H.U.グループホールディングス株式会社の基本情報

会社名H.U.グループホールディングス株式会社
業種サービス業
従業員数連5444名 単339名
従業員平均年齢43.3歳
従業員平均勤続年数12.1年
平均年収8170000円
1株当たりの純資産2411.4円
1株当たりの純利益(連結)48.6円
決算時期3月
配当金125円
配当性向32.18%
株価収益率(PER)56.47倍
自己資本利益率(ROE)(連結)2%
営業活動によるCF219億円
投資活動によるCF▲159億円
財務活動によるCF▲52億円
研究開発費※1108.94億円
設備投資額※113.44億円
販売費および一般管理費※1495.16億円
株主資本比率※246.7%
有利子負債残高(連結)※3602.82億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 Ⅰ.当社グループのMission, Vision、中期経営計画当社グループは、「ヘルスケアにおける新しい価値の創造を通じて、人々の健康と医療の未来に貢献する」というMissionのもと、医療領域にとどまることなく広くヘルスケア領域へと事業を展開しております。そのような中、当社グループを取り巻く事業環境は目まぐるしく変化しており、この変化に対応し、持続的な成長を遂げていくため、10年後のありたい姿として「グループが共有する経営資源を最大限活用し、共創・挑戦・イノベーションを通じて世界の社会課題を解決する」という新たなVisionを策定しました。さらに、このVisionおよびMissionの実現に向け、2026年3月期~2030年3月期の5か年の成長戦略として中期経営計画「H.U.2030」(以下、「本中計」)を策定いたしました。本中計は、経営計画・事業計画とサステナビリティ重要課題が一体化したものであり、当社グループは、本中計を通じて一層の成長と企業価値向上を目指してまいります。 Ⅱ.本中計の概要①前中期経営計画(2021年3月期~2025年3月期)の振り返り前中期経営計画(以下、「前中計」)において、4つの重要施策を掲げておりました。1つ目のH.U. Bioness Complexの安定稼働については、想定よりも時間を要したものの、2025年4月以降完全稼働しております。本中計において、H.U. Bioness Complexの完全稼働は、検査・関連サービス事業(以下、「LTS」)の生産性向上および、収益性改善に資するものと考えております。2つ目の固定費削減および収益性改善については、着手したものの未達に終わり、今後の課題と捉えております。今後の固定費削減についての詳細は、「イ 高収益体質への変革」にて後述いたしますが、本中計においても引き続き推進してまいります。3つ目のグループ一体化戦略の推進については、グループの営業機能の統合等、順調に進捗しております。今後は営業機能にとどまらず、グループ技術を活用した独自試薬の開発等も含め一体化経営を深化させ、さらなるグループシナジーを創出してまいります。最後に臨床検査薬事業(以下、「IVD」)のCDMO事業の拡大については、グローバルパートナーとの連携や項目の開発・拡充が順調に進んでおり、さらなる成長への準備が整いました。本中計においては、より一層収益の拡大を目指します。 ②当社グループを取り巻く事業環境高齢化は世界的な課題となっております。特に日本では、医療費が年々増加し、政府が医療費の抑制策を推し進めている影響で検体検査実施料も抑制され、国内の臨床検査市場は厳しい状況が続いております。一方、病院・病床の再編に伴い在宅医療・予防医療へのニーズが高まっており、さらに個別化医療や再生医療などの先進的な医療技術が発展し続けております。また政府による医療DXの推進やヘルスケアデータの利活用など、新たな事業機会も生まれてきております。 ③本中計の内容当社グループは、LTSとIVDを傘下に有する数少ない企業グループであり、そこにヘルスケア関連サービス事業(以下、「HS」)を加え、独自の強みを生かして一体化経営をさらに深化させることで、上述した事業環境の変化に柔軟かつ迅速に対応するとともに事業を成長させ企業価値の最大化を実現してまいります。各事業においては、これまでの投資によって確立した基盤を活用して高収益体質へと変革していくほか、事業環境の変化に対応する中で、特にLTSにおいては未病・ヘルスケア領域の事業確立を目指します。各事業における高収益体質への変革に向けた取り組みの詳細については、後述する重点施策にて説明いたします。また、本中計はこれまでの投資の刈り取りフェーズと位置付けており、キャッシュアロケーションについては、累進配当および機動的な自己株式の取得による株主還元を強化するとともに、資本効率の向上を目指してまいります。 ④本中計におけるグループの重要施策ア 一体化経営のさらなる深化a 新規項目(NEURO等)のLTS/IVD同時導入による市場形成新規検査項目を導入する際は、グループシナジーを最大化することで、顧客への提供価値の最大化を図ってまいります。具体的には、IVDにおいて、新規検査項目の早期開発から開発評価、承認取得を行うプロセスを進める傍ら、LTSでも開発の初期段階から当該検査項目の検証を開始し、IVDでの上市と同時に受託開始することで、いち早く市場ニーズに応えられる体制を構築します。