株式会社ゴールドウインの基本情報

会社名株式会社ゴールドウイン
業種繊維製品
従業員数連1460名 単1236名
従業員平均年齢44.8歳
従業員平均勤続年数16.4年
平均年収7143719円
1株当たりの純資産2489.98円
1株当たりの純利益(連結)545.97円
決算時期年3
配当金163円
配当性向30.2%
株価収益率(PER)15.1倍
自己資本利益率(ROE)(連結)23.2%
営業活動によるCF244億円
投資活動によるCF2億円
財務活動によるCF▲147億円
研究開発費※17.07億円
設備投資額※132.11億円
販売費および一般管理費※11408.34億円
株主資本比率※267.1%
有利子負債残高(連結)※311.5億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 1.会社の経営の基本方針当社グループは「人を挑戦に導き、人と自然の可能性をひろげる」をパーパスとして掲げて、スポーツおよびアウトドアウエア・用品の企画・製造・販売、およびその他関連事業を行っております。自然は、生成・分解を繰り返す大きな循環の中で、それぞれの環境に応じた多様な可能性を進化させています。私たちの社会も自然の一部としてその循環に適切に組み込まれるようにデザインされることが私たちに求められている課題であると考えています。当社は事業活動を通じてステークホルダーの皆様と共にこの課題解決への取り組みを進めていくことを目指し、2024年4月より、2030年に向けた長期ビジョン「PLAY EARTH 2030」をスタートしております。自然をフィールドとして営みを続けてきたGoldwinのモノづくり、コトづくり、環境づくりは、人間の可能性を拡張していくものであり、自然がより豊かになる可能性を探求していくものです。スポーツの起源である「遊び」を通じて常識やルールを更新しながら、変化し続ける人間と自然のあるべき姿を常に模索し、これからの地球と人間をめぐる新しい未来の実現を目指します。  2.目標とする経営指標当社は、継続的な事業成長を通じて企業価値を向上することを目標としております。収益性・効率性をはかる経営指標として、自己資本利益率(ROE)20.0%以上を安定的に創出することを目指してまいります。また、有利子負債比率(D/Eレシオ)は0.3倍以下の維持を目途とし、積極的な成長投資と財務健全性のバランス保持に努めます。  3.中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題(1) 経営戦略スポーツの起源である「遊び」を通じて常識やルールを更新しながら、変化し続ける人間と自然のあるべき姿を常に模索し、これからの地球と人間をめぐる新しい未来の実現を目指します。そのために、常に利他の精神を持ち続けるとともに、企業価値の持続的向上と地球環境の再生を目指してまいります。 ①ゴールドウインブランドのグローバル事業推進ゴールドウインブランドは、社会・環境問題に広い視野を持ち、自然との共生を図るビジネスをより一層追求してまいります。国内のみならず海外市場においても、当社グループの商品力の優位性を背景に、ゴールドウインブランドを世界で展開してまいります。 ②ザ・ノース・フェイスの安定的な成長ザ・ノース・フェイスブランドは、革新的な機能性を備えた製品開発、環境配慮素材の積極採用に代表されるサステナビリティへの取り組み、サプライチェーンとの強固な関係性、直営店を基点としたブランドマーケティングを背景に、安定的な成長を維持しております。製品開発の強化促進、ターゲット市場の拡大、販売チャネル戦略の磨き上げにより、ブランドの魅力を向上し、多様な顧客層への訴求力を強めることで持続的な成長を実現してまいります。 ③マルチブランド戦略による安定的・継続的な成長各分野において、高機能・高品質にこだわった製品を開発し、お客様に満足していただくブランドポジションを確立し、スポーツマーケットの領域を超え、ライフスタイル、ファッション市場においても存在感を発揮してまいります。また、ブランド間の相乗効果を図りながら、マルチブランドで事業を展開する強みを十分に生かし、各ブランド事業の継続的な成長を実現し、価値向上を目指してまいります。 ④新規事業の確立当社の企業理念を実現するため、豊かな体験価値を提供するコト事業・トキ事業へ取り組んでまいります。その一つとして、現在開発を進めているPLAY EARTH PARK事業は、お客様が、自然と関わる機会・自然との体験を通してその楽しさと豊かさに触れ、当社のフィロソフィーに共感いただくことで、ザ・ノース・フェイスをはじめとする当社ブランドの魅力を再認識いただくための体験型サービスであり、今後不可欠と認識しています。また、アルパインツアーサービスと共に、良質なツアー事業を通じて、遊びの機会と感動の場を創造することを推進してまいります。