| 会社名 | 株式会社コーエーテクモホールディングス |
| 業種 | 情報・通信業 |
| 従業員数 | 連2684名 単113名 |
| 従業員平均年齢 | 38.2歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 9.4年 |
| 平均年収 | 7939258円 |
| 1株当たりの純資産 | 596.95円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 119.14円 |
| 決算時期 | 月3 |
| 配当金 | 60円 |
| 配当性向 | 90.2% |
| 株価収益率(PER) | 16.51倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 20.7% |
| 営業活動によるCF | 343億円 |
| 投資活動によるCF | 409億円 |
| 財務活動によるCF | ▲631億円 |
| 研究開発費※1 | 110.9億円 |
| 設備投資額※1 | 18.52億円 |
| 販売費および一般管理費※1 | 489.38億円 |
| 株主資本比率※2 | 98.5% |
| 有利子負債残高(連結)※3※4 | 0円 |
経営方針
| 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営方針当社グループは、「コーエーテクモの精神」と「コーポレートスローガン」の2つを“存在意義(パーパス)”としました。私たちが常に大切にする精神と、社会にとってどのような存在であるべきか、を示すものでもあります。この“存在意義”を実践するために、「ビジョン」「価値観」「経営基本方針」の3つの理念があります。 存在意義コーエーテクモの精神「創造と貢献 新しい価値を創造して、社会に貢献する」コーポレートスローガン「Level up your happiness 新しい面白さで もっと幸せに」 ビジョン:将来のありたい姿、存在意義を実現するための企業成長の姿「世界No.1のデジタルエンタテインメントカンパニー」 価値観:私たちが大切にする価値観。私たちの文化を形成するもの「クオリティ&サティスファクション」高い品質によってお客様に大きな満足を提供する「クリエイティブ&ビジネス」2つを両立できる人が新しい価値をつくる「品質・納期・予算」新しい面白さを生み出し、成長を支える私たちの源 経営基本方針:経営の執行を担う人たちが果たすべき役割や責任。4つを循環させ続けることで、さらなる持続的成長につながる① 最高のコンテンツの創発素晴らしいコンテンツを通じて、お客様に最高の感動を提供する② 成長性と収益性の実現経営基盤を安定化させ、更なる発展を目指す③ 社員の福祉の向上業績と福祉の向上により、活力に満ちた魅力ある企業となる④ 新分野への挑戦社会にとって役に立つ新しさの実現にチャレンジし続ける (2) 目標とする経営指標当社グループは、成長性と収益性の実現により企業価値を高めてまいりますが、重要な経営指標としては、売上高営業利益率30%以上を目標としています。また、令和8年3月期より開始する3カ年の第4次中期経営計画では、3カ年累計の営業利益1,000億円以上を計画するとともに、第3次中期経営計画の目標であった単年度の営業利益400億円達成に再挑戦します。 (3) 中長期的な会社の経営戦略第4次中期経営計画は、中長期での飛躍に向けた「成長のための基盤づくり」をテーマとして、新たな経営体制で臨みます。パイプラインの数と質、販売力、コスト効率の成長を4つの目標として掲げます。各目標に向け「経営基盤強化(人的資本・ガバナンス)」「事業戦略」「キャッシュアロケーション(成長投資・利益還元)」を3つの柱として重点的に取り組みます。「経営基盤強化(人的資本・ガバナンス)」においては、人材育成方針として「クリエイティブ&ビジネス 新しい面白さを実現するクリエイター&成長性と収益性を実現するビジネスパーソン」を掲げ、人材戦略を実行します。ガバナンスでは、令和7年6月に、当社グループの業務執行の最高責任者として新たに社長執行役員CEOを設けるとともに、取締役会において独立社外取締役が過半数を占める体制にすることで経営の監督と執行の分離を進めます。「事業戦略」においては、新規IP・ジャンルへのチャレンジによる成長と既存IPと協業による安定的な成長を実現し、成長性と収益性を両立した確度の高い事業ポートフォリオを構築します。エンタテインメント事業では、コンソール・PC分野、オンライン・モバイル分野、ゲームIPの多方面展開への積極的な投資を行います。コーエーテクモのIPを作る力・売る力・生かす力・支える力を強化することで、世界中のユーザーにとって魅力ある高い品質のIPを創造し、その価値を最大化してまいります。アミューズメント事業では、スロット・パチンコ、アミューズメント施設それぞれの分野において、既存事業の改善と新規施策を進め、持続的な成長を目指します。不動産事業では、物件管理の向上に取り組み、ライブハウス型ホールKT Zepp Yokohama等の高稼動率維持によって安定収益を実現します。営業外収支では、金融環境の変化に対応しながら安定した運用を行ってまいります。令和7年度からは、新しく設立した株式会社コーエーテクモコーポレートファイナンスにグループファイナンス機能を集約し、資金の効率性を高めてまいります。「キャッシュアロケーション(成長投資・利益還元)」においては、人的資本を中心とする成長投資を拡大することで営業利益目標を達成し、その成果によってさらなる成長投資と株主還元による企業価値向上の好循環を実現します。