株式会社伊藤園の基本情報

会社名株式会社伊藤園
業種食料品
従業員数連7916名 単4965名
従業員平均年齢42.4歳
従業員平均勤続年数18.5年
平均年収6828580円
1株当たりの純資産1511.77円
1株当たりの純利益(連結)117.5円
決算時期4月
配当金44円
配当性向45.7%
株価収益率(PER)29.08倍
自己資本利益率(ROE)(連結)8%
営業活動によるCF180億円
投資活動によるCF▲133億円
財務活動によるCF▲232億円
研究開発費※123.91億円
設備投資額※11.71億円
販売費および一般管理費※1765.04億円
株主資本比率※258.1%
有利子負債残高(連結)※3691.78億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】  当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年7月23日)現在において当社グループが判断したものです。 (1)当社グループの経営の基本方針 当社グループは創業以来、「お客様第一主義」の経営理念に基づき、全社員が「STILL NOW(今でもなお、お客様は何を不満に思っているか)」を考え、「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」の製品開発コンセプトに基づき、お客様にお喜びいただける製品の開発と、お客様に密着したサービスに努めてまいりました。 当社グループの考える「お客様」とは、「消費者の皆様・株主の皆様・販売先の皆様・仕入先の皆様・金融機関の皆様・地域社会の皆様」であり、単に消費者の皆様にとどまらず、当社グループと関わりを持たれるすべての方々を「お客様」と定義しております。 全社員が「STILL NOW(今でもなお、お客様は何を不満に思っているか)」の精神を持ち、「お客様」にお喜びいただける最良のサービスをご提供することが、最良の経営につながるものと確信しております。 今後も、当社グループは「お客様第一主義」の経営理念に基づき、継続的に企業価値を高め、より一層株主価値を向上させる経営に努めてまいります。 (2)当社グループの中期的な経営戦略 当社グループは、2024年6月に2029年4月期までを対象とする新たな「伊藤園グループ 中期経営計画」(以下、中期経営計画)を発表しました。 中期経営計画では、お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会を実現するため、2041年4月期の将来像実現に向けて、より迅速な事業展開を推進します。当社グループは、「お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会の実現」を使命として、「健康創造企業」をグループのミッションとして掲げています。新たに策定した中期経営計画に基づき、今後も「心身の健康」「社会の健康」「地球環境の健康」の価値創造に取り組み、お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 中期経営計画 5つの重点戦略 (3)当社グループの対処すべき課題 当社グループは今後、法令及び社会的規範の遵守、製品の安全性並びに品質管理体制等、企業の社会的責任に消費者の厳しい目が向けられる中、経営理念であります「お客様第一主義」を徹底し、企業価値を高め、一層の株主価値を向上させるために、以下の項目を中心に取り組んでまいります。 ①ブランドの確立1.製品開発 当社は、「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」を製品開発コンセプトに、全社員が「STILL NOW(今でもなお、お客様は何を不満に思っているか)」を考え、当社独自の提案制度であるVoice制度(お客様のご不満やご要望を製品開発に取り入れる提案制度)を活用し、積極的に新製品の開発及び既存製品の改良を行っております。今後もVoice制度を積極的に活用し、お客様のニーズに即した製品開発・改良に努めてまいります。 2.研究開発 当社の研究開発は、特に「健康・安全・おいしい」、及び持続可能な社会への貢献として環境に重点を置き、基礎・応用研究を進めております。当社が提供する製品が、人々の健康維持に有用であることを、様々な試験を通じて検証し、常に最新情報を発信し続けます。さらに健康価値を表示できる特定保健用食品や機能性表示食品の開発にも力を注いでまいります。また、飲料のおいしさに関与する成分研究や物性に関する研究を進め、より優れた製品開発に向けた技術提案を行ってまいります。環境については、「お~いお茶(Oi Ocha)」などの飲料製造工程で発生する茶殻を、肥料や飼料への再利用のほか、新たなアップサイクル製品へと生まれ変わる「茶殻リサイクルシステム」を推進してまいります。 3.ブランド強化政策 「伊藤園(ITO EN)」という総称ブランドを軸に、「お~いお茶(Oi Ocha)」「健康ミネラルむぎ茶」「TULLY’S COFFEE」「1日分の野菜」などの個別ブランドの強化を図ってまいります。 特に主力製品であります「お~いお茶(Oi Ocha)」につきましては、1985年の発売から続いている原料と製法にこだわり、自然のままのおいしさを引き出し、お客様へご提供してまいります。また、緑茶飲料が様々な飲用シーンでお楽しみいただけるよう、容量、容器バリエーションの充実を図るとともに、緑茶飲料を初めて発売した当社ならではの技術力で、季節に合わせた製品や「濃い茶・ほうじ茶・玄米茶・抹茶」など、茶葉の特徴を取り入れ、飲用価値を訴求した製品を発売し、より一層のブランド強化に努めてまいります。 ②営業基盤の強化1.ルートセールス ルートセールスとは、製品、サービスをお客様へ直接ご提供する販売システムのことであります。当社はこのシステムを採用することにより、当社とお客様をダイレクトに結びつけ、地域に密着した営業活動を展開しております。 また、機能性・携帯性に優れたルートセールス担当営業員用のポータブル端末を活用することで、お客様に効率的かつ的確なサービスをご提供できるよう努めております。 2.お客様へのサービスの強化 これまでもルートセールスにより、お客様へのサービスに努めてまいりましたが、確固たる営業基盤を築くため、新しいお客様の開拓に努めるとともに、既存のお客様への訪問の強化を行っております。また、お客様のご不満を聞き、お客様にご満足していただける製品開発や魅力的な売り場づくりなど、総合的なご提案をルートセールスにより行っております。 ③総コストの削減1.委託生産方式 飲料製品におきましては、「ファブレス(fabless 自社工場を持たない)」方式により、設備投資リスクの軽減を図り、市場環境の変化に迅速に対応できる体制にしております。 また、全国を5つの地域に分けて生産管理を行う5ブロック生産体制を敷くことにより、迅速な製品供給を行うとともに、物流の効率化も可能となっております。 2.原材料調達力の強化 当社は、緑茶のトップメーカーとして国内荒茶生産量の約4分の1を取扱い、長年にわたり生産者との信頼関係を築き上げた結果、高品質の原料を安定的に確保できる極めて強力な原料調達力を持っております。また、これまでに蓄積したノウハウと高い製造技術により、高品質の飲料用原料を自社製造で調達することができる飲料メーカーであります。 国内では就農者の高齢化と後継者不足のため、就農人口、茶園面積の減少が進んでおります。そこで当社は、日本農業の課題解決と、今後も需要増加が見込まれる緑茶飲料用を中心とした原料の安定調達の両立を目指して1976年より茶産地育成事業を行っております。各地の茶農家から茶葉を全量買い取りする“契約栽培”と、荒廃農地などを大規模な茶園に造成して茶葉を生産する“新産地事業”で茶産地をサポートしています。新産地事業では、九州5県に加え静岡県及び埼玉県にて、苗木の選定から茶園づくり、そしてその茶園を機械化、IT化により低コストで管理できる栽培及び荒茶加工ノウハウを、当社から農家に対し提供することで、生産性と環境保全を両立した茶園経営を推進し、より高品質な原料茶の安定調達を目指すとともに、荒廃農地の活用及び生産農家の後継者育成並びに雇用の創出など茶業界と地域の活性化にも寄与しております。 原料を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。たとえば、気候変動に伴う異常気象や自然災害の頻発、生産地域の変更や栽培面積の縮小といった課題が顕在化しています。さらに、エネルギー費、肥料費、人件費、物流費の高騰や、相場・為替の変動、地政学的リスクや社会情勢の変化など、調達環境は多様なリスクにさらされています。 このような状況下においても、コーヒー豆の調達については、当社グループ間で連携し、世界各地の産地やサプライヤーと協力して、安定的な原料調達を推進しています。 また、「1日分の野菜」等の主要原料である人参に関しては、当社専用の人参を使用しており、50品種の中から厳選した、栄養価・風味・生産効率に優れた品種を採用しております。在来品種についても計画的に品種の見直しを行い、それらを継続的に評価しております。 さらに、原料の調達においては、供給エリア、生産時期、地政学リスク、輸送ルートなどを総合的に考慮し、供給先の分散化を推進しております。主要原料については、複数の供給元からの購買を徹底することで、安定供給体制を構築しております。 ④海外事業の強化 連結子会社であるITO EN (North America) INC. が米国における緑茶市場の創造と開拓を進めるため、全米のナチュラルフードマーケットや、ナショナルチェーン店等に対し営業活動を行い、日本茶を米国に普及させると同時に、「伊藤園(ITO EN)」及び「お~いお茶(Oi Ocha)」ブランドの確立を図っております。「ITO EN MATCHA GREEN TEA」につきましては、これまで米国市場には無かった高品質のティーバッグ製品や抹茶製品として、また「お~いお茶(Oi Ocha)」につきましては、日本と同様にティーバッグからインスタント、抹茶、飲料製品に至るフルラインアップによって、米国での日本茶市場の拡大に大きく貢献しており、今後も強化してまいります。中国、東南アジア、豪州、欧州などにつきましても、引き続き販売強化を進めてまいります。また、近年世界的に需要が急拡大している抹茶に関しましては、国内の調達・生産・加工体制を強化するとともに、全世界への供給網を整備しており、抹茶事業を新たな事業として捉え、取り組んでおります。 ⑤サステナビリティ経営の推進当社グループは、経営理念「お客様第一主義」に基づき、サステナビリティ経営の推進と実践により、社会・環境課題の解決と企業価値向上の両立(共有価値の創造:CSV)を目指しています。2022年度に「伊藤園グループにとっての重要度」と「ステークホルダーにとっての重要度」の双方向から評価した7つのマテリアリティを特定していました。