株式会社メディパルホールディングスの基本情報

会社名株式会社メディパルホールディングス
業種卸売業
従業員数連13061名 単185名
従業員平均年齢48.6歳
従業員平均勤続年数19.8年
平均年収8137086円
1株当たりの純資産2979.39円
1株当たりの純利益(連結)193.2円
決算時期3月
配当金62円
配当性向62.3%
株価収益率(PER)12.1倍
自己資本利益率(ROE)(連結)6.6%
営業活動によるCF605億円
投資活動によるCF▲33億円
財務活動によるCF▲259億円
研究開発費※17.5億円
設備投資額※1142.11億円
販売費および一般管理費※1337.36億円
株主資本比率※292.6%
有利子負債残高(連結)※3※40円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 経営理念 「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」 経営方針  1.社会から信頼される活力ある企業文化の創造  2.株主価値を高める経営とコンプライアンスの徹底  3.誠実で自由闊達な社風の醸成と創造性に富む人材の育成(2)経営戦略等 当社グループは、「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」の経営理念に基づき事業活動を行っております。「ありたい姿」として「『医療と健康、美』を広げ、支え、つなぐ 健康応援オーケストラ」を掲げ、「医療と健康、美」の事業フィールドで社会価値、顧客価値を創造する事業を「広げ」、強固な流通インフラで「支え」、また、様々な分野のパートナーが持つ価値を「つなぐ」ことで、誰もが心身ともに健やかに暮らせる社会の実現と、企業価値の向上を目指しております。 この実現に向けて、「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」(以下、「本中期ビジョン」)を策定し、2022年10月31日に発表いたしました。 また、2022年10月、メディパルグループサステナビリティ方針「未来へつなごう『元気と、かがやき』」を策定いたしました。 (3)経営環境 少子高齢化が進むわが国において、高齢者の増加や生産年齢人口の減少が社会や経済に影響を与え、当社グループの各事業を取り巻く環境においても変化が起きてくると想定しております。セグメントごとの事業環境は以下のとおりです。 医療用医薬品等卸売事業 医療用医薬品等卸売事業における事業環境は、薬価改定のマイナス影響や、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ治療薬及び新型コロナウイルス感染症検査関連試薬の需要減少があったものの、新型コロナウイルス感染症ワクチンの定期接種開始やHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンのキャッチアップ接種※1による需要増、医療機関の受診機会が増加したこと等の影響を受け、医薬品市場全体は伸長いたしました。 このような状況の中、株式会社メディセオ(東京都中央区)を始めとする医薬事業各社においては、新たな価値創造を目指し、地域医療コーディネーターとして、医療機関・調剤薬局・自治体等を「つなぐ」活動を展開いたしました。女性診療科領域を専門とする「ウィメンズコーディネーター※2」や希少疾患領域を専門とする「RD-MR※3」を始め、医薬品の専門知識と機動性を有した営業担当者AR※4が、予防・診断・治療等の情報を総合的に提供し、疾患啓発や潜在患者の発掘、専門医への橋渡しなどを行い、地域におけるヘルスケア課題の解決に向けて取り組みました。 また、物流の2024年問題を含め業界を取り巻く環境が大きく変化する中、増加する物量に対して、ALCの物流機能を活用した、安全・安心・高機能な物流プラットフォームの構築と、物流効率化によるコスト削減への取り組みを進めました。〔用語解説〕※1 HPVワクチンのキャッチアップ接種とは、HPVワクチンの積極的な勧奨が中止されていた期間中に接種の機会を逃した女性に対して、公費で提供するための制度であります。※2 ウィメンズコーディネーターとは、女性診療科領域の専門知識を有するARなどに付与した社内呼称であります。※3 RD-MR(Rare Disease MR)とは、希少疾患領域に特化したARなどに付与した社内呼称であります。※4 AR(Assist Representatives)とは、MR(Medical Representative)認定試験に合格したMS(医薬品卸売業の営業担当者)や薬剤師などに付与した社内呼称であります。 化粧品・日用品、一般用医薬品等卸売事業 化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における事業環境は、人々の行動が活発化したことやインバウンド需要の増加に伴い相応の需要拡大はあったものの、物価上昇を背景とした節約志向の高まりや物流費高騰などの影響を受ける厳しい環境となりました。 販売面では、新型コロナウイルス感染症関連商材の需要減少や節約志向に加えて、サプリメントを中心とした一部商材の買い控えなどの影響を受けました。このような状況の中、積極的なデータ活用により、外出機会やインバウンドの増加、感染症の流行などをきっかけとする市場の変化を捉え、新規商材の投入など的確な販売活動に努めました。 動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業 動物用医薬品等卸売事業における事業環境は、円安の影響による飼料・エネルギー価格など生産資材価格の高止まり等により、顧客の購買意欲が低下する厳しい環境が続いております。