| 会社名 | 阪急阪神ホールディングス株式会社 |
| 業種 | 陸運業 |
| 従業員数 | 連23033名 単229名 |
| 従業員平均年齢 | 42.9歳 |
| 従業員平均勤続年数 | 18.3年 |
| 平均年収 | 9000236円 |
| 1株当たりの純資産 | 4340.23円 |
| 1株当たりの純利益(連結) | 281.77円 |
| 決算時期 | 3月 |
| 配当金 | 60円 |
| 配当性向 | 26.6% |
| 株価収益率(PER) | 14.28倍 |
| 自己資本利益率(ROE)(連結) | 6.7% |
| 営業活動によるCF | 874億円 |
| 投資活動によるCF | ▲1676億円 |
| 財務活動によるCF | 794億円 |
| 研究開発費※1 | -円 |
| 設備投資額※1 | 9.61億円 |
| 販売費および一般管理費※1 | 1560.6億円 |
| 株主資本比率※2 | 35.2% |
| 有利子負債残高(連結)※3 | 12383.92億円 |
経営方針
| 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 1.会社の経営の基本方針当社グループでは、都市交通、不動産、エンタテインメント、情報・通信、旅行及び国際輸送の6つの事業を主要な事業領域と位置付け、グループ経営機能を担う当社(純粋持株会社)の下、阪急電鉄㈱、阪神電気鉄道㈱、阪急阪神不動産㈱、㈱阪急交通社及び㈱阪急阪神エクスプレスの5社を中核会社として、グループ全体の有機的な成長を目指しています。 当社グループは、鉄道事業をベースに住宅・商業施設等の開発から阪神タイガースや宝塚歌劇など魅力溢れるエンタテインメントの提供に至るまで、多岐にわたる分野において、それまでになかったサービスを次々と提供することにより、沿線をはじめ良質な「まちづくり」に貢献するとともに、社会に新風を吹き込み、100年以上の長い歴史の中で数々の足跡を残してきました。そして、これらの活動等を通じて、暮らしを支える「安心・快適」、暮らしを彩る「夢・感動」を絶えずお客様にお届けしてきました。今後も、グループの全役員・従業員が、お客様の日々の暮らしに関わるビジネスに携わることに強い使命感と誇りを持ち、そうした思いを共有し、一丸となって業務にあたっていく上での指針として、以下のとおり「阪急阪神ホールディングス グループ経営理念」を制定しています。 阪急阪神ホールディングス グループ経営理念使命(私たちは何のために集い、何をめざすのか)「安心・快適」、そして「夢・感動」をお届けすることで、お客様の喜びを実現し、社会に貢献します。 価値観(私たちは何を大切に考えるのか)お客様原点すべてはお客様のために。これが私たちの原点です。誠実誠実であり続けることから、私たちへの信頼が生まれます。先見性・創造性時代を先取りする精神と柔軟な発想が、新たな価値を創ります。人の尊重事業にたずさわる一人ひとりが、かけがえのない財産です。 行動規範(「価値観」を守り、「使命」を果たしていくために、私たちはどのように行動するのか)1. 私たちは、出会いを大切にし、お客様の立場に立って最善を尽くします。2. 私たちは、法令遵守はもとより、社会的責任を自覚して行動します。3. 私たちは、仕事に責任と誇りを持ち、迅速にやり遂げます。4. 私たちは、目先のことのみにとらわれず、中長期的な視点で考えます。5. 私たちは、現状に満足することなく、時代の先を見据えて取り組みます。6. 私たちは、思いやりの心を持ち、お互いを認め合います。7. 私たちは、活発にコミュニケーションを行い、風通しのよい職場をつくります。8. 私たちは、グループ全体の発展のために力を合わせます。 2.サステナビリティ宣言当社グループでは、2020年5月に発表した「阪急阪神ホールディングスグループ サステナビリティ宣言」に基づき、ESG(環境・社会・企業統治)に関する取組を着実に推し進めています。このサステナビリティ宣言では、当社グループがサステナブル経営を進める上での基本方針や6つの重要テーマ等を定めており、これをベースに、これからもお客様や地域社会等との信頼関係を構築しながら、持続的な成長を図り、ひいては持続可能な社会の実現につなげていきます。なお、サステナブル経営の推進にあたり、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」(※1)及び「国連グローバル・コンパクト」(※2)への対応として、2021年5月に賛同の意を表明しています。