このような仕組みにより、新規検査項目をデファクトスタンダード(事実上の標準)として確立させることで、市場そのものの形成を主導してまいります。なお、昨今の事例としては、新型コロナウイルス感染症への対応として開発したSARS-CoV-2抗原検査試薬や、特定のルミパルス試薬項目等において、迅速な連携による早期実用化を実証しており、今後はこのようなモデルを神経疾患関連領域(以下、「NEURO」)等の他の分野にも展開することで、検査項目をさらに拡充し、新たな市場を創出してまいります。 b グループ技術を活用した独自試薬の開発・導入と外販国内において検査試薬を最も消費し、かつ検査のノウハウが蓄積されている株式会社エスアールエル(LTSにおいて受託臨床検査を行う当社連結子会社、以下、「SRL」)および数々の高品質な検査試薬を世に送り出してきたトラックレコードを持つIVDとの双方の強みを最大限に活かした試薬の開発・導入を進めます。具体的には、試薬ユーザーとしてのSRLのニーズを的確に把握したうえで、開発リスクを抑えた形でIVDが試薬を開発し、同時にSRLは試薬の評価を開始します。そうすることで、SRLの試薬コストの低減および早期の市場への導入が可能となります。さらに、開発した試薬を外販することでグループ全体としての市場シェア拡大を目指します。開発する試薬に活用する技術は、狭義と広義の開発技術に分けられます。狭義の試薬開発技術、つまりルミパルス試薬における抗体抽出/精製に関わる技術を活用する場合、上市されたルミパルス試薬を業界トップシェアであるSRLが採用しているという信頼性を背景に、試薬の採用拡大につなげることが可能となります。一方、広義の試薬開発技術、つまりルミパルスに限定されない汎用的な技術(磁性粒子、洗浄等)については、遺伝子など特殊検査領域にも活用が可能で、このような検査領域についてSRLは圧倒的シェアを有しており、当社グループで開発した独自試薬をSRLが採用することによって、市場で実施される検査の大部分は当該試薬を使用した検査方法へと置き換わっていきます。結果として、デファクトスタンダードとなり、他社も追随して当社グループが開発・導入した試薬を採用し、結果的にさらに市場シェアを高めることにつながります。前者の事例として、レニンやアルドステロン(いずれもルミパルス試薬項目)において、旧来のRIA(放射免疫測定:Radioimmunoassay)法からルミパルス試薬への置き換え、後者の事例として、一部の遺伝子関連検査における核酸抽出試薬(MagreNAR)の採用などで、そのプロセスの有効性が実証されております。今後、NEURO等においても同様のプロセスを推進し、当社グループ独自の一体化戦略による独自試薬の開発と導入を実現してまいります。さらに外販についても積極的に検討していきます。なお、新型コロナパンデミック時に広く使用していたPCR試薬は外資系企業に依存していたため、一時的に供給が滞り検査継続が困難となった経験も背景に、独自試薬の開発を進めることはサプライチェーンの安定化にもつながると考えております。 c グループの顧客基盤の活用2020年9月に株式会社エスアールエル、富士レビオ株式会社、日本ステリ株式会社の国内の営業・マーケティング機能を統合し、H.U.フロンティア株式会社(以下、「HUF」)を設立しました。HUFは、グループの顧客基盤を活用し、臨床検査サービス、臨床検査薬の製造・販売、医療器材の滅菌サービスなどの多様な顧客ニーズに応じた総合ソリューションを提供しております。たとえば、LTSのみで取引のあった既存顧客に対するIVDやHSのサービス提案やクロスセルによる取引拡大が可能となっております。また、新規顧客に対しても、グループ全体のソリューションをワンストップで提供できる体制が整っており、競合に対する価格競争力の発揮などを通して、病院を中心とした顧客の拡大を目指します。このように、グループ一体化による効果を最大限に活用した当社グループにしかできない事業展開を加速させ、顧客基盤を拡大するとともに、顧客への提供価値を向上させてまいります。 イ 高収益体質への変革a LTSセグメントについて完全稼働したH.U. Bioness Complexを中心としたラボ戦略および独自の商品戦略を実行し、高収益体質へと変革いたします。ラボ戦略(開業医戦略)の一環として、SRL傘下の株式会社日本医学臨床検査研究所、株式会社北信臨床、株式会社エスアールエル北関東検査センターの統合をはじめ、地域ラボの再編を完了いたします。H.U. Bioness Complexにおいては、稼働時間の延長(最大24時間)および現場DX・業務プロセスのAI化等を推進することにより生産性の向上を目指すとともに、事業フィールドを明確化し、一般検査よりも収益性の高い汎用特殊検査(免疫検査、自動機をメインとした項目等)は自動化による省力化を促進します。さらに、特殊検査は、高シェアを維持・拡大することにより収益を拡大させるほか、遺伝子検査関連は、独自項目での差別化と品質向上を進め、H.U. Bioness Complexの機能を最大限に活用いたします。また、独自の商品戦略においては、事業環境の変化に対応した契約内容の最適化を行うとともに、一体化経営の一例として記載した自社グループで開発した試薬を導入し、試薬コストの削減を行ってまいります。