このような状況の中、収益性の向上を目指し、新規メーカーとの取引開始及び自社企画品を始めとした高利益品への注力ならびに大手お得意様との取引拡大に取り組みました。 食品加工原材料卸売等関連事業における事業環境は、比較的好調に推移しており、また電子薬剤及び工業薬品関連の市場は回復の兆しが強まっております。一方で、継続的な円安傾向により輸入品の原価高騰や利益圧迫の影響を受けており、為替の影響に伴う製品の販売価格の見直しに取り組みました。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等<主な連結経営目標・計画>  ROE           9% (2027年3月期)  経常利益       1,000億円 (2027年3月期)  成長投資       1,000億円 (2023年3月期から2027年3月期までの累計)  株主総還元性向      40%※ (2023年3月期から2027年3月期までの累計)  ※本中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生するのれん償却費・無形資産償却費控除前の利益に対する率<サステナビリティ中長期目標>  温室効果ガス排出量削減目標(Scope1+Scope2) 2031年3月期 50%削減(2020年度比)                          2051年3月期 カーボンニュートラル  管理職に占める女性割合             2031年3月期 20%以上  男性労働者の育児休業取得率           2031年3月期 100% (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 「医療用医薬品等卸売事業」の事業環境につきましては、医療の高度化等に伴う医薬品の厳格な品質管理と迅速かつ安定的な供給がますます重視されてきております。この環境下で医薬品卸売企業に対しては、サプライチェーン全体の最適化を実現する流通ネットワークの構築や、医療関係者との間での適時・適切な情報の収集・提供活動が求められております。また、薬価改定が毎年行われるようになり、医療用医薬品市場の大きな成長が見込めなくなっていることを踏まえ、顧客ニーズの変化に応じた新しいサービスや製品の提供などビジネスの創出も重要になっております。このような状況の中、2026年3月期においては、当社グループ独自の機能である「ALC」と「AR」という「2つのA」を活用し、新しい時代の流通価値を提供し収益基盤の強化に努めてまいります。 ALCを通じては、医療用医薬品等の安定供給を継続するとともに、当社連結対象の子会社である株式会社メディスケット(埼玉県三郷市)を通じ、医薬品・検査資材等の供給と臨床・治験・研究等の検体の集荷を最適化するシェアリングロジスティクスの基盤を整備することに加え、GDPガイドライン※1に準拠した高品質な物流サービスを提供してまいります。さらには、今後、外部企業からの物流受託を行うことで新しい収益機会の創造にも取り組んでまいります。 ARについては、現在、約2,000名が医療関係者への総合的な情報提供活動や地域におけるヘルスケア課題の解決に向けた営業活動を展開しております。これらの機能に対する医薬品メーカーやバイオベンチャーからの需要や期待は年々高まっていくことが予想され、パートナーシップ機会の探索を引き続き推進してまいります。 「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」につきましては、継続した所得環境の改善による個人消費の持ち直しや、インバウンド需要の拡大が期待される一方で、人手不足による物流費上昇に加え、物価上昇に伴う節約志向の高まりや、各国の通商政策の変化に起因する景気後退などのリスクが想定される、先行き不透明な状況と予想しております。 このような状況の中、販売面では、積極的なデータ活用を通じて、生活者の多様なニーズを的確に捉えた新規商材の取り扱いを拡大するとともに、インバウンド需要の取り込みや効果的な販促提案などの強化を図ってまいります。利益面では、人手不足などによる物流費上昇の影響を受けますが、サプライチェーンの協働による配送効率化や、付加価値の高い新規商材の取り扱い強化などに注力してまいります。 「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」の動物用医薬品につきましては、飼料・エネルギー価格など生産資材価格の高止まりや、一部のペットフードがメーカー直接販売となる商流変更により厳しい市場環境が見込まれます。このような状況の中、畜水産市場では引き続き、生産性向上に寄与する製品の販売強化、またコンパニオンアニマル向け市場では治療の進歩等による犬猫の長寿化に伴う関連製品と新規取り扱い製品の普及拡大と深耕に取り組んでまいります。 食品加工原材料卸売等関連事業につきましては、国内人口の減少や少子高齢化を始め、原料価格の高騰等による厳しい市場環境が引き続き見込まれます。一方で、食の安全や健康に対する意識の高まり、消費者ニーズの多様化に伴い技術革新が進み、新たな需要が生まれるなど事業環境は常に変化しております。このような状況の中、MP五協フード&ケミカル株式会社(大阪府北区)が主力とする多糖類※2を軸に国内及び海外での販売を強化し、また化成品分野では、半導体市場向けの電子薬剤事業の拡大を加速させるための体制構築や商品開発への取組等を通じた顧客サービスの強化に努め、収益拡大を図ってまいります。 