利益還元の基本方針は「配当金に自社株買付けを加えた連結年間総配分性向50%、あるいは1株当たり年間配当50円」とし、営業利益成長による配当総額の伸長を目指します。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、第3次中期経営計画の振り返りを踏まえ、(3) 中長期的な会社の経営戦略に記載の第4次中期経営計画を実行していくうえで、優先的に対処すべき課題を以下と捉えております。①開発体制の拡充グローバル市場の拡大や新興国市場の急成長により、当社グループに求められる開発力は質・量ともに一層の向上が必要とされています。魅力的なIPの創出と提供力の強化のため、開発体制の拡充は最優先の経営課題と認識しております。当社グループでは、新卒採用を中心に年200人以上の人材採用を継続して行っており、当社グループの人材育成方針に基づき、クリエイティビティとビジネスの両面に秀でた人材の育成を進めております。こうした取組を通じて、当社グループの強みであるIPの創出力をさらに高め、収益性と価値を最大化する能力の向上を図ってまいります。 ②AAA水準への品質向上ゲーム産業における技術革新の加速や、ユーザーの品質に対する期待水準の高まり、さらにはマルチプラットフォーム化の進展を受けて、AAAタイトル水準の品質を安定的に実現する開発力が求められております。この課題に対して、当社グループでは自社のゲームエンジン「KATANA ENGINE」の継続的な技術強化を図り、特にグラフィック表現の高度化を進める一方、一部タイトルにおいては汎用ゲームエンジンも活用し、開発効率と品質向上の両立を目指しています。また、PC版製品の快適性向上にも取り組み、ユーザー体験のさらなる強化を推進しています。 ③コスト削減・管理の強化グローバルでの競争の激化や、アミューズメント市場の成熟といった外部環境の変化を踏まえると、安定的な収益基盤の確立には全社的なコスト意識と管理能力の向上が不可欠です。当社グループでは「KATANA ENGINE」の自動生成技術の高度化に加え、各プロジェクトの予算統制の徹底や、生成AI等の技術活用による生産性向上を図っております。 ④グローバルマーケティング・パブリッシングの拡充世界のゲーム市場は引き続き拡大基調にある一方で、可処分時間をめぐる競争が一層激化しており、地域ごとの市場特性に即したグローバルなマーケティング及びパブリッシング体制の構築は、重要な課題となっております。中東・北アフリカ地域への展開を開始しており、今後はインド・東南アジア等の成長市場も視野に入れたグローバルマーケティング戦略を推進してまいります。また、将来的には自社でグローバルパブリッシングを担える体制の構築を目指し、マーケティング部門の体制強化及び人材拡充を進めております。 なお、当社グループの中長期的に持続的な成長及び企業価値向上のために、特に取組むべき課題については、マテリアリティとしてまとめ、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ共通」に記載しております。 (5) 次期の見通し今後の景気見通しについては、緩やかに成長することが期待されるものの、米国の政策動向や、欧州・中東等の地政学リスク、金融資本市場の変動の影響等、先行きに対する懸念があります。ゲーム市場は、グローバルな市場規模の拡大、ユーザー人口の増加が続いており、今後もさらに成長していくことが予想されます。 このような経営環境下において、当社グループは、コーエーテクモの精神「創造と貢献 新しい価値を創造して、社会に貢献する」のもと、ビジョン「世界No.1のデジタルエンタテインメントカンパニー」の実現に向けて、挑戦を続けてまいります。 令和8年3月期は複数の新作タイトルの発売を予定しているものの、中長期に向けた開発投資が先行することや昨今の金融資本市場の状況を踏まえ、売上高920億円(前年同期比10.6%増)、営業利益310億円(同3.5%減)、経常利益370億円(同26.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益270億円(同28.2%減)を見込んでおります。 (注)上記の業績予想数値は、いずれも業界の動向、国内及び海外の経済状況、為替相場の影響などの要因について、現時点で入手可能な情報をもとに行った見通しであります。そのため、上記数値はこれらの要因の変動により異なる可能性があります。 |
経営者による財政状態の説明
| 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、米国の政策動向の不確実性や中国における景気の下振れリスク等があったものの、緩やかに成長しました。第3次中期経営計画の最終年度となる当期は、グループ経営方針として「グローバルIPの創造と展開」を掲げ、各種施策に取り組みました。売上高において、パッケージゲームでは9タイトルを発売し、オンライン・モバイルゲームでは既存の自社運営・許諾タイトルが中心となりました。自社パブリッシングの新作タイトルが増加し、バックカタログ等のダウンロード販売が伸長しました。加えて、運営タイトルのコスト削減を進めたこと等により、前年度を上回る営業利益を達成しました。また、金融市場を注視しながら機動的な運用を行ったことで、営業外収支、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高となりました。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ359億74百万円減少し、2,098億28百万円となりました。