さらに、診断・治療に直結する高付加価値項目を導入およびデファクトスタンダード化し、市場そのものを形成してまいります。このような一体化経営の深化により、高収益体質への変革を実現いたします。 b IVDセグメントについて前中計から引き続き、本中計においてもIVDの強みを活かすとともに、生産体制の拡充と社内リソースの再配置等によりCDMO事業の強化・拡大に取り組んでまいります。グローバル戦略の一環として、継続的な研究開発活動を通じ、他社が保有しないユニークな検査項目の開発・製品化を進めてまいります。次に、ルミパルスのSRLや国内外での採用・評価を進め、臨床データの取得を通じ、新規製品の臨床的価値を実証し、価値が実証された項目・製品についてはCDMO事業を通じて世界に広げてまいります。国内ルミパルス事業については、SRL顧客への拡販を強化してまいります。またマニュアル製品の選択と集中による固定費の最適化により、国内事業の成長と収益性の改善を図ってまいります。海外ルミパルス事業については、地域と項目の選択と集中を行うとともに、すでにその独自性から世界で高い評価をいただいているアルツハイマー病関連項目に引き続き注力してまいります。特にアルツハイマー病をはじめとするNEUROで注目を集めてきたADx NeuroSciences N.V.が有する幅広い原料のポートフォリオを活用することで、NEURO項目のラインアップをさらに拡充し、同領域でのグローバルリーダーを目指してまいります。さらにルミパルスの性能と機能を補完・進化させるべく、開発中の超高感度検出技術を用いた次期プラットフォームの開発を引き続き加速させてまいります。 c HSセグメントについて滅菌・手術関連事業においては、医療機関の経営環境が厳しさを増し、医療従事者を含めた人員不足が大きな課題となっていく中、医療現場のニーズに応えるとともに、手術関連を中心とした医療現場の効率化やコスト削減に資するサービスを積極的に提案してまいります。重点施策としては、一次洗浄規制緩和を契機とした滅菌事業モデルの変革と手術関連サービスの強化となります。具体的には、役務サービスについては、手術関連の高付加価値/高難易度業務へフォーカスし、病棟外来滅菌は標準化の推進および院外化へシフトすることで、総工数を管理・厳選し、手術関連サービス強化による顧客の収益性改善への寄与とサステナブルなサービス提供の両輪での成長を目指してまいります。 ウ 未病・ヘルスケア領域の事業確立前中計では、健診代行サービスなどを通じて築き上げた健康保険組合との基盤を活用し、被保険者および被扶養者(サービス利用者)を対象とした未病や予防に焦点を当てたPHR「ウィズウェルネスR」の提供を開始しております。本PHRは、健康診断結果および検査結果を確認できるだけでなく、健康管理もできるアプリとなっており、2025年3月時点で25万人以上が利用しております。また、当社グループは、血液、尿、唾液等の検体を自身で採取して自宅から郵送し、検査結果を受け取ることができる郵送検査サービスも提供しており、未病・予防へとサービスを拡大しております。一方、開業医を中心とした診療業務の一連の流れを集約し、医療現場における効率化をサポートするサービス「医‘sアシストR」も展開しております。本中計では、上述したこれらのサービスを連携させるとともに、他社とのアライアンスを活用することでウィズウェルネスRのサービス利用者をより一層増やし、未病・ヘルスケア領域の事業確立および収益化を目指してまいります。将来的には、蓄積されたデータを外部へ提供することにより収益化も検討してまいります。 エ キャピタルアロケーション最適化と資本効率向上前中計では、LTSにおける効率的なオペレーション確立を目的としたH.U. Bioness Complex、IVDにおけるさらなる成長を実現するためのCDMO事業等、事業基盤の確立・強化に向けた積極的な設備投資を実施してまいりましたが、本中計では、株主の皆様への還元を強化してまいります。そのため、本中計におけるキャピタルアロケーションについては、事業にて創出した営業キャッシュ・フローに加えて資産売却などで得られたキャッシュを、各事業におけるメンテナンス投資、累進配当、自己株式取得も含めた戦略投資(M&A/成長投資)および一定の有利子負債(リース債務含む)の返済に充当してまいります。なお、株主還元についてはDOE(株主資本配当率)6%を目指し、累進配当を実施してまいります。また、機動的な自己株式取得の方針のもと、自己株式の取得を実施し、株主還元を強化いたします。一方、M&Aを含む成長分野への投資については、投資リターンを十分に精査したうえで実行してまいります。また事業ポートフォリオ戦略およびROICに基づいたキャピタルアロケーションの最適化を実践するとともに、資本効率の向上を目指してまいります。なお、ROEおよび連結ROICに加え、事業セグメント別ROICをKPIとしてモニタリングしてまいります。また、投資案件については、事業リスクやカントリーリスクを考慮したハードルレート(8-24%)を設定し、投資管理を強化していくことで、ROEおよびROICの向上を目指してまいります。 ⑤2030年3月期の経営数値目標本中計においては、売上高の着実な成長と利益率の向上のみならず、資本効率の向上を目指し、下記の通り経営数値目標を掲げます。指標2025年3月期2026年3月期2030年3月期ROE2.0%4.1%13%以上営業キャッシュ・フロー220億円220億円※1,500億円以上連結EBITDA(マージン)234億円(9.6%)305億円(12.1%)16%以上  LTS77億円(5.0%)145億円(9.1%)13%以上  IVD167億円(27.6%)170億円(28.3%)30%以上  HS35億円(12.0%)35億円(10.9%)10%以上連結営業利益(利益率)26億円(1.1%)80億円(3.2%)11%以上  LTS▲46億円(▲3.0%)5億円(0.3%)10%以上  IVD113億円(18.8%)115億円(19.2%)25%以上  HS18億円(6.0%)18億円(5.6%)8%以上ROIC0.8%2.5%10%以上  LTS▲5.0%0.6%17%以上  IVD9.6%10.6%17%以上  HS14.3%14.2%25%以上 ※5年累計の経営目標値 ⑥持分法適用関連会社(Baylor Genetics Holdings, Inc.およびBaylor Miraca Genetics Laboratories, LLC)2025年3月末にBaylor Miraca Genetics Laboratories, LLCの全持分を保有する会社としてBaylor Genetics Holdings, Inc.が設立され、同時に外部からの優先株式による50百万米ドルの資金調達を実施しております。また、2025年3月期につきましては、既存のパートナーシップからの売上拡大および新たなパートナーシップの獲得等により、がんや先天性疾患に関わる遺伝学的検査の受託数が増加し、増収となりました。2026年3月期につきましては、営業強化等による売上拡大を含めた市場シェア拡大を図るとともに、株式公開に向けて事業を推進してまいります。(株式会社札幌ミライラボラトリーおよび株式会社札幌メディ・キャリー)2021年6月10日付で、札幌臨床検査センター株式会社との間で、北海道札幌地域において共同で検体検査ラボ事業を行うための合弁会社および同地域において共同で臨床検査関連の集荷・物流事業を行うための合弁会社を設立し、2022年3月期より事業を開始しております。(株式会社メディスケット)2022年4月1日付で、株式会社メディパルホールディングスとの間で、医療・ヘルスケア領域における物流プラットフォームの構築に取り組むための物流合弁会社を設立し、自社の集荷・物流効率の向上のみならず、他社への集荷サービス提供の拡張を目指しています。具体的には、集荷コスト、両社のルート共通化により温室効果ガス、保有車両等の削減を目標としております。 ⑦財務戦略と財務規律前中計においては、安定的なキャッシュ・フローの創出と健全な財務規律の維持を重要なテーマとして掲げ、下記のとおり財務戦略を実行してまいりました。1)キャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善等による営業キャッシュ・フローの改善2)ファイナンスリースおよび不動産ファイナンスの活用3)不動産売却の推進(財務規律) 2021年3月期(実績)2022年3月期(実績)2023年3月期(実績)2024年3月期(実績)2025年3月期(実績)2025年3月期(目標)(リース債務を除く)純有利子負債/EBITDA倍率(倍)0.6倍0.17倍0.45倍1.79倍1.26倍1.3倍以下(中計期間中2.5倍以下を維持する)自己資本比率(%)(不動産ファイナンスを除く)45.6%48.9%50.3%49.0%49.0%40%以上本中計においても継続し、安定的なキャッシュ・フローの創出と健全な財務規律の維持を重要なテーマとして掲げ、下記のとおり財務戦略を実行してまいります。1)キャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善等による営業キャッシュ・フローの最大化2)ファイナンスリースの機動的な活用3)資産売却の実践(財務規律) 2030年3月期(目標)(リース債務を除く)純有利子負債/EBITDA倍率(倍)1.3倍以下自己資本比率(%)40%以上 Ⅲ.2026年3月期の計画2026年3月期につきましては、新型コロナウイルス感染症関連検査の減少を見込むものの、ベース事業の成長および検査・関連サービス事業における収益性の改善、CDMO事業の伸長等により、下記のとおりとなる見込みです。単位:億円(四捨五入)2025年3月期実績2026年3月期予想売上高2,4302,520EBITDA※1234305営業利益2680経常利益4760親会社株主に帰属する当期純利益2855ROE2.0%4.1%ROIC※20.8%2.5%※1 EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費※2 ROIC=NOPAT(営業利益-みなし法人税)/ 投下資本 [(純資産+有利子負債(リース債務含む)+ その他の固定負債)の期首・期末残高の平均] なお、業績の見通しにつきましては、本資料の発表日現在において入手可能な情報および将来の業績に影響を与える不確実な要因に係る本資料発表日現在における仮定を前提としております。