これらに加え、グループの持続的成長に向けて、5つの成長戦略である「海外への進出」「予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大」「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」「持続可能な流通の構築」「地域医療における価値共創」への積極的な投資を引き続き行ってまいります。[用語解説] ※1 GDPガイドラインとは、医薬品の適正流通(Good Distribution Practice)の指針であり、流通経路(仕入・保管・供給)の管理が保証され、医薬品の完全性が保持されるための手法、さらに、偽造医薬品の正規流通経路への流入を防止するための適切な手法を定めたものであります。 ※2 多糖類とは、グルコースやマンノース等の単糖が長くつながったものの総称で、広義では10個以上の単糖が結合することで構成されている炭水化物を指しております。たれ・ソース・ドレッシング・佃煮・ゼリー・プリン・アイスクリームなどの加工食品にユニークな食感を付与し、作り立ての状態を保持するなどの機能を有するとともに、嚥下困難者向けの食品にも活用されております。また、近年では、化粧品など食品以外の商品にも用いられております。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の概況 当社グループは、「流通価値の創造を通じて、人々の健康と社会の発展に貢献します。」という経営理念に基づき、『医療と健康、美』の事業フィールドにおいて、「医療用医薬品等卸売事業」「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」を展開しております。医療用医薬品、医療機器、臨床検査試薬、日用品、化粧品、食品加工原材料など、いずれも人々の生命や健やかな暮らしを支えるために欠かせない商品を取り扱っており、平時・有事を問わず、止まることなくお届けできる物流機能と流通ネットワークの構築は、社会インフラを担う企業として重要な責務であると認識しております。この基本姿勢のもと、当社グループではBCP(事業継続計画)を策定するとともに、さらなる物流プラットフォームの進化に取り組んでおります。 当社グループでは、経営理念の実現に向けて2027年3月期を最終年度とする「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」を策定しております。本中期ビジョンでは、人材戦略・財務戦略を基盤とし、事業ポートフォリオのシフトとパートナーとの協働によるグループの持続的成長に向けて、5つの成長戦略である「海外への進出」「予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大」「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」「持続可能な流通の構築」「地域医療における価値共創」を展開しております。 これらの戦略に沿って、当期においては、2024年5月に高付加価値な検査サービスを提供する株式会社プリメディカ(東京都港区)を完全子会社化し、また、2024年10月にはMP五協フード&ケミカル株式会社とメディパルフーズ株式会社(札幌市中央区)の両完全子会社を統合しました。これにより、予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大に向けた商品提供やサービスの強化、顧客基盤の強化を推進しております。2024年7月には、保険薬局向けに経営支援サービスを提供する株式会社プレサスキューブ(東京都中央区)を連結子会社化し、同社とのより強固な連携を通じデジタルを活用したビジネス基盤の強化を図っております。 さらに、海外進出に向けた取組として、当社はJCRファーマ株式会社(兵庫県芦屋市)との協働による超希少疾患領域での新薬のグローバル展開に向けた研究開発を進めております。この一環として、JCRファーマ株式会社が創製したムコ多糖症IIIB型に対する治療薬(JR-446)について、2024年12月には、国内での臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験で、第1例目となる被験者への初回投与が行われ、重要なマイルストンを達成いたしました。 加えて、当社グループは、MEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合を通じて国内のベンチャー企業への投資を行い、収益基盤の拡大と企業価値の最大化を目指すとともに、持続可能な経済社会の実現に貢献しております。 セグメント別の主な取組は以下のとおりです。 医療用医薬品等卸売事業 当社グループでは、メーカーと医療機関等をシームレスにつなぐとともに災害対策を施した有事に強い物流センターとしてALC※1を全国13か所に開設し全国均質な物流サービス網を構築しており、安定供給とともに新たな流通価値を創造しております。また、株式会社メディセオでは、物流の2024年問題への対応や温室効果ガス排出量削減に向けた取組としてモーダルシフトの導入やドローン物流プラットフォーム社会実装プロジェクトへの参画など、新たな流通に挑戦しております。また、当社とH.U.グループホールディングス株式会社(東京都港区)の合弁会社である株式会社メディスケット(埼玉県三郷市)は、「医療と健康、美」を支える国内最大級のヘルスケア物流プラットフォームの構築を目指しており、医療用医薬品の物流と臨床検査の検体集荷におけるシェアリングロジスティクスの基盤整備に向けて着実に取り組んでおります。