しかし、気候変動による影響広まり、グローバルサプライチェーンの混乱や人権問題の顕在化、ウェルビーイングへの関心の高まりなど、急激な変化が起きていることから、経営環境の変化とグローバル化を成長戦略とする中期経営計画(2025年4月期~2029年4月期)を踏まえて、2024年度にマテリアリティの見直しを行い、新たに7つのマテリアリティを特定しました(2025年3月特定)。当社グループ全体で中期経営計画とマテリアリティに取り組み、サステナビリティ経営を推進していきます。詳細は、「第2 事業等の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により緩やかな回復が見られた一方、米国の政策動向や東欧・中東地域における紛争の長期化、原材料・エネルギー価格の高止まり、為替変動による影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。 このような状況の中、当社グループは、すべてのお客様を大切にすることが経営の基本であるという経営理念「お客様第一主義」のもと、当社グループと関わるすべての方々をお客様と位置づけ、ご意見やご要望に真摯に向き合い、常にお客様の立場に立った対応を図りながら、一丸となって積極的な事業活動を行ってまいりました。  この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,727億16百万円(前期比4.1%増)、営業利益229億69百万円(前期比8.2%減)、経常利益229億73百万円(前期比13.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益141億56百万円(前期比9.5%減)となりました。  セグメント別の業績は次のとおりであります。 <リーフ・ドリンク関連事業> リーフ・ドリンク関連事業における当連結会計年度の売上高は、「お~いお茶」ブランド製品を中心に堅調に推移しました。一方で利益面は、原材料をはじめとする各種コスト上昇の影響や、競争激化に伴うリベート等の増加、広告宣伝費の先行投資もあり減益となりました。 当社の主力ブランドである「お~いお茶」は、現在40以上の国と地域で販売しており、1989年の発売以来、累計販売本数は450億本を突破しました(500mlペットボトル換算/2024年12月末時点)。本年3月には同ブランドから“お茶の常識、すてましょう。”を合言葉に、お茶の伝統を引き継ぎつつグローバルで日本の茶文化を伝播させる新シリーズとして、「お~いお茶 PURE」シリーズを発売しました。本シリーズは米国やアジア市場の動向を基に、海外で求められている嗜好に沿うため、日本茶の苦みや渋みを抑えつつ「後味のすっきりさ」「爽やかな香り」を楽しめる味わいを製品のベースとしました。発売1週間で出荷1,000万本を突破するなど、ご好評いただいております。 今後も長期ビジョンである「世界のティーカンパニー」を実現するため、「お~いお茶」のグローバルブランド化をより一層進めてまいります。  この結果、売上高は4,203億28百万円(前期比3.6%増)、営業利益は190億25百万円(前期比13.9%減)となりました。 <飲食関連事業> タリーズコーヒージャパン㈱は、春を彩る季節限定ドリンクとして、昨今話題のアサイーを使用したフローズンドリンク「豆乳アサイーバナナスワークル?」を発売し、甘酸っぱいアサイーテイストのフローズンにバナナの果肉がマッチした味わいがご好評をいただいております。フードメニューでは、日本の素材の魅力をお届けする『FUN FAN JAPAN!』プロジェクトメニューとして、瀬戸内産レモンを使用した「グリルチキンの瀬戸内レモンパスタ ~青唐辛子風味~」を発売し、ごろっとした具材感と春を感じる爽やかな味わいが支持され、好調に推移しました。また、紙カップや抽出後のコーヒー粉のリサイクルなど、環境への配慮を目的とした取り組みも積極的に推進することで、企業としての役割を社会に向けて発信し続けています。新規出店に関しましては、タリーズが掲げる“5つの最高”を体現するコンセプト店舗「タリーズコーヒー プライムファイブ グラングリーン大阪店」や、『&TEA』の旗艦店となる「タリーズコーヒー &TEA 虎ノ門ヒルズ店」のオープンなど、話題性のある施設への出店が順調に進み、2025年4月末の総店舗数は818店舗となっております。  この結果、売上高は437億69百万円(前期比8.5%増)、営業利益は35億18百万円(前期比8.7%増)となりました。 <その他> 売上高は86億19百万円(前期比7.6%増)、営業利益は7億66百万円(前期比112.8%増)となりました。  財政状態の状況は次のとおりであります。 (流動資産) 当連結会計年度末における流動資産は2,319億95百万円で、前連結会計年度末に比べて117億54百万円減少しております。これは主に「現金及び預金」が194億5百万円減少、「売掛金」が44億86百万円増加、「商品及び製品」が26億51百万円増加、「未収入金」が13億27百万円増加したことによるものであります。(固定資産) 当連結会計年度末における固定資産は1,126億3百万円で、前連結会計年度末に比べて24億60百万円増加しております。これは主に「建物及び構築物」が28億95百万円増加、「工具、器具及び備品」が12億29百万円増加、「繰延税金資産」が14億98百万円減少したことによるものであります。(流動負債) 当連結会計年度末における流動負債は1,081億20百万円で、前連結会計年度末に比べて114億55百万円増加しております。これは主に「買掛金」が36億76百万円増加、「短期借入金」が97億34百万円増加、「未払法人税等」が22億22百万円減少したことによるものであります。