実際の業績等は、今後様々な要因によってこれと大きく異なる結果となる可能性があります。 Ⅳ.株主還元と成長への投資各事業から生み出される利益および資金につきましては、主たる配当のKPIとして連結自己資本配当率(DOE)6%を目指し、その上でキャッシュ・フロー、中長期的に健全な財務基盤の維持などを総合的に勘案した累進配当を実施してまいります。また、自己株式の取得を「自社への戦略投資」と位置づけ、積極的かつ機動的に実施してまいります。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績の分析当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等により、経済活動は緩やかな回復基調となりました。しかしながら、世界情勢の変動を背景とした原材料価格やエネルギー価格の高騰や為替相場における円の乱高下、中国経済の先行き懸念等、先行き不透明な状況が続きました。当社グループを取り巻く事業環境につきましては、医療機関の経営状況の悪化や医療費の削減要請に伴う検体検査実施料の抑制等、厳しい事業環境が継続しております。このような環境の中、当社グループといたしましては、ベース事業の成長およびH.U. Bioness Complexを中心とした収益性改善によってアフターコロナに最適なコスト構造の構築に注力し、安定的に事業を継続するための経営基盤の強化に取り組んできました。これらの結果といたしまして、当連結会計年度の売上高は243,025百万円(前期比2.6%増)となりました。主な増収要因は検査・サービス事業の伸長です。利益では、増収による増益に加えて、検査・関連サービス事業における収益性改善施策の効果が徐々に発現したこと等により増益となりました。その結果、営業利益は2,640百万円(前期は営業損失4,043百万円)となりました。営業利益の増益に加えて、出資金運用益の計上および持分法による投資損失の改善等により、経常利益は4,742百万円(前期は経常損失7,241百万円)となりました。また、経常利益の増益に加えて、特別利益として補償損失引当金戻入額、特別損失として関係会社整理損を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は2,761百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失7,553百万円)となりました。 ① 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等当社グループでは、将来の飛躍的かつ持続的な成長と収益力向上の観点から、連結売上高、連結営業利益およびEBITDAを、株主資本の効率的な運用の観点からROE(株主資本利益率)を、投下資本に対する収益性向上の観点からROIC(投下資本利益率)を、それぞれ重要な経営指標と位置付けています。当連結会計年度の実績は、連結売上高が243,025百万円、連結営業利益が2,640百万円、EBITDAが23,387百万円、ROEが2.0%、ROICが0.8%となっております。なお、個別プロジェクトの投資判断については、CEOの諮問機関である投資委員会が各案件の妥当性確認や論点整理をするなど、決裁前の事前審査機能の強化を図るとともに、投資後のモニタリングを実施しています。投資案件の評価においては、資本コストに一定の事業リスクを反映したハードルレートを用いた評価を実施し、各事業部門に資本コストを意識した投資を促すとともに、これを上回るリターンの創出による中長期的な企業価値向上への寄与を重視しております。 ② セグメントごとの経営成績イ.検査・関連サービス事業(LTS)売上では、新型コロナウイルス関連検査売上高が減少したものの、がんゲノムを始めとした遺伝子関連検査を含むベース事業が伸長したことにより増収となりました。これらの結果、売上高は153,014百万円(前期比4.3%増)となりました。利益では、ベース事業の増収による増益に加えて収益性改善施策の効果が徐々に発現したことにより、営業損失は4,638百万円(前期は営業損失12,512百万円)となりました。 ロ.臨床検査薬事業(IVD)売上では、海外におけるNeuro試薬の伸長および円安による為替の影響があったものの、主に新型コロナウイルス関連製品の売上高が減少したことにより減収となりました。これらの結果、売上高は60,492百万円(前期比2.3%減)となりました。利益では、主に新型コロナウイルス関連売上高の減収による減益により、営業利益は11,345百万円(前期比12.2%減)となりました。 ハ.ヘルスケア関連サービス事業(HS)売上では、滅菌関連事業が伸長した結果、売上高は29,518百万円(前期比4.3%増)となりました。利益では、増収による増益および滅菌関連事業における収益性改善等により、営業利益は1,777百万円(前期比33.0%増)となりました。 ③ 生産、受注および販売の実績イ.