※1 「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」…2015年に、G20の要請を受け、金融安定理事会の作業部会として設置されたものであり、投資家等の適切な投資判断に資するよう、企業等に対して、気候変動に伴うリスクと機会の特定、その財務的な影響の試算、気候変動に対応する事業戦略等を開示することを推奨しています。※2 「国連グローバル・コンパクト」…1999年の世界経済フォーラムで提唱された企業の行動規範であり、企業等に対し、人権・労働・環境・腐敗防止の4分野において、10原則を遵守し実践するよう要請しています。 <サステナビリティ宣言の概要>基本方針~暮らしを支える「安心・快適」、暮らしを彩る「夢・感動」を、未来へ~私たちは、100年以上積み重ねてきた「まちづくり」・「ひとづくり」を未来へつなぎ、地球環境をはじめとする社会課題の解決に主体的に関わりながら、すべての人々が豊かさと喜びを実感でき、次世代が夢を持って成長できる社会の実現に貢献します。 6つの重要テーマ取組方針① 安全・安心の追求鉄道をはじめ、安全で災害に強いインフラの構築を目指すとともに、誰もが安心して利用できる施設・サービスを日々追求していきます。② 豊かなまちづくり自然や文化と共に、人々がいきいきと集い・働き・住み続けたくなるまちづくりを進めます。③ 未来へつながる暮らしの提案未来志向のライフスタイルを提案し、日々の暮らしに快適さと感動を創出します。④ 一人ひとりの活躍多様な個性や能力を最大限に発揮できる企業風土を醸成するとともに、広く社会の次世代の育成にも取り組みます。⑤ 環境保全の推進脱炭素社会や循環型社会に資する環境保全活動を推進します。⑥ ガバナンスの充実すべてのステークホルダーの期待に応え、誠実で公正なガバナンスを徹底します。 <サステナビリティ宣言の位置づけ>3.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(1) 長期経営構想の策定について① 策定の背景当社グループは、100年以上にわたって「安全・安心・快適な移動を実現する」「まちの魅力を高める」「エンタテインメントで彩る」ことを通じて沿線価値を高め、沿線外へもフィールドを拡げるとともに、先見性・創造性を持ち、時代を先取りする精神と柔軟な発想で、一歩先のより良い暮らしを提案し続けてきました。当社グループでは、2022年に策定した長期ビジョンの実現に向け、2022~2025年度を計画期間とする中期経営計画のもと、各取組は順調に推移していますが、当社グループを取り巻く環境の変化はこれまでの想定以上に加速し、ステークホルダーからの期待・要請も様々な形で高まっており、こうした変化は今後もスピードを増していくことが考えられます。そのため、当社グループがこれまで提供してきた価値や強みをベースに、グループを取り巻く環境の変化を踏まえて、現行の長期ビジョンをブラッシュアップし、「未来のありたい姿」と現状とのギャップを埋めていくために、「長期経営構想」を策定しました。② 全体像と戦略当社グループは、これまで積み重ねてきた提供価値を土台に、これからも新たな価値の創造にグループ一体で取り組み、あらゆるフィールドにおいて次々と新しい「お客様の喜び」を実現していきます。とりわけ、重要なフィールドである沿線においては、様々な分野における技術革新の進展やインバウンド需要の高まりといった環境変化の中でも、快適で魅力的な都市空間を創出し続け、さらにそうした「まちづくり」をグローバルに展開していきたいと考えています。そして、サステナブルで良質な商品・サービスを提供し、お客様に選ばれ続けることで、「誰もが自分らしい生活を送れるように、サステナブルな行動を自然と選択できる」社会の実現も目指していきます。こうした「未来のありたい姿」の実現に向けた当社グループの取組を「長期経営構想」と位置付け、事業・財務・人材の各戦略を策定し、グループガバナンスの強化等にも取り組みながら、ありたい姿の実現に向けて、中長期的な成長と資本効率の向上の両立を図っていきます。 <事業戦略>これまで当社グループは、先人たちの努力の積み重ねと沿線への集中的な投資により、沿線での圧倒的な競争優位の確立とキャッシュの創出を両立してきました。加えて、ここ数年は、今後の少子高齢化に伴い沿線からのキャッシュの創出力が低下していくことを見据えて、海外不動産事業への投資等、投資先の多様化にも努めてきました。