(固定負債) 当連結会計年度末における固定負債は605億5百万円で、前連結会計年度末に比べて135億5百万円減少しております。これは主に「長期借入金」が123億4百万円減少したことによるものであります。(純資産) 当連結会計年度末における純資産は1,759億71百万円で、前連結会計年度末に比べて72億44百万円減少しております。これは主に「親会社株主に帰属する当期純利益」により「利益剰余金」が141億56百万円増加、「剰余金の配当」により「利益剰余金」が54億83百万円減少、「自己株式の取得」により「自己株式」が148億87百万円増加、「自己株式の消却」により「資本剰余金」及び「自己株式」が182億7百万円それぞれ減少したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ198億32百万円減少し、当連結会計年度末には855億65百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 <営業活動によるキャッシュ・フロー> 営業活動によるキャッシュ・フローは、180億38百万円の収入(前期は254億82百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益222億31百万円、減価償却費87億45百万円、法人税等の支払額86億27百万円によるものであります。 <投資活動によるキャッシュ・フロー> 投資活動によるキャッシュ・フローは、133億33百万円の支出(前期は107億37百万円の支出)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出122億86百万円によるものであります。 <財務活動によるキャッシュ・フロー> 財務活動によるキャッシュ・フローは、232億36百万円の支出(前期は122億13百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入120億円、長期借入金の返済による支出135億22百万円、自己株式の取得による支出148億87百万円、配当金の支払額54億74百万円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績  当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比増減率(%)リーフ・ドリンク関連事業 (販売用製品)62,1503.9(自社製品用原料)21,8757.7リーフ・ドリンク関連事業計84,0264.9その他 (販売用製品)2,70720.4合計86,7335.3(注)1 販売用製品の金額は販売価格、自社製品用原料の金額は原価によっております。2 セグメント間取引については、相殺消去しております。3 上記生産実績には外部へ製造委託している仕入製品は含まれておりません。 b.仕入実績  当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比増減率(%)リーフ・ドリンク関連事業227,9801.8飲食関連事業12,6615.3その他2,821△9.3合計243,4631.9(注)1 金額は仕入原価によっております。2 セグメント間取引については、相殺消去しております。 c.受注実績  当社グループは受注生産を行っておりません。 d.販売実績  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比増減率(%)リーフ・ドリンク関連事業420,3283.6飲食関連事業43,7698.5その他8,6197.6合計472,7164.1(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、必要と思われる見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。 当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。  a.リベートに係る未払費用 顧客に対して支払われるリベートに係る未払費用については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 b.貸倒引当金 当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、将来、販売先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。 c.棚卸資産 当社グループが販売する棚卸資産は市場の需給の影響を受け、市場価格が低下する場合があるため、評価基準として、総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用しております。なお、在外連結子会社につきましては、先入先出法又は移動平均法による低価法を採用しております。 d.賞与引当金 賞与引当金は、従業員に対する翌連結会計年度賞与支給見込額のうち当期間対応額を計上しておりますが、実際の支給額は支給時点における外部環境及び当社グループの状況を勘案のうえ決定されるため、実際の支給額が見積りと異なる場合には、追加の費用計上が必要となる可能性があります。 e.退職給付に係る資産・負債 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び昇給率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、又は法改正や退職給付制度の変更があった場合、その影響は累積されて将来にわたり規則的に認識されることとなり、将来の退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。 