多くの人々と共に自然の尊さの体感や、アウトドア文化及び地球環境の改善に関する気づきを共有し、当社のPurposeやVisionを体現することを目指してまいります。 (2) 対処すべき課題①人的資本への投資人的資本経営を推進し、経営戦略を実行するため、当社の企業価値の源泉となる人財を育成してまいります。 ②コーポレート・ガバナンスの強化当社理念の実現のために、組織運営基盤の継続的な強化に取り組んでまいります。強固な財務基盤の維持、グループ運営管理の最適化、ステークホルダーとの関係強化等を行い、機動的な組織運営を実施してまいります。 ③CSR・コンプライアンス体制社会の中で信頼の置ける必要な会社であると認められるためには、取扱商品への高いニーズ・信頼性にはじまり、企業倫理・法令遵守はもとより、環境問題への積極的な取り組み、さらには当社グループとしての独自の社会貢献活動が今後の取り組み課題となります。 当社は、堅実な財務戦略により維持してきた強固な財務基盤を背景に、上記の施策に取り組み、ブランド事業の収益基盤強化と企業価値の向上に取り組んでまいります。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】1.業績等の概要(1)業績当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)におけるわが国経済は、個人所得の持ち直しや旺盛なインバウンド需要を背景に、緩やかな回復基調を維持したものの、物価上昇や地政学的リスクの影響により、不確実性の高い状況が依然として継続いたしました。加えて少子化・人口減少の進行に伴う市場規模の縮小や、地方経済の衰退、さらには労働力の確保難といった構造的課題が一段と顕在化してきております。海外市場に目を転じると、米国では政権交代に伴う政策転換や対中関係を含む関税政策の不透明感が市場心理に影響を与え、企業の設備投資や個人消費に慎重な姿勢が広がりました。中国においては、不動産市場の低迷が長期化し、個人消費の伸び悩みが続いておりますが、政府による景気刺激策や新興産業分野への投資促進を背景に、外食・レジャーといったサービス消費には回復の兆しも見られ、経済活動の二極化が進行しています。現在、アパレル業界においては気候変動の影響が顕在化しつつあり、従来の季節構成や商品供給の在り方を根本から見直す動きが加速しています。加えて、機能性や汎用性に優れた高付加価値商品に対する需要は、アウトドアウエアのみならず日常着にも広がりを見せており、市場構造そのものが大きな転換期を迎えております。一方で、インバウンド需要の高まりや体験型消費への関心の高まり、さらには日常生活における機能性ウエアの定着といった中長期的にプラスとなる要素も明確になりつつあります。このような外部環境下、当社グループは暖冬の影響を受けながらも、旺盛なインバウンド需要や都市型旗艦店を中心とした国内消費の回復等に支えられ、売上高は前期比増収となりました。この結果、当連結会計年度の業績は、売上高132,305百万円(前期比4.3%増)、営業利益21,905百万円(前期比8.1%減)、経常利益30,806百万円(前期比5.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は24,444百万円(前期比0.7%増)となりました。 (2)キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物は51,985百万円となり、前連結会計年度末より9,973百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られたキャッシュ・フローは24,437百万円(前連結会計年度比5,885百万円の収入増)となりました。主な要因は、法人税及び住民税の支払9,935百万円および持分法による投資利益8,446百万円があったものの、税金等調整前当期純利益30,218百万円および利息・配当金受取額8,328百万円があったためであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果得られたキャッシュ・フローは208百万円(前連結会計年度は1,488百万円の使用)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出2,007百万円があったものの、固定資産の売却による収入1,168百万円および定期預金の純減少額1,040百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用したキャッシュ・フローは14,768百万円(前連結会計年度比5,400百万円の支出増)となりました。これは主に、配当金の支払8,036百万円および自己株式の取得による支出6,013百万円によるものであります。