転換社債型新株予約権付社債が満期到来により現金償還となり、償還資金に充てるため有価証券が大きく減少いたしました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ498億43百万円減少し、204億7百万円となりました。転換社債型新株予約権付社債が償還されたため、大きく減少いたしました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ138億68百万円増加し、1,894億21百万円となりました。 b.経営成績当社グループの当期業績は、売上高831億50百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益321億19百万円(同12.7%増)、経常利益499億88百万円(同9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益376億28百万円(同11.4%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。エンタテインメント事業「シブサワ・コウ」ブランドでは、10月に『三國志8 REMAKE』、3月に『Winning Post 10 2025』を発売しました。スマートフォンタイトルでは、『三國志 覇道』『信長の野望 覇道』が収益に貢献しました。「ω-Force」ブランドでは、「真・三國無双」シリーズの最新作『真・三國無双 ORIGINS』とローグライト無双アクション『無双アビス』(PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox Series X|S 、Windows(Steam)用)を発売しました。『真・三國無双 ORIGINS』は全世界累計出荷本数が100万本、体験版が200万ダウンロードを突破しました。「Team NINJA」ブランドでは、2月に『NINJA GAIDEN 2』のリマスタータイトル『NINJA GAIDEN 2 Black』(PS5、Xbox Series X|S、Xbox Game Pass、Windows(MS Store、Steam)用)、3月にイマーシブ恋愛アドベンチャー『Venus Vacation PRISM – DEAD OR ALIVE Xtreme -』(PS5、PS4、Windows(Steam)、DMM GAMES用)の2タイトルを発売しました。また、『Rise of the Ronin』のWindows(Steam)版を3月に配信開始しました。「ガスト」ブランドでは、12月に『FAIRY TAIL2』を発売しました。3月には「アトリエ」シリーズの新タイトル『ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~』を発売し、シリーズ最速で世界累計出荷30万本を突破しました。「ルビーパーティー」ブランドでは、ネオロマンス30周年を記念したイベント『ネオロマンス 30th Anniversary ~アンジェリーク&遙かなる時空の中で~』を1月に開催しました。「midas」ブランドでは、位置情報ゲーム『信長の野望 出陣』でコラボご当地イベント、ゲーム内キャンペーン、1.5周年を記念した施策等を実施しました。「AAAスタジオ」では、新規タイトル『ゼルダ無双 封印戦記』(Nintendo Switch 2用)(※)の開発に注力しました。IP事業においては、『三国志・戦略版』(国内では『三國志 真戦』)が引き続き収益に寄与しました。以上の結果により、エンタテインメント事業の売上高は780億78百万円(前年同期比1.8%減)、セグメント利益は314億79百万円(同11.2%増)となりました。※ 『ゼルダ無双 封印戦記』の海外における発売元は任天堂株式会社です。 アミューズメント事業アミューズメント施設では新店1店舗を出店するとともに、既存店売上高が好調に推移しました。スロット・パチンコでは液晶ソフト受託開発に取り組み、当期は開発受託3タイトルが稼働を開始しました。以上の結果により、アミューズメント事業の売上高は41億50百万円(前年同期比5.9%増)、セグメント利益は5億円(同25.7%減)となりました。 不動産事業ライブハウス型ホールKT Zepp Yokohamaは高い稼働率となり、本施設の売上高は過去最高となりました。以上の結果により、不動産事業の売上高は12億34百万円(前年同期比2.4%増)、セグメント利益は3億4百万円(同100.8%増)となりました。 その他事業ベンチャーキャピタル事業において、ファンドの管理費用が発生しました。以上の結果により、その他事業の売上高は3億18百万円(前年同期比18.2%減)、セグメント損失は1億64百万円(前期はセグメント損失6億35百万円)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して121億円増加し、225億52百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、獲得した資金は343億69百万円(前連結会計年度は366億3百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益499億88百万円の計上の一方で、法人税等の支払額127億42百万円の減少要因によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、獲得した資金は409億73百万円(前連結会計年度は248億59百万円の支出)となりました。