| 会社名 | 株式会社イズミ |
| 業種 | 小売業 |
| 従業員数 | 連4938名 単2908名 |
| 従業員平均年齢 | 41.1歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 16.7年 |
| 平均年収 | 5557000円 |
| 1株当たりの純資産 | 3990.31円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 166.6円 |
| 決算時期 | 年2 |
| 配当金 | 90円 |
| 配当性向 | 66.82% |
| 株価収益率(PER) | 18.4倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 4.2% |
| 営業活動によるCF | 402億円 |
| 投資活動によるCF | ▲916億円 |
| 財務活動によるCF | 550億円 |
| 研究開発費※1 | -円 |
| 設備投資額※1 | 4.09億円 |
| 販売費および一般管理費※1 | 2434.59億円 |
| 株主資本比率※2 | 45.4% |
| 有利子負債残高(連結)※3 | 1207.32億円 |
経営方針
| 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年5月29日)現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「社員が誇りと喜びを感じ、地域とお客さまの生活に貢献し続ける」との経営理念に基づき、当社グループの収益の源泉である「地域」および「お客さま」への貢献を果たすことを通じて「社員」が誇りと喜びを感じつつ働くことができることこそ、あらゆるステークホルダーの皆さまのご期待に応える最短の道と考えています。マーケットの成熟化と競合激化という環境下にありますが、お客さまニーズの変化へ適切に対応できる組織・人材の養成と、競争優位な分野への経営資源の選択的投入により、独自の付加価値を創造し、企業価値の着実な増大を図ってまいります。さらに、地域に密着した企業として、経済、雇用、環境、文化への貢献を果たしてまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、2021年4月13日付で第61期(2022年2月期)から第65期(2026年2月期)までの5ヵ年における第二次中期経営計画を策定いたしました。なお、2023年4月11日付にて、第二次中期経営計画の見直しについて公表しました。しかしながら、2024年2月にランサムウェア被害により発注・仕入等を含む全てのサーバーを停止させるなど一部混乱が発生しました。システム復旧後は客数回復に最優先に取り組んだことにより、長期化するインフレへの対応が遅れました。また、実質賃金のマイナスが続き消費者の節約志向は更に強まっています。このような環境の下、2026年2月期は第二次中期経営計画の最終年度であるとともに、2030年長期ビジョン達成に向けた体制を強化していくことを踏まえ、改めて計画数値の見直しを行いました。見直し後の第二次中期経営計画最終年度である2026年2月期連結業績計画は、営業収益5,901億円、営業利益307億円を経営目標としています。 (3) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題当社グループは、お客さま満足の獲得と企業価値の向上のために、以下の経営施策を推進してまいります。 お客さま満足度 No.1を目指して・三世代の幅広いニーズを満たす品揃え及びテナントを導入するとともに、ご家族が共に過ごすための快適な空間を実現することで、さらに魅力ある商業施設を構築してまいります。・地域のお客さまにとって、品質、鮮度が高く安全・安心な商品を低価格でご提供する“いいものを安く”を各商品分野で実現させるべく、商品開発とともに原価低減、ロス削減を進めてまいります。・店舗を起点とした風通しの良い組織で、従業員の自律的な行動や能力開発をサポートし、明確な目標に対する成果を評価する体制を構築することで、さらに働き甲斐のある職場を実現してまいります。 持続的成長のために・2030年までの目標「you me MIRAI 宣言」として数値目標を策定するとともに、取り組み項目として下記5項目を掲げています。CO2排出量:50%削減(2013年度比)プラスチック包装:80%削減(2018年度比)食品ロス・リサイクル:50%削減(2018年度比)、食品リサイクル率 70% 取り組み項目・地域から頼りにされる拠点づくり・気候変動を和らげるために・人と地球にやさしい商品を・みんなが住みやすい街づくり・働きがいのある職場づくり ・広域型ショッピングセンター「ゆめタウン」、近隣型ショッピングセンター「ゆめモール」及び食品スーパーマーケット「ゆめマート」の今後の積極出店を展望し、キャッシュ・フロー創出能力の向上を目指し体質強化を図るとともに、既存店への活性化投資ならびにスクラップ&ビルドを継続的に行うことで店舗の若返りを図り、地域シェアの拡大による企業成長に繋げてまいります。