[用語解説]※1 ALC(Area Logistics Center)とは、医療用医薬品や医療材料などを扱う高機能物流センターで、主に調剤薬局、病院、診療所に商品を供給しております。化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業 2024年9月、株式会社PALTAC(大阪市中央区)は物流の2024年問題を始めとする配送課題の解決に向けて、株式会社薬王堂(岩手県盛岡市)と、サプライチェーン全体のさらなる最適化・効率化を目指し、非食品と食品一括物流を開始いたしました。また、2025年1月、株式会社PALTACは異業種連携による効率的かつ持続可能な物流の実現に向けて、三菱食品株式会社(東京都文京区)と、持続可能な物流の構築及び両社における物流事業の一層の拡大を目的とした連携・協働に向けた基本合意を締結し、物流の価値提供領域拡大に向けた取組を推進しております。 動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業 2024年10月にMP五協フード&ケミカル株式会社とメディパルフーズ株式会社の両完全子会社を統合し、健康志向の食品や機能性表示食品などお得意様や消費者の食へのニーズが多様化する環境変化に対応し、食品加工原材料卸売等関連事業のさらなる発展に向けて、経営資源の有効活用と全国規模の顧客基盤の強化を進めております。 当期の業績 当連結会計年度における経営成績は、以下の通りであります。(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率売上高3,558,7323,671,328+112,595+3.2%売上総利益(対売上高比率)246,654(6.93%)255,758(6.97%)+9,103(+0.04pp)+3.7% 販売費及び一般管理費(対売上高比率)199,324(5.60%)200,148(5.45%)+824(△0.15pp)+0.4%  販売費及び一般管理費(下記①②を除く)191,494196,749+5,254+2.7% ①事業投資費等5,7721,136△4,636△80.3% ②のれん・無形資産償却費(*)2,0562,262+206+10.0%営業利益(対売上高比率)47,330(1.33%)55,609(1.51%)+8,278(+0.18pp)+17.5%  上記①②を除く営業利益55,15959,008+3,849+7.0%経常利益64,57065,255+684+1.1%特別損益10,17011,479+1,308+12.9%税金等調整前当期純利益74,74176,734+1,992+2.7%親会社株主に帰属する当期純利益41,47440,279△1,194△2.9%(*)2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費 〔売上高〕売上高は、前期から1,125億95百万円(3.2%)増収の3兆6,713億28百万円となりました。・医療用医薬品等卸売事業で744億49百万円(3.2%)の増収、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業で361億31百万円(3.1%)の増収、動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業で28億38百万円(2.5%)の増収となり、全事業セグメントにおいて売上高は前期を上回りました。 〔営業利益〕営業利益は、前期から82億78百万円(17.5%)増益の556億9百万円となりました。・売上総利益は、増収に加え、株式会社メディスケットの事業拡大等により、91億3百万円(3.7%)増益の2,557億58百万円となりました。売上総利益率は前期(6.93%)を0.04ポイント上回り、6.97%となりました。・販売費及び一般管理費は、事業投資費等が減少したものの、株式会社メディスケットの事業拡大や化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における売上拡大に伴う増加により、前期から8億24百万円(0.4%)増加の2,001億48百万円となりましたが、売上高比率は増収により0.15ポイント改善し、5.45%となりました。 〔経常利益〕経常利益は、前期から6億84百万円(1.1%)増益の652億55百万円となりました。・持分法投資利益の減少等により、営業外損益が75億94百万円減少いたしましたが、営業利益の増加分が上回ったため、経常利益は増益となりました。 〔親会社株主に帰属する当期純利益〕親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から11億94百万円(2.9%)減益の402億79百万円となりました。・政策投資株式等の売却により119億94百万円を特別利益に計上したことにより、前期に、本社移転に伴う受取補償金(*1)19億44百万円及び東七株式会社(長崎県佐世保市)の子会社化に伴う段階取得差益(*2)12億53百万円を特別利益に計上したことによる影響を吸収し、特別損益は13億8百万円増の114億79百万円の益となりました。一方、法人税等の増加22億30百万円の影響により親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。  (*1)八重洲二丁目中地区の再開発計画に伴い2023年2月13日に本社を移転したことに係る当該再開発組合からの補償金を「受取補償金」として計上 (*2)2023年4月3日の株式交換による子会社化以前に保有していた東七株式会社株式の簿価と時価との差額を「段階取得に係る差益」として計上 セグメントの経営成績は次のとおりであります。 