しかしながら、沿線の事業環境は今後もさらに厳しくなることが予想され、今後は、「沿線の価値を高め、沿線での競争優位性をさらに高める取組」と「成長市場を開拓し、投資の重点配分によってキャッシュ創出力をより高める取組」を同時に進めることが求められます。そのための事業戦略として、「圧倒的No.1の沿線の実現」「コンテンツの魅力の最大化と新コンテンツの開拓」「エリアを超えた展開(首都圏・海外)」「ビジネスソリューションへの注力」の4つの方向性を定めて経営資源を配分し、沿線を中心とした既存のフィールドの深掘りと、成長の見込まれる新たなフィールドでの挑戦を続けることで、グループ全体で成長し、お客様や地域・社会の期待に応えていきます。 <財務戦略>上記の事業戦略を推進し、中長期的な成長を実現するとともに、資本効率の向上に向けて、バランスシートをコントロールしつつ必要な投資を実施していきます。そのために、グループのポートフォリオにおける事業の役割を整理し、投資効果の最大化に向けて全社視点で資金を配分していきます。都市交通事業及び不動産賃貸・開発事業は、大規模プロジェクト(※1)の成果も含めて安定的に資金を創出し、新事業領域を含む将来の高ROIC(※2)が期待される事業に資金を供給します。グループの成長に向けては、成長性と事業の拡張性が見込まれる不動産事業(グローバル)、住宅事業、ホテル事業、情報サービス事業、旅行事業等に重点的にリソースを配分することで規模の拡大と利回りを追求し、新事業領域についても、規模の拡大と高利回りの実現に貢献できるよう育成していきます。また、スポーツ事業、ステージ事業、放送・通信事業及び国際輸送事業についても、引き続きグループ全体の利回り向上に貢献することを目指していきます。また、中長期的な成長を実現するとともに、株主還元の充実等を通じて、資本効率の向上に向けたバランスシートのコントロールも行っていきます。具体的には、2025年度より、年間配当金の下限を1株当たり100円とする安定的な配当の実施と、総還元性向(※3)50%を目安にキャッシュフローの状況を踏まえた弾力的な自己株式の取得に取り組むことを基本方針とします。 ※1 大規模プロジェクト…「芝田1丁目計画(大阪新阪急ホテル・阪急ターミナルビルの建替え、阪急三番街の全面改修等)」や「なにわ筋線連絡線・新大阪連絡線計画」等※2 ROIC…投下資本利益率。企業が事業活動のために投じた資本に対して、どれだけ利益を出しているか、資本コストに見合う収益性があるかを示す指標※3 総還元性向…親会社株主に帰属する当期純利益に対する年間配当金総額と自己株式取得額の合計額の割合 <人材戦略>当社グループの成長の源泉は人材であり、「長期経営構想」の実現に向けて、多様かつ有能な人材を確保したうえで、成長分野をはじめとした有望領域に積極的に投入し、グループの成長を図るとともに、これらの人材をグループの将来を担う人材として計画的に育成していきます。また、従業員の処遇の向上を図るほか、従業員のロイヤリティの向上に向けた施策を実施するなど、人的資本に対する投資を続けていきます。併せて、「一人ひとりの活躍」を実現し、従業員一人ひとりが多様な個性や能力を発揮できる企業風土の醸成に向けて、働きがいの向上や労働環境の整備を図るとともに、健康経営やダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組んでいきます。 上記の各戦略を推進することで、遅くとも2030年度までにROE8%を持続的に達成できる企業となり、さらにその先の2040年度にかけて従来の延長線上にはない成長を遂げ、お客様から評価され、従業員も誇れる企業グループであり続けること、持続的な価値創造の好循環を創出し、投資家の皆様の期待に応えていくことを目指していきます。 ③ 環境保全の推進の取組について持続可能な社会の実現に向けて、ステークホルダーの関心が高い社会課題である「地球環境問題」について、脱炭素の取組に加え、近年注目されている生物多様性・自然資本の保護や資源循環についても取組の方向性を明示し、新たにKPIを設定したうえで、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでいきます。また、2050年度の温室効果ガス排出量の実質ゼロに向け、新たな削減目標を、グローバルで求められる水準を踏まえ、「2035年度△60%(2019年度比)」とします。 ④ 経営指標当社グループは「未来のありたい姿」に向けた、財務面での2030年度の目標として「ROE8%の達成」を掲げ、上記の各種取組を進めていきます。