・M&A戦略の積極展開による地域ドミナント基盤をより強固にし、商品調達面などにおける競争優位を実現するとともに、地域経済の発展並びに雇用の維持・拡大に貢献してまいります。・店舗作業の効率化と人員多能工化により人時生産性を抜本的に改善させていく活動に取り組み、その成果を全店に展開することで生産性を高めてまいります。また、業務のデジタル化を推し進めることで省力化を図り、従業員の労働環境の整備を図るとともに、生み出された余剰時間をサービス向上へ転換しお客さまの満足につなげてまいります。・中長期的な企業価値の向上に努めるべく、株主さま・投資家さまとの対話を通じたコーポレートガバナンスの充実を図ってまいります。・これらのことから、創出するキャッシュ・フローを成長投資及び株主還元に振り向け、有効に活用してまいります。高水準の資本効率の維持と更なる向上とともに最適資本構成の実現を通じて、企業価値及び株主価値の増加に努めてまいります。 |
経営者による財政状態の説明
| 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年5月29日)現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善などを背景に、景気は緩やかに回復してきました。一方、原材料高やエネルギー価格上昇、円安などに起因したインフレの長期化により、生活必需品に対する消費者の生活防衛意識が一段と高まっています。さらに、採用難や各種コストの上昇など、小売業界における経営環境は依然として見通しにくい状況が継続しています。このような状況の下、当社グループは、経営理念「社員が誇りと喜びを感じ、地域とお客さまの生活に貢献し続ける」に基づき、「暮らしやすく、人口が増えるまちづくり」に長期的視点で取り組むことを掲げ、第二次中期経営計画(2021年4月に策定、2023年4月に戦略および計画数値をアップデート)にて定めた戦略を推進してきました。成長戦略では、出店計画を絞り込み、既存店活性化投資とM&A・アライアンスによる新たな事業領域の拡大へと振り向け、オーガニック成長+インオーガニック成長による長期ビジョン実現を目指していきます。これらにスピーディーに対応するため、5月にM&Aや新規事業を管轄する「投資推進事業部」を副社長直轄組織として配置するとともに、外部専門人材を登用するなど組織体制強化を図ることで、一段と推進力を高めました。5月に、株式会社サンライフ(大分県大分市)を完全子会社化しました。同社は地域密着型の食品スーパーとして、長期にわたり小商圏における存在感を維持しています。既存店舗網の空白地帯である大分市内を中心に4店舗を運営しており、新たな市場への参入、市場占有率の向上等、エリア戦略の前進に寄与するものと考えています。6月、株式会社マルヨシセンター(香川県高松市)との資本業務提携契約に基づき、四国エリアにおける商品仕入や物流及びシステム統合を開始しました。これにより、四国エリアにおける業務プロセスの効率化、コスト削減を実現するとともに、迅速かつ正確な物流・配送体制を整備することで、お客さまへのサービス品質を高めてまいります。8月、連結子会社の株式会社ゆめマート熊本(熊本市東区)は、株式会社西友(東京都武蔵野市)が九州地域において展開する食品スーパー事業を会社分割(吸収分割)により承継しました。今後、福岡県を中心にこれまでよりもさらに強固なドミナンスを形成し、スケールメリットを生かした仕入の実現や販促、物流の効率化を図っていきます。また、承継対象事業の保有する効率的なオペレーション等のナレッジを活用し、当社グループの既存SM事業に取り入れ、収益力の高い「新規SM事業を創造」することにより、全体の収益性を高めてまいります。また、「サステナビリティ基本方針」に基づき、環境KPI達成に向けた取り組みを着実に進めてきました。サステナビリティの状況等の詳細につきましては弊社サステナビリティサイトをご参照ください。サステナビリティサイトhttps://www.izumi.co.jp/sustainability/ なお、6月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を公表しました。資本コストや資本収益性に係る当社の現状を分析・評価するとともに、改善に向けた取組み方針を策定したものです。詳細につきましては、下記URLをご参照ください。https://www.izumi.co.jp/corp/ir/pdf/2024/0704news.pdf 主力の小売事業においては、2024年2月15日に発生したランサムウェア感染によるシステム障害の影響により、複数の不具合が生じました。商品供給面では、発注システムに支障をきたし、一部商品の提供が困難になる不具合が生じました。販促・サービス面では、各店舗の折込みチラシ、「ゆめアプリ」のアプリクーポン、ECサイト「ゆめオンライン」及びネットスーパー「ゆめデリバリー」などのサービスを一時休止しました。これらへの対応を進め、5月1日にはシステムを復旧させ、一部を除きサービスを正常化させました。