これは主に有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入1,208億35百万円の増加要因の一方で、有価証券及び投資有価証券の取得による支出780億7百万円の減少要因によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、支出した資金は631億75百万円(前連結会計年度は154億75百万円の支出)となりました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の償還による支出460億円、配当金の支払額170億27百万円の減少要因によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)エンタテインメント5,68129.1合計5,68129.1 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.受注実績当社グループでは一部個別の受託開発を行っておりますが、金額的重要性が低く、また受注状況の記載が営業の状況に関する実態を表さないため、記載を省略しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)エンタテインメント77,738△2.1アミューズメント4,1505.9不動産1,2322.6報告セグメント計83,121△1.6その他29△61.4合計83,150△1.7 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 令和5年4月1日至 令和6年3月31日)当連結会計年度(自 令和6年4月1日至 令和7年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)Apple Inc.18,20121.514,65917.6ソニー・インタラクティブエンタテインメント–10,83913.0Lingxi Games Information Technology (Tianjin) Co., Ltd.12,97015.39,21111.1Valve Corporation–8,63110.4Google LLC10,08911.98,39610.1 (注)1.Apple Inc.及びGoogle LLCはプラットフォーム提供会社であり、同社に対する販売実績は、当社グループが提供するゲームサービスの利用者(一般ユーザー)に対する利用料等であります。2.前連結会計年度のソニー・インタラクティブエンタテインメント及びValve Corporationに対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成にあたっては、連結会計年度末日における財政状態並びに連結会計年度の経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過年度の実績や現状を踏まえ、合理的と判断される前提・仮定に基づき、かかる見積り・予測を行なっておりますが、実際の結果はこれと異なる場合があります。当社グループは、主として以下の会計方針において、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある見積り・予測が内包されていると認識しております。a.繰延税金資産の計上当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得がその見積り額を下回る場合、繰延税金資産が取崩され、税金費用が計上される可能性があります。 b.有価証券の減損当社グループの保有する有価証券については、市場価格のある有価証券、市場価格のない有価証券ともに、合理的な判断基準を設定の上、減損処理の要否を検討しております。従って、将来、保有する株式及び債券の時価や投資先の財務状況が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。なお、減損処理に関する基準については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(有価証券関係)」をご参照ください。 c.固定資産の減損当社グループは、固定資産につき、固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 2002年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 2003年10月31日))に基づき、その資産性について営業損益、事業計画や時価等を元に検討しております。 d.退職給付に係る負債の計上当社及び一部の子会社は、従業員の退職給付制度として、確定給付制度を採用しております。確定給付制度については、退職給付債務の現在価値と制度資産の公正価値との純額を負債又は資産として認識しております。退職給付債務は、割引率、退職率及び死亡率など年金数理計算上の基礎率に基づき見積もられています。また、退職給付債務の現在価値を算定するために使用する割引率は、原則として、退職給付債務の見積期間と整合する期末日時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。年金資産の長期期待運用収益率は、現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。 経営者は、これらの前提条件は適切であると考えていますが、実績との差異や仮定の変動は将来の退職給付費用や退職給付債務に影響します。