また、非財務面では、「安全・安心の追求」、「一人ひとりの活躍」、「環境保全の推進」といった重要テーマごとに目標を設定し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいきます。 具体的な経営指標(財務・非財務)については下記のとおりです。 (2) 2025年度業績予想等について2025年度については、都市交通事業をはじめ、各事業において諸費用が増加するものの、不動産事業において分譲収入の増加や海外不動産事業の伸長等を見込むことにより、事業利益は1,180億円、親会社株主に帰属する当期純利益は750億円、EBITDAは1,930億円と予想しています。そして、ROEは7.1%、「ネット有利子負債/EBITDA倍率」は7.1倍、D/Eレシオは1.3倍となる見通しです。また、2025年度の株主還元については、上記の株主還元に係る基本方針を踏まえ、年間配当金を1株当たり60円から100円(中間配当金50円、期末配当金50円)に引き上げることを予定しています。 |
経営者による財政状態の説明
| 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。① 経営成績の状況当期のわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大等を背景に、期を通じて緩やかな回復が続きましたが、労働需給の逼迫、国際情勢及び為替市場の動向等による国内の物価上昇や、世界経済の不確実性の高まり等を受け、先行き不透明な状況で推移しました。そうした中で、当社グループにおいては、中期経営計画に掲げる目標を達成すべく、さまざまな取組を推し進めて着実に業績を伸長させるとともに、今後の成長を見据えた施策も進めました。当期の業績については、前期のスポーツ事業におけるプロ野球関連特需や旅行事業における自治体の支援業務受注等の一時的な要因の反動があったことに加えて、国際輸送事業において貨物の取扱いが低迷したものの、不動産事業においてマンション分譲戸数が増加したことや、都市交通事業や海外旅行の需要回復等により、営業収益、営業利益、及び経常利益はいずれも増加しました。また、特別損益は改善したものの、税制改正による影響で法人税等調整額が増加したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期並みとなりました。当期の当社グループの成績は次のとおりです。 当連結会計年度(自 2024年4月 1日 至 2025年3月31日)対前連結会計年度比較増減額増減率(%)営業収益1兆1,068億54百万円1,092億43百万円11.0営業利益1,108億79百万円51億90百万円4.9経常利益1,112億42百万円18億28百万円1.7親会社株主に帰属する当期純利益673億86百万円△3億88百万円△0.6 セグメント別の業績は次のとおりです。 (都市交通事業)鉄道事業については、阪急電鉄及び阪神電気鉄道において、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、阪急桂駅、西宮北口駅、阪神甲子園駅をはじめとする各駅への可動式ホーム柵等の整備を推し進めたほか、2025年2月には利便性の向上を図るため、ダイヤ改正を実施しました。また、阪急京都線では、2024年7月より当社グループ初となる座席指定サービス「PRiVACE(プライベース)」の運行を開始しました。さらに、阪急電鉄、阪神電気鉄道、北大阪急行電鉄及び能勢電鉄の全駅において、QRコード(※1)を活用したデジタル乗車券サービス及びクレジットカード等のタッチ決済による乗車サービスを始めました。こうした施策を通じて、訪日外国人等を含めた幅広いお客様に安全・安心で快適にご利用いただけるよう、引き続き取り組んでいきます。また、阪急電鉄及び阪神電気鉄道において、関西初の取組として、2025年4月より全線カーボンニュートラル運行(※2)を実施することとし、鉄道の環境優位性を活かすことで、脱炭素社会の実現に向けた取組を進めていきます。このほか、阪急電鉄において、フィリピン マニラLRT1号線事業に参画し、日本での鉄道運営ノウハウを活かしながら、同路線の利便性・安全性の向上に取り組んでいます。自動車事業については、阪急バス・阪神バスにおいて、公共交通機関として旅客輸送サービスを安定的に提供するために、2024年10月に路線バスの運賃改定を実施しました。営業収益は前期に比べ63億26百万円(3.1%)増加し、2,095億87百万円となり、営業利益は前期に比べ7億66百万円(2.2%)増加し、350億23百万円となりました。