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期 自己資本比率(%)57.863.967.470.973.2 時価ベースの自己資本比率(%)351.4283.6478.9315.1245.1 債務償還年数(年)1.30.20.10.10.0 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)57.1223.8474.0501.7635.6自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注1)各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている短期借入金、長期借入金(1年以内返済分を含む)および社債(1年以内返済分を含む)を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 (3)生産、受注及び販売の実績当社グループは、製品の種類、性質、製造方法および販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列のスポーツ用品を専ら製造販売しているため、生産および販売の実績についての記載を省略しております。また、受注状況についても一部の特殊商品のみ受注生産を行っておりますが、全体に占める割合が僅少であるため、記載を省略しております。 2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)重要な会計方針および見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されておりますが、その中で以下に掲げる重要な会計方針および見積りにつきましては特に、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因になっていると考えております。 ① 売上高の計上基準当社グループの売上高は、商品を顧客に引渡した時点で履行義務が充足されると判断し、当該時点で売上を計上しております。ただし、国内の販売において、出荷時から商品又は製品の支配が顧客に移転される時までの時間が通常の期間である場合には、出荷時に売上を計上しております。 ② 製品・商品・原材料の評価棚卸資産のうち、製品・商品についてはあらかじめ設定された販売適用時期を過ぎたものについて、過去の販売実績に基づき開発年度ごとに算定した評価率を乗じて時価(正味売却価額)を算出し、その時価の見積り額と原価との差額を評価減しております。原材料は生地等の今後の使用可能性とともに、一定の滞留期間を経過したものについて、処分価格を基準として評価減しております。 ③ 固定資産の減損処理固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたっては、主として営業店舗等を基本単位とした資産のグルーピングを行っております。業績不振により収益性が著しく低下したグループについては、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損処理しております。 ④ 有価証券の減損処理市場価格のある有価証券については、基本的に連結会計年度末の市場価格が取得原価を50%以上下回ったものは全て、下落率が30%以上50%未満のものは、回復可能性を一定の基準で判定し減損処理を行っております。また、市場価格のない会社への投資については、当該会社の1株当たり純資産額が取得原価を30%以上下回った場合に、回復可能性を一定の基準で判定し減損処理しております。(2)財政状態の分析① 流動資産当連結会計年度末における流動資産の残高は93,438百万円となり、前連結会計年度末と比べ9,606百万円増加いたしました。その主な要因は、現金及び預金の増加9,047百万円があったためであります。・売上債権(受取手形及び売掛金、電子記録債権)当連結会計年度末の売上債権は19,537百万円となり、前連結会計年度末と比べ919百万円減少いたしました。当連結会計年度末の売上債権回転月数につきましては、前連結会計年度末1.93ヵ月から当連結会計年度末1.77ヵ月となりました。・棚卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)当連結会計年度末の棚卸資産は19,220百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,003百万円増加いたしました。棚卸資産回転月数につきましては、前連結会計年度末1.72ヵ月から当連結会計年度末1.74ヵ月となりました。 ② 固定資産当連結会計年度末における固定資産の残高は57,438百万円となり、前連結会計年度末と比べ294百万円増加いたしました。