以降は、ランサムウェア感染被害の影響により減少した客数の回復を図るべく、対応を進めました。コスト面では、電力料金などの高騰に備え費用低減を図るべく、全社的取り組みとして電力使用量の削減を図る一方で、新規出店、既存店のリニューアル、M&Aへの成長投資を積極的に推進してきました。また、ランサムウェア感染被害を契機とし、「創造的復興」をテーマとしてグループを挙げて業務プロセスを見直し、より高い生産性を追求する体制の整備を進めています。 これらの結果、当期の経営成績は以下のとおりとなりました。 金額前期比営業収益524,142百万円11.2%増 (内 売上高)(467,345百万円)12.4%増 (内 営業収入)(56,797百万円)2.3%増営業利益25,425百万円19.1%減経常利益25,708百万円20.5%減親会社株主に帰属する当期純利益11,919百万円41.8%減 経営成績の主な増減要因a.営業収益及び営業総利益営業収益は前期比52,976百万円(11.2%)増加し、524,142百万円となりました。これは、主に連結子会社の株式会社ゆめマート熊本にて、株式会社西友が九州地域において展開する食品スーパー事業を承継したこと等によるものです。営業総利益は、207,602百万円(前期比12,238百万円増)となりました。営業収益対比では39.6%となり前期に比べて1.9ポイント低下しました。 b.販売費及び一般管理費並びに営業利益販売費及び一般管理費については、主に当該事業承継に伴う人件費及びその他販売費の増加等により、前期比18,238百万円(11.1%)増加の182,177百万円となりました。営業収益対比では34.8%となり前期に比べて横ばいでした。これらの結果、営業利益は前期比6,000百万円(19.1%)減少の25,425百万円となり、営業収益対比では4.9%と前期に比べて1.8ポイント低下しました。 c.営業外損益及び経常利益営業外収益は、前期比79百万円(5.9%)減少の1,272百万円となりました。一方、営業外費用は、シンジケートローンの組成に伴う支払利息の増加等により、前期比533百万円(117.3%)増加の989百万円となりました。これらの結果、経常利益は前期比6,613百万円(20.5%)減少の25,708百万円となりました。営業収益対比は4.9%と前期に比べて2.0ポイント低下しました。 d.特別損益、法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益特別利益は、政策保有株式の売却による投資有価証券売却益2,343百万円等を計上し3,028百万円となりました(前期比1,608百万円の増加)。一方、特別損失は、減損損失7,755百万円等を計上し8,238百万円となりました(前期比3,983百万円の増加)。法人税等は7,745百万円となりました(前期比1,111百万円の減少)。非支配株主に帰属する当期純利益は、連結子会社における投資有価証券売却益の計上等により834百万円となりました(前期比689百万円の増加)。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比8,566百万円(41.8%)減少の11,919百万円となりました。営業収益対比は2.3%と前期に比べて2.0ポイント低下しました。 各セグメントの業績■営業収益 前期(2023年3月~2024年2月)当期(2024年3月~2025年2月)増減(金額)増減(率)小売事業454,471百万円506,985百万円52,513百万円11.6%小売周辺事業44,644百万円47,927百万円3,283百万円7.4%その他5,297百万円4,968百万円△329百万円△6.2%調整額△33,247百万円△35,738百万円△2,490百万円―合計471,166百万円524,142百万円52,976百万円11.2% ■営業利益 前期(2023年3月~2024年2月)当期(2024年3月~2025年2月)増減(金額)増減(率)小売事業25,403百万円19,671百万円△5,731百万円△22.6%小売周辺事業5,702百万円5,510百万円△192百万円△3.4%その他650百万円574百万円△75百万円△11.7%調整額△331百万円△331百万円△0百万円―合計31,425百万円25,425百万円△6,000百万円△19.1% a.小売事業主力の小売事業においては、2024年2月15日に発生したランサムウェア感染によるシステム障害の影響により、複数の不具合が生じました。商品供給面では、発注システムに支障をきたし、一部商品の提供が困難になる不具合が生じました。販促・サービス面では、各店舗の折込みチラシ、「ゆめアプリ」のアプリクーポン、ECサイト「ゆめオンライン」及びネットスーパー「ゆめデリバリー」などのサービスが一時休止となりました。これらへの対応を迅速に進め、5月1日にはシステムが復旧し、一部を除きサービスを正常化させました。以降は、ランサムウェア感染被害の影響により減少した客数の回復を図るべく、対応を進めました。商品面では、発注システムの不具合による品揃えへの影響に対し、お客さまのご不便を最小化すべく商品供給体制の確保に尽力するとともに、システムの復旧に努めました。