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)検査・関連サービス事業(百万円)150,529103.8臨床検査薬事業(百万円)84,98494.9ヘルスケア関連サービス事業(百万円)27,432103.5合計(百万円)262,946100.7(注)金額は、販売価格換算によっております。 ロ.受注実績当社グループは、役務又は商品等の受注から完了又は納品等までの所要時間が短いため、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため記載を省略しております。 ハ.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)検査・関連サービス事業(百万円)153,014104.3臨床検査薬事業(百万円)60,49297.7ヘルスケア関連サービス事業(百万円)29,518104.3合計(百万円)243,025102.6(注)主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先がありませんので、記載を省略しております。 (2)財政状態の分析 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)増減資産合計(百万円)290,849279,582△11,267負債合計(百万円)148,344142,287△6,057純資産合計(百万円)142,505137,295△5,209自己資本比率(%)49.049.00.0(資産)当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ11,267百万円減少し、279,582百万円となりました。その主な要因は、リース資産(純額)の増加4,905百万円、長期貸付金の増加4,808百万円および繰延税金資産の増加3,431百万円があった一方、機械装置及び運搬具(純額)の減少6,236百万円、投資有価証券の減少4,636百万円、工具、器具及び備品(純額)の減少2,870百万円、流動資産その他の減少2,856百万円、建物及び構築物(純額)の減少2,195百万円、投資その他の資産その他の減少1,543百万円、原材料及び貯蔵品の減少1,255百万円および建設仮勘定の減少1,026百万円があったためであります。(負債)当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ6,057百万円減少し、142,287百万円となりました。その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加10,045百万円、短期借入金の増加10,000百万円およびリース債務(固定)の増加3,859百万円があった一方、1年内償還予定の社債の減少10,000百万円、長期借入金の減少9,817百万円、未払金の減少6,150百万円および固定負債その他の減少4,362百万円があったためであります。 (純資産)当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ5,209百万円減少し、137,295百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,761百万円があった一方、配当金の支払7,151百万円およびその他有価証券差額金の減少1,507百万円があったためであります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.0%増加し、49.0%となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況の分析(連結キャッシュ・フローの状況) 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)増減(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)16,55121,9645,413投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△16,050△15,95892フリー・キャッシュ・フロー(百万円)5006,0065,505財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△5,782△5,298484現金及び現金同等物(百万円)39,94640,884937当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ937百万円増加し、40,884百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、21,964百万円(前期比32.7%増)となりました。その主な要因は、減価償却費20,264百万円、税金等調整前当期純利益3,215百万円および未払消費税等の増加額2,408百万円があった一方、出資金運用益3,070百万円および法人税等の支払額2,592百万円があったためであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、15,958百万円(前期比0.6%減)となりました。