その主な要因は、建物及び構築物の増加609百万円、繰延税金資産の増加913百万円、投資有価証券の減少1,167百万円等によるものであります。・投資有価証券投資有価証券には、関連会社の株式27,572百万円のほか、長期・安定的な取引関係維持のために所有している主要取引金融機関や主要仕入先等の株式が含まれております。当連結会計年度末における投資有価証券の残高は33,014百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,167百万円減少いたしました。 ③ 負債(流動負債および固定負債)当連結会計年度末における負債合計の残高は39,674百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,133百万円減少いたしました。主な要因は、株式給付引当金の増加2,244百万円があったものの、未払法人税等の減少3,691百万円があったためであります。 ④ 純資産当連結会計年度末における純資産合計の残高は111,203百万円となり、前連結会計年度末と比べ11,033百万円増加いたしました。主な要因は、自己株式の増加5,475百万円があったものの、利益剰余金の増加16,407百万円があったためであります。 ・自己資本比率当連結会計年度末の自己資本比率は73.2%となり、前連結会計年度末と比べ2.3ポイント上昇いたしました。・ROE当連結会計年度末のROEは23.2%となり、前連結会計年度末と比べ3.8ポイント下落いたしました。 (3)資本の財源および資金の流動性に係る情報等① キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より9,973百万円増加し、51,985百万円となりました。これは、営業活動の結果得られた収入24,437百万円に対し、固定資産の取得等の投資活動による収入が208百万円あったことおよび配当金の支払等の財務活動による支出が14,768百万円あったことによるものです。当社グループは、運転資金および設備投資について、営業活動から獲得する自己資金ならびに金融機関からの借入による調達を行うものとしております。なお、手元現預金等に加え、主力銀行を中心とした取引金融機関の協力も得て、資金の充分な流動性を確保しており、当社の当面の資金繰り、及び財務の安定性に懸念はございません。 ② 財務政策現在、当社グループの財務政策の重点課題として、「グループキャッシュ・フロー重視経営の徹底」を掲げております。有利子負債の削減を目的としてキャッシュ・フロー管理の徹底を図り、ブランド事業ごとの収益基盤の強化を推進し、財務体質を強化いたします。また、財務の健全性を高めるため、長期安定資金の比率を高めるとともに総資産の圧縮を進めます。主たる経営指標としては、自己資本利益率(ROE)の向上を目標とし、収益性・効率性の高い経営を目指しております。具体的には、引き続きキャッシュ・フロー重視の経営を推進することで、ROE18%以上の維持を目標として取り組みます。また、積極的に投資を推進する方針でありますが、経営の健全性を保つために有利子負債比率(D/Eレシオ)は0.3倍以下の維持を目指して取り組んでまいります。 (4)経営成績の分析① 売上高事業区分別では、パフォーマンス領域については、第1四半期から第3四半期にかけて前期を下回る水準で推移しました。特に夏商戦の伸び悩みが影響しましたが、第3四半期後半以降、冬物販売の回復が進み、通期では前年同期比95.8%で着地しました。計画には届きませんでしたが、復調の兆しは明確に感じられる結果となりました。ライフスタイル領域では、全四半期を通じて前年実績を上回り、インバウンド需要の回復も追い風となりました。結果として、通期売上は前年同期比108.6%、計画比でも概ね想定どおりの進捗となりました。最後にファッション領域では、インバウンド需要の顕著な回復が業績を押し上げ、通期では期初見通しを上回る水準で着地いたしました。商品別では、主力アイテムであるダウンジャケットやフリース等の冬物商材の販売が、暖冬の影響を受けつつも、値引き販売を抑制しつつ、堅調に推移しました。また、猛暑による影響で吸湿速乾性や接触冷感といった機能性を備えたアイテムが都市部を中心に好調に推移し、通期業績の安定化に寄与しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は132,305百万円(前期比4.3%増)となりました。 ② 売上総利益当連結会計年度の売上総利益は売上高の増加により、68,925百万円(前期比2.6%増)となりました。しかしながら、原料高や為替の影響を受け、売上総利益率は前期比で0.8ポイント低下し、52.1%となりました。 ③ 営業利益当連結会計年度の営業利益は21,905百万円(前期比8.1%減)となりました。