5月1日には安定供給の体制を整え、以降は高まる消費二極化への対応力強化を図りました。また、昨年2月に加盟したニチリウグループ(大阪市福島区)との商品調達面での取り組みを進めています。直営ライフスタイル部門では、価格競争力のある付加価値商品等の導入を進めており、来期以降も拡大していく計画です。9月には、同グループのプライベートブランドである「くらしモア」を株式会社ゆめマート熊本に導入しました。これらにより、インフレの長期化により高まる低価格ニーズへの対応力を一層高めてまいります。店舗面では、4月に「ゆめマート新大村(長崎県大村市)」を開業しました。当店舗は、生活雑貨「無印良品」、カフェ「スターバックスコーヒー」、分譲マンション等で構成された複合施設「SAKURA MIRAI SHIN OMURA(サクラミライ新大村)」内に位置しており、日々の暮らしを支え、地域とのつながりを大切にする交流拠点として“毎日通う楽しみ”を提供します。また、当社は近隣型ショッピングセンター「ゆめモール」の出店を進めており、5月には「ゆめモール合志(熊本県合志市)」を、9月には「ゆめタウン五日市(広島市佐伯区)」を建て替え、「ゆめモール五日市(同上)」を開業しました。ゆめモールは、食品スーパー「ゆめマート」を中心に、アパレル、飲食店など多彩な専門店を一か所に集約したオープンモール型の商業施設です。「通う場所」「出会う場所」「憩う場所」をキーワードに、地域の生活拠点として、環境にやさしく、便利で快適、健康な暮らしを提供する地域密着型モールを目指しています。さらに、既存店では大規模リニューアルを実施しました。3月に「ゆめタウン平島(岡山市東区)」に「サンドラッグ」、4月には「ゆめタウン学園店(広島県東広島市)」に「無印良品」をテナントとして導入するなど、中型GMS店舗への有力テナントを導入することで集客力向上を図りました。大型GMS店舗では、10月に「ゆめタウン高松(香川県高松市)」、11月に「ゆめタウン博多(福岡市東区)」において、「食」、「ビューティ・ドラッグ」の売場強化等による店舗付加価値向上を図りました。「食」については、直営食品売場を拡大し、地域のお客さまのニーズに合わせた品揃えを実現するとともに、新たな食物販テナントの導入により、食のゾーン全体での強化を行いました。「ビューティ・ドラッグ」については、美容・健康関連の売場を集約するとともに、新しいお客さまの取り込みに向けた売場・品揃え構築を図りました。これらの取り組みに対して、販売動向は以下のとおりです。春先には、3~4月は、発注システムの支障などから商品の品揃えの不具合、折込みチラシ及びアプリクーポンなどの各種サービス休止により営業活動が制限されました。これらにより、直営の食品・ライフスタイル売場では、客数が減少したことを主要因として販売が落ち込みましたが、システムが復旧し営業活動が正常化した5月には、客数の回復とともに販売状況も好転しました。一方、テナントでは、当該被害の影響は限定的であり、飲食・サービスを中心に堅調に推移しました。夏場に入り、客数の回復並びにインフレの長期化により高まる低価格ニーズへの対応強化を念頭に、6月から食料品や日用品60品目を対象に従来価格から最大3割程度値下げした「全力応援値下げ」を開始しました。一方で、自社製造ブランド「zehi」や、社内審査で厳選した「これ旨」などの高付加価値商品の販売推進により、二極化する消費への対応を推し進めたこと等により客数の回復が一段と進みました。秋口以降、気温低下が遅れたことにより残暑が長引いたことから、直営ライフスタイル売場では衣料品が伸び悩みました。直営食品売場では、低価格を中心に消費二極化への施策を進めた結果、客数の増加とともに販売も好調に推移しました。テナントでは、直営同様に衣料品が苦戦した一方で、飲食・アミューズメントなど、食関連や時間消費カテゴリーが大きく伸長しました。冬場には、気温が低下するにつれ、直営ライフスタイル売場では肌着や婦人衣料が好調に推移したほか、医薬品も大きく伸長しました。直営食品売場では、加工食品の継続的な値上がりに加え、生鮮食品価格の高騰も加わり、既存店客数が前年を下回るなど、お客さまの節約意識の一層の高まりが見られました。一方で、客単価の上昇が寄与し、既存店売上高は前年を上回りました。これらの結果、当期における当社の既存店売上高(テナント専門店を含む)は前年同期比で0.7%増(「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)」等を適用前の数値)、同様にテナント専門店を除く直営ベースでは0.8%減(同)となりました。コスト面では、当該システム障害の発生を契機とし、「創造的復興」をテーマとして全社的に業務プロセスを見直し、より高い生産性を追求する体制の整備を進めています。また、電力料金などの高騰に備え費用低減を図るべく、全社的取り組みとして電力使用量の削減を図る一方で、新規出店、既存店のリニューアル、M&Aへの成長投資を積極的に推進してきました。これらの結果、営業収益は506,985百万円(前期比11.6%増)、営業利益は19,671百万円(前期比22.6%減)となりました。 