※1 「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。※2 鉄道事業(全線の列車運行及び駅施設等)で使用するすべての電力を実質的に再生可能エネルギー由来の電力に置き換え、CO?排出量ゼロとします。 事業の内容当連結会計年度(自 2024年4月 1日 至 2025年3月31日)営業収益対前連結会計年度増減率(%)鉄道事業1,533億59百万円3.6自動車事業448億31百万円2.7流通事業129億32百万円1.2都市交通その他事業104億94百万円4.7調整額△120億30百万円-合計2,095億87百万円3.1 ・ 阪急電鉄㈱運輸成績表区分当連結会計年度(自 2024年4月 1日 至 2025年3月31日)対前連結会計年度増減率(%)営業日数(日)365△0.3営業キロ(キロ)143.6-客車走行キロ(千キロ)162,014△0.2 定期(千人)318,9641.8旅客人員定期外(千人)290,0221.9 合計(千人)608,9871.9 定期(百万円)33,0132.4運輸収入旅客運賃定期外(百万円)62,2652.6 合計(百万円)95,2782.5運輸雑収(百万円)5,150△0.3収入合計(百万円)100,4292.4乗車効率(%)39.1- ・ 阪神電気鉄道㈱運輸成績表区分当連結会計年度(自 2024年4月 1日 至 2025年3月31日)対前連結会計年度増減率(%)営業日数(日)365△0.3営業キロ(キロ)48.9-客車走行キロ(千キロ)44,9020.1 定期(千人)124,2582.9旅客人員定期外(千人)118,2883.4 合計(千人)242,5473.2 定期(百万円)12,4493.7運輸収入旅客運賃定期外(百万円)23,0653.7 合計(百万円)35,5153.7鉄道線路使用料収入(百万円)50-運輸雑収(百万円)2,617△2.5収入合計(百万円)38,1833.4乗車効率(%)41.5-(注)1 客車走行キロは、社用、試運転、営業回送を含みません。なお、営業回送を含めた客車走行キロは、阪急電鉄㈱が165,990千キロ、阪神電気鉄道㈱が46,658千キロです。2 乗車効率の算出方法乗車効率 = 延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)/(客車走行キロ×平均定員)× 100 (不動産事業)不動産賃貸事業については、阪神千船駅の高架下商業施設「アバリーナ千船」(大阪市西淀川区)や阪急大宮駅直上の「大宮阪急ビル」(京都市中京区)をリニューアルオープンしたほか、「NU茶屋町」(大阪市北区)の段階的なリニューアルに着手するなど、商業施設やオフィスビルにおいて競争力の強化と稼働率の維持向上等に努めました。また、うめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」については、2024年9月の先行まちびらきに続き、2025年3月に南館がグランドオープンしました。工事は、2027年度の全体まちびらきに向けて、計画どおりに進捗しています。このほか、東京駅前の大規模開発プロジェクト「八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業」の新築工事に着手しました。不動産分譲事業については、マンション分譲では、「ジオタワー宝塚グランレジス」(兵庫県宝塚市)、「ジオ島本」(大阪府三島郡島本町)、「ジオ品川天王洲」(東京都品川区)等を販売しました。また、宅地戸建分譲では、「ジオガーデン彩都茨木」(大阪府茨木市)、「ジオガーデン三鷹下連雀三丁目」(東京都三鷹市)等を販売しました。海外不動産事業については、オーストラリアにおいて物流不動産事業・住宅事業に参画したほか、インドネシアでバリを代表する商業・ホテルの複合施設「ビーチウォークコンプレックス」を一部取得するなど、海外における不動産賃貸事業の規模拡大を進めました。また、アセアン諸国において住宅分譲事業を推し進めたほか、初めてカナダにおいてマンション分譲事業に参画するなど、事業エリアの拡大にも努めました。ホテル事業については、インバウンドを中心に宿泊部門が好調な中、「グラングリーン大阪」の南館に宿泊主体型のアップスケールホテルとして「ホテル阪急グランレスパイア大阪」を開業したほか、レストランのリニューアルや様々なプランの企画・販売等を通じて、事業競争力の強化に努めました。