売上総利益の増益はあったものの、販売費及び一般管理費がJ-ESOPによる人件費の増加等により47,020百万円増加(前期比8.5%増)し、前期比減益となりました。 ④ 経常利益韓国における持分法適用関連会社であるYOUNGONE OUTDOOR Corporationは、猛暑等の気候変動の影響により春夏商品の販売に一部影響を受けたものの、通年型商品の堅調な推移と販管費の効率的な執行により、前期比増益を確保いたしました。しかし、前述の営業利益の減益により、経常利益は30,806百万円(前期比5.5%減)となりました。 ⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益特別損益には、特別利益に事業ポートフォリオの見直しに伴うブランド撤退に係る商標権売却益1,156百万円等を計上し、特別損失に当社が保有する投資有価証券の一部について、取得価額に比べ実質価値が著しく下落したことによる投資有価証券評価損1,793百万円等を計上いたしました。また、法人税等の計上が前期比29.7%減の5,765百万円となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は24,444百万円(前期比0.7%増)となりました。 (5)目標とする経営指標の達成状況引き続き円安や資源価格高騰の影響はあるものの、旺盛なインバウンド需要に加え、実質賃金の上昇により国内経済が活性化することは、当社のようなブランドビジネスには良い影響を与えると認識しております。このような状況下、当社グループは、2022年3月期を初年度とする5期間の中期経営計画の進行中でありましたが、同計画を策定した時期は、コロナ禍の長期化を考慮して、同計画の期間中での海外売上高やインバウンド需要の開拓を計画には織り込んでおりませんでした。しかし、現在においては、経済活動が本格的に再開していることや、自社ブランドGoldwinの海外展開を積極的に推進すべく、2025年3月期を初年度とする新しい中期経営計画をスタートさせております。新しい中期経営計画では、これまでの「事業と環境の2つのサステナビリティの両立」の基本方針を継続しつつ、Goldwinブランドによる海外展開具体化、THE NORTH FACEの市場拡張、成長投資先の探索や株主還元、人的資本への投資等のキャッシュアロケーションの方針等を織り込んでおります。2026年3月期におきましては、堅調なインバウンド需要の継続に加え、都市部を中心とする個人消費の回復基調が経済を下支えすると見込まれます。一方、地政学リスクの顕在化や為替市場の不安定化といった外部要因は、依然として我が国の事業環境に不確実性をもたらしており、慎重な対応が求められる状況が続いております。こうした環境のもと、当社グループは、2025年3月期より始動した中期経営計画に基づき、自社ブランド「Goldwin」のグローバル展開を成長戦略の中核に位置づけ、2033年3月期における全世界売上高500億円の達成を長期目標に掲げ、その実現に向けて、戦略的な海外出店を着実に進めております。現在、中国国内では北京・上海・成都・杭州・南京の店舗を展開しております。2025年度中にはさらに5店舗の開業を予定しており、成長スピードの加速が求められる段階に入っています。また、THE NORTH FACEブランドにおいては、アウトドアアパレルという中核領域の収益基盤を維持しつつ、ウィメンズ・キッズ・フットウェアといった周辺カテゴリーへの展開を加速させ、さらなる成長の可能性を追求しております。これらの施策を着実に実行することで、2026年3月期における業績は、売上高140,500百万円(前期比6.2%増)、営業利益25,900百万円(同18.2%増)、経常利益33,900百万円(同10.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益25,400百万円(同3.9%増)を見込んでおります。 (単位:百万円) 2021年3月期(実績)2022年3月期(実績)2023年3月期(実績)2024年3月期(実績)2025年3月期(実績)2026年3月期(予想)連結売上高90,47998,235115,052126,907132,305140,500連結営業利益14,83816,50121,904 23,847 21,905 25,900連結経常利益15,98420,28528,08332,60130,806 33,900ROE21.6%24.7%29.3%27.0%23.2%-

※本記事は「株式会社ゴールドウイン」の令和7年年3期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

スポンサーリンク

連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

コメント