医療用医薬品等卸売事業(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率売上高2,295,7952,370,245+74,449+3.2%売上総利益(対売上高比率)144,123(6.28%)150,387(6.34%)+6,264(+0.07pp)+4.3% 販売費及び一般管理費(対売上高比率)126,651(5.52%)125,180(5.28%)△1,471(△0.24pp)△1.2%  販売費及び一般管理費(下記①②を除く)120,878123,837+2,958+2.4% ①事業投資費等5,7721,136△4,636△80.3% ②のれん・無形資産償却費(*)-206+206-営業利益(対売上高比率)17,471(0.76%)25,207(1.06%)+7,735(+0.30pp)+44.3%  上記①②を除く営業利益23,24426,550+3,305+14.2%(*)2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費 〔売上高〕売上高は、前期から744億49百万円(3.2%)増収の2兆3,702億45百万円となりました。・2024年4月の薬価改定のマイナス影響や、新型コロナウイルス感染症治療薬及び同感染症検査関連試薬の需要減少があったものの、同感染症ワクチンの販売や成長品目への取組強化、病院販路での売上高の増加、株式会社メディスケットの事業拡大等によって増収となりました。 〔営業利益〕営業利益は、前期から77億35百万円(44.3%)増益の252億7百万円となりました。・売上総利益は、増収等により62億64百万円(4.3%)増益の1,503億87百万円となりました。売上総利益率は前期(6.28%)を0.07ポイント上回り、6.34%となりました。・販売費及び一般管理費は、前期から14億71百万円(1.2%)減少の1,251億80百万円となり、売上高比率についても0.24ポイント改善し、5.28%となりました。これは、株式会社メディスケットの事業拡大等の影響に伴う増加29億58百万円(2.4%)があったものの、事業投資費等が減少したことによるものです。 化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率売上高1,151,9661,188,097+36,131+3.1%売上総利益(対売上高比率)86,358(7.50%)88,982(7.49%)+2,624(△0.01pp)+3.0% 販売費及び一般管理費(対売上高比率)59,185(5.14%)60,973(5.13%)+1,788(△0.01pp)+3.0% 営業利益(対売上高比率)27,172(2.36%)28,008(2.36%)+836(△0.00pp)+3.1% 〔売上高〕売上高は、前期から361億31百万円(3.1%)増収の1兆1,880億97百万円となりました。・新型コロナウイルス感染症関連商材の需要減少や節約志向に加えて、サプリメントを中心とした一部商材の買い控えなどの影響を受けました。このような状況の中、積極的なデータ活用により、外出機会やインバウンドの増加、感染症の流行などをきっかけとする市場の変化を捉え、新規商材の投入など的確な販売活動に努めたことで増収となりました。 〔営業利益〕営業利益は、前期から8億36百万円(3.1%)増益の280億8百万円となりました。・売上総利益は、センターフィ率上昇などの影響により、売上総利益率は前期(7.50%)を下回りましたが、売上拡大を軸とする利益拡大施策が奏功したことにより、26億24百万円(3.0%)増益の889億82百万円となりました。・販売費及び一般管理費は、売上拡大に伴い17億88百万円(3.0%)増加の609億73百万円となりましたが、売上高比率は固定費吸収効果により0.01ポイント改善し、5.13%となりました。 動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率売上高114,023116,861+2,838+2.5%売上総利益(対売上高比率)16,259(14.26%)16,446(14.07%)+186(△0.19pp)+1.2% 販売費及び一般管理費(対売上高比率)13,531(11.87%)14,001(11.98%)+470(+0.11pp)+3.5%  販売費及び一般管理費(下記を除く)11,47511,945+470+4.1% のれん・無形資産償却費(*)2,0562,0560-営業利益(対売上高比率)2,727(2.39%)2,444(2.09%)△283(△0.30pp)△10.4%  上記の償却費を除く営業利益4,7834,500△283△5.9%(*)2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費 〔売上高〕売上高は、前期から28億38百万円(2.5%)増収の1,168億61百万円となりました。・動物用医薬品等卸売事業は、コンパニオンアニマル※1領域では、一部のペットフードがメーカー直接販売となる商流変更による影響を受けたものの、新製品の積極的な導入等により堅調に推移いたしました。畜水産領域では、鳥インフルエンザ発生に伴う関連商材の特需に加え、生産性向上に寄与する機能性商材の販売拡大により堅調に推移いたしました。食品加工原材料卸売等関連事業は、食品素材領域及び化成品領域における販売が好調に推移し、当セグメント全体で増収となりました。 