営業収益は前期に比べ495億34百万円(15.6%)増加し、3,677億88百万円となり、営業利益は前期に比べ78億2百万円(15.7%)増加し、576億29百万円となりました。 事業の内容当連結会計年度(自 2024年4月 1日 至 2025年3月31日)営業収益対前連結会計年度増減率(%)賃貸事業1,411億24百万円11.1分譲事業等1,883億31百万円22.4海外不動産事業120億68百万円41.1ホテル事業650億76百万円3.9調整額△388億12百万円-合計3,677億88百万円15.6 (エンタテインメント事業)スポーツ事業については、阪神タイガースが、シーズン終盤まで首位争いを演じ、公式戦主催試合入場者が300万人を超えるなど多くのファンの方々のご声援を受けてリーグ2位となり、クライマックスシリーズ進出を果たしました。また、開場100周年を迎えた阪神甲子園球場では、様々な記念事業を展開するなど魅力ある施設運営に取り組んだほか、次の100年に向けた施策として、銀傘をアルプススタンドまで拡張する工事に着手しました。このほか、阪神タイガースの新ファーム施設を兵庫県尼崎市に移転し、「ゼロカーボンベースボールパーク」として開業しました。ステージ事業については、歌劇事業において、雪組公演「ベルサイユのばら -フェルゼン編-」、星組公演「記憶にございません! -トップ・シークレット-」/「Tiara Azul -Destino-」等の各公演が好評を博したほか、動画配信サービス「TAKARAZUKA SQUARE(タカスク)」や電子書籍サービス「ebooks タカラヅカ」の提供を開始するなど、お客様に宝塚歌劇をよりお楽しみいただけるよう、様々な取組を推進しました。なお、宝塚歌劇団において、ガバナンス体制の強化の一環として、次のような取組を進め、すべての関係者が安心して事業に携わり、事業を通じて持続的に成長し活躍することができる体制を構築していきます。a 宝塚歌劇団の法人化(株式会社化)宝塚歌劇団の改革の実効性をさらに高めるべく、2025年7月に「宝塚歌劇団」を阪急電鉄が100%出資する「株式会社」として法人化します。法人化にあたり、事業部門・管理部門・内部監査部門による複層的なリスク管理体制のもとでの組織運営を通じてガバナンスを確保するとともに、法人化後の宝塚歌劇団の取締役は、過半数を社外出身者とします。b 宝塚歌劇団における人事制度・雇用関係の見直しすべての劇団員が心身とも健全な状態で最大限に力を発揮しながら、持続的に成長し活躍できる環境を構築すべく、宝塚歌劇団の特性も踏まえ、演技者との契約を雇用契約に移行し、労働時間の管理方法を変更しました。また、演出助手等に適用する労働時間制度を見直しました。このほか、六甲山地区においては、自然・眺望と文化・スポーツ・グルメといった多様なコンテンツを組み合わせたイベントや企画を展開したほか、15回目を迎えた現代アートの芸術祭「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」が好評を博するなど、インバウンドも含めて一層の集客に努めました。しかしながら、前期にプロ野球関連特需があった反動や、前期好調だった歌劇関連商品の減収や宝塚歌劇の体制整備に伴う諸費用の増加等により、営業収益は69百万円(△0.1%)減少し、825億42百万円となり、営業利益は27億12百万円(△19.2%)減少し、114億6百万円となりました。 事業の内容当連結会計年度(自 2024年4月 1日 至 2025年3月31日)営業収益対前連結会計年度増減率(%)スポーツ事業482億44百万円△4.1ステージ事業342億25百万円6.2調整額73百万円-合計825億42百万円△0.1 (情報・通信事業)情報サービス事業については、鉄道会社や自治体に対し、鉄道車両内やまちなかのセキュリティ向上と犯罪等の抑止を目的とした防犯カメラシステムの提供を行いました。また、SNSソリューション事業に強みを持つ企業を子会社化するなど、事業領域の拡充を進めました。放送・通信事業については、FTTHサービス(光ファイバーを用いた高速インターネットサービス)の提供に加え、携帯キャリア事業者等とのアライアンスを強化するなど、お客様のニーズに応える様々なサービスを展開することにより、事業の着実な伸長に努めました。あんしん・教育事業については、安全・安心に対するニーズの高まり等を背景に、「登下校ミマモルメ」を導入する学校・施設数が着実に伸長しました。また、ロボットプログラミング教室「プログラボ」が、各種顧客満足度調査においてトップクラスに位置付けられるなど、高い評価を得ています。