b.小売周辺事業小売周辺事業では、ランサムウェア感染によるシステム障害の影響により、金融事業や施設管理事業を中心に大きな影響を受けましたが、復旧の進行に伴い増収に転じました。金融事業の株式会社ゆめカードにおいては、当該システム障害の影響により小売事業の販売が落ち込んだことや、電子マネー「ゆめか」の決済比率が低下したことによる手数料収入が減少したことなどで減収となりました。なお、「ゆめか」の累計発行枚数は前期末における1,023万枚から当期末では1,067万枚となりました。施設管理事業の株式会社イズミテクノにおいては、当該システム障害の影響により、グループ各社のリニューアル工事の着工遅れ等が発生していたものの、下期以降、大きく回復し増収増益となりました。飲食事業のイズミ・フード・サービス株式会社においては、社会・経済活動の正常化が一段と進展し、営業収益はコロナ前の2019年度を上回った前年度よりさらに増加しました。主力業態のミスタードーナツ及びサーティワンアイスクリーム等での販売が引き続き伸長したことにより、増益となりました。これらの結果、営業収益は47,927百万円(前期比7.4%増)、営業利益は5,510百万円(前期比3.4%減)となりました。 c.その他卸売事業では、販売が低調に推移したことに加え、円安の影響等により売上原価が増加しました。また、不動産賃貸事業では安定的な賃料収入を計上しました。これらの結果、営業収益は4,968百万円(前期比6.2%減)、営業利益は574百万円(前期比11.7%減)となりました。 財政状態の分析当期末における総資産、負債及び純資産の残高、前期末対比の増減額及び主な増減理由は以下のとおりです。 前期末(2024年2月29日)当期末(2025年2月28日)増減総資産489,509百万円569,611百万円80,102百万円負債195,276百万円270,392百万円75,116百万円純資産294,233百万円299,218百万円4,985百万円 総 資 産・のれんは、株式会社西友が九州地域において展開する食品スーパー事業を承継したこと等により54,879百万円増加しました。なお、当該のれんは取得原価の配分が完了していないため、暫定的に算定された金額です。・当期の設備投資額は14,976百万円であり、これは主に店舗新設に係る投資、既存店舗の活性化及びDX投資等によるものです。また、当該事業承継による増加等により、有形固定資産は、減価償却実施後で10,025百万円増加しました。・受取手形、売掛金及び契約資産は、クレジット取扱高の増加等により7,256百万円増加しました。 負 債・短期借入金及び長期借入金は、当該事業承継に係る資金調達等により61,726百万円増加しました。・その他流動負債は、未払消費税等の増加及び専門店からの売上預り金の増加等により6,349百万円増加しました。 純 資 産・利益剰余金は、内部留保の上積みにより5,446百万円増加しました。・これらの結果、自己資本比率は50.1%となり、前期末の57.3%に比べて7.2ポイント低下しました。 ② キャッシュ・フローの状況当期におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。 前期(2023年3月~2024年2月)当期(2024年3月~2025年2月)増減営業活動によるキャッシュ・フロー31,563百万円40,282百万円8,719百万円投資活動によるキャッシュ・フロー△24,747百万円△91,636百万円△66,889百万円財務活動によるキャッシュ・フロー△5,149百万円55,073百万円60,222百万円 営業活動によるキャッシュ・フロー・主な収入項目は、税金等調整前当期純利益20,499百万円、減価償却費18,109百万円及び減損損失7,755百万円です。・主な支出項目は、法人税等の支払額9,929百万円及び売上債権及び契約資産の増加額7,200百万円です。 投資活動によるキャッシュ・フロー・主な支出項目は、吸収分割による支出77,676百万円及び有形固定資産の取得による支出17,745百万円です。有形固定資産の取得については、主に店舗新設に係る投資、既存店舗の活性化及びDX投資等によるものです。 財務活動によるキャッシュ・フロー・主な収入項目は、長期借入れによる収入79,500百万円です。これは主に事業承継に係るシンジケートローンの組成によるものです。・主な支出項目は、長期借入金の返済による支出15,573百万円及び配当金の支払額6,438百万円です。 以上の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期末対比3,719百万円増加し、15,717百万円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.販売実績当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称営業収益(百万円)対前期増減(%)小売事業506,98511.6小売周辺事業47,9277.4その他4,968△6.2小計559,88111.0調整額△35,738-合計524,14211.2 b.