〔用語解説〕※1 コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を指しております。 〔営業利益〕営業利益は、前期から2億83百万円(10.4%)減益の24億44百万円となりました。・売上総利益は、1億86百万円(1.2%)増益の164億46百万円、売上総利益率は前期14.26%から0.19ポイント低下し、14.07%となりました。動物用医薬品等卸売事業では仕入れ原価の上昇に伴う価格見直し、重点メーカーのリベート獲得などの施策により堅調に推移いたしました。また食品加工原材料卸売等関連事業では食品素材領域を中心として円安影響による輸入品価格の高騰が見られ、事業会社の利益を圧迫いたしました。このような状況の中、各事業における企画商品の販売等への積極的な取組や販売価格の見直しを行ったことで、売上総利益は増益となりました。・販売費及び一般管理費は、4億70百万円(3.5%)増加の140億1百万円となり、売上高比率についても0.11ポイント増加の11.98%となりました。動物用医薬品等卸売事業では、人材育成への投資ならびに採用強化のための賃上げにより増加いたしました。また食品加工原材料卸売等関連事業では、基幹システム刷新による減価償却費や新製品開発に関する研究費に加え、メディパルフーズ株式会社との統合関連費用に伴い増加いたしました。 (注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。 ②財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における総資産は1兆8,249億84百万円となり、前連結会計年度末より258億57百万円増加いたしました。 流動資産は1兆2,827億46百万円となり、前連結会計年度末より385億56百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加312億52百万円、受取手形及び売掛金の増加54億57百万円、商品及び製品の増加60億70百万円によるものであります。 固定資産は5,422億37百万円となり、前連結会計年度末より126億99百万円減少いたしました。これは主に、投資有価証券の減少117億87百万円によるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債は1兆670億37百万円となり、前連結会計年度末より45億22百万円増加いたしました。 流動負債は1兆94億47百万円となり、前連結会計年度より17億28百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加81億76百万円、独占禁止法関連損失引当金の減少34億70百万円によるものであります。 固定負債は575億90百万円となり、前連結会計年度末より27億94百万円増加いたしました。これは主に、リース債務(その他の固定負債)の増加25億57百万円によるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は7,579億47百万円となり、前連結会計年度末より213億34百万円増加いたしました。 株主資本は5,632億86百万円となり、前連結会計年度末より230億20百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加237億56百万円によるものであります。 その他の包括利益累計額は562億77百万円となり、前連結会計年度末より38億5百万円減少いたしました。これは主に、その他有価証券評価差額金の減少42億87百万円によるものであります。 非支配株主持分は1,383億81百万円となり、主に株式会社PALTACの純資産の増加により、前連結会計年度末より21億18百万円増加いたしました。 ③キャッシュ・フローの状況(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期営業活動によるキャッシュ・フロー61,84360,559投資活動によるキャッシュ・フロー△7,817△3,363財務活動によるキャッシュ・フロー△25,248△25,947現金及び現金同等物に係る換算差額03現金及び現金同等物の増減額(△は減少)28,77831,252現金及び現金同等物の期首残高193,561228,084新規連結に伴う現金及び現金同等物の増減額5,744-現金及び現金同等物の期末残高228,084259,337  当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より312億52百万円増加し当連結会計年度末には2,593億37百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金の増加は、605億59百万円(前年同期比12億84百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益767億34百万円、減価償却費171億16百万円、売上債権の増加53億61百万円、棚卸資産の増加61億21百万円、仕入債務の増加80億99百万円、法人税等の支払236億51百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金の減少は、33億63百万円(前年同期比44億53百万円の減少)となりました。