営業収益は前期に比べ55億8百万円(8.5%)増加し、700億88百万円となり、営業利益は前期に比べ7億43百万円(12.1%)増加し、68億79百万円となりました。 (旅行事業)旅行事業については、前期に比べ自治体からの支援業務等の受注は減少したものの、海外旅行部門において、広告展開の工夫や商品力の強化により、ツアーの販売が好調に推移しました。また、訪日旅行部門においては、円安によるインバウンド需要の高まり等を背景としてツアーの取扱いが増加したほか、国内旅行部門も前期に引き続き堅調に推移しました。営業収益は前期に比べ441億88百万円(20.4%)増加し、2,611億4百万円となり、営業利益は前期に比べ3億29百万円(6.6%)増加し、52億98百万円となりました。 (国際輸送事業)国際輸送事業については、航空輸送において、日本や東アジアを中心に受注競争が激化したことに加え、海上輸送も需給バランスが緩和したことで運賃水準が低下するなど、厳しい事業環境が続きました。そうした中でも、南アフリカ、ケニア、アメリカ及びマレーシアで物流倉庫を拡張するなど、ロジスティクス事業の強化に努めるとともに、グローバルネットワークの拡充を図りました。海外法人において為替の影響によって円換算額が増加したこと等により、営業収益は前期に比べ44億17百万円(4.4%)増加し、1,047億17百万円となりましたが、営業損益は前期に比べ15億8百万円悪化し、12億84百万円の営業損失となりました。 (その他)建設業等その他の事業については、営業収益は前期に比べ50億5百万円(8.3%)増加し、651億31百万円となり、営業利益は前期に比べ3億60百万円(10.6%)増加し、37億71百万円となりました。 ② 財政状態の状況当連結会計年度末の資産合計については、販売土地及び建物や有形固定資産、投資有価証券が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,305億23百万円増加し、3兆2,834億53百万円となりました。負債合計については、有利子負債や長期前受工事負担金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,684億95百万円増加し、2兆1,509億93百万円となりました。純資産合計については、利益剰余金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ620億27百万円増加し、1兆1,324億60百万円となり、自己資本比率は31.5%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物については、前連結会計年度末に比べ22億6百万円増加し、560億14百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益1,027億95百万円、減価償却費644億75百万円、持分法による投資利益154億51百万円、棚卸資産の増加額928億23百万円、法人税等の支払額194億41百万円等により、874億17百万円の収入(前期は1,235億13百万円の収入)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出1,279億51百万円、投資有価証券の取得による支出670億58百万円、投資有価証券の売却による収入110億11百万円、工事負担金等受入による収入215億65百万円等により、1,676億37百万円の支出(前期は1,413億20百万円の支出)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローについては、借入金の純増による収入457億90百万円、社債の発行による収入745億98百万円、社債の償還による支出150億円、自己株式の取得による支出71億59百万円、配当金の支払額144億72百万円等により、794億71百万円の収入(前期は284億61百万円の収入)となりました。 ④ 生産、受注及び販売の実績当社グループは、都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント事業、情報・通信事業、旅行事業及び国際輸送事業など多種多様な事業を営んでいるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」におけるセグメント別の業績に関連付けて示しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収入・費用の金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、特に以下の項目が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。 