なお、退職給付債務の残高、使用している割引率等については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」をご参照ください。 e.受注制作のソフトウエアに係る売上高及び売上原価当社グループは、ゲームソフト等の受託開発契約について、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。進捗度の測定は、各報告期間末の期末日までに発生した開発原価が、予想される開発原価の総額に占める割合に基づいて行っております。なお、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い受託開発については、「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日。以下「収益認識会計基準適用指針」という。)第95項に定める代替的な取り扱いを適用し、一定の期間にわたり収益を認識せず、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しております。収益総額、見積総原価及び決算日における進捗率について、当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。 f.販売報告等を未受領の取引における売上高の見積り計上当社グループで計上される売上高の一部については、履行義務を充足しているもののプラットフォーマー等の取引先から正式な販売報告等を受領していない取引が含まれております。本取引については、取得可能な事前情報に基づいて合理的な見積を行い売上計上しておりますが、将来、市場動向の変化等により当初見積りの前提条件と乖離が発生する可能性があります。なお、当期の当該売上高等については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。 ② 当連結会計年度の経営成績の分析当連結会計年度における経営成績は売上高831億50百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益321億19百万円(同12.7%増)、経常利益499億88百万円(同9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益376億28百万円(同11.4%増)となりました。これらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 ③ 当連結会計年度の財政状態の分析資産、負債及び純資産の状況(資産の部)当連結会計年度末における資産合計は、2,098億28百万円(前期末比14.6%減)となりました。うち流動資産は614億84百万円(同33.9%減)、固定資産は1,483億43百万円(同2.9%減)であります。流動資産の主な内訳は現金及び預金240億34百万円、有価証券204億54百万円、売掛金及び契約資産151億23百万円であります。固定資産の主な内訳は投資有価証券994億9百万円であります。(負債の部)当連結会計年度末における負債合計は、204億7百万円(前期末比71.0%減)となりました。うち流動負債は189億14百万円(同72.6%減)、固定負債は14億92百万円(同12.9%増)であります。流動負債の主な内訳は未払法人税等67億95百万円、未払金37億98百万円であります。固定負債の主な内訳は繰延税金負債5億35百万円であります。(純資産の部)当連結会計年度末における純資産合計は、1,894億21百万円(前期末比7.9%増)となりました。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループでは、新規タイトルの創出による特定タイトルへの依存度低下、最適な製品発売時期を見据えた開発スケジュール管理の徹底により、年間ベースでの業績目標を達成すべく努力しております。しかしながら、市場動向や、やむをえない開発スケジュールの変更による製品発売時期変動のため、業績に影響を与える可能性があります。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析a.資金需要当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、エンタテインメント事業におけるゲームソフトの開発費、各事業における販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。 b.財務政策当社グループは自己資金による財務調達を基本方針としておりますが、不足が生じた場合は、外部借入や社債の発行による資金調達を実施しております。また、当社グループの収益性向上に資するべく、余剰資金による投資有価証券等の運用を継続的に実施しております。 ⑥ 経営上の目標の達成状況について当社グループは更なる成長性と収益性の実現に向けて売上高営業利益率30%以上を重要な経営指標として位置付けております。当連結会計年度における売上高営業利益率は前期より4.9ポイント上昇し、38.6%となりました。なお、令和8年3月期から開始する第4次中期経営計画では新たに営業利益額の目標を策定いたしました。今後も目標達成に向けて取組んでまいります。 |
※本記事は「株式会社コーエーテクモホールディングス」の令和7年月3期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)


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