これは主に、阪神ALC等の有形固定資産の取得による支出88億61百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入147億45百万円、連結子会社である株式会社プリメディカの取得関連の支出34億3百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の減少は、259億47百万円(前年同期比6億98百万円の増加)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出50億70百万円、連結子会社である株式会社PALTACによる同社株式の取得による支出49億99百万円、配当金の支払155億89百万円によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)医療用医薬品等卸売事業2,370,245103.2化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業1,188,097103.1動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業116,861102.5計3,675,204103.2調整額(セグメント間消去)△3,876-合計3,671,328103.2 (注)セグメント間の内部売上高を含んでおります。b.仕入実績仕入実績と販売実績の差額は僅少であるため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況等に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況、②財政状態の状況、③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ②資本の財源及び資金の流動性 当社グループにおける資本の財源は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、現金及び現金同等物、政策投資株式の売却に伴う収入等になります。当連結会計年度末の借入金残高はありませんが、引き続き、財務健全性を確保しつつ、当社グループにとって最適な資本構成を追求してまいります。 資金の流動性につきましては、事業活動を支える観点で充分な流動性を確保するとともに、金融機関からの当座貸越枠として1,845億円を設定し、突発的な資金需要にも対応しうる体制の構築をもって、流動性リスクに備えております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っておりますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目事象は以下のとおりです。なお、当社グループの取り扱う商品は、医薬品や食品、日用品など人々が生活をしていくうえで必要不可欠なものであることから、その需要が大きく減少することは想定しづらいと考えております。従いまして、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定において、新型コロナウイルスの影響は軽微であります。 a.繰延税金資産 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 b.のれんの評価 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 c.退職給付債務及び退職給付費用 退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い国債利回りなどを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率などを考慮して設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。 d.固定資産の減損 当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。 固定資産の回収可能価額について、正味売却価額により測定しておりますが、売却予定の資産については売却予定価額を基に算定しておりますので、前提条件に変更があった場合、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。 e.納入価格の見積り設定について 当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、納入停滞が許されない生命関連商品であることから、取引価格が未決定のまま医療機関等に納入し、納入後に価格交渉を行うという取引慣行が存在しております。取引価格が決定するまでは、過去の実績等を勘案し、合理的に判断した見積価格で売上計上を行っておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際に決定した取引価格との差異が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、2024年3月期における医療用医薬品の売上高2.2兆円のうち、取引価格の決定比率(金額ベース)は99.6%となっており、期末には取引価格がほぼ確定する傾向となっております。(過去3年間の取引価格の決定比率 2021年3月期:99.9%、2022年3月期:99.8%、2023年3月期:99.6%)

※本記事は「株式会社メディパルホールディングス」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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