a 固定資産の減損当社グループは、事業の特性上、多くの固定資産を保有しています。これらの固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初想定した収益等が見込めなくなった場合や将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合は、固定資産の減損を実施する可能性があります。 b 販売用不動産の評価当社グループは、販売用不動産を多数保有しています。市場環境の変化や開発・販売計画の変更等により、正味売却価額が大きく下落した場合は、販売用不動産の評価減を実施する可能性があります。 c 繰延税金資産当社グループは、将来の課税所得や実現可能性の高いタックス・プランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。業績の変動等により、将来の課税所得やタックス・プランニングに変更が生じた場合は、繰延税金資産が増加または減少する可能性があります。 ② 資本の財源及び資金の流動性a 有利子負債有利子負債の概要は、以下のとおりです。(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)短期借入金(※1)101,78987,804長期借入金(※1)793,838855,588社債265,000325,000リース債務(※2)13,53214,382有利子負債 合計1,174,1601,282,775現金及び預金59,61061,052ネット有利子負債1,114,5501,221,723(※1)1年内返済予定の長期借入金は、「長期借入金」に含めています。(※2)「リース債務」は、流動負債と固定負債のリース債務の合計です。 また、当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における債務保証額は、それぞれ461億44百万円及び467億54百万円です。 b 財務政策当社グループは、運転資金及び設備資金等については、内部資金または借入金及び社債により資金を調達することとしています。このうち、長期借入金及び社債にて調達した資金については、その大半を回収期間が長期にわたる鉄道事業や不動産賃貸事業を中心とした固定資産の取得等に充当しています。重要な設備投資の計画については、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」「(1) 重要な設備の新設等」に記載のとおりです。また、これらの資金は、固定金利に比重を置いた調達を実施しています。これらの資金調達に加えて、キャッシュマネジメントシステムによるグループ資金一元化により、グループ会社からの余剰資金を集約して有効活用するとともに、大規模自然災害や感染症の流行等の予期せぬ事象に備え、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結することにより、機動的に資金を確保する体制を構築しています。 c 株主還元株主還元については、「第4 提出会社の状況」の「3 配当政策」に記載のとおりです。 ③ 経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 経営成績の状況」、「② 財政状態の状況」、「③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 ④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況経営指標の見通し及び進捗状況については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「3.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりです。 |
※本記事は「阪急阪神ホールディングス株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)


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