f.有価証券の評価 当社グループは価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式を保有しております。当社グループは有価証券の評価を一定期間ごとに見直し、その評価が取得原価又は減損後の帳簿価額を一定率以上下回った場合、減損処理を実施しております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が発生した場合、評価損が発生し、利益に影響を与える可能性があります。 g.繰延税金資産 当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに当たって、将来の課税所得を合理的に見積っております。将来の不確実な経済条件の変動により、この見積りに変動があった場合、繰延税金資産の調整により、利益に影響を与える可能性があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.財政状態   当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 b.経営成績当連結会計年度の売上高は4.1%増の4,727億16百万円となりました。これは「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、リーフ・ドリンク関連事業及び飲食関連事業の売上高が堅調に推移したことによるものであります。当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ8.2%減の229億69百万円となり、営業利益率は0.7ポイント減の4.9%となりました。これは原材料をはじめとする各種コスト上昇の影響や、競争激化に伴うリベート等の増加、広告宣伝費の先行投資等により、売上原価が5.9%増、販売費及び一般管理費が3.0%増となったことによるものであります。当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ13.9%減の229億73百万円となり、経常利益率は1.0ポイント減の4.9%となりました。これは、主に営業利益が減益となったことに加え、為替相場の変動により為替差損益が悪化したことによるものであります。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ9.5%減の141億56百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益率は0.5ポイント減の3.0%となりました。これは、経常利益が37億7百万円減少、減損損失が13億26百万円減少、法人税、住民税及び事業税が18億57百万円減少、法人税等調整額が10億47百万円増加したことによるものであります。 c.キャッシュ・フロー 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 当社グループは、収益性の強化によるキャッシュ・フローを高め、さらに投資効果を重視した設備投資を行うとともに、有利子負債の削減を進めてまいります。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3.事業等のリスク」に記載しております。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 a.資金需要   当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、リーフ・ドリンク関連事業における製品製造のための原材料の仕入や製造経費のほか、販売費及び一般管理費等であります。また、設備投資需要としては、リーフ・ドリンク関連事業における自動販売機等への投資や飲食関連事業における新規出店等への投資であります。 b.財務政策   当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に調達するため、内部資金の活用に加え、金融機関からの借入及び社債の発行等による資金調達を行っております。資金調達に際しては、調達コストの低減に努める一方、過度に金利変動リスクに晒されないよう金利の固定化を図っております。 ⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、2029年4月期までの中期経営計画の実現に向け、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)当社グループの中期的な経営戦略」に記載した取り組みを実施してまいります。 なお、中期経営計画における定量目標は以下のとおりであります。 2025年4月期実績2029年4月期目標値連結売上高伸長率 4.1%年平均伸長率 2%以上(海外8%以上 ※為替影響除く)営業利益率4.9%8%以上自己資本利益率(ROE)8.0%10%以上総還元性向144.0%40%以上

※本記事は「株式会社伊藤園」の令和7年4月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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