その主な要因は、出資金の分配による収入3,000百万円があった一方、無形固定資産の取得による支出6,231百万円、債務保証の履行による支出5,174百万円、有形固定資産の取得による支出4,083百万円および子会社株式の条件付取得対価の支払額3,005百万円があったためであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、5,298百万円(前期比8.4%減)となりました。その主な要因は、短期借入金の純増減額10,000百万円およびセール・アンド・リースバックによる収入6,396百万円があった一方、社債の償還による支出10,000百万円、配当金の支払額7,142百万円およびファイナンス・リース債務の返済による支出4,534百万円があったためであります。 (4)資本の財源および資金の流動性についての分析当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資、研究開発、借入金の返済ならびにこれらに係る利息の支払い、配当の支払い、自己株式の取得、法人税の支払いおよびM&Aであります。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ちつつ、営業活動により相応のキャッシュ・フローを生み出すことにより、当社グループの成長に必要な資金調達が可能であると考えております。短期運転資金は自己資本および金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入、社債又はその組み合わせによる調達を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債は86,654百万円であります。主なものは、社債31,100百万円、長期借入金19,182百万円、長期リース債務11,855百万円、1年内返済予定の長期借入金10,045百万円、短期借入金10,000百万円および短期リース債務4,470百万円であります。また、当社は、緊急時の手元流動性を確保すること等を目的として、主要取引金融機関と総額200億円のコミットメントライン契約を締結しております。当該契約に基づく当連結会計年度末における借入実行残高はありません。当社グループは、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)より格付A(ネガティブ)を取得しており、引き続き格付けの維持・向上に努めてまいります。 (5)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要としており、経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績、将来計画やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた重要な会計上の見積りおよび見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。会計上の見積りおよび見積りに用いた仮定のうち、重要なものおよびその補足事項については以下のとおりであります。 a.固定資産の評価 有形固定資産・無形固定資産については、資産又は資産グループに減損の兆候がある場合には、減損損失を認識するかどうかの判定を行います。当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識すべきと判定し、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。回収可能価額は、正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額とし、正味売却価額は資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除しています。使用価値は資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定します。 翌連結会計年度の業績が予算を大きく下回る場合や、将来キャッシュ・フローに重要な影響を与える事象が発生した場合には、減損損失を計上する可能性があります。 b.投資有価証券の評価 市場価格のない株式等の評価は、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が50%程度以上低下し、かつ実質価額の回復可能性がないと判断したときは、実質価額までの減損を行います。 また、当社グループで保有する関連会社に対する投資については、個別の投資の価値が下落し、その下落が一時的でないと判断される場合には、公正価値まで減損します。公正価値の算定は、主に外部専門家を利用しております。 翌連結会計年度において、投資先の財政状態の悪化により、投資有価証券の実質価額が著しく低下した場合には、評価損を計上する可能性があります。

※本記事は「H.U.グループホールディングス株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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