております。また、「(2)経営成績等の概況及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①経営成績の概況及び経営者の視点による分析・検討内容」に記載の通り、SaaS市場は近年急速な成長を続けております。このようなビジネスモデルや市場環境を踏まえ、認知強化・新規顧客獲得のための先行投資(営業人件費、広告宣伝費等に関する投資)を行うことが、中長期的な企業価値・株主価値の向上に資するとの判断のもと、先行投資を継続的に行っております。これらの投資は、自己資金及び金融機関からの借入を財源に行っております。2021年8月に新株式発行により31,572百万円を調達したほか、当連結会計年度においても長期借入及び転換社債型新株予約権付社債による資金調達を実行しており、当連結会計年度末時点において現金及び預金として38,855百万円を保有しております。 (4)生産、受注及び販売の実績当社グループは、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 セグメント情報等」に記載のとおりプラットフォームサービス事業の単一セグメントであります。① 生産実績当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。② 受注実績当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。③ 販売実績当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。ドメインの名称当連結会計年度(自 2022年12月1日至 2023年11月30日)金額(千円)前年同期比(%)Businessドメイン18,712,163147.3Homeドメイン3,989,491126.8Xドメイン2,525,311151.9Financeドメイン1,586,457135.8SaaS Marketingドメイン3,531,639127.6その他35,565122.3合計30,380,629141.5 (注)1.当社グループの事業セグメントは、プラットフォームサービス事業の単一セグメントであるため、ドメイン別の販売実績を記載しております。2.当連結会計年度より、従来の「Businessドメイン(バックオフィスSaaS領域)」を「Businessドメイン」に、「Businessドメイン(SaaSマーケティング領域)」を「SaaS Marketingドメイン」に名称変更いたしました。 (5)経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業活動、法的規制等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、市場のニーズに合ったサービスの普及拡大、優秀な人材の確保及び育成、内部管理体制の強化等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

※本記事は「株式会社マネーフォワード」の令和6年11期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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