仕入実績当期における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称仕入高(百万円)対前期増減(%)小売事業309,21014.9小売周辺事業10,1378.8その他2,808△8.4小計322,15614.4調整額△12,163-合計309,99214.6 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当社グループのキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりです。 2021年2月期2022年2月期2023年2月期2024年2月期2025年2月期自己資本比率47.5%53.0%55.4%57.3%50.1%時価ベースの自己資本比率57.6%49.0%44.5%50.7%38.5%債務償還年数2.6年2.5年1.9年2.0年3.9年インタレスト・カバレッジ・レシオ57.0倍63.1倍86.8倍117.5倍119.7倍 (注)1.各指標の算出方法は以下のとおりです。自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利息の支払額2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。3.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。4.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローから営業活動による債権債務の増減額を除いたものを使用しています。利息の支払額は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。 b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの運転資金需要は、主に商品・原材料仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。また、投資資金需要は、企業買収に係る投資、店舗新設に係る投資、既存店舗の活性化及びDX投資等によるものです。これらに対しては、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れ等により充当しており、当連結会計年度における有利子負債残高は139,456百万円です。なお、当社グループは第二次中期経営計画(2022年2月期から2026年2月期まで、2023年4月11日付にて第二次中期経営計画の見直しについて公表)に基づき、経営環境の激変リスクに備えつつ、5年間の総投資1,570億円を予定しており、その投資資金には自己資金及び有利子負債を活用します。また、当社は日本格付研究所(JCR)から信用格付を取得しています。本報告書提出時点において、「長期発行体格付:A+(見通し:安定的)」となっており、水準の維持を目安とします。 ③ 経営者の問題認識と今後の方針について今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善が続き、景気は緩やかに回復していくことが期待される一方、持続的な物価上昇により、消費者の生活防衛意識が一層高まることが想定されます。また、企業活動においても、建設・物流・調達コスト等の上昇により、一層のコストマネジメントが必要になるなど厳しい経営環境が継続することが懸念されます。このような状況の下、当社グループは2023年4月に「第二次中期経営計画(2022年2月期から2026年2月期)」の見直しを公表し、遂行してきました。同計画で成長戦略の柱として掲げている既存店活性化投資、M&A・アライアンスへの取組みを一層推進することにより地域での存在感を高めるとともに、事業活動を通じて社会課題の解決に取組み、経営理念「社員が誇りと喜びを感じ、地域とお客さまの生活に貢献し続ける」を実践してまいります。また、当社グループの収益の柱であるGMS事業の一層の強化に加え、2024年8月に株式会社西友より承継したサニー事業の保有する効率的なオペレーション等のナレッジを既存SM事業に取り入れ、収益力の高い「新規SM事業を創造」することにより、全体の収益性を高めてまいります。これらにより、お客さまの満足を実現するとともに、地域ドミナントの更なる拡大・深耕を図っていくことで、経営効率を高め、より一層の企業成長に繋げてまいります。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、継続して可能な限り正確な見積りと適正な評